JP4222521B2 - 電子写真装置用弾性部材及びその製造方法 - Google Patents

電子写真装置用弾性部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真装置用弾性部材、その製造方法、電子写真装置用現像ブレード、クリーニングブレード及び現像ローラに関する。
プリンター、複写機、ファクシミリ等の電子写真装置には、感光体に接触する現像ローラ、転写後の感光体や転写ベルト等に残留するトナーを除去するためのクリーニングブレード、現像ローラ上にトナーの薄層を形成するための現像ブレード等、各種の摺動部品が使用されている。そして、これらの部品には、柔軟で弾性を有し、耐摩耗性にも優れたポリウレタンが一般に使用されている。
ポリウレタン製の電子写真装置用部品は、例えば、ウレタンプレポリマーと硬化触媒を含む硬化剤とを注型機に付設のミキシングチャンバー内で混合攪拌し、次いで、成形用金型内への注入、硬化、硬化物の脱型を経てポリウレタン半製品を得、更に後加工(切断、研磨等)で所定の形状に加工することによって製造されている。
このように、ポリウレタン製の電子写真装置用部品の製造の際には、生産性の向上を目的として、通常、硬化触媒が使用されており、従来から3級アミン化合物等が使用されてきた。上述した製造方法における硬化脱型時間を短縮し、生産性を向上させるためには、触媒の使用量を増量することが有効である。
しかしながら、触媒量の増量に伴って硬化反応が促進されてしまう。このため、例えば、上述した製造方法において、3級アミン化合物の使用量を増量した場合、ミキシングチャンバー内での混合・攪拌中に硬化反応が進行し、結果として、チャンバー内が硬化物で汚染されることがあった。更に、チャンバー内で生じた硬化物が成形用金型に注入されることに起因して、得られるポリウレタン製品に異物不良が発生する場合もあった。特に電子写真装置用部品では、このような異物によって画像に致命的な悪影響を与えてしまう。
上述した不具合は、例えば、ミキシングチャンバー内を頻繁に溶剤で洗浄することによって抑制することが可能であるが、大量の溶剤を使用することになるため、環境上の問題等が生じる上に、生産性も阻害するという問題も生じる。従って、上述した問題点の改善が可能な他の手段を提供することが望まれていた。
特許文献1には、ポリイソシアネートと高分子量ポリオールとを部分的に重合して得られるプレポリマーと、ポリオールを主に含む硬化剤と、硬化触媒としての飽和脂肪酸カリウムとを含むイソシアネート組成物を使用して得られるクリーニングブレードが開示されている。
特許文献2には、ブチレンアジペートポリエステルポリオール、ヘキシレンアジペートポリエステルポリオール及びポリイソシアネートから得られるプレポリマーと、低分子量ポリオール並びに硬化触媒として酢酸カリウム及びトリエチレンジアミンを含む硬化剤とを混合、硬化して得られるクリーニングブレードが開示されている。
しかし、これらの文献には、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物を併用することは記載されていない。また、硬化脱型時間を短縮して生産性を向上させることと、ミキシングチャンバー内での汚染を抑制することとの両立が未だ不充分である。
特開2002−80552号公報 特開2002−296993号公報
本発明は、上記現状に鑑み、製造工程中のミキシングチャンバー内での汚染を抑制すること、及び、硬化脱型時間を短縮して生産性を向上させることが可能な電子写真装置用弾性部材、並びに、その製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物を用いて得られるポリウレタンからなることを特徴とする電子写真装置用弾性部材である。
上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩は、飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩又はリチウム塩であることが好ましい。
上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩は、RCOOM(RはC2n+1で表されるアルキル基である。nは0〜9の整数である。Mはアルカリ金属である。)で表される塩であることが好ましい。
本発明は、ポリウレタンの構成成分と、硬化触媒としての飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物とを含む組成物を、ミキシングチャンバー内で混合・攪拌する工程(1)、上記工程(1)で混合・攪拌された組成物を予め硬化温度に温調されている成形用金型に注入する工程(2)、上記工程(2)で注入された組成物を硬化させる工程(3)、並びに、上記工程(3)で得られた硬化物を脱型する工程(4)を含むことを特徴とする電子写真装置用弾性部材の製造方法でもある。
本発明は、上述の電子写真装置用弾性部材を用いて得られることを特徴とする電子写真装置用現像ブレードでもある。
本発明は、上述の電子写真装置用弾性部材を用いて得られることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレードでもある。
本発明はまた、上述の電子写真装置用弾性部材を用いて得られることを特徴とする電子写真装置用現像ローラでもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物の両成分が併用される。上記両成分をポリウレタンの製造の際の硬化触媒として併用した場合、ミキシングチャンバー内での原料の攪拌中に、チャンバー内で硬化反応が進行することが抑制される。このため、チャンバー内への注入、攪拌、吐出の作業を長時間続けても、チャンバー内が硬化物で汚染されることを充分に防止することができる。
また、硬化物の生成が抑制されるため、硬化物が成形用金型に注入されることによる異物不良も防止することができる。このため、このような異物によって電子写真装置で得られる画像に悪影響を与えることも防止できる。更に、チャンバー内を溶剤等で頻繁に洗浄する必要がないため、環境上も望ましい。
更に、上記両成分を硬化触媒として併用すると、成形用金型に注入した後において硬化反応を急激に進行させることが可能である。このため、硬化、脱型時間を短縮することができ、高効率でポリウレタン製品を製造することができる。従って、本発明の電子写真装置用弾性部材は、生産性良く製造することができる。
製造工程中のミキシングチャンバー内での汚染を抑制すること、硬化脱型時間を短縮して生産性を向上させること、の両効果は、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物の両成分を併用する場合に特異的に得ることができる。即ち、いずれか一方のみを使用した場合に上記効果を両立することはできない。本発明において上記効果を両立できる理由は明らかではないが、飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物の両成分を併用することによる相乗効果が発現しているためではないか、と推察される。
本発明の電子写真装置用弾性部材は、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物を用いて得られるポリウレタンからなるものである。
上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩としては、ポリウレタン製造の硬化反応を進行する機能を有するものであれば特に限定されず、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸と、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムのアルカリ金属との塩を挙げることができる。上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩を構成する飽和脂肪酸は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよい。上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩のなかでも、RCOOM(RはC2n+1で表されるアルキル基である。nは0〜9の整数である。Mはアルカリ金属である。)で表される塩が好ましい。これにより、上述した効果を良好に両立することができる。
上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩としては、入手容易性の点から、飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩又はリチウム塩が好ましい。また、上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩としては、ポリウレタン製造用硬化剤への相溶性の点から、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸又はカプリン酸のアルカリ金属塩が好ましい。更に、これらの飽和脂肪酸アルカリ金属塩を使用した場合、上述した効果を良好に両立することができる。
上記ポリウレタンの製造において、上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩の配合量は、上記ポリウレタンを構成する原料(組成物)100質量部に対して、0.005〜0.1質量部であることが好ましい。0.005質量部未満であると、得られるポリウレタンの機械的特性が低下したり、硬化時間に長時間を要するおそれがある。0.1質量部を超えると、ミキシングチャンバー内で硬化反応が進行し、チャンバー内が硬化物で汚染されるおそれがある。0.008〜0.06質量部であることがより好ましい。
上記有機スズ化合物としては、ポリウレタン製造の硬化反応を進行する機能を有するものであれば特に限定されず、例えば、スタナスオクトエート、ジメチルチンジアセテート、ジブチルチンジアセテート、ジオクチルチンジアセテート、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジメチルチンジネオデカノエート、ジブチルチンジネオデカノエート、ジオクチルチンジネオデカノエート、ジメチルチンジメルカプタイド、ジブチルチンジメルカプタイド、ジオクチルチンジメルカプタイド、ジメチルスズマレイン酸塩、ジブチルスズマレイン酸塩、ジオクチルスズマレイン酸塩等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリウレタンの製造において、上記有機スズ化合物の配合量は、上記ポリウレタンを構成する原料(組成物)100質量部に対して、0.0003〜0.01質量部であることが好ましい。0.0003質量部未満であると、得られるポリウレタンの機械的特性が低下したり、硬化時間に長時間を要するおそれがある。0.01質量部を超えると、ミキシングチャンバー内で硬化反応が進行し、チャンバー内が硬化物で汚染されるおそれがある。0.0005〜0.006質量部であることがより好ましい。
本発明の電子写真装置用弾性部材は、ポリウレタンからなるものである。これにより、柔軟性、弾性、耐摩耗性等の優れた特性が得られるため、電子写真装置用現像ブレード、クリーニングブレード、現像ローラ等に好適に使用することができる。
上記電子写真装置用弾性部材を形成するポリウレタンとしては、ポリオール、ポリイソシアネート及び必要に応じて架橋剤を反応させて得られるもの等を挙げることができる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を挙げることができる。なかでも、耐摩耗性の優れた特性が得られる点から、ポリエステルポリオールが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオールは、数平均分子量が500〜5000であることが好ましく、1000〜3000であることがより好ましい。上記範囲内のポリオールを用いることにより、柔軟性、弾性、耐摩耗性等の優れた特性が得られる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸とグリコールとを常法に従って反応させることにより得ることができるものを挙げることができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができる。上記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。これらによるポリエステルポリオールは、線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポリエステルであってもよい。なかでも、上記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸が更に好ましい。上記グリコールとしては、脂肪族グリコールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが更に好ましい。
更に、ポリエステルポリオールとしては、例えば、触媒の存在下に低分子量多価アルコールを開始剤としてラクトンモノマーを開環付加させることにより得られるもの(ポリラクトンポリオール)も挙げることができる。上記低分子量多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコールとトリメチロールプロパン、グリセリン等の3価のアルコールが好ましく用いられる。上記ラクトンモノマーとしては、γ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−ノナノラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ヘキサノラクトン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの共重合体等のポリアルキレングリコール;ビスフェノールA、グリセリンのエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシド付加物等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネートとしては特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネート等を挙げることができる。なかでも、芳香族イソシアネートが好ましい。
上記脂肪族イソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体の変性体等を挙げることができる。上記脂環族イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。上記芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、カルボジイミド変性のMDI、ウレタン変性のMDI等を挙げることができる。耐摩耗性の点から、MDIが好ましい。上記ポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリウレタンにおいて、必要に応じて用いられる架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン等を挙げることができる。なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンが好ましい。
上記ポリウレタンは、上記原料を使用し公知の方法で製造することができ、例えば、上記硬化触媒を使用し、各原料の当量比をOH/NCO=0.8〜1.05(好ましくは0.85〜1.00)に調整して溶融反応させること等により製造することができる。また、全原料を同時に反応させる方法(ワンショット法)、プレポリマー法、擬プレポリマー法等により製造することができる。
更に具体的には、以下に述べる製造方法によって本発明の電子写真装置用弾性部材を得ることができる。
上述した電子写真装置用弾性部材は、ポリウレタンの構成成分と、硬化触媒としての飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物とを含む組成物を、ミキシングチャンバー内で混合・攪拌する工程(1)、上記工程(1)で混合・攪拌された組成物を予め硬化温度に温調されている成形用金型に注入する工程(2)、上記工程(2)で注入された組成物を硬化させる工程(3)、並びに、上記工程(3)で得られた硬化物を脱型する工程(4)を含む方法により製造することができる。
上記製造方法では、上記工程(1)のミキシングチャンバー内での組成物の混合・攪拌中に硬化反応が進行することを抑制できるため、チャンバー内の硬化物による汚染が防止される。このため、製造されるポリウレタン製品の異物不良も防止でき、異物による画像への悪影響を抑制することが可能となる。上記製造方法も本発明の1つである。
上記工程(1)で使用するポリウレタンの構成成分(原料)、硬化触媒(飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物)は、上述した成分と同様のものを挙げることができる。例えば、プレポリマー法で製造する場合は、ポリウレタンのプレポリマー及び架橋剤等の成分と、硬化触媒(飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物)等の添加剤とからなる原料を使用することができる。また、ワンショット法で製造する場合は、ポリオール、ポリイソシアネート及び必要に応じて架橋剤等の成分と、上記硬化触媒等の添加剤とからなる原料を使用することができる。上記工程(1)において、上記飽和脂肪酸アルカリ金属塩、有機スズ化合物の配合量は、上述した量と同様の量である。上記工程(1)におけるチャンバー内での混合・攪拌は、従来公知の方法により行うことができる。
上記工程(2)における成形方法としては特に限定されず、例えば、常圧注型成形、減圧注型成形、遠心成形、回転成形、押出成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、スピンコーティング等を挙げることができる。上記工程(2)における組成物の成形用金型への注入は、従来公知の方法により行うことができる。
上記工程(3)は、上記組成物を所定時間加熱硬化させることによって行うことができる。硬化温度は90〜180℃が好ましく、100〜160℃であることがより好ましい。硬化時間は2分間以下で行うことができ、20秒以上行うことが好ましい。このように、本発明では、工程(3)で急速に硬化させることができるため、短時間で脱型することが可能である。従って、生産性良く製造することができる。上記工程(4)における硬化物の脱型は、従来公知の方法によって行うことができる。上記工程(4)で脱型した硬化物を、必要に応じて加工(切断、研磨等)することによって本発明の電子写真装置用弾性部材を得ることができる。
上記電子写真装置用弾性部材は、電子写真装置用現像ブレード、クリーニングブレード、現像ローラとして好適に用いることができ、上記電子写真装置用弾性部材を用いて得られる電子写真装置用現像ブレード、クリーニングブレード、現像ローラもそれぞれ本発明の1つである。
本発明の電子写真装置用現像ブレード、クリーニングブレードとしては、例えば、上述の電子写真装置用弾性部材、支持部材及び接着剤層を有するものを挙げることができる。
上記支持部材は、弾性部材を支持する機能を有するものである。上記支持部材としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミック等から製造されたもの等を挙げることができる。なかでも、剛体の金属が好ましい。
上記接着剤層は、上記支持部材と上記弾性部材とを接着させる機能を有する層である。上記接着剤層は、例えば、EVA系、ポリアミド系、ポリウレタン系ホットメルト接着剤や、硬化型接着剤、若しくは両面テープによる接着方法又は板金による挟み込み等により形成することができる。上記クリーニングブレードは、従来公知の方法により製造することができる。
以下、上記電子写真装置用クリーニングブレードを図1を用いて具体的に説明する。図1で示された電子写真装置用クリーニングブレードは、電子写真装置用弾性部材1、支持部材2及び接着剤層3を有するものを示したものである。
本発明の電子写真装置用弾性部材は、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物を用いて得られるポリウレタンからなるものであるため、製造工程中のミキシングチャンバー内での汚染を抑制すること、硬化脱型時間を短縮して生産性を向上させること、の両効果を良好に得ることができる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
実施例1
(プレポリマーの合成)
表1に示した配合組成で以下の方法によりプレポリマーを合成した。
ポリオール〔ポリブチレンアジペート(PBA)〕を70℃×3mmHgで3時間減圧脱水させた。このポリオールに対して、イソシアネート〔4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)〕を加え、70℃で3.5時間、窒素雰囲気下で合成し、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーを注型機付設のプレポリマー用タンクに仕込み、60℃×3mmHgで2時間減圧脱泡した。
(硬化剤の調製)
表1に示した配合組成で以下の方法により硬化剤を調製した。
液温70℃のポリオール(PBA)中に、硬化触媒として酢酸リチウム、ジメチルチンジラウレートを加えたものに、同じく、70℃の1,4−ブタンジオール(BD)、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)を加えてよく攪拌し、硬化剤とした。得られた硬化剤を注型機付設の硬化剤用タンクに仕込み、60℃×3mmHgで2時間減圧脱泡した。
(ポリウレタンシートの成形)
次に、得られたプレポリマーと硬化剤とを注型機付設のミキシングチャンバー内で混合・攪拌した後、得られた組成物を、140℃に加熱された部材成形用金型に注入し、硬化反応させた。次いで、硬化物を脱型し、幅12mm、長さ318mm、厚さ2mmの短冊状にカットして、100個のブレード部材を得た。
実施例2〜11及び比較例1〜3
表1に示した配合組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法でブレード部材を製造した。
上記において使用した市販品は、以下のとおりである。
PBA;「ニッポラン4010」(日本ポリウレタン工業社製、数平均分子量2000)
MDI;「ミリオネートMT」(日本ポリウレタン工業社製)
BD;三菱化学社製
TMP;三菱ガス化学社製
〔評価〕
上述のブレード部材の製造において、以下の特性を評価した。結果を表1に示した。
(脱型可能時間の測定)
組成物を140℃に加熱された部材成形用金型に注入してから、硬化反応させ、硬化物を脱型できるようになるまでの時間(分)を測定した。
(ミキシングチャンバー内の汚染)
得られたプレポリマーと硬化剤とを、注型機付設のミキシングチャンバー内で混合・攪拌及び吐出を連続12時間継続し、ミキシングチャンバー内の硬化物による汚染状態を観察した。評価基準は、以下のとおりである。
◎;汚染なし
○;僅かに汚染されているが実用上問題ない
△;汚染あり
×;重度の汚染あり
Figure 0004222521
表1から、実施例の電子写真装置用弾性部材の製造では、短い硬化時間で脱型可能であったため、優れた生産性を有していた。また、ミキシングチャンバー内での混合・攪拌中の汚染を良好に抑制することができた。一方、比較例1(3級アミン化合物のみを使用)では、チャンバー内が著しく汚染された。また、比較例2(有機スズ化合物のみを使用)では、汚染が生じるとともに、長時間の脱型可能時間を要した。更に、比較例3(飽和脂肪酸アルカリ金属塩のみを使用)では、長時間の脱型可能時間を要した。
比較例2及び3では、いずれも長時間の脱型可能時間を要していたが、これらの硬化触媒を併用することによって、短い硬化時間で脱型可能とすること、チャンバー内での汚染を充分に抑制すること、を両立できることが実施例で明らかとなった。この結果から、本発明では、硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物の併用による相乗効果によって上記効果の両立が可能となったと推察された。
本発明の電子写真装置用弾性部材は、電子写真装置用現像ブレード、クリーニングブレード、現像ローラに使用することができる。
電子写真装置用クリーニングブレードの模式図である。
符号の説明
1 電子写真装置用弾性部材
2 支持部材
3 接着剤層

Claims (7)

  1. 硬化触媒として飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物を用いて得られるポリウレタンからなることを特徴とする電子写真装置用弾性部材。
  2. 飽和脂肪酸アルカリ金属塩は、飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩又はリチウム塩である請求項1記載の電子写真装置用弾性部材。
  3. 飽和脂肪酸アルカリ金属塩は、RCOOM(RはC2n+1で表されるアルキル基である。nは0〜9の整数である。Mはアルカリ金属である。)で表される塩である請求項1記載の電子写真装置用弾性部材。
  4. ポリウレタンの構成成分と、硬化触媒としての飽和脂肪酸アルカリ金属塩及び有機スズ化合物とを含む組成物を、ミキシングチャンバー内で混合・攪拌する工程(1)、
    前記工程(1)で混合・攪拌された組成物を予め硬化温度に温調されている成形用金型に注入する工程(2)、
    前記工程(2)で注入された組成物を硬化させる工程(3)、並びに、
    前記工程(3)で得られた硬化物を脱型する工程(4)
    を含むことを特徴とする電子写真装置用弾性部材の製造方法。
  5. 請求項1、2又は3記載の電子写真装置用弾性部材を用いて得られることを特徴とする電子写真装置用現像ブレード。
  6. 請求項1、2又は3記載の電子写真装置用弾性部材を用いて得られることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレード。
  7. 請求項1、2又は3記載の電子写真装置用弾性部材を用いて得られることを特徴とする電子写真装置用現像ローラ。
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