JP5611386B2 - 電子写真装置用クリーニングブレード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
上記第1の本発明において、上記エッジ層の23℃におけるJIS A 硬さが65〜68°であり、かつ、上記ベース層の反発弾性が45〜70%であることが好ましい。
上記第2の本発明において、上記エッジ層は、23℃におけるJIS A 硬さが65〜68°である材料からなることが好ましい。
上記第1及び第2の本発明において、上記ポリウレタンは、ポリカプロラクトンポリオール及び/又はポリエステルポリオールをポリオール成分とするものであることが好ましい。
〔電子写真装置用クリーニングブレード〕
本発明の電子写真装置用クリーニングブレード(以下、単に「クリーニングブレード」ともいう)は、下記構成(A)の弾性ゴム部材(上記第1の本発明)又は下記構成(B)の弾性ゴム部材(上記第2の本発明)を有している。
(B)低硬度・高反発弾性(硬さ65〜72°、反発弾性37〜60%)で、かつ特定モジュラスのエッジ層と、低硬度・低反発弾性(硬さ65〜70°、反発弾性5〜30%)のベース層とからなる2層構造の弾性ゴム部材。
上記第1のクリーニングブレードを使用した場合(構成(A))、図2(ii)で示されているように、クリーニング挙動において、相手材14と当接するエッジ層21が低硬度・低反発弾性であることによって、従来のブレードを使用した場合に比べてエッジ近傍に生じる応力を分散できると推察される(応力集中部位15)。また、クリーニングブレードの使用時において、相手材14と当接しているエッジの振動が抑制される。そして、これらの作用によって、クリーニングブレードの摩耗の抑制が可能になると推察される(耐摩耗性の向上)。また同時に、支持部材12と接合するベース層22が高硬度・高反発弾性であることにより、エッジのニップ位置を安定化させることができるとともに、弾性ゴム部材全体としてのゴム弾性を維持できることによりクリーニング性(特に低温低湿下)を向上させることが可能となると推察される(特に低温低湿下におけるクリーニング性の向上)。
上記第2のクリーニングブレードを使用した場合(構成(B))、図2(ii)で示されているように、クリーニング挙動において、相手材14と当接するエッジ層21が低硬度・高反発弾性、特定モジュラスであることによって、従来のブレードを使用した場合に比べてエッジ近傍に生じる応力を分散できると推察される(応力集中部位15)。そしてその結果、クリーニングブレードの摩耗の抑制が可能となると推察される(耐摩耗性の向上)。また同時に、支持部材12と接合するベース層22が低硬度・低反発弾性であることによって生じるダンパー効果により、エッジのニップ位置を安定化させ(特に低温低湿下におけるクリーニング性の向上)、かつ、エッジにかかる応力を抑制して摩耗を抑制している(耐摩耗性の向上)、と推察される。
上記弾性ゴム部材は、上記クリーニングブレードの使用時に、像担持体表面のトナー及び外添剤等を掻き取るものであり、上記エッジ層及びベース層からなる2層構造を有するものである。
上記第1のクリーニングブレードの低硬度・低反発弾性(硬さ65〜72°、反発弾性10〜35%)のエッジ層では、配合設計として、プレポリマーのNCO含有量を減らすこと、更に必要に応じて架橋剤の1,4−ブタンジオール(BD)比率を下げることにより−(MDI−BD)−からなるハードセグメント形成を抑えること、により低硬度化を実現できる。また、架橋剤のトリメチロールプロパン比率を上げることによる化学架橋点の増加により高Tg(ガラス転移温度)化し、低反発弾性化を実現できる。
上記第2のクリーニングブレードの低硬度・高反発弾性(硬さ65〜72°、反発弾性37〜60%)のエッジ層では、上記第1のクリーニングブレードのベース層と同様の手法により高反発弾性化を実現できる。また、上記第1のクリーニングブレードのエッジ層と同様の方法により低硬度化を実現できる。更に、各原材料の当量比(NCO/OH)を適当に調整することにより、エッジ層の200%モジュラスを3〜8MPaにすることができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、それらのエステル形成性誘導体等を挙げることができる。上記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。これらによるポリエステルポリオールは、線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いた分枝状ポリエステルであってもよい。なかでも、耐摩耗性とクリーニング性(特に低温低湿下)を良好に両立できる点から、上記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸が特に好ましい。上記グリコールとしては、脂肪族グリコールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが更に好ましい。
上記第1及び第2のクリーニングブレードの製造方法としては特に限定されず、2層構造の弾性ゴム部材を有するブレードの従来公知の製造方法によって製造することが可能であるが、以下に述べる方法が好ましい。以下に述べるクリーニングブレードの製造方法も本発明の1つである。
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物の市販品としては、例えば、TSE3032(GE東芝シリコーン社製)、KE103(信越ポリマー社製)等を挙げることができる。
プレポリマー法を用いる場合には、脱水処理を行ったポリオールとイソシアネートとを混合し、温度50〜80℃で10〜600分間反応させて得られるプレポリマーに、架橋剤等を加えて金型に注入し、硬化させる方法等により、硬化したエッジ層、ベース層を得ることができる。ワンショット法を用いる場合には、脱水処理を行ったポリオールと架橋剤とを計量し、更にそこにポリイソシアネートを加えて計量して混合して、金型に注入し、硬化させる方法等により、硬化したエッジ層、ベース層を得ることができる。
(シリコーンゴム層の形成)
図3に示した構成の遠心成形機の成形金型ドラム(内径:700mm、奥行き:500mm、常温での振れ精度:0.06mm、成形時の回転数:800rpm、粗面状態:Ra=0.30)を40℃に加熱し、シリコーンゴム材料として、付加反応により硬化する付加硬化型シリコーンゴム組成物「TSE3032(A)」(主剤、GE東芝シリコーン社製)と「TSE3032(B)」(硬化剤)との混合液(配合質量比10:1)を、上記成形金型ドラム内に流し込み、120分間加熱硬化させ、シリコーンゴム層を形成した。得られたシリコーンゴム層は、空気側面が均一な鏡面状であり、厚さが0.7mmであった。
エッジ層用材料を140℃に予熱した遠心成形機の金型内のシリコーンゴム層上に注入し、10分間硬化させた。上記硬化反応の後、ベース層用材料を硬化したエッジ層上に注入し、30分間硬化させた。上記硬化反応後、2層構造の弾性ゴム部材のシート体のみ金型から取り出すことにより、所定の厚さの円柱状の2層構造シート体を得ることができた。これを幅12mm、長さ330mmの短冊状にカットすることにより、弾性ゴム部材を得ることができた。得られた弾性ゴム部材の厚み精度は、0.045mmと良好であった。また、弾性ゴム部材のエッジ層の表面状態(シリコーンゴム接触面)は、鏡面状態であり、欠陥は全く発見されなかった。
なお、比較例1〜3は1層の弾性ゴム部材を有するものであるため、ベース層用材料を遠心成形機内に注入、硬化する工程は行わなかった。
また、表1〜2中のポリウレタンは、表3に示した配合からなるものである。
使用したエッジ層用材料、ベース層用材料、エッジ層、ベース層の厚み(a)、(b)、a/(a+b)、硬さ(23℃)、200%モジュラス(23℃)、反発弾性を、表4〜5に示したように変更した以外は、上記実施例及び比較例と同様にして、クリーニングブレードを得た。
また、表4〜5中のポリウレタンは、表6に示した配合からなるものである。
これらの例において、得られた弾性ゴム部材の厚み精度は、0.045mmと良好であった。また、弾性ゴム部材のエッジ層の表面状態(シリコーンゴム接触面)は、鏡面状態であり、欠陥は全く発見されなかった。
脱水処理を行ったポリオールとイソシアネートとを混合し、温度70℃で240分間反応させて得られるプレポリマーに、架橋剤を加えてから注入した(プレポリマー法)。
実施例、比較例で得られたクリーニングブレードを市販の普通紙複写機(有機感光体使用、速度10枚/分)に装着し、印字テストを行った。テストは、(1)温度23℃、湿度50%、(2)温度10℃、湿度15%の条件下で行った。印字テストは、100枚ごとにトナーのすり抜けが生じているか否かをチェックして、印刷物にトナーのすり抜けに起因するスジが認められた時点で終了とし、その印刷枚数を記録した。条件(1)では150000枚印刷してもスジが発生しなかったもの、条件(2)では30000枚印刷してもスジが発生しなかったものは、そこでテストを終了した。結果を表1〜2、表4〜5に示した。また、使用したトナーの重量平均粒子径、形状も表1〜2、表4〜5に示した。
2、12 支持部材
3、13 接着剤層
4、14 像担持体(相手材)
5、15 応力集中部位
21 エッジ層
22 ベース層
31、41 金型
32 断熱室
33 ヒータ
34 全面扉
35 回転軸
42 シリコーンゴム層
43 エッジ層を構成する成形体
43a シリコーンゴム接触面
44 ベース層を構成する成形体
45 弾性ゴム部材材料層
Claims (9)
- 弾性ゴム部材及び支持部材を有する電子写真装置用クリーニングブレードであって、
前記弾性ゴム部材は、エッジ層及びベース層からなる2層構造を有し、
前記エッジ層は、23℃におけるJIS A 硬さが65〜72°であり、反発弾性が37〜55%であり、かつ、23℃における200%モジュラスが3.9〜6.9MPaであるポリウレタンからなり、
前記ベース層は、23℃におけるJIS A 硬さが65〜70°であり、かつ、反発弾性が8〜29%であるポリウレタンからなり、
エッジ層の厚み(a)と、エッジ層の厚み(a)及びベース層の厚み(b)の和(a+b)との比(a/(a+b))が、0.25〜0.75である
ことを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレード。 - 前記エッジ層の厚み(a)が、50μmを超えるものである請求項1記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
- エッジ層は、23℃におけるJIS A 硬さが65〜68°であるポリウレタンからなる請求項1又は2に記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
- ポリウレタンは、ポリカプロラクトンポリオール及び/又はポリエステルポリオールをポリオール成分とするものである請求項1、2又は3記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
- エッジ層は、ポリカプロラクトンポリオールをポリオール成分とするポリウレタンからなるものであり、かつ、
ベース層は、ポリエステルポリオールをポリオール成分とするポリウレタンからなるものである請求項1、2又は3記載の電子写真装置用クリーニングブレード。 - 弾性ゴム部材は、ベース層にエッジ層が直接積層されている請求項1、2、3、4又は5に記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
- 遠心成形法を用いた請求項1、2、3、4、5又は6記載の電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法であって、
金型の内側にシリコーンゴムの成形体を製造する工程(I)と、
前記工程(I)で得られたシリコーンゴムの成形体上に、弾性ゴム部材のエッジ層を構成する成形体を製造する工程(II)と、
前記工程(II)で得られたエッジ層を構成する成形体上に、弾性ゴム部材のベース層を構成する成形体を製造する工程(III)とを含み、
前記エッジ層を構成する成形体は、23℃におけるJIS A 硬さが65〜72°であり、反発弾性が37〜55%であり、かつ、23℃における200%モジュラスが3.9〜6.9MPaであるポリウレタンからなり、
前記ベース層を構成する成形体は、23℃におけるJIS A 硬さが65〜70°であり、かつ、反発弾性が8〜29%であるポリウレタンからなる
ことを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法。 - シリコーンゴムの成形体は、付加硬化型シリコーンゴム組成物から得られるものである請求項7記載の電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法。
- 付加硬化型シリコーンゴム組成物は、ケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン、及び、白金系触媒を含むものである請求項7又は8記載の電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法。
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