JP2005169578A - Cmp用研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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一幸 小川
Atsushi Kazuno
淳 数野
Masahiko Nakamori
雅彦 中森
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Takatoshi Yamada
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Abstract

【課題】硬質発泡ポリウレタンでなり、平坦性に優れた研磨層を有する研磨パッドを製造する為の簡便な方法を提供すること。
【解決手段】常温でアスカーD硬度50以上を有する発泡ポリウレタンのブロックを提供する工程;上記発泡ポリウレタンのブロックの表面硬度をアスカーA硬度80〜95に調節する工程;硬度が調節された発泡ポリウレタンのブロックを所定の厚さにスライスして研磨シートを得る工程;及び研磨シートを成形して研磨層を得る工程;研磨層を研磨パッドに加工する工程;を包含するCMP用研磨パッドの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウェハなどの被研磨体の凹凸をケミカルメカニカルポリッシング(化学的機械研磨またはCMP)法により平坦化する時に用いるCMP用研磨パッドの製造方法に関する。
半導体デバイスを製造する際には、ウェハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィ、エッチング等をすることにより配線層を形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウェハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウェハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウェハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(Chemical Mechanical Polishing:以下CMPという)法が採用されている。CMPは、被研磨体の被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下スラリーという)を用いて研磨する技術である。
CMPに使用される研磨パッドは、一般に、硬質の弾性体から形成されている。このような弾性体には、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物等でなる微細な発泡体が挙げられる。これらの中でも、発泡ポリウレタンは耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより、物性の調節が容易であることより広く使用されている。
発泡ポリウレタンのCMP用研磨パッドを製造する際には、原料であるイソシアネート末端プレポリマー、活性水素化合物、及び発泡材等を混合、撹拌、及び注型硬化させて発泡ポリウレタンのブロックを得る。次いで、このブロックを所望の厚さ、典型的には0.8〜3mmにスライスして研磨シートを得る。そして研磨シートを打ち抜き、表面加工等を施して研磨層を得、これにクッションになる下地層等を貼り合わせて研磨パッドが得られる(特許文献1)。
ところで、半導体デバイスは今後、配線幅が極めて小さくなり、ウェハ上のほんの僅かな不均一性が配線の短絡を引起こす要因ともなり、大きな問題となってしまう。このため、研磨層はより硬質の材料、例えば、アスカーD硬度計で50以上の材料で形成されることが望まれている。
しかしながら、このような硬度の研磨層を得るためにはスライス前のブロック体も必然的に高硬度となる。発泡ポリウレタンブロック体をスライスして研磨パツドを製造する際に、ブロック体がこのような硬いままであると、スライス刃への抵抗・負荷が大きいためにスライスしたシートに厚みムラが生じやすい。また、スライス刃が欠けてしまうことがある。欠けた刃材が研磨パッドに付着したままだとウェハを研磨した際、ウェハに傷をつける。また刃欠けが生じたままスライスするとスライスしたシートにはスライス痕が残る。従って、発泡ポリウレタンで硬質の研磨層を得ようとすると、研磨層の平坦性が損なわれる等の問題が生じる。また、スライス工程でスライス痕が発生すると、このスライス痕をなくすためには煩雑な後処理を必要とし、製造効率の面から好ましくない。
特許第3325016号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、硬質発泡ポリウレタンでなり、平坦性に優れた研磨層を有する研磨パッドを製造する為の簡便な方法を提供することにある。
本発明は常温でアスカーD硬度50以上を有する発泡ポリウレタンのブロックを提供する工程;
上記発泡ポリウレタンのブロックの表面硬度をアスカーA硬度80〜95に調節する工程;
硬度が調節された発泡ポリウレタンのブロックを所定の厚さにスライスして研磨シートを得る工程;及び
研磨シートを成形して研磨層を得る工程;
研磨層を研磨パッドに加工する工程;
を包含するCMP用研磨パッドの製造方法を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
硬質発泡ポリウレタンでなる研磨層のスライス痕等の外観上の欠陥、厚みのばらつきが低減され、研磨面の平坦性が向上した。
本発明の方法で使用する発泡ポリウレタンのブロックは常温でアスカーD硬度50以上のものであれば、特に限定されない。常温でアスカーD硬度50未満のものでは研磨層として使用したときに十分なウェハの平坦化特性が得られず、好ましくない。発泡ポリウレタンの硬度の調節は当業者に知られている方法で行なえばよい。
ポリウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネート、ポリオール、鎖延長剤からなるものである。使用する有機ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’− ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’− ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
使用するポリオールとしては、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ルに代表されるポリエ−テルポリオール、ポリブチレンアジペ−トに代表されるポリエステルポリオ−ル、ポリカプロラクトンポリオ−ル、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコ−ルとアルキレンカ−ボネ−トとの反応物などで例示されるポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、エチレンカ−ボネ−トを多価アルコ−ルと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、ポリヒドキシル化合物とアリ−ルカ−ボネ−トとのエステル交換反応により得られるポリカ−ボネ−トポリオ−ルなどが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
なお、これらポリオールの数平均分子量は、特に限定するものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から、500から2000までであることが望ましい。
また、ポリオールとしては、上述した高分子量のポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用しても構わない。
ポリオールとしては、耐加水分解性、弾性特性、耐摩耗性等の観点より、ポリテトラメチレングリコールを含んでいてもよい。なお、このポリテトラメチレングリコールは、数平均分子量が500から1600までで、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.9未満であればよい。
この数平均分子量は、JIS K 1557に準じて測定した水酸基価から求めた値である。また、分子量分布は、次の測定条件により測定した値である。
また、分子量分布は、次の測定条件により測定した値である。
Figure 2005169578
このテトラメチレングリコールの数平均分子量が500未満であると、これを用いて得られるポリウレタンは十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなり、このポリウレタンから製造される研磨パッドは硬くなりすぎ、研磨対象である加工物の研磨面のスクラッチの原因となり、好ましくない。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。
数平均分子量が1600を超えると、これを用いて得られるポリウレタンから製造される研磨パッドは、軟らかくなり、十分に満足のいく平坦化加工ができないため好ましくない。
また、ポリテトラメチレングリコールの分子量分布が1.9以上となると、これから得られるポリウレタンの硬度(弾性率)の温度依存性が大きくなり、このポリウレタンから製造される研磨パッドは、温度による硬度(弾性率)の差が大きくなる。上述したように、研磨パッドと加工物との間に摩擦熱が発生することで、研磨時に研磨パッドの温度は変化している。従って、研磨特性に差が生じることになり、好ましくない。
鎖延長剤としては、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
該ポリウレタン樹脂における有機ポリイソシアネート、ポリオール、鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機ポリイソシアネートのイソシアネート基数は0.95〜1.15の範囲が望ましく、好ましくは、0.99〜1.10であることがより望ましい。
また、ポリオール中の、高分子量成分と低分子量成分の比は、これらから製造される研磨パッドに要求される特性により決められる。
該ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
該ポリウレタン樹脂の重合手順としては、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前に有機ポリイソシアネートとポリオールからイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が一般的である。なお、有機ポリイソシアネートとポリオールから製造されるイソシアネート末端プレポリマーが市販されているが、本発明に適合するものであれば、それらを用いて、プレポリマー法により本発明で使用するポリウレタンを重合することも可能である。
また、該ポリウレタン樹脂に対して、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えても差し支えない。
発泡ポリウレタンの製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法等により発泡体とする方法などが挙げられるが、これらには限定されない。各方法を併用してもよいが、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法がより好ましい。かかるシリコーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
研磨層を構成する独立気泡タイプの発泡ポリウレタンを製造する方法の例について以下に説明する。かかる発泡ポリウレタンの製造方法は、典型的には以下の(1)〜(4)の工程を有する。
(1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマーにシリコーン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
(2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加し、混合撹拌する。
(3)キャスト工程
鎖延長剤を混合したイソシアネート末端プレポリマーを注型する。
(4)硬化工程
注型されたポリマーを加熱硬化させる。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコーン系界面活性剤を含むイソシアネート末端プレポリマーに分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用が微細気泡を得られ、好ましい。
なお、発泡工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。尚、好ましい発泡ポリウレタンの例としては特許文献1に記載されているものが挙げられる。
発泡ポリウレタンをブロックにする方法は、容器に各成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。また、この際には、気泡分散液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うことが、気泡形状が安定するために好ましい。
該ポリウレタン樹脂において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
以上のようにして作製された発泡ポリウレタンのブロックは、スライスされてシート状に成形される。この研磨シートの厚さは一般に0.8〜3mm、好ましくは1〜2.5mmである。研磨シートの厚さが0.8mm未満であると研磨パッドとして使用する際に研磨パッドの研磨寿命が短くなるため、交換頻度が高くなり効率的でない。3mmを越えると、特に下地層を付加した積層構造とした時、下地層とのバランスが悪く、研磨特性を満たすことが難しい傾向にある。
スライスの際に、発泡ポリウレタンのブロックは表面硬度がアスカーA硬度80〜95、好ましくは85〜93であることを要する。ブロックの表面硬度がアスカーA硬度80未満であると、ブロックにコシがなくなり、厚みムラが大きくなることがある。また、常温でアスカーD硬度50以上のブロックの表面硬度をA硬度80未満にするためには、かなりの高温で加温する必要があり、熱により変色や変性をおこす。95を越えるとスライスの刃に対しての負荷が大きく、得られるシートの厚みムラが大きくなったり、刃欠けがおき、シートにスライス痕が生じることがある。また場合によっては、スライスの途中でブロックが止まってしまい、スライスできなくなることもある。
ここでいう発泡ポリウレタンブロックの表面とは、スライスによってブロックから分離される面をいう。この面は、一般には、前回のスライスによって露出されたブロックの断面である。表面硬度とは、上記発泡ポリウレタンブロックの表面を満遍なく複数ヵ所硬度測定し、得られた値の平均値をいう。測定箇所及び数は、例えば、表面が長方形のブロックであるとすると、長方形の四隅及び中心の計5箇所の硬度を測定し、その平均を表面硬度とすればよい。
スライスを行う時点でブロックの表面硬度が上記範囲を逸脱している場合は、何等かの処理を行うことによって上述の範囲に調節すればよい。このような処理としては、例えば、加温や吸水等及びこれらを組合わせた処理によってブロックを軟化させることが挙げられる。発泡ポリウレタンブロックの加温処理を行う場合、80〜130℃の温度で2〜12時間加温することが好ましい。加温は、ブロックをオーブン等に入れて行えばよい。
尚、発泡ポリウレタンを成形した直後からポストキュアを行っている過程でブロックの硬度が上記範囲に該当する場合はその時点でスライスを行なってもよい。その場合には、ブロックのポストキュア過程がブロックの硬度を調節する工程に該当する。
加温温度が80℃未満だとブロックの加温が不十分なため硬度が高いままである。130℃を超える温度で加温すると、熱によりウレタンブロックが変色、変性(いわゆる焼け)を起こす。また加温時間は2時間以上12時間未満が望ましい。2時間未満だとブロックの内部まで十分に加温されないため、ブロック内で温度ムラが大きく、このようなブロックをスライスすると厚みムラが大きくなる。また12時間以上加温すると、ブロックに対して熱負荷が大きくなり、焼けが生じやすい。
スライス痕が発生しにくく、厚みムラが小さくなるようにスライスする別の手段として例えば水につけるなどして膨潤させ、柔らかくしてからスライスするのも望ましい。
スライスされた研磨シートの厚みムラは、例えば、研磨シートの面内厚みばらつきという特性値によって評価することができる。面内厚みばらつきとは、1枚のシートにつき、面内の最大厚みと最小厚みとの差をいう。一連のスライス操作で複数の研磨シートを得る場合はその平均値によって評価すればよい。
本発明の方法で得られた研磨シートは、面内平均厚みばらつきが100μm以下、好ましくは80μm以下であることが好ましい。面内平均厚みばらつきが100μmを越えるとバフがけ等、研磨シートを平坦化する作業工程が更に必要となり、生産効率が低下する。
その後、研磨シートを打ち抜き等によって成形し、研磨面に溝を付ける等研磨スラリーを保持及び更新するのに好適な表面形状又は表面構造を付与して、研磨層を得る。研磨層はそのまま研磨パッドとして使用してもよい。又は研磨層の裏面に適当な下地層を付加して研磨パッドとしてもよい。下地層には、一般に被研磨材への均一な加圧が可能となるような材料が用いられる。例えば、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等のゴム性樹脂、感光性樹脂、不織布、樹脂含浸不織布等が下地層に用いられる。下地層を付加する手段として、一般には、両面テープを挟んでプレスする方法が用いられる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、実施例で用いる特性値の測定方法を以下説明する。
発泡ポリウレタンブロックの表面硬度
発泡ポリウレタンブロックのスライスする表面において、4つの隅(角付近)および中心の計5箇所を、高分子計器株式会社製アスカーA型硬度計を用いて硬度を測定した(JIS K 6253準拠)。得られた値を平均して表面硬度とした。
発泡ポリウレタンブロックのD硬度測定方法
測定面の表層1.5mmを取り除いた後、常温の状態で4つの角(角付近)および中心の計5箇所を、高分子計器株式会社製アスカーD型硬度計を用いて硬度を測定した(JIS K 6253準拠)。得られた値を平均して発泡ポリウレタンブロックの硬度とした。
研磨シートの面内平均厚みばらつき
一枚の研磨シートにつき面内20箇所の厚みを測定した。その値の最大値と最小値との差を算出して、研磨シートの面内厚みばらつきを決定した。一実施例のスライス操作で得られた複数の研磨シートについて面内厚みばらつきの値を平均して、研磨シートの面内平均厚みばらつきを決定した。
調製例1
テフロン(登録商標)コーティングした反応容器内に、フィルタリングしたプレポリマーL325(ユニロイヤル社製 NCO%=9.15)25kgとフィルタリングしたシリコン系界面活性剤SH192(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)0.75kgとを混合し、反応温度を80℃に調整した。テフロン(登録商標)コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融させ、フィルタリングした4,4’―メチレンビス(o―クロロアニリン)(イハラケミカル社製 イハラキュアミンMT)を6.5kg添加した。約1分間撹拌を続けた後、テフロン(登録商標)コーティングしたパン型のオープンモールド(寸法900×900mm)へ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行いその後室温まで徐冷し微細気泡発泡ポリウレタンブロックを得た。得られたブロックの厚みは約50mm、比重は0.86、硬度はD54であった。
得られたブロックを85℃で8時間加温した。このブロックをカンナ方式タイプのスライサー(アミテツク社製 VT−100)にて狙い厚み1.5mmでブロックすべてを連続して30枚スライスを行なった。スライスを5枚行う毎にブロックの表面硬度を測定した。結果を表1に示す。また、スライスしたシートの状況、スライス後の刃物の状況およびスライスシートの面内厚みばらつきを評価した。結果を表2に示す。
得られたブロックを125℃で4時間加温した。実施例1と同様にしてスライスを行ない、評価した。結果を表1に示す。
参考例1
得られたブロックを150℃で2時間加温した。実施例1と同様にしてスライスを行なった。スライスして得られたシートを見ると、茶色い部分いわゆる焼けが見られ、シート面内で色むらが発生した。
参考例2
得られたブロックを125℃で15時間加温した。実施例1と同様にしてスライスを行なった。スライスして得られたシートを見ると比較例1と同様にシート面内で色むらが発生した。
比較例1
得られたブロックを70℃で8時間加温した。実施例1と同様にしてスライスを行なった。スライスをし始めて4枚日のシートにスライス痕が発生し、以降のスライスシートには全てスライス痕が見られた。スライス終了後、刃を見ると数箇所で刃欠けが生じていた。
比較例2
得られたブロックを100℃で1時間加温した。実施例1と同様にしてスライスを行なった。スライスし始めて12枚目のシートでスライス痕が発生し、以降のシートには全てスライス痕が見られた。スライス終了後、刃を見ると数箇所で刃欠けが生じていた。
Figure 2005169578
Figure 2005169578

Claims (5)

  1. 常温でアスカーD硬度50以上を有する発泡ポリウレタンのブロックを提供する工程;
    該発泡ポリウレタンのブロックの表面硬度をアスカーA硬度80〜95に調節する工程;
    硬度が調節された発泡ポリウレタンのブロックを所定の厚さにスライスして研磨シートを得る工程;及び
    研磨シートを成形して研磨層を得る工程;
    研磨層を研磨パッドに加工する工程;
    を包含するCMP用研磨パッドの製造方法。
  2. 前記発泡ポリウレタンのブロックの硬度調節が加温することにより行われる請求項1記載の方法。
  3. 前記加温が80〜130℃の温度で2〜12時間行われる請求項2記載の方法。
  4. 前記研磨シートの厚さが0.8〜3mmである請求項1〜3のいずれか記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の方法により製造されたCMP用研磨パッド。
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