JP4257763B2 - 電動補助自転車のバッテリ残量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は電動補助自転車のバッテリ残量計に関し、特に、バッテリ残量を確認しやすくした電動補助自転車のバッテリ残量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
人力による駆動系と補助動力源としての電動モータによる駆動系とを併設し、人力による駆動トルクつまり踏力を検知し、検知された踏力に応じて補助動力源を付勢し、踏力を補助するようにした自転車が、例えば特開平11−105759号公報に記されているものがある。
【0003】
この従来装置においては、シートポストの前部に該シートポストに沿ってバッテリが配置され、該バッテリの下部前面に表示パネルが設けられている。この表示パネルには、バッテリの残量表示灯、押しボタンスイッチなどが配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来装置によれば、表示パネルがバッテリの下部前面に設けられているため、バッテリの残量を見ようとすると、自転車の跨ぎ部に頭を入れて該表示パネルをのぞき込まなければならず、バッテリ残量が確認しづらいという問題があった。特に、年配の人をユーザとする電動補助自転車においては、視力が衰えている人に対して配慮が必要となる。
【0005】
この発明の目的は、前記した従来技術の問題点を除去し、バッテリ残量を楽な姿勢で確認することのできる電動補助自転車のバッテリ残量計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、本発明は、シートを支持するシートポストに沿って配置される電動補助自転車のバッテリの残量計において、前記バッテリの上部であって、かつ前記シートの外周周辺に指向する傾斜面に、前記バッテリの残量計を配置した点に第1の特徴がある。この特徴によれば、ユーザは自転車を支えた位置で立ったままの姿勢でシート周囲に指向するバッテリ上面を見下ろせばバッテリ残量を視認でき、楽な姿勢で安易にバッテリ残量を確認できる。
【0007】
また、本発明は、前記シートの外周周辺に指向する傾斜面を、自転車の左側にした点に第2の特徴がある。この特徴によれば、ユーザは自転車に乗る直前あるいは降りた直後には自転車の左側に立つのが一般的であるから、自転車に乗る直前あるいは降車直後に立ったままの姿勢でバッテリ残量を視認しやすくなる。
【0008】
また、本発明は、シートの外周周辺に指向する傾斜面を、自転車の後側にした点に第3の特徴がある。この特徴によれば、ユーザは自転車に乗る直前あるいは降車直後には、自転車の左側のやや後方に立つことが多いので、乗車直前あるいは降車直後にそのままの姿勢でバッテリ上面を見下ろせば、バッテリ残量を簡単に視認することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の電動補助ユニットを適用した電動補助自転車の側面図、図2は該電動補助自転車に搭載されるバッテリとその収納ケースの概略斜視図、図3は図1の要部の拡大図である。
【0010】
図1に示されているように、電動補助自転車の車体フレーム2は、車体前方に位置するヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から後下りかつ下に凸状に延びるダウンパイプ22と、ダウンパイプ22の終端部近傍から上方に立上がるシートポスト23とを備える。ダウンパイプ22とシートポスト23との結合部およびその周辺部は、上下に2分割されて着脱される樹脂カバー33により覆われている。前記ヘッドパイプ21の上部にはパイプ27Aを介して操向ハンドル27が回動自在に挿通され、下部には前記操向ハンドル27により操舵されるフロントフォーク26が操向可能に支承されている。フロントフォーク26の終端には前輪WFが回転自在に軸支されている。
【0011】
図3に示されているように、車体フレーム2の下部には、踏力アシスト用の電動モータを含む電動補助ユニット1が、前記ダウンパイプ22の後端92、シートポスト23に溶接されるバッテリブラケット49の前部91およびチェーンステイ25と共締めでブラケット49の後部90の3か所でネジ止め固定により懸架されている。電動補助ユニット1の電源スイッチ29は電源キーによりオン/オフされるように、ダウンパイプ22上のヘッドパイプ21の近傍に設けられている。なお、電源スイッチ29はパイプ27A前方のハンドル27上に設けても良い。
【0012】
この車体では、ダウンパイプ22とシートポスト23との結合部が電動補助ユニット1の前部にレイアウトされているので、電動補助ユニット1を低位置に配置でき、低重心化が可能となる。また、フレームの高さを低く抑えられるので“跨ぎ易さ”が向上する。
【0013】
電動補助ユニット1にはクランク軸101が回転自在に支承され、クランク軸101の左右両端にはクランク11を介してペダル12が軸支されている。電動補助ユニット1から後方側に延出される左右一対のチェーンステイ25の終端間には、駆動輪としての後輪WRが軸支されている。シートポスト23の上部および両チェーンステイ25の終端間には、左右一対のシートステイ24が設けられている。シートポスト23には、上端にシート30を備えるシートパイプ31が、シート30の上下位置を調整可能とすべく、シートポスト23内で摺動可能に装着されている。
【0014】
シート30の下方でシートポスト23の後部には、バッテリ4を収納するバッテリ収納ケース5(以下、収納ケースと呼ぶ)が取り付けられている。バッテリ4は、略直方体のバッテリケースに収容された複数のバッテリセルを含み、該バッテリ4は長手方向が略上下方向となるようにシートポスト23に沿って設置される。
【0015】
バッテリ4の長手方向の端部(図1では上端)には、図2に示したように、バッテリ4に付けられた取っ手41が車体右側に寄せて設けられている。取っ手41は回転軸41aを中心に回動自在に取付けられ、常時はバッテリ4のコーナへ押し当てられている。一般的に、運転者は車体の左側に立つことが多いので、取っ手41を車体右側、その回転軸41aを車体左側に配置したことにより、取っ手41を矢印a方向に起こし易くできる。
【0016】
前記取っ手41が設けられたバッテリ4の上面側部にはバッテリ残量計42が設けられ、押しボタン43を押すと所定時間だけ残量インジケータ部にバッテリの充電残量が表示される。前記残量計42は、シート30の左側上方から確認しやすいように、左傾斜の面に取り付けられている。これにより、運転者は立ったままの状態でバッテリ残量を上方から確認することができる。図8に、該残量計42と最も低い位置に下げられたシート30が示され、シートの左側外周に向けて(A矢印)、残量計42の面が構成されている。
【0017】
バッテリ4の後方には、該バッテリ4を施錠・解錠するための操作レバー45とホイールロック装置100が設置されている。操作レバー45はバッテリ収納ケースの後側に設けられた、上下方向に長くかつ断面がほぼ矩形の側室50(図2参照)に挿入されている。側室50の下部には、図3に示されているように、捩じりバネ51により、バッテリ4方向に付勢された係合フック52が設けられている。この係合フック52は、バッテリ装填時には、バッテリ4の下部に設けられた断面が「く」の字形の凹部47と係合し、バッテリを収納ケース5に固定する。なお、図2の45aは、後述の説明から明らかになるように、操作レバー45のかぎ形突起45bと側室50の内側に突出した切り起し50aとの間に懸架されるスプリングである。
【0018】
バッテリ収納ケース5の上部はリヤアッパ−アーム24に溶接等で固定されたブラケット40にねじ39により固定され、このブラケット40にはさらにホイールロック装置100、リヤフェンダ34もそれぞれねじ44a、44bで固定される。
【0019】
前記電動補助ユニット1内には、クランク軸101、増速ギヤ82、モータM、ギヤ83、アイドル軸84、ギア13Aを備えた駆動スプロケット13等が配置されている。モータMは前記バッテリ4によって給電され、図示されていない踏力検出器によって検出された踏力に応じた補助動力を発生する。この補助動力は、クランク軸101で発生された人力による駆動トルクと合成され、駆動スプロケット13およびチェーン6を介して後輪WRのホイールスプロケット14へ伝達される。前記駆動スプロケット13の全部およびチェーン6の上半分はチェーンカバー32で覆われている。
【0020】
図14は前記自転車シートの回動装置の構造図、図15は図14のX−X線断面図である。
【0021】
図示されているように、シートパイプ31の上端に溶接により第1ブラケット66が固着されている。第1ブラケット66の左右方向の断面はコの字形をしており、その左右両壁に軸69が回動自在に掛け渡されている。この軸69の長さ方向中央にはレバー65が固着されており、また、該軸69に捩じりばね67が嵌挿され、その一端はレバー65に、他端は第1ブラケット66に係止されている。レバー65は該捩じりばね67によって反時計方向に付勢されている。レバー65の操作部位65aはシート30の前側下部に前下がりに突出しており、立った姿勢で横から見れば容易に目視することができ、ユーザは、従来装置のように屈んで下からシート30の内側を見上げなくても簡単に見つけることができる。
【0022】
一方、シート30側には、前記第1ブラケット66と対向する位置であって、該シート30の裏側に第2ブラケット711が固定されており、その中央部の予定の位置に前記レバー65の端部に設けられたラッチ部65bを挿通する係止孔721が形成されている。該第2ブラケット711も左右方向の断面はコの字形をしており、その先端部の左右両壁は第1ブラケット66の先端部の左右両壁と一方が内側、他方が外側となるように重なっている。そして、この重なり部に、左右方向に延びる回動軸731が掛け渡され、該回動軸731の中央部に捩じりばね741が挿通されている。この結果、第2ブラケット711およびシート30は該捩じりばね741によって、反時計方向に付勢されている。
【0023】
図15に示されているように、第1ブラケット66側にシート30の左右方向のがたを抑えるための上方突部661が溶接で設けられ、該上方突部661と第2ブラケット711との間に緩衝材としてのゴム661Aが充填されている。前記上方突部661は第2ブラケット711の内側に入込み、シート30が左右にがたを生ずるのを抑制する。
【0024】
前記バッテリ4の交換時等において、ユーザがレバー65の操作部位65aを矢印Aの方向、すなわち左斜め上方に押すと、レバー65の前記ラッチ部65bが第2ブラケット711の係止孔721から外れ、シート30は前記捩じりばね741のばね力により反時計方向に弾発的に回動される。そして、シート30は点線図示の30´の位置まで回動する。この回動位置は、前記バッテリ4を上方向に引き抜く時に、バッテリ4とシート30が干渉しない位置である。この回動時、レバー65およびそのブラケットへの取付け部材は、第1ブラケット66側に残るので、回動する第2ブラケット711側のシートの重さをこれらの分だけ軽くできる。このため、シートの回動が軽くなり、前記回動軸731にかかる負担を軽減できるようになる。
【0025】
シート30を運転時の正位置に戻す時には、シート30が捩じりばね741のばね力に抗して時計方向に回動されると、ほぼ水平位置にきた所で、ラッチ部65bが係止孔721の縁に当接する。さらに、シート30が同方向に回動されると、ラッチ部65bが捩じりばね67のばね力に抗して時計方向に回動し、係止孔721の縁がラッチ部65bを通り過ぎた所で、ラッチ部65bが捩じりばね67の復帰力により弾性的に係止孔721に係止する。これにより、シート30は、図14の実線位置に戻り停止する。
【0026】
次に、図4を併せて参照して、バッテリ4および収納ケース5の後部の構成を詳細に説明する。図4はバッテリ4および収納ケース5の後部の正面図である。
図4に示されているように、収納ケース5は2本のリヤアッパ−アーム24の間に設置され、収納ケース5にバッテリ4が収納されると、バッテリ残量計42を上面に有する出っ張り部が左側のリヤアッパ−アーム24上に位置する配置になる。操作レバー45の最上部には、後方に突出した操作部45eが設けられ、長さ方向の中央上部と下部に2個の右斜め下がりのガイド孔45c,45dが設けられている。これらのガイド孔には、前記バッテリ収納ケースの側室50の内壁に固着された突出ピン46a,46b(図3参照)が遊合している。操作レバー45は、中央より下部に設けられたかぎ形突起45bと、前記側室50の切り起し50aとの間に懸架されたスプリング45aにより、上方に付勢されている。
【0027】
また、図13の拡大図から明らかなように、回動軸51aの軸芯に設けられた捩じりばね51により右側視時計方向に付勢された係合フック52はバッテリ4の「く」の字形凹部47に係合している。バッテリ4は係合フック52により下部を固定されるので、車体が振動しても上下および左右に移動せず、安定な着座状態を維持する。また、この固定状態において、ユーザがシート30を前倒しして、取っ手41を持ってバッテリ4を上方に抜こうとしても、抜くことはできない。
【0028】
上記係合手段は、回動支点となる回動軸51aがバッテリの凹部47より後部上方に設けられており、回動により係合フック52がバッテリを押さえるので、バッテリを抜く方向の斜め上方からバッテリの上方移動をおさえる働きをする。したがって、係合手段の後方の突出量を少なくしながら、バッテリの抜き方向への係合力を有効に作用させることができる。
【0029】
次に、バッテリ4を収納ケース5から抜く時の動作を、図5を参照して説明する。バッテリ4を収納ケース5から抜く時には、まずレバー65を操作してシート30がバッテリの引き抜きの邪魔にならない位置まで前倒しに回動され、その後、操作レバー45の操作部45eが下方に押圧される。そうすると、操作レバー45は前記ガイド孔45c,45dに案内されかつスプリング45aのばね力に抗して、後方視右斜め下方へ移動する。この過程で、操作レバー45の下端45fは係合フック52の上端に当接し、次いで該上端を下方へ押圧する。この結果、係合フック52は反時計方向に回動し(図3に点線で図示)、フック52とバッテリ4の「く」の字形凹部47との係合は解除される。
【0030】
そこで、ユーザは操作レバー45の操作部45eから手を離すと、操作レバー45はスプリング45aのばね力により上方に持ち上げられようとするが、この時、前記突出ピン46a、46bがガイド孔45c,45dの上部の下辺45c' 、45d' に係合し、その位置に停止する。したがって、ユーザは操作レバーから手を離してバッテリを操作レバーを操作した手で持ち上げる動作に移ることができ、バッテリの引き抜きを片手でも行うことが可能となり、操作性が良好となる。
【0031】
次に、ユーザは、手(右手)でバッテリ4の取っ手41を握り、上方に持ち上げると、バッテリ4を収納ケース5から抜き取ることができる。この時、バッテリ4の上部に形成されている突起48が、操作レバー45の上部右側に突出して形成されている突起45gと係合し、操作レバー45は左斜め上方に少し持ち上げられる。これにより、前記突出ピン46a、46bの前記下辺45c' 、45d' に対する係合は解除され、操作レバー45は元の位置、すなわち図4の位置に戻る。係合フック52も、当然図3の実線位置に戻る。
【0032】
故に、バッテリを引き抜いた後に再度操作レバーを戻す操作をする必要がなく、バッテリの引き抜きが一層簡単に行えることになる。さらに言えば、バッテリが挿着されていない状態で操作レバーを押しても操作レバーは押した位置で保持されるが、その状態でもバッテリを挿入すれば突起48と突起45gが当接して、操作レバーは図示の状態に戻ることができ、誤ってレバーが押されていても問題はない。
【0033】
次に、ユーザが充電されたバッテリ4を収納ケース5の上方から該収納ケース5内に挿入すると、バッテリ4の全部がほぼ収納ケース5内に入った所で、バッテリ4の下端が係合フック52の側部に当接し、係合フック52を右側視反時計方向に押圧する。さらにバッテリ4が収納ケース5の奥の方へ収納されると、バッテリ4の「く」の字形凹部47に係合フック52が弾性的に係合し、バッテリ4は収納ケース5に固定される。これと同時に、バッテリ4の底部に設けられた+、−の出力端子(放電接点)と、シートポスト23に溶接等で固着されたバッテリブラケット49(図3参照)にねじで固定された接点ユニット60とが電気的および機械的に接続される。この接続は、バッテリ4の自重と係合フック52による押圧とにより、安定したものになる。
【0034】
このようなバッテリの固定構造によれば、バッテリの係合手段がバッテリの後部下方のデッドスペースを有効利用しながら接点近傍位置で接点の接続を安定的に保持しながら、その係合手段の操作部がバッテリの後部上方というユーザが極めて操作し易い位置にあり、コンパクトで操作性の良いバッテリの固定構造を提供することができるのである。
【0035】
図6に、バッテリ4と接点ユニット60の概略斜視図を示す。接点ユニット60は、ねじ61a、61bで前記バッテリブラケット44に固定される。2本の上下方向に延びる接点端子62a,62bは、バッテリ4の底部に形成されている+、−の出力端子と接続され、電動補助ユニット1に電力を供給する。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態を、図7、図8を参照して説明する。この実施形態は、前記第1実施形態では操作レバー45を下方に押圧すると操作レバー45が右斜め下方にずれるのに対し、操作レバー45が下方に真っ直ぐに移動するようにして操作レバーの左右のガタがないようにしたものである。
【0037】
バッテリ収納ケース5の側室70の短手方向の幅は操作レバー45の同方向の幅より少しだけ大き目であり、操作レバー45の上下方向移動のガイドとなっている。操作レバー45の操作部45eの側方には第1のフック71が下方に向かって設けられ、収納ケース5には、回動軸73aを中心に回動可能とされる第2のフック73が該第1のフック71と対向して設けられている。操作レバー45の中央よりやや下の位置に設けられたピン75と前記側室70に設けられた切り起し74との間には、スプリング76が懸架されている。また、バッテリ4が収納ケース5に完全に収納された状態において、バッテリ4の上部側壁に形成された突起72が、前記第2のフック73の斜め上側部に当接してこれを押圧する。このため、第2のフック73は反時計方向に所定角度回動される。
【0038】
図9は、第1、第2実施形態共通の実施形態で、バッテリ4と収納ケース5の後部の平面図であり、バッテリ4に設けられた上部位置規制部材61、62が収納ケース5に形成された予定の凹部に係合、すなわち凸凹係合して、バッテリ4上部の収納ケース5に対する位置が規制される。また、係合フック52は側室50内に渡されたボルト63に嵌挿された捩じりバネ51により、バッテリ4側に付勢され、バッテリ4の下部側壁に設けられた「く」の字形凹部47と係合する。この係合関係は、前記第1実施形態と同様である。上部位置規制部材61は、同じ側に設けられる突起48または72と一体に形成されている。
【0039】
この第2の実施形態で、バッテリ4を収納ケース5から取り出す時には、第1実施形態と同様に、レバー65を操作してシート30を前倒しにし、シート30をバッテリ4の脱着経路から退避させた後、操作レバー45の操作部45eが手で下方に押圧される。そうすると、図8に示されているように、操作レバー45はスプリング76のばね力に抗して下方に真っ直ぐに移動すると共に、第1のフック71の先端が第2のフック73の先端に当接し、この時、バッテリの突起72がフック73を上方から押さえている関係で次いで第1のフック71が左方へ撓んで第2のフック73の端部と接触しながらさらにその下方にまで移動し、第2のフック73と係合する。このため、ユーザが操作レバー45から手を離しても、操作レバー45はそのまま係合位置に保持される。したがって、第1実施形態と同様、ユーザは操作レバーから手を離すことができる。操作レバー45が該係合位置まで押圧されると、操作レバー45の先端が前記係合フック52を押圧し、該係合フック52と前記「く」の字形凹部47との係合が解除されるのは、第1実施形態と同様である。
【0040】
次に、ユーザがバッテリ4を収納ケース5から取り出すべく、バッテリ4の取っ手41を手で握って上方に持ち上げると、前記突起72も上方に上がり、第2のフック73の押圧を解放する。この結果、操作レバー45のスプリング76の力により操作レバーが上方へ移動するので、それと共に第2のフック73は図7の点線位置まで回動し、バッテリ4の挿着を待機する。故に、フック73には、特に回動方向への付勢力がいらず構造がシンプルとなる。
【0041】
その後、充電されたバッテリ4が収納ケース内に十分挿入されると、前記突起72が再び第2のフック73を押圧し、該第2のフック73は反時計方向に所定角度回動して停止する。そして、図7の状態に戻る。この時、係合フック52と前記「く」の字形凹部47との係合関係が成立し、バッテリ4が収納ケース5に固定されることは明らかである。
【0042】
次に、ホイールロック装置100(図1、図3参照)の構成について、図10、図11を参照して説明する。図10はホイールロック装置100の平面図、図11は図10のA−A線断面図である。
【0043】
ホイールロック装置100は、前記バッテリ4と後輪WRをロック、アンロックする機能を有している。ロックプレート110がバッテリ4をロック、アンロックする部材であり、ロックプレート110が突出状態(図10の状態)にある時ロックし、後退状態にある時アンロックする。一方、ロックバー120が後輪WRをロック、アンロックする部材である。
【0044】
ハウジング109の予定位置にキーシリンダ111が上下方向に固定されており、該キーシリンダ111の下部にカムプレート112が固着されている。このカムプレート112はその周辺の一部を曲げ起こされた掛金部112aにより第1リンクプレート113と係合している。また、該第1リンクプレート113と第2リンクプレート114とは、連係ピン113aによりリンクされており、この第2リンクプレート114にワイヤケーブル121の一端が連結されている。該ワイヤケーブル121の他端は前記ロックバー120の一端に連結している。ロックプレート110の基部には、ピーナツ形のカム孔115が形成されており、該カム孔115にカムプレート112の下面に突出されたピン116が遊合している。なお、前記第1リンクプレート113は図示されていないスプリングにより、常時反時計方向に付勢され、前記カムプレート112の掛金部112aと係合している。図12は、該ホイールロック施錠時のバッテリ後部の車体の斜視図であり、図中の図3および図10と同符号は、同一または同等物を示す。
【0045】
図3、図10、および図12から明らかなように、本実施形態のホイールロック装置100は、施錠時に、ロックプレート110がケース109から突出し、操作レバー45の操作部45eの下方に延びて、操作レバー45が下方に押圧されるのを阻止する。このため、施錠時に他者により操作レバー45が下方に押されても、前記係合フック52とバッテリ4の前記「く」の字形凹部47との係合は解除されず、バッテリ4を上方に引き抜くことはできない。また、これと同時にロックバー120が突出して後輪WRの周囲を取囲み、後輪WRの回転を阻止する。このため、ユーザが停車し、車輪をロックすると同時に操作レバー45もロックされ、ユーザが車両から遠くに離れている間に、バッテリ4を取り外すことができないように構成されている。
【0046】
次に、正当なキー130(電源キーと兼用するのが良い)がキーシリンダ111に差込まれ、反時計方向に所定角度回動されると、ホイールロック装置100は解錠され、ロックプレート110は点線図示の110´の位置まで後退し、同時にロックバー120は点線図示の120´の位置まで後退する。
【0047】
したがって、ユーザが車体の側に居てホイールをアンロックしている時には、ユーザは何らのキー操作をすることなく、単に操作レバー45の操作部45eを下方に押すだけで、バッテリ4と収納ケース5間の係合が解除され、バッテリ4を収納ケース5から抜き取ることができるようになる。このため、バッテリ4の脱着操作が極めて容易である。
【0048】
以上のように、前記第1、第2実施形態によれば、バッテリ残量計を自転車の左側のバッテリ上部の左斜面に配置したので、ユーザは自転車に乗車する直前に立つ位置、すなわち自転車の左側の位置から、立った姿勢で楽にバッテリ残量を確認することができる。
【0049】
次に、本発明の第3実施形態を、図16、図17、および図18を参照して説明する。図16は、電動補助自転車の電動補助ユニット1およびバッテリ収容ケース5近傍の側面図であり、ここでは、図面を見易くするために、チェーンカバー、ペダル等は、その図示を省略している。なお、これらの図における図1〜図3と同じ符号は、同一または同等物を示す。
【0050】
本実施形態では、図16、図17から明らかなように、シート30の下方でシートポスト23の後部に、バッテリ4を収納するバッテリ収納ケース5が取り付けられている。バッテリ4は略直方体のバッテリケースに収容された複数のバッテリセルを含み、該バッテリ4は長手方向が略上下方向となるようにシートポスト23に沿って設置される。バッテリ4の長手方向の端部には、図18に示したように、取っ手41が車体右側に寄せて(回転軸41aは車体左側)設けられている。
【0051】
前記取っ手41は回動自在に取付けられ、常時はバッテリ4へ押し当てられている。一般的に、運転者は車体の左側に立つことが多いので、前記取っ手41を車体右側、その回転軸41aを車体左側に配置したことにより、取っ手41を起こし易くできる。
【0052】
前記取っ手41が設けられたバッテリ4の上面にはバッテリ残量計42が設けられ、押しボタン43を押すと充電残量が表示される。前記残量計42は、シート30の後部上方から確認しやすいように、図17において矢印で指向する後側斜面に取り付けられている。これにより、運転者は立った状態でバッテリ残量を上方から確認することができる。図17において、シート30は図8と同様、最も低い位置に下げられたものとなる。
【0053】
電動補助ユニット1のフレーム搭載状態での上部に電極ソケット701が装着され、当該電極ソケット701の上面には電極711,712が露出している。前記電極711,712のリード線(図示せず)は、電動補助ユニット1のケースを貫通してユニット内部の電動モータMおよびコントロールユニット8等と接続されている。
【0054】
筒状のバッテリ収容ケース5は、その底部のスカート部5aが、シートポスト23とチェーンステイ25とを連結するブラケット49を跨ぐようにシートポスト23の後方に取り付けられ、その内側底部には前記電極ソケット701の電極711,712が露出している。前記バッテリ4の底面には、バッテリ収容ケース5への収容時に前記各電極711,712と接触して電気的に接続される接点(図示せず)が設けられている。
【0055】
前記バッテリ4は、バッテリ収容ケース5内の上部から挿脱着されるが、バッテリ4の挿脱着経路上にはシート30が存在するため、そのままではバッテリ4を着脱できない。そこで、本実施形態では図17に示したように、バッテリ4を挿脱着する際は、シートパイプ31の上端に設けられたシートブラケット304に対して軸302により支持されたシートロックレバー301を車両前方へ動かし、軸302を中心に揺動させてシートロックフック301aとシートブラケット304の孔304aとの係合を解除する。その結果、シートロックレバー301とシートブラケット304との間で圧縮配置されたスプリング305の弾性力によってシートブラケット304が軸303を支点として前方へポップアップされ、その後、シート30を手操作で引き起こすことによりバッテリ4の挿脱着経路が確保される。
【0056】
バッテリ収容ケース5の車体左側側部の後上部には施錠手段501が設けられており、施錠状態では施錠ピン501aが収容ケース5内部に突出してバッテリ4の凹部4aと係合し、バッテリ収容ケース5からのバッテリ4の取り外しが阻止される。
【0057】
本実施形態では、車体の電源スイッチのキーで施錠手段501を回転させて施錠ピン501aを退避させることで、バッテリ4を取り出すことができる。なお、施錠ピン501aは通常、突出状態に付勢されており、バッテリ4を収容ケース5に挿入するとバッテリ4によりピン501aが開錠状態まで退避され、挿入を完了するとピン501aが凹部4aに係合して施錠される。
【0058】
以上の第1〜第3実施形態では、バッテリ残量計をバッテリ上部左斜面、またはバッテリ上部後斜面に設けたが、本発明はこれらに限定されず、バッテリ上部であれば他の側の斜面であってもよい。換言すれば、シート外周に隣接する空間に指向する面であれば、どの面であってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1〜3の発明によれば、バッテリの上部であって、かつシートの外周周辺に指向する傾斜面に、前記バッテリの残量計を配置したので、ユーザは、従来装置のように、自転車の跨ぎ部に顔を近付けてバッテリ残量計をのぞき込まなくても、普通に立った姿勢でバッテリをその斜め上方から見下ろせばバッテリ残量計を見ることができ、バッテリ残量を簡単に視認できる。
【0060】
また、請求項2、3の発明は、それぞれ、前記傾斜面を自転車の左側、後側としたので、自転車に乗る前あるいは降りた時に、ユーザが通常行うように自転車の左側に立てば、単にバッテリ上面を見下ろすだけの楽な姿勢でバッテリ残量を視認できるようになり、実用面での効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される電動補助自転車の全体構成図である。
【図2】バッテリおよび収納ケースの概略斜視図である。
【図3】図1の要部の構成の拡大図である。
【図4】バッテリおよび収納ケースの後部背面図である。
【図5】バッテリ後部の操作レバー押圧時の後部背面図である。
【図6】接点ユニットの概略斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態のバッテリ後部のバッテリ装着状態の後部背面図である。
【図8】図7の操作レバー押圧時の後部背面図である。
【図9】バッテリ後部の上から見た平面図である。
【図10】本発明の一実施形態のホイールロック装置の平面図である。
【図11】図10のA−A線断面図である。
【図12】バッテリおよびホイールロック装置と、車体との関係を示す斜視図である。
【図13】図3の要部の拡大図である。
【図14】自転車シートの回動装置の一例の構造図である。
【図15】図14のX−X線断面図である。
【図16】電動補助ユニット1およびバッテリ収容ケース5近傍の側面図である。
【図17】バッテリの挿脱着方法を示した図である。
【図18】バッテリに設けたバッテリ残量計の操作・表示パネルの平面図である。
【符号の説明】
4…バッテリ、5…バッテリ収納ケース、42…バッテリ残量計、45…操作レバー、52…係合フック、100…ホイールロック装置。
Claims (2)
- シートを支持するシートポストに沿って配置される電動補助自転車のバッテリの残量計において、
前記バッテリの上部であって、かつ前記シートの外周周辺に指向する傾斜面に、前記残量計を配置し、
前記シートの外周周辺に指向する傾斜面は、自転車の左側で前記バッテリの側面より外方に突出して配置されていることを特徴とする電動補助自転車のバッテリ残量計。 - シートを支持するシートポストに沿って配置される電動補助自転車のバッテリの残量計において、
前記バッテリの上部であって、かつ前記シートの外周周辺に指向する傾斜面に、前記残量計を配置し、
前記シートの外周周辺に指向する傾斜面は、自転車の後側であることを特徴とする電動補助自転車のバッテリ残量計。
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