JP5690263B2 - ポリウレタン樹脂製造用触媒及びポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
ポリオールと有機ポリイソシアネート又はイソシアネートプレポリマーを混合して硬化する、二液硬化型のポリウレタン樹脂では、二液混合後に金型へ充填したり、基材に塗布したりして硬化反応を生じさせる製造方法が一般的に行なわれている。
これらポリウレタン樹脂製造用触媒としてはアミン触媒や金属触媒が通常使用されているが、触媒を使用すると硬化反応は促進されるものの、二液混合液の可使時間(ポットライフ)が短くなることから、金型内の充填不足や基材塗布前に硬化が始まる等の問題が生じ易くなる。
この二液混合液の可使時間(ポットライフ)が短くなる問題を解決するため、二液混合後の初期の反応性を抑えることにより、金型内の充填性や基材への塗布を良好に保ち、ある一定時間後に急激な硬化をもたらすことができるシクロアミジン(塩)を触媒として使用する方法が採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、無溶剤系の塗料・接着剤の場合、溶剤による減粘効果が失われることから、シクロアミジン(塩)を触媒として用いたとしても、二液混合液の可使時間(ポットライフ)が短くなりやすくなる問題がある。高粘度の高機能原料を使用したエラストマー・シーラントでも、同じく二液混合液の可使時間(ポットライフ)が短くなりやすい問題がある。また、パネル・ボード等の硬質フォームにおいても、水を発泡剤に用いた場合、フロン系発泡剤による減粘効果が失われることから、金型内の充填性が低下し、シクロアミジン(塩)を用いたとしても充填不足が発生しやすくなるという問題がある。
本発明の目的は、無溶剤系の塗料・接着剤や、高粘度の高機能原料を使用したエラストマー・シーラント、水を発泡剤に使用したパネル・ボード等の硬質フォームの場合でも、二液混合後の初期の反応性を抑えることによって可使時間(ポットライフ)を十分長く保つことで金型内の充填性や基材への塗布を良好に保ち、ある一定時間後に急激な硬化をもたらすことができるポリウレタン樹脂製造用触媒を提供することである。
この場合、シクロアミジン(C)と塩を形成する酸が強酸になるほど、可使時間(ポットライフ)を長くできるが、一定時間後に急激な硬化をもたらすことはできなくなり、生産性の悪化や生成したポリウレタン樹脂の物性低下をもたらす。
逆に、シクロアミジン(C)と塩を形成する酸が弱酸になるほど、一定時間後に急激な硬化をもたらすことはできるが、可使時間(ポットライフ)が短くなり、金型内の充填性や基材への塗布を良好に保つことができなくなる。
本発明の一般式(1)で表されるシクロアミジン(C)とpKa1=4〜11の弱酸(WA)とpKa1=2以下の強酸(SA)とを含む塩(E)を使用した場合、ポリオールと有機ポリイソシアネート又はイソシアネートプレポリマーとの二液混合直後の低温では塩(E)中の強酸(SA)によって初期の反応が抑制されるため、可使時間(ポットライフ)を長く保つことができるものと考えられる。また、ポリオールと有機ポリイソシアネート又はイソシアネートプレポリマーとが反応した一定時間後の高温では、塩(E)中の強酸(SA)がシクロアミジン(C)と解離しやすくなるため、急激な硬化をさほど損なわずにもたらすことができるものと考えられる。
一般式(1)において、mは、2〜6の整数を表し、好ましくは3〜5の整数である。
メチレン基の水素原子を置換してもよい有機基としては、炭素数1〜6のアルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル及びn−ヘキシル等)、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピル、3−ヒドロキシ−t−ブチル及び6−ヒドロキシヘキシル等)及び炭素数2〜12のジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、t−ブチルメチルアミノ及びジn−ヘキシルアミノ等)等が挙げられる。
有機酸としては、カルボン酸{飽和脂肪族カルボン酸類(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、メチルエチル酢酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、イソカプロン酸、ジエチル酢酸、2,2−ジメチル酪酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ウンデシレン酸、ラウリン酸、n−トリデシレン酸、ミリスチン酸、n−ペンタデシレン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、n−ノナデシレン酸、アラキジン酸、n−ヘンアイコ酸等)、不飽和脂肪族カルボン酸類(アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、アリル酢酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、3−メチルクロトン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、4−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、4−メチル−3−ペンテン酸、2−エチルクロトン酸、2−へプテン酸、2−オクテン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレステアリン酸、アラキドン酸等)、飽和脂肪族ジカルボン酸類(コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、アジピン酸、エチルコハク酸、ピメリン酸、プロピルコハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等)、脂環式カルボン酸類(シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロブテンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸、シクロヘプテンカルボン酸等)、芳香族カルボン酸類(安息香酸、アルキル置換安息香酸類(3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、3−エチル安息香酸、4−エチル安息香酸等)、4−ヒドロキシ安息香酸、アルコキシ置換安息香酸類(2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸等)、メルカプト安息香酸類、アミノ置換安息香酸類、2−ナフトエ酸等)、ヒドロキシカルボン酸類(アスコルビン酸等)、ケトカルボン酸類(レブリン酸等)}、モノアルキル炭酸(メチル炭酸及びエチル炭酸等)、芳香族ヒロドキシ化合物{フェノール、アルキル置換フェノール類(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、キシレノール類、トリメチルフェノール類、テトラメチルフェノール類、ペンタメチルフェノール類等)、アルコキシ置換フェノール類(2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、3−エトキシフェノール、4−エトキシフェノール等)、ハロゲン置換フェノール類(フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等)、ナフトール類、アミノフェノール類、ニトロフェノール類、多価フェノール類(カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、ビフェノール類、ビスフェノール類、ピロガロール、フロログルシノール、ヘキサヒドロキシベンゼン等)}、チオフェノール類等が挙げられる。
有機酸としては、カルボン酸{ハロゲン置換脂肪族カルボン酸類(ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジブロモ酢酸、トリブロモ酢酸、2,2−ジブロモプロピオン酸等)、ニトロ置換脂肪族カルボン酸類(ニトロ酢酸等)、アンモニウム置換脂肪族カルボン酸類(トリメチルアンモニウム酢酸等)、飽和脂肪族ジカルボン酸類(蓚酸、エチルブチルマロン酸等)、不飽和脂肪族ジカルボン酸類(マレイン酸、アセチレンジカルボン酸等、クロロマレイン酸、ブロモマレイン酸、クロロフマル酸、ブロモフマル酸等)}、有機ホスホン酸類(2−アミノエチルホスホン酸等)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ビニルスルホン酸、サイクラミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等)等が挙げられる。
溶媒としては、水及びアルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びブタンジオール等)が挙げられる。
溶媒を含有する場合、この含有量は適宜決定でき、たとえば、塩(E)の重量に基づいて5〜1900重量%である。
有機金属触媒としては、公知の有機金属触媒等が含まれ、カルボン酸カリウム(2−エチルヘキサン酸カリウム及び酢酸カリウム等)、有機スズ触媒(スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジラウレート、スタナスジオレエート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート及びジオクチル錫ジラウレート等)、有機ビスマス触媒(オクチル酸ビスマス及びナフテン酸ビスマス等)及び有機コバルト触媒(ナフテン酸コバルト等)等が挙げられる。
溶媒及びその使用量は前記の通りである。
揮発性発泡剤としては、公知の揮発性発泡剤等が使用でき、フロン(水素原子含有ハロゲン化炭化水素){たとえば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)}、ハイドロフルオロエーテル{たとえば、HFE−254pc}、ハロゲン化炭化水素{たとえば、メチレンクロライド}、低沸点炭化水素{たとえば、プロパン,ブタン及びびペンタン}、炭酸ガス及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の触媒は、これらの発泡剤のうち特に水に対して他の触媒では得られない効果を発揮する。
<実施例1>
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBNをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸(pKa1=4.8)を徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のマレイン酸(pKa1=1.9)を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(1)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(2)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(3)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(4)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(5)を得た。
強酸としてマレイン酸の代わりに所定量のp-トルエンスルホン酸(pKa1=−2.8)を加えた他は実施例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びp-トルエンスルホン酸の塩(6)を得た。
強酸としてマレイン酸の代わりに所定量のメタンスルホン酸(pKa1=−1.2)を加えた他は実施例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びメタンスルホン酸の塩(7)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBNをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量のフェノール(pKa1=9.8)を徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のメタンスルホン酸を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBNとフェノール及びメタンスルホン酸の塩(8)を得た。
弱酸としてフェノールの代わりにo-クレゾール(pKa1=10.2)を加えた他は実施例5と同様にして、本発明の触媒DBNとo-クレゾール及びメタンスルホン酸の塩(9)を得た。
弱酸としてフェノールの代わりに2−メトキシフェノール(pKa1=10.0)を加えた他は実施例5と同様にして、本発明の触媒DBNと2−メトキシフェノール及びメタンスルホン酸の塩(10)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBNをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸を徐々に滴下した後、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、比較用の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸の塩(H1)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸の比率を変えた他は比較例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸の塩(H2)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸の比率を変えた他は比較例1と同様にして、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸の塩(H3)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBNをとり攪拌しながら、これに強酸として所定量のマレイン酸を少しずつ加えた後、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、比較用の触媒DBNとマレイン酸の塩(H4)を得た。
強酸としてマレイン酸の代わりにメタンスルホン酸を加えた他は比較例1と同様にして、比較用の触媒DBNとメタンスルホン酸の塩(H5)を得た。
DBNと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例1と同様にして、比較用の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(H6)を得た。
液温60℃に調節したポリオールに、触媒を所定量加え、均一に混合攪拌した。次いで、イソシアネートを加えて混合攪拌し、油温を60℃に保ちながら粘度計(ビスコエリートL型)で粘度を測定した(ロータ No.3)。粘度が30,000mPa・sを超えた時点をポットライフとした。
ポリオールに、触媒を所定量加え、均一に混合攪拌した。次いで、ポリイソシアネートを加えて混合攪拌し、表面温度を145℃に調節したゲル化試験器の熱板上に配合物を0.7g載せた。表面の糸引きが無くなり、脱型できるまでの時間を硬化時間とした。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸を徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のマレイン酸を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(11)を得た。
DBUと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例11と同様にして、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(12)を得た。
DBUと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例11と同様にして、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(13)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸を徐々に滴下した後、混合攪拌して、比較用の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸の塩(H7)を得た。
DBUと反応させる2−エチルヘキサン酸の比率を変えた他は比較例7と同様にして、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(H8)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに強酸として所定量のマレイン酸を少しずつ加えた後、混合攪拌して、比較用の触媒DBUとマレイン酸の塩(H9)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸を徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のマレイン酸を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(14)を得た。
DBUと反応させる2−エチルヘキサン酸とマレイン酸の比率を変えた他は実施例14と同様にして、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(15)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸を徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のメタンスルホン酸を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBUと2−エチルヘキサン酸及びメタンスルホン酸の塩(16)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量のフェノールを徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のマレイン酸を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBUとフェノール及びマレイン酸の塩(17)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBNをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量の2−エチルヘキサン酸を徐々に滴下した後、混合攪拌した。続いて、強酸として所定量のマレイン酸を少しずつ加え、完全に溶解するまで混合攪拌を行い、本発明の触媒DBNと2−エチルヘキサン酸及びマレイン酸の塩(18)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに弱酸として所定量のフェノールを徐々に滴下した後、混合攪拌して、比較用の触媒DBUとフェノールの塩(H10)を得た。
50mlのガラス製丸底フラスコに所定量のDBUをとり攪拌しながら、これに強酸として所定量のメタンスルホン酸を少しずつ加えた後、混合攪拌して、比較用の触媒DBUとメタンスルホン酸の塩(H11)を得た。
表4に示した原料を用いて、25℃で、ポリオール、水、整泡剤、難燃剤、評価試料(触媒)及びその他の触媒の順に混合した後、イソシアネート(25℃)を加え、ホモディスパー(プライミクス株式会社)で5000rpm、5秒間攪拌混合して混合物を得た。この混合物のうち100gを直ちに、モールド(温度45℃、内寸;幅10cm×奥行き100cm×高さ5cm、上部に10cm×100cmの開口部を持つ。)の上部開口部から、内寸10cmの側壁に沿うようにして充填し、発泡させてポリウレタンフォームを得た。
なお、評価試料(触媒)を使用しないこと以外、上記と同様にして、ブランク用のポリウレタンフォームを得た。
ポリオール:ショ糖にプロピレンオキシドを付加反応させて得た水酸基価338のポリオール
整泡剤:SH 193(ポリエーテルシロキサン重合体、東レ・ダウコーニング株式会社)
難燃剤:TMCPP(トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、大八化学工業株式会社)
その他の触媒:U−CAT 420A(アミン系触媒、サンアプロ株式会社)
イソシアネート:ミリオネート MR−200(粗製MDI、NCOインデックス110、日本ポリウレタン工業株式会社)
モールドに混合物を注入し始めてから、270秒後に、E型硬度計で、フォーム硬度を計測し、3ヶ所の平均値を硬化性とした。この値は大きいほど、硬化性が高いことを意味する。
モールドに混合物100gを注入した後、内寸10cmの側壁から流れた最小距離を計測し、これを充填性とした。
また、本発明の触媒は従来のシクロアミジン(塩)に比べ、高粘度の高機能原料を使用したエラストマー・シーラントの場合でも、可使時間(ポットライフ)を十分長く保ちながら、硬化を促進させることができることは、表2、表3の結果から明らかである。
また、表5の結果から明らかなように、本発明の触媒は従来のシクロアミジン(塩)に比べ、水を発泡剤として使用した場合でも、モールド内の充填性を良好に保ちながら硬化を促進させることできた。
Claims (4)
- pKa1=4〜11の弱酸(WA)が、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、フェノール、o-クレゾール又は2−メトキシフェノールである請求項1に記載の触媒。
- pKa1=2以下の強酸(SA)が、マレイン酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸である請求項1又は2に記載の触媒。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン樹脂製造用触媒とポリオールと有機ポリイソシアネート又はイソシアネートプレポリマーとを反応させてポリウレタン樹脂を得る工程を含むことを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
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