JP4790355B2 - リライタブルラベルの記録情報更新装置 - Google Patents

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本発明は、物流システムにおける再利用可能な容器(通い箱と称す)のリライタブルラベルの記録情報更新装置に関し、特にレーザーによるリライタブルラベルの記録情報更新に関するものである。
物流システムにおける、通い箱使用の代表例として、ピッキング指示システムが挙げられる。
従来のピッキング指示システムとしては以下の装置が知られている。
第7図は、その一実施例によるピッキング指示システムの全体的構成を示す斜視図であり、多数の収納部1を有する保管棚2がコンベヤライン10に沿って配列され、各収納部1には個別取出表示器4が設けられ、さらに取り出し作業終了時に操作されるスイッチ7が設けられている。
保管棚2の上部には物品取出数表示器6が設けられている。
一方、コンベヤライン10により再利用可能な搬送容器であるバケット(通い箱)11が搬送され、該バケット11にはICカード12が取り付けられている。該カード12には、各顧客に対応して付された当該カード自身の番号や、作業者に与えられるべきピッキング指示に関する情報や、さらにはバケット11が搬送されるべき方向に関する情報等、システム内で該バケットを搬送しかつピッキング作業を行うに必要なすべての情報が格納されているとともに、それらの情報を表示する機能を有している。
また、コンベヤライン10の付近には、複数の保管棚で成る保管棚ブロックごとに読み書き自在機13が設けられており、該読み書き自在機13は、バケット11に取り付けられたICカード12の情報を、例えばマイクロウェーブ(極超短波)等の信号によって該カードに接触せずに読み取ると共に、該カード12に新しい情報を書き込む機能とそれらの情報を該カードに表示させる機能とを有している。(このようなICカードによる非接触の情報読取りをRFID(RADIO-FREQUENCY-IDENTIFICATION)と称する。)
以上の構成において、バケット11が読み書き自在機13の前に到着すると、読み書き自在機13はICカード12の情報を読み取って、当該バケット11へ投入すべき物品の種類すなわち収納部1の位置及びその収納部からピッキングすべき物品の数を、それぞれ個別取出表示器4及び物品取出数表示器6に表示することができる。
作業者はその表示に従って必要な物品すなわち個別取出表示器4が点灯した収納部1の物品を、必要な数すなわち物品取出数表示器6に表示された数だけピッキングして当該バケット11へ投入することもできるが、通常、作業者はICカード12の表示に基づいてピッキング作業を行うものである。
ピッキングが終了すると、作業者は保管棚2に取り付けられているスイッチ7を押す。読み書き自在機13からはICカード12に作業完了指令が与えられ、該カード12は次の物品に関するピッキング情報の表示に移る。
そして保管棚2における他の個別取出表示器4が点灯し、物品取出数表示器6が個数を表示すると作業者は前述と同様のピッキングを行い、これを順次繰り返すことになる。
上述のシステムでは、バケットに取付けられたICカードで記録された情報を読み取ることは可能であるが、作業者が当該ICカードの内容を直接見ることはできないので、ICカードに加えて、当該ラベルに作業者が読取り可能な情報(文字情報)を印刷する装置もあった。
また、図7におけるバケットに取付けられたICカードを使用せずに、バスケットに貼付されたラベルにバーコード(2次元バーコードを含む)を印刷して、当該バーコードをバーコードリーダによって読取ることによって、バーコードを解析してハンドリングを行う装置もあった。
また、再利用可能なラベルとしては、以下のものが知られている。(特許文献1参照)
「可逆性感熱記録材料を用いた可逆感熱紙として、例えば、電子供与性染料前駆体を用いたロイコ系リライタブル感熱紙が開発されている。電子供与性染料前駆体は、酸性雰囲気下で分子内のラクトン環が開環することにより発色し、酸性雰囲気を取り除くとラクトン環が閉環し無色の状態に戻るものである。ロイコ系リライタブル感熱紙はこの電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤を組み合わせたものであり、可逆顕色剤とは電子供与性染料前駆体と反応して発色・消色の可逆性を発現するものである。可逆顕色剤には、例えば長鎖アルキル基をもつフェノール系化合物等が用いられる。
図8は、上述した可逆感熱紙の特性説明図である。この図において、横軸は温度、縦軸は発色濃度を示している。この図に矢印で示すように、消色状態(A)の可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となり、これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持される。逆に溶融状態(B)から徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻る。また、固体発色状態(C)において、溶融状態よりもやや低い温度領域で一定時間保持すると、元の消色状態(A)に遷移する性質がある。この温度領域(溶融温度よりもやや低い温度領域)を「消色温度領域」と呼ぶ。
また、本出願人は、上記の可逆感熱紙によるラベル(以下、リライタブルラベルと称する。)を使用した再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報更新装置として既に特許出願(特願2005−48220)をしている。
そして、当該特許出願には以下の事項が開示されている。
図5は、再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報を更新するシステムの斜視図である。
図5において、21は記録情報更新装置であって、該記録情報更新装置には、記録情報消去手段である加熱ローラ22aを有する情報消去部22及び情報書込み手段であるサーマルヘッド23aを有する情報書込み部23を備えている。
前記情報消去部及び情報書込み部は、後述のラベル24に対して密着されるように矢印方向に移動可能に装着されている。
なお、図5では、移動方向である矢印は、水平方向にのみ示されているが、ラベルの位置に応じて垂直方向に移動するように構成することも可能である。
また、図5では、前記情報消去部及び情報書込み部は、それぞれ別体に形成されているが、情報消去部と情報書込み部を一体に形成しても良い。
前記ラベル24は、コンベヤ26上を移動する再利用可能な搬送容器(例えば、通い箱等)25の側面に貼付されており、記録情報を消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成されている。
次に、図5の動作を以下に説明する。
コンベヤ26上の再利用可能な搬送容器25が移動して図示しない検出装置によって、記録情報更新装置の接近すると、先ず、情報消去部22に装着された加熱ローラ22aをラベル24に密着させて、該加熱ローラによってラベルの可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱することによって、図8の発色状態Cから
溶融状態図8の(B)にして、これを徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻るので、ラベルに記録された古い記録情報を消去できる。
次に、加熱ローラによって、古い記録情報が消去されたラベルに対して、情報記録部23に装着されたサーマルヘッド23aを密着するように移動させて、図8の消色状態(A)のラベルの可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となり、これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持されるので、新しい情報を記録することができる。
図5では、消去手段として加熱ローラを使用しているが、特定温度に加熱される金属プレートを使用することもできる。
サーマルヘッドによって、ラベル24に記録される情報としては、文字や記号のみでなく、バーコードや二次元バーコード等の種々のものが可能である。
また、サーマルヘッドによる記録に代えて、レーザービームによりラベルとは非接触の状態で記録することも可能である。
レーザービームによるものを図6に示す。
図6において、27はレーザー発振器で、28はレーザービームであること以外は図5と同様である。
更に、従来から行われているICカードによる非接触の情報読取り(RFID)と併用することによって、大量のデータハンドリングとラベルによる可視化の両立を可能にすることができる。
図6のレーザービームによる記録情報の書込みの前の記録情報の消去は、図5に記載の如きサーマルヘッドで行っていた。
特開2002−215038号公報 (0015),(0018)
しかし、図6に示すレーザーによるリライタブルラベルの記録情報更新装置には以下の問題点がある。
図6に示すレーザーによるリライタブルラベルの記録情報更新装置では、リライタブルラベルに記録された記録情報の消去を、サーマルヘッドを使用して行っていたために、記録情報の書込み用のレーザー装置と、記録情報の消去用のサーマルヘッド装置の2台が必要であった。
本発明の課題(目的)、レーザー装置のみで、リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書込みが可能な新規なリライタブルラベルの記録情報更新装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、物流システムのコンベヤ上を搬送される再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置において、
前記リライタブルラベルを当該リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書
込みが可能な可逆感熱紙で構成し、前記搬送容器が搬送される物流システムのコンベヤの近傍に沿って、前記リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び新たな記録情報の書込みを実行するレーザービーム発生装置を配置し、前記レーザービーム発生装置の配置位置に対応したコンベヤ上に可動ガイドブレードを備えたストッパを設け、前記リライタブルラベルに記録された記録情報の消去時には、当該搬送容器を前記ストッパによりコンベヤの進行方向への移動を停止させた状態で、前記可動ガイドブレードをコンベヤの幅方向に移動させて、前記レーザービームの焦点を前記リライタブルラベルの記録表面からずれた位置に保持する位置に位置決めし、前記リライタブルラベルへの記録情報の書込み時には、当該搬送容器を前記ストッパによりコンベヤの進行方向への移動を停止させた状態で、前記可動ガイドブレードをコンベヤの幅方向に移動させて、前記レーザービームの焦点を前記リライタブルラベルの記録表面に保持する位置に位置決め、することを特徴とする。(請求項1)
請求項に記載の発明は、レーザー装置のみで、リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書込みが可能な新規なリライタブルラベルの記録情報更新装置を実現することができる。
図1〜4を用いて、本発明の物流システムのコンベヤ上を搬送される再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置の説明をする。
図1は本発明の物流システムのコンベヤ上を搬送される再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置の構成を示す図であって、リライタブルラベル24に記録された記録情報をレーザービームによって更新する前の待機状態を示している。
図1において、26はコンベヤ(駆動ローラ)で、複数の再利用可能な搬送容器25(ケース)が搬送されてくる。
そして、該搬送容器25には、リライタブルラベル24が貼付されており、該リライタブルラベルには以前に使用した時の記録情報が書込まれている。
27は、レーザービーム発生装置(レーザ発振器)であって、発生されたレーザービームがリライタブルラベルの記録情報の更新に使用される。
また、29は可動ガイドブレード30を備えたストッパであって、前記レーザービーム発生装置に対向した位置に設けられて、該ストッパ29をコンベヤ上に上昇させることによって、前記搬送容器25を記録情報の更新位置に停止させることができる。
また、30は可動ガイドブレードであって、該可動ガイドブレードをコンベヤの幅方向に可動させることによって、前記ストッパで停止された搬送容器をコンベヤ幅方向に移動させて位置決めすることができる。
図2は、リライタブルラベル24に記録された記録情報をレーザービームによって消去するための消去位置決めと消去動作時の状態を示している。
図2では、ストッパによって停止された搬送容器を可動ガイドブレードをコンベヤの幅方向でレーザービーム発生装置から遠ざかる方向に可動させることによって、搬送容器をリライタブルラベルを消去位置に位置決めする。
この消去位置は、レーザービームの焦点がリライタブルラベルの表面から大きく(数十mm程度)ずれた位置であって、この状態では、レーザービームはリライタブルラベルの表面に広がった状態で、この状態でレーザー走査(スキャン)することによって、リライタブルラベルの表面を図8に示す「消色温度領域」(溶融温度よりもやや低い温度領域)の温度に加熱することができリライタブルラベルに記録された情報を消去することができる。
図3は、リライタブルラベル24に新たな記録情報をレーザービームによって書込む(印字)ための印字位置決めと印字動作時の状態を示している。
図3では、図2でリライタブルラベルの記録情報が消去された後に、ストッパによって停止された搬送容器を可動ガイドブレードをコンベヤの幅方向でレーザービーム発生装置に近づく方向に可動させることによって、搬送容器をリライタブルラベルを印字位置に位置決めする。
この印字位置は、レーザービームの焦点がリライタブルラベルの表面に形成される位置であって、この状態では、レーザービームはリライタブルラベルの表面に絞られた状態で、この状態でレーザー走査(スキャン)することによって、リライタブルラベルの表面を図8に示す溶融温度に加熱することができリライタブルラベルに新たな情報が記録される。
図4は、リライタブルラベル24に新たな記録情報をレーザービームによって印字が終了して、次に搬送容器のリライタブルラベルの記録情報を更新するための状態(前記図1の状態と同様)を示している。
図4では、図3でリライタブルラベルの記録情報が更新された後に、ストッパが下降して停止された搬送容器がコンベヤによって発信する状態を示しており、図1の状態に戻って上記の動作を繰り返すことになる。
図1〜4の説明では、リライタブルラベルの記録更新用のためのレーザービーム発生装置は1個で、可動ガイドブレードを可動することによって、消去位置と印字位置とに位置決めしているが、レーザービーム発生装置を2個配置して、一方を消去用に位置決めされたレーザービーム発生装置とし、他方を印字用に位置決めされたレーザービーム発生装置とすることも可能である。
また、1個のレーザービームの焦点を調節して、消去用に位置決めされたレーザービーム発生装置とし、印字用に位置決めされたレーザービーム発生装置とすることも可能である。
また、図1〜4の説明では、ストップによって搬送容器を停止した状態で、リライタブルレベルの記録情報の更新を実行しているが、コンベヤの移動速度と、レーザービーム発生装置の移動を連動させて、搬送容器の移動中に記録情報の更新を行うことで、記録情報の更新処理時間を短縮することも可能である。
請求項1〜3に記載の発明は、レーザー装置のみで、リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書込みが可能な新規なリライタブルラベルの記録情報更新装置を実現することができるので、産業上の利用可能性は極めて大きい。
本発明の物流システムのコンベヤ上を搬送される再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置の待機時の構成を示す斜視図である。 リライタブルラベルに記録された記録情報をレーザービームによって消去するための消去位置決めと消去動作時の状態を示す図である。 リライタブルラベルに新たな記録情報をレーザービームによって書込む(印字)ための印字位置決めと印字動作時の状態を示す図である。 リライタブルラベルに新たな記録情報をレーザービームによって印字が終了して、次に搬送容器のリライタブルラベルの記録情報を更新するための状態を示す図である。 再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報をサーマルヘッドで更新するシステムの斜視図である。 再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報をレーザービームで更新するシステムの斜視図である。 従来のピッキング指示システムの全体的構成を示す斜視図である。 可逆感熱紙の特性を説明する説明図である。
符号の説明
24 リライタブルラベル
25 搬送ケース
26 駆動ローラ
27 レーザー発振機
29 ストッパ
30 可動ガイドレール

Claims (1)

  1. 物流システムのコンベヤ上を搬送される再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブ
    ルラベルの記録情報更新装置において、
    前記リライタブルラベルを当該リライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書
    込みが可能な可逆感熱紙で構成し、
    前記搬送容器が搬送される物流システムのコンベヤの近傍に沿って、前記リライタブル
    ラベルに記録された記録情報の消去及び新たな記録情報の書込みを実行するレーザービー
    ム発生装置を配置し、
    前記レーザービーム発生装置の配置位置に対応したコンベヤ上に可動ガイドブレードを
    備えたストッパを設け、
    前記リライタブルラベルに記録された記録情報の消去時には、当該搬送容器を前記スト
    ッパによりコンベヤの進行方向への移動を停止させた状態で、前記可動ガイドブレードを
    コンベヤの幅方向に移動させて、前記レーザービームの焦点を前記リライタブルラベルの
    記録表面からずれた位置に保持する位置に位置決めし、
    前記リライタブルラベルへの記録情報の書込み時には、当該搬送容器を前記ストッパに
    よりコンベヤの進行方向への移動を停止させた状態で、前記可動ガイドブレードをコンベ
    ヤの幅方向に移動させて、前記レーザービームの焦点を前記リライタブルラベルの記録表
    面に保持する位置に位置決め、
    することを特徴とするリライタブルラベルのレーザービームによる記録情報更新装置。
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