JP2018036363A - 電子写真機器用クリーニングブレード - Google Patents
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Abstract
【課題】硬度の異なる部分を有する場合でも、ブレードの破断や摩耗、欠けを抑えて耐久性を向上させた電子写真機器用クリーニングブレードを提供する。【解決手段】クリーニングブレード10は、ブレード部12の、被クリーニング部材に当接する当接部の表面のマルテンス硬さが1000〜5000mN/mm2の範囲内であり、当接部の表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しており、硬度が変化する領域の長さが150μm以上であり、式(1)で表される硬度変化の傾きmが、−30〜−0.1HM/μmの範囲内である。m=(Hb−Ha)/h・・・・(1)、m:硬度変化の傾き(HM/μm)、Ha:当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)、Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)、h:硬度が変化する領域の長さ(μm)【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真機器用クリーニングブレードに関するものである。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において、感光ドラムの外周面上に残留するトナーを除去するためのクリーニングブレードが設けられている。クリーニングブレードにおいて、感光ドラムの外周面に接触する当接部は、回転する感光ドラムの外周面上を摺動し、これにより感光ドラムの外周面上に残留するトナーを除去する。
従来のクリーニングブレードとしては、像担持体(感光ドラム)に当接するエッジ層及び支持部材と接合するベース層からなる2層構造を有し、エッジ層がベース層よりも高硬度であるものが提案されている(特許文献1)。このようにエッジ層とベース層に硬度差を設けることで、エッジ層の摩耗、欠けを抑えつつトナーの掻き取り性を向上させるとともにエッジ部が像担持体に圧接する力を調節してへたりを抑えることができる。また、低温下でもゴム弾性を確保して低温でも優れた掻き取り性を発揮することができる。
特許文献1のクリーニングブレードは、エッジ層とベース層の2層構成であることから、2層の境界においてエッジ層に求められる硬さからベース層に求められる硬さに硬度変化が急激に生じている。このため、クリーニング時において2層の境界に応力が集中し、2層の間からクリーニングブレードが破断するおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、硬度の異なる部分を有する場合でも、ブレードの破断や摩耗、欠けを抑えて耐久性を向上させた電子写真機器用クリーニングブレードを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用クリーニングブレードは、電子写真機器用クリーニングブレードにおいて、クリーニングを受ける被クリーニング部材に当接する当接部の表面のマルテンス硬さが1000〜5000mN/mm2の範囲内であり、該当接部の表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しており、硬度が変化する領域の長さが150μm以上であり、下記の式(1)で表される硬度変化の傾きmが、−30〜−0.1HM/μmの範囲内であることを要旨とするものである。
(数1)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:前記当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:前記硬度が変化する領域の長さ(μm)
(数1)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:前記当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:前記硬度が変化する領域の長さ(μm)
前記硬度が変化する領域の長さは200μm以上であることが好ましい。前記硬度が変化する領域の長さは400μm以上であることがより好ましい。前記最も硬度の低い位置のマルテンス硬さは500〜1000mN/mm2の範囲内であることが好ましい。前記当接部の表面から内部に向かって最も硬度の低い位置まで単層で構成されていることが好ましい。前記当接部の表面から内部に向かって同心円状または同心楕円状に硬度が低下する方向に変化していることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用クリーニングブレードによれば、比較的硬く設定した当接部の表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しており、その硬度が変化する領域の長さが150μm以上であり、その硬度変化の傾きmが特定範囲内であることから、当接部の表面から内部に向かって硬度変化が小さく、硬度の異なる部分を有する場合でも、ブレードの破断や摩耗、欠けを抑えて耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真機器用クリーニングブレード(以下、本ブレードということがある。)を示す断面図であり、図2は、クリーニングブレードが感光ドラムの外周面上を摺動する様子を示した模式図である。図3は、当接部の表面からの深さと硬さの関係を示すグラフである。図4は、ブレード部の側面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電子写真機器用クリーニングブレード(本ブレード)10は、ブレード部12を備える。ブレード部12には、ブレード部12を保持する保持部14が取り付けられている。ブレード部12は、平板状の形状をしている。保持部14は、断面L字状の金属金具などからなる。図2に示すように、ブレード部12は、その先端部12aで感光ドラム20の外周面20aに接触し、回転する感光ドラム20の外周面20a上を摺動する。これにより、感光ドラム20の外周面20a上に残留するトナーを除去する。その先端部12aが、クリーニングを受ける被クリーニング部材である感光ドラム20に当接する当接部12aとなる。
本ブレード10は、当接部12aの硬度を比較的高くし、内部の硬度を当接部12aよりも低くし、当接部12aと内部(非当接部)に硬度差を設けている。当接部12aの硬度を比較的高くすることにより、当接部12aの稜線部分の摩耗や欠けを抑えつつ優れたトナー掻き取り性を発揮させている。また、内部の硬度を当接部12aよりも低くすることにより、当接部12aが感光ドラム20に圧接する力を調節したり、低温下でもゴム弾性を確保して低温でも優れた掻き取り性を発揮させている。
本ブレード10において、当接部12aの表面のマルテンス硬さは、1000〜5000mN/mm2の範囲内である。当接部12aの表面のマルテンス硬さが1000mN/mm2未満であると、当接部12aが柔らかすぎて、感光ドラム20との摩擦係数が高くなることから、耐久時の当接部12aへの負荷が大きくなり、当接部12aが摩耗したり、欠けを生じて、トナーがすり抜けてクリーニング不良となるおそれがある。接部12aの表面のマルテンス硬さが5000mN/mm2超であると、当接部12aが硬すぎて、被クリーニング部材である感光ドラム20を傷つけやすく、トナーの掻き取り性が低下するおそれがある。
本ブレード10において、内部の最も硬度の低い位置のマルテンス硬さは、500〜1000mN/mm2の範囲内であることが好ましい。内部の最も硬度の低い位置のマルテンス硬さが500mN/mm2以上であると、本ブレード10の剛性が確保されやすい。また、内部の最も硬度の低い位置のマルテンス硬さが1000mN/mm2以下であると、当接部12aと非当接部に硬度差を設けたことの上記効果に優れる。
そして、本ブレード10は、当接部12aの表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化している。その硬度が変化する領域の長さは、150μm以上である。このように硬度が変化する領域を長くすることで、当接部12aにおける所望の硬さと内部における所望の硬さの差が大きくても、各所において急激に硬度が変化しないようにしている。硬度変化を小さくすることで一定部位への応力集中を回避し、クリーニング時における破断を抑えている。硬度が変化する領域の長さは、当接部12aの表面から硬度変化が終了する位置までの距離で表される。また、本ブレード10においては、硬度変化をより小さくする観点から、硬度が変化する領域を長くすることがより好ましいため、硬度が変化する領域の長さは、より好ましくは200μm以上、さらに好ましくは400μm以上である。
当接部12aの表面から内部への硬度変化は、急激に硬度が変化する部分をできるだけ作らない意味で、理想的には図3に示すように直線的であることが好ましいが、この直線から外れた形状に硬度変化するものであってもよい。図3に示す直線から大きく外れるものでなければ、下に凸の曲線状であってもよいし、上に凸の曲線状であってもよいし、折れ線状であってもよいし、階段状であってもよいし、ランダムであってもよい。当接部12aの表面から内部の最も硬度の低い位置までだんだんと(暫時)硬度が低下するものであれば特に限定されるものではない。
本ブレード10においては、急激に硬度が変化しないようにする観点から、当接部12aの表面から内部に向かって150μmの位置のマルテンス硬さが700N/mm2以上であることが好ましい。より好ましくは850mN/mm2以上である。また、当接部12aの表面から内部に向かって400μmの位置のマルテンス硬さが700N/mm2以上であることが好ましい。より好ましくは850mN/mm2以上である。
本ブレード10は、下記の式(1)で表される硬度変化の傾きmが、−30〜−0.1HM/μmの範囲内である。
(数2)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:前記当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:前記硬度が変化する領域の長さ(μm)
(数2)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:前記当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:前記硬度が変化する領域の長さ(μm)
硬度変化の傾きmが−30HM/μmよりも急であると、硬度変化が急であり、硬度変化が急な一定部位への応力集中によりクリーニング時における破断が抑えられない。一方、硬度変化の傾きmが−0.1HM/μmよりも緩やかであると、硬度が変化する領域の長さが長くなりすぎるので、生産性が低下する。硬度変化の傾きmは、上記観点から、より好ましくは−15〜−2.0HM/μmの範囲内、さらに好ましくは−12〜−2.0HM/μmの範囲内である。
本ブレード10は、金型に材料を注入するためのノズルを複数用い、組成の異なる複数の材料をそれぞれ複数のノズルから順次注型し、同時あるいは段階的に硬化あるいは架橋することにより製造することができる。材料として例えばウレタン組成物を用いる場合、複数のノズルから組成の異なる複数種のウレタン組成物をイソシアネートインデックスの高い順に順次成形型内に注入し、ウレタン組成物を硬化させ、脱型することにより、当接部から内部に向けて所定の深さまで硬度がだんだんと低下する方向に変化するクリーニングブレードを作製することができる。
本ブレード10は、当接部12aの表面から内部に向かって最も硬度の低い位置まで、単層で構成されていてもよいし、多層で構成されていてもよい。組成の異なる複数の材料をそれぞれ複数のノズルから順次注型した後、同時に硬化、架橋することで、材料間に明確な境界がない単層に構成することができる。一方、一の材料を注入し、これを硬化、架橋した後、次の材料を注入する方法によれば、材料間に明確な境界がある多層に構成することができる。破断強度により優れるなどの観点から、順次注入された組成の異なる複数の材料を同時に硬化、架橋して材料間に明確な境界がない単層に構成することがより好ましい。
本ブレード10は、図4(a)(b)に示すように、当接部12aの表面から内部に向かって同心円状または同心楕円状に硬度が低下する方向に変化していることが好ましい。当接部12aの表面から内部に向かって均一に硬度が変化するので、応力集中を抑えやすい。このような変化形状は、上記するように組成の異なる複数の材料をそれぞれ複数のノズルから順次注型することによって形成することができる。図4(a)に示すブレード部12は、硬度が変化する領域の長さhがブレード部12の厚みdよりも短いものであり、図4(b)に示すブレード部12は、硬度が変化する領域の長さhがブレード部12の厚みdよりも長いものである。
図4(a)に示すブレード部12の場合、当接部12aの表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しているが、ブレード部12の厚さ方向dや長さ方向lにも硬度が低下する方向に変化している。図4(b)に示すブレード部12の場合、当接部12aの表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しているが、ブレード部12の厚さ方向dや長さ方向lにも硬度が低下する方向に変化している。さらに、厚さ方向dの末端においては、向きを変えて長さ方向lに硬度が低下する方向に変化している。
本ブレード10のブレード部12は、ゴム弾性に優れる樹脂材料やゴム材料を用いて作製することができる。ブレード部12は、例えばウレタン組成物の硬化物で構成することができる。ウレタン組成物は、ポリオールおよびポリイソシアネートを含有する。
ポリオールとしては、特に限定されるものではなく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。これらのうちでは、ポリエステルポリオールがより好ましい。
ポリエステルポリオールは、多塩基性有機酸とポリオールとから得られ、水酸基を末端基とするものを好適なものとして挙げることができる。ポリウレタンを形成するためのポリオールとしてポリエステルポリオールを用いることで、耐久に必要な耐摩耗性を確保することができる。多塩基性有機酸は、特に限定されるものではないが、シュウ酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,イソセバシン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸,フマル酸等の不飽和脂肪酸、フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸,無水フタル酸等の酸無水物、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル、不飽和脂肪酸の二量化によって得られるダイマー酸等が挙げられる。多塩基性有機酸とともに用いられるポリオールとしては、特に限定するものではなく、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキシレングリコール等のジオール、トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ヘキサントリオール,グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、具体的には、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート(PHA)、エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重合体(PEA/BA)などをより好適なものとして挙げることができる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、耐摩耗性の向上、耐久性の向上などの観点から、ポリブチレンアジペート(PBA)が特に好ましい。
ポリエステルポリオールは、数平均分子量1000〜3000のものが好ましい。ポリウレタンの粘弾性の指標となるtanδピーク温度、tanδピーク値を調整して、物性確保、成形性の向上が得られやすい。この観点から、その数平均分子量はより好ましくは1500〜2500の範囲内である。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、これらのエチレンオキサイド変性タイプポリオール、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。ポリエーテルポリオールの平均分子量(Mn)は、1000〜10000の範囲が好ましい。
ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルイソシアネート(PAPI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメチルジイソシアネート(DDI)などを挙げることができる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、耐摩耗性の向上、取扱いやすさ、入手容易、コストなどの観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が特に好ましい。
ポリイソシアネートは、上記するMDIなどのポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるNCO末端のウレタンプレポリマーを用いてもよい。ポリイソシアネートとして用いられるウレタンプレポリマーは、NCO末端とするため、NCO%が5〜30質量%の範囲内であることが好ましい。NCO%は、下記の式で算出される。
ポリイソシアネートの配合量は、耐摩耗性の向上を図りやすい、強度を確保しやすい、ヘタリにくいなどの観点から、NCOインデックス(イソシアネートインデックス)が110以上となるように設定することが好ましい。NCOインデックスは、より好ましくは115以上、さらに好ましくは120以上、125以上、130以上である。一方、硬くなりすぎない、低温下でクリーニング性を満足する、成形しやすいなどの観点から、NCOインデックスが160以下となるように設定することが好ましい。NCOインデックスは、より好ましくは155以下、さらに好ましくは150以下、145以下である。NCOインデックスは、イソシアネート基と反応する活性水素基(水酸基、アミノ基など)の合計当量100に対するイソシアネート基の当量として算出する。
上記ウレタン組成物には、ポリオール、ポリイソシアネートに加えて、鎖延長剤、架橋剤、触媒、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤等を含有させてもよい。
鎖延長剤は、ポリウレタンと反応可能な、ジオールやジアミンなどの2官能の化合物である。数平均分子量300以下のものが好ましい。鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール(EG)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコールなどのジオールや、2,2‘,3,3’−テトラクロロ−4,4‘−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4‘−ジフェニルメタン、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4,4’−ジアミノ−3,3‘−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、ポリウレタンの硬さ、ポリウレタンの粘弾性の指標となるtanδピーク温度、tanδピーク値を調整して、物性確保、成形性の向上が得られやすいなどの観点から、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール(EG)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)などが好適である。
架橋剤は、ポリウレタンと反応可能な、トリオールやトリアミンなどの3官能以上の化合物である。数平均分子量300以下のものが好ましい。架橋剤としては、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、ポリウレタンの硬さ、ポリウレタンの粘弾性の指標となるtanδピーク温度、tanδピーク値を調整して、物性確保、成形性の向上が得られやすいなどの観点から、トリメチロールプロパン(TMP)などが好適である。
触媒としては、特に限定はなく、例えば、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。この触媒は、ウレタン化およびイソシアヌレート化を促進する触媒である。第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化アミン,エトキシル化ジアミン,ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N−メチルモルホリン,N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン,N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等が挙げられる。また、有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、加水分解しにくい、ブリードによる汚染が少ないなどの観点から、トリエチレンジアミン(TEDA)が好適に用いられる。
以上の構成の本ブレード10によれば、比較的硬く設定した当接部12aの表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しており、その硬度が変化する領域の長さが150μm以上であり、その硬度変化の傾きmが特定範囲内であることから、当接部12aの表面から内部に向かって硬度変化が小さく、このように硬度の異なる部分を有する場合でも、ブレードの破断や摩耗、欠けを抑えて耐久性を向上させることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
使用した材料の詳細を以下に示す。
・PBA(ポリブチレンアジペート):日本ポリウレタン工業製「ニッポラン4010」
・MDI(4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート):日本ポリウレタン工業製「ミリオネートMT」
・TMP(トリメチロールプロパン):三菱ガス化学製
・1,4BD(1,4−ブタンジオール):三菱化学製
・TEDA(トリエチレンジアミン):東ソー製
・PBA(ポリブチレンアジペート):日本ポリウレタン工業製「ニッポラン4010」
・MDI(4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート):日本ポリウレタン工業製「ミリオネートMT」
・TMP(トリメチロールプロパン):三菱ガス化学製
・1,4BD(1,4−ブタンジオール):三菱化学製
・TEDA(トリエチレンジアミン):東ソー製
(実施例1〜18、比較例1〜3)
<ウレタン組成物の調製>
ポリオールとポリイソシアネートとを混合し、N2パージ下で80℃で180分間反応させることにより、主剤(NCO末端ウレタンプレポリマー)を調製した。次いで、ポリオール、架橋剤、鎖延長剤、硬化触媒を混合することにより、硬化剤を調製した。次いで、真空雰囲気下、主剤(ウレタンプレポリマー)と硬化剤とを所定の配合比で60℃で1分間混合し、十分に脱泡した。これにより、組成の異なる複数種のウレタン組成物を調製した。
<ウレタン組成物の調製>
ポリオールとポリイソシアネートとを混合し、N2パージ下で80℃で180分間反応させることにより、主剤(NCO末端ウレタンプレポリマー)を調製した。次いで、ポリオール、架橋剤、鎖延長剤、硬化触媒を混合することにより、硬化剤を調製した。次いで、真空雰囲気下、主剤(ウレタンプレポリマー)と硬化剤とを所定の配合比で60℃で1分間混合し、十分に脱泡した。これにより、組成の異なる複数種のウレタン組成物を調製した。
<クリーニングブレードの作製>
クリーニングブレード用成形型内に板状保持具を配置し、複数のノズルから組成の異なる複数種のウレタン組成物をイソシアネートインデックスの高い順に順次成形型内に注入した後、130℃に加熱してウレタン組成物を硬化させ、脱型、裁断することにより、当接部から内部に向けて所定の深さまで硬度がだんだんと低下する方向に変化するクリーニングブレードを作製した。
クリーニングブレード用成形型内に板状保持具を配置し、複数のノズルから組成の異なる複数種のウレタン組成物をイソシアネートインデックスの高い順に順次成形型内に注入した後、130℃に加熱してウレタン組成物を硬化させ、脱型、裁断することにより、当接部から内部に向けて所定の深さまで硬度がだんだんと低下する方向に変化するクリーニングブレードを作製した。
作製した各クリーニングブレードについて、当接部の表面の硬度、内部における最も硬度の低い位置の硬度を測定し、硬度変化の傾きを算出した。また、作製した各クリーニングブレードについて、破断強度、摩耗・欠けを調べた。これらの結果を表に示す。
(硬度測定方法)
ユニバーサル硬度計(フィッシャー社製、「フィッシャースコープHM2000LT」)を用い、20mN/10秒の定荷重にて触針を押し込み、当接部の表面のマルテンス硬さHaと、内部における最も硬度の低い位置のマルテンス硬さHbを測定した。
ユニバーサル硬度計(フィッシャー社製、「フィッシャースコープHM2000LT」)を用い、20mN/10秒の定荷重にて触針を押し込み、当接部の表面のマルテンス硬さHaと、内部における最も硬度の低い位置のマルテンス硬さHbを測定した。
(硬度変化の傾きm)
当接部の表面から最も硬度の低い位置までの深さ(所定深さ)hを硬度が変化する領域の長さhとし、下記の式(1)から硬度変化の傾きmを算出した。
(数4)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:硬度が変化する領域の長さ(μm)
当接部の表面から最も硬度の低い位置までの深さ(所定深さ)hを硬度が変化する領域の長さhとし、下記の式(1)から硬度変化の傾きmを算出した。
(数4)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:硬度が変化する領域の長さ(μm)
(破断強度、摩耗、欠け:耐久後)
出力(画像:5%濃度の横線画像)を行った。5000枚印刷後に、ハーフトーン画像を印刷し、ブレードの破断及び当接稜線部の摩耗・欠け状態を調べた。耐久評価終了までブレードの破断が観測されなかった場合を特に良好「◎」、耐久評価終盤にブレードの破断が観測された場合を良好「○」、耐久評価の中初期にブレードの破断が観測された場合を不良「×」とした。また、上記耐久評価終了後に当接部稜線部に摩耗・欠けが観測されなかった場合を特に良好「◎」、画像に影響しない程度の軽微な状態の摩耗・欠けが観測された場合を「〇」、画像に影響する摩耗・欠け状態が観測された場合を不良「×」とした。
出力(画像:5%濃度の横線画像)を行った。5000枚印刷後に、ハーフトーン画像を印刷し、ブレードの破断及び当接稜線部の摩耗・欠け状態を調べた。耐久評価終了までブレードの破断が観測されなかった場合を特に良好「◎」、耐久評価終盤にブレードの破断が観測された場合を良好「○」、耐久評価の中初期にブレードの破断が観測された場合を不良「×」とした。また、上記耐久評価終了後に当接部稜線部に摩耗・欠けが観測されなかった場合を特に良好「◎」、画像に影響しない程度の軽微な状態の摩耗・欠けが観測された場合を「〇」、画像に影響する摩耗・欠け状態が観測された場合を不良「×」とした。
比較例1〜2は、硬度が変化している領域が深さ100μmまで、あるいは深さ50μmまでで比較的浅いため、硬度変化が大きく、急激に硬度が変化している。このため、耐久評価の中初期にブレードの破断が観測され、破断強度に劣っていた。そして、耐久評価の中初期にブレードの破断が生じたため、摩耗、欠けの評価ができなかった。これに対し、実施例1〜15によれば、硬度が変化している領域が深さ150μm以上であり深いため、硬度変化が小さく緩やかである。このため、耐久評価終了まで、あるいは、耐久評価終盤までブレードの破断が観測されず、破断強度に優れていた。そして、実施例1〜10によれば、硬度が変化している領域が深さ400μm以上であり特に深いため、耐久評価終了までブレードの破断が観測されず、特に破断強度に優れていた。そして、比較例3は、当接部の表面の硬度が1000mN/mm2未満で低すぎるため、画像に影響する摩耗・欠けが観測された。これに対し、実施例15、18によれば、当接部の表面の硬度が1000〜5000mN/mm2の範囲内で高いため、耐久評価終了後まで画像に影響するほどの摩耗・欠けは観測されなかった。また、実施例1〜18によれば、当接部の表面の硬度が1000〜5000mN/mm2の範囲内で高いため、耐久評価終了後まで画像に影響するほどの摩耗・欠けは観測されなかった。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 クリーニングブレード
12 ブレード部
14 保持部
12 ブレード部
14 保持部
Claims (6)
- 電子写真機器用クリーニングブレードにおいて、クリーニングを受ける被クリーニング部材に当接する当接部の表面のマルテンス硬さが1000〜5000mN/mm2の範囲内であり、該当接部の表面から内部に向かって硬度が低下する方向に変化しており、硬度が変化する領域の長さが150μm以上であり、下記の式(1)で表される硬度変化の傾きmが、−30〜−0.1HM/μmの範囲内であることを特徴とする電子写真機器用クリーニングブレード。
(数1)
m=(Hb−Ha)/h ・・・・(1)
m:硬度変化の傾き(HM/μm)
Ha:前記当接部の表面のマルテンス硬さ(mN/mm2)
Hb:最も硬度の低い位置のマルテンス硬さ(mN/mm2)
h:前記硬度が変化する領域の長さ(μm) - 前記硬度が変化する領域の長さが200μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用クリーニングブレード。
- 前記硬度が変化する領域の長さが400μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用クリーニングブレード。
- 前記最も硬度の低い位置のマルテンス硬さが500〜1000mN/mm2の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真機器用クリーニングブレード。
- 前記当接部の表面から内部に向かって最も硬度の低い位置まで、単層で構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真機器用クリーニングブレード。
- 前記当接部の表面から内部に向かって同心円状または同心楕円状に硬度が低下する方向に変化していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真機器用クリーニングブレード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016167895A JP2018036363A (ja) | 2016-08-30 | 2016-08-30 | 電子写真機器用クリーニングブレード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016167895A JP2018036363A (ja) | 2016-08-30 | 2016-08-30 | 電子写真機器用クリーニングブレード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018036363A true JP2018036363A (ja) | 2018-03-08 |
Family
ID=61567352
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018036363A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112470082A (zh) * | 2018-07-26 | 2021-03-09 | 株式会社理光 | 清洁刮板,处理卡盒,以及图像形成装置 |
CN112824978A (zh) * | 2019-11-20 | 2021-05-21 | 株式会社理光 | 清洁刮板,处理卡盒,以及图像形成装置 |
WO2023032827A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | キヤノン株式会社 | ポリウレタンを含む非発泡の成形体 |
-
2016
- 2016-08-30 JP JP2016167895A patent/JP2018036363A/ja active Pending
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