JP2000136022A

JP2000136022A - 可視表示部と非接触ｉｃ部を備えた搬送用容器及び物流ライン

Info

Publication number: JP2000136022A
Application number: JP10312131A
Authority: JP
Inventors: Shinya Takemoto; 晋也竹本
Original assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Current assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Priority date: 1998-11-02
Filing date: 1998-11-02
Publication date: 2000-05-16

Abstract

(57)【要約】【課題】可視的表示部と電子的情報記録部を持つ搬送
用容器と、それらの表示部及び情報記憶部に非接触でア
クセスできるようにした物流ラインを提供することであ
る。【解決手段】搬送用容器１の側壁３に熱可逆性感熱材
料から成る書き換え可能な表示部４と、ＩＣチップとア
ンテナから成る非接触ＩＣ部５を設けたのである。この
搬送用容器１を搬送する物流ラインには、前記表示部４
を非接触で書き込み・消去する手段と、前記ＩＣ部５の
リーダ・ライタ手段を配置し、搬送用容器１の分岐、計
量、管理等を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】この発明は、可視画像を繰り返し表
示、消去することができる表示部と、繰り返し読み取
り、書き換えのできる非接触ＩＣ部を備えた搬送用容
器、およびそれを用いた物流ラインに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、荷物搬送用等の搬送用容器は搬送
場所、搬送物（内容物）等の個別情報を表示した表示ラ
ベルを貼り付けることにより、人が目視でその個別情報
を確認して搬送違いを防止したり、バーコードの読み取
りなどによって自動的に仕分け、ライン分岐などを行っ
ている。すなわち人間の目と機械の目の両方にそれぞれ
認識できる表示がされていることが望ましい。しかし通
常の表示ラベルは表示する情報が変わる度に表示ラベル
を剥離し、新規の情報を記した表示ラベルに貼り替える
必要がある。そのためラベルの粘着剤が容器に残留して
汚くなったり、表示ラベルが搬送用容器から脱落したり
する問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、可視情報を書
き換えできる表示ラベルを使用することが考えられ、様
々な方式の中でも解像度、視認性、書き換えの容易性な
どの点で優れた、熱可逆性の感熱記録材料が好適に利用
できる。具体的には、加熱処理温度や加熱後の冷却速度
によって可逆変化を生じ、常温下において透明状態か白
濁不透明状態か、あるいは発色状態か消色状態かを保持
でき、それらのコントラストで可視画像を形成できるも
のであり、前者は高分子樹脂母材とその中に分散された
低分子化合物の物理的構造による乱反射の大小でコント
ラストを得るものであり、後者は高分子樹脂母材の中に
分散されたロイコ染料体の構造変化による発色でコント
ラストを得るものである。

【０００４】ところが、これらの熱可逆性記録材料の可
視画像記録手段として実用化されているのは、一般的な
感熱記録紙や感熱記録ラベルと同様に、局部的に任意に
加熱ができるサーマルヘッドなどの接触型の印字方式が
主体であり、また可視画像の消去手段もサーマルヘッド
のほか、加熱スタンプ、加熱ローラー、加熱バーなどの
接触型の消去方式である。特にサーマルヘッドの場合は
媒体との触性が重要であるため専用の印字装置を要し、
そのためカードやラベルなどのように印字する媒体の形
状の制約を受ける。すなわち、任意の大きさや形状の搬
送用容器などにこの表示部を設けた場合、位置的な問題
や形状、凹凸等により、容器そのものに直接印字する事
は非常に困難で、結果的にカードやラベル状にしてその
都度容器から取りはずし、新たな可視画像に書き換えて
再度容器に取り付けるという作業が必要となる。

【０００５】さらには接触して印字・消去を行うと、加
熱と同時に物理的に圧力や剪断力、こすれなどが加わ
り、そのため記録媒体が物理的に破壊されやすく、繰り
返し書き換える際の劣化が大きくなり、記録材の寿命が
短くなる。

【０００６】またこの熱可逆性の感熱記録材料を使用し
た場合、人の目による可視画像の視認性は問題ないが、
バーコードなどで機械的に画像を読みとって仕分け、ラ
イン分岐を行うには、画像の保存性やセキュリティーに
おいて問題がある。実際バーコードなどの読み取りは実
用化レベルにあるが、熱によって容易に消去されること
と、前の印字の跡残りなどの繰り返し書き換え時のバー
コードの品位において不安がある。簡易的な仕分けやラ
イン分岐システムで、仮にバーコードが消えたり読めな
かったりしても対処ができる仕様でないと実用化は困難
である。

【０００７】この発明の課題は、以上のような問題点を
解決し、人間の目による視認性良好な表示部を持ち、さ
らに保存性やセキュリティー、および記録容量に優れた
方式で機械の目で読みとることができる記録部をもち、
かつそれらを都度取り外したりせずに物流ラインを搬送
中に非接触で書き換えることができ、さらにそれらの位
置的な問題や形状、凹凸などの制約を受けにくく、かつ
物理的な接触による劣化が少ない書き換え方式を使用で
きる搬送用容器、およびそれを用いた物流ラインを提供
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の搬送用容器は、加熱処理温度や加熱後
の冷却速度によって可逆変化を生じ、常温下において透
明状態か白濁不透明状態か、あるいは発色状態か消色状
態かを保持でき、それらのコントラストで可視画像を形
成できる熱可逆性感熱記録材料からなる書き換え可能な
表示部と、ＩＣチップとアンテナからなる非接触ＩＣ部
を備えたことを特徴とする。

【０００９】前記搬送用容器が搬送される物流ラインに
は、搬送されながら表示部に可視画像を非接触で書き込
む手段と非接触で消去する手段が備えられ、さらに、電
磁波の発信により搬送用容器に備えられた非接触ＩＣ部
の情報の読み取り、書き換えを非接触で行うためのリー
ダ・ライタが備えられている。またさらに、この物流ラ
インには、搬送用容器が搬送されながら非接触にて読み
書きされるその個別情報を利用して、物流ライン上で自
動的に分岐や計量、管理などを行う制御手段が備えられ
ている。

【００１０】なお、前記非接触による表示部可視画像の
書き込み手段がレーザ光線であり、消去手段が熱風、温
水、赤外線ヒータから選ばれる手段が好ましい。

【００１１】

【実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に
基づいて説明する。図１は搬送用容器の一例を示す。図
示のように、容器１は、底壁２及び側壁３を有する箱形
になっており、上面は開放され、内部に物品を収納して
搬送される。この容器１の適宜個所、例えば側壁３に
は、非接触で印字及び消去が可能な熱可逆性感熱材料か
ら成る表示部４と、非接触ＩＣ部５が設けられている。

【００１２】非接触で印字および消去が可能な可逆性感
熱記録材料として、大きく分けて２種類のものが使用で
きる。第１の可逆性感熱記録材料は高分子樹脂母材とそ
の中に分散された低分子化合物の物理的構造による乱反
射の大小で白濁不透明状態と透明状態のコントラストを
利用するものであり、第２の可逆性感熱記録材料は高分
子樹脂母材の中に分散されたロイコ染料体の構造変化に
よる発色状態と消色状態のコントラストを利用するもの
である。

【００１３】具体的には、第１の可逆性感熱記録材料
を、さらに３つのタイプに細分化することができる。特
定のある温度領域Ｔ１から常温に冷却されると透明化
し、Ｔ１よりも高い温度領域Ｔ２から常温に冷却される
と白濁不透明化するＡタイプと、逆に特定のある温度領
域Ｔ１から常温に冷却されると白濁不透明化し、Ｔ１よ
りも高い温度領域Ｔ２から常温に冷却されると透明化す
るＢタイプと、特定のある温度領域Ｔ３に処理された
後、急冷で透明化し、徐冷で白濁不透明化するＣタイプ
である。これら３つのタイプを使い分けることにより、
透明地／白濁印字のパターンかあるいは白濁地／透明印
字の２種の可視画像パターンが表示可能となる。

【００１４】第２の可逆性感熱記録材料はロイコ染料体
の種類により、白色地に黒、青、赤色などのカラーで視
認性の良い印字のパターンが表示可能であり、さらにう
まく発色性に差をつけ、多層構成にすることによって２
色以上の可視画像の形成も可能である。

【００１５】非接触での局部的な加熱手段としてはレー
ザ光線による熱変換が利用でき、上記の２種の可逆性感
熱記録材料はこれによって可視画像を印字できる。レー
ザ光線の種類はさまざまあるが、発信するレーザ光線の
波長によって感熱記録層、あるいはその周辺の層が発熱
し、感熱記録層が所望する記録温度に設定できるもので
あれば問題ない。特に汎用性や、コスト、システムなど
の面からも、搬送ラインなどに設置して刻印によるマー
キングとして使用されているＣＯ₂レーザ（波長１０．
６μｍ）はそのマーキングシステムも含めて好んで使用
される。

【００１６】また非接触で表示部４の可視画像を消去す
る場合は、印字のように局部的な加熱でなく、表示部４
全体が消去温度範囲に処理されれば良いため、熱風を利
用して乾燥炉内で搬送用容器１ごと加熱したり、ドライ
ヤーなどで表示部４にめがけて熱風を吹きかけたりする
ことで消去できる。また赤外線ヒータを用いた場合、熱
風よりも熱のロスが少なく、短時間で表示部４のみ局部
的に消去ができる。赤外線ヒータを利用する場合、レー
ザ印字の際と同様に表示部４にその波長での吸収により
発熱するＩＲ吸収剤などを添加して熱効率を向上させる
こともできる。またこれら以外にも消去温度に設定され
た温水をかけたり、洗浄水や蒸気などを利用してもよ
い。搬送用容器１がコンテナなどの場合、通常、物流ラ
イン上で洗浄水、温水、熱風乾燥などの容器洗浄工程が
あるため、その処理温度が表示部４の消去温度に合うよ
うに設定しておけば特別の消去装置は不要にできる。

【００１７】これらの非接触による表示部４への可視画
像の印字・消去によって、加熱状態の可逆性感熱記録材
料に物理的な圧力や剪断力、こすれなどを加えることが
なく、表示部４の記録材料の劣化を低減することができ
る。

【００１８】上述した可逆性感熱記録材料を用いた表示
部４を備えた搬送用容器１は、いわゆるコンテナや箱、
トレイ、パレットなどの物品を搬送する容器全般を指
す。これらの搬送用容器の形状は特に限定されない。凹
凸があったり円筒状など表面が平坦でない複雑な形状の
ものでもよい。

【００１９】さらに非接触で機械の目で個別情報を読み
取り、書き換える手段として非接触ＩＣ部５が設けられ
ている。非接触ＩＣ部５は、電磁波によってデータの読
み取り、および書き込みを行うものであり、その伝達距
離によって密着型、近接型、近傍型、マイクロ波型など
に分類できる。その一例を図２に示す。図示のように、
密閉ケーシング５ａ内に情報を記憶するためのＩＣチッ
プ５ｂとアンテナ５ｃが収納され、別に物流ラインに設
置した専用のリーダ・ライタから発信される電磁波をア
ンテナ５ｃで受け取り、それをエネルギーとしてＩＣチ
ップ５ｂを動作させることにより、非接触で情報の読み
取り・書き換えを行うことができる。

【００２０】図３に物流ラインの一例を示す。図示のよ
うに、物流ラインは例えばローラコンベアによって構成
され、主搬送路１０には分岐搬送路１１、１２、１３が
設けられており、それらの分岐点には、それぞれ方向転
換コンベア２１、２２、２３が設けられている。これら
の方向転換コンベア２１、２２、２３は、例えばシリン
ダによって上下動及び回動可能になっており、搬送用容
器１がその搬送面に到達すると少し上昇して容器１を持
ち上げそして回動することにより方向転換し、分岐搬送
路１１、１２、１３と同一面に下降して搬送面のローラ
を駆動し、分岐搬送路に容器１を送り込む。

【００２１】前記分岐点に対応して、容器１の表示部４
とＩＣ部５との情報交換を行なう可視画像の書き込み・
消去手段３１、３２、３３及びリーダ・ライタ４１、４
２、４３が設けられている。これらの書き込み・消去手
段及びリーダ・ライタは、それぞれ電子制御部５０に接
続され、容器１の搬送路の分岐や分岐数量管理などの制
御が行なわれる。なお、主搬送路１０に計量パン１４を
設け、計量を行なうことができる。この計量パン１４の
計量情報も制御部５０に入力され、重量不足などの管理
が行なわれる。この計量パン１４に対応して、前述と同
様の書き込み・消去手段３４及びリーダ・ライタ４４を
設けておくことができる。なお、計量パン１４の上面に
適宜ローラを配置したり、後方にプッシャを配置するこ
とができる。

【００２２】なお、上記の実施形態では、搬送路として
ローラコンベアの例を示したが、その他ベルトコンベ
ア、チェーンコンベア、流体搬送路、自走車搬送路な
ど、物品を連続して搬送できる装置であればどのような
ものでもよい。また、非接触ＩＣ部としてチューブ型の
ものを示したが、カード型、ディスク型等でもよく、好
ましくは搬送用容器の壁面内部にアンテナとＩＣチップ
を埋め込むのがよい。

【００２３】

【発明の効果】この発明によれば、以上のように、搬送
用容器に、非接触で書き込み・消去可能な可視表示部と
非接触でリード・ライト可能なＩＣ部を設けたので、情
報保持部の劣化が少なく耐久性に富み、物流ラインにお
ける分岐等を目視で確認できると同時に、複雑な電子的
管理も可能となり、誤認等が無くなり、セキュリティの
向上もはかることができ、自動的物流システムの信頼性
を大巾に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の搬送用容器の一例を示す斜視図

【図２】非接触ＩＣ部の一例を示す縦断面図

【図３】物流ラインの一例を示す平面線図

【符号の説明】

１搬送用容器２底壁３側壁４表示部５非接触ＩＣ部５ａケーシング５ｂＩＣチップ５ｃアンテナ１０主搬送路１１、１２、１３分岐搬送路１４計量パン２１、２２、２３方向転換コンベア３１、３２、３３、３４非接触書き込み・消去手段４１、４２、４３、４４非接触リーダ・ライタ５０電子制御部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】加熱処理温度や加熱後の冷却速度によっ
て可逆変化を生じ、常温下において透明状態か白濁不透
明状態か、あるいは発色状態か消色状態かを保持でき、
それらのコントラストで可視画像を形成できる熱可逆性
感熱記録材料からなる書き換え可能な表示部と、ＩＣチ
ップとアンテナからなる非接触ＩＣ部を備えた搬送用容
器。
【請求項２】請求項１に記載された搬送用容器の搬送
路と、前記搬送用容器の表示部に可視画像を非接触で書
き込み及び消去を行う手段と、電磁波の発信により前記
搬送用容器に備えられた非接触ＩＣ部の情報の読み取
り、書き換えを非接触で行うためのリーダ・ライタを備
えた物流ライン。
【請求項３】前記搬送用容器が搬送路を搬送されなが
ら非接触で読み書きされる個別情報によって、搬送路で
自動的に分岐や計量、管理などを行う制御手段を設けた
ことを特徴とする請求項２に記載の物流ライン。
【請求項４】非接触による表示部可視画像の書き込み
手段がレーザ光線であり、消去手段が熱風、温水、赤外
線ヒータから選ばれる手段から成る請求項２又は３に記
載の物流ライン。