JP2009215448A - ポリウレタンフォーム製造用触媒及びポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム製造用触媒及びポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水を発泡剤に使用した場合でも、金型内の充填性が良好なポリウレタン製造用触媒を提供することである。
【解決手段】特定構造のイミダゾール系化合物とと有機酸との塩(IO)、及び特定構造のシクロアミジンと酸との塩(CA)を含むことを特徴とするポリウレタンフォーム製造用触媒を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォーム製造用触媒及びこれを用いたポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、硬質ポリウレタンフォームの製造用として好適な触媒及びこの触媒を用いた硬質ウレタンフォームに好適な製造方法に関する。
硬質ポリウレタンモールドフォーム(建築材料、冷蔵庫又は冷凍庫等の断熱材料用)は、一般的に、ポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤及び整泡剤等の原料を混合した後、金型等の施工対象物に注入して発泡・硬化させて製造される。生産性向上の目的から、硬化性を速くすることが要望されているが、硬化性を速めると、原料が金型の隅々まで充分に流れない内にウレタンフォームの硬化が始まってしまうため、金型内の充填不足等の問題が起こり易くなる。この充填不足を防止するため、原料の混合後、初期の反応性を抑えることにより、金型内の充填性を良好に保ち、ある一定時間後に急激な硬化をもたらすことができるシクロアミジン(塩)を触媒として使用する方法が採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開昭59−213717号公報 特開昭60−240415号公報
硬質ポリウレタンモールドフォームでは、主にフロン系発泡剤が利用されてきたが、オゾン層破壊の問題から、フロン系発泡剤から水への切替検討が進んでいる。
しかしながら、水を発泡剤とした場合、フロン系発泡剤による減粘効果が失われることから、金型内の充填性が低下し、シクロアミジン(塩)を用いたとしても充填不足が発生しやすくなるという問題がある。
本発明の目的は、水を発泡剤に使用した場合でも、金型内の充填性が良好なポリウレタン製造用触媒を提供することである。
本発明のポリウレタンフォーム製造用触媒の特徴は、一般式(1)で表されるイミダゾールと有機酸との塩(IO)、及び一般式(2)で表されるシクロアミジンと酸との塩(CA)を含む点を要旨とする。
Figure 2009215448

(R、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基、アミノプロピル基又はジメチルアミノプロピル基を表す。)
Figure 2009215448

(mは2〜6の整数を表し、メチレン基の水素原子は有機基で置換されていてもよい。)
本発明のポリウレタンフォームの製造方法の特徴は、上記のポリウレタンフォーム製造用触媒と発泡剤との存在下、ポリオールとイソシアネートとを反応させてポリウレタンフォームを得る工程を含む点を要旨とする。
本発明のポリウレタンフォーム製造用触媒を用いると、水を発泡剤に使用した場合でも、良好な充填性が発揮され、ポリウレタンフォーム原料が金型の隅々まで十分に充填され、その後、速やかに硬化できる。
一般式(1)で表されるイミダゾールと有機酸との塩(IO)を使用した場合、このイミダゾールだけを使用した場合に比べて、初期の反応が抑制されるため、金型内の充填性をさらに良好に保つことができるものと考えられる。また、塩(IO)は塩(CA)に比べて触媒効果が弱いため、塩(IO)と塩(CA)とを含むと、塩(CA)を単独で使用した場合に比べて、金型内に充填してから一定時間後の急激な硬化が和らげられるものと考えられる。
本発明の製造方法によると、上記のポリウレタンフォーム製造用触媒を用いるので、水を発泡剤に使用した場合でも、良好な充填性が発揮され、ポリウレタンフォーム原料が金型の隅々まで十分に充填され、その後、速やかに硬化できる。
<イミダゾールと有機酸との塩(IO)>
一般式(1)において、R、R及びRのうち、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル及びt−ブチル等が挙げられる。また、炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル、トリル、エチルフェニル、ブチルフェニル及びナフチル等が挙げられる。
としては、水素原子、メチル、プロピル及びフェニルが好ましく、さらに好ましくはメチルである。
及びRとしては、水素原子及びアルキル基が好ましく、さらに好ましくは水素原子である。
のうち、炭素数1〜4のアルキル基としては上記のアルキル基等と同様である。Rのうち、水素原子、アルキル基及びベンジル基が好ましく、さらに好ましくはアルキル基、特に好ましくはメチル、n−ブチル及びi−ブチルである。
一般式(1)で表されるイミダゾールとしては、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、1−メチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−(n−ブチル)−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、イミダゾール及び2−メチルイミダゾール等が挙げられる。これらのうち、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−(n−ブチル)−2−メチルイミダゾール及び1−イソブチル−2−メチルイミダゾールが好ましく、さらに好ましくは1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール及び1−イソブチル−2−メチルイミダゾールである。
有機酸としては、カルボン酸{不飽和カルボン酸(アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、安息香酸、トルイル酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、エレステアリン酸及びアラキドン酸等)、飽和脂肪酸(ギ酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸及びイソ吉草酸等)、β置換酢酸(クロロ酢酸、シアノ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリメチル酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、メトキシ酢酸、メルカプト酢酸、ヨード酢酸、ビニル酢酸、オキサロ酢酸、フェニル酢酸及びフェノキシ酢酸等)、ジカルボン酸(蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸及びセバシン酸等)、ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、クエン酸、d−酒石酸、メソ酒石酸、アスコルビン酸及びマンデル酸等)、及びケトカルボン酸(ピルビン酸及びレブリン酸等)、ハロカルボン酸(2−クロロプロピオン酸及び3−クロロプロピオン酸等)等}、モノアルキル炭酸(メチル炭酸及びエチル炭酸等)、芳香族ヒドロキシ化合物(フェノール、クレゾール、カテコール及びナフトール等)及びスルホン酸(オクチルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸等)等が挙げられる。
これらのうち、カルボン酸が好ましく、さらに好ましくは不飽和カルボン酸、特に好ましくはパルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、エレステアリン酸及びアラキドン酸である。
イミダゾールと有機酸との塩(IO)としては、1-メチルイミダゾールとオレイン酸との塩、1,2−ジメチルイミダゾールと2-エチルヘキサン酸との塩、1-イソブチル−2−メチルイミダゾールと2-エチルヘキサン酸との塩、1-メチルイミダゾールと2−エチルヘキサン酸との塩、1,2−ジメチルイミダゾールとオレイン酸との塩及び1-イソブチル−2−メチルイミダゾールとオレイン酸との塩等が好ましく例示できる。
イミダゾールと有機酸との塩(IO)は、触媒作用を有するだけではなく、水と、ポリオールやイソシアネートとの相溶化剤としての作用も奏する。
塩(IO)は、1種又は2種の混合物でもよい。
<シクロアミジンと酸との塩(CA)>
一般式(2)において、mは、2〜6の整数を表し、好ましくは3〜5の整数である。
メチレン基の水素原子を置換してもよい有機基としては、炭素数1〜6のアルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル及びn−ヘキシル等)、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピル、3−ヒドロキシ−t−ブチル及び6−ヒドロキシヘキシル等)及び炭素数2〜12のジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、t−ブチルメチルアミノ及びジn−ヘキシルアミノ等)等が挙げられる。
一般式(2)で表されるシクロアミジンとしては、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−ノネン−5(DBN)、1,5−ジアザビシクロ[4,4,0]−デセン−5、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU;「DBU」はサンアプロ株式会社の登録商標である。)、5−ヒドロキシプロピル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7及び5−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7等が挙げられる。これらのうち、DBN及びDBUが好ましい。
酸としては、有機酸及び無機酸が含まれる。
有機酸としては、カルボン酸{飽和脂肪酸(ギ酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸及びイソ吉草酸等)、不飽和カルボン酸(アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、バクセン酸、エレステアリン酸、アラキドン酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、安息香酸及びトルイル酸等)、β置換酢酸(クロロ酢酸、シアノ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリメチル酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、メトキシ酢酸、メルカプト酢酸、ヨード酢酸、ビニル酢酸、オキサロ酢酸、フェニル酢酸及びフェノキシ酢酸等)、ジカルボン酸(蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アラゼイン酸、スベリン酸及びセバシン酸等)、ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、クエン酸、d−酒石酸、メソ酒石酸、アスコルビン酸及びマンデル酸等)、ケトカルボン酸(ピルビン酸及びレブリン酸等)、ハロカルボン酸(2−クロロプロピオン酸及び3−クロロプロピオン酸等)}、モノアルキル炭酸(メチル炭酸及びエチル炭酸等)、芳香族ヒロドキシ化合物(フェノール、クレゾール、カテコール及びナフトール等)及びスルホン酸(オクチルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びメタンスルホン酸等)等が挙げられる。
無機酸としては、ハロゲン酸(塩酸、フッ化水素酸及び臭素酸等)、炭酸(炭酸塩又は炭酸水素塩を形成する。)及び過ハロゲン化水素酸(過塩素酸及び過臭素酸等)等が挙げられる。
これらの酸のうち、カルボン酸、芳香族ヒドロキシ化合物及び炭酸化合物が好ましく、さらに好ましくは飽和脂肪酸、芳香族ヒドロキシ化合物及び炭酸化合物、特に好ましくはギ酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸、フェノール及び炭酸である。
シクロアミジンと酸との塩(CA)としては、DBUと2−エチルヘキサン酸との塩、DBUとギ酸との塩、DBNと2−エチルヘキサン酸との塩及びDBNとギ酸との塩等が好ましく例示できる。
塩(IO)の含有量(重量%)は、塩(CA)の重量に基づいて、5〜2000が好ましく、さらに好ましくは10〜1000、特に好ましくは20〜500、最も好ましくは67〜150である。この範囲であると、充填性及び硬化性がさらに良好となる。
本発明の触媒は、塩(IO)を調製する際に用いる原料、すなわち、一般式(1)で表されるイミダゾール及び/又は有機酸を含有していてもよい。
本発明の触媒は、塩(CA)を調製する際に用いる原料、すなわち、一般式(2)で表されるシクロアミジン及び/又は酸を含有していてもよい。
本発明の触媒は、公知の溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、水及びアルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びブタンジオール等)が挙げられる。
溶媒を含有する場合、この含有量は適宜決定でき、たとえば、塩(IO)及び塩(CA)の合計重量に基づいて5〜1900重量%である。
本発明の触媒は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の触媒(有機金属触媒やアミン触媒等)を含有してもよい。
有機金属触媒としては、公知の有機金属触媒等が含まれ、カルボン酸カリウム(2−エチルヘキサン酸カリウム及び酢酸カリウム等)、有機スズ触媒(スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジラウレート、スタナスジオレエート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート及びジオクチル錫ジラウレート等)、有機ビスマス触媒(オクチル酸ビスマス及びナフテン酸ビスマス等)及び有機コバルト触媒(ナフテン酸コバルト等)等が挙げられる。
アミン触媒としては、公知のアミン触媒等が含まれ、アミン(トリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル及びジメチルイソプロパノールアミン等)及び第4級アンモニウム塩(水酸化テトラメチルアンモニウム塩、ヒドロキシプロピルトリメチル第4級アンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩及びテトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等)等が挙げられる。
その他の触媒を含有する場合、その他の触媒の使用量(重量%)は、塩(IO)及び塩(CA)の合計重量に基づいて、5〜1900が好ましく、さらに好ましくは20〜900である。
本発明の触媒は、塩(IO)及び塩(CA)を予め混合して調製してもよいし、ポリウレタンフォームの原料に、塩(IO)及び塩(CA)を直接混合して調製してもよい。
なお、塩(IO)は弱塩基の塩であり、塩(CA)は強塩基の塩であるため、塩(IO)及び塩(CA)を混合しても塩交換は生じない。
塩(IO)及び塩(CA)を予め混合する際、溶媒に溶解して混合してもよい。
溶媒はとしては、水及びアルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオール等)等が挙げられる。
溶媒を使用する場合、この使用量は適宜決定でき、たとえば、塩(IO)及び塩(CA)の合計重量に基づいて5〜1900重量%である。
塩(IO)は、一般式(1)で表されるイミダゾールと有機酸とを混合すれば得られる。
一般式(1)で表されるイミダゾール/有機酸の混合モル比は、塩(IO)が得られれば制限ないが、0.7〜1.3が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
混合する際、溶媒に溶解して混合してもよい。
溶媒を使用する場合、この使用量は適宜決定でき、たとえば、塩(IO)の重量に基づいて5〜1900重量%である。
塩(CA)は、一般式(2)で表されるシクロアミジンと酸とを混合すれば得られる。
一般式(2)で表されるシクロアミジン/酸の混合モル比は、塩(CA)が得られれば制限ないが、0.7〜1.3が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
混合する際、溶媒に溶解して混合してもよい。
溶媒を使用する場合、この使用量は適宜決定でき、たとえば、塩(CA)の重量に基づいて5〜1900重量%である。
一般式(1)で表されるイミダゾール及び一般式(2)で表されるシクロアミジンは、公知の方法(たとえば、特開2007−320910号公報、特開2007−238499号公報、特開昭62−16484号公報)で製造することができ、市場(たとえば、シグマアルドリッチジャパン株式会社、和光純薬工業株式会社及びサンアプロ株式会社)からも入手できる。
本発明の触媒は、ポリウレタンフォームの製造用として適しており、さらに硬質ポリウレタンフォームの製造用として好適であり、特に硬質ポリウレタンモールドフォームの製造用として最適である。また、ポリウレタンフォームの製造用以外にも、各種反応の触媒として使用することができる。
ポリウレタンフォームの製造方法は、公知の方法(たとえば、特開昭60−240415号公報)が適用でき、本発明のポリウレタンフォーム製造用触媒と発泡剤との存在下、ポリオールとイソシアネートとを反応させてポリウレタンフォームを得る工程を含む。
本発明の触媒の使用量(重量%)は、塩(IO)及び塩(CA)の合計重量が、ポリオールの重量に基づいて、0.001〜20となる量が好ましく、さらに好ましくは0.01〜10となる量、特に好ましくは0.1〜5となる量、最も好ましくは0.3〜4である。この範囲であると、硬化性及び充填性がさらに良好となる。
発泡剤としては、水及び揮発性発泡剤を用いることができる。
揮発性発泡剤としては、公知の揮発性発泡剤等が使用でき、フロン(水素原子含有ハロゲン化炭化水素){たとえば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)}、ハイドロフルオロエーテル{たとえば、HFE−254pc}、ハロゲン化炭化水素{たとえば、メチレンクロライド}、低沸点炭化水素{たとえば、プロパン,ブタン及びびペンタン}、炭酸ガス及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の触媒は、これらの発泡剤のうち特に水に対して他の触媒では得られない効果を発揮する。
発泡剤の使用量は製造するポリウレタンフォームの密度やフォーム物性に応じて適宜決定される。たとえば、得られるポリウレタンフォームの密度(kg/m)が、5〜200(好ましくは10〜100)となるように決定する。
ポリオールとしては特に限定されず、公知のポリオール等が使用でき、ポリオキシアルキレンエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アミンポリオール、重合体ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ひまし油系ポリオール、アクリルポリオール及びこれらの混合物等が含まれる。これらのポリオールのうち、ポリオキシアルキレンエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びアミンポリオールである。
イソシアネートとしては、公知のイソシアネート等が使用でき、炭素数(イソシアナト基中の炭素原子を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性体(ウレタン変性、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット変性、ウレトジオン変性、ウレトイミン変性、イソシアヌレート変性及びオキサゾリドン変性等)及びこれらの混合物等が含まれる。これらのイソシアネートのうち、芳香族ジイソシアネートが好ましい。
イソシアナートインデックスは特に限定するものではないが、50〜800が好ましく、さらに好ましくは70〜400である。この範囲であると、樹脂強度が良好であり、未反応のイソシアナト基が残存するおそれも減少する。
本発明の触媒に、その他の触媒(有機金属触媒やアミン触媒等)を含有しない場合、ポリウレタンフォームの製造において、本発明の触媒に加えて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の触媒(有機金属触媒やアミン触媒等)を併用してもよい。
その他の触媒を使用する場合、その他の触媒の使用量(重量%)は、ポリオールの重量に基づいて、0.0001〜20が好ましく、さらに好ましくは0.001〜10である。
ポリウレタンフォームの製造において、必要により、公知の各種添加剤{架橋剤、鎖延長剤、整泡剤、難燃剤、減粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤,老化防止剤、着色剤(染料,顔料)、反応遅延剤及び充填剤等}等を配合することができる。これらの各種添加剤を使用する場合、これらの添加量は、本発明の趣旨を逸脱しない限りそれぞれの機能を発揮すればよく、通常の添加量である。
以下、実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
オレイン酸(和光純薬工業株式会社)282部(1モル部)を攪拌しながら、これに、1−メチルイミダゾール(和光純薬工業株式会社)82部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、1−メチルイミダゾールとオレイン酸との塩(io1)(約25℃で液状)を得た。
2−エチルヘキサン酸(和光純薬工業株式会社)144部(1モル部)を攪拌しながら、これに、DBU(サンアプロ株式会社)152部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、DBUと2−エチルヘキサン酸との塩(ca1)(約25℃で液状)を得た。
塩(io1)200部及び塩(ca1)200部を均一混合して本発明の触媒(1)を得た。
<実施例2>
2−エチルヘキサン酸(和光純薬工業株式会社)144部(1モル部)を攪拌しながら、これに、1、2−ジメチルイミダゾール(和光純薬工業株式会社)96部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、1,2−ジメチルイミダゾールと2−エチルヘキサン酸との塩(io2)(約25℃で液状)を得た。
塩(io2)120部及び塩(ca1)180部を均一混合して本発明の触媒(2)を得た。
<実施例3>
2−エチルヘキサン酸(和光純薬工業株式会社)144部(1モル部)を攪拌しながら、これに、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール(和光純薬工業株式会社)138部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールと2−エチルヘキサン酸との塩(io3)(約25℃で液状)を得た。
ジプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)198部及びギ酸(和光純薬工業株式会社)46部(1モル部)から構成される溶液を攪拌しながら、これに、DBU(サンアプロ株式会社)152部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、DBUとギ酸との塩(ca2)のジプロピレングリコール溶液を得た。
塩(io3)180部及び塩(ca2)のジプロピレングリコール溶液240部を均一混合して本発明の触媒(3)を得た。
<実施例4>
2−エチルヘキサン酸(和光純薬工業株式会社)144部(1モル部)を攪拌しながら、これに、DBN(サンアプロ株式会社)124部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、DBNと2−エチルヘキサン酸との塩(ca3)(約25で液状)を得た。
塩(io1)200部及び塩(ca3)200部を均一混合して本発明の触媒(4)を得た。
<実施例5>
ジプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)170部及びギ酸(和光純薬工業株式会社)46部(1モル部)から構成される溶液を攪拌しながら、これに、DBN(サンアプロ株式会社)124部(1モル部)を徐々に滴下した後、均一混合して、DBNとギ酸との塩(ca4)のジプロピレングリコール溶液を得た。
塩(io2)180部及び塩(ca4)のジプロピレングリコール溶液240部を均一混合して本発明の触媒(5)を得た。
<比較例1>−−特許文献1の実施例3−−
塩(ca1)100部、1−メチルイミダゾール100部及びトリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン(POLYCAT 9、サンアプロ株式会社)250部を均一混合して、比較用の触媒(H1)(約25℃で液状)を得た。
<比較例2>−−特許文献2−−
塩(ca1)をこのまま比較用の触媒(H2)とした。
<比較例3>
塩(ca1)200部及び1−メチルイミダゾール100部を均一混合して、比較用の触媒(H3)を得た。
実施例及び比較例で得た触媒を用いて、次のようにして、ポリウレタンフォームを調製し、充填性及び硬化性を評価し、これらの結果を表2に示した。
<ポリウレタンフォームの調製>
表1に示した原料を用いて、25℃で、ポリオール、水、整泡剤、難燃剤、評価試料(触媒)及びその他の触媒の順に混合した後、イソシアネート(25℃)を加え、ホモディスパー(特殊機化株式会社)で5000rpm、7秒間攪拌混合して混合物を得た。この混合物のうち152gを直ちに、モールド(温度40℃、内寸;幅10cm×奥行き100cm×高さ5cm、上部に10cm×100cmの開口部を持つ。)の上部開口部から、内寸10cmの側壁に沿うようにして充填し、発泡させてポリウレタンフォームを得た。
なお、評価試料(触媒)を使用しないこと以外、上記と同様にして、ブランク用のポリウレタンフォームを得た。
Figure 2009215448


注)
ポリオール1:2,4−トルエンジアミンにプロピレンオキシドを付加反応させて得た水酸基価450のポリオール
ポリオール2:ショ糖にプロピレンオキシドを付加反応させて得た水酸基価420のポリオール
整泡剤:F−388(ポリエーテルシロキサン重合体、信越シリコーン株式会社)
難燃剤:TCPP(トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、アクゾジャパン株式会社)
その他の触媒:U−CAT 420A(アミン系触媒、サンアプロ株式会社)
イソシアネート:MR−200(粗製MDI、NCOインデックス110、日本ポリウレタン工業株式会社)
<硬化性>
モールドに混合物を注入し始めてから、90秒後に、C硬度計で、フォーム硬度を計測し、3ヶ所の平均値を硬化性とした。この値は大きいほど、硬化性が高いことを意味する。
<充填性>
モールドに混合物152gを注入した後、内寸10cmの側壁から流れた最小距離を計測し、これを充填性とした。
Figure 2009215448


表2の結果から明らかなように、本発明の触媒は、水を発泡剤として使用した場合でも、モールド内の充填性を良好に保ちながら硬化を促進させることできた。これに対し、比較用の触媒では充填性が著しく悪かった。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表されるイミダゾールと有機酸との塩(IO)、及び一般式(2)で表されるシクロアミジンと酸との塩(CA)を含むことを特徴とするポリウレタンフォーム製造用触媒。
    Figure 2009215448

    (R、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基、アミノプロピル基又はジメチルアミノプロピル基を表す。)
    Figure 2009215448

    (mは2〜6の整数を表し、メチレン基の水素原子は有機基で置換されていてもよい。)
  2. 有機酸が不飽和高級脂肪酸である請求項1に記載の触媒。
  3. 有機酸がパルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸である請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 一般式(1)で表されるイミダゾールが1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−(n−ブチル)−2−メチルイミダゾール又は1−イソブチル−2−メチルイミダゾールである請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 一般式(2)で表されるシクロアミジンが、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5である請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
  6. 酸が、フェノール、ぎ酸、酢酸、2−エチルヘキサン酸又は炭酸である請求項1〜5のいずれかに記載の触媒。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用触媒と発泡剤との存在下、ポリオールとイソシアネートとを反応させてポリウレタンフォームを得る工程を含むことを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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