JP5564619B2 - 電動自転車の電装品配置構造 - Google Patents
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Description
本発明は、電動自転車に搭載される電装品の電装品配置構造に関する。
特開平10−230881公報には、バッテリ部を電動自転車の立パイプと後輪との間に配置し、バッテリ部を着脱自在にロックするためのロック機構を備えたキーユニットを立パイプの前方に設けることが記載されている。
しかしながら、従来の技術では、バッテリ部は、電池ユニットと、電池ユニットの下方に設けられた端子ユニットと、バッテリ部及び端子ユニットを収納するバッテリケースとを有するため、端子ユニット為のスペースを必要とするため、バッテリ部の重心位置が高くなる。また、さらにサドルとの干渉を防止するためにバッテリ部は、高さ方向の制約を受けるため、バッテリ容量が小さくなってしまう。
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリの重心を可及的に低くし、バッテリ容量の増大を図る電動自転車の電装品配置構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両を駆動する走行用モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリを、シートパイプと後輪との間に収納し、前端が前記シートパイプの上方に接続され、後端が前記後輪を回転可能に支持する後輪支持部に接続される左右一対の第1サブフレームと、前端が前記シートパイプの下方に接続され、後端が前記後輪支持部に接続される左右一対の第2サブフレームとを有する車体フレームと、前記バッテリを車体フレームに固定するバッテリホルダと、運転者の要求に応じて前記走行用モータに電力を供給する駆動制御装置と、を備える電動自転車の電装品配置構造において、左右一対の前記第2サブフレーム間に設けられ、前記第2サブフレームの下方に膨出し、その内部に前記駆動制御装置を収納する収納部と、前記収納部を上方から覆い、且つ、前記収納部の上方で前記バッテリホルダを固定するための蓋部とを有する駆動制御装置収納部をさらに備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動自転車の電装品配置構造において、駆動制御装置収納部は、左右一対の前記第2サブフレームの前後で、左右一対の前記第2サブフレーム間で懸架され、前記蓋部を前後で固定する前後一対の第3サブフレームをさらに備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の電動自転車の電装品配置構造において、前記バッテリは、複数のバッテリモジュールがケースに収納されたものであり、バッテリは前記シートパイプに沿って後傾しており、前記バッテリのケース内の前側に前記バッテリモジュールを結合する電力線が配置されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の電動自転車の電装品配置構造において、前記バッテリの後面には、バッテリホルダのガイドレール部に嵌合するガイド部を有し、前記ガイド部の下端は末広がりのテーパ形状となっていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の電動自転車の電装品配置構造において、前記蓋部には、バッテリのコネクタと接続される電力線の接続端子が設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、駆動制御装置を第2サブフレームより下方に配置させることができるので、バッテリの重心位置が下がり走行安定性が向上する。また、バッテリの位置も下げることができるので、バッテリの取り外しがし易くなり、バッテリの容量も増やすことができる。
請求項2に係る発明によれば、駆動制御装置を収納する駆動制御装置収納部は、左右一対の第2サブフレームの前後で、左右一対の第2サブフレーム間で懸架され、蓋部を前後で固定する第3サブフレームをさらに備えるので、蓋部の強固に車体フレームに固定することができ、第2サブフレームと第3サブフレームとで蓋部を支持することができるので、蓋部自体に剛性を持たせることができ、重量物のバッテリを載せることが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、バッテリは、ケース内に複数のバッテリモジュールを有し、バッテリはシートパイプに沿って後傾しており、バッテリのケース内の前側にバッテリモジュールを結合する電力線が配置されているので、バッテリモジュールの重力による電力線の断線を防止することができる。また、バッテリのケースの後側に電力線を配置すると、ケースは、重力を含め余裕をもったスペース若しくは構造をとらなければならないが、電力線を前側にもってくることで、後側に電力線を配置するのに比べ、余裕幅を小さくすることができ、その分バッテリの容量を確保し易くなる。
請求項4に係る発明によれば、バッテリの後面には、バッテリホルダのガイドレール部に嵌合するガイド部を有し、該ガイド部の下端は末広がりのテーパ形状となっているので、バッテリをバッテリホルダのガイドレール部に対してスライド可能に固定することができるとともに、バッテリをバッテリホルダに装着させ易くすることができる。特に、装着時には、テーパ形状のガイド部により、従来のように重量物のバッテリの着脱容易のためにスペースを大きくとる必要がなく、コンパクトなスペースにしながらも装着性が向上する。
請求項5に係る発明によれば、バッテリと電力線接続のための端子台を別途設ける必要がなく、コストが低廉になる。蓋部自体に剛性を持たせているので、その蓋部に接続端子を直接取り付けてもバッテリとの着脱時の端子台としての機能を蓋部に持たせることができ、別途端子台を設ける必要がない。
添付した図面と協同する次の好適な実施の形態例の説明から、上記の目的、特徴及び利点がより明らかになるだろう。
本発明に係る電動自転車の電装品配置構造について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
図1は、電動自転車10の左側面図である。なお、発明の理解を容易にするために、特に指示のない限り、図1に示す矢印方向を基準として、前後及び上下の方向を説明するとともに、車体に着座した運転者から見た方向を基準として、左右の方向を説明する。
電動自転車10の車体フレーム12は、車体前方に位置するヘッドパイプ14と、該ヘッドパイプ14から後方且つ下方に延びるメインフレーム16と、メインフレーム16の後端と接続され、上方に立ち上がるシートパイプ18と、メインフレーム16から後方に延びてシートパイプ18と連結される補強パイプ20と、前端がシートパイプ18の上方に接続され、後端が後輪(駆動輪)WRを回転可能に支持する後輪支持部22に接続される左右一対の第1サブフレーム24と、前端がシートパイプ18の下方に接続され、後端が後輪支持部22に接続される左右一対の第2サブフレーム26とを有する。後輪支持部22には、電動自転車10を自立させるスタンド28と、後輪WRの車軸の左右端部を保護する一対の保護カバー30とが取り付けられている。また、ヘッドパイプ14には、電動自転車10の前方を照射するアクセサリーライト32が設けられている。通行人に対して警告音を報知するアクセサリーブザー33は、アクセサリーライト32に内蔵されている。
走行用モータ34は、インホイール型のモータであり、後輪WRのハブ36内に設けられ、この走行用モータ34の電源となる36V、12Ahのバッテリ38は、左右一対の第1サブフレーム24と左右一対の第2サブフレーム26とによって、シートパイプ18と後輪WRとの間に収納される。詳しくは、シートパイプ18と後輪WRとの間であり、且つ、左右一対の第1サブフレーム24間と、左右一対の第2サブフレーム26間とにバッテリホルダ40が設けられ、該バッテリホルダ40によってバッテリ38が車体フレーム12に固定される。この左右一対の第1サブフレーム24と第2サブフレーム26とによって、バッテリ38を保護することができる。
また、左右一対の第1サブフレーム24には、バッテリホルダ40を固定するとともに、バッテリ38の車体フレーム12からの取り外しをロックするバッテリロック装置42が設けられている。バッテリロック装置42は、キー260(図16〜図18参照)操作による電動自転車10の電源のオン、オフを切り替えるコンビスイッチとしても機能する。左右一対の第2サブフレーム26には、運転者の要求に応じて電力を供給することで走行用モータ34を駆動制御する電装品である駆動制御装置170(図9参照)を収納する駆動制御装置収納部44が設けられており、バッテリホルダ40は、駆動制御装置収納部44の上面に取り付けられている。駆動制御装置170は、走行用モータ34を駆動するPDUと、該PDU等を制御するCPU及びメモリ等を有するコンピュータと、記録媒体とを備える(図示略)。前記PDUは、バッテリ38の電力を3相の交流電力に変換して走行用モータ34に供給することで走行用モータ34を駆動させる。前記コンピュータは、該記録媒体に記録された所定のプログラムに従って所定の制御を実行する。収納部カバー45は、駆動制御装置170を保護するカバーである。
シートパイプ18には、シート部46のシートポスト48がシート50の上下位置を調整可能に装着されている。ステアリング軸52の上部にはハンドル54が設けられ、ヘッドパイプ14によってステアリング軸52の略中間部が回転自在に保持される。前輪(操舵輪)WFは、車体前方に設けられ、ステアリング軸52の下端側から延在する左右一対のフロントフォーク56によって回転可能に軸支される。
車体フレーム12は、その中間付近において、左右方向に延びるクランク軸58を回転可能に軸支し、クランク軸58の両側に、ペダル60を有するクランク62が接続されているとともに、クランク軸58の右側には、フロントスプロケット64が接続されている。運転者がペダル60を漕ぐことにより、クランク軸58に動力が与えられて、フロントスプロケット64が回転し、該フロントスプロケット64の回転は、チェーン66を介して、後輪WRに設けられたリアスプロケット68を介して後輪WRに伝達され、後輪WRが回転する。フロントスプロケット64及びチェーン66は、カバー70によって保護されている。
左右一対のフロントフォーク56には、前輪WFの回転を止めるための前輪用カンチブレーキ72が設けられており、左右一対の第2サブフレーム26には、後輪WRの回転を止めるための後輪用カンチブレーキ74が設けられている。前輪用カンチブレーキ72及び後輪用カンチブレーキ74は、電動自転車10を制動するためのブレーキ装置である。
ハンドル54には左右一対のグリップ76と、左右一対のブレーキレバー(ブレーキ指示手段)78が設けられており、右側のブレーキレバー78を操作することで前輪用カンチブレーキ72が作動し、左側のブレーキレバー78を操作することで後輪用カンチブレーキ74が作動する。
図2は、ハンドル54の右側のグリップ(以下、右グリップ)76を示す詳細図である。なお、図2において、ブレーキレバー78の図示を省略している。右グリップ76には、走行用モータ34への駆動力を要求する回転可能なアクセルグリップ80と、アクセルグリップ80の回転角度(開度)を検出するアクセル開度センサ(回転角度検出手段)82と、右側のブレーキレバー78が操作されたか否かを検出するブレーキセンサ(ブレーキ操作検出手段)83とが設けられている。駆動制御装置170は、アクセル開度センサ82が検出したアクセルグリップ80の回転角度に応じて走行用モータ34を駆動制御する。詳しくは、駆動制御装置170は、アクセルグリップ80の回転角度が大きくなればなるほど、電動自転車10の走行速度が速くなるように走行用モータ34に電力を供給して、走行用モータ34を駆動制御する。
また、右グリップ76の左側には、バッテリ38の残容量を表示する表示部84が設けられている。表示部84は、バッテリ38の残容量を表示する複数の発光領域86a、86b、86c、86d、86eを有し、該発光領域86a、86b、86c、86d、86eは、図示しないLED等の発光素子が発光することで発光する。駆動制御装置170は、前記した発光素子の発光を制御することで、表示部84は、バッテリ38の残容量を表示することができる。例えば、バッテリ38の残容量が87.5%より大きく100%以下の場合は発光領域86a、86b、86c、86dを発光させ、バッテリ38の残容量が62.5%より大きく87.5%以下の場合は発光領域86a、86b、86cを発光させ、バッテリ38の残容量が37.5%より大きく62.5%以下の場合は発光領域86a、86bを発光させ、バッテリ38の残容量が12.5%より大きく37.5%以下の場合は発光領域86aを発光させる。また、バッテリ38の残容量が12.5%以下の場合は、発光領域86eを発光させる。
図3は、ハンドル54の左側のグリップ(以下、左グリップ)76を示す詳細図である。なお、図3において、ブレーキレバー78の図示を省略している。左グリップ76には、アクセサリーライト32の点灯を指示する点灯スイッチ88と、アクセサリーブザー33による警告音の放音を指示する警告音スイッチ90と、左側のブレーキレバー78が操作されたか否かを検出するブレーキセンサ(ブレーキ操作検出手段)92が設けられている。駆動制御装置170は、点灯スイッチ88が操作されると、アクセサリーライト32を点灯させ、警告音スイッチ90が操作されると、アクセサリーブザー33から警告音を放音させる。
図1に示すように、右側のブレーキレバー78に接続されたワイヤ100は、ヘッドパイプ14に沿うように配線されて前輪用カンチブレーキ72と接続されている。また、左側のブレーキレバー78に接続されたワイヤ102と、アクセル開度センサ82、表示部84、ブレーキセンサ83、92、点灯スイッチ88、及び警告音スイッチ90に接続された複数の電線を有するケーブル104は、ヘッドパイプ14に沿って延び、メインフレーム16の前端側且つ下側面に設けられたグロメット106を通ってメインフレーム16内に延びている。また、アクセサリーライト32及びアクセサリーブザー33に接続された電線を有するケーブル108もグロメット106を通ってメインフレーム16内に延びている。ワイヤ102、及び、ケーブル104、108は、メインフレーム16内を通ってメインフレーム16の後端側且つ下側面に設けられたグロメット110から外に延び、収納部カバー45内に導かれている。収納部カバー45内に導かれたケーブル104、108は、駆動制御装置収納部44内に導かれ、駆動制御装置170と接続される。また、収納部カバー45内に導かれたワイヤ102は、駆動制御装置170の下方左側面に沿うように配線され、その後、後輪用カンチブレーキ74に接続されている。このように、ワイヤ102、ケーブル104、108はメインフレーム16内を通るので、ワイヤ102、ケーブル104、108を保護することができる。また、バッテリロック装置42に接続された電線111は、下方に伸び駆動制御装置収納部44内に導かれ、駆動制御装置170に接続されている。
図4は、車体フレーム12に取り付けられたバッテリ38の内部構造を示す概略図である。図4に示すように、バッテリ38は、3つのバッテリモジュール112がケース114に収納されたものである。バッテリモジュール112は12V、12Ahであり、3つのバッテリモジュール112は直列に接続されている。各バッテリモジュール112を繋ぐ電力線116は、バッテリ38を車体フレーム12に取り付けたときに、バッテリモジュール112より前方側となるような位置に配線されている。バッテリ38を車体フレーム12に取り付けたときは、バッテリ38は、シートパイプ18に沿って後ろに傾向しているため、バッテリモジュール112の重力は、斜め後下方にかかる。これにより、バッテリモジュール112の重力によって電力線116が加重されることはなく、バッテリモジュール112の重力による電力線116の断線を防止することができる。また、バッテリ38のケース114の後側に電力線116を配置すると、ケース114は、重力を含め余裕をもったスペース若しくは構造をとらなければならないが、電力線116を前側にもってくることで、後側に電力線116を配置するのに比べ、余裕幅を小さくすることができ、その分バッテリ38の容量を確保し易くなる。電力線116は、バッテリ38の下部に設けられたコネクタ118に接続されている。
図5は、シート部46を示す詳細図である。シート部46は、シートポスト48と、シート50と、シート50をシートポスト48に対して回動可能に固定するシート支持部120とを有する。シート支持部120は、軸122を中心に折り畳み可能となっている。詳しくは、シート支持部120は、シートポスト48に締結される第1締結部材124と、シート50に締結される第2締結部材126とを有し、第1締結部材124と第2締結部材126とは、軸122を中心に回動可能となっている。第2締結部材126には、第1締結部材124と第2締結部材126とを重ね合わせたときに(シート支持部120を折り畳んだときに)、第2締結部材126を第1締結部材124に取り付けるための取付部材128が、軸130を中心に回動可能に設けられている。取付部材128は、座席レバー132と係合部134とを有し、第1締結部材124に設けられた係合バー136に係合部134を引っ掛けることで、係合部134と係合バー136とが係合し、第2締結部材126を第1締結部材124に重ね合わせて取り付けることが可能となる。シート支持部120を折り畳んだときは、図1に示すように、運転者がシート50に着座できる状態となる。図1に示す状態で、運転者が座席レバー132を矢印A方向に移動させると、係合部134も矢印A方向に移動するので、係合部134の係合バー136への係合が解除され、軸122を中心にシート50を前方に倒すことが可能となる。図1に示す状態では、バッテリ38を矢印B方向に引き抜くことでバッテリ38を車体フレーム12から取り外そうとしても、シート50と干渉するためバッテリ38を取り外すことはできないが、座席レバー132を矢印A方向に操作して軸122を中心にシート50を前方に倒すことで、バッテリ38とシート50との干渉は解除され、バッテリ38を取り外すことができる。
図6は、図1の領域Cの拡大図、図7は、図6に示す拡大図において保護カバー30及びスタンド28を外した時の図、図8は、図6のVIII−VIII線矢視断面図である。なお、図8においては、保護カバー30の図示を省略している。
後輪支持部22は、後輪WRの車軸である走行用モータ34のモータ軸140を車体フレーム12に固定するものである。モータ軸140の端部は、互いに平行する一対の締結面142、142を有し、後輪支持部22は、一対の締結面142、142に合わせてモータ軸140の回転を規制し、車体後方に向かって開放している係合口144を有する(図7参照)。係合口144の幅は一対の締結面142、142間の距離と略等しい。この係合口144より、後輪支持部22は、モータ軸140の回転反力を受け止めることが可能となり、モータ軸140の端部を締めるナットB1の締結力を維持することができる。
図8に示すように、モータ軸140は、フランジ部146を有し、ストッパ保持部148の開口部150にモータ軸140の端部を挿入することで、ストッパ保持部148がフランジ部146に当接するように配置される。そして、後輪支持部22の係合口144にモータ軸140を挿入することで、後輪支持部22がストッパ保持部148に当接するように配置される。後輪支持部22には係合孔152が設けられ、スタンド28の係合孔152方向に突出する係合部154を係合孔152に係合させた後(図6参照)、スタンド28の開口部156にモータ軸140が挿入されている。このように、フランジ部146から外側方向に向かって、ストッパ保持部148、後輪支持部22、スタンド28を前記の順でモータ軸140に挿入した後、ナットB1を締めることで、走行用モータ34を車体フレーム12に固定させることができる。また、後輪支持部22の係合孔152にスタンド28の係合部154を係合させて、ナットB1を締めることで、スタンド28を所定の姿勢で固定させることができ、ナットB1が緩んだ場合であっても、スタンド28の姿勢がずれることを防止することができる。
ストッパ保持部148は、開口部150を有しナットB1と締結される締結部位158と、締結部位158から後輪支持部22の係合口144に向かって屈曲する屈曲部160と、屈曲部160から後輪支持部22の係合口144の中を通って車体後方に延び、その端部にネジが形成されている延出部162とを有する。延出部162の後端部には、後輪支持部22の係合口144を後ろから覆う断面がコ字状のストッパ部164が挿入され、ナットB2が締められる。これにより、ナットB1が緩んだ場合であっても、モータ軸140の移動がストッパ保持部148及びストッパ部164によって規制される。
なお、モータ軸140の左端部からは、走行用モータ34に三相の電力を供給するための電力線166が設けられ、左側の保護カバー30は、ナットB3、B3によって後輪支持部22に取り付けられている。これにより、モータ軸140の左側端部及び電力線166を外部からの衝撃から保護することができる。また、電動自転車10の左側も同様に、左側の後輪支持部22にスタンド28、ストッパ保持部148、ストッパ部164、及び保護カバー30が取り付けられている。この保護カバー30は、同乗者が足を置くステッパとして機能してもよい。
図9は、駆動制御装置収納部44及びバッテリホルダ40を示す分解斜視図、図10は、図1に示す駆動制御装置収納部44及びバッテリホルダ40の拡大左側面図である。なお、図9、図10においては、収納部カバー45の図示を省略している。
図9、図10に示すように、駆動制御装置収納部44は、左右一対の第2サブフレーム26、26間に設けられ、第2サブフレーム26、26の下方に膨出し、その内部に走行用モータ34を駆動制御する駆動制御装置170を収納する収納部172と、収納部172を上方から覆い、収納部172の上方でバッテリホルダ40を固定するための蓋部174と、左右一対の第2サブフレーム26、26の前後で、左右一対の第2サブフレーム26、26間で懸架され、蓋部174を前後で固定する前後一対の第3サブフレーム176(図10参照)とを有する。前後一対の第3サブフレーム176、176には、左右一対の第3サブフレーム176、176と蓋部174とを締結させるボルトが挿入される孔178、178、178、178が設けられており、蓋部174の前後には、該孔178、178、178、178に対応する位置に孔180、180、180、180が設けられている。前後一対の第3サブフレーム176と蓋部174とが前記ボルトによって締結されることで、蓋部174は、収納部172を上方から覆うことができる。なお、蓋部の後側に設けられた孔180、180には、カラー181、181が載置される。
蓋部174は、左側の前部及び後部には、切欠け部182、184が設けられ、該切欠け部182、184にグロメット186、188が設けられる。メインフレーム16のグロメット110から外に延びたワイヤ102、ケーブル104、108は、収納部カバー45内に導かれ、ケーブル104、108は、グロメット186を介して収納部172内に入りケーブル104、108が駆動制御装置170に接続される(図10参照)。これにより、ケーブル104、108を収納部の上側を通して駆動制御装置収納部44内へ導くので、ケーブル104、108を駆動制御装置170に簡単に接続することができる。
収納部カバー45内に導かれたワイヤ102は、駆動制御装置170の下方左側面に沿うように配線され、その後収納部カバー45を出て後輪用カンチブレーキ74に接続される。これにより、ワイヤ102を保護することができる。また、走行用モータ34に接続され、モータ軸140の左端部から延びた電力線166は、左側の第2サブフレーム26に沿って前方に延びるととともに、左右一対の第2サブフレーム26に設けられたクロスパイプ190の上側を通って、収納部カバー45内に導かれ、グロメット188を介して収納部172内に入り駆動制御装置170に接続される。また、バッテリロック装置42に接続された電線111は、収納部カバー45内に導かれ、グロメット188を介して収納部172内に入り駆動制御装置170に接続される。
蓋部174には、駆動制御装置170に接続された電力線192の接続端子194を通すグロメット196がネジによって取り付けられている。蓋部174の下方から電力線192の接続端子194を上方に向かってグロメット196に挿入することで、電力線192の接続端子194が蓋部174の上面から突出した状態となる。蓋部174は、第2サブフレーム26と第3サブフレーム176とに囲まれて固定されているので、蓋部174自体に合成を持たすことができ、蓋部174の上にバッテリ38及びバッテリホルダ40を載せることができる。したがって、蓋部に接続端子194を設けてもバッテリとの着脱時の端子台としての機能を蓋部にもたせることができ、別途端子台を設ける必要がない。
バッテリホルダ40は、上方が開放されたバッテリ38を保持する箱部198と、バッテリ38を保持するとともにバッテリ38をガイドするためのガイドレール部200とを有し、図示しないボルトによって蓋部174の上面にバッテリホルダ40の箱部198が取り付けられる。箱部198の底面には、4つの孔202、202、202、202が設けられ、蓋部174には、箱部198の底面の孔202、202、202、202に対応する位置に、孔204、204、204、204が設けられている。この孔202、202、202、202と孔204、204、204、204とが重なり合うように、バッテリホルダ40を蓋部174に重ねて前記したボルトで締めることで、バッテリホルダ40を蓋部174の上面に取り付けることができる。また、バッテリホルダ40を蓋部174の上面に取り付けた際に、バッテリホルダ40の箱部198の底面と電力線192の接続端子194とが干渉しないように、箱部198の底面には開口部206が設けられている。
図11に示すように、バッテリ38のケース114は、3つのバッテリモジュール112を収納するバッテリ本体部210と、バッテリ本体部210の上部に取り付けられた把持部212と、バッテリ38本体の後方側面に取り付けら、溝部216、216を有するガイド部218と、バッテリ本体部210の下部に取り付けられた、バッテリホルダ40の箱部198と嵌合する嵌合部220とを有する。把持部212には、図示しない充電器のコネクタと接続されるコネクタ222が設けられる。ガイド部218は、バッテリホルダ40のガイドレール部200と嵌合するものであり、図12に示すように、ガイド部218をガイドレール部200に嵌合させることで、バッテリ38がバッテリホルダ40のガイドレール部200に沿ってスライドする。詳しくは、ガイドレール部200の突出部224、224とガイド部218の溝部216、216とが嵌合することで、バッテリ38がガイドレール部200に沿ってスライドする。バッテリ38を下にスライドさせることで、バッテリ38の嵌合部220がバッテリホルダ40の箱部198と嵌合する。これにより、バッテリホルダ40はバッテリ38を保持することができる。なお、ガイド部218の横には、バッテリロック装置42のロックピン262(図16〜図18参照)が挿入される穴226が設けられている。
ガイド部218の下端は、末広がりのテーパ形状のテーパ部228を有する。つまり、テーパ部228は、溝部216、216間の距離が末広がりとなるようなテーパ形状を有する。ガイドレール部200の上端は、末広がりのテーパ形状のテーパ部230を有する。つまり、テーパ部228の突出部224、224には傾斜面が設けられ、テーパ部230は、突出部224、224の外側両端間の距離が末広がりとなるようなテーパ形状を有する。これにより、ガイドレール部200にガイド部218を嵌合させ易くなり、バッテリ38をバッテリホルダ40に装着させ易くすることができる。バッテリ38の嵌合部220の底面には、電力線の接続端子194が挿入されるコネクタ118が設けられている。なお、ガイド部218及びガイドレール部200のうち、いずれか一方がテーパ部228、230を有するようにしてもよい。この場合であっても、ガイドレール部200にガイド部218を嵌合させ易くなる。
バッテリホルダ40の箱部198の長手方向側面には、バッテリ38を強固に保持するために、バッテリ38を挟持するリブ232が上下方向に複数設けられている(図9参照)。このリブ232は、図13に示すように、その上端の厚みが、下方に行くほどバッテリ38方向に厚くなる傾斜面232aを有する。これにより、バッテリ38の嵌合部が箱部198に嵌合し易くなるとともに、バッテリ38を強固に保持することができる。
図14は、図1の収納部カバー45の外観を正面・左側面側から示す外観斜視図である。収納部カバー45は、左カバー240と右カバー242とを有し、左カバー240と右カバー242を駆動制御装置収納部44の左右から取り付けることで、駆動制御装置収納部44を保護する。左カバー240の前方面には、切欠け部244が設けられ、該切欠け部244には、メインフレーム16の後端且つ下面側に設けられたグロメット110から外に延びたワイヤ102、ケーブル104、108が左カバー240の切欠け部244から収納部カバー45の内部に導かれる。
図15は、図1の収納部カバー45が設けられた駆動制御装置収納部44の外観を上面・左側面側から示す外観斜視図である。左カバー240及び右カバー242は、前後にそれぞれ孔250を有する締結部位252を備え、図示しないボルトを、締結部位252の孔250、蓋部174の孔180、第3サブフレーム176の孔178に螺入することで収納部カバー45を車体フレーム12に取り付けることができる。ここで、左カバー240及び右カバー242の後方の締結部位252、252の孔250、250と蓋部174の後方の孔180、180との間にカラー181、181が設けられている。後方の第3サブフレーム176は、前方の第3サブフレーム176より高さが低い位置にあるので、左カバー240及び右カバー242の前後の締結部位252の高さを略同じにするために、左カバー240及び右カバー242の後方の締結部位252の孔250の下にカラー181、181が設けられている。
図16〜図18は、キー260操作によるバッテリロック装置42のロックピン262の動作を説明する説明図であり、図16は、第1状態のロックピン262を示す図であり、図17は、第2状態のロックピン262を示す図であり、図18は、第3状態のロックピン262を示す図である。なお、バッテリホルダ40のガイドレール部200は、ネジ264によってバッテリロック装置42に取り付けられている。
第1状態のときは、キー260をバッテリロック装置42の鍵穴から抜くことができる状態であり、電動自転車10の電源がオフの状態となる。第1状態のときは、ロックピン262がバッテリロック装置42から突出しない状態となる(図16参照)。したがって、第1状態のときは、バッテリ38を車体フレーム12から取り外すことが可能となる。第1状態で、キー260を1段階、右に回す操作を行うと、第2状態となり、ロックピン262がバッテリロック装置42から1段階突出した状態となる(図17参照)。これにより、第2状態のときは、ロックピン262がバッテリ38の穴226(図11、図12参照)に挿入された状態となるので、バッテリ38をロックすることができ、バッテリ38を車体フレーム12から取り外すことができなくなる。第2状態のときも、電動自転車10の電源はオフのままであり、キー260をバッテリロック装置42の鍵穴から抜くことができる。第2状態で、キー260を1段階、右に回す操作をさらに行うと、第3状態となり、ロックピン262がバッテリロック装置42から2段階突出した状態となる(図18参照)。これにより、第3状態のときは、ロックピン262がバッテリ38の穴226にさらに挿入された状態のなるので、第3状態のときも、バッテリ38がロック状態となり、バッテリ38を車体フレーム12から取り外すことができない。第3状態のときは、電動自転車10の電源はオンとなり、キー260をバッテリロック装置42の鍵穴から抜くことができない。
次に、運転者が電動自転車10に乗車する際の動作について説明する。ロックピン262が第1状態のときに、座席レバー132を矢印A方向に操作して、シート50を前方に倒した後、バッテリ38をバッテリホルダ40に装着し、前方に倒したシート50を図1に示すような元の位置に戻す。その後、バッテリロック装置42の鍵穴に挿入されたキー260を1段階、右に回す操作を行うと、ロックピン262が第2状態となってバッテリ38がロックされた状態となる。その後、キー260を1段階、右に回す操作をさらに行うと、ロックピン262が第3状態となるとともに、電動自転車10の電源がオンになり、電動自転車10は走行可能状態となる。そして、運転者がシート50に着座し、アクセルグリップ80を回動することで走行用モータ34が駆動し、電動自転車10が走行する。この際、運転者がペダル60を漕ぐことで、走行用モータ34の負荷が軽減されるので、バッテリ38の持ちが長くなり、走行距離、走行時間を延ばすことができる。
また、右側のブレーキレバー78及び左側のブレーキレバー78のいずれか一方が操作されると、駆動制御装置170は、走行用モータ34への電力供給を停止する。電力供給が停止されると、走行用モータ34は、惰性によって回転する。したがって、ブレーキレバー78、78の操作によって前輪用カンチブレーキ72及び(又は)後輪用カンチブレーキ74が作動しているときに、電動自転車10に走行用モータ34による推進力が発生することがなく、電動自転車10を効率的に減速させることができる。ブレーキレバー78、78が操作されたか否かの判断は、ブレーキセンサ83、92の検出信号に基づいて判断する。
その後、運転が終了すると、運転者は、スタンド28によって電動自転車10を自立させ、キー260を左に回すことで電動自転車10の電源をオフにする。このとき、運転者は、キー260を1段階左に回すことで、ロックピン262を第2状態にしてからキー260を抜いてもよく、キー260を2段階左に回すことで、ロックピン262を第1状態にしてからキー260を抜いてもよい。第1状態のときは、バッテリ38はロックされていない状態となるので、盗難防止のため、バッテリ38を電動自転車10から取り外すことが好ましい。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定されて解釈されるものではない。
Claims (5)
- 車両を駆動する走行用モータ(34)に電力を供給するバッテリ(38)と、
前記バッテリ(38)を、シートパイプ(18)と後輪(WR)との間に収納し、前端が前記シートパイプ(18)の上方に接続され、後端が前記後輪(WR)を回転可能に支持する後輪支持部(22)に接続される左右一対の第1サブフレーム(24)と、前端が前記シートパイプ(18)の下方に接続され、後端が前記後輪支持部(22)に接続される左右一対の第2サブフレーム(26)とを有する車体フレーム(12)と、
前記バッテリ(38)を前記車体フレーム(12)に固定するバッテリホルダ(40)と、
運転者の要求に応じて前記走行用モータ(34)に電力を供給する駆動制御装置(170)と、
を備える電動自転車(10)の電装品配置構造において、
左右一対の前記第2サブフレーム(26)間に設けられ、前記第2サブフレーム(26)の下方に膨出し、その内部に前記駆動制御装置(170)を収納する収納部(172)と、前記収納部(172)を上方から覆い、且つ、前記収納部(172)の上方で前記バッテリホルダ(40)を固定するための蓋部(174)とを有する駆動制御装置収納部(44)をさらに備える
ことを特徴とする電動自転車(10)の電装品配置構造。 - 請求項1に記載の電動自転車(10)の電装品配置構造において、
前記駆動制御装置収納部(44)は、左右一対の前記第2サブフレーム(26)の前後で、左右一対の前記第2サブフレーム(26)間で懸架され、前記蓋部(174)を前後で固定する前後一対の第3サブフレーム(176)をさらに備える
ことを特徴とする電動自転車(10)の電装品配置構造。 - 請求項1に記載の電動自転車(10)の電装品配置構造において、
前記バッテリ(38)は、複数のバッテリモジュール(112)がケース(114)に収納されたものであり、前記バッテリ(38)は前記シートパイプ(18)に沿って後傾しており、前記バッテリ(38)の前記ケース(114)内の前側に前記バッテリモジュール(112)を結合する電力線(116)が配置されている
ことを特徴とする電動自転車(10)の電装品配置構造。 - 請求項1に記載の電動自転車(10)の電装品配置構造において、
前記バッテリ(38)の後面には、前記バッテリホルダ(40)のガイドレール部(200)に嵌合するガイド部(218)を有し、前記ガイド部(218)の下端は末広がりのテーパ形状となっている
ことを特徴とする電動自転車(10)の電装品配置構造。 - 請求項1に記載の電動自転車(10)の電装品配置構造において、
前記蓋部(174)には、前記バッテリ(38)のコネクタ(118)と接続される電力線(192)の接続端子(194)が設けられている
ことを特徴とする電動自転車(10)の電装品配置構造。
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