JP5593337B2 - ポリウレタン研磨パッド - Google Patents

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Description

本明細書は、基板を研磨し、平坦化するのに有用な研磨パッドに関し、特に、均一な研磨性を有する研磨パッドに関する。
ポリウレタン研磨パッドは、多様な厳しい高精度研磨用途のための主要なパッド型である。これらのポリウレタン研磨パッドは、シリコンウェーハ、パターン付きウェーハ、フラットパネルディスプレー及び磁気記憶ディスクを研磨するのに有用である。特に、ポリウレタン研磨パッドは、集積回路を作製するために使用される大部分の研磨作業に関して機械的完全性及び耐薬品性を提供する。たとえば、ポリウレタン研磨パッドは、高い引き裂き抵抗、研磨中の摩耗の問題を回避させる耐摩耗性ならびに強酸性及び強苛性アルカリ性の研磨溶液による攻撃に抵抗する安定性を有する。
半導体の製造は通常、いくつかのケミカルメカニカルプラナリゼーション(CMP)工程を含む。各CMP加工で、研磨パッドが、研磨溶液、たとえば砥粒含有研磨スラリー又は無砥粒反応性液と組み合わさって、次の層の受け入れに備えて平坦化を実施する、又は平坦さを維持するようなやり方で過剰な材料を除去する。これらの層の積み重ねが、集積回路を形成するようなやり方で組み合わさる。これらの半導体デバイスの製造は、作動速度を高め、漏れ電流を減らし、消費電力を削減するデバイスに対する要求のために、より複雑化し続けている。デバイスアーキテクチャの点では、これは、より微細なフィーチャ形状及び増大したメタライゼーションレベルと言い換えることができる。これらのますます厳しくなるデバイス設計への要求が、より低い誘電率を有する新規な絶縁材料とともに銅メタライゼーションの採用を強要している。low-k及び超low-k材料にしばしば伴う物性の低下が、デバイスの複雑さの増大とともに、CMP消費材料、たとえば研磨パッド及び研磨溶液に対するより大きな要求を招くようになった。
特に、low-k及び超low-k絶縁材は、従来の絶縁材に比べて低い機械的強度及び劣る付着性を有し、プラナリゼーションをより困難にする傾向にある。加えて、集積回路のフィーチャサイズが縮小するにつれ、CMP誘発欠陥、たとえばスクラッチがより大きな問題になる。さらに、集積回路の膜厚さの減少は、ウェーハ基板に対して許容しうるトポグラフィーを提供すると同時に不良率を改善することを要求する。これらのトポグラフィー要求が、ますます厳格な平坦性、ディッシング及びエロージョン規格を課す。
ポリウレタンを流込み成形してケークとし、そのケークをカットしていくつかの薄い研磨パッドにする方法が、一貫した再現精度の高い研磨性を有する研磨パッドを製造する効果的な方法であることがわかった。Vishwanathanらは、PCT公開公報第01.91971で、30℃及び90℃でのE′(貯蔵弾性係数)比及びその他のいくつかの性質をはじめとする、研磨性能を改善するための性質のセットを開示している。残念ながら、流込み成形・スライス法から製造されるポリウレタンパッドは、研磨パッド流込み位置から生じる研磨性のばらつきを有することがある。たとえば、一番下の流込み位置から切り出されたパッドと、一番上の流込み位置から切り出されたパッドとは、密度及び気孔率が異なることがある。さらには、研磨パッドは、一つのパッド内でも密度及び気孔率における中心−エッジ間のばらつきを有することもある。これらのばらつきは、もっとも要求の厳しい用途、たとえばlow-kパターン付きウェーハの研磨に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、改善された密度及び気孔率均一性を有するポリウレタン研磨パッドが要望されている。
発明の記述
本発明は、半導体基板、光学基板及び磁性基板の少なくとも一つを平坦化するのに適した研磨パッドであって、プレポリマーポリオールと多官能芳香族イソシアネートとの、イソシアネート末端化反応生成物を形成するプレポリマー反応から形成された流込み成形ポリウレタンポリマー材料を含み、前記多官能芳香族イソシアネートが8重量%未満の脂肪族イソシアネートを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物が4.5〜8.7重量%の未反応NCOを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物が、硬化剤ポリアミン類、硬化剤ポリオール類、硬化剤アルコールアミン類及びそれらの混合物からなる群より選択される硬化剤で硬化させたものであり、少なくとも0.1容量%の充填材又は気孔を含む研磨パッドを提供する。
本発明のもう一つの態様で、本発明は、半導体基板を平坦化するのに適した研磨パッドであって、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール類、ポリプロピレンエーテルグリコール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択されるプレポリマーポリオールと、多官能芳香族イソシアネートとの、イソシアネート末端化反応生成物を形成するプレポリマー反応から形成された流込み成形ポリウレタンポリマー材料を含み、前記多官能芳香族イソシアネートが5重量%未満の脂肪族イソシアネートを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物が4.5〜8.7重量%の未反応NCOを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物が、硬化剤ポリアミン類、硬化剤ポリオール類、硬化剤アルコールアミン類及びそれらの混合物からなる群より選択される硬化剤を膨張性ポリマー微小球とともに用いて硬化させたものであり、少なくとも0.1容量%の気孔を含む研磨パッドを提供する。
本発明のもう一つの態様で、本発明は、半導体基板を平坦化するのに適した研磨パッドを形成する方法であって、プレポリマーポリオールと多官能芳香族イソシアネートとのプレポリマー反応からポリウレタンポリマー材料を流込み成形してイソシアネート末端化反応生成物を形成することを含み、前記多官能芳香族イソシアネートが8重量%未満の脂肪族イソシアネートを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物を4.5〜8.7重量%の未反応NCOを有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物を、硬化剤ポリアミン類、硬化剤ポリオール類、硬化剤アルコールアミン類及びそれらの混合物からなる群より選択される硬化剤で硬化させ、前記研磨パッドが少なくとも0.1容量%の充填材又は気孔を含むものである方法を提供する。
詳細な説明
流込み成形ポリウレタン研磨パッドは、半導体基板、光学基板及び磁性基板を平坦化するのに適している。パッドの具体的な研磨性は、一部には、プレポリマーポリオールと多官能イソシアネートとのプレポリマー反応生成物から生じる。研磨パッドを形成するためには、プレポリマー生成物を、硬化剤ポリアミン類、硬化剤ポリオール類、硬化剤アルコールアミン類及びそれらの混合物からなる群より選択される硬化剤で硬化させる。プレポリマー反応生成物中の未反応NCOの量を制御すると、ポリウレタン流込み成形を通じて多孔性パッドの均一性を改善することができることがわかった。
特に、プレポリマーの重量%未反応NCOを制御することは、連鎖延長反応からの発熱を抑制すると思われる。これは、流込み成形材料内の温度上昇を抑制し、パッド全体及び流込み成形したばかりのケーク全体での密度の均一性を改善することができる。以前の流込み成形ポリウレタン研磨パッドの低めのパッド均一性は、Rohm and Haas Electronic Materials CMP TechnologiesのIC(商標)パッドを製造するために使用されるAdiprene L325(Adiprene(登録商標)は、Crompton/Uniroyal Chemicalのウレタンプレポリマー生成物である)の高重量%NCOから生じる。しかし、Adiprene L325で利用可能なNCOの大部分は、全てTDIよりも反応性が低い脂肪族4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであるため、発熱は、全て芳香族イソシアネート系を用いた場合ほどは大きくない。プレポリマー反応生成物の反応性重量%NCOを制御することで、反応の発熱を抑制することによって製造工程の間の温度均一性を改善する。重量%NCOが高すぎるならば、研磨パッドは、特に流込み成形ポリウレタンケークからスライスされた研磨パッドの場合、中間及び上部分で過熱するおそれがある。重量%が低すぎるならば、ポリウレタンは、そのゲル化時間が長くなり過ぎ、それがまた、長いゲル化過程の間に不均一性、たとえば高密度粒子の沈降又は低密度粒子の浮上及び気孔形成を招くことがある。プレポリマーの重量%未反応NCOを4.5〜8.7重量%に制御することが、均一な性質を有する流込み成形ポリウレタン研磨パッドを提供する。好ましくは、プレポリマーの重量%未反応NCOは4.7〜8.5重量%である。
ポリマーは、多孔性又は充填材入り研磨パッドを形成するのに効果的である。本明細書に関して、研磨パッドのための充填材としては、研磨中に遊離又は溶解する固形粒子及び液体充填粒子又は球体がある。本明細書に関して、気孔としては、ガス充填粒子、ガス充填球体及び他の手段、たとえばガスで粘稠系を機械的に泡立てる、ガスをポリウレタン溶融体に注入する、ガス状生成物との化学反応を使用してガスをインサイチュで導入する、又は圧力を下げて溶解ガスによって気泡を形成させることによって形成される空隙がある。研磨パッドは、少なくとも0.1容量%の気孔又は充填材濃度を含む。この気孔又は充填材が、研磨中に研磨流体を移動させる研磨パッドの能力に寄与する。好ましくは、研磨パッドは、0.2〜70容量%の気孔又は充填材濃度を有する。もっとも好ましくは、研磨パッドは、0.25〜60容量%の気孔又は充填材濃度を有する。好ましくは、気孔又は充填材粒子は、10〜100μmの重量平均直径を有する。もっとも好ましくは、気孔又は充填材粒子は、15〜90μmの重量平均直径を有する。膨張した中空ポリマー微小球の重量平均直径の公称範囲は15〜50μmである。
未反応NCO濃度を制御することは、充填材ガスを用いて直接的又は間接的に形成される気孔の均一性を制御するのに特に効果的である。理由は、気体は、固体及び液体よりもずっと高い速度及び大きな程度で熱膨張を起こす傾向にあるからである。たとえば、方法は、予備膨張させた、又はインサイチュで膨張させる中空の微小球を流込み成形することによって、化学発泡剤を使用することによって、ガスで機械的に泡立てることによって、溶解ガス、たとえばアルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、窒素及び空気又は超臨界流体、たとえば超臨界二酸化炭素又は反応生成物としてインサイチュで形成されるガスの使用によって形成される気孔の場合に特に効果的である。
気体の気孔又は気体充填微小球を含む研磨パッドの場合、研磨パッドの不均一性は、1)反応系の温度プロファイル、2)周囲のポリマーマトリックスが応答することができるほど所定位置に固定されない間に温度が気孔の膨張温度を超える区域で得られる気孔膨張、及び3)反応ならびに様々な局所加熱及び冷却効果の結果として反応又は固化するポリマーマトリックスの粘度プロファイルによって生じると思われる。ポリマー中空微小球を介して加えられる気孔の場合、それらのTgは応答の閾温度に関連する。この温度を超えるポリマー微小球は、成長し、形状が変形する傾向を示す。中空のポリマー微小球及び制御された重量%未反応NCOを用いる流込み成形の場合、微小球の成形前体積及び微小球の最終体積は、好ましくは、流込み成形ポリウレタン材料全体にわたって平均成形前体積の8%以内にとどまる。もっとも好ましくは、微小球の最終体積は、流込み成形ポリウレタン材料全体にわたって成形前体積の7%以内にとどまる。
文献が、高温に維持された予備膨張されたExpancel微小球の場合、体積が時間の関数として減少することを示している。しかし、膨張した微小球のさらなる膨張は、研磨パッドの不均一性の増大に寄与する。重量%未反応NCOを制限することによって流込み成形法における温度履歴を制御することにより、個々の研磨パッド及びケークの中でより均一な密度を有する研磨パッドが製造される。より均一な密度を有するパッド調製物は、温度履歴が制御されないパッド調製物よりも一貫した除去速度及びトポグラフィー制御を提供して、実際の使用でより大きなCMP加工制御を提供することができる。
Adiprene L325プレポリマーを用いると、ピーク発熱温度は129℃(華氏264度)にも達する。このような温度は、膨張開始温度をゆうに超え、Expancel微小球551DU40(551DU40d42を製造する元になる非膨張微小球)の最大膨張の温度、すなわち135〜143℃(華氏275〜289度)に近い。通常、流込み成形ケークの中心部の密度は、より大きな加熱及びそれによって生じるより大きな気孔膨張のせいで、比較的低い。研磨パッドの気孔率のばらつきはまた、初期気孔体積の増大、材料温度の上昇及び流込み成形材料の質量の増大とともに増す傾向にある。
気孔は、周囲のポリマーが小さな圧力だけで再配置することができるほど十分に可動性である場合にのみ、膨張することができるため、系の重量%未反応NCO及びポリマー主鎖が整然と並ぶ能力が低すぎないことが重要であり、そうでなければ、気孔又は充填材がゆっくりと膨張又は密度ごとに分離し、より広い密度分布を生じさせてしまう。
好ましくは、ポリマー材料はポリウレタンである。本明細書に関して「ポリウレタン」とは、二官能又は多官能イソシアネート類から誘導される生成物、たとえばポリエーテルウレア、ポリエステルウレア、ポリイソシアヌレート、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタンウレア、それらのコポリマー及びそれらの混合物である。パッドの研磨性を制御するための一つの手法は、その化学組成を変化させることである。加えて、原料及び製造法の選択がポリマーの形態及び研磨パッドを製造するために使用される材料の最終性質に影響する。
好ましくは、ウレタン製造は、多官能芳香族イソシアネート及びプレポリマーポリオールからのイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーの調製を含む。本明細書に関して、プレポリマーポリオールという語は、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物を含む。好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール[PTMEG]、ポリプロピレンエーテルグリコール[PPG]、エステル系ポリオール類、たとえばエチレン又はブチレンアジペート、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択される。多官能芳香族イソシアネートは例として、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びそれらの混合物がある。多官能芳香族イソシアネートは、脂肪族イソシアネート、たとえば4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びシクロヘキサンジイソシアネートを8重量%未満含有する。典型的には、脂肪族イソシアネートは芳香族イソシアネートよりも反応性が低く、よりゆっくりと熱を系中に放出する。好ましくは、多官能芳香族イソシアネートは、脂肪族イソシアネートを5重量%未満、より好ましくは1重量%未満含有する。
プレポリマーポリオール類は例として、ポリエーテルポリオール類、たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びそれらの混合物がある。ポリオール類は例として、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びこれらの混合物をはじめとする低分子量ポリオール類と混合していることができる。
好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール類、ポリプロピレンエーテルグリコール類、ポリカプロラクトンポリオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択される。プレポリマーポリオールがPTMEG、そのコポリマー又はその混合物であるならば、イソシアネート末端化反応生成物は、もっとも好ましくは、5.8〜8.7の重量%NCO範囲を有する。PTMEG系ポリオール類の具体例は、DuPontのTerathane(登録商標)2900、2000、1800、1400、1000、650及び250、LyondellのPolymeg(登録商標)2000、1000、1500、650、BASFのPolyTHF(登録商標)650、1000、1800、2000ならびに低分子量種、たとえば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールである。プレポリマーポリオールがPPG、そのコポリマー又はその混合物であるならば、イソシアネート末端化反応生成物は、もっとも好ましくは、5〜8の重量%未反応NCO範囲を有する。PPGポリオール類の具体例は、BayerのArcol(登録商標)PPG-425、725、1000、1025、2000、2025、3025及び4000、DowのVoranol(登録商標)220-028、220-094、220-110N、220-260、222-029、220-056、230-056、BayerのDesmophen(登録商標)1110BDとAcclaim(登録商標)Polyol4200である。プレポリマーポリオールがエステル、そのコポリマー又はその混合物であるならば、イソシアネート末端化反応生成物は、もっとも好ましくは、4.5〜7の重量%未反応NCO範囲を有する。エステルポリオール類の具体例は、Polyurethane Specialities Company社のMillester 1、11、2、23、132、231、272、4、5、510、51、7、8、9、10、16、253、BayerのDesmophen(登録商標)1700、1800、2000、2001KS、2001K2、2500、2501、2505、2601、PE65B、BayerのRucoflex S-1021-70、S-1043-46、S-1043-55である。
典型的には、プレポリマー反応生成物を、硬化剤ポリオール、ポリアミン、アルコールアミン又はそれらの混合物で反応又は硬化させる。本明細書に関して、ポリアミン類は、ジアミン類及び他の多官能アミン類を含む。硬化剤ポリアミン類の例としては、芳香族ジアミン類又はポリアミン類、たとえば4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン[MBCA]、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)[MCDEA]、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4′−メチレン−ビス−アニリン、ジエチルトルエンジアミン、5−tert−ブチル−2,4−及び3−tert−ブチル−2,6−トルエンジアミン、5−tert−アミル−2,4−及び3−tert−アミル−2,6−トルエンジアミンならびにクロロトルエンジアミンがある。場合によっては、プレポリマーの使用を回避させる単一混合工程で研磨パッド用のウレタンポリマーを製造することも可能である。
研磨パッドを製造するために使用されるポリマーの成分は、好ましくは、得られるパッド形態が安定性であり、再現しやすくなるように選択される。たとえば、4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン[MBCA]をジイソシアネートと混合してポリウレタンポリマーを形成する場合、モノアミン、ジアミン及びトリアミンのレベルを制御することがしばしば有利である。モノ−、ジ−及びトリアミンの割合を制御することは、架橋を一貫した範囲内に維持することに貢献する。加えて、一貫した製造のためには、酸化防止剤のような添加物及び水のような不純物を制御することがしばしば重要である。たとえば、水はイソシアネートと反応して気体二酸化炭素を形成するため、水の濃度を制御すると、ポリマーマトリックス中に気孔を形成する二酸化炭素気泡の濃度に影響を加えることができる。
ポリウレタンポリマー材料は、好ましくは、トルエンジイソシアネート及びポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリンとのプレポリマー反応生成物から形成される。好ましくは、プレポリマー反応生成物は、4.55〜8.7重量%NCOを有する。この未反応NCO範囲にある、適切なプレポリマーの例は、Air Products and Chemicals社製のAirthane(登録商標)プレポリマーPET-70D、PHP-70D、PET-60D、PET-95A、PET-93A、PST-95A、PPT-95A、Versathane(登録商標)プレポリマーSTE-95A、STE-P95、Versathane(登録商標)-Cプレポリマー1050、1160、D-5QM、D-55、D-6ならびにCrompton社のUniroyal Chemical Products部門製のAdiprene(登録商標)プレポリマーLF600D、LF601D、LF700D、LF950A、LF952A、LF939A、LFG963A、LF1930A、LF1950A、LF1600D、L167、L367を含む。加えて、上記に挙げたもの以外の他のプレポリマーの混合物を使用して、その混合の結果として適切な%未反応NCOレベルに到達してもよい。上述のプレポリマーの多く、たとえばLF600D、LF601D、LF700D及びLFG963Aは、遊離TDIモノマーを0.1重量%未満しか有さず、従来のプレポリマーよりも一貫したプレポリマー分子量分布を有する低遊離イソシアネートプレポリマーであり、したがって、優れた研磨特性を有する研磨パッドを形成することを容易にする。この改善されたプレポリマー分子量一貫性及び低遊離イソシアネートモノマーが、最初は低めの粘度を有する、より速やかにゲル化する傾向を示すプレポリマーを与えて粘度制御を容易にして、それが、気孔分布及び研磨パッド一貫性をさらに改善する。大部分のプレポリマーの場合、低遊離イソシアネートモノマーは、好ましくは0.5重量%未満である。さらには、通常はより高いレベルの反応及びより高いレベルの遊離トルエンジイソシアネートプレポリマーを有する「従来の」プレポリマー(すなわち、各端部をジイソシアネートによって止められた2個以上のポリオール)が同様な結果を出すはずである。加えて、低分子量ポリオール添加物、たとえばジエチレングリコール、ブタンジオール及びトリプロピレングリコールが、プレポリマー反応生成物の重量%未反応NCOの制御を容易にする。
重量%未反応NCOを制御することに加えて、硬化剤及びプレポリマー反応生成物は、好ましくは、未反応NCOに対するOH又はNH2の化学量論比80%〜120%を有し、もっとも好ましくは、未反応NCOに対するOH又はNH2の化学量論比80%〜110%を有する。
研磨パッドがポリウレタン材料であるならば、研磨パッドは、好ましくは、0.5〜1.25g/cm3の密度を有する。もっとも好ましくは、ポリウレタン研磨パッドは、0.6〜1.15g/cm3の密度を有する。
実施例
以下の表は、ポリウレタンケークを流込み成形するためのプレポリマー及び微小球の配合物を提示する。これらの配合物は、様々なプレポリマー配合物を用い、気孔を作るために様々な量のポリマー微小球を含有するものであった。これらの配合物は、トルエンジイソシアネート[TDI]とポリテトラメチレンエーテルグリコール[PTMEG]、ポリプロピレンエーテルグリコール[PPG]及びエステル主鎖とでイソシアネート末端化プレポリマーから試験した。以下の表に示すように、配合物1〜9は本発明の配合物を表し、配合物A〜Eは比較例を表す。特に、比較例Aは、米国特許第5,578,362号の実施例1の配合物に対応し、比較例Bは、Rohm and Haas Electronic Materials CMP Technologiesによって販売されているIC1000(商標)ポリウレタン研磨パッドの配合物に対応する。イソシアネート末端化プレポリマーに含まれる未反応NCOの量は5.3〜9.11%であった。
Figure 0005593337
微小球は、他のExpancel(登録商標)微小球から膨張させた中空又はガス充填ポリマー球体を表す。以下の表2は、膨張前の微小球の膨張開始及び膨張最大化温度を提示する。
Figure 0005593337
様々な量のイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーと4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン[MBCA]とを、表3に示すプレポリマー温度及びMBCA温度で混合することにより、ポリマーパッド材料を調製した。これらの温度で、ウレタン/多官能アミン混合物は、中空の弾性ポリマー微小球を混合物に添加したのち、4〜12分のオーダのゲル化時間を示した。551DE40d42微小球は、5〜200μmの範囲で30〜50μmの重量平均直径を有するものであり、551DE20d60微小球は、15〜25μmの重量平均直径を有するものであり、これらを、高剪断混合機を使用して約3,600rpmでブレンドして微小球を混合物中に均一に分散させた。最終混合物を型に移し、約15分間ゲル化させた。
そして、型を硬化オーブンに入れ、以下のサイクルで硬化させた。周囲温度から104℃の設定温度まで30分間上昇、104℃で15時間30分(ただし、比較例A−1及びA−2では、この部分を93℃で5時間に変更)、2時間、設定温度を21℃まで降下。その後、成形品を薄いシートにスライスし、室温でマクロチャネル又は溝を表面に機械加工した。より高い温度でのスライスが表面粗さを改善することができる。
Figure 0005593337
以下の表は、制御された量の未反応NCOを含有するプレポリマー配合物の場合に、計算された密度を実際の上パッド密度と比較したものである。予想密度と実際の上パッド密度とは、全TDI、高%未反応NCOプレポリマー及び大きな型直径を使用した比較例C−2及びC−3の場合、より有意に逸脱している。これらすべての要因が製品の不均一性を増す傾向にある。
Figure 0005593337
表4は、上パッド密度と予想パッド密度との間のおおよその相関関係を示す。
表5は、各ポリウレタンケークを流込み成形して得られた最大発熱温度を示す。
Figure 0005593337
上記表は、未反応NCOを9.1未満に制御することが発熱温度を120℃未満に制限することを容易にすることを示す。
上、中間及び下のパッドから得られた一連の密度計測を、2mm(80ミル)研磨パッドのケーク内均一性と比較した。平均密度は、パッドに関して三つのケーク位置からの中心、エッジ及び中間点密度を表す。加えて、中心、エッジ及び中間点密度は、四つの計測の平均を表す。
Figure 0005593337
これらのデータは、未反応NCO範囲が流込み成形研磨パッドに関して密度標準偏差を改善することができることを示す。
研磨される表面と接触するパッド材料の量はパッド材料の密度に関連し、研磨性能尺度、たとえば除去速度及びトポグラフィー制御は、具体的な調製物の密度によって大きく影響されると予想される。より小さなライン幅及びより脆弱なウェーハ材料によって研磨性能の制御がさらに厳しい要求を課されるにつれ、パッドの特性の制御を改善する重要さがますます重要になる。制御された量の未反応NCOを有するプレポリマーで流込み成形された多孔性ポリウレタン研磨パッドは、パッドレベル及びケークレベルでの密度計測に関して比較的小さい標準偏差を示す。

Claims (4)

  1. 半導体基板、光学基板及び磁性基板の少なくとも一つを平坦化するのに適した研磨パッドであって、プレポリマーであるポリプロピレンエーテルグリコールとトルエンジイソシアネートとのイソシアネート末端化反応生成物を形成するプレポリマー反応から形成された流込み成形ポリウレタンポリマー材料を含み、前記イソシアネート末端化反応生成物が5.55〜5.85重量%のイソシアナト基(NCO)を有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物を、4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(MBCA)硬化剤で硬化させたものであり、少なくとも0.1容量%の充填材又は気孔を含む研磨パッド。
  2. 前記4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(MBCA)硬化剤及び前記イソシアネート末端化反応生成物が、80%〜120%のNCOに対するNH2の化学量論比を有する、請求項1記載の研磨パッド。
  3. 半導体基板を平坦化するのに適した研磨パッドであって、プレポリマーであるポリプロピレンエーテルグリコールとトルエンジイソシアネートとのイソシアネート末端化反応生成物を形成するプレポリマー反応から形成された流込み成形ポリウレタンポリマー材料を含み、前記イソシアネート末端化反応生成物が5.55〜5.85重量%のイソシアナト基(NCO)を有するものであり、前記イソシアネート末端化反応生成物を、4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(MBCA)硬化剤を膨張性ポリマー微小球とともに用いて硬化させたものであり、少なくとも0.1容量%の気孔を含む研磨パッド。
  4. 前記4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(MBCA)硬化剤及び前記イソシアネート末端化反応生成物が、80%〜120%のNCOに対するNH2の化学量論比を有する、請求項3記載の研磨パッド。
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