JP2005169571A - 微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法。 - Google Patents

微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】気泡が微細かつ均一な発泡ポリウレタンの製造方法を提供する。
【解決手段】イソシアネート成分と活性水素基含有化合物を含有する反応成分を容器内で撹拌羽根を有する撹拌器で混合し発泡反応液とする撹拌工程、上記撹拌羽根を発泡反応液から抜き取る工程、上記発泡反応液を反応硬化させる硬化工程から成る微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法において、上記撹拌工程においてスクレーパーを容器内壁面に沿わせて少なくとも1周させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法に関する。
半導体基板上の配線形成面を効率よく、かつ、高精度に平滑化する研磨方法としてCMP(Chemical Mechanical Polishing)法が採用されている。これは、化学的な作用と機械的な作用を組み合わせた研磨方法であり、半導体基板(ウェハ表面)を広い範囲にわたって平坦化することが可能である。
このCMP法で用いられる研磨パッドにはポリウレタン発泡体により形成されるものがあり、表面に細かな凹部を形成し研磨スラリーを保持することができるようになっている。
この研磨パッド用の発泡ポリウレタンの気泡は、微細かつ均一であることが研磨スラリーの保持量を一定化し、研磨不良を減少させる。
一方、ポリウレタンを発泡体とする方法は種々の方法が提案されている。例えば、特開平11−32287号公報(特許文献1)や特表平8−500622号公報(特許文献2)には、中空バルーンを用いた発泡方法が開示されている。
また、中空バルーンではなく機械発泡を用いた方法も提案されている。例えば、特開2002−226537号公報(特許文献3)や特開2002−226608号公報(特許文献4)などに、発泡による気泡の形成が記載されている。
いずれの場合にも、イソシアネート成分と活性水素基含有化合物に発泡成分(中空バルーンや界面活性剤を含む)を所定容器内に添加して撹拌器で混合して成形する。イソシアネート成分と活性水素基含有化合物を混合させた液は、反応により高分子化が進み、時間と共に粘度が増大し、最終的には流動性がなくなる。従って、撹拌はあるポリマー粘度に達する時間(ゲルタイム)までに終了する必要があった。
ポリウレタンの発泡が均一かつ微細であるためには、上記反応成分の撹拌が容器内で均一に行われることが極めて重要であると共に、気泡の存在が多いところや少ないところをなくすこと、さらには気泡の大小をなく均一にすることが要求されている。
特開平11−322877号公報 特表平8−500622号公報 特開2002−226537号公報 特開2002−226608号公報
本発明者らは、ポリウレタンの反応容器中に、撹拌羽根で混合しても混合が均一ではなく滞留する部分が存在することを認識し、その部分を簡便に無くすることにより、気泡が微細かつ均一な発泡ポリウレタンの製造方法を提供する。
本発明は、イソシアネート成分と活性水素基含有化合物を含有する反応成分を容器内で撹拌羽根を有する撹拌器で混合し発泡反応液とする撹拌工程、上記撹拌羽根を発泡反応液から抜き取る工程、上記発泡反応液を反応硬化させる硬化工程から成る微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法において、上記撹拌工程においてスクレーパーを容器内壁面に沿わせて少なくとも1周させることを特徴とする微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法を提供する。
また、本発明の反応容器はフッ素樹脂で内面をコーティングしていることが好ましい。
さらに、撹拌工程と硬化工程のいずれも同一反応容器で行うことが好ましく、容器は円柱であることが好ましい。
本発明の発泡ポリウレタンの製造方法は、中空バルーンを用いたものにも利用できるが、機械発泡方法に用いるとより効果が得られる。
本発明方法によれば、スクレーパーで反応容器壁内面を少なくとも1周させることにより、撹拌不良が解消され、気泡のアンバランスがなくなり、材料の歩留まりも飛躍的に向上する。さらに、反応容器を円形容器にすることにより一層気泡が均一化し、外観の向上が得られる。
本発明の最初の工程はイソシアネート成分と活性水素基含有化合物とを反応容器内で撹拌羽根を有する撹拌器で混合して発泡反応液とする撹拌工程である。イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類等が挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
活性水素基含有化合物はポリオール化合物、ポリアミン化合物等が挙げられるが、ポリウレタンの分野ではポリオール化合物が一般的である。ポリオール化合物には、低分子量のものと、比較的高分子量のものがある。低分子量のポリオール化合物としては、炭素数が1〜10の脂肪族または芳香族ジオール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、炭素数3〜10のトリ−若しくはそれ以上のポリオール(例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、ペンタエリトリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、トリエタノールアミン等)が挙げられる。
高分子量のポリオール化合物としては、低分子量のポリオールより炭素数の多いポリオール化合物であって、例えばポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリエステルアミドポリオール等が例示できる。
上記高分子量ポリオール化合物で例示されているポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)等が例示される。
ポリエステルポリオールとしては、ポリブチレンアジベート、ポリへキサメチレンアジベート、ポリカプロラクトンポリオール等が例示される。
ポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応生成物、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸との反応生成物などが例示される。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及び/又はポリテトラメチレングリコール等のジオールとホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)もしくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物が挙げられる。
活性水素基含有化合物はポリアミン化合物であっても良く、その例としては、脂肪族若しくは芳香族ポリアミン化合物(例えば、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン)などが例示される。
上述の活性水素基含有化合物、特に低分子量ポリオール化合物やポリアミン化合物としては、2官能の成分を主として使用するが、3官能以上の多官能成分を併用することは、得られる研磨パッドの熱寸法変化率を安定的にすることができるので、好ましい態様である。本発明の研磨パッドの研磨層を構成する微細気泡を有するポリウレタン樹脂発泡体の製造において、上記の活性水素基含有化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、特に高分子量のポリオール化合物を用いるのが好適である。また、高分子量ポリオール化合物のうち耐加水分解性の良好なポリエーテルポリオール及びポリカーボネートポリオールが好ましく、より低価格であり、溶融粘度が低く加工が容易であるという観点からはポリエーテルポリオールが特に好ましい。
これら高分子量ポリオール化合物の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、得られるポリウレタン発泡体の弾性特性等の観点から、500〜5000であることが望ましく、500〜3000であることがより好ましい。
高分子量ポリオール化合物の数平均分子量が500未満であると、これを用いて得られるポリウレタン発泡体は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなり易く、このポリウレタン発泡体をマトリックスとする研磨パッドが硬くなりすぎ、研磨対象である加工物の研磨面のスクラッチの原因となる場合がある。また磨耗しやすくなるため、研磨パッドの寿命の観点からも好ましくない。
一方、数平均分子量が5000を超えると、これを用いて得られるポリウレタン発泡体をマトリックスとする研磨パッドが軟らかくなり、十分に満足のいくプラナリティーが得られない場合がある。
また、高分子量ポリオール化合物の分子量分布が1.9以上となると、これから得られるポリウレタンの硬度(弾性率)の温度依存性が大きくなり、このポリウレタンから製造される研磨パッドは、温度による硬度(弾性率)の差が大きくなる。上述したように、研磨パッドと加工物との間に摩擦熱が発生することで、研磨時に研磨パッドの温度は変化している。従って、研磨特性に差が生じることになり、好ましくない。
この数平均分子量は、JIS K 1557に準じて測定した水酸基価から求めた値である。また、分子量分布は、次の測定条件により測定した値である。
また、分子量分布は、次の測定条件により測定した値である。
・GPC装置:LC−10A(島津製作所製)
・試料作製:試料約4mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解
・カラム:MIX−E 2本
・カラム温度:40℃
・移動相:テトラヒドロフラン
・流速:0.7ml/分
・注入量:60μl
・検出器:RI(37℃)
・分子量分布:標準PPG(ポリプロピレンポリオール)換算
本発明の最初の工程はイソシアネート成分と活性水素基含有化合物とを反応容器内で撹拌羽根を有する撹拌器で混合して発泡反応液とする撹拌工程である。
本発明のポリウレタン樹脂発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール機(SH)等が例示できる。具体的には、4、4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA),2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
本発明における有機ポリイソシアネート、活性水素基含有化合物、鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、活性水素基含有化合物と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対する有機ポリイソシアネートのイソシアネート基数は、0.95〜1.15の範囲が望ましく、好ましくは、0.99〜1.10であることがより望ましい。
また、高分子量ポリオール化合物と低分子量ポリオール化合物の比は、これらから製造されるポリウレタンに要求される特性により適宜設定される。
ポリウレタン樹脂発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタンの製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前に有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタンの物理的特性が優れており好適である。
なお、有機ポリイソシアネートとポリオール化合物から製造されるイソシアネート末端プレポリマーが市販されているが、本発明に適合するものであれば、それらを用いて、プレポリマー法により本発明で使用するポリウレタンを重合することも可能である。イソシアネート末端プレポリマーは、分子量が800〜5000程度のものが加工性、物理的特性等が優れており好適である。
前記ポリウレタンの製造は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分及び、活性水素基含有化合物を含む第2成分を混合して硬化させるものである。プレポリマー法では、イソシアネート末端プレポリマーがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素基含有化合物となる。ワンショット法では、有機ポリイソシアネートがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤及びポリオール化合物が活性水素基含有化合物となる。
ポリウレタンを発泡させる方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法等の方法が挙げられるが、これらには限定されない。各方法を併用してもよいが、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡がより好ましい。かかるシリコーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)、L5340(日本ユニカ製)等が好適な化合物として例示される。
本発明では、上記撹拌工程においてスクレーパーを容器壁面に沿わせて少なくとも1周させることにより気泡の反応液中の密度のアンバランスや大きさのアンバランスを解消することができる。スクレーパーは種々の形態のものが考えられる。特に反応系外からコントロールできる長さのもので、しかも容器内壁をあまり傷付けないものであれば特に限定的ではない。また、重さなどの観点から金属であれば軽いアルミニウムなどが用いることができるが、樹脂で成形したものであってもよい。スクレーパーの長さは容器底面から発泡液面を超える長さのものが好適である。スクレーパーによる均一化は、人の手で行ってもよいが、機械化してもよい。スクレーパーの代表例を図1に示す。図1のスクレーパーは、フッ素樹脂でコーティングしたアルミ板1にフッ素樹脂板2を取付けたものである。
スクレーパーによる均質化は、反応容器壁面を少なくとも1周、好ましくは少なくとも2周、より好ましくは少なくとも3周行ってもよい。必要以上にスクレーパーによる均質化を行う必要はない。ウレタンにはゲルタイムがあり、ゲルタイムの少なくとも1分前、好ましくは2分前までには、撹拌とスクレーパーによる均質化と撹拌羽根とスクレーパーの抜き取りを終える必要がある。反応液の増粘が進むと、撹拌羽根やスクレーパーを引き抜いた時の液乱れによって巻き込まれたエアーが安定化し、これがボイドの原因となるからである。ここで「ゲルタイム」とは、実施例中にも記載しているが、300mLのカップに反応混合液約120gを採取し、割り箸をカップ底まで数回突き刺し、割り箸が底まで刺さらなくなった時間(硬化剤を混合した時点からの時間)と定義する。
本発明のウレタン材料は適当な範囲のゲルタイムを持つことが必要である。ゲルタイムが遅い場合には生産性が低下し、逆に早すぎると撹拌や本発明のスクレーパーによる均一化を行うことができなくなる。本発明のウレタン材料はゲルタイムが2.5分〜10分、さらに好ましくは3〜7分である。
上記撹拌工程の後、撹拌羽根を発泡反応液から抜き取る。スクレーパーもこのとき同時に抜き取るのが好ましい。勿論ゲルタイム内であればスクレーパーの抜き取りは同時でなくてもよい。
撹拌工程を終えた反応液は、別の容器に注型して行ってもよいが、同じ反応容器内で行うのが好ましい。別の容器に注型する必要性は、本来、混合容器の壁面近傍の撹拌が不充分な部分を注型作業により無くすることも目的としているが、本発明のスクレーパーによる均質化でなくなり、同一容器で行われることが本発明の効果でもありうる。
硬化した発泡ポリウレタンは、発泡体の中に均質な気泡が、均質な大きさで存在するので、極めて優れた研磨パッドとして利用することができる。発泡ポリウレタンはブロック状に形成され、このブロックをスライスすることにより研磨用パッドが得られる。研磨用パッドの表面には均質かつほぼ同じ大きさの気泡が存在し、研磨時に研磨スラリーの保持力が均質であり、研磨力も均質かつ優れているものである。スライスしたシートの厚さは0.5〜4.0mm、好ましくは1.0〜2.5mmである。このシートを適当な形、特に円形に裁断して研磨パッドとして用いる。
裁断加工した研磨パッドは後工程処理においてクッション層もしくはプラテン側両面テープに貼り合わせる。クッション層を貼り合わせた研磨パッドはさらに両面テープに貼り合わせ加工する。それにより市販のCMP研磨パッドが出来あがる。この時、クッション層はウレタン含浸ポリエステル不織布、ポリウレタン発泡体、またはポリエチレン発泡体から選ばれた材料であり、研磨パッドより弾性率の小さい材料が好ましい。
半導体ウエハの研磨方法としては、公知の研磨機を使用し、本発明の研磨パッドを装着して行うことができる。研磨に際して、研磨層と半導体ウエハの間に供給される研磨剤は、半導体ウエハの研磨に使用される公知の研磨剤が特に限定なく使用可能である。具体的には、セリア、シリカ等の研磨剤が挙げられる。また、市販品であるシリカスラリーSS21(キャボット社製)の使用も好適である。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図2に示すように研磨パッド11を支持するプラテン12と、半導体ウエハ14を支持する支持台(ポリシングヘッド)15とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材(図示せず)と、研磨剤13の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド11は、両面テープで貼り付けることにより、プラテン12に装着される。プラテン12と支持台15とは、それぞれに支持された研磨パッド11と半導体ウエハ14が対向するように配置され、それぞれに回転軸16、17を備えている。また、支持台15側には、半導体ウエハ14を研磨パッド11に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、プラテン12と支持台15とを回転させつつ半導体ウエハ14を研磨パッド11に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ14の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものと解してはならない。
実施例1
直径38cmで高さ50cmのフッ素樹脂をコーティングした容器に、イソシアネートプレポリマー(ユニロイヤル製L325)25kgとシリコーン系整泡剤(東レダウコーニング社製SH192)を1kgを秤量し、二軸ミキサーにて900rpmで撹拌し気泡分散液を作った。その中へ、容器内面と接触する部分がフッ素樹脂からなる長さ600mmのスクレーパーを入れ、硬化剤MOCA:キュアミンMT(イハラケミカル社製)6.5kgを投入した。その後、約1分間撹拌し、同時にスクレーパーで容器壁面に接触させながら最終均質化させた。スクレーパーは3周させた。次いで、撹拌羽根とスクレーパーを速やかに容器から抜き取り、直径60cmで高さ20cmのオープンモールドへ発泡混合液を入れ、オーブンにて110℃で6時間ポストキュアを行い、発泡ポリウレタンブロックを形成した。
発泡ポリウレタンブロックを約50℃に加熱しながら、スライサー(アミテック社製、VGW−125)にて厚さ1.27mmにスライスして研磨シートを得た。
外観の検査を行ったのち、半径20インチのシートを採集し、未撹拌による不良率およびボイド(直径1.0mm以上)の数を計測した。ゲルタイムの計測について、300mLのカップに反応混合液約120gを採取し、割り箸をカップ底まで数回突き刺し、割り箸が底まで刺さらなくなった時間(硬化剤を混合した時点からの時間)をゲルタイムとした。
スクレーパーによる均質化の回数、撹拌羽根とスクレーパーの抜き取り時間、ゲルタイム、未撹拌による不良率、平均ボイド数(個/パッド)を測定し、結果を表1に示す。
実施例2
上記実施例1において、硬化剤を加えた後1分間撹拌中にスクレーパーを7周させた以外は実施例1と同様に処理を行った。この実施例ではスクレーパーによる均質回数の相違をみた。実施例1と同じ評価を行ない、結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、反応成分を下記のものを用いて高速剪断混合装置で3000rpmで1分間撹拌すること以外は、実施例1と同様に行った。
成分 重量(kg)
イソシアネートプレポリマー(ユニロイヤル社製L325) 25
中空高分子微小球体エクスパンセル551DE 0.058
4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)キュアミンMT 6.5
(イハラケミカル社製硬化剤)
実施例1と同じ評価を行ない、結果を表1に示す。
実施例4
直径60cmで高さ40cmのフッ素樹脂をコーティングした容器に、イソシアネートプレポリマー(ユニロイヤル社製L325)25kg、シリコーン系整泡剤(東レダウコーニング社製SH192)1kgを秤量し、二軸ミキサーにて900rpmで撹拌し気泡分散液を作った。その中へ容器内面と接触する部分がフッ素樹脂からなる長さ500mmのスクレーパーを挿入し、硬化剤として4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)キュアミンMT(イハラケミカル社製)6.5kgを投入した。約1分間撹拌し、同時にスクレーパーを容器壁面に接触させながら3周させた。撹拌羽根とスクレーパーを速やかに容器から抜き取り、その後発泡混合液をオープンモールドに移さず、そのままの容器内で10分間静置し、オーブンにて110℃で6時間ポストキュアを行い発泡ポリウレタンブロックを作製した。
その後の処理は実施例1と同様に行った。実施例1と同様の評価を行ない、結果を表1に示す。
実施例5
撹拌羽根とスクレーパーの抜き取りを硬化剤混合から2分15秒後に抜き取り、その後は実施例1と同様に処理を行った。実施例1と同様の評価を行ない、結果を表1に示す。
得られた製品はややボイドが多くなり外観もやや低下した。
比較例1
スクレーパーによる均質化を行わないこと以外は実施例1と同様に処理した。実施例1と同様の評価を行ない、結果を表1に示す。
比較例2
スクレーパーによる均質化を行わないこと以外は実施例4と同様に処理した。実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
比較例3
撹拌羽根とスクレーパーの抜き取りを硬化剤混合から3分後にした以外は実施例1と同様に処理を行った。実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示す。
得られた製品はスクレーパーと撹拌羽根抜き取り時にエアーを巻き込み、外観を悪くした。
Figure 2005169571
本発明の方法に用いるスクレーパーの一例を示す図である。 本発明の方法により得られた研磨パッドを用いる研磨装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1…フッ素樹脂でコーティングしたアルミ板、
2…フッ素樹脂板、
11…研磨パッド、
12…プラテン、
13…研磨剤、
14…半導体ウエハ、
15…支持台、
16…回転軸、
17…回転軸。

Claims (5)

  1. イソシアネート成分と活性水素基含有化合物を含有する反応成分を容器内で撹拌羽根を有する撹拌器で混合し発泡反応液とする撹拌工程、上記撹拌羽根を発泡反応液から抜き取る工程、上記発泡反応液を反応硬化させる硬化工程から成る微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法において、上記撹拌工程においてスクレーパーを容器内壁面に沿わせて少なくとも1周させることを特徴とする微細気泡を有する研磨パッド用発泡ポリウレタンの製造方法。
  2. 反応容器の内面がフッ素樹脂でコーティングされていることを特徴とする請求項1記載の発泡ポリウレタンの製造方法。
  3. 撹拌工程と硬化工程が同様の円形容器で実施される請求項1乃至請求項2記載の発泡ポリウレタンの製造方法。
  4. 発泡方法が機械発泡であることを特徴とする請求項1〜3記載の発泡ポリウレタンの製造方法。
  5. スクレーパーが反応容器底面から反応液面を超える高さを有し、壁面を傷付けない非金属材料から形成されている請求項1記載の発泡ポリウレタンの製造方法。
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JP2012115982A (ja) * 2004-02-03 2012-06-21 Rohm & Haas Electronic Materials Cmp Holdings Inc ポリウレタン研磨パッド

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