JP2006076871A - 硼珪酸板ガラス物品の製造装置、製造方法及び硼珪酸板ガラス物品 - Google Patents

硼珪酸板ガラス物品の製造装置、製造方法及び硼珪酸板ガラス物品 Download PDF

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Abstract

【課題】異物のない均質な硼珪酸板ガラス物品を製造する。
【解決手段】本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置10は、白金族元素を含有する耐熱金属製P等よりなり、溶融ガラスGと接触する耐火物製の構成部材を使用した硼珪酸板ガラス物品を製造する硼珪酸板ガラス物品製造装置であって、前記構成部材は、酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分に対して耐熱金属材料P等より高い遮蔽性を有する被覆膜や遮蔽物Kが溶融ガラスGと直接接触する表面の裏面側に形成されたものであり、その遮蔽性の変化量は、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、硼珪酸板ガラス物品を製造するための装置と硼珪酸板ガラス物品の製造方法、そして硼珪酸板ガラス物品に関する。
硼素及び珪素を主要成分として含有する硼珪酸板ガラスによって構成される硼珪酸板ガラス物品を製造するガラス製造業では、所定量混合された珪砂やホウ酸といった無機原料を各種加熱方法によって高温状態にして反応させて溶融ガラスとし、均質化の後に所望の形状に成形することで種々の用途に供せられる硼珪酸板ガラス物品が製造されている。そして硼珪酸板ガラス物品を製造する装置は、原料混合物を加熱するバーナーや電極等の設備を配設した耐熱性材料によって構成されたガラス溶融槽と溶融されたガラスの均質度を向上するための清澄槽そして所望の寸法形状に溶融ガラスを成形するための各種装置よりなる。このような装置を使用し硼珪酸板ガラス物品を製造する場合、硼珪酸板ガラス物品中に生じる欠陥としては、ガラス物品と異なるガラス組成を有する異質ガラスによる脈理(threads、strings、streaks、cord)、すじ(scratch)、ノット(knot)、コード(cord)、ストリエ(striae)、キャットスクラッチ(catscratch)、リーム(ream)等と称されるものや使用される珪砂やホウ酸などの無機原料や耐火材料等に起因する泡(buble、blister、seed等と呼称される)、さらに使用される耐火材料の劣化やガラス組成の結晶化等によって生じる異物、ブツ(ストーン(stone)、砂利、石ブツ等とも呼称される)等と呼ばれるものがあり、品質上問題となる。
これらの欠陥が、ガラス製造装置に起因して発生したものである場合には、硼珪酸板ガラス物品の用途や成形方法等に応じて、それに相応しい対策が施されてきた。例えば、液晶表示装置に使用されるディスプレイ基板を構成するガラス板の製造装置には、フロート法やスリットダウン法、フュージョン法等の板ガラス成形方法が採用されている。フロート法では使用するフロートバスに使用されるスズに起因する異物がガラス表面の異物欠陥となることが問題となり、それに対する対策が行われてきた。また、スリットダウン法(スロットダウン法ともいう)やフュージョン法、オーバーフローダウンドロー法等の成形方法を採用する場合には、製造装置に使用される白金等の耐熱金属材料が原因となる硼珪酸板ガラス中の泡や異物そしてガラスの着色等の不良が問題となる。
また、溶融ガラス中に白金等の耐熱金属材料が劣化して混入するとガラス欠陥となるが、この問題に対し、その改善策として特許文献1では、ガラスを製造する装置に使用する耐熱材料を4層よりなる金属、セラミックからなる積層構造物とすることで対処するという発明が行われている。また、特許文献2では、耐熱金属材料からの発泡を阻止するため、耐熱金属材料を使用する前の高温加熱処理に関する改善内容が開示されている。さらに、光学ガラスや光ファイバ等の高品位ガラスを製造する装置について、特許文献3や特許文献4には、イリジウムまたはイリジウム合金を基材とする表面に白金または白金合金を基材とする表面層を被覆することによって装置の高温使用における寿命を長くできるという改善も提示されている。
さらに、溶融ガラスを製造する装置に発生する種々の欠損部を補修することで、溶融ガラスを長期間にわたる製造を可能とする改善も行われてきている。例えば、特許文献5には、マグネシアクリンカー等と頁岩または真珠岩を混合した溶射用耐火粉末についての発明が示されている。また特許文献6では、溶融ガラスと接触する表面に黒鉛粒子とNi、W、Ti及びAlの内のいずれかよりなる複合溶射皮膜を形成された鋼鉄製基材を有することを特徴とする溶融ガラスの搬送用機材についての発明が開示されている。
特開平05−5188号公報 特開2003−221238号公報 特開2002−167674号公報 特開2002−180268号公報 特開平6−206776号公報 特開2002−20851号公報
このように、溶融ガラスの製造装置を構成する耐熱材料の高温環境下での経時的な劣化によって、溶融ガラス中に異物が混入する問題や硼珪酸板ガラス物品製造装置自体の長期に亘る安定した使用を妨げる問題について、改善策が提示されてきている。しかしながらこれまでに開示されたものだけでは、充分なものとなっていないのが現実である。特に、近年の新たなガラス物品では、より一層高い均質性が求められるようになってきている。例えば、液晶表示ディスプレイに使用される薄板ガラスは、板ガラスを透過して画像が表示され、その画像を近距離で目視することになるため、光学的な機能を損なうことになるガラスの不均質や泡、異物の品位について高い要求を求められるものとなっている。
本発明者らは、溶融ガラス中に混入する泡、異物についての不均質の原因となる硼珪酸板ガラス物品製造装置に関して上記の問題を改善する発明をここに提示し、その製造装置を使用する硼珪酸板ガラス物品の製造方法を開示するとともに、高い品位を有する硼珪酸板ガラス物品を提示するものである。
本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、白金族元素を含有する耐熱金属製及び/または無機酸化物よりなり、溶融ガラスと接触する耐火物製の構成部材を使用した硼珪酸板ガラス物品を製造する硼珪酸板ガラス物品製造装置であって、前記構成部材は、酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1以下の変化量であることを特徴とする
ここで、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、白金族元素を含有する耐熱金属製及び/または無機酸化物よりなり、溶融ガラスと接触する耐火物製の構成部材を使用した硼珪酸板ガラス物品を製造する硼珪酸板ガラス物品製造装置であって、前記構成部材は、酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1以下の変化量であるとは、無機酸化物硼珪酸板ガラス物品製造装置の溶融ガラスと直接接触する界面をなす装置構成部材が白金族元素(白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム)を含有する耐熱性金属材料及び/またはセラミックスである無機酸化物を含有する耐火物からなり、その溶融ガラスと接触する箇所の表面及び/または裏面、あるいはその内層、さらにその構成部材中に分散する状態で存在する粒子、さらに構成部材の材質の変更によって、耐熱性金属材料や耐火物材料そのものに比較して、酸素(O2)分子同等以下の小さい分子径を有する気体分子や酸素(O2)分子同等以下のイオン径を有するイオンに対して高い遮蔽性を有するものであることを意味している。そしてさらにその遮蔽性は、酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分について、1600℃で10日間保持した後であっても、初期の高い遮蔽性の10分の1以下しか変化しない性能を有する様に制御したものであることを表している。
ここで、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1以下の変化量であるとは、硼珪酸板ガラスのような高温溶融を必要とするガラス物品に対して、少なくともガラス製造装置を構成するに足る強度を有する厚み寸法の白金と同等の厚み寸法で白金の10倍以上の初期遮蔽性を実現することができるものであって、しかも1600℃の空気雰囲気環境下で10日間保持した後であっても、初期性能を100%とした場合に90%以上の遮蔽性を有するものであることを意味している。白金の10倍以上の遮蔽性を検証するためには、例えば、白金厚みと同等以下の厚みを有する前記構成部材を適用した際に問題とする事象についての強度が10分の1以下に抑制されることを確認することや、10分の1以下の厚み寸法を有する前記構成部材について問題となる事象の強度が同等以下に抑制されることで確認することができる。そして、1600℃の空気雰囲気環境下で10日間保持した後であっても、初期性能を100%とした場合に90%以上の遮蔽性を有することを検証する為には、例えば、本発明の白金の10分の1以下の厚み寸法での白金族元素を含有する耐熱金属製及び/または無機酸化物の浸食性、すなわちガラス中への溶出濃度やガラス中の異物数に関しては、初期値と1600℃、10日間保持後について問題とする成分の溶出濃度や異物数の初期値に対する増加率を計測することで、性能を評価することができ、あるいは、ガラス中の泡によって評価する場合には、本発明を適用しない白金部材での発生泡に含まれる発生ガス量に対する本発明による白金部材の初期における発生ガス量を比較し発生ガス抑制量が1600℃、10日間保持後において如何に増加するかを評価することで性能を評価できる。また、ガラス中の泡に関する評価に関しては発生ガス量に代えて発生泡数を用いて評価することもできる。
構成部材の酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1を超える変化量となるなら、一時的には高い性能を実現することができても、長期に亘る安定した性能を実現することができず、頻繁にガラス製造装置の操業条件を変更する対応を強いられることとなり、製造されたガラス物品の品位についても安定した品位とすることが難しくなるため好ましくない。以上のような観点から、より好ましくは、遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の15分の1以下の変化量とするのがよく、さらに好ましくは遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の20分の1以下の変化量とすることである。
溶融ガラスと接触する箇所の表面及び/または裏面、あるいはその内層、さらにその構成部材中に分散する状態で存在する粒子、さらに構成部材の材質の変更によってとは、
耐熱性を有する装置構成部材を単独で使用するのではなく、遮蔽性を有する他部材、あるいは他材質を何らかの形で介在させることによって、上記の性能を実現するものであることを表している。
具体的に例示するならば、前記した白金族元素(白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム)を含有する耐熱性金属材料及び/またはセラミックスである無機酸化物を含有する耐火物を2層以上の構造とし、その内層としてガラスや金属、セラミックスからなる層を形成することが可能である。このような構成を実現する場合には、内層には溶融ガラスと直接接触する表面部位を構成する部材ほどの耐熱性は必要とせず、遮蔽性のみを実現する成分を採用することが可能である。また、カプセル化した遮蔽性能を実現することのできる成分を白金族元素(白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム)を含有する耐熱性金属材料及び/またはセラミックスである無機酸化物を含有する耐火物中に埋め込み、高温に加熱された時にその成分が構成部材中に経時的に放出されていく構成とすることも可能である。さらに、構成部材表面及び/裏面から遮蔽性を実現する成分を拡散させることで、前記した酸素(O2)分子同等以下の小さい分子径を有する気体分子や酸素(O2)分子同等以下のイオン径を有するイオンに対する所定の高い遮蔽性を実現することも可能である。
また、溶融ガラスと接触する界面をなす白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料については、溶融ガラスとの高温反応性に乏しく、高温状態で充分な構造強度を有するものであるならば、どのような材料であっても差し支えない。耐熱金属材料は合金であっても不純物の少ない金属であってもよく、耐火物についても複数の成分を含有する耐火物から単一の成分で構成されたものまでを許容するものである。さらに金属材料と耐火物の混合した構造であってもよく、必要とされる特性を要求される箇所にのみ特定の機能を有する材料を使用するといったものであってもよい。そして、複数の材料を併用することによって所望の性能を実現することができるものである。
また、酸素分子同等以下の直径の小さい気体成分に対してとは、気体分子の分子径やイオンが、酸素分子の直径と同等か、それより小さい分子やイオンに対してということであって、例えば、水や水素やそのイオン、ヘリウム、アルゴン等が該当し、このような分子やイオンは白金族元素よりなる耐熱金属材料や無機酸化物よりなる耐火物材料との反応に関与することによって、これらの基材を劣化させ、剥離等を発生させることによって溶融ガラス中に異物が混入する原因となるガスやイオンを意味している。また、これらのガスやイオンは、溶融ガラス中で微細な異物の形成に関与することによって溶融ガラスの均質化を損なう欠陥ともなる。
すなわち、酸素分子同等以下の直径の小さいとは、酸素の分子径3.0Å(オングストローム)以下の小さい分子径あるいはイオン径を有する気体成分ということであって、具体的にはNOx成分の一部(NOxはその構成によって2〜3.5Åである)、水(2.7Å)そして水素(2.2Å)、Ar(2.9Å)、He(2.0Å)等やH+やOH-等のことであって、気体であっても、N2(3.2Å)、Cl2(3.7Å)、SO2(3.6Å)、CO2(4.6Å)、CO(3.8Å)等は、対象とはならない。なお分子径は、気体粘度から算出されたものである。
また、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料は、水素、水あるいはそのイオンといった分子径、イオン径の小さい反応性を有する気体やイオン、反応性は低くともガラス中での欠陥の発生に関与する危険性のあるヘリウム、アルゴンに対して、高い遮蔽性を実現することができない。このような遮蔽性の欠如がどのような機構によってガラスそのものの欠陥発生に繋がるかは具体的には定かではない。しかし、例えばこれらの材料内に各種ガスが侵入することによって金属材料や耐火物中に最初から存在する転移や空孔等の構造欠陥そのものを拡張するように作用することで、材料の高温耐久性を経時的に損ねる虞もある。また例えば、材料中に侵入した単独のガス種、金属中に存在する残留ガス等との反応によって一時的に発生した中間生成物等の作用、あるいは反応触媒として白金族元素の作用等によって溶融ガラス内の酸素溶解度の平衡状態や反応性等が乱され、それによって溶融ガラス中の酸素富化が誘発され、その結果金属材料や耐火物を酸化し、溶融ガラス中へ酸化物として溶解せしめ着色や異質ガラス形成等を引き起こすような反応等をガラス内部で誘起させるように作用する危険性もある。よってこれらの酸素分子同等以下の直径の小さい分子やイオンに対して初期の高い遮蔽性を有し、さらに温度1600℃で10日間保持後について、初期遮蔽性の変化量が初期値に対して10分の1以下となる遮蔽性を実現することで、ガラス中に欠陥を生じさせる危険性を低減することが重要なものとなるのである。
ガラス原料と溶融ガラスを加熱する装置については、どのような方式の加熱装置であってもよい。例えば、液体、固体そして気体燃料を燃焼させるバーナーによる加熱装置や電気を利用する発熱体、電極等の加熱装置、さらに赤外線等の電磁波を利用する加熱装置も採用することができる。いずれにせよ、この加熱装置は、少なくとも1500℃以上の温度に容易に昇温することができるものでなければ、実使用には適用できないため、充分に余裕のある設備仕様とする必要がある。また、この加熱装置の構造としては、1つの方式を採用するものであっても、複数の方式を併用するものであってもよい。
ここで、遮蔽性は、1600℃での遮蔽性だけではなく、それ以下の温度、具体的には500℃から1600℃の温度範囲における遮蔽性についても1600℃に準じる性能を有し、充分に高い遮蔽性を維持できる状態である方がよい。すなわち溶融ガラスと接触する白金族元素を含有する耐熱金属製及び/または無機酸化物よりなる耐火物製の構成部材を使用した無機酸化物ガラス物品を製造する硼珪酸板ガラス物品製造装置であって、前記構成部材は、ガラス物品を製造するための溶融ガラスと接触する表面の裏面側には、その裏面側が通常有する遮蔽性を超える遮蔽性を実現したものであるということである。
そして、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の性能を評価しようとするなら、例えば白金−ロジウム製の容器に関する評価を使用とするなら、本発明に係る遮蔽性に関する機能を付与された構造部材を使用した白金−ロジウム製の容器あるいは坩堝を作成し、その中に溶融ガラスを1600℃の高温状態で所定日数(すなわち10日間)保持し、その浸食性や均質性の評価を1600℃での初期性能(すなわち、4時間内での性能)と比較することによって、その性能評価を行うことができる。例えば均質性について評価しようとすれば、溶融ガラス中の異物数を計測することによって、その性能が判明する。また、浸食性の評価なら、溶融ガラス中に混入する元素を分析すればよい。また、遮蔽性を評価する場合は、10日目に本発明に係わる遮蔽性に関する機能を付与された構造部材を使用した容器あるいは坩堝内に入れた溶融ガラスを一旦流し出し、新たに同組成のガラスを投入し、その後設定温度で4時間以内に保持した時、白金−ロジウム製の容器あるいは坩堝と溶融ガラスとの界面に発生した泡数を、初期性能(すなわち、4時間以内での性能)と比較すれば良い。評価を行う際に、遮蔽性能を比較し易くするためには、構造部材の厚みは薄ければ薄いほど好ましい。一方、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の発泡について評価するなら、本発明に係る遮蔽性に関する機能を付与された構造部材を使用した容器あるいは坩堝を作成し、その容器あるいは坩堝を1600℃の高温状態で所定日数(すなわち10日間)保持した後に、その容器あるいは坩堝でガラスを溶融しガラス中の発泡数を評価し、1600℃での初期性能(すなわち、4時間内の保持後の容器での溶融ガラス中発泡数)と比較すればよい。さらに本発明の構造部材の性能評価を行うには、500℃から1600℃の温度範囲における遮蔽性を確認するものであるため、相当する温度に保持した高温状態での評価を行う方がよい。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、前記構成部材は、溶融ガラスと接触する表面の裏面側に、遮蔽性を有する被覆膜及び/または遮蔽物が形成されていることが好適である。
ここで、前記構成部材は、溶融ガラスと接触する表面の裏面側に、遮蔽性を有する被覆膜及び/または遮蔽物が形成されているとは、溶融ガラスと接触する構成部材の内、溶融ガラスとは接触する表面の裏側に位置する部位であって、溶融ガラスに浸漬されることのない部位表面が、耐熱性金属材料や耐火物材料そのものに比較して、酸素(O2)分子同等以下の小さい分子径を有する気体分子や酸素(O2)分子同等以下のイオン径を有するイオンに対する所定の高い遮蔽性、すなわち気体透過性を制御して抑止した遮蔽膜、遮蔽物が形成されていることを意味している。
溶融ガラスと直接接触する表面の裏面側箇所については、前記したように溶融ガラスに濡れない箇所という意味であって、溶融ガラスが染み込む等することによって間接的に接触する箇所は、直接接触しない箇所に該当するものである。また、溶融ガラス中の構成成分が蒸発あるいは揮発することによって、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料の表面が濡れたような性状を呈する様になっている箇所についても直接接触しない箇所に該当するものである。すなわち、溶融ガラスの液相に浸漬して接触し、溶融ガラスと界面を形成している箇所を除く箇所であって、本装置を構成する装置構成部材の所定箇所を指すものである。
そして、より具体的に溶融ガラスと直接接触する表面の裏面側箇所を例示するならば、溶融ガラスを収容する耐熱金属製の容器として、坩堝の外壁表面や底面部等、あるいはタンク(tank)、溶融槽(室)、清澄槽(室)、撹拌槽(室)、作業槽(室)、フォアベイ(fore bay)、坩堝(crucible)、ポット(Pot)、スロート(throat)、ライザー(riser)、フィーダー(feeder)、フォアハース(forehearth)、ドレン(dorain)そしてドッグハウス(dog house)等やそれらの特定箇所、すなわち炉床(又はペービング、敷瓦(bottom block))、炉壁(あるいは種瓦、サイドウォール(sidewall))、ブリッジウォール(bridge wall)、堰(damwall:ダムウォール)、敷居、パイプ(pype)そして樋(gutter)等の耐火物、あるいは耐熱金属材料製の硼珪酸板ガラス物品製造装置を構成するガラス溶融炉の主要な部位の外表面に相当する箇所、あるいは溶融ガラスを均質化するために使用されるスターラー(stirrer)、ツイール(またはトウィール(tweel))、ニードル(needle)、ゲート(gate)、ダンパー、ブレンダー(blender)、ローター(rotar)、チューブ(tube)そしてパドラー(paddler)等の耐熱金属材料によって構成され、外表面が溶融ガラスに浸漬される部材の中空構造の内表面部、さらにロール(roll)、スリット(slott:スロット)、リップタイル(riptile)、スキーマー(skimmer)、ウエットバックタイル(wetbacktile)、ドローバー(draw bar)、スパウト(spout)、カップ(cup)、オリフィス(orifice)、フュージョンパイプ(fusion pipe)、ブッシング(bushing)そしてノズル(nozzle、spinning hole)等といった溶融ガラスを精密成形するに欠かせない成形部材を構成する耐火物や耐熱金属材料の外周部、外表面部等の直接溶融ガラスが接触することのない裏面側箇所が該当するものである。
被覆膜は、溶融ガラスと接触する表面の裏面、あるいはその内層において、所定の遮蔽性を有し、それに加えて溶融ガラスと接触する表面の裏面側と密着した状態となっているものである。一方遮蔽物は、溶融ガラスと接触する表面の裏面、あるいはその内層において、裏面側に対しての遮蔽性を実現するための密着性を要せず、膜のようなほぼ同質の材質とすることも要しないものであって、支障のない性能を有するものであれば、採用することができる。
この被覆膜、遮蔽物については、同じ構造部材の一部が溶融ガラスに浸漬した状態である時に他方の溶融ガラスと直接接触していない箇所についてのみ被覆膜か遮蔽物の内のいずれか一方、あるいは被覆膜と遮蔽物の両方を施した状態にあるということであって、溶融ガラスと接触している部材と同じ構造部材ではない箇所に被覆膜や遮蔽物が施されていても差し支えない。
そして、被覆膜及び/または遮蔽物については、溶融ガラスと接触する箇所に施されていない方が好ましい。なぜなら、溶融ガラスと接触する箇所に被覆膜、遮蔽物が施されていると、被覆膜や遮蔽物の材質や施工方法等にもよるが、場合によっては溶融ガラスと長時間接触することで、被覆膜や遮蔽物が経時的に劣化することもあり、そのような場合には耐熱金属や耐火物が充分に高い耐久性を発揮するものであっても、この装置自体の耐性を低くしてしまうことになるからである。またこのように被覆膜や遮蔽物が経時的に劣化すると、剥離した被覆膜や遮蔽物が溶融ガラス中に混入することによって、溶融ガラスの均質度を低下させ、成形されるガラス物品の寸法精度を損ねる等の問題の原因となる場合もあるためである。よって、何らかの事情で溶融ガラスと接触する箇所に何らかの手を加えねばならない場合であっても、それは極力限られた面積について、限定的に行われるべきであって、溶融ガラスの材質や接触時の温度についても、綿密な検討の上で採用する必要がある。
また、この被覆膜及び/または遮蔽物については、酸素分子同等以下の直径を有する気体分子やイオンを物理的に透過させないものであってもよいが、さらに酸素分子同等以下の水素や水やそのイオン、ヘリウム、アルゴンそして一酸化炭素等の気体を飽和状態に近い含有量で含有させることによって、化学的な平衡状態を利用することによって結果として遮蔽効果を実現するものであってもよい。そして、このような化学的な働きを実現するために、酸素分子同等以下の小さい直径を有する気体分子やイオンを包含して溶解する組成というものばかりか、構造的に化学量論的な非平衡状態を実現した酸素分圧状態を維持する等して、結果的にこれらの気体分子やイオンを遮蔽する効果を実現できるものであるならばよい。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、前記した被覆膜及び/または遮蔽物が施される面積として、大きい面積である方が効果はより明瞭になるものの、本発明を支障なく実現するために必要となる労力も大きくなる。以上のような観点から、実験室を離れ、実際の生産において、より明らかな効果を確認するためには10cm2より大きな面積での評価を行う方がよい。ただ、連続した大量生産のための大型の製造設備においては、さらに大きな面積について施工された状態での評価を行うことが好ましい。
また本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え被覆膜及び/または遮蔽物が、硼珪酸ガラスを含有するものとすることができる。
ここで、被覆膜及び/または遮蔽物が、硼珪酸ガラスを含有するものとは、硼素、珪素を主成分とするアモルファス構造を有し、有機ガラスではない材料をこの被覆膜あるいは遮蔽物が、質量含有率で1%以上含んでいることを意味している。
そして被覆膜及び/または遮蔽物が、硼珪酸ガラスを含有するものであって、被膜状に形成される成形物やある程度の必要な厚みを有して種々の遮蔽効果を実現することのできる構造物であるならば、硼珪酸ガラスではない他の介在物と共存させることが可能である。被覆膜は、所定箇所を被覆することによって酸素分子同等以下の小さい寸法を有する気体やイオンに対して所望の遮蔽性能を実現することができ、充分高い耐熱性を具備するものであればよい。また、前記したように被覆膜は所定部位に密着している必要があるが、遮蔽物は所定部位に密着していてもしていなくてもよく、密着していない場合であっても所定の遮蔽機能を実現することができれば採用することが可能である。
硼珪酸ガラスを含有する被覆膜及び/または遮蔽物は、硼珪酸ガラス以外の構造材料と併用することができるものであって、それによって硼珪酸ガラスのみでは実現できなかった機能を付加することもできる。このような構造材料としては、繊維状、顆粒状あるいは粉末状等の形態とすることによって、硼珪酸ガラスと最適な混合状態を実現することによって、目的とする機能を実現できる。また、複数種の成分を適切な配分で混合して利用してもよいし、意図的に分散状態を不均質にしても目的に見合う効果を実現できるならば差し支えない。
また、硼珪酸ガラス中のB23は、単独でもガラス化可能な成分であり、多成分ガラスの構成成分として使用することによって、金属蒸気に対して高い耐性を有する成分であって、ガラス成分として採用することによって、金属蒸気等によって損なわれる場合のある気体に対する遮蔽性の経時的な低下を抑制する効果を実現することができる場合もあるため好ましいものである。
また本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスが、3成分以上の酸化物ガラスとするのが好適である。
ここで被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスが、3成分以上の酸化物ガラスであるとは、前記した被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスが、1種の金属酸化物より構成されるものではなく、2種類以上の硼珪酸ガラスを構成成分として含み、少なくともその成分含有率が1質量%以上であることを意味している。そして、硼珪酸ガラスであって所定の機能を実現することができるものであるならば、どのようなものであっても支障はない。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え3成分系以上の多成分系酸化物ガラスが、SiO2とAl23のいずれかを1質量%以上含有することが好ましい。
ここで、3成分系以上の多成分系酸化物ガラスが、SiO2とAl23のいずれかを1質量%以上含有するとは、被覆膜及び/または遮蔽物の無機多成分系酸化物ガラスを構成する成分として、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)の内の何れかの成分を質量%換算で1%以上含有する組成を有するものであることを意味している。
SiO2は、単独で高い粘性を有するガラス状態となる成分であって、ガラス構成成分として採用することによって、化学的にも高い耐性を実現できるものである。また、Al23は、ガラス組成中の成分として含有することによってその構成成分でのガラス化領域を広げ、化学的な耐久性を向上させるものであるが、特に重要な効果としては他の共存カチオンの存在下でガラスの高密度化を調整するために必要な成分であって、数%から数10%までの添加量でガラスの気体遮蔽性能を向上させる働きを担う場合もあるものである。
そしてこれらの各成分は、少なくとも酸化物換算で1質量%以上含有しないとその顕著な効果を発揮しがたいものである。
いずれにしても、ここで多成分ガラス組成に求められる機能としては、白金族元素製の耐熱金属材料のみ、あるいは無機酸化物製の耐火物材料のみでは実現できない遮蔽性能を金属材料または耐火物材料に付与し、しかも耐熱金属材料や耐火物材料の高温での膨張等によって割れたり、剥離したり変形したりすることのない熱的な性質、すなわち粘性、あるいは熱膨張係数を選択して実現することによって、この無機多成分系酸化物ガラスによって常温で実現された遮蔽機能が1600℃以上の高温状態で経時的に損なわれないような性質を有することが大切である。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え被覆膜及び/または遮蔽物が、金属酸化物粒子を含有するものとするのが好適である。
ここで、被覆膜及び/または遮蔽物が、金属酸化物粒子を含有するとは、この被覆膜あるいは遮蔽物が、十分な耐熱性を有する複数の金属酸化物粒子を1質量%以上含有することを意味している。
このような酸化物粒子としては、例えばアルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン等の酸化物耐熱性材料を所望の形態を有する粒子として利用することができる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え前記構成部材は、溶融ガラスが滞留する容器部及び/または溶融ガラスが流動する部位に使用されているのが好適である。
ここで、前記構成部材が、硼珪酸ガラス物品を製造するための溶融ガラスが滞留する容器部及び/または溶融ガラスが流動する部位に使用されているとは、溶融ガラスを収納する白金族元素製の耐熱性容器や無機酸化物製の耐火性構造を有する槽の外壁表面や、溶融ガラスを1つの容器や槽から他の工程へと流出させるために使用する樋やパイプ等といった構造物の表側に相当する表面部を表している。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、前記構成部材が、白金族元素を含有する耐熱性金属材料及び/または無機酸化物を含有する耐火物を2層以上の構造とし、その2層の間にガラスあるいはセラミックスを含む層が形成されていることが好適である。
ここで、白金族元素を含有する耐熱性金属材料及び/または無機酸化物を含有する耐火物を2層以上の構造とし、その2層の間にガラスあるいはセラミックスを含む層が形成されているとは、前記の構成部材が全部で3層以上の構成層を有し、その内の外層に相当する2層が白金族元素を含有する耐熱性金属材料及び/または無機酸化物を含有する耐火物であって、内層として1層以上のガラスあるいはセラミックスを含む層を有するものであって、この内層については、溶融ガラス状態や失透状態のガラス、半溶融状態、粉末状態、顆粒状態、礫石状態といった形状には関係せず採用することができるものであって、セラミックスについても同様に種々の形状を許容できるものである。また、必要に応じて空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素あるいは塩素等の気相を介在させた状態であっても支障はない。
各々の層の厚さについても、特に限定されるものではないが、溶融ガラスと直接接触する外層については、長時間に亘る耐久性を有するだけの充分な厚みのあることが好ましい。また、内層と外層とは直接接する構造であっても間接的に接するものであっても支障ない。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、さらに、下方に延伸成形する成形手段を備えているのが好適である。
ここで、下方に延伸成形する成形手段を備えているとは、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の一部として下方延伸成形法であるスロットダウンドロー成形法、オーバーフローダウンドロー成形法、ロールアウト成形法といった下方延伸成形法を成形手段として採用するものであることを意味している。
下方延伸成形する成形装置を採用した硼珪酸板ガラス物品製造装置を使用する場合に、異物といった溶融ガラスの不均質部位は、その箇所のみの欠陥というだけではなく、延伸成形によって連続的な寸法等の乱れを引き起こし、ワンポイントの欠陥では治まらないものとなる。そのため、本発明を適用することが、異物等の原因を排除するばかりでなく、板ガラス寸法の安定性や表面品位といったいくつもの要因に関連することとなり、特に重要なものである。そしてオーバーフローダウンドロー成形法について、本発明を適用することは特に重要である。なぜなら、板ガラス表面は自由表面であるため、異物、ノット、すじ、脈里、泡といった欠陥による表面品位の低下が、他の方法よりも大きく表れるためである。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え画像入力装置や画像出力装置に搭載される硼珪酸板ガラス物品を製造する装置であるものとすることができる。
ここで、画像入力装置や画像出力装置に搭載される硼珪酸板ガラス物品を製造する装置であるとは、本件に係る硼珪酸板ガラス物品製造装置によって製造された硼珪酸板ガラス物品の用途が、画像の入出力を司る電子装置に組み込まれ、直接画像データを電送するインターフェースとしての役割を担う部位に使用される部材としての用途であって、高い均質性や寸法精度を要求されることの多いものであることを意味している。
画像入力装置や画像出力装置の具体例としては、テレビ(TV)、フラットパネルディスプレイ(FPD)等の静止画・動画表示装置、プロジェクター等の投射管、ラインセンサーやエリアセンサーを搭載したスキャナー、デジタルカメラ等に代表される各種のカメラ、カメラ付き携帯電話、PHS等の画像表示携帯端末、LD、ネオン管等を配設した大面積電飾画像の表示装置、光ファイバ伝送装置等であって、このような電子機器、電子装置に搭載される各種硼珪酸板ガラス物品を溶融ガラスから製造するための装置等がある。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、上述に加え画像表示装置搭載用板ガラスを製造する装置であるものとすることができる。
ここで、画像表示装置搭載用板ガラスを製造する装置であるとは、前記のフラットパネルディスプレイ(FPD)、すなわち画像表示装置に搭載される板ガラスの製造装置という意味である。FPDとしては、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイ)、VFD(Vacuum Fluoresscent Display:蛍光表示管ディスプレイ)、FED(Field Emission Display:電界放射ディスプレイ)、ELD(Elctro Luminescent Display:エレクトロルミネセントディスプレイ)、LED Display(Light Emitting Diode Display:発光ダイオードディスプレイ)、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、ECD(Elctro Cromic Display:エレクトロクロミックディスプレイ)、EPD(Electrophoretic Display:電気泳動ディスプレイ)等を含むものである。そして具体的に例示すれば、液晶表示素子を搭載するFPDのパネルや有機ELや無機EL等のパネルを構成する薄板ガラスを溶融ガラスから硼珪酸板ガラス物品として成形する装置であることを意味している。そして液晶表示用ディスプレイ基板用板ガラスであれば、液晶素子の違いや画像表示方式の違い等には関係なく、本製造装置によって製造した薄板ガラスを使用することができるものである。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であることが可能である。
ここで、硼珪酸板ガラス物品製造装置が固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であるとは、前記のデジタルカメラ等に代表される各種のカメラ、カメラ付き携帯電話、PHS等の画像表示携帯端末等に搭載されるCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)等の画像入力素子のカバーガラスとして使用される薄板ガラスを溶融ガラスから製造する装置であることを意味している。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、マスプロダクションを行う製造装置とすることができるものである。また、一方少量多品種の製造形態にも対応することができるものである。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、FRP(Fiber Reinfoced Plastics)やFRC(Fiber Reinforced Cement)に使用されるガラス繊維を製造する装置として使用してもよい。
ここで、ガラス繊維とは、白金製ブッシングを成形部に有するガラス溶融炉を使用して、溶融ガラスを高速に引き出して冷却し、複数の繊維を束ねて巻き取ることによって得られる製造物品であり、このようなガラス物品においても、溶融ガラス中に金属異物等が存在することによって、成形されたガラス物品の性能が著しく害されるものとなる。そして、前記したように本発明の構造をガラス繊維製造装置であるガラス溶融炉に適用することについても、白金族元素を含有する耐熱金属製の装置から溶融ガラス中に溶出する白金族元素の量を調整し、欠陥の抑制を行うことが可能となる。よって、本発明を適用するのは好適な事例の1つである。
さらに、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、電子部品、光部品等の複数の部材を加熱封着によって構成する用途に使用されるガラス粉末を製造する装置として使用してもよい。
本発明を適用することによって、所望の性能を実現するガラス粉末を異物混入などの欠陥がない状態で成形することが容易にできるようになる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、電子部品用途、照明用途、医療用途等として利用される管形状ガラスの製造装置としても利用してもよい。
具体的には、例えばリードスイッチ用管ガラス、ダイオード用管ガラス、水銀スイッチ用管ガラス、サーミスタ用管ガラス、液晶バックライト用管ガラス、ハロゲンランプ用管ガラス、キセノンランプ用管ガラス、蛍光灯用管ガラス、アンプル管用管ガラス、太陽熱集積用管ガラス等の各種寸法を有する管ガラスを成形するガラス物品製造装置にも適用することができる。
また、本発明に係る製造装置は、光学用途で利用され、特定の屈折率、分散を実現するためにランタノイドやアクチノイドといった原子番号の大きい元素等を含有する各種レンズ材質や非球面プレスレンズ、光ファイバ部材、機能性光ファイバ素材等、ガラス物品中の白金族元素の溶存状態を管理することが大切になる用途についても利用できる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、温度計測装置、原料投入量の計測装置、加熱状態を制御する装置、成形速度を変更する装置等の一連のガラス製造装置を制御する各種の制御系の連動によって動作するものとすることができる。さらに、これらの制御系は、その機能を保証する支援システムによってバックアップされたものであってもよい。
本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、一度溶融ガラスを成形加工した硼珪酸ガラス物品を再加工して所望の形状に変形するため、軟化点以上の温度にガラスを再加熱する必要性のある用途についても適用することによって、高温状態の溶融ガラスが直接接触する硼珪酸板ガラス物品製造装置の壁面等の損耗を低減できる場合もある。具体的には、管ガラスや薄板ガラスを熱加工するリードロー成形のための溶融加熱装置やガラスカレットを再利用するための溶融加熱炉等への適用が可能である。
本発明のガラス物品の製造方法は、請求項1に記載の装置を使用して溶融ガラスから硼珪酸板ガラス物品を製造することを特徴とする。
ここで、請求項1に記載の装置を使用して溶融ガラスから硼珪酸板ガラス物品を製造するとは、溶融ガラスと接触する界面をなす白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料について、溶融ガラスと直接接触する表面の裏面側に酸素分子より小さい分子径を有する気体分子に対して所定の遮蔽性を有する処理が施されている装置で、ガラス原料と溶融ガラスを加熱する装置を配設した装置内にガラス原料を投入し、加熱装置によって所定温度までの加熱を行って溶融ガラス化し、さらに加熱を行って溶融ガラスを均質化し、所望される成形方法を採用して溶融ガラスの熱間成形を行い、冷却して硼珪酸板ガラス物品とすることを意味している。
ここで、ガラス原料としては金属酸化物や炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、金属、ガラスカレット等を適切な粒度の粉末状物あるいは顆粒状物とした状態で均質混合したものであって、溶融ガラス化するガラス組成に応じて、その複数種について所定配合量を秤量して各種の粉体混合装置を使用して混合したものである。
そして、硼珪酸板ガラス物品製造装置は、複数の槽あるいは容器を連結した構造を有するものであってもよいし、単独の容器しかないものであっても最終的に所定形状に硼珪酸板ガラス物品の成形を行うことができれば支障ない。また複数の容器あるいは槽内で溶融ガラスを加熱して最終的に所望の形状に成形する場合でも、それぞれの容器あるいは槽が独立したものであってもよい。例えば、前者は連続生産を行うガラス溶融炉やバッチ式の溶融ポットであって、後者はガラス溶融ポットと清澄ポット間で一端溶融ガラスを急速冷却して粗溶融カレットを作成し、その粗溶融カレットを清澄ポットに投入して再加熱することによって溶融ガラスの均質化を行う方式に代表されるものである。
これらのガラス原料を硼珪酸板ガラス物品製造装置に設けられたガラス原料投入口より装置内部に製造条件に応じた速度で連続的あるいは断続的に投入する。この時に使用する原料投入方式は、種々の方式が採用できる。例えば、オシレーションバッチフィーダー(oscillating batch charger、enfolding charger)やスクリューチャージャー(あるいはスクリューフィーダー(rotary charger、screw charger))、ベルトコンベヤ(belt conveyor)、ブランケットチャージャー(blanket charger)等を使用することが可能である。
そして、投入されたガラス原料は前記したような加熱装置によって加熱されて溶融ガラスとなり、溶融ガラスの種類や要求される均質度等に応じ、相応しい均質化手段を採用することによって溶融ガラスの均質化操作を行う。例えば、物理的な混合装置としてバブリング、スターラー等を使用したり、溶融ガラスの流れ方向を意図的に変更して、いわゆるショートパス(早流れ現象)を防止する堰、ゲート、屈曲構造等を採用したり、ガラス中の気泡の脱泡を促進するための雰囲気分圧調整(又は制御)装置やブースター等の圧力、温度調整装置を配設したりすることによって、不均質なガラスが硼珪酸板ガラス物品製造装置の成形域に流出することがないような処置がなされる。
このようにして均質な状態となった溶融ガラスは、硼珪酸板ガラス物品製造装置のガラス流出口に設けられたガラス成形域でガラス物品の用途等に応じた成形手段によって精密な熱間成形が行われる。この成形方法としては、ロール成形、スロットダウンドロー成形、フュージョン(fusion)成形、オーバーフローダウンドロー成形、フロート成形等が採用できる。また本装置を応用し他の形状のガラス物品を作る場合には、例えば管ガラスであればダンナー成形、ベロ成形、ダウンドロー成形、アップドロー成形等が採用でき、容器ガラスであればプレス成形(押型成形)、ブロー成形等が可能である。そして他にもブッシング、吹き飛ばし成形、キャスティング成形等も利用できる。
そして本発明の製造方法で製造される硼珪酸板ガラス物品は、最終的な製品形態に極めて近い形状であるならば差し支えない。すなわち、例えば本件の製造方法で製造された大きな面積を有するガラス板を分割する操作を施したり、ガラス表面の寸法精度を向上させるために研磨処理を施したり、さらに表面に膜付けを行ったりイオン交換処理等の強化処理を施すことができるものである。
また、本発明のガラス物品の製造方法は、上述に加え請求項1に記載の装置を使用して、その被覆膜及び/または遮蔽物を構成する硼珪酸ガラスの軟化点温度以上に保持し、酸素分子同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性を発揮させて硼珪酸板ガラスの製造を行うことができるものである。
ここで、請求項1に記載の装置を使用して、その被覆膜及び/または遮蔽物を構成する硼珪酸ガラスの軟化点温度以上に所定時間保持し、酸素分子同等以下の小さい直径を有する気体成分に対する遮蔽性を発揮させて硼珪酸板ガラスの製造を行うとは、硼珪酸ガラスを軟化点温度以上の温度に加熱処理することによって、硼珪酸ガラスを軟化変形以上の流動状態となるような構造状態とすることで、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料の所定箇所に、酸素分子同等以下の小さい直径を有する気体成分に対しての遮蔽性を有するものとした状態、すなわち硼珪酸ガラスを含有する被覆膜及び/または遮蔽物を施した状態で硼珪酸板ガラスを製造することができることを意味している。
軟化点以上に所定時間保持し、溶融ガラスの製造を行うとは、管理した温度設定条件で保持することであって、適切な条件を採用することによって、硼珪酸ガラスよりなる被覆膜及び/または遮蔽物あるいは硼珪酸ガラスよりなる被覆膜及び/または遮蔽物と白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料との界面部に大きな熱応力負荷が加わらないようにすることが重要である。
また、このような加熱処理は、硼珪酸ガラスよりなる被覆膜及び/または遮蔽物あるいは硼珪酸ガラスの性状や化学的、物理的性質を意図的に変化させて、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料のみでは実現することができなかった、水素、水やそのイオンあるいは、ヘリウム、アルゴン等の気体に関する遮蔽性を向上させ、機械的な構造強度を改善するとともに白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料の特定成分の揮発、蒸発や剥離等を防止ものである。そしてこのような処理を行うことによって、溶融ガラス中への異物の混入を確実に防止することが可能となるものである。
またこの熱処理は、硼珪酸ガラスよりなる被覆膜及び/または遮蔽物を施す白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料と「一緒に」軟化点温度以上に所定時間加熱するものであってもよいし、また硼珪酸ガラスよりなる被覆膜及び/または遮蔽物を施す白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料とは「別に」軟化点温度以上に所定時間加熱するものであってもよい。ただし、「一緒に」加熱処理を施す場合には、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料の寸法や形状、さらに化学状態等に変化が生じ、所望の機能を実現できなくならないように注意するべきであって、加熱方法は充分に吟味した手法を採用し、加熱時間、加熱温度が管理できる状態で行う必要がある。ちなみに「一緒に」とは時間的にも空間的にも同じ条件でということであって「別に」とは何れかの条件を変えるか、あるいは全ての条件を変えることを意味するものである。
そして、この硼珪酸ガラスの軟化点とは、ガラスの粘度が107.6dPa・sを示す温度のことであって、例えばガラス繊維を使用する計測法としてJIS R3103−1(2001)に規定される測定方法によって測定することでその値を知ることができるものである。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品の製造方法は、上述に加え請求項9に記載の装置を使用して、板ガラスを成形することができるものである。
ここで、下方に延伸成形する成形手段を採用した請求項9に記載の装置を使用して、板ガラスを成形することとは、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の成形装置として前記したように下方延伸成形法であるスロットダウンドロー成形法やオーバーフローダウンドロー成形法、そしてロールアウト成形法といった下方延伸成形法を成形手段として採用する成形装置によって、板ガラスを成形することを意味している。
また、本発明のガラス物品の製造方法は、該被覆膜及び/または遮蔽物を構成する硼珪酸ガラスに採用したガラス原料を溶融ガラス用原料として併用することも可能であって、製造途中で硼珪酸板ガラス物品製造装置の補修等を行わねばならない場合でも容易に対応することが可能なものとなっている。
また本発明のガラス物品の製造方法を適用する硼珪酸板ガラス物品としては、光学的塩基性度が0.6以下の値にあるものである場合に特に好適である。ここで、ガラスの光学的塩基性度(Optical Basicity)とは、分光学的に測定することができるガラスの塩基性度のことであって、この塩基度が0.6を越える硼珪酸ガラスでは、溶融ガラス中の酸素のガス化ポテンシャルが低くなるが、塩基度が0.6を下回るまで低くなると、溶融ガラス中の酸素が気泡に成長しやすくなる。よって、本装置で溶融する硼珪酸ガラス物品として、このような硼珪酸ガラスの塩基度を0.6以下の硼珪酸板ガラス物品に対して本製造方法を適用することによって、硼珪酸板ガラス物品の均質度に関する品位をさらに向上することが可能となる。
本発明の硼珪酸板ガラス物品は、請求項1から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造されたことを特徴とする。
ここで、請求項1から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造されたとは、前記した硼珪酸板ガラス物品製造装置としての特徴を有する装置を使用することによって溶融ガラスから成形された硼珪酸板ガラス物品であることを意味している。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置を応用することで、上記したようにインゴット状、管形状、プレス成型品等の成形形状を有することが可能であって、各種の成形方法を使用することで目的にあった成形形状とすることができるものである。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品は、上述に加え20ppm以下の白金族元素を含有し、10ppm以下の白金を含有するものである。
ここで、20ppm以下の白金族元素を含有し、10ppm以下の白金を含有するとは、本件の硼珪酸板ガラス物品製造装置によって製造することによって、硼珪酸板ガラス物品中の白金族元素である白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウムをまとめた総含有量が質量含有率表示によって20ppm以下であって、さらに白金の質量含有率が10ppm以下であることを意味している。
すなわち、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置によって本発明の硼珪酸板ガラス物品の製造方法で製造された硼珪酸ガラス中の含有量として、白金族元素に関して限定された上限以下の含有量とし、かつ白金に関して限定された上限以下の含有量とすることが可能である。白金族の含有量の上限値や白金の上限値を超える含有量を有する硼珪酸ガラスである場合には、硼珪酸板ガラス物品に着色や異物不良、さらに硼珪酸板ガラス物品の電気的な性質等に問題の発生する危険性が高くなるため、好ましくない。また白金族元素を使用しない環境ではそれぞれの下限値はゼロとなるが、白金族元素、白金を使用する環境では実現困難である。よって、白金を使用する環境ではそれぞれに下限値が存在し、白金族元素を20ppm〜10ppb含有し、白金を10ppm〜1ppb含有するものとなる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品の製造方法を採用することによって、硼珪酸ガラス中に含有する白金族元素が質量百分率で20ppm以下、白金が質量百分率で10ppm以下とする硼珪酸板ガラス物品とすることによって、ガラス製造装置の耐用年数が長くなり、その結果製造原価を低減するなどの益がある。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品は、上述に加え実質的にヒ素を含有しないことが可能である。
ここで、実質的にヒ素を含有しないこととは、硼珪酸板ガラス物品中の砒素(As)成分の含有量が本質的にないということであって、清澄剤等として添加される砒素化合物についても使用されないものであることを意味している。
また、本発明のガラス物品は、上述に加え硼珪酸板ガラス物品中の成分として、Li、K、Na、Ca、Rb、Ba、Mg、Zn、Sn、Sr、Ga、La、P、Zr、Bi、Pbの含有量をガラスの使用用途に応じて変更することができ、所望の機能を実現することができる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品は、上述に加えガラス物品中のOH、O、H、S、N、C、F、Cl、Ne、He、Ar、Kr、Xeの含有量を限定したものとすることができる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品は、上述に加え硼珪酸板ガラス物品中の成分元素としてFe、Ti、Cr、Co、Ni、Se、Cs、Cu、Au、Ag、La、V、Mn、Zn、Nb、Sb、Ce、Zr、He、W、Y、In、Os、Ta、Te、Po、Mo、Tc、Po、Re、U、Tl、Th、Nb、Ir、Hf、Nd、Sm、Ac、Pa、Pu、Am、Cm、Bk、Cfの含有率を酸化物換算で10質量%以下に調整することができる。
また、本発明の硼珪酸板ガラス物品は、上述に加え請求項1から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造された硼珪酸板ガラス物品であって、被覆膜及び/または遮蔽物を構成する硼珪酸板ガラスに対して、各成分の含有量が質量%表示で40%以内の差である組成を有することが好適である。
ここで、請求項1から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造された硼珪酸板ガラス物品であって、被覆膜及び/または遮蔽物を構成するガラスに対して、各成分の含有量が質量%表示で40%以内の差である組成を有するとは、被覆膜あるいは遮蔽物として硼珪酸ガラスを含有する構造を採用した場合には、その硼珪酸ガラスと硼珪酸板ガラス物品となる溶融ガラスの組成差が質量%表示で各成分の含有量について40%以内であることを意味している。
被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスと硼珪酸板ガラス物品となる溶融ガラスの組成差が質量%表示で各成分の含有量について40%を越えると、硼珪酸板ガラス物品を溶融中に被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスが溶融ガラスに混入するといった問題が発生しても、それを溶融炉に配設した均質化装置の助け等によって均質化することが、困難となる場合がある。よって、両者の差の上限は40%とする方が好ましい。
また本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の作製方法として、特に硼珪酸ガラス及び/または金属酸化物粒子よりなる被覆膜及び/または遮蔽物の形成方法としては、対象物である耐熱金属や耐火物の性能を損なわない方法であれば、種々の方法を採用することができるものであって、ロッド式や粉末式に大別される炎溶射法やプラズマジェットを利用する方法、化学蒸着を使用する方法、琺瑯による方法さらにゾルゲル法を利用する方法等を単独、あるいは複合させて採用することができるものである。またこれらの作製方法以外のものであっても、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置を構成することができるものであれば、採用することができる。
また、本発明の白金族元素を含有する耐熱性金属材料及び/または無機酸化物を含有する耐火物を2層以上の構造は、ガラスと接触する外層に対してはそのガラス非接触面に前記作製方法により無機酸化物ガラス及び/または金属酸化物粒子よりなる内層を形成し、更に内層を挟み込むように第3層と成る外層を設けることができる。また、外層、内層の作製順は前記とは逆に、ガラスと反対側に位置する外層に対して内層を設け、更に、ガラス接触面となる外層を作製しても良い。
(1)以上のように、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、白金族元素を含有する耐熱金属製及び/または無機酸化物よりなり、溶融ガラスと接触する耐火物製の構成部材を使用した硼珪酸板ガラス物品を製造する硼珪酸板ガラス物品製造装置であって、
前記構成部材は、酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1以下の変化量であるため、溶融ガラスと直接接触することによって高温状態となる装置を構成する構造材料である白金族元素よりなる耐熱金属材料や無機酸化物よりなる耐火物材料の劣化を遅延させ、構造材料の劣化等によって発生する溶融ガラス中への構造材料の混入を低減し、ガラス物品中の異物数を減らすことを可能とするものである。
(2)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、前記構成部材は、溶融ガラスと接触する表面の裏面側に、遮蔽性を有する被覆膜及び/または遮蔽物が形成されているならば、硼珪酸板ガラス物品製造装置の構成部材を適宜選択した後に、その構成部材や溶融するガラスに相応しい被覆膜、遮蔽物を選定することが可能であって、溶融ガラスに対しての化学的耐久性や高温強度といったこれまでにも必要とされてきた機能に加え、気体に対する遮蔽性を実現する部材として、機能やコストを兼ね備えた構成を採用することができるものである。
(3)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、被覆膜及び/または遮蔽物が、硼珪酸ガラスを含有するものであるならば、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料の表面を広範囲に亘り均一な物理的、化学的状態で被覆することができ、必要に応じてその厚み等を容易に調整することができるので、溶融ガラスの種類や用途等に応じて、その構造を適宜変更することができる。
(4)さらに、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスが、3成分系以上の多成分酸化物ガラスであるならば、白金族元素よりなる耐熱金属材料や無機酸化物よりなる耐火物材料に必要とされる強度や耐蝕性等の種々の性能をガラス組成等の変更によって微調整することも容易であり、白金族元素よりなる耐熱金属材料あるいは無機酸化物よりなる耐火物材料の表面を高温状態でアタックする気体を効率良く遮蔽することができるものである。
(5)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、3成分系以上の多成分系酸化物ガラスが、SiO2とAl23のいずれかを1質量%以上含有するものであるならば、白金族元素よりなる耐熱金属材料及び/または無機酸化物よりなる耐火物材料を被覆する構成材料として、耐熱金属材料や耐火物材料と容易に反応せず、しかも安価に入手することができる原料を利用することができるので、従来設備に大きな変更を加えることなく採用することができるものである。
(6)さらに、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、被覆膜及び/または遮蔽物が、金属酸化物粒子を含有するものであるならば、白金族元素よりなる耐熱金属材料や無機酸化物よりなる耐火物材料の温度上昇時における被覆膜や遮蔽物の構造を安定させ、温度上昇によっても被覆膜や遮蔽物に欠損や剥落等の障害の発生しにくいものである。
(7)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、前記構成部材は、溶融ガラスが滞留する容器部及び/または溶融ガラスが流動する部位に使用されているならば、耐熱金属材料や耐火物材料を介して溶融ガラス中に存在する気体成分の濃縮を効果的に抑制することが可能であって、溶融ガラス中の酸素濃度の富化を抑制し、硼珪酸板ガラス物品中の欠陥となる危険性を低くすることができるものである。
(8)さらに本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、前記構成部材は、白金族元素を含有する耐熱性金属材料及び/または無機酸化物を含有する耐火物を2層以上の構造とし、その2層の間にガラス及び/またはセラミックスを含む内層が形成されているならば、2層間のガラスあるいはセラミックスが高い遮蔽性を確実に実現するよう長期間に亘り働くため、安定したガラス製造状態を維持し続けることを可能とするものであり、製造時の各種の保守を最小限に抑えることができるため、好適なものである。
(9)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、下方に延伸成形する成形手段を備えているならば、重力に逆らわずに成形され、安定した形状の板ガラス物品を連続して大量に成形することが可能なものであって、大量に利用されるガラスの製造方法として優れた品位を実現できるものである。
(10)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、画像入力装置や画像出力装置に搭載される硼珪酸板ガラス物品を製造する装置であるならば、高精細な画像の入出力装置に採用される各種硼珪酸ガラス物品に必要とされるブツや脈理、泡等に関する品位を著しく向上でき、安定したガラス物品の生産を可能とするものであって、他の高い要求性能についても充分対応できる性質を有するガラス物品を量産することができるものである。
(11)さらに、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、画像表示装置搭載用板ガラスを製造する装置であるならば、硼珪酸板ガラスの製造を長期間に亘り同じ設備環境を使用することによって製造を行えるものであって、画像表示装置搭載用板ガラスの製造原価を低減することによって情報産業を司る市場に潤沢に板ガラスを供給することができるものである。
(12)また、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置は、固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であるならば、固体撮像素子の高画素化から搭載されるカバーガラスに要求される高いガラスの均質性を実現することのできる板ガラスを製造することのできるものである。
(13)本発明のガラス物品の製造方法は、請求項1に記載の装置を使用して溶融ガラスから硼珪酸板ガラス物品を製造するものであるため、構造材料成分の溶融ガラス中への溶け込みを抑制することができ、それによって不純物等によるガラスの着色や透過率の低下等の不良を発生する危険性が低くなり、設計仕様に忠実な硼珪酸板ガラス物品の機能を実現することでカストマーの求める性能を確実に実現することを可能にするものである。
(14)また本発明の硼珪酸板ガラス物品の製造方法は、請求項3から請求項12に記載の装置を使用して、その被覆膜及び/または遮蔽物を構成する硼珪酸ガラスの軟化点温度以上に保持し、酸素分子同等以下の小さい直径を有する気体成分に対する遮蔽性を発揮させて硼珪酸板ガラスの製造を行うものであるならば、硼珪酸ガラスよりなる被覆膜や遮蔽物を装置構成基材である白金族元素よりなる耐熱金属材料や無機酸化物よりなる耐火物材料に密閉性を有する状態で固着することが可能となり、本発明の製造装置の性能を充分に活用しつつ、溶融ガラス製造のための加熱操作を円滑に行えるものである。さらに構造部材に発生する熱歪みを低減する加熱処理を装置を構成する基材に配設された被覆膜、遮蔽物へ与えることによって、溶融ガラスの製造時における装置表面部の受ける加熱や冷却等の過負荷となる温度環境にも耐える装置とすることができ、硼珪酸板ガラス物品の数十ヶ月に亘る生産を安定した状態で維持できる製造方法である。
(15)さらに本発明の硼珪酸板ガラス物品の製造方法は、請求項9に記載の装置を使用して、板ガラスを成形するものであるならば、下方延伸成形法において問題となる自由表面である板ガラスの表面部における平坦性を異物の混入に伴って乱すことなく、高い精度の硼珪酸板ガラスを連続生産することを可能とするものである。
(16)本発明の硼珪酸板ガラス物品は、請求項1から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造されたものであるため、高い均質度に加え高い成形寸法を実現することができるものであって、用途を問わず需用者の要求に見合う品位を達成することができ、他の均質化手段等を併用することによってさらに高品位の硼珪酸板ガラス物品を製造することもできる可能性を有するものである。
(17)また本発明の硼珪酸板ガラス物品は、20ppm以下の白金族元素を含有し、10ppm以下の白金を含有するものであるならば、溶融ガラス製造装置に白金族元素あるいは白金を使用した場合に混入する白金族元素、白金の含有量を硼珪酸ガラス中で所定範囲内とすることができるものであって、白金族元素に起因する溶融ガラス中のブツの発生現象を調整することを可能とするものである。
(18)さらに本発明の硼珪酸板ガラス物品は、実質的にヒ素を含有しないものであるならば、ガラス物品が使用される種々の環境やガラス物品が使用された後の硼珪酸板ガラス物品のリサイクルにおいても、硼珪酸板ガラス物品表面からのヒ素の溶出等について留意する必要性のない優れた品位を有するものである。
(19)本発明の硼珪酸板ガラス物品は、請求項2から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造された硼珪酸板ガラス物品であって、被覆膜及び/または遮蔽物を構成する無機酸化物ガラスに対して、各成分の含有量が質量%表示で40%以内の差である組成を有するものであるならば、誤って基材外周部にある硼珪酸ガラスが溶融ガラス中に溶解するようなことがあっても、それによって発生する不均質部位を種々の均質化処理によって補うことで製造に支障のない均質な状態の硼珪酸板ガラス物品を容易に得ることができるものである。
以下に本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置と製造装置を利用する硼珪酸板ガラス物品の製造方法、そして本発明の製造装置によって製造された硼珪酸板ガラス物品について、実施例に基づいて説明する。
図1に本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の部分断面図を示す。この硼珪酸板ガラス物品製造装置10は、溶融炉とガラス成形部よりなるが、図1(A)には本発明の主要部位であるガラス溶融炉について示し、板ガラス成形部については省略してある。この硼珪酸板ガラス物品製造装置で製造されるガラスは、SiO2−Al23−B23−MO(MはMg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属元素を表す)系のガラス組成系である無アルカリの多成分系の硼珪酸ガラスである。この硼珪酸板ガラス物品製造装置を使用して、以下のような工程で硼珪酸板ガラスの製造が行われる。
まず、各種のガラス原料を調合に必要となる量だけ秤量して、大型原料混合機を使用して所定時間均質混合される。こうして得られたガラスカレットを含む原料混合バッチは、硼珪酸板ガラス物品製造装置10の溶融炉の溶融槽20に配設されたシューター21まで搬送され、そこでシューター21によって原料投入機であるスクリューチャージャー22を使用して溶融槽20内に連続的に投入される。この溶融槽20には、温度計測装置や雰囲気制御装置、原料投入量制御装置(いずれも図示省略)が配設されており、成形装置の稼働状態や他の種々の要因を前提とした運用が可能な状態である。溶融槽20内に投入されたガラス原料Mは、溶融槽に配設されたバーナー23や電極24によって高温状態にまで加熱され、ガラス化反応を起こして溶融ガラスGとなる。溶融槽20内の溶融ガラスGは、均質化が不充分であってガラス化反応時の微細な気泡も多数含むものであるため、溶融槽20内に配設されたバブラーから空気バブリングBが行われ、均質化操作が行われ、その後でスロート50を経て清澄槽30内に流入する。
清澄槽30内で、さらに微細な気泡の脱泡が行われ、均質な溶融ガラスGとなる。この後、溶融ガラスGはフィーダー40に設けられたスターラーSにより、溶融ガラスG中の硼素等のような蒸気圧の低い成分の揮発や蒸発によって不均質な状態となった溶融ガラスGの表面生地による脈理を防止するための混合操作が行われ、均質度を一層向上させた状態で成形部へと流出することになる。このフィーダー40は、本発明の要件を満足する構造を採用する事によって、従来問題となったガラス物品中の異物不良や泡不良を改善する対応がとられている。すなわち、このフィーダー40内表面は、白金族元素の合金である白金−ロジウム15%製の耐熱金属板Pを床と側壁に採用した状態になっているが、従来はこのフィーダー40の外表面をさらに耐火物Rのみで部分的に保持する構造を採用していたため、数ヶ月の長期間に亘るガラス物品の製造において溶融ガラスGと直接接触する耐熱金属P内表面の経時的な損傷によって発生する白金異物が、成形される硼珪酸板ガラス中に混入することによって製造された硼珪酸板ガラス物品の品位が損なわれるという問題があった。
そこで、発明者らによってこの問題を回避するための研究が行われ、その結果として図1(B)に示したように、溶融ガラスGと直接接触する白金−ロジウム15%製の耐熱金属製の側壁Pと炉床Pの外側の表面全面に対して、シャモット(組成は、SiO2 60質量%、Al23 40質量%)75質量%+ガラス質25質量%の混合材でプラズマ溶射を行うことによって、0.3mm肉厚の均質なシャモット質の無機酸化物ガラスよりなる被覆膜Kでコートしたものを採用している。そして、このような処置を施した後に、白金上の被覆膜に過剰な熱応力が加わった状態とならないよう、被覆構造の曲面部や端部等の熱応力の蓄積されやすい箇所を特に重点的にガラス質材料の軟化点以上まで再加熱した後に焼鈍(アニール)し、この処理によって生じた歪みの緩和処理を行うことができる。またこの処理は、被覆膜に存在する溶射処理の欠陥であるピンホール状の被覆未処理箇所等の欠陥個所を塞ぎ、被覆膜の密閉性、密着性を向上させるためにも必要な操作である。
このような特徴を有するフィーダーを持つ硼珪酸板ガラス物品製造装置で溶融した均質な硼珪酸ガラスでは、フィーダー内表面の経時的な劣化が抑制され、白金異物の発生数が0.5個/kg以下に激減し、しかもガラス物品中の白金含有量を10ppm〜1ppbmの範囲に留めることができるようになる。これは、発明者らの推測によれば、耐熱金属外表面が被覆膜によって密閉被覆されることによって、溶融ガラス中の耐熱金属材料表面の表面電位が変化し、その結果として耐熱金属に接触する溶融ガラス中の酸素富化が抑制される為に耐熱金属の酸化および溶融ガラスへの溶解が減少するというような化学反応が長期に亘り遅延することで剥離等の欠陥が生じ難くなると考えられる。あるいは耐熱金属外表面が被覆されることによって、揮発や蒸発によって経時的に損耗した金属材料が炉内の低温部位に沈積し、それが流出して異物の原因となることを防止することも可能となると考えられる。また本発明の構造を有する硼珪酸板ガラス物品製造装置を硼珪酸板ガラス物品の製造に使用することによって、溶融ガラス中の気泡の数も10分の1以下の数に減少することが見いだされている。これは、発明者らによれば、耐熱金属外表面が被服膜により密閉されることにより、溶融ガラスと外界との物質移動や電気化学的反応が抑制される為であろう。例えば、溶融ガラスが耐熱金属表面で局所的に形成された電位差による電気分解で生成する気泡によるガラス物品の泡不良やガラス融液中の酸素分圧の変化によって生じる酸素気泡等を起因とするガラス物品の泡不良の発生を抑止する効果を有するものと考えられる。
次いで、実施例1のような実績を生み出すことのできる本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置と硼珪酸板ガラス物品に関して、より基礎的な実験段階の試験に関して説明する。
この調査は、以下のような手順で行う。すなわち、溶融後のガラス物品が表1の所望の組成となるようにガラス原料を調合し、小型ロッキングミキサーを使用して均質混合することによってガラス原料バッチを得ることができる。このようにして準備したガラス原料バッチを硼珪酸板ガラス物品製造装置11として図2に示した様な白金−ロジウム10%製の小型溶融ポット11を利用することによって溶解する。ここで、小型溶融ポット11として3種類の仕様の被覆膜あるいは遮蔽物を採用したものを準備した。第一の仕様(仕様イ)は、白金−ロジウム10%基材の表面に1種類のセラミックスとしてAl23よりなる多孔状の被覆層を溶射により形成した上にさらにSiO2 55質量%、Al23 40質量%、ZrO2 1質量%、MO(M=Ca、Mg、Ba) 4質量%のガラス粉末スラリーを塗布し、加熱処理してガラス質被膜を形成すると共に加工歪みを低減させたものである。第二の仕様(仕様ロ)は、平均粒径3μmのアルミナ粉末と無機酸化物ガラスである無アルカリガラス(組成は、SiO2 60質量%、Al23 16質量%、B23 10質量%、MO(M=Ca、Mg、Ba、Sr、Zn) 14質量%よりなる粉末の均質混合物に対し水溶性高分子であるポリビニルアルコールをバインダとして5重量%の割合で混合し、これらを水に分散させたスラリーをスプレーにて塗布し、白金−ロジウム10%の基材表面に遮蔽物を形成し、ガラス軟化点以上の温度1400℃に加熱することで加熱徐歪処理を行ったものである。第三の仕様(仕様ハ)は、無アルカリガラス(組成は、SiO2 59質量%、Al23 17質量%、B23 10質量%、MO(M=Ca、Mg、Ba、Sr、Zn) 14質量%を溶射にて被膜形成し、更に、その上に、SiO2被膜を金属アルコキシレートを利用するゾルゲル法を採用して形成し、加熱によって歪みを除去したものである。いずれについても、図2に示したようにポット11について、基材Pの外表面の全ての表面、すなわち溶融ガラスと接触する表面の裏面側に被膜、あるいは遮蔽物Kを形成している。
Figure 2006076871
これらのポット11(容量100ccあるいは容量50cc)に表1のガラス組成となるように、予め1500℃、10時間の条件でバーナー燃焼加熱装置を備えたガラス溶融炉(図示省略)を使用して溶融した後、粗砕成形して調整したガラスカレット原料を複数回に分けて投入して、再度1500〜1600℃の温度で40時間の溶融を行う。白金−ロジウム10%のポットと溶融ガラスとの界面で発生した泡数は、全ての試料で0個であった。その後、カーボン鋳型中にキャスティング成形を行うことで評価用の板ガラス形状を有するガラス物品の成形を行う。成形後の板ガラスは、徐冷炉中に投入して室温まで冷却して、最終的な評価用ガラス物品を得る。
ガラス中の泡数と白金を含有する異物については、肉眼観察と実体顕微鏡を使用して計測を行い、ガラス中の白金含有量については化学分析、機器分析によって調査することができる。こうして得られる結果は、表1に表されるようになり、ガラス中の泡数は試料No.1〜No.4のいずれについても認められないND表示(また表中調査していないものは空欄表示とした。)か、あるいは認められても0.1個/kgより少なく、充分良好な結果となる。また白金を含有する異物についても認められないND表示、あるいは0.1個/kgより少なくなる。そしてガラス中の白金族元素、すなわち白金とロジウムの含有量の定量分析についても問題のない含有量であって、ポット内面の溶融ガラスと直接接触していた表面が、著しく浸食され、溶融ガラス中の濃度が上昇する状態とはならないことを確認することができた。すなわち、例えば試料No.1は、白金の含有量が1.2ppm、ロジウムの含有量が2.7ppmであって、合わせて3.9ppmである。この試験結果から、白金族元素の溶出量についての値は本発明のガラス物品の白金族元素の含有量である20ppm以下という条件と白金族元素の含有量の10ppm以下という条件とをいずれも満足するものとなっていることが判明した。
次いで、これらのポットの性能について、高温状態での経時的な変化に対する性能を比較するため、前記したと同様に準備したガラスカレットをポットに入れた状態で電気炉内で1600℃で10日間保持して、溶融ガラス中の泡の数と白金異物、白金とロジウムの含有量の計測を行い、初期の4時間保持での計測値との比較を行った。その結果、白金異物についてはいずれもNDであった。また、泡数は試料No.1が0.1個/kgであったが、他はNDであった。さらに白金とロジウムの含有量については、初期の計測値に対しては白金が最大で1.3%の増加、ロジウムが最大で2.2%の増加を示し、いずれも初期値に対して1割以下の変化量であり、酸素分子同等以下の直径を有する気体成分に対して充分高い遮蔽性を有するものとなっていることが確認できた。また、ポットと溶融ガラスとの界面に発生した泡数については、1600℃で10日間保持した後、ポット内の溶融ガラスを一旦流し出し、新たに同組成のガラスを投入し、1600℃で4時間溶融した後初期状態時と比較を行った。全ての試料で泡数は0であり、初期の遮蔽性を保持していた。
なお、ここでの白金とロジウムのそれぞれの分析方法としては、化学分析を採用した結果によるものである。
このように、実施例によれば、本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置を使用することによってガラス物品の製造方法を適用することで、異物の少ない画像入出力装置等に適用するに好適なガラス物品が得られる。
さらに、本発明を導き出すきっかけとなった事例とそれに関連する試験を以下に示す。
本発明者らは、長年に亘り溶融ガラス中の欠陥に対して、その因果関係を解き明かすため数多くの技術的な評価を行ってきた。その中で均質な溶融ガラスが偶然に得られる次のような現象に着目した。
溶融ガラスを耐火性金属である白金容器中で溶融するということは、一般に行われてきた。一般に白金容器は高い耐熱性を有するもので、ガラスを高温溶融するには欠かせないものであるが、経時的な劣化や局所的な強度に問題があり、時として白金に亀裂等が入ると亀裂から溶融ガラスが容器外へと流れだし、容器外壁を濡らした状態となる。このような場合であっても、溶融ガラスの粘性が充分に大きければ容器周囲を囲う耐火物の空隙中に浸透する内に冷却されて溶融ガラス生地の連続的な流出は止まることがあった。そして、本発明者らは、偶然にも、このような生地漏れしたガラスが容器の白金外表面を被覆するような状態になった場合に、その後の溶融ガラスの生産における均質性が向上し、ガラス物品中の泡や異物等の数量が減少することに気がついた。
そして、このような観察結果を解析することによって、溶融ガラスの均質化に役立てることができないか検討が行われ、本発明者らは、次のような試験を実施した。
(試験1)試験を判りやすくするための説明図を図3に示す。まず、効果を明瞭に確認するため、意図的に厚み50μmの薄い白金箔を用い、底辺が約30mm×30mmで、高さ50mmの寸法を有する容器60を作製した。この白金箔製容器60内に20gの実施例1と同様の組成を有する板ガラスカレットG1を充填した。そしてガラスカレットG1を充填した容器60を50ccの容積を有するアルミナ製坩堝62内に置き、その外側に同組成のガラスカレットG2を充填した。ここで、ガラスカレットG1とG2は同一溶解炉にて生産されたものである。
白金箔を介してガラスカレットを充填した状態で、アルミナ製坩堝62を1500℃、1時間の条件で空気雰囲気中にて加熱電気抵抗炉(図示省略)内に保持した。その後、アルミナ製坩堝を炉内から取り出して、ガラスカレットG1と白金界面の状態を観察した。その結果、ガラスカレットG1と白金箔容器60の界面には気泡が認められなかった。さらに同様の試験を温度のみ1580℃まで上昇させた条件として実施したが、1500℃の試験結果と大差なく、気泡の存在を認めなかった。
(試験2)一方、比較例として試験1と同じ組成で同様の履歴で作製されたガラスカレットG1をやはり試験1と同様の白金箔により作製した底辺が約30mm×30mmで、高さ50mmの寸法を有する容器60に充填し、容器の周囲をガラスカレットG2で充填することなく、アルミナ製坩堝内に置いて実施例1と同じ加熱条件(1500℃と1580℃)を採用して保持した。そしてその後、加熱電気抵抗炉内から取り出してガラスカレットG1と白金界面の観察を実施したところ、多数の泡が界面部に認められた。
以上の事実から、発明者らは、1500℃、1580℃のような高温状態では単なる白金のみからなる壁面で遮られただけでは、壁面表面に何らかの原因で気泡が発生するが、それは類似した組成を有するガラス生地を白金壁面の外側に介在させることによって抑制することができる可能性を見いだした。
(試験3)次いで、実施例1と同様のガラス組成のガラスカレットを使用して、溶融時間による泡数の変化を調査した。調査は、白金箔を25mm×40mm×5mm容器形状に成形した。ガラスカレットと白金箔は事前にエチルアルコールにより洗浄を行い、表面の付着有機物等を除去した状態としたものを使用した。そして、試験1と同様に白金箔容器内にガラスカレットG1を充填し、この白金箔容器をアルミナ製坩堝内に置いて、ガラスカレットG2を充填せずに、そのままの状態で加熱電気抵抗炉内に投入した。そしてこの炉内で温度条件として、1580℃で1時間保持した後に1500℃で1時間、4時間、7時間、24時間、30時間保持し、それぞれの時間について白金箔容器底面に発生する泡数を計測した。
その結果、1時間経過後で200個以上の泡数を確認したが、4時間で100個以上、7時間で約100個、24時間で70個以上、30時間で70個以上の泡数を確認した。いずれの泡についても、泡径は0.2mmから0.3mm程度の寸法であった。一方、白金箔容器の周囲にガラスカレットG2を充填した場合については、泡を認めなかった。
以上の結果から、試験1、試験2の再現性を確認し、さらに時間経過によっても大きな変化は認められず、白金箔の周囲にガラスカレットG2という遮蔽物を採用することによって、泡数を低減することが可能であることを確認した。
(試験4)高温においてガラスは白金容器の周囲に安定した形状を保つことが困難なので、耐火材料として知られるシャモット(SiO2 60質量%、Al23 40質量%)をガラスカレットG2に代えて使用できるかどうかを調査した。ここでは、試験1と同様の白金箔により作製した底辺が約30mm×30mmで、高さ50mmの寸法を有する容器60に試験1と同様のガラスカレットG1を充填し、容器の周囲はガラスカレットG2に代えて遮蔽物としてシャモット粉末を充填した上でそのアルミナ製坩堝を1580℃で30分保持後に1500℃で20分間保持した。そしてその後、加熱電気抵抗炉内から取り出してガラスカレットG1と白金界面の観察を実施したところ、多数の泡が界面部に認められた。この場合、白金容器の周囲に充填したシャモットは焼結が一部進んでいるものの通気性が認められた。
この結果より、ガラスに接触する白金容器の外周のシャモットは流動状態になってはいないものの、焼結多孔質状態のためにガラス中に発生する泡を低減することができないことが分かった。
(試験5)そこで、ガラスカレットG2の高温状態での形状維持性を改善するための基礎的な知見を得るため、以下のような試験を実施した。
まず、従来のガラスカレットG2に代わる材料として、質量百分率でガラスカレットG2を12質量%、石英ガラスを34質量%、蛙目粘土を5質量%、フラタリー珪砂49%を均質混合した充填剤を作成した。そしてこの充填剤とガラスカレットG2の混合比率を100質量%(充填剤のみ)から、75質量%、50質量%、25質量%、0質量%(ガラスカレットG2のみ)と変化させてアルミナ製坩堝と白金箔容器の間に充填し、試験1と同様の条件(つまり1500℃、1580℃で保持する)で試験を実施した。その結果、充填剤とガラスカレットの混合物の加熱処理後における状態を観察すると、ガラスの割合が増すにつれて多孔質状態から気孔の無い緻密状態に変化しており、75質量%以下の比率について、白金薄容器内の泡が認められず、遮蔽物としての効果が高いことが判明した。また形状維持性については、25質量%以上で支障がないと予測できる結果が得られた。更に、遮蔽物としての効果が認められる充填剤とガラスカレットの混合粉末の加熱処理物上に滴下した水は浸透せずに液滴形状を維持した。これより、遮蔽物として効果のある材料は水が浸透しない性状を有することが必要である事がわかった。
以上の一連の基礎試験によって、本発明の遮蔽物を利用することによって、白金界面での発泡現象を抑止すること、さらにそれを実使用できる可能性のあることが判明した。
本発明の硼珪酸板ガラス物品製造装置の部分断面図であって、(A)は長手方向断面図で(B)は(A)のX−X断面を表す要部断面図。 本発明に係る他の硼珪酸板ガラス物品製造装置の断面図。 基礎試験で使用した装置の断面図。
符号の説明
10、11 硼珪酸板ガラス物品製造装置
20 溶融槽
21 シューター
22 原料投入機
23 バーナー
24 電極
30 清澄槽
40 フィーダー
50 スロート
B バブリング
M ガラス原料
G 溶融ガラス
R 耐火物
P 耐熱金属製、無機酸化物よりなる耐火物製の構成部材
K 被覆膜及び/または遮蔽物
S スターラー
Q 発熱体

Claims (19)

  1. 白金族元素を含有する耐熱金属製及び/または無機酸化物よりなり、溶融ガラスと接触する耐火物製の構成部材を使用した硼珪酸板ガラス物品を製造する硼珪酸板ガラス物品製造装置であって、
    前記構成部材は、酸素分子径同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性が、1600℃で10日間保持した後に、初期遮蔽性の10分の1以下の変化量であることを特徴とする硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  2. 前記構成部材は、溶融ガラスと接触する表面の裏面側に、遮蔽性を有する被覆膜及び/または遮蔽物が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  3. 被覆膜及び/または遮蔽物が、硼珪酸ガラスを含有するものであることを特徴とする請求項2に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  4. 被覆膜及び/または遮蔽物の硼珪酸ガラスが、3成分系以上の多成分酸化物ガラスであることを特徴とする請求項3に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  5. 3成分系以上の多成分系酸化物ガラスが、SiO2とAl23のいずれかを1質量%以上含有することを特徴とする請求項4に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  6. 被覆膜及び/または遮蔽物が、金属酸化物粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  7. 前記構成部材は、溶融ガラスが滞留する容器部及び/または溶融ガラスが流動する部位に使用されていることを特徴とする請求項1に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  8. 前記構成部材は、白金族元素を含有する耐熱性金属材料及び/または無機酸化物を含有する耐火物を2層以上の構造とし、その2層の間にガラス及び/またはセラミックスを含む内層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  9. さらに、下方に延伸成形する成形手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  10. 画像入力装置や画像出力装置に搭載される硼珪酸板ガラス物品を製造する装置であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  11. 画像表示装置搭載用板ガラスを製造する装置であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  12. 固体撮像素子用板ガラスを製造する装置であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の硼珪酸板ガラス物品製造装置。
  13. 請求項1に記載の装置を使用して溶融ガラスから硼珪酸板ガラス物品を製造することを特徴とする硼珪酸板ガラス物品の製造方法。
  14. 請求項3から請求項12に記載の装置を使用して、その被覆膜及び/または遮蔽物を構成する硼珪酸ガラスの軟化点温度以上に保持し、酸素分子同等以下の直径を有する気体成分に対する遮蔽性を発揮させて硼珪酸板ガラスの製造を行うことを特徴とする硼珪酸板ガラス物品の製造方法。
  15. 下方に延伸成形する成形手段を採用した請求項9に記載の装置を使用して、板ガラスを成形することを特徴とする硼珪酸板ガラス物品の製造方法。
  16. 請求項1から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造されたことを特徴とする硼珪酸板ガラス物品。
  17. 20ppm以下の白金族元素を含有し、10ppm以下の白金を含有することを特徴とする請求項16に記載の硼珪酸板ガラス物品。
  18. 実質的にヒ素を含有しないことを特徴とする請求項16に記載の硼珪酸板ガラス物品。
  19. 請求項2から請求項12の何れかに記載の装置を使用して製造された硼珪酸板ガラス物品であって、被覆膜及び/または遮蔽物を構成するガラスに対して、各成分の含有量が質量%表示で40%以内の差である組成を有することを特徴とする硼珪酸板ガラス物品。
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