WO2020188752A1

WO2020188752A1 - バッテリ収納装置、および電動車両

Info

Publication number: WO2020188752A1
Application number: PCT/JP2019/011484
Authority: WO
Inventors: 寛竹中
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2019-03-19
Filing date: 2019-03-19
Publication date: 2020-09-24
Also published as: JP7149410B2; CN113423635A; CN113423635B; JPWO2020188752A1

Abstract

電動車両のバッテリ収納装置は、バッテリの下部に設けられた端子に着脱可能に接続する車両側端子と、前記車両側端子を支持する支持部材と、前記支持部材に接続され、前記バッテリの側面に沿って車両上下方向に延びる延設部材と、前記延設部材を介して車両上下方向に前記支持部材を移動させて、前記バッテリの前記端子と前記車両側端子との着脱を操作するための操作レバーと、を含み、前記延設部材は、前記バッテリの車両前後方向側に設けられている。

Description

バッテリ収納装置、および電動車両

　本発明は、電動車両のバッテリ収納装置、および電動車両に関する。

　特許文献１には、コネクタ（端子）を有するハウジングとハウジング内に配置されたバッテリセルとを有する可搬式のバッテリが収納されるバッテリケースが開示されている。特許文献１に開示されたバッテリケースには、バッテリの車幅方向側に設けられたワイヤを介して、ケースカバーの開閉によりバッテリのコネクタとバッテリケースのコネクタとを着脱可能に接続するための機構が設けられている。

特開２０１５－８９７５３号公報

　電動車両では、軽量化のため、車両に搭載されたバッテリの端子に車両側端子を着脱可能に接続するための着脱機構を露出させることがある。このような構成では、外部からの衝撃が着脱機構に直接的に加わり易くなるため、その衝撃の影響で着脱機構に変形等が生じると、バッテリの端子と車両側端子との接続に不具合が生じたり、車両へのバッテリの挿脱が困難になったりしうる。

　そこで、本発明は、電動車両のバッテリ収納装置において外部からの衝撃の影響を低減するために有利な構造を提供することを目的とする。

　本発明の一側面としてのバッテリ収納装置は、電動車両のバッテリ収納装置であって、バッテリの下部に設けられた端子に着脱可能に接続する車両側端子と、前記車両側端子を支持する支持部材と、前記支持部材に接続され、前記バッテリの側面に沿って車両上下方向に延びる延設部材と、前記延設部材を介して車両上下方向に前記支持部材を移動させて、前記バッテリの前記端子と前記車両側端子との着脱を操作するための操作レバーと、を含み、前記延設部材は、前記バッテリの車両前後方向側に設けられている、ことを特徴とする。

　本発明によれば、電動車両のバッテリ収納装置において外部からの衝撃の影響を低減するために有利な構造を提供することができる。

　添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
第１実施形態の鞍乗型電動車両の左側面図可搬式のバッテリ搭載するときの車両の状態を示す図可搬式のバッテリの斜視図バッテリが収納されたバッテリ収納装置の斜視図バッテリの端子と車両側端子とを接続していない状態におけるバッテリ収納装置を示す図バッテリの端子と車両側端子とを接続した状態におけるバッテリ収納装置を示す図第２実施形態の鞍乗型電動車両の左側面図第２実施形態の鞍乗型電動車両における２個のバッテリ収納装置（バッテリ）の配置を示す図

　以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。

　以下で説明する各図において、矢印Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３は、鞍乗型電動車両の前進方向を基準とした車両前後方向、車幅方向（車両左右方向）、車両上下方向をそれぞれ示す。また、ＦＲ、ＲＲ、Ｕ、Ｄ、Ｌ、Ｒは、鞍乗型電動車両の前側、後側、上側、下側、左側、右側をそれぞれ示す。

　＜第１実施形態＞
　本発明に係る第１実施形態について説明する。図１は、本実施形態の鞍乗型電動車両１（以下では、単に車両１と呼ぶことがある）の左側面図であり、図２は、可搬式のバッテリを車両１に搭載するときの車両１の状態を示す図である。本実施形態では、本発明に係るバッテリ収納構造３０が適用される鞍乗型電動車両１として、オフロードタイプの自動二輪車を例示して説明するが、他の形式の自動二輪車を含む各種の鞍乗型車両であってもよい。

　車両１は、前輪ＦＷ、後輪ＲＷおよび車体フレーム２を備える。前輪ＦＷは操舵輪であり、後輪ＲＷは駆動輪である。後輪ＲＷは、電動モータを含むインホイールモータ５を備える。インホイールモータ５の駆動により後輪ＲＷが回転し、走行駆動力が発揮される。なお、本実施形態では、駆動輪をインホイールモータ５により駆動する駆動形式としたが、それに限られるものではない。例えば、電動モータをホイールから分離し、歯車機構、ベルト電動機構、チェーン電動機構などにより電動モータの駆動力をホイールに伝達する駆動形式も採用可能である。

　車体フレーム２は、ヘッドパイプ２０、メインフレーム２１およびサブフレーム２５を含む。ヘッドパイプ２０には、左右のフロントフォーク３とハンドルバー８とが操向自在に支持されている。具体的な構成として、ヘッドパイプ２０には、ステム２０ｂが回動自在に支持されており、ステム２０ｂにはトップブリッジ２０ａが固定されている。トップブリッジ２０ａおよびステム２０ｂには、左右のフロントフォーク３およびハンドルバー８が支持されている。前輪ＦＷは、左右のフロントフォーク３に回転自在に支持される。ハンドルバー８の左右端部にはそれぞれ、左右のグリップ９が設けられている。ライダは、左右のグリップ９を把持してステム２０ｂを回動させることにより、前輪ＦＷを操舵することができる。

　メインフレーム２１は、左右一対のフレームによって構成される。メインフレーム２１を構成する左右のフレームは、互いに対して車幅方向に広がるようにヘッドパイプ２０から後方に延設されるとともに、途中から下方に向かって湾曲している。また、メインフレーム２１は、後方に延設された左右のフレームを連結するように車幅方向に延設された１以上の連結フレーム（不図示）を含みうる。

　メインフレーム２１には、左右一対のスイングアーム６が揺動自在に取り付けられている。スイングアーム６には、後輪ＲＷのインホイールモータ５が支持される。スイングアーム６は、クッションフレーム６ａを有し、クッションフレーム６ａとメインフレーム２１との間にはリアクッション７が設けられている。また、メインフレーム２１には、左右一対のシートフレーム２２の前端部が接続されており、左右一対のシートフレーム２２とメインフレーム２１との間には、それらに接続された左右一対の補強フレーム２３が設けられる。シートフレーム２２上には、ライダが着席するシート４が支持されている。シート４は、開閉可能に構成され、例えば、図２に示すように、後端部４ａを中心として矢印Ａの方向（上方）に回動自在に構成される。

　サブフレーム２５は、左右一対のフレームによって構成される。サブフレーム２５を構成する左右のフレームは、互いに対して車幅方向に広がるようにヘッドパイプ２０から下方に延設されるとともに、途中から後方に向かって湾曲し、メインフレーム２１を構成する左右のフレームにそれぞれ接続される。

　サブフレーム２５は、前輪ＦＷと後輪ＲＷとの間において、バッテリ収納装置３０を支持する。バッテリ収納装置３０は、可搬式のバッテリ１１を挿脱自在に収納するとともに、収納されたバッテリ１１の端子と車両側端子３２とを着脱可能に接続するための着脱機構を有する。本実施形態の場合、バッテリ収納装置３０は、矢印Ａの方向にシート４を回動させた状態（シート４を開けた状態）で車両１の上方から可搬式のバッテリ１１を挿脱することができるように配置される。なお、バッテリ収納装置３０の具体的な構成については後述する。

　可搬式のバッテリ１１は、例えばリチウムイオンバッテリであり、インホイールモータ５に電力を供給するための蓄電装置である。図３は、可搬式のバッテリ１１の斜視図であり、図３における各矢印Ｄ１～Ｄ３は車載時の方向を示している。バッテリ１１は、全体として直方体形状を有しており、その内部には複数のバッテリセルが収容される。バッテリ１１の上部には、ハンドル１１ａ（把持部）が設けられている。バッテリ１１の交換を行う作業者は、例えば、ハンドル１１ａを把持し、ハンドル１１ａの側を上、反対側を下にしてバッテリ１１を持ち運ぶことができる。また、作業者は、バッテリ１１を車両１のバッテリ収納装置３０に収納する際には、図２に示すように、矢印Ａの方向にシート４を回動させた状態で、ハンドル１１ａの側を上にしてバッテリ１１を車両１の上方からバッテリ収納装置３０に挿入することができる。

　バッテリ１１におけるハンドル１１ａと反対側の端部（下部）には、バッテリ収納装置３０の着脱機構により車体側端子３１に接続されて電力を出力する端子が設けられている。本実施形態の場合、バッテリ１１はハンドル１１ａの側を上にしてバッテリ収納装置３０に収納されるため、バッテリ収納装置３０にバッテリ１１を収納した状態では、端子はバッテリ１１の下端に位置する。

　また、サブフレーム２５は、前輪ＦＷと後輪ＲＷとの間において、バッテリ１２、レギュレータ１３、および制御装置１４を支持する。バッテリ１２は、バッテリ収納装置３０に収容されるバッテリ１１よりも低出力電圧・小容量のバッテリであり、例えば、１２Ｖの鉛バッテリである。バッテリ１２は、制御装置１４の電気回路や車両１の電装品に電力を供給するための蓄電装置である。

　レギュレータ１３は、ケーブル３３（高圧線）を介して車両側端子３２に接続され、バッテリ収納装置３０に収納されたバッテリ１１の出力電圧を、インホイールモータ５の駆動に適した所定の電圧に維持する電気回路ユニットである。レギュレータ１３は、例えば、バッテリ１１の出力電圧を所定の電圧に降圧するダウンレギュレータである。レギュレータ１３はバッテリ１１に内蔵されてもよいが、本実施形態のようにバッテリ１１とレギュレータ１３とを別にすることで、汎用性の高いバッテリ１１を用いつつ、車両１に必要な電圧に合わせてレギュレータ１３を設計することができる。

　制御装置１４（ＰＣＵ）は、インホイールモータ５の駆動回路を含み、レギュレータ１３を介してバッテリ１１から出力される電力をインホイールモータ５に供給する制御を行うパワーコントロールユニットである。制御装置１４は、例えば、グリップ９に対するライダのアクセル操作に応じて、インホイールモータ５に供給する電力を制御する。インホイールモータ５が交流モータである場合、駆動回路はインバータを含みうる。

　本実施形態の場合、制御装置１４は、図１に示すように、車両前後方向においてバッテリ収納装置３０（バッテリ１１）と電動モータ（インホイールモータ５）との間に配置される。つまり、本実施形態の車両１では、バッテリ収納装置３０（バッテリ１１）、制御装置１４、電動モータ（インホイールモータ５）の順で車両前方から配置される。このような配置により、バッテリ１１の端子に接続された車両側端子３２と制御装置１４と電動モータ（インホイールモータ５）との間におけるケーブル３３（高圧線）を効率よく配策することができるため、ケーブル長を削減して車両１のコストを低減することができる。

　次に、バッテリ収納装置３０の具体的な構成について説明する。図４～図６は、本実施形態のバッテリ収納装置３０を示す図である。図４は、バッテリ１１が収納されたバッテリ収納装置３０の斜視図を示し、図５は、バッテリ１１の端子と車両側端子３２とを接続していない状態におけるバッテリ収納装置３０を車両前方から見た図であり、図６は、バッテリ１１の端子と車両側端子３１とを接続した状態におけるバッテリ収納装置３０を車両前方から見た図である。なお、図４～図６では、バッテリ収納装置３０以外の車両１の構成の図示を省略している。

　バッテリ収納装置３０は、例えば、バッテリ１１を保持する保持フレーム３１と、ケーブル３３を介してレギュレータ１３に電気的に接続された車両側端子３２と、バッテリ１１の端子と車体端子３２とを着脱可能に接続する着脱機構とを含む。また、バッテリ収納装置３０は、車両１の軽量化を図るため、図１～図２に示すように、樹脂等のカバーで覆われることなく外部に露出している。

　保持フレーム３１は、車両１に挿入（搭載）されたバッテリ１１を保持する。本実施形態の保持フレーム３１は、第１フレーム３１ａ、第２フレーム３１ｂおよび第３フレーム３１ｃを含む。第１フレーム３１ａは、車両上下方向に延設された部材であり、固定部材３１ｄを介して車体フレーム２に固定されている。第１フレーム３１ａは、バッテリ１１の車両前後方向側にそれぞれ配置され、前後一対の第１フレーム３１ａの下端部には、バッテリ１１が載置される載置部材３４が接続されている。第２フレーム３１ｂは、バッテリ１１を囲うようにバッテリ１１の周方向に延設された部材であり、第１フレーム３１ａの上端部に固定されている。また、第３フレーム３１ｃは、第２フレーム３１ｂより下方においてバッテリ１１を囲うようにバッテリ１１の周方向に延設された部材である。本実施形態の場合、第３フレーム３１ｃは、車両上下方向の位置が互いに異なる左右一対のフレーム３１ｃ_１、３１ｃ_２で構成され、右側のフレーム３１ｃ_１は第１フレーム３１ａに固定され、左側のフレーム３１ｃ_２は固定部材３１ｄに固定されている。

　車両側端子３２は、例えば、バッテリ１１の端子に篏合接続可能な複数の端子ピンを有しており、バッテリ１１の端子から出力された電力をケーブル３３を介してレギュレータ１３に供給するように構成される。本実施形態の車両側端子３２は、車両上下方向に移動可能な支持部材３５によって支持されている。支持部材３５は、バッテリ１１の下方において車両前後方向に延設された第１部分３５ａと、第１部分３５ａの端部から上方に延びた第２部分３５ｂとを有する。第２部分３５ｂは、車両前後方向における第１部分３５ａの両端部にそれぞれ設けられ、車両上下方向に移動可能（摺動可能）に第３フレーム３１ｃ_１に取り付けられている。

　着脱機構は、操作レバー３６および延設部材３７を有する。
　操作レバー３６は、延設部材３７を介してバッテリ１１の端子と車両側端子３２との着脱を操作するための部材であり、把持部３６ａおよびＬ字状部材３６ｂを有する。把持部３６ａは、作業者によって把持される部材であり、車両前後方向に延設される。Ｌ字状部材３６ｂは、車両前後方向における把持部３６ａの両端部にそれぞれ接続される。Ｌ字状部材３６ｂは、把持部３６ａの端部から延びる第１部分３６ｂ１と、第１部分３６ｂ１の延伸方向と略垂直な方向に屈曲して延びる第２部分３６ｂ２とを有する略Ｌ字状の部材である。Ｌ字状部材３６ｂは、第２部分３６ｂ２の略中間位置で、第１フレーム３１ａの上端に設けられた支持ステー３８によって回動自在に支持される。

　延設部材３７は、バッテリ１１の側面に沿って車両上下方向に延びる部材であり、操作レバー３６の操作にリンクして支持部材３５を車両上下方向に移動させるためのリンクプレートである。延設部材３７は、バッテリ１１の車両前後方向側にそれぞれ設けられる。延設部材３７の上端部は、操作レバー３７におけるＬ字状部材３６ｂの端部（具体的には、把持部３６ａとは反対側のＬ字状部材３６ｂの端部）に回動可能に取り付けられ、延設部材３７の下端部は、支持部材３５の第２部材３５ｂの端部に回動自在に取り付けられる。

　次に、バッテリ収納装置３０へのバッテリ１１の収納について、図５～図６を参照しながら説明する。バッテリ１１は、図５に示すように、操作レバー３６が倒された状態でバッテリ収納装置３０に挿入される。操作レバー３６（把持部３６ａ）が倒された状態では、操作レバー３６のＬ字状部材３６ｂと延設部材３７との取付部３７ａはＬ字状部材３６ｂの回動軸ＲＡより下方に位置し、バッテリ収納装置３０に挿入されたバッテリ１１と支持部材３５により支持された車両側端子３２とが車両上下方向に離間されている。このような状態でバッテリ１１を挿入することで、バッテリ１１の挿入時にバッテリ１１と車両側端子３２とが衝突することを防止することができる。一方、バッテリ１１がバッテリ収納装置３０に挿入されると、図６に示すように、作業者は、矢印Ｂの方向に操作レバー３６（把持部３６ａ）を持ち上げる。このとき、操作レバー３６のＬ字状部材３６ｂと延設部材３７との取付部３７ａがＬ字状部材３６ｂの回動軸ＲＡより上方に移動し、それに伴って支持部材３５も上方に移動する。これにより、バッテリ１１の端子と車両側端子３２とを接続することができる。

　ここで、本実施形態の車両１では、バッテリ１１が収納されるバッテリ収納装置３０を露出させた構成としている。このような構成では、例えば、車両１の外部から飛んできた石やライダの足がバッテリ収納装置３０に衝突したり、車両１が転倒したりするなど、車両１の外部からの衝撃がバッテリ収納装置３０（特に延設部材３７）に加わることがある。この場合においてバッテリ収納装置３０が変形すると、バッテリ１１の端子と車両側端子３２との接続に不具合が生じたり、車両１へのバッテリ１１の挿脱が困難になったりしうる。また、バッテリ１１自体に衝撃が加わる場合にはバッテリを交換すればよいが、バッテリ収納装置３０が変形してしまうと、その修理期間において車両１を使用することができなくなる。そのため、本実施形態の車両１は、上述したように、バッテリ収納装置３０の延設部材３７がバッテリ１１の車両前後方向側に配置されるように構成される。これにより、バッテリ収納装置３０における車両外部からの衝撃の影響を低減することが可能となる。また、バッテリ収納装置３０が樹脂等のカバーによって覆われた場合であっても、バッテリ収納装置３０の変形をより抑制させることができる。

　また、バッテリ１１は、ハンドル１１ａ側から見た平面視において長方形に構成されうる。この場合において、バッテリ収納装置３０は、車両１の上方から見た平面視において、バッテリ１１の長手方向が車両前後方向になるように構成（配置）されるとよい。つまり、図３～図４に示すように、バッテリ収納装置３０に収納されたバッテリ１１において車幅方向の幅Ｗ２より車両前後方向の幅Ｗ１の方が長くなるように、バッテリ収納装置３０が構成されるとよい。これにより、車両１の車幅を狭くすることができるため、ライダの足回りの空間をより広く構成し、ライダの足つき性を向上することが可能となる。

　＜第２実施形態＞
　本発明に係る第２実施形態について説明する。本実施形態では、複数のバッテリ１１を搭載可能な鞍乗型車両１’について、図７～図８を参照しながら説明する。図７は、本実施形態の鞍乗型車両１’（以下では、単に車両１’と呼ぶことがある）の左側面図である。図８は、２個のバッテリ収納装置３０ａ、３０ａ（２個のバッテリ１１）の配置を示す図であり、車両１’から樹脂等のカバー１０を取り外した状態を示している。

　本実施形態の車両１’は、複数（２個）のバッテリ１１を車両前後方向に配列させて搭載可能に構成される。つまり、車両１’は、車両前後方向に配列された複数（２個）のバッテリ収納装置３０ａ、３０ｂを有する。各バッテリ収納装置３０ａ、３０ｂの構成は、第１実施形態で説明したとおりである。なお、本実施形態の車両１’は、インホイールモータではなく、電動モータ５ａが後輪ＲＷのホイールの外側に配置されているが、その他の構成については、第１実施形態の車両１と基本的に同じであるため説明を省略する。

　車両前後方向に配置された２個のバッテリ収納装置３０ａ、３０ｂのうち、車両後方に位置するバッテリ収納装置３０ａは、図７に示すように、シート４の下方に配置されており、車両１’の軽量化および小型化のために樹脂等のカバー１０に覆われずに露出している。したがって、後方のバッテリ収納装置３０ａは、図８に示すように、第１実施形態で説明したバッテリ収納装置３０と同様に、延設部材３７がバッテリ１１の車両前後方向側に配置されるように構成される。これにより、後方のバッテリ収納装置３０ａにおける車両外部からの衝撃の影響を低減するとともに、ライダの足回りの空間をより広く構成し、ライダの足つき性を向上することが可能となる。

　一方、車両前方に位置するバッテリ収納装置３０ｂは、図７に示すように、車両前後方向におけるハンドルバー８とシート４との間に配置されており、樹脂等のカバー１０によって覆われている。したがって、前方のバッテリ収納装置３０ｂは、車両外部からの影響が比較的小さいため、図８に示すように、延設部材３７がバッテリ１１の車幅方向側に配置されるように構成されうる。この場合において、後方のバッテリ収納装置３０ａと同じ構成を前方のバッテリ収納装置３０ｂに適用すると、前方のバッテリ収納装置３０ｂは、車両１の上方から見た平面視において、バッテリ１１の長手方向が車幅方向になるように構成（配置）される。これにより、後方のバッテリ収納装置３０ｂをより前方に配置することができるため、ライダの足回りの空間をより広く構成し、ライダの足つき性を向上することができる。

　＜実施形態のまとめ＞
　上記実施形態は、少なくとも以下のバッテリ収納装置または電動車両を開示する。

　１．上記実施形態のバッテリ収納装置は、
　電動車両（１、１‘）のバッテリ収納装置（３０）であって、
　バッテリ（１１）の下部に設けられた端子に着脱可能に接続する車両側端子（３２）と、
　前記車両側端子を支持する支持部材（３５）と、
　前記支持部材に接続され、前記バッテリの側面に沿って車両上下方向に延びる延設部材（３７）と、
　前記延設部材を介して車両上下方向に前記支持部材を移動させて、前記バッテリの前記端子と前記車両側端子との着脱を操作するための操作レバー（３６）と、
　を含み、
　前記延設部材は、前記バッテリの車両前後方向側に設けられている。
　この実施形態によれば、電動車両の外部から飛んできた石やライダの足が衝突したり、電動車両が転倒したりするなど、電動車両に外部からの衝撃が加わったとしても、延設部材が変形することによるバッテリの端子と車両側端子との接続に不具合が生じたり電動車両へのバッテリの挿脱が困難になったりといった車両外部からの衝撃の影響を低減することが可能となる。

　２．上記実施形態では、
　前記バッテリ収納装置は、前記電動車両の上方から見た平面視において、前記バッテリの長手方向が車両前後方向になるように前記電動車両に設けられている。
　この実施形態によれば、電動車両の車幅を狭くすることができるため、ライダの足回りの空間をより広く構成し、ライダの足つき性を向上することが可能となる。

　３．上記実施形態では、
　前記電動車両は、開閉可能に構成された、ライダが着席するシート（４）を含み、
　前記バッテリ収納装置は、前記シートを開けた状態で前記電動車両の上方からバッテリが挿脱されるように配置されている。
　この実施形態によれば、電動車両へのバッテリの挿脱を容易に行うことが可能となる。

　４．上記実施形態の電動車両は、
　上記実施形態のバッテリ収納装置（３０）と、
　前記バッテリ収納装置に収納されたバッテリ（１１）からの電力で駆動する電動モータ（５、５ａ）と、
　前記電動モータの駆動を制御する制御装置（１４）と、を含み、
　前記制御装置は、車両前後方向において、前記バッテリ収納装置と前記電動モータとの間に配置されている。
　この実施形態によれば、バッテリの端子に接続された車両側端子（３２）と制御装置（１４）と電動モータ（５、５ａ）との間における高圧線（ケーブル３３）を効率よく配策することができるため、ケーブル長を削減して車両のコストを低減することができる。

　５．上記実施形態では、前記電動車両は、
　前記車両側端子と前記支持部材と前記延設部材と前記操作レバーとを含む第２バッテリ収納装置（３０ｂ）を更に含み、
　前記第２バッテリ収納装置の前記延設部材は、前記第２バッテリ収納装置に収納されたバッテリの車幅方向側に設けられている。
　この実施形態によれば、２つのバッテリ収納装置をより前方に配置することができるため、ライダの足回りの空間をより広く構成し、ライダの足つき性を向上することができる。

　６．上記実施形態では、前記電動車両において、
　前記第２バッテリ収納装置は、前記バッテリ収納装置より車両前方に配置されている。
　この実施形態によれば、後方のバッテリ収納装置をより前方に配置することができるため、ライダの足回りの空間をより広く構成することができる。

　本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。

１：電動車両、２：車体フレーム、４：シート、１１：バッテリ、３０：バッテリ収納装置、３２：車両側端子、３５：支持部材、３７：延設部材

Claims

　電動車両のバッテリ収納装置であって、
　バッテリの下部に設けられた端子に着脱可能に接続する車両側端子と、
　前記車両側端子を支持する支持部材と、
　前記支持部材に接続され、前記バッテリの側面に沿って車両上下方向に延びる延設部材と、
　前記延設部材を介して車両上下方向に前記支持部材を移動させて、前記バッテリの前記端子と前記車両側端子との着脱を操作するための操作レバーと、
　を含み、
　前記延設部材は、前記バッテリの車両前後方向側に設けられている、ことを特徴とするバッテリ収納装置。
　前記バッテリ収納装置は、前記電動車両の上方から見た平面視において、前記バッテリの長手方向が車両前後方向になるように前記電動車両に設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載のバッテリ収納装置。
　前記電動車両は、開閉可能に構成された、ライダが着席するシートを含み、
　前記バッテリ収納装置は、前記シートを開けた状態で前記電動車両の上方からバッテリが挿脱されるように配置されている、ことを特徴とする請求項１又は２に記載のバッテリ収納装置。
　請求項１乃至３のいずれか１項に記載のバッテリ収納装置と、
　前記バッテリ収納装置に収納されたバッテリからの電力で駆動する電動モータと、
　前記電動モータの駆動を制御する制御装置と、を含み、
　前記制御装置は、車両前後方向において、前記バッテリ収納装置と前記電動モータとの間に配置されている、ことを特徴とする電動車両。
　前記車両側端子と前記支持部材と前記延設部材と前記操作レバーとを含む第２バッテリ収納装置を更に含み、
　前記第２バッテリ収納装置の前記延設部材は、前記第２バッテリ収納装置に収納されたバッテリの車幅方向側に設けられている、ことを特徴とする請求項４に記載の電動車両。
　前記第２バッテリ収納装置は、前記バッテリ収納装置より車両前方に配置されている、ことを特徴とする請求項５に記載の電動車両。