JP5538723B2 - 泡を含まない方法で溶融ガラスを輸送、均質化およびコンディショニングするための方法および装置 - Google Patents

泡を含まない方法で溶融ガラスを輸送、均質化およびコンディショニングするための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス溶融体またはガラスセラミック溶融体を輸送、均質化またはコンディショニングするための装置および方法に関する。
ガラス、特に光学ガラスの品質にとって、気体包有物、または気泡および変色が存在しないことが、電磁放射が歪むことなく透過するのに極めて重要である。ガラスの品質は、さらに、均質性および筋が存在しないことによって実質的に判定される。ヒ素またはアンチモンなどのガラス中の毒物、または環境もしくは健康の観点から少なくとも問題のあるものは、できる限り低減されるまたは回避されるべきである。
特にガラス産業における生産および製造分野において、白金族に由来する貴金属、これらの合金、ならびに溶融シリカまたは耐熱性セラミックから作られた、槽、ルツボ、容器、輸送手段および道具が、溶融体を取り扱うのに使用される。
このことの一例は、フィーダチャネルであり、フィーダチャネルは、溶融装置または精錬装置から加工装置へガラス溶融体を輸送するために、ならびにコンディショニングのために、すなわち、溶融および精錬工程が完了し、ガラスを所望の成形温度にしなければならない場合に、一般に必要である。
現在、例えば、ガラス製造時の部品用にイリジウムまたはイリジウム合金が使用されるのは、この部品の腐食によるいかなる汚染物も、ガラスに到達してはならない場合(DE1906717)、または、例えばガラス溶融炉において、特に1600℃を超える高温でイリジウムまたはイリジウムベースの合金の、優れた機械的および熱機械的特性を必要とする場合(JP02−022132)である。
ガラス生産における第1工程ステップは、溶融ルツボにおいて前駆体物質を溶融することである。最高の均質性および泡を含まないことを達成するために、ガラス溶融体を完全に混合し、脱ガスする必要がある。したがって、溶融後、一般にガラス溶融体の精錬および均質化が行われる。精錬の基本的な目標は、溶融体から溶融体に物理的および化学的に結合されている気体を除去することである。
精錬後、ガラス溶融体は理想的には泡を含まない。ガラス溶融体をさらなる加工ステップへ輸送する間、望ましくないガラスの品質低下を避けるために、ガラス中の新しい泡包有物、または泡の新たな形成を回避しなければならない。
壁材料としてまたは輸送装置の溶融体接触材料として石英またはセラミックを使用すると、ガラス溶融体中におよび最終的にはガラスの最終製品中に、泡および/または筋が形成されることが知られている。筋は、偏向した光学的数値を有するガラスの不均質から一般に生じる。しかし筋の発生は、溶融体に接触している部品を作るまたは少なくともライニングするために白金または白金合金などの金属を使用することにより、回避することができる。
しかし、白金は高価である。また、白金または白金合金で作られた部品は、ガラス溶融体の腐食性により、少量の白金または別の合金成分が溶融体中に導入され、次いで、イオン状態でおよびガラス最終製品中の微細な分散体の状態で存在しうるという欠点を有する。ガラス最終製品における濃度および粒径に応じて、元素状またはイオン性の白金が溶融体に導入されると、望ましくない着色および電磁放射の可視域における透過率の減少を生じる。
泡、特に酸素の泡の形成が、白金と溶融体との接触面において生じることが、さらに知られている。したがって、ガラスが実際に精錬された後、既に精錬されているガラス溶融体中で泡の新たな形成、したがって望ましくない泡の新たな包有物が生じる。
ガラス溶融体における、より正確には、ガラス溶融体と白金壁との界面における泡の新たな形成の可能性のある説明は、以下の方法に基づく。ガラス溶融体に行き渡っている温度において、水は、成分である水素および酸素に解離し、その結果、溶融体中で原子または分子の形で存在する。ガラス溶融体の中心部において、水の成分への解離と逆反応との間の平衡が存在する。他方で、溶融体が白金からなる壁と接触している領域において、水素は、白金を通り抜けて、壁の、溶融体に面していない側に拡散することが可能であるのに対し、酸素は溶融体中に留まる。白金部品の外側の水素含有量が内側の含有量を下回る場合は、水素は白金部品を通り抜けて外側へ絶えず拡散し続け、その結果、水の解離の平衡状態はもはや存在することができない。その結果、酸素富化が、白金部品の溶融体に面している側で生じる。ガラス溶融体の酸素の溶解限度を超えると、酸素の泡が白金上で生じる。この新たな泡の形成は、酸素リボイルと呼ばれる。ガラス溶融体中で生じる酸素泡は、最終的にガラスの最終製品に到達することができ、これによりガラスの収量および品質が相当に低下させられ、これは光学ガラスまたは表示ガラスにとって、とりわけ耐え難いことである。1つの説明の別の方法は、ガラス溶融体中に存在する水に対する、白金の触媒効果を仮定することから始まる。白金の触媒効果は、白金が働く成分への水の解離に基づく。
中でも、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスおよびガラスセラミックは、これに影響される。ホウケイ酸塩ガラスの中では、薬学、工学および化学にとって重要な中性ガラス、ならびに中性ガラスの群に属さないその他の多くのガラスも、泡を形成する特別に強い傾向を有する。アルミノケイ酸塩ガラスにおいては、ディスプレイ用途に適した、および大きな熱応力を受けるランプに使用されているガラスが、特に影響される。さらに、多価イオンを十分な高濃度で含有していない、および十分に精錬されていないガラスはすべて、白金表面上で酸素泡を形成する傾向がある。
対抗措置を講じて酸素リボイルを抑制しようとする試みは、既にこれまで行われてきた。
精錬槽において、貴金属で作られた中空体上で水の分解を故意に行う方法は、DE10231847に記載されている。水の分解は、電位を掛けることにより、または管の温度を調節することにより、制御しうる。水素は、管を通って外部へ運ばれる。ガラス中の残存酸素は、泡として上昇する。しかし、この方法は、費用の掛かることがわかっている。
DE19955827には、ガラス溶融体と貴金属との接触表面における酸素泡の形成を抑制するための方法が記載されており、そこでは、貴金属部品は、貴金属部品から一定距離離れて配置された電極に電気的に接続され、電位降下が生じている。ガラス溶融体と比較して十分大きな負の電位差が、貴金属で維持されている場合、水の分解および水素の拡散後に残された酸素は、イオン化される。この酸素イオンは、流体のガラスに無制限に溶解し、いかなる酸素泡も形成しない。この方法は、設定される電位差が、ガラスおよび貴金属の両方の組成に非常に強く依存し、したがって、調製することが困難であるという欠点を有する。さらに、電極の腐食により、不純物がガラス中に導入され、ガラス特性の変化を引き起こしうる。
DE10141585には、ガラス溶融体を誘導するための二重ジャケット管が記載されており、そこでは、内管および内管と外管との間の空洞が、ガラス溶融体で満たされている。水の分解は、貴金属−ガラス界面において生じるが、貴金属の内管の両側で、等しい水素分圧が行き渡っている限り、2つの管の壁の間にあるガラス溶融体が、内管から水素が拡散するのを防止する。しかし、この方法は、建設面から見て実行するのに費用の掛かることがわかっている。
白金における泡の形成を回避するためのさらなる方法が、文書DE10032596に記載されている。この場合、ガラス誘導チャネルは、2つの相互貫入管により構成される。例えば、石英のシームレス管が、ガラスと接触するために使用される。外管(これを用いて電気加熱によってチャネルの加熱が行われる)は、貴金属からなる。ガラス溶融体は、シームレス管によって貴金属管から隔てられている。このシステムの欠点は、温度制御に関してシステムの慣性が大きいことにある。
WO02/44115には、部品の、溶融体に面していない側に、HまたはHおよびOに対して不浸透性の被覆を行うことにより、白金金属上の酸素泡の形成を避ける方法が記載されている。ガラスまたはガラス混合物は、可能性のある被覆として述べられている。この被覆は、拡散障壁として役立ち、酸素泡の形成を防止することが意図されている。この方法の欠点は、層が有する適切な機能を得るためには、前述の被覆の塗布が非常に高価であり、被覆は亀裂を有してはならず、設置する間、部品の取り扱いは、いかなる欠陥も生じないように非常に注意深く行わなければならないことである。操作中に層が損傷すると、保護システムを故障させる。
リボイル泡を避けるための別の方法は、DE10003948に示されている。ガラス溶融体の酸素リボイルの傾向は、ガラス溶融体が、均質化およびコンディショニングの前に1700℃を超える温度に昇温される場合、および加えて、ガラス溶融体が、バナジウム、セリウム、亜鉛、チタン、鉄、モリブデンまたはユウロピウムなどの多原子価イオンを含有する場合に、低下することが示されている。この方法は、この方法が一定のガラスに対して適用できるのみであり、精錬の間により高温にすることは、装置に高い費用を掛けることにより達成できるのみであるという欠点を有する。
酸素泡の形成を回避するための別の方法は、ガラスに面していない側を、故意に水素富化することである。これは、米国特許第5785726号に記載のごとく、部品表面上に水を垂らすことにより、または部品表面に水素含有ガスを吹きかけることにより、達成することができる。その方法においては、水素拡散の原動力は抑制されると考えられる。しかし、一般に、このプロセスウインドウは非常に狭く、水の分解は、ガラス組成、温度およびガラスに面していない白金部品の側の環境条件に依存する。ガラス−白金界面における水素含有量が、部品の、ガラスに面していない側の水素含有量を下回る場合は、水素はガラス溶融体中に拡散し、水素による泡が形成されうるか、または水素とガラスの成分との反応が生じうる。このことは、生産の中断を含め、生産の中断に至るガラス品質の低下をもたらしうる。別の問題は、アンチモン、ヒ素、鉛、スズ、バナジウム、テルル、鉄など、水素により還元されたガラス成分を有する局所合金の形成が、貴金属表面で生じうることである。このために、貴金属の安定性の機械的または熱機械的低下、あるいは腐食が強力な場合、材料構造の完全な破壊が生じる。その結果、部品の耐用年数がより短縮され、したがって、これに対応してコストの高い早期の修理が必要となる。部品の温度分布が不均一な場合、より冷たいおよびより暖かい領域に対して、異なるプロセスウインドウをもたらすことができ、その結果、部品の外部において異なる雰囲気が必要である。このプロセスを制御することはできるが、それには必ず大きな困難を伴うことが、実際上、明らかにされている。白金部品の、ガラスに面していない側で、画定された水素含有雰囲気を調節しているにも拘わらず、酸素泡の形成は依然として、普通に観察することができる。
DE1906717 JP02−022132 DE10231847 DE19955827 DE10141585 DE10032596 WO02/44115 DE10003948 米国特許第5785726号 WO2004/007782A1号 JP08116152 米国特許第3970450A1号 米国特許第4253872A1号 米国特許第5080862A1号 EP732416B1 DE3301831A1 米国特許第6071470A1号 米国特許第3918965A1号 米国特許第6511632B1号
したがって、公知の方法は、ガラス組成の、したがって製品特性の変化をもたらし、その結果、限定された範囲でのみ適用されるか、または、技術的に精密化され、監視および制御されなければならず、それに対応して高価である。制御および調節が不調の場合、製造損失が生じる。
これを背景にして、本発明は、好ましくは無機溶融体、特にガラスまたはガラスセラミック溶融体を、輸送、均質化および/またはコンディショニングするための、従来技術の上述の欠点を回避する方法および装置を提供するという問題を提起した。
特に、この方法および装置は、光学ガラスおよび/または表示ガラスを輸送、均質化および/またはコンディショニングするのに適していなければならない。
特に、これは、精錬後に、ガラス溶融体中で泡、特に酸素の泡が新たに形成されることを防止する、またはガラス溶融体中の新たに形成される泡の量を少なくとも最小限に減少させる目的を含む。
加えて、これを実施するための方法および装置は、柔軟に、すなわち、異なる種類のガラス溶融体または最も重要には、溶融体の粘度、温度および/または腐食性に関して、異なる特性のガラス溶融体に適用されなければならない。
これを実施するための方法および装置は、さらに、使用するのに経済的に合理的で、かつ経済的でなければならない。
この問題は、請求項1のプレアンブルに従う輸送、均質化および/またはコンディショニングのための方法により、およびこの方法を実施するための請求項30のプレアンブルに従う装置により、驚くほど簡単に解決される。有利な実施形態は、それぞれの従属請求項の主題である。
第1の実施形態において、本発明は、無機溶融体、特にガラス溶融体および/またはガラスセラミック溶融体を、輸送、均質化および/またはコンディショニングするための方法を含む。この方法は、イリジウムを含む拡散障壁層を備えた輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置の少なくとも1つの壁または壁の部分を用いて、この輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置における溶融体の滞留時間が、溶融体の酸素分圧が1バール未満の値を有するように調節されることを特徴とする。これは、拡散障壁層が、白金または白金合金などの従来の壁材料と比較して、壁を通り抜ける水素の拡散を少なくとも低下させることにより達成される。
これに関する滞留時間は、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置におけるガラス溶融体の個々の滞留時間である。この滞留時間は、とりわけ溶融体の流速によって調節および/または制御しうる。酸素分圧は、酸素がガラス溶融体に存在している濃度を示す。
この方法は、溶融体と、材料としてイリジウムを含む輸送装置、均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁との接触表面において、精錬後に泡が新たに形成されることが少なくとも低減されるか、または完全に回避されさえすることを、有利には特徴とする。
特に、輸送装置、均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁を通り抜ける水素の拡散は、拡散障壁層により少なくとも低減されるかまたは抑制されさえする。本願の意味における拡散障壁層は、拡散障壁層の一方の側、より特別には溶融体に面している側から、拡散障壁層の他方の側、より特別には溶融体に面していない側への、気体、好ましくは水素、の拡散に対する障害物である。
好ましい実施形態において、拡散障壁層の溶融体に面している側には、少なくとも一定区域において溶融体接触表面が備わっている。この場合、拡散障壁層は、壁の溶融体接触を構成する層、または壁の溶融体接触層を形成する。したがって、この溶融体は、泡の新たな形成を防止するための媒質と接触させられ、溶融体接触表面の少なくとも1つの区域は、イリジウムを含む材料として提供される。
好ましい実施形態において、拡散障壁層は、少なくとも溶融体接触層の領域において、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁の部品として提供される。この装置は、少なくとも溶融体接触層の領域において、イリジウムを含む材料を有する壁を有する。有利には特に単純な精錬において、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁は、イリジウムからなる。
溶融体接触層は、少なくとも1つの溶融体接触表面を有し、その表面上の少なくともいくつかの区域で溶融体に触れる(touching)、または接触する(contacting)界面層として理解される。本願の意味における壁、ならびに前述の輸送、均質化および/またはコンディショニング装置は、対応する容器、槽または管類のみならず、溶融体に接触しているまたは少なくとも溶融体接触表面を有する対応する部品、例えば、撹拌機の部品、チャネル、フィーダ、ニードル、ノズル、ツイール(tweel)、素地面測定器または撹拌機なども含む。
貴金属として、イリジウムまたはイリジウム合金は、白金または白金合金の場合よりも相当に大きな、ガラス溶融体に対する化学的耐久性を有する。加えて、イリジウムまたはその合金の耐熱応力性は、白金または白金合金の場合よりも相当に大きい。イリジウム部品は、ガラス溶融体と接触した状態で約2200℃の温度まで加熱することができる。これらの高温においてさえ、ガラス溶融体のこの金属への攻撃は、有利にも極めて低い。
イリジウムまたはイリジウム合金の、例えば、白金または白金合金と比較した、耐高温応力性は、本発明による輸送、均質化および/またはコンディショニング装置において、最も重要である。本発明による方法の操作は、約700℃からほぼ1700℃、好ましくは1100℃からほぼ1700℃の溶融体における温度で行われる。好ましい実施形態において、操作は、ほぼ1300℃からほぼ1500℃の温度において行われる。
さらに、ガラスに溶解したイリジウムは、可視域において実質的な着色作用を有せず、したがって、実質的に変色したガラスを生じることは全くない。このことは、イリジウムを含む拡散障壁層が、溶融体が面している側の上部に、溶融体接触表面を有する実施形態において、特に有利である。
加えて、実施した実験は、PtIr1(99wt%Pt、1wt%Ir)ルツボ中で1480℃の温度で1時間定温放置されたガラス中で、9ppmの白金を含む検出可能な包有物を示すにもかかわらず、ガラス中ではイリジウムは全く検出されなかった。同一条件下においてイリジウムルツボ内で定温放置された溶融体において、0.3ppmの白金の傍らに4ppmのイリジウムが検出された。イリジウムは、WO2004/007782A1に記載の明細書に対応する。この結果は、イリジウムが溶融体接触材料としてまたはルツボの溶融体接触表面中で使用される場合、ルツボの壁からの材料の剥削は非常に小さく、したがって、より少量の金属成分および金属イオンが最終製品、つまりガラス中で検出されることを証明する。その結果、イリジウムルツボの耐用年数は、有利にはより長くなる。さらに、発明者らは、一方で、ガラス溶融体中の筋の形成は、イリジウムまたはイリジウム合金を材料として有する表面においては、かなり低減することができるか、または完全に回避することさえできることを認めた。他方で、発明者らは、白金または大量に白金を含有する合金を有する表面とは異なり、イリジウムまたはイリジウム合金を材料として有する表面においては、酸素泡の形成がかなり低減されるか、または完全に抑制されることさえ発見した。
溶融体は、好ましくは精錬の後で、例えば槽、チャネルまたは容器として提供されうる、対応する輸送、均質化および/またはコンディショニング装置を通って流れる。従来の白金壁または白金合金壁における泡の新たな形成は、白金壁の、溶融体に面していない側の上に配置されたイリジウム含有拡散障壁層を用いて、低減されるかまたは完全に抑制されさえする。
発明者らは、拡散障壁層が、重量でほぼ10%からほぼ100%の、好ましくはほぼ30%から100%の、特に好ましくはほぼ50%から100%のイリジウム含有量を備えている場合、泡の形成は、効果的に低減させうることを認識した。
イリジウム含有量が、重量でほぼ98%からほぼ100%未満の含有量に相当する場合、イリジウム合金が存在する。したがって、少なくとも、白金、ロジウム、金、イットリウム、ルテニウム、パラジウム、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、タンタル、ハフニウム、チタン、ランタン、モリブデン、レニウム、アルミニウム、および/またはケイ素または前述の材料、特に前述の材料の少なくとも2つ、の組合せが、拡散障壁または拡散障壁層を形成する層の追加材料として提供される。
理論にはとらわれないが、イリジウムと白金の差は、イリジウムは、密度が高いために、溶融体に存在する水素に対して、拡散低減効果または拡散禁止効果さえ有するという事実に基づくと考えられる。したがって、イリジウムは水素の拡散に対する障壁となる。水の各成分への解離および対応する逆反応は、したがって、壁の領域で平衡状態で存在する。酸素は富化されえず、したがって泡は発生することができない。この点に関する詳細な記述は、例示的な実施形態で示される。ガラス溶融体に存在する水に対する白金の触媒効果を前提とした場合、イリジウムが、この触媒効果を有することはできなかったであろう。
一実施形態において、拡散障壁層は、拡散障壁層の溶融体に面している側から、拡散障壁層の溶融体に面していない側の方向に徐々に減少するイリジウム含有量を有するように、提供される。溶融体に面していない側は、壁の外側に向かっているかまたは溶融体と接触する表面を有していない壁の側または領域である。イリジウムの含有量は、したがって、拡散障壁層の内部で均一に分布されておらず、溶融体接触表面に垂直な、拡散障壁層の溶融体に面している側から、溶融体に面していない拡散障壁層の側の方向に少しずつ減少する。イリジウム含有量は、一様にまたは段階的に減少することができる。イリジウム含有量を変化させて、好ましくは溶融体に関する化学的耐久性と、特に水素ガスに関する拡散特性とを目標通り調節することができる。
同様に、イリジウム含有量が徐々に減少している層は、イリジウムが、拡散障壁層の溶融体に面している側において、重量でほぼ10%からほぼ100%の、好ましくはほぼ30%からほぼ100%の、特に好ましくはほぼ50%からほぼ100%の含有量で与えられること、およびイリジウムが、溶融体に面していない拡散障壁層の側において、重量でほぼ5%未満の、好ましくは2.5%未満の、特に好ましくはほぼ1.5%未満の含有量で与えられることを特徴とする。
別の実施形態において、拡散障壁層は、拡散障壁層の溶融体に面している側から、拡散障壁層の溶融体に面していない側の方向に徐々に増加するイリジウム含有量を備えている。ここに記載される拡散障壁層は、したがって、前のパラグラフに記載された拡散障壁層の正反対のものとして与えられる。それは実質的に同一の特性を有する。しかし、イリジウムが、溶融体に面している側において、ほぼ5重量%未満の、好ましくは2.5重量%未満の、特に好ましくは1.5重量%未満の含有量で、および溶融体に面していない拡散障壁層の側において、ほぼ10重量%からほぼ100重量%の、好ましくはほぼ30〜100重量%の、特に好ましくはほぼ50〜100重量%の含有量で与えられるという点で異なっている。
本発明の特別な実施形態において、拡散障壁層は、障壁拡散層が、完全にイリジウムからなるように、またはこれに対応して、重量でほぼ98〜100%のイリジウム含有量を有するように提供される。
また、拡散障壁層は、拡散障壁層が直接、すなわち、追加の基板または基板層なしで、壁を形成さえするように、構成または設計することができる。換言すれば、壁は1層システム、またはモノ・レイヤ・システムからなり、拡散障壁層は、それだけで壁を形成するのに十分な厚さであるように形成される。本発明の単層システムに対応する壁は、ほぼ0.1mmからほぼ500mmの、好ましくはほぼ0.2mmからほぼ200mmの、特に好ましくはほぼ0.3mmからほぼ10mmの厚さを備えている。
しかし、本発明によれば、単層システムとしての壁を提供する必要はない。壁は、1層ずつ平等にうまく構成するか、または個々の層を配置することにより構成または形成しうる。
したがって、壁が多層システムとして構成される、すなわち、壁が少なくとも2層システムを含む場合は、この壁は、少なくとも1つの担体層を備えていることを特徴とする。この担体層には、この場合、実質的に壁を支持する機能が割り当てられる、すなわち、担体層は、実質的に、壁に機械的安定性をもたらす。換言すれば、担体層は、壁の骨格であり、その上に追加の層が、必要に応じて堆積され、配置され、または塗布される。
担体層は、少なくとも1つの耐火性の材料により形成される。本発明の意味における耐火材料は、耐熱性または熱安定性材料である。耐火材料として、煉瓦、好ましくは耐火煉瓦、セラミック、好ましくは耐火セラミック、ガラス、特にケイ酸塩ガラス、ガラスセラミック、金属、好ましくはPtまたはRh、耐火金属および/または金属合金、好ましくは鋼、特殊鋼、Niベースの合金、Coベースの合金、Ptおよび/またはRhを含む、一群の材料が提供される。代替実施形態において、担体層は、拡散障壁層により形成される。一群の耐火材料には、以下の金属:チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブおよびレニウムが含まれる。
十分な機械的安定性を保証するために、担体層は、材料に応じてほぼ0.05mmからほぼ50mmの、好ましくはほぼ0.05mmからほぼ10mmの、特に好ましくはほぼ0.1mmからほぼ1mmの厚さを備えている。必要に応じて、担体層は、ほぼ0.5mまたはほぼ1mまでの厚さも備えることができる。
一実施形態において、拡散障壁層は、担体層へ塗布される。別の実施形態において、壁は、壁が少なくとも1つの保護層を備えていることを特徴とする。イリジウムは、酸素に関して1000℃を超えると酸化安定性ではないので、この保護層が、周囲の空気に含まれる酸素による、拡散障壁層の酸化を防止する。また、保護層は、酸素に関して拡散妨害または阻止効果さえ有する。この保護層は、酸化防御層である。
本発明によれば、溶融体に対する化学的耐久性、拡散および/または安定性に関する機能も、材料を適切に選択した、わずか1層を用いて実現させることができる。
さまざまな方法が、拡散障壁層および/または保護層の形成または堆積に使用することができる。しかし、特に緻密な、強い、一様な層を製造するために、前述の層は、PVDを用いて、特にスパッタリング、蒸着およびまたはイオンプレーティングを用いて堆積される。別の実施形態において、前述の層は、CVD、特にPICVD、キャスティング、メッキおよび/または電気メッキを用いて堆積および/または塗布される。好ましい実施形態において、拡散障壁層および/または保護層は、溶射法を用いて、特にアークおよび/またはプラズマ溶射を用いて堆積される。拡散障壁層および/または保護層は、ほぼ0.1μmからほぼ30000μmの、好ましくはほぼ1μmからほぼ1000μmの、特に好ましくはほぼ50μmからほぼ500μmの厚さで堆積される。
保護層は、セラミック、ガラス、特にムライトガラス、金属酸化物、特に酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化クロム、二酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、酸化ジルコニウム、および/またはスピネル、金属、好ましくはPt、Rh、Ru、ジルコニウム、および/またはパラジウム、耐火金属、金属合金(好ましくは鋼、特殊鋼、Ptおよび/またはRh、Niベースの合金およびまたはCoベースの合金を含む)または前記材料、特に前記材料の少なくとも2つの組合せを含む、少なくとも1種の耐火材料によって形成される。
拡散障壁層を、空気に含まれる酸素による酸化から保護するために、画定された雰囲気を、拡散障壁層の露出された側、すなわち、溶融体に面していないおよび環境と接触している側の領域において、または拡散障壁層の溶融体接触層の露出された領域において、製造することができる。画定された雰囲気は、流体、特に気体、好ましくは窒素、不活性ガス、好ましくはアルゴンまたはヘリウム、および/またはフォーミングガス、好ましくはフォーミングガス(95/5)または(90/10)を用いて製造される。溶融体の温度制御もまた、流体の流れにより達成することができる。また、前述のガスの混合物を使用することが合理的である。輸送、均質化および/またはコンディショニング装置もまた、輸送、均質化および/またはコンディショニング装置を環境から隔離し、画定された雰囲気が製造され、利用される空間に配置されうる。
一実施形態において、画定された雰囲気は、流体カーテン、特にガスカーテンを用いて提供される。したがって、画定された雰囲気は、溶融体に面していない拡散障壁層の露出された側の領域において、ほんの局所的に製造される。流体は、配管系、チャネルまたは多孔質材料、好ましくは層(bed)、モルタル、成形材料および/またはスタンピング材料の中を運ばれる。好ましい実施形態は、セラミック酸化物から構成される。
本発明は、輸送装置、均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁の少なくとも1つの区域が、少なくともイリジウムを成分として含む少なくとも1つの拡散障壁層を含むことを特徴とする、溶融体、特にガラス溶融体および/またはガラスセラミック溶融体を輸送、均質化およびコンディショニングするための装置を、さらに含む。この拡散障壁層は、白金または白金合金で作られた従来の壁に対して、輸送装置、均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁を通り抜ける水素の拡散を、低下または低減させる。この装置は、前述の方法を実施するのに特に適している。
拡散障壁層は、好ましくは水素に対する拡散障壁層を表す。本願の意味における拡散障壁層は、拡散障壁層の一方の側、より特別には溶融体に面している側から、拡散障壁層の他方の側、より特別には溶融体に面していない側への、気体、好ましくは水素、の拡散に対する障害物である。拡散障壁層により、拡散障壁層を通り抜ける水素の拡散は、少なくとも減少させられる。白金、白金合金に対して、あるいは白金壁または白金合金壁に対して、拡散障壁層は、少なくとも低減された水素の透過率を有する。
本発明の一実施形態において、拡散障壁層の溶融体に面している側は、少なくとも一定区域において、輸送、均質化およびコンディショニングするための装置の壁の溶融体接触表面である。
好ましい実施形態において、拡散障壁層は、少なくとも溶融体接触層の領域において、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁の部品として与えられる。この装置は、少なくとも溶融体接触層の領域においてイリジウムを含む材料を有する壁を有する。有利で特に単純な精錬において、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁は、イリジウムからなる。
この装置は、拡散障壁層が、重量でほぼ10%からほぼ100%の、好ましくはほぼ30〜100%の、特に好ましくはほぼ50から100%のイリジウム含有量を有することを特徴とする。したがって、拡散障壁層は、イリジウムからなることができる。しかし、拡散障壁がイリジウムの合金である場合は、拡散障壁は、少なくとも、白金、ロジウム、金、イットリウム、ルテニウム、パラジウム、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、タンタル、ハフニウム、チタン、ランタン、モリブデン、レニウム、アルミニウム、および/またはケイ素または材料の、好ましくは前述の材料の少なくとも2つの、組合せを含む。
一実施形態において、拡散障壁層は、拡散障壁層の溶融体に面している側から、拡散障壁層の溶融体に面していない側の方向に徐々に減少するイリジウム含有量を有する。拡散層は、拡散障壁層の溶融体に面している側において、重量でほぼ10%からほぼ100%の、好ましくはほぼ30%から100%の、特に好ましくはほぼ50%から100%のイリジウム含有量を有するのに対し、溶融体に面していない拡散障壁層の側におけるイリジウム含有量は、ほぼ5%未満の、好ましくはほぼ2.5%未満の、特に好ましくは1.5%(重量パーセント)未満の含有量を有する。
本発明による別の実施形態は、拡散障壁層が、拡散障壁層の溶融体に面している側から、溶融体に面していない拡散障壁層の側の方向に徐々に増加するイリジウム含有量を有することを特徴とする。拡散障壁層の溶融体に面している側において、イリジウムは、ほぼ5重量%未満の、好ましくは2.5重量%未満の、特に好ましくは1重量%未満の含有量を有する。溶融体に面していない拡散障壁層の側において、イリジウムは、ほぼ10重量%からほぼ100重量%の、好ましくはほぼ30〜100重量%の、特に好ましくはほぼ50〜100重量%の含有量を有する。
別の実施形態において、壁そのものは、拡散障壁層のみから形成され、対応する厚さを有する。この壁は、ほぼ0.1mmからほぼ5mm、好ましくはほぼ0.2mmからほぼ2mmの厚さを有する。特に好ましい実施形態において、壁はほぼ0.3mmからほぼ1mmの厚さを有する。
本発明の別の実施形態において、壁は、1層からだけではなく、個々の層の配置、したがって少なくとも2層、から構成することができる。
対応して、壁は少なくとも1つの担体層を有する。この担体層は、少なくとも1つの耐火材料から形成または構成される。耐火材料には、煉瓦、好ましくは耐火煉瓦、セラミック、好ましくは耐火セラミック、ガラス、特にケイ酸塩ガラス、ガラスセラミック、金属、好ましくはPtまたはRh、耐火金属および/または金属合金、好ましくは鋼、特殊鋼、Niベースの合金、Coベースの合金、Ptおよび/またはRhが含まれる。本発明による別の実施形態において、担体層は、拡散障壁層を含むか拡散障壁層である。実施形態に応じて、担体層は、ほぼ0.5mまたはほぼ1mまでの厚さを有することができる。好ましい実施形態において、担体層は、ほぼ0.05mmからほぼ50mmの、好ましくはほぼ0.05mmからほぼ10mmの、特に好ましくはほぼ0.1mmからほぼ1mmの厚さを有する。
別の実施形態において、壁は、少なくとも2層構造の場合、少なくとも1つの保護層を有し、拡散障壁層が担体層を形成しない場合は、拡散障壁層は担体層の上に配置される。拡散障壁層および/または保護層は、PVDを用いて、特にスパッタリング、蒸着またはイオンプレーティングを用いて堆積されるかまた塗布される。加えて、拡散障壁層および/または保護層は、CVD、特にPICVD、キャスティング、メッキおよび/または電気メッキを用いて、または溶射法を用いて、特にアーク溶射および/またはプラズマ溶射を用いて堆積されうる。本発明による拡散障壁層および/または保護層は、ほぼ0.1μmからほぼ30000μm、好ましくはほぼ1μmからほぼ1000μm、特に好ましくはほぼ50μmからほぼ500μmの厚さを有する。保護層は、少なくとも1つの耐火材料を有する。
耐火材料は、セラミック、ガラス、特にムライトガラス、金属酸化物、特に酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化クロム、二酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、酸化ジルコニウム、および/またはスピネル、金属、好ましくはPt、Pd、Ru、ジルコニウム、および/またはパラジウム、耐火金属および/または金属合金(好ましくは、鋼、特殊鋼、Niベースの合金、Coベースの合金、Ptおよび/またはRhを含む)を含む。実施形態に応じて、拡散障壁層および/または保護層は、担体層との、および/または互いの実質的に接着性の結合を形成する。
別の実施形態によれば、拡散障壁層は、既述の特性を有する画定された雰囲気内に配置される。画定された雰囲気は、流体、特に気体、好ましくは窒素、不活性ガス、好ましくはアルゴンまたはヘリウムおよび/またはフォーミングガスを含む。
一実施形態において、画定された雰囲気は、流体カーテン、特にガスカーテンを有する。したがって、画定された雰囲気は、溶融体に面していない拡散障壁層の露出された側の領域において、ほんの局所的に製造される。流体は、管類システム、チャネルまたは多孔質材料、好ましくは層(bed)、モルタル、成形材料および/またはスタンピング材料の中を運ばれる。好ましい実施形態は、セラミック酸化物から構成される。
本発明による装置および方法は、特に、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ素ケイ酸塩ガラス、アルミノリチウムケイ酸塩ガラス、光学ガラス、ガラスセラミックおよび/またはほぼ5重量%未満の多価イオン含有量を有するガラスを、輸送、均質化および/またはコンディショニングするのに適している。前述のガラスは、表示装置、板ガラス、光学ガラス素子、料理用レンジの、ガラスセラミック天板、暖炉ののぞき窓、熱応力の大きな電球、防火および/または製薬における要求条件の高い工業部品に用途がある。前記ガラスおよび用途は、単なる例として理解すべきであり、決して前述の選択に限定されるものではない。
さらに、本発明は、本発明の方法を用いて、または本発明の装置を用いて製造されうる、またはより特別には製造されてきたガラス、特に光学ガラスを含む。前記ガラスは、少なくともガラスに含まれる泡が、ほぼ25μm未満、好ましくはほぼ10μm未満、特に好ましくはほぼ5μm未満の泡の直径を有することを特徴とする。前記の大きさの泡が、本発明の方法を用いて製造される光学ガラス素子の、光学的および/または機械的特性に及ぼす影響は、実質的に無視することができる。泡包有物は、目視検査によって求める。そこで、ガラスは、下面を黒色背景の上に置き、側面から光を当てられる。ガラスは、ガラスの上面から、黒色背景の方向に観察される。泡は、明るい点として見えてくる。泡の寸法は、物差しを用いて顕微鏡下で測定される。
ガラス中に存在する泡は、必ずしも酸素のみを気体として含んでいるわけではない。酸素はまた、例えば、溶融物の他の成分により置換されうるものであり、したがって、NまたはCO、SOなどの酸素含有気体が、泡の中に含まれうる。本発明の意味における泡径は、球形であると仮定された泡の直径として求めることができる。また、泡径を求めるのに、泡の最長の長さを使用することも可能である。
拡散障壁層の溶融体に面している側が、壁の溶融体接触表面に該当する場合は、本発明の方法を用いてまたは本発明の装置を用いて製造されるガラスは、泡を含んでいないことに加えて、望ましくない着色物質、特に元素状またはイオン状の白金の包有物が減少していることを特徴とする。拡散障壁層が、溶融体接触表面を有する場合、ガラスは、1ppmから500ppmの、好ましくは1ppmから100ppmの、特に好ましくは2ppmから20ppmのイリジウムの含有量を含む。拡散障壁層が、白金または白金合金壁の溶融体接触表面の保護層の機能を持つ場合、ガラスは、50ppm未満、好ましくは20ppm未満、特に好ましくは10ppm未満の白金含有量を含む。
また、溶融体、特にガラス溶融体および/またはガラスセラミック溶融体を、輸送、均質化および/またはコンディショニングするための装置における、および/または方法における壁の拡散障壁層の少なくとも1つの成分としてイリジウムを使用することは、本発明の範囲内にあり、その際、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置内の溶融体の滞留時間は、溶融体における酸素分圧がほぼ1バール未満の値を有するように調節される。
壁の溶融体接触表面が、白金または白金合金で形成される場合、または壁が白金または白金合金からなる場合、精錬後の泡の新たな形成は、壁を拡散障壁層により被覆するかまたはカプセル化することにより、低減させるかまたは回避することができる。これは、水素の拡散に対するイリジウムの抑制効果に基づく。
拡散障壁層の溶融体に面している側が、壁の溶融体接触表面を形成する場合、泡の形成は、水素拡散に関しては妨害効果のために防止され、加えて、筋の形成は、溶融体接触表面上の金属表面により防止される。
イリジウムを含む拡散障壁層は、少なくとも泡低減層の機能または泡防止層の機能さえ引き受けるか、または泡低減層または泡防止層である。拡散障壁層の溶融体に面している側が、壁の溶融体接触表面でもある場合、拡散障壁層はまた、少なくとも筋低減層の機能または筋防止層の機能さえ引き受けるか、または少なくとも筋低減層または筋防止層である。
泡、筋および白金を含まないことに関する品質と同時に、本発明の方法を用いてまたは本発明の装置を用いて製造されたガラスは、ガラスが、ガラス溶融体が精錬後に有する水含有量に実質的に対応する水の割合または水含有量を有し、溶融体は、閉じた系、すなわち、環境に接触していない系に入り込むことを特徴とする。
本発明は、例示的な実施形態に基づいて以下で詳細に説明されることになり、その際、さまざまな例示的実施形態の特性は、互いに組み合わすことができる。この目的のために、添付図を参照する。個々の図面における同一の参照文字は、同一の部分を指す。
図1aは、ほぼ800℃からほぼ1400℃の温度範囲における、白金およびイリジウムの管状試料を通り抜ける、水素の定常透過の研究結果を示す。管状試料は、利用できる最高温度がほぼ1400℃である管状炉に配置される。装置を通る流れは、向流原理にしたがって生じる。2つの試料の水素透過率は、温度の関数として示される。記号なしの2つの追加的にプロットされた関数は、文献で利用できる線図による水素の透過率曲線を示す。
実験的に求めた値は記号として示され、低温および高温の両方に外挿された。しかし、1300℃未満の温度において、イリジウムは、使用できた実験装置では殆ど測定できない水素透過率を有する。
しかし、イリジウムの壁を有する装置の例としてのイリジウム管、またはイリジウムそのものは、白金管または白金によって表示されるものよりかなり低い透過率を有することが明らかに認められる。実験データの当てはめから出発すると、イリジウムまたはイリジウム管は、ほぼ1100℃からほぼ1700℃の温度範囲において、白金または白金管に対して、ほぼ3.7〜1.6桁低い水素透過率を有する。ほぼ1300℃からほぼ1500℃の温度範囲において、イリジウムまたはイリジウム管は、白金または白金管に対して、ほぼ2.8〜2.2桁低い水素透過率を有する。約1400℃の、アクセスできる最高の研究温度において、イリジウムまたはイリジウム管は、白金または白金管に対して、ほぼ2.5桁低い水素透過率を有する。
図1bは、温度の関数として、水素の透過率を調査した、さらなる結果を示す。調査は、図1aにおいて図示された結果と同一の条件で実施された。ここでは、80%白金および20%イリジウムからなる管状試料が使用された。この試料の水素透過率は、温度の関数として示される。イリジウムおよび白金の、ここで示された値は、図1aにおいて既に示された値に対応する。わずか20%のイリジウム含有量を有する合金でさえ、ほぼ1000℃からほぼ1400℃の測定温度範囲において、白金の場合より明らかに低い水素透過率を示す。この水素透過率は、白金の水素透過率のほぼ31%からほぼ35%の水素透過率に相当する。データを内挿または外挿すると、白金の水素透過率に対してほぼ31%からほぼ35%の、Pt0.8Ir0.2の水素透過率の低減された値が、ほぼ1100℃からほぼ1700℃、またはほぼ1300℃からほぼ1500℃の温度範囲にも存在する。
上で示されたデータを考慮すれば、イリジウム含有量をさらに増加させると、水素透過率のさらなる低減が生じることが明らかになる。イリジウムのほぼ20%の含有量からほぼ100%の含有量までを基準にすると、イリジウムを含む対応する合金の水素透過率は、前述の値の間に存在する。
このデータは、白金と比較した、水素に対するイリジウムの阻止効果または拡散低減効果を、初めて実証するものである。したがって、イリジウムは水素に対する拡散障壁を構成する。この結果は、ガラス溶融体中に存在する酸素分圧の研究により確認される。
図1cは、例として、時間Tの関数としての酸素分圧測定値pOの測定結果を示す。PtRh10管およびIr管が、ほぼ1430℃の温度を有するガラス溶融体中に浸漬された。この場合のガラス溶融体は、アルミノケイ酸塩ガラスを含んでいた。酸素分圧pOの値は、左の縦軸により示され、右の縦軸は酸素分圧の比率に関する情報をもたらす。Ir管の溶融体領域における酸素分圧pOは、PtRh10管に対して低減させられていることが、明々白々である。溶融体中の酸素分圧は、ラムダプローブを用いて求めた。
PtRh10管の酸素分圧は、Ir管に対して最初はほぼ2.7倍だけ大きい。ほぼ6から8時間後、この因子はほぼ4.1になる。イリジウムまたはイリジウム管に関して、溶融体中の酸素分圧は、白金(ここでは白金合金PtRh10またはPtRh10管)と比較して、ほぼ2.7からほぼ4.1の因子で低減させられている。酸素分圧は、白金で作られた管壁を通り抜ける水素拡散の間接的な表示器であり、そこでは溶融体中の水素の量および溶解度、または溶融体内の輸送現象などのさらなる影響を考慮しなければならない。さらに、これは白金合金である。このことから、透過率が他の金属、この場合はロジウム、の含有量により影響されるという推測が生じる。データは、ガラス溶融体における、白金と比較した、水素に対するイリジウムの阻止効果または拡散低減効果を実証する。
泡形成に必要な原動力は、気体による溶融体の一時的な過飽和に基づく。1つのパラメータは、対応する酸素または気体の分圧である。約1バールの酸素分圧値pOは、試験されたガラス溶融体の限界範囲を表し、そこからまたはその中で、実質的にガラスに溶解された酸素により、新たな泡の形成が始まる。前述の一部において述べられたガラスに関して、pO≒1バールのこの限界値は、妥当であることがわかる。臨界値は、現存する環境条件に依存する。pO≒1バールの値は、ほぼ1気圧の標準大気下または標準状態下で求められた。
白金管の初期値は、ほぼ0.95バールのpO値に、したがってほぼpO≒1バールの臨界範囲内に存在する。泡の形成または新たな泡の形成は、直ちに開始される。短時間、ほぼ20から30分の後、酸素分圧は、1バールの値を超えさえする。反対に、T≒18hまでの図示された時間間隔に置けるイリジウム管に対する酸素分圧の値は、pO≒0.4バールの平均値で、またはpO≒0.34バールからpO≒0.47バールまでの間隔内に存在する。イリジウム管の酸素分圧の値は、1バールを著しく下回って存在し、その結果、泡の形成は、18時間までの時間の間、効果的に抑制または少なくとも低減されうる。
研究された系は、静的である。したがって、本ガラス系または調査されたガラス溶融体および前述のガラスに関する滞留時間は、輸送装置、均質化装置および/またはコンディショニング装置中のガラス溶融体に類似の、フローイング・システムまたはストリーミング・システムにおける1430℃の温度範囲において決定的に重要なわけではない。しかし、滞留時間は、溶融体の流速、溶融体内の温度、ガラスの種類および装置の大きさと幾何学的形状に依存する。
その際の滞留時間は、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置におけるガラス溶融体の個々の滞留時間である。平均滞留時間は、装置の体積と、装置を通って流れるガラス溶融体の流量との比率である。滞留時間は、化学反応の速度および選択性にとって重要である。時間消費の点で最適な方法を実施することが、容器内の溶融体の滞留時間分布を規制することおよび/または制御することおよび/または調節することにより、さらに可能となる。イリジウムおよび白金の成分に関するさらなる比較測定において、発明者らは、水素拡散に対するイリジウムの阻止効果が、金属と溶融体との界面における泡の形成を防止するに至ることを、初めて示すことができた。この効果は、白金管を使用する場合は、発見することができなかった。その後、泡が金属と溶融体との界面において観察され、このことから、明らかに、白金はイリジウムよりも水素を透過しやすいことになる。
イリジウム含有表面またはイリジウム含有溶融体接触層9は、水素の拡散障壁層の機能を引き受け、したがって、泡低減層または泡防止層である。またこれは、壁−溶融体領域におけるまたは壁8と溶融体1との相互作用による泡の形成を、最小にするまたは一定の状況下においては防止さえするために、溶融体接触表面8aにおいて、好ましくは溶融体1と接触する壁8の領域において、イリジウムを使用することを含む。
図2は、例として、ガラス製造における個々の工程ステップ、またはガラスまたは溶融体またはガラス溶融体1を溶融、輸送、精錬、均質化およびコンディショニングするためのシステムの概略図を示す。
均質化は、すべての成分を溶解させることおよび一様に分布させること、ならびに筋を消失させることとして理解される。溶融体およびガラス溶融体のコンディショニングは、溶融体の温度をできる限り迅速におよび正確に調節することであると理解される。このことは、例えば、溶融および精錬工程が完了し、ガラスを所望の成形温度にしなければならない場合は、ガラス溶融設備のチャネルシステムにおいて当てはまる。
ガラス製造における最初の工程ステップは、前駆体物質、いわゆるバッチを、溶融ルツボ2の中で溶融することである。バッチが既に粘性になってしまったとき、溶融体1の最初のゆっくりした均質化が始まる。開放された溶融体表面1aを有する開放された溶融ルツボ2が、例として示されている。
最高の均質性と泡なし状態を達成するために、ガラス溶融体1は、完全に混合され、脱ガスされなければならない。したがって、溶融の後には、通常、ガラス溶融体1を精錬させ、均質化させる。したがって、溶融体1またはガラス1は、溶融体流れまたは精錬装置、この場合は蓋付きの精錬槽4、に向かう溶融体1の流れ方向1b、に沿って第一チャネル3を経由して供給される。精錬の基本的な目標は、溶融体1から、溶融体1に物理的および化学的に束縛されている気体を除去することである。また、ガラス溶融体1のさらなる均質化は、精錬槽4において行われうる。
溶融体中の泡が精錬により除去されてしまった後では、溶融体における泡の新たな形成は、防止されるか少なくとも低減されるべきである。溶融体1またはガラス1は、実際の均質化装置6に向かう溶融体の流れ方向1bに沿って第2チャネル5を経由して供給される。本事例では、均質化装置6が、ガラス溶融体1を均質化し、コンディショニングし、ガラス溶融体1から筋を除去するのに貢献する槽の中に配置された撹拌装置7を含む。
例として、さらなるチャネルとして建設されたコンディショニング装置12を経由して、溶融体1は、例えば、成形装置(ここには示されていない)に向かう溶融体流れ方向1bに沿って供給され、コンディショニング装置12において要求される成形温度にさせられる。したがって、第1チャネル3、第2チャネル5および均質化装置6には、コンディショニング装置12の機能が付随しうる。
この場合は、ガラス1またはガラス溶融体1を溶融、輸送、精錬、均質化およびコンディショニングするためのシステムの加熱は、それぞれの装置2、3、4、5、6、12のそれぞれの周囲に配置された、しかし一部は示されていない、コイルシステム13を用いて、電気誘導で行われる。
また、加熱は伝導的に、従来法で、または前記方法を組み合わせて用いることにより実施することができる。
以下の図3〜11は、いずれの場合も本発明の例示的実施形態により、図2からの区域
A1の概略の詳細図をそれぞれ示す。区域A1は、均質化装置6の壁8の区域として示されるが、壁8、溶融ルツボ2の底または蓋、第1チャネル3、精錬槽4、第2チャネル5、撹拌機7、コンディショニング装置12および/または個々の装置間の連結部品(ここには示されていない)は、そのように構成されうる。
デザインに応じて、拡散障壁層9は、溶融体に面している側9aの上に、少なくとも一定区域の上に、溶融体接触表面8aを含むことができる。溶融体接触表面8aは、いずれの場合にも、そこを介して拡散障壁層9が溶融体1に接触しているまたは触れている表面または側面を描いている。拡散障壁層9の溶融体に面している側9aの反対側に、溶融体に面していない、拡散障壁層9の側9bがある。
本発明によれば、拡散障壁層9は、構成成分イリジウムまたはイリジウム合金を材料として含み、その結果、イリジウム含有壁の一区域9c、または壁8の一区域となる。純粋なイリジウムと並んで、以下の刊行物に挙げられているイリジウム合金は、特に有利であることがわかった:JP08116152、WO2004/007782A1、米国特許第3970450A1号、米国特許第4253872A1号、米国特許第5080862A1号、EP732416B1、DE3301831A1号、米国特許第6071470A1号、米国特許第3918965A1号および米国特許第6511632B1号。
図は、均質化装置6または均質化装置6の容器の境界を形成する壁8、ガラス溶融体1、溶融体表面1aおよび溶融体表面1aと壁8の間に形成された空間14をそれぞれ示す。
溶融体表面1a、壁8および対応する装置(ここでは示されていない)の蓋との間に形成された空間14において、画定された雰囲気を維持することができる。例えば、イリジウムまたはイリジウム合金ベースの部品の酸化を避けるために、保護ガス、特に窒素、アルゴン、ヘリウムまたはフォーミングガス(95/5または90/10)または負圧の雰囲気を、空間14において発生させることができる。
図3は、本発明の最初の例示的実施形態を示す。図示された壁8は、この場合は1層システムとして構成されている。この1層システムは、拡散障壁層9により形成される。したがって、拡散障壁層9はまた、壁8を担持または支持することを引き受け、したがってまた、本願の意味における担体層10である。換言すれば、壁は、前述の特性を有するイリジウムまたはイリジウム合金からなる。イリジウムの、熱的、化学的および機械的に安定な壁8は、ほぼ0.3mmからほぼ1mmの厚さを有する。イリジウム合金の前述の構成成分を有する壁に関しては、ほぼ0.3mmからほぼ1mmの厚さが、有利であることも判明している。
図4は、壁8の例示的実施形態を、2重層システムまたは2層システムとして示す。ここで、壁8または壁8の一区域は、拡散障壁層9および溶融体に面していない拡散障壁層9の側9b上に配置された担体層10を含む。別法として、拡散障壁層9は、担体層10の上に配置される。したがって、担体層10は、支持または担持機能および保護機能の両方を引き受ける。このことは、先ず第1に、ほぼ1000℃を超える周囲空気中の酸素に対して耐酸化性でない、イリジウム含有拡散障壁層9が、担体層10により酸化から保護されるという利点を含む。第2に、拡散障壁層9は、明細書において開示された方法(PVD、CVD、溶射)を用いて、厚さは最小であるが、それでも十分に熱的、化学的および機械的に安定であり、溶融体中に存在する水素に対して十分に拡散を妨害するような仕方で、配置または堆積させることができる。これにより、費用を支払わなければならないイリジウムまたはイリジウム合金の量に関して、材料コストが低減される。ほぼ50μmからほぼ500μmの、拡散障壁層9の厚さは、十分安定であることがわかった。他方で、高化学的耐久性に関しては、拡散障壁層9が担体層10の保護機能を引き受けるので、担体層10の材料に要求されることはない。温度安定性に関してのみ、拡散障壁層9の温度安定性に匹敵する要求、ならびに酸素の拡散を妨害することまたは阻止さえすることに関するより高度な要求が存在する。担体層10の熱安定性もまた、溶融体1に必要な処理温度に適応させることができる。したがって、拡散障壁層10もまた、壁8の拡散障壁層9に対する保護機能を引き受けることができるか、または、したがって、本願の意味における保護層11でもある。担体層10の好ましい材料は、例えば、耐火煉瓦またはモリブデン、タングステン、特殊鋼、Niベース合金、Coベース合金、Ptおよび/またはPt合金などの耐火金属である。担体層10の厚さに関しては、使用される材料と無関係に、0.1mmからほぼ1mmの値であることがわかった。
図5は、2層システムとしての本発明のさらなる例示的実施形態を示す。図3からの拡散障壁層9に対応して、本拡散障壁層9もまた、壁8の担持体または支持体を引き受け、または、したがって、本願の意味における担体層10でもある。ここにおける拡散障壁層9の厚さは、ほぼ0.3mmからほぼ1mmの値を有する。保護層11は、溶融体に面していない拡散障壁層9の側9b上に配置される。この外部被覆は、拡散障壁層9を、周囲の空気に含有されている酸素による酸化から保護する。保護層11は、酸化保護層である。保護層11が溶融体と接触するようになることはないので、この保護層11に高い化学的耐久性に関する要求はない。温度安定性に関してのみ、拡散障壁層9の温度安定性に匹敵する要求、ならびに酸素、または溶融体から逃げる水素などの気体、の拡散を妨害することまたは阻止さえすることに関するより高度な要求が存在する。保護層11の熱安定性もまた、溶融体に対する必要な処理温度に適応させることができる。ここでの保護層11の好ましい材料には、材料白金、モリブデン、タングステン、特殊鋼、Pt合金、Niベース合金および/またはCoベース合金が含まれる。材料に応じて、外部被覆は、50μmからほぼ500μmの厚さを有する。保護層11は、本明細書において開示された方法(PVD、CVD、溶射)を用いて堆積させることができる。
図6は、図4に類似しているが、拡散障壁層9が、本質的に壁8のまたは担体層10により形成される壁8の、壁8がガラス溶融体1と接触している区域のみに与えられるという相違を有する、壁8の可能な構成を示す。したがって、空間14に存在する画定された雰囲気を用いた、溶融体表面1aより上部の領域における拡散障壁層9の保護は、必要でない。さらに、イリジウムまたはイリジウム合金の材料コストは、覆うべき表面積がより小さいので、低減することができる。
図7は、図6に類似しているが、拡散障壁層9が、壁8の中にまたは担体層10により形成される壁8の中に挿入されていない、製造時の費用の削減を意味するという相違を有する、壁8の可能な構成を示す。
図8は、本発明の3層システムの例示的実施形態を示す。壁8の本層システムは、図4および5に図示されている層システム:拡散障壁層9、担体層10および保護層11の組み合わせを示す。拡散障壁層9は、溶融体に面していない側9bを介して、担体層10の上に配置または堆積される。保護層11は、担体層10の外側の上に配置または堆積される。担体層10は、壁8の担持および/または支持機能を引き受け、保護層11には、特に酸素に対する、拡散低減機能または拡散妨害機能さえ有する。拡散および壁8の担持または支持に関する特性は、したがって、2層、保護層11および担体層10によって、別々に保証される。拡散障壁層9の場合に匹敵する必要条件が、温度安定性に関してのみ、保護層11および担体層10に要求される。しかしまた、保護層11および担体層10の温度安定性は、溶融体の処理に必要な温度に応じて形成されうる。
図9は、図8に相当する、壁8の3層システムまたは3層構成の、さらなる例示的実施形態を示す。この場合、保護層11は、拡散障壁層9と担体層10との間に配置される。図8の説明において既に述べた保護層11の特性に加えて、この保護層は、担体層10と拡散障壁層9の間の接着促進効果ももたらすことができる。
図10は、2層システムとしての壁8の例示的実施形態を示す。2層ではあるが、基本原理は、図9の3層システムの基本原理と類似である。2つの個々の層、拡散障壁層9および保護層11の代わりに、壁8のこの層システムは、拡散障壁層9の機能および保護層11の機能の両方を統合した唯一の層を有する。この層システムは、拡散障壁層9の溶融体に面している側9aが、壁8の溶融体接触表面8aを形成し、イリジウム含有区域9cであることを特徴とする。したがって、この層システムは、溶融体1に対して十分な耐久性を有し、泡および/または筋の形成を低減させる。溶融体に面していない、拡散障壁層9の側9bは、イリジウム含有区域9cを酸化から保護し、気体の拡散を低減させるまたは抑制さえさせるために、イリジウムなしの区域9eになる。低イリジウム区域9dが、イリジウムなしの区域9eとイリジウム含有区域9cの間に位置している。イリジウム含有量は、壁の溶融体接触表面8a、または拡散障壁層9の溶融体に面している側9aから、溶融体に面していない側9bの方向に、徐々に減少する。そのような層を製造することは、例えば、PVDまたはCVDに基づく堆積のパラメータを変化させることにより、可能である。
図11は、図10と類似する、イリジウム含有量が徐々に減少する層の、別の例示的実施形態を示す。この場合、壁8は、イリジウム含有量が徐々に減少する層、9、10、11より形成される。したがって、拡散障壁層9、担体層10および保護層11の機能は、1つの層において実現される。
図12は、さらなる例示的実施形態を有する、図2からの区域A1の、概略の詳細図を示す。溶融体に面していない側9bを介して、拡散障壁層9が酸化されるのを抑制するために、空間14に関して説明したような画定された雰囲気15aが供給されうる。画定された雰囲気15aの供給または生成は、鋼、Niベースの合金、Coベースの合金または特殊鋼から製造しうるカプセル化15を配置することにより、実現される。
前述の図3〜12において、拡散障壁層9の溶融体に面している側9aは、壁8の溶融体接触表面8aを形成する。これらの図において、拡散障壁層9は、溶融体接触層である。泡の形成は、イリジウムを含むまたはイリジウムからなるそのような溶融体接触層により、水素に対する拡散妨害効果を用いて、有利には最小化または抑制することができ、筋の形成もまた、溶融体接触表面の金属表面を使用することにより、最小化または抑制することができる。
以下に記述される図13〜18において、拡散障壁層9の溶融体に面している側9aは、壁8の溶融体接触表面8aを形成しない。そのような実施形態においては、拡散障壁層9の拡散妨害、従って泡防止効果のみが、有効である。それぞれの担体層10が、白金または白金合金などの水素透過性材料からなる場合、泡の形成は、溶融体またはガラス溶融体から壁8を通って外側へ向かう水素の拡散のために、溶融体1の壁の領域に主として出現する。イリジウムを含むまたはイリジウムからなる拡散障壁層9を、そのような壁8の外側の上に配置することにより、溶融体1からの水素の減量は実質的に防止され、したがって、溶融体における泡の形成または新たな形成は、実質的に抑制される。拡散障壁層9は、既に稼働中のシステムに特に有利に組み込むことができる。
図13は、図2からの例示的2層システムの区域A1の概略詳細図を示すものであり、好ましくは白金または白金合金から作製された担体層10、、および担体層10の外側に配置された、イリジウムを含むまたはイリジウムからなる、拡散障壁層9を含む。
図14は、担体層10を有し、Ir含有量が徐々に増大する層が、担体層の外側の上に配置されている2層システムとしての、さらなる例示的実施形態を有する、図2からの区域A1の概略詳細図を示す。
溶融体に面していない拡散障壁層9の露出された側9bの酸化を防止するために、9bは、例えば、保護層11によってカプセル化されうる。図15は、この目的に適う例示的3層システムを示すものであり、このシステムは、追加で外部に配置された保護層11を有する、図13の層システムに対応する。保護層11に適した可能な材料は、図3〜12に関して既に述べた。
イリジウムまたはイリジウム合金ベースの部品の、または溶融体に面していない拡散障壁層9の露出された側9bの、酸化を回避するための別の可能性は、溶融体に面していない側9bを取りまく空間に、画定された雰囲気15aを供給することにより実現されうる。画定された雰囲気15aの可能な実施形態は既に述べられており、また、とりわけ図19を参照されたい。
図16は、例えば、層(bed)の形の、追加で外部に配置された多孔質材料19を有し、この多孔質材料19の中で、画定された雰囲気15aが製造される、この目的のための図13における層システムを示す。例えば、適切な特性を有する流体が、矢印の方向に沿って多孔質材料19を通って流れることができる。したがって、画定された雰囲気15aが、ほんの局所的にまたは限定された空間内で製造され、拡散障壁層19の溶融体に面していない側9bの酸化を防止する。
層(bed)は、機械的な支持または1種の骨格を形成する固体粒子からなる。例えば、層(bed)は、層(layer)を塗布することから生じる可能性がある。それはまた、バルク材料とも呼ばれる。層(bed)の基本的な特徴は、多孔質構造である。この細孔は、骨格を形成する相によって形成され、限定される。層(bed)を有する実施形態は、輸送装置および/または均質化装置および/またはコンディショニング装置の壁の機械的強度に関して有利であることがわかる。層(bed)は、有利には流体の保存効果を有する。この層(bed)はまた、シェル(shell)を有することができる。
画定された雰囲気15aを形成するための別の可能性は、図17に示されている。図13からの壁8または対応する装置は、追加で配置された流体カーテン、好ましくはガスカーテン16によりカプセル化されている。画定された雰囲気15aは、単に局所的にまたは限定された空間、すなわち、拡散障壁層9の溶融体に面している側9aと、配管系17の出口開口部との間で、流体カーテン16を用いて製造される。配管系17は、例えば、コイルの形状でまたは外側の壁8を取りまくコイルシステムとして配置され、流体は配管系17を通って運ばれる。拡散障壁層9の溶融体に面していない側9bの方向に、または壁8の方向に、流体が出て行くことができる対応する開口部が設けられる。一実施形態において、コイルシステムは、溶融体1を誘導加熱するためのコイルシステムを、追加で形成する。図18は、流体カーテン16の別の実施形態を示すものであり、流体は、個々のノズル18を用いて製造される。
適切に画定された雰囲気15aを生成させることができるために、図2からの装置もまた、例として図19に示されているように、略図で表されたカプセル化15を、完全に備えることができる。
既に述べたように、本願の意味における壁8または拡散障壁層9は、ガラスの製造またはガラス溶融体1の取り扱いにおいて使用される部品のジャケットまたは壁8のみならず、対応する部品が構成または形成される本体の全体をも含む。換言すれば、部品のある領域またはジャケットのみならず、部品の芯部も、同一材料を有する。
その点に関して、図20は、例として撹拌装置、より正確には図2からの撹拌装置7を、拡大図で示す。この場合、全体の部品、ここでは全体の撹拌装置7は、イリジウム含有区域7aからなる。換言すれば、撹拌機7は、前述の特性を有するイリジウムまたはイリジウム合金から製造される。
図21は、図20に対応する撹拌装置7を示すが、この場合は、2層システムが構成されている。撹拌装置7は、ジャケット7b(溶融体と接触しており、したがって溶融体接触層9になる)および芯部7c(溶融体との接触面を有していない)を有する。したがって、熱および機械的安定性に関する必要条件のみが、芯部7cに要求される。したがって、芯部は、本願の意味において担体層10になる。芯部7cは、表面に堆積されたイリジウムまたはイリジウム合金を含む、イリジウム含有拡散障壁層9を用いてカプセル化される。これにより、撹拌装置7に必要な化学的安定性が付与される。
図22a〜22dは、イリジウム含有部品の酸素拡散妨害機構を図で示す。ガラス溶融体に含まれる水30の熱分解は、図22aから22dへ温度が上昇するにつれて増大することを図で示す。温度が最も高い図22dにおいて、水30の一部は水素32および酸素31に解離してしまう。イリジウム含有壁35の密度が高いために、内部33から外部34までの、イリジウム含有壁35を通り抜ける水素の拡散は防止される。
金属部品、例えば白金壁を通り抜ける水素の拡散は、図23a〜23dに示されている。図23a〜23dは、ガラス溶融体に含有される水30の熱分解が、図23aから23dへ温度が上昇するにつれて増大することを示す。図23bから明らかなように、白金壁35を通り抜ける水素の拡散は、水30が酸素31および水素32へ熱分解を始めた直後に、開始される。白金は水素32に対して透過性なので、濃度平衡は壁35の両側で生じる。内部空間33に留まる過剰の酸素31は、溶融体1が冷却する間に酸素分圧が上昇するために、特に壁領域において泡を生じさせる。
前述の実施形態は、例として理解されるべきであることは当業者には明らかである。本発明は、これに限定されることなく、本発明の精神から逸脱することなしに、多くの方法で変形されうる。個別に示された特徴は、また、互いに組み合わすこともできる。
水素の透過率を温度の関数として研究した結果を示す図である。 水素の透過率を温度の関数として研究した、さらなる結果を示す図である。 例として、時間の関数として酸素分圧測定値を示す図である。 例として、ガラス製造における個々の工程ステップまたは処理が行われた装置(溶融ルツボ、精錬ルツボ、均質化装置、コンディショニング槽、チャネル)の概略図を示す図である。 単層システムとしての例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 2層システムとしての例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 2層システムとしてのさらなる例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 一定区域において2層システムとしての例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 一定区域において2層システムとしての例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 3層システムとしての例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 3層システムとしてのさらなる例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 徐々に減少するIr含有量を有する層を持つ、2層システムとしてのさらなる例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 徐々に減少するIr含有量を有する層のさらなる例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 カプセル化を有する、さらなる例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 担体層と外部に配置されたイリジウム含有拡散障壁層とを含む、例示的2層システムの図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 徐々に増加するIr含有量を有する層を持つ、2層システムとしてのさらなる例示的実施形態を有する、図2の区域A1の概略詳細図を示す図である。 追加で配置された外部保護層を有する図13における層システムに対応する、例示的3層システムを示す図である。 追加で配置された外部多孔質材料を有する、図13における層システムを示す図である。 追加で配置された流体カーテンを有する、図13の層システムを示す図である。 さらなる実施形態において、追加で配置された流体カーテンを有する、さらなる実施形態における層システムを示す図である。 カプセル化および画定された雰囲気の概略図を有する、図2の装置を示す図である。 図2の撹拌装置を拡大図で模式的に示す図である。 2層システムとしてのさらなる例示的実施形態を有する、図2の撹拌装置を拡大図で模式的に示す図である。 イリジウムを含む壁の拡散抑制効果を模式的に示す図である。 白金壁を通り抜ける水素の拡散を模式的に示す図である。
符号の説明
1 溶融体またはガラス溶融体
1a 溶融体表面
1b 溶融体流れ
2 溶融ルツボ
3 第1チャネル
4 精錬槽
5 第2チャネル
6 均質化装置
7 撹拌機
7a イリジウム含有区域
7b ジャケット
7c 芯部
8 壁
8a 溶融体接触表面
9 拡散障壁層
9a 溶融体に面している側
9b 溶融体に面していない側
9c イリジウム含有(壁)区域
9d 低イリジウム(壁)区域
9e イリジウムなし(壁)区域
10 担体層
11 保護層
12 コンディショニング装置
13 コイルシステム
14 溶融体表面1aと壁8との間の空間
15 カプセル化
15a 画定された雰囲気
16 流体カーテン
17 配管系
18 ノズル
19 多孔質材料
30 水分子
31 酸素原子
32 水素原子
33 内部
34 外部
35 イリジウム含有壁
36 白金壁
A1 図2からの壁8の区域

Claims (33)

  1. ガラス溶融体(1)を輸送、均質化および/またはコンディショニングするための方法であって、
    輸送装置および/または均質化装置(6)および/またはコンディショニング装置(12)におけるガラス溶融体の滞留時間が少なくともガラス溶融体(1)の流速によって調節され、輸送装置および/または均質化装置(6)および/またはコンディショニング装置(12)の壁(8)の少なくとも1つの、イリジウム含有拡散障壁層(9)を備えた、区域を用いることによって、輸送装置および/または均質化装置(6)および/またはコンディショニング装置(12)における700℃から1700℃の温度でのガラス溶融体(1)の滞留時間が、壁(8)を通り抜ける水素の拡散が少なくとも低減され、ガラス溶融体1における酸素分圧が、1バール未満の値を有するように調節されることを特徴とする方法。
  2. 拡散障壁層(9)が、10〜100重量%のイリジウム含有量を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 拡散障壁層(9)が、拡散障壁層(9)の溶融体に面している側(9a)から出発して、溶融体に面していない拡散障壁層(9)の側(9b)の方向に、特に徐々に減少するイリジウムの含有量を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 拡散障壁層(9)が、拡散障壁層(9)の溶融体に面している側(9a)から出発して、溶融体に面していない拡散障壁層(9)の側(9b)の方向に、特に徐々に増加するイリジウム含有量を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 輸送装置および/または均質化装置(6)および/またはコンディショニング装置(12)の壁(8)が、拡散障壁層(9)により形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 壁(8)が、個々の層の配置により形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 壁(8)が、少なくとも1つの担体層(10)を備えていることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 担体層(10)が、拡散障壁層(9)により形成されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 担体層(10)が、少なくとも1種の耐火材料により形成されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  10. 拡散障壁層(9)が、担体層(10)の上に与えられることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  11. 壁(8)が、少なくとも1つの保護層(11)を備えていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  12. 保護層(11)が、少なくとも1種の耐火材料により形成されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 画定された雰囲気(15a)が、少なくとも拡散障壁層(9)の領域において供給されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  14. 画定された雰囲気(15a)が、窒素、アルゴンおよび/またはヘリウム気体を用いて製造されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 画定された雰囲気(15a)が、ガスカーテン(16)を用いて供給されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記流体が、配管システム(17)および/または多孔質材料(19)の中を運ばれることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  17. ガラスを製造するための装置が、
    バッチを溶融するための溶融ルツボ(2)、
    ガラス溶融体(1)を精錬するための装置(4)、および
    輸送(5)および/または均質化(6)および/またはコンディショニング(12)するための装置からなり、
    輸送装置、均質化装置(6)および/またはコンディショニング装置(12)の壁(8)の少なくとも1つの区域が、水素の拡散を低減させるイリジウム含有拡散障壁層(9)を有し、
    輸送および/または均質化および/またはコンディショニングするための前記装置におけるガラス溶融体(1)の滞留時間が、壁(8)を通り抜ける水素の拡散が少なくとも低減され、ガラス溶融体(1)における酸素分圧が1バール未満の値を有し、かつ精錬後の泡の新たな形成を減少させるように、調節される、
    ここで、拡散障壁層(9)は、拡散障壁層の溶融体に面している側(9a)から、拡散障壁層の溶融体に面していない側(9b)の方向に増加するイリジウム含有量を備えている、
    または、拡散障壁層(9)は、拡散障壁層の溶融体に面している側(9a)から、拡散障壁層の溶融体に面していない側(9b)の方向に減少するイリジウム含有量を有するように提供される
    ことを特徴とする装置。
  18. 拡散障壁層(9)が、10〜100重量%のイリジウム含有量を有することを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  19. 拡散障壁層(9)が、拡散障壁層(9)の溶融体に面している側(9a)から出発して、溶融体に面していない拡散障壁層(9)の側(9b)の方向に、徐々に減少するイリジウムの含有量を有することを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  20. 拡散障壁層(9)が、拡散障壁層(9)の溶融体に面している側(9a)から出発して、溶融体に面していない拡散障壁層(9)の側(9b)の方向に、徐々に増加するイリジウム含有量を備えていることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  21. 壁(8)が、拡散障壁層(9)により形成されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  22. 壁(8)が、個々の層の配置により形成されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  23. 壁(8)が、少なくとも1つの担体層(10)を有することを特徴とする、請求項22に記載の装置。
  24. 担体層(10)が、拡散障壁層(9)を含むことを特徴とする、請求項23に記載の装置。
  25. 担体層(10)が、少なくとも1種の耐火材料を有することを特徴とする、請求項23に記載の装置。
  26. 拡散障壁層(9)が、担体層(10)の上に配置されることを特徴とする、請求項24に記載の装置。
  27. 壁(8)が、少なくとも1つの保護層(11)を有することを特徴とする、請求項22に記載の装置。
  28. 保護層(11)が、少なくとも1種の耐火材料により形成されることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
  29. 拡散障壁層(9)が、画定された雰囲気(15a)中に配置されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  30. 画定された雰囲気(15a)が、窒素、アルゴンおよび/またはヘリウム気体を含むことを特徴とする、請求項29に記載の装置。
  31. 画定された雰囲気(15a)が、ガスカーテン(16)を含むことを特徴とする、請求項30に記載の装置。
  32. 前記流体が、配管システム(17)および/または多孔質材料(19)の中を運ばれることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
  33. 輸送装置および/または均質化装置(6)および/またはコンディショニング装置(12)におけるガラス溶融体(1)の滞留時間が、ガラス溶融体における酸素分圧が、1バール未満の値を有するように調節される、ガラス溶融体(1)を輸送、均質化および/またはコンディショニングするための装置および/または方法において、拡散障壁層(9)は、拡散障壁層の溶融体に面している側(9a)から、拡散障壁層の溶融体に面していない側(9b)の方向に徐々に増加するイリジウム含有量を備えていることを特徴とする、壁(8)の少なくとも1つの区域の拡散障壁層(9)の少なくとも1種の成分としてのイリジウムの使用。
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