JP3835253B2 - クリーニングブレード用ウレタン組成物の製法およびそれにより得られたクリーニングブレード用ウレタン組成物、ならびにそれを用いてなるクリーニングブレード - Google Patents

クリーニングブレード用ウレタン組成物の製法およびそれにより得られたクリーニングブレード用ウレタン組成物、ならびにそれを用いてなるクリーニングブレード Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機等の感光ドラム外周面に残留するトナーを除去するクリーニングブレード用ウレタン組成物の製法およびそれにより得られたクリーニングブレード用ウレタン組成物、ならびにそれを用いてなるクリーニングブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機としては、感光ドラム外周面を一様に帯電させ、ついで被複写体の複写像を介してその外周面を露光することにより、上記外周面上に静電潜像を形成し、この静電潜像に、帯電されたトナーを付着させてトナー像を形成し複写紙等に転写することにより複写を行う形式のものが一般的である。このような電子写真複写機では、トナー像の転写後に、感光ドラム外周面上にトナーが残留するため、上記感光ドラム外周面にクリーニングブレードを摺接し、残留トナーを掻き落として除去することが行われている。
【0003】
上記クリーニングブレードとしては、従来より、耐摩耗性等の力学的特性に優れるポリウレタン組成物が賞用されており、例えば、ジアザビシクロアミン塩の存在下に反応硬化させて得たポリウレタン弾性体からなるクリーニングブレードが提案されている(特開平9−212059号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−212059号公報に記載のクリーニングブレードは、触媒が塩であるため、反応速度が遅くなり、ポットライフと硬化性のバランスが悪くなるという問題がある。また、NCOインデックスが低いため、長期間使用していると、感光ドラムと摺接するクリーニングブレードのエッジ部が摩耗したり、欠けが生じる等の難点があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、硬化性、耐摩耗性および耐欠け性に優れたクリーニングブレード用ウレタン組成物の製法およびそれにより得られたクリーニングブレード用ウレタン組成物、ならびにそれを用いてなるクリーニングブレードの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成を用い、NCOインデックス115以上に設定するクリーニングブレード用ウレタン組成物の製法を第1の要旨とする。そして、上記第1の要旨の製法により得られるウレタン組成物であって、下記の(A)〜(D)を必須成分とし、かつ、NCOインデックスが115以上であるクリーニングブレード用ウレタン組成物を第2の要旨とする。
(A)ポリオール。
(B)ポリイソシアネート。
(C)有機酸。
(D)1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7および1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5の少なくとも一方からなる触媒。
【0007】
また、本発明は、上記第2の要旨のクリーニングブレード用ウレタン組成物を用いてなるクリーニングブレードを第の要旨とする。
【0008】
すなわち、本発明者らは、硬化性、耐摩耗性および耐欠け性に優れたクリーニングブレード用ウレタン組成物を得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、NCOインデックスを従来よりも高めに設定してヌレート架橋を増やすことで耐摩耗性および耐欠け性を向上させ、かつ、特定の触媒を用いて反応を速めるとともに有機酸を用いて反応をブロックし反応速度を適正にすることにより、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
また、上記ポリオールとしてポリブチレンアジペート(PBA)を用いると、耐摩耗性および耐欠け性がより良好となる。
【0010】
さらに、上記特定の触媒(D成分)とともにトリエチレンジアミン(触媒)を併用すると耐加水分解性がより良好となり、第四級アンモニウム塩(触媒)を併用すると加工性がより良好となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明のクリーニングブレード用ウレタン組成物は、ポリオール(A成分)とポリイソシアネート(B成分)と有機酸(C成分)と特定の触媒(D成分)とを用い、NCOインデックスが115以上となるよう設定することにより得ることができる。
【0013】
上記ポリオール(A成分)としては、特に限定はなく、例えば、ポリエステルジオール,ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン,ポリカーボネート,ポリオキシテトラメチレングリコール,ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0014】
上記ポリエステルポリオールとしては、多塩基性有機酸とポリオールとから製造され、水酸基を末端基とするヒドロキシルポリエステルポリオールが好適に用いられる。上記多塩基性有機酸としては、特に限定するものではなく、例えば、シュウ酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,イソセバシン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸,フマル酸等の不飽和脂肪酸、フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸,無水フタル酸等の酸無水物、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル、不飽和脂肪酸の二量化によって得られるダイマー酸等があげられる。また、上記ポリオールとしては、特に限定するものではなく、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキシレングリコール等のジオール、トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ヘキサントリオール,グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオール等があげられる。
【0015】
また、上記ポリエーテルポリオールとしては、環状エーテルの開環重合または共重合によって製造されるものが好適に用いられる。上記環状エーテルとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等があげられる。
【0016】
そして、本発明において、上記ポリオール(A成分)としては、上記一連のもののなかでも、耐摩耗性および耐欠け性に優れる点で、ポリブチレンアジペート(PBA)が好適に用いられる。
【0017】
上記ポリオール(A成分)の数平均分子量(Mn)は、1000〜3000の範囲が好ましく、特に好ましくは1500〜2600である。すなわち、上記ポリオール(A成分)のMnが1000未満であると、得られるクリーニングブレードの物性が低下する傾向がみられ、逆にMnが3000を超えると、作業性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0018】
上記ポリオール(A成分)とともに用いられるポリイソシアネート(B成分)としては、特に限定はなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、耐摩耗性の観点から、MDIが好適に用いられる。
【0019】
上記ポリイソシアネート(B成分)の配合量は、NCOインデックス(イソシアネートインデックス)が115以上になるよう設定する必要があり、特にNCOインデックスが115〜130の範囲になるよう設定することが好ましい。すなわち、NCOインデックスが115未満であると、耐摩耗性、耐欠け性が劣るからである。
【0020】
なお、NCOインデックスとは、イソシアネート基と反応する水酸基を持つ原料成分の合計当量100に対するイソシアネートの当量を意味する。
【0021】
上記A成分およびB成分とともに用いられる有機酸(C成分)としては、特に限定はなく、例えば、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,吉草酸,カプロン酸,2−エチルヘキサン酸,シアノ酢酸,ピルビン酸,安息香酸,カプリン酸,ステアリン酸,酪酸,リンゴ酸等のモノカルボン酸、アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸,イソフタル酸,テレフタル酸,オキシ二酢酸,フマル酸,ショウ酸,マレイン酸,スペリン酸,ピメリン酸,グルタル酸,マロン酸,無水フタル酸,無水コハク酸,コハク酸,1,11−ウンデカジカルボキシリック酸,1,12−ドデカンジカルボキシリック酸,ウンデカジオイック酸,デカンジカルボン酸,ヘキサデカンジオイック酸等のジカルボン酸、サリチル酸,m−オキシ安息香酸,p−オキシ安息香酸,オキシフェニル酢酸,プロトカテチュ酸,ゲンチシン酸,α−レゾルシン酸,β−レゾルシン酸,γ−レゾルシン酸,オルセリン酸,カフェー酸,ウンベル酸,没食子酸,3−オキシフタル酸等のフェノール酸(フェノールカルボン酸)、フェノール、クエン酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、ポットライフと反応性の点で、ギ酸、酢酸、フェノールが好適に用いられる。
【0022】
上記有機酸(C成分)の含有量は、ウレタン組成物全体の0.00001〜0.02重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは0.0001〜0.02重量%である。すなわち、上記有機酸(C成分)の含有量が0.00001重量%未満であると、反応速度が速く注型が困難となり、逆に0.02重量%を超えると、反応が遅く硬化性に劣るからである。
【0023】
上記A〜C成分とともに用いられる特定の触媒(D成分)は、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)および1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(DBN)の少なくとも一方からなるものである。
【0024】
上記特定の触媒(D成分)の含有量は、ウレタン組成物全体の0.0001〜0.1重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは0.005〜0.05重量%である。すなわち、上記特定の触媒(D成分)の含有量が0.0001重量%未満であると、充分に硬化されず、成型に時間がかかり、逆に0.1重量%を超えると、硬化が速すぎ、攪拌時に固まってしまうからである。
【0025】
なお、本発明においては、上記特定の触媒(D成分)とともに他の触媒を併用してもよく、例えば、第三級アミン等のアミン系化合物、第四級アンモニウム塩、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。上記第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化アミン,エトキシル化ジアミン,ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N−メチルモルホリン,N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン,N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられる。また、上記第四級アンモニウム塩としては、例えば、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム・オクチル酸塩(DABCO TMR、三共エアプロダクツ社製)、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム・蟻酸塩(DABCO TMR−2、三共エアプロダクツ社製)等があげられる。さらに、上記有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これら触媒のなかでも、耐加水分解性の点でトリエチレンジアミン(TEDA)が、加工性の点で第四級アンモニウム塩が好適に用いられる。
【0026】
上記トリエチレンジアミン等の他の触媒の含有量は、ウレタン組成物全体の0.0005〜0.03重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは0.001〜0.01重量%である。
【0027】
また、上記特定の触媒(D成分)と他の触媒を併用する場合、両者の重量混合比は、D成分/他の触媒=10/1〜1/10の範囲が好ましい。
【0028】
なお、本発明で用いるウレタン組成物には、上記A〜D成分以外に、鎖延長剤、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤等を含有させてもよい。
【0029】
上記鎖延長剤としては、例えば、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール等の分子量300以下のポリオールや、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(TCDAM)、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジフェニルメタン、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン等の芳香族ジアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0030】
そして、本発明のウレタン組成物を用いてなるクリーニングブレードは、例えば、図1に示すように、上記ウレタン組成物硬化体1が板状保持具2に支持されてなるものである。
【0031】
本発明のクリーニングブレードは、上記各材料を用い、常法に準じて製造することができる。具体的には、プレポリマー法、セミワンショット法、ワンショット法に準じて製造できる。なかでも、加工性に優れるという観点から、セミワンショット法が好適に用いられる。
【0032】
上記セミワンショット法に準じて、本発明のクリーニングブレードは、例えばつぎのようにして製造される。すなわち、まず、上記ポリオール(A成分)およびポリイソシアネート(B成分)を準備し、両者を適宜の配合割合で配合し、適宜の反応条件で反応させてウレタンプレポリマーを調製する。そして、上記ウレタンプレポリマーに有機酸(C成分)を配合して、ウレタンプレポリマーと有機酸(C成分)とからなる主剤液を調製する。一方、上記ポリオール(A成分)および必要に応じて鎖延長剤等を準備し、これらを適宜の配合割合で配合し、適宜の混合条件で混合して硬化剤液を調製する。つぎに、上記特定の触媒(D成分)およびその他の触媒の存在下、上記主剤液および硬化剤液が所定のNCOインデックスとなるなるよう適宜の配合割合で配合して混合し、この混合液を、板状保持具2が保持されたクリーニングブレード成形用金型内に注入して、反応硬化させる。そして、得られた硬化体を成形型から取り出し、所定の形状に加工する。このようにして、図1に示すような、板状保持具2と一体成形されたクリーニングブレードを得ることができる。
【0033】
なお、上記有機酸(C成分)は、硬化剤液中に配合しても差し支えない。また、上記特定の触媒(D成分)およびその他の触媒は、硬化剤液中に配合しても差し支えない。この場合、上記特定の触媒(D成分)は、上記有機酸(C成分)が配合される液と別の液側に配合することが好ましい。
【0034】
また、本発明のクリーニングブレードは、必ずしも板状保持具2と一体成形する必要はなく、例えば板状保持具2の表面にあとから接着する後接着法により作製しても差し支えない。
【0035】
上記硬化体の硬度(JIS A)は、80°以下が好ましく、特に好ましくは70〜80°の範囲である。すなわち、硬度が80°を超えると、固すぎてクリーニング性に劣る傾向がみられるからである。
【0036】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0037】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0038】
〔ポリオール〕
PBA(日本ポリウレタン工業社製、N4010、Mn:2000、OH値:56.1KOHmg/g)
【0039】
〔ポリオール〕
ポリカプロラクトン(PCL)(ダイセル化学工業社製、プラクセル220、Mn:2000、OH値:56.1KOHmg/g)
【0040】
〔低分子量ポリオール〕
1,4−BDとTMPの混合物(混合モル比:1,4−BD/TMP=60/40)
【0041】
【実施例1〜6、比較例1〜4】
まず、後記の表1および表2に示す各成分を同表に示す割合で配合してなるウレタン組成物を準備した。
【0042】
つぎに、実施例および比較例のウレタン組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を後記の表1および表2に併せて示した。
【0043】
〔ポットライフ〕
プレポリマーと有機酸(比較例は配合せず)とからなる主剤液(液温70℃)、および硬化剤液(液温70℃)をそれぞれ調製した。ついで、触媒の存在下、両液を所定のNCOインデックスになるよう配合し、真空脱泡しながら攪拌羽根で30秒攪拌した後、液温を140℃に高め、液の粘度をB型粘度計を用いて測定した。評価基準は、混合開始から粘度が1,000mPa・sになるまでのポットライフ時間を測定し、ポットライフ時間が1分50秒以上のものを○、1分50秒未満のものを×とした。
【0044】
〔硬化性〕
ポットライフ後に粘度が100,000mPa・sになるまでの硬化時間を測定した。硬化性の評価基準は、硬化時間が3分30秒以下のものを○、3分30秒を超えるものを×とした。
【0045】
〔硬度〕
まず、板状保持具を配置したクリーニングブレード成形用金型を準備し、上記各ウレタン組成物を金型内に注入し、140℃で30分間反応させて硬化させ硬化体を得た。その後、脱型し、ナイフを用いて所定の形状に成形することにより、目的とするクリーニングブレードを作製した。そして、上記硬化体の硬度(JIS A)を測定した。
【0046】
〔耐欠け性〕
各クリーニングブレードを市販のレーザープリンターに組み込み、高温高湿環境下(35℃×85%RH)にて、A3サイズで3万枚画出しを行った。そして、上記3万枚画出し後のクリーニングブレードのエッジ部の欠けの有無を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率500倍で観察した。評価基準は、欠けがないものを○、欠けが発生し実用上問題があるものを×とした。
【0047】
〔耐摩耗性〕
各クリーニングブレードを市販のレーザープリンターに組み込み、高温高湿環境下(35℃×85%RH)にて、A3サイズで3万枚画出ししたのち、走査型電子顕微鏡にてクリーニングブレードのエッジ部の摩耗量を観察した。そして、摩耗した部分の断面積(Uμm2 )と、先端部の単位長さ(Xμm)を測定し、数式:W=U×Xにより、摩耗量(Wμm3 )を算出した。評価基準は、摩耗量が50μm3 未満のものを○、50μm3 以上のものを×とした。
【0048】
【表1】
Figure 0003835253
【0049】
【表2】
Figure 0003835253
【0050】
上記結果から、実施例品はいずれも、ポットライフが良好で、硬化性、耐欠け性および耐摩耗性に優れることがわかる。
【0051】
これに対して、比較例1品は、触媒がTEDAのみであるため、硬化性および耐摩耗性に劣ることがわかる。また、比較例2〜4品は、触媒がDBU塩であるため、硬化性、耐欠け性および耐摩耗性に劣ることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明のクリーニングブレード用ウレタン組成物は、ポリオール(A成分)とポリイソシアネート(B成分)と有機酸(C成分)と特定の触媒(D成分)とを用い、NCOインデックスが115以上となるよう設定することにより得ることができる。このように、NCOインデックスを従来よりも高めに設定してヌレート架橋を増やすことで耐摩耗性および耐欠け性を向上させ、かつ、特定の触媒を用いて反応を速めるとともに有機酸を用いて反応をブロックし反応速度を適正にしたものである。その結果、本発明のクリーニングブレード用ウレタン組成物はポットライフが良好で硬化性に優れ、これを用いてなる本発明のクリーニングブレードは、耐摩耗性および耐欠け性に優れている。
【0053】
また、上記ポリオール(A成分)としてポリブチレンアジペート(PBA)を用いると、耐摩耗性および耐欠け性がより良好となる。
【0054】
さらに、上記特定の触媒(D成分)とともにトリエチレンジアミン(触媒)を併用すると耐加水分解性がより良好となり、第四級アンモニウム塩(触媒)を併用すると加工性がより良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニングブレードの一例を模式的に示す斜視図である。
【符号の簡単な説明】
1 ウレタン組成物硬化体
2 板状保持具

Claims (6)

  1. 下記の(A)〜(D)成を用い、NCOインデックス115以上に設定することを特徴とするクリーニングブレード用ウレタン組成物の製法
    (A)ポリオール。
    (B)ポリイソシアネート。
    (C)有機酸。
    (D)1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7および1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5の少なくとも一方からなる触媒。
  2. 請求項1記載の製法により得られるウレタン組成物であって、下記の(A)〜(D)を必須成分とし、かつ、NCOインデックスが115以上であることを特徴とするクリーニングブレード用ウレタン組成物。
    (A)ポリオール。
    (B)ポリイソシアネート。
    (C)有機酸。
    (D)1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7および1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5の少なくとも一方からなる触媒。
  3. 上記(A)成分のポリオールが、ポリブチレンアジペートである請求項2記載のクリーニングブレード用ウレタン組成物。
  4. トリエチレンジアミンを含有する請求項2または3記載のクリーニングブレード用ウレタン組成物。
  5. 第四級アンモニウム塩を含有する請求項〜4のいずれか一項に記載のクリーニングブレード用ウレタン組成物。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項に記載のクリーニングブレード用ウレタン組成物を用いてなるクリーニングブレード。
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