JP5522052B2 - レンズユニット及び車載用赤外線レンズユニット - Google Patents

レンズユニット及び車載用赤外線レンズユニット Download PDF

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Description

本発明は、一又は複数のレンズが鏡筒に保持された構成のレンズユニットに関し、また、車輌に搭載されて夜間の撮像を行う赤外線カメラなどに備えられる車載用赤外線レンズユニットに関する。
近年、赤外線を受光することによって撮像を行う赤外線撮像装置が普及している。例えば、車輌に赤外線撮像装置を搭載して夜間などに車輌周辺の撮像を行い、衝突の可能性がある歩行者を検出して運転者に警告を発するナイトビジョンシステムが実用化されている。赤外線撮像装置は、赤外線を透過及び集光する赤外線レンズと、赤外線を受光する赤外線撮像素子とを備えることによって、撮像を行っている。
このような撮像装置においては、製造又は組み立て等の容易化のために、撮像用の一又は複数のレンズを円筒状の鏡筒に保持されることによってユニット化する場合が多い。図27は、従来の車載用赤外線レンズユニット104の構成を示す模式図である。車載用赤外線レンズユニット104は、第1赤外線レンズ110及び第2赤外線レンズ120を内部に保持する円筒状の鏡筒130を備えている。赤外線レンズユニット104は、第1赤外線レンズ110、スペーサ140及び第2赤外線レンズ120が順に鏡筒130に挿入され、これらが鏡筒130に内嵌した状態でレンズ押さえ150により固定された構成をなしている。なお以下においては、軸方向の第2赤外線レンズ120側を正面側といい、第1赤外線レンズ110側を背面側という。
鏡筒130には背面側の内周面を一周に亘って階段状に形成したレンズ保持部131が設けてあり、鏡筒130に挿入された第1赤外線レンズ110はレンズ保持部131に内嵌することによって保持される。スペーサ140は、その外径が鏡筒130の内径に略等しい円筒状をなし、鏡筒130に挿入されて内嵌する。第2赤外線レンズ120は、その外径が鏡筒130の内径に略等しく、鏡筒130に挿入されて正面側端部近傍に内嵌する。鏡筒130に挿嵌された第1赤外線レンズ110及び第2赤外線レンズ120は、光軸の位置調整(調芯)の作業が行われた後、接着剤などを用いて鏡筒130に固定される。
鏡筒130内において、スペーサ140の背面側の端面は、第1赤外線レンズ110の正面側の周縁部分に当接し、スペーサ140の正面側の端面は、第2赤外線レンズ120の背面側の周縁部分に当接する。即ちスペーサ140は、鏡筒130内の第1赤外線レンズ110及び第2赤外線レンズ120の間に介在し、軸方向に関する両赤外線レンズの位置決めを行うための部材であり、スペーサ140の軸方向の長さによって、両赤外線レンズの間の距離L1が規定される。
車輌に搭載される赤外線撮像装置においては、その周囲環境の温度変化が大きいため、温度変化による車載用赤外線レンズユニット104の光学特性の変化が問題となる。例えば、車載用赤外線レンズユニット104が備える第1赤外線レンズ110及び第2赤外線レンズ120の屈折率が温度変化によって変動した場合に、撮像素子に対する焦点ずれが発生する。これにより、撮像素子にて撮像される画像が不鮮明になるなど、赤外線撮像装置の性能が低下するという問題があり、これを回避する方策が求められる。
特許文献1においては、CCD(Charge Coupled Device)などの機能素子が取り付けられる基板と、この基板に一端側が固定される筒状のホルダーと、レンズが一端側に取り付けられる筒状の鏡筒とを備え、鏡筒が機能素子の受光面に対して略垂直な方向に沿って配置され、鏡筒の他端側がホルダーの他端側に取り付けられた構成の光学装置が提案されている。この光学装置は、使用する環境の温度変化が生じ、ホルダーが基板に対して熱伸縮した場合であっても、鏡筒はホルダーの熱伸縮と反対方向へ熱伸縮するため、レンズのピントずれを防止することができる。
また、特許文献2においては、原稿を載置する原稿台に対して平行に往復移動可能なキャリッジを備え、使用環境の温度が変化しても結像位置をキャリッジのラインセンサ面に維持することができる画像読取装置が提案されている。この画像読取装置のキャリッジでは、レンズ鏡筒及びこれを収容するハウジングを固定するチップ部材は、その一端が接着剤によりレンズ鏡筒に接着され、他端がねじによりハウジングに固定されている。チップ部材の熱膨張係数をハウジングの熱膨張係数より大きくすることで、使用環境の温度変化によりハウジングが熱膨張又は熱収縮した場合であっても、原稿から集光レンズまでの光路長及び集光レンズからラインセンサまでの光路長を変更することができ、結像位置を維持することができる。
特開2002−14269号公報 特開2001−84352号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光学装置は、レンズが一端側に取り付けられた鏡筒をホルダー内に挿入し、鏡筒の他端側をホルダーに取り付ける構成であるため、軸方向に関する装置サイズが大きいという問題がある。車載の赤外線撮像装置は、車輌における搭載スペースが限られていることから、小型化が求められる。また特許文献1の光学装置は、鏡筒及びこれを収容するホルダーの形状及び熱膨張係数を適切に設定する必要があるが、装置の外観及び強度等の要因でホルダーの形状及び素材が定められている場合には、鏡筒のみを変更して形状及び熱膨張係数を適切に設定する必要があり、設計が容易ではない。
また、特許文献2に記載の画像読取装置は、鏡筒及びハウジングの間に介在するチップ部材により温度変化に応じた位置調整を行う構成であるため、ハウジングの素材が定められている場合であっても、チップ部材の熱膨張係数を適切に設定すればよい。しかしハウジングには、チップ部材を固定するためのねじ穴、及びチップ部材を鏡筒に接着固定するための貫通穴を形成する必要があり、ハウジングの大きな形状変更が必要であるという問題がある。またチップ部材及びねじ等の部品点数増加によって、製造工程の複雑化及びコスト増大等を招来する虞がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、装置の大型化、製造工程の複雑化及びコスト増大等を生じることなく、温度変化による焦点ずれを補正することができるレンズユニット及び車載用赤外線レンズユニットを提供することにある。
本発明に係るレンズユニットは、複数のレンズと、該レンズを内部に保持する鏡筒と、該鏡筒内で2つの前記レンズ間に介在するスペーサとを備え、複数の前記レンズにより撮像素子への集光を行うレンズユニットであって、前記鏡筒又は前記スペーサは、前記レンズを保持するレンズ保持部を有し、前記鏡筒及び前記スペーサは、熱膨張係数が異なる素材でそれぞれ形成され、前記スペーサは、熱膨張により2つの前記レンズ間の距離を広げるようにしてあり、前記レンズ保持部は、2つの前記レンズのうち前記撮像素子の近くに配されるレンズを保持し、温度上昇による前記スペーサの熱膨張に伴い、保持した前記レンズを軸方向へ前記撮像素子に近づける方向へ移動し、温度下降による前記スペーサの収縮に伴い、保持した前記レンズを軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、保持した前記レンズの前記鏡筒に対する相対位置変化させるようにしてあり、前記スペーサは、2つの前記レンズにそれぞれ外嵌する外嵌部が形成してあることを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記レンズ保持部が、前記鏡筒に設けられ、前記スペーサと共に前記レンズを軸方向に挟むことで、該レンズを保持するようにしてあり、前記スペーサは、前記レンズ保持部に保持されたレンズを、熱膨張により前記レンズ保持部へ向けて押圧するようにしてあり、前記レンズ保持部は、保持した前記レンズが前記スペーサの押圧によって前記撮像素子へ近づく方向へ移動するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記レンズ保持部が、前記鏡筒の内周面に突設され、前記レンズの移動を係止する係止部と、該係止部及び前記レンズの間に介在する弾性部材とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記レンズが、軸方向の一側の周縁部分が他側へ拡径するテーパ状に形成してあり、前記レンズ保持部は、前記鏡筒の内周面に突設され、前記レンズの一側の周縁部分に当接する当接部を有し、該当接部が、前記レンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成してあることを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記レンズ保持部が、前記スペーサの外嵌部に外嵌されたレンズを固定手段で固定することにより、該レンズを保持するようにしてあり、前記スペーサの熱膨張によって、前記外嵌部に固定された前記レンズが前記撮像素子へ近づく方向へ移動するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記鏡筒に対する前記スペーサの軸方向への移動を係止する係止手段を備え、前記スペーサは、前記係止手段による係止位置から前記レンズ保持部までの部分の熱膨張により、前記レンズ保持部に保持されたレンズを前記撮像素子へ近づける方向へ移動させるようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記鏡筒に固定され、軸方向の最端側に配されたレンズに当接し、該レンズを前記スペーサへ押さえつけるレンズ押さえを更に備え、前記係止手段による係止位置での前記鏡筒の内径は、前記レンズ押さえにより押さえつけられるレンズの外径より小さいことを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、2つの前記レンズ間には複数のスペーサが介装されており、一のスペーサに内嵌して該スペーサの端部を係止すると共に、他のスペーサに外嵌して該スペーサの端部を係止するように、2つのスペーサ間に介装される連結部材を更に備え、該連結部材の熱膨張係数が、前記スペーサの熱膨張係数より小さいことを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記スペーサの熱膨張係数が、前記鏡筒の熱膨張係数より大きいことを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、レンズと、該レンズを内部に保持する鏡筒とを備え、前記レンズにより撮像素子への集光を行うレンズユニットであって、前記レンズは、軸方向の一側の周縁部分が他側へ拡径するテーパ状に形成してあり、前記鏡筒の内周面に突設され、前記レンズの一側の周縁部分に当接する当接部と、前記レンズの他側の周縁部分に当接し、前記レンズを一側へ押圧する押圧部材とを備え、前記当接部が、前記レンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成してあり、温度上昇による前記鏡筒の熱膨張に伴い、前記レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子に近づく方向へ移動し、温度下降による前記鏡筒の収縮に伴い、前記レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、前記鏡筒に対する前記レンズの相対位置が変化するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るレンズユニットは、前記鏡筒の熱膨張係数が、前記レンズの熱膨張係数より大きいことを特徴とする。
また、本発明に係る車載用赤外線レンズユニットは、複数の赤外線レンズと、該赤外線レンズを内部に保持する鏡筒と、該鏡筒内で2つの前記赤外線レンズ間に介在するスペーサとを有し、車輌に搭載された赤外線撮像装置に備えられ、複数の前記赤外線レンズにより前記赤外線撮像装置が有する撮像素子への集光を行う車載用赤外線レンズユニットであって、前記鏡筒又は前記スペーサは、前記赤外線レンズを保持するレンズ保持部を有し、前記鏡筒及び前記スペーサは、熱膨張係数が異なる素材でそれぞれ形成され、前記スペーサは、熱膨張により2つの前記赤外線レンズ間の距離を広げるようにしてあり、前記レンズ保持部は、2つの前記赤外線レンズのうち前記撮像素子の近くに配される赤外線レンズを保持し、温度上昇による前記スペーサの熱膨張に伴い、保持した前記赤外線レンズを軸方向へ前記撮像素子に近づける方向へ移動し、温度下降による前記スペーサの収縮に伴い、保持した前記赤外線レンズを軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、保持した前記赤外線レンズの前記鏡筒に対する相対位置変化させるようにしてあり、前記スペーサは、2つの前記赤外線レンズにそれぞれ外嵌する外嵌部が形成してあることを特徴とする。
また、本発明に係る車載用赤外線レンズユニットは、赤外線レンズと、該赤外線レンズを内部に保持する鏡筒とを備え、車輌に搭載された赤外線撮像装置に備えられ、前記赤外線レンズにより前記赤外線撮像装置が有する撮像素子への集光を行う車載用赤外線レンズユニットであって、前記赤外線レンズは、軸方向の一側の周縁部分が他側へ拡径するテーパ状に形成してあり、前記鏡筒の内周面に突設され、前記赤外線レンズの一側の周縁部分に当接する当接部と、前記赤外線レンズの他側の周縁部分に当接し、前記赤外線レンズを一側へ押圧する押圧部材とを備え、前記当接部が、前記赤外線レンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成してあり、温度上昇による前記鏡筒の熱膨張に伴い、前記赤外線レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子に近づく方向へ移動し、温度下降による前記鏡筒の収縮に伴い、前記赤外線レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、前記鏡筒に対する前記赤外線レンズの相対位置が変化するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、複数のレンズを鏡筒内にて保持し、レンズ間にスペーサが介在して軸方向の位置決めを行う構成のレンズユニットにて、鏡筒及びスペーサを熱膨張係数が異なる素材でそれぞれ形成する。レンズユニットの鏡筒又はスペーサには、レンズを保持するためのレンズ保持部を設ける。
この構成においてレンズ間に介在するスペーサは、熱膨張によってレンズ間の距離を広げることができる。またレンズ保持部は、スペーサの熱膨張によってレンズが軸方向へ移動することができるようにレンズを保持する構成とする。
これにより、周囲環境の温度が上昇した場合、レンズユニットのスペーサがレンズ間の距離を広げるように熱膨張し、これに応じてレンズ保持部に保持されたレンズが軸方向へ移動することができる。即ち、温度変化に応じて鏡筒内でレンズを移動させることができ、撮像素子などに対するレンズの位置を移動させることができる。鏡筒及びスペーサ等の熱膨張係数を適切に設定することによって、温度変化により生じた焦点ずれのずれ量に対応して鏡筒内のレンズを移動させることができるため、焦点ずれを相殺して補正することができる。
また、本発明においては、レンズユニットの鏡筒に、スペーサと共にレンズを挟んで保持するレンズ保持部を設ける。
この構成においてスペーサは、レンズ保持部と共に挟んで保持したレンズを、熱膨張によってレンズ保持部へ向けて押圧するように、適切な熱膨張係数の素材で形成する。またレンズ保持部は、スペーサの押圧によってレンズが軸方向へ移動することができるようにレンズを保持する構成とする。
これにより、周囲環境の温度が上昇した場合、レンズユニットのスペーサが熱膨張してレンズをレンズ保持部へ向けて押圧し、これに応じてレンズ保持部に保持されたレンズが軸方向へ移動することができる。即ち、温度変化に応じて鏡筒内でレンズを移動させることができ、撮像素子などに対するレンズの位置を移動させることができる。鏡筒及びスペーサ等の熱膨張係数を適切に設定することによって、温度変化により生じた焦点ずれのずれ量に対応して鏡筒内のレンズを移動させることができるため、焦点ずれを相殺して補正することができる。
また、本発明においては、鏡筒の内周面に突設されてレンズの移動を係止する係止部と、ばね又はゴム等の付勢部材とをレンズ保持部が有し、付勢部材が係止部及びレンズの間に介在して、レンズをスペーサへ向けて付勢する構成とする。
これにより、レンズ保持部はレンズを軸方向に移動可能に保持できる。また、周囲環境の温度が下降した場合にレンズユニットのスペーサが収縮するが、この場合には付勢部材がレンズをスペーサへ向けて付勢するため、スペーサが熱膨張する場合と逆方向へ、レンズを移動させることができる。よって、鏡筒及びスペーサ等の熱膨張係数を適切に設定することで、温度変化によるレンズの屈折率の変化などに応じて生じる焦点ずれを、鏡筒内のレンズの位置変化によって相殺して補正することができる。
また、本発明においては、レンズ保持部に保持されるレンズの軸方向一側の周縁部分を他側へ拡径するテーパ状に形成する。レンズ保持部は、鏡筒の内周面に突設されてレンズの周縁部分に当接する当接部を有し、この当接部をレンズの周縁部分の角度に対応する角度のテーパ状に形成する。
この構成では、鏡筒が温度変化に伴って膨張又は収縮し、鏡筒の内径が拡大又は縮小した場合に、レンズ保持部に保持されたレンズは、テーパ状の当接部の傾斜に沿って移動することができる。例えばレンズ保持部の当接部が鏡筒の一側から他側へ拡径するテーパ状であれば、熱膨張により鏡筒の内径が拡大した場合、レンズは軸方向へ鏡筒の一側(即ち、内径の小さい側)へ移動することができる。この場合、スペーサがレンズを鏡筒の他側から一側へ押圧することによって、レンズが一側へ移動する。また収縮により鏡筒の内径が縮小した場合には、レンズは軸方向へ鏡筒の他側(即ち、内径の大きい側)へ移動する。
これにより、周囲環境の温度が降下した場合にレンズユニットのスペーサが収縮するが、この場合には鏡筒も収縮して内径が縮小し、レンズ及びレンズ保持部のテーパ形状によってレンズをスペーサ側へ移動させることができる。鏡筒及びスペーサ等の熱膨張係数を適切に設定することで、温度変化によるレンズの屈折率の変化などに応じて生じる焦点ずれを、鏡筒内のレンズの位置変化によって相殺して補正することができる。
また、本発明においては、スペーサの端部(一端又は両端)に、レンズに外嵌する外嵌部を形成する。これにより、スペーサにレンズを外嵌させた後、スペーサ及びレンズを鏡筒内に挿入することでレンズユニットの組み立てを行うことができ、レンズユニットの組み立てを容易化することができる。
更に、スペーサの両端に外嵌部を形成した場合は、スペーサに2つのレンズを嵌合させた後、この2つのレンズの調芯を行って、スペーサに接着剤などを用いて2つのレンズを固定することができる。レンズが固定されたスペーサを鏡筒内に挿入することでレンズユニットの組み立てを行うことができ、その後に2つのレンズの調芯を行う必要はなく、レンズユニットの組み立てをより容易化することができる。
また、本発明においては、レンズユニットのスペーサの端部に、レンズに外嵌して保持するレンズ保持部を設ける。レンズは接着剤又はねじ止め等の固定手段によりスペーサに固定される。
これにより、周囲環境の温度が上昇した場合、レンズユニットのスペーサが熱膨張し、スペーサの端部に保持されたレンズの位置が移動する。即ち、温度変化に応じて鏡筒内でレンズを移動させることができ、撮像素子などに対するレンズの位置を移動させることができる。スペーサの熱膨張係数を適切に設定することによって、温度変化により生じた焦点ずれのずれ量に対応して鏡筒内のレンズを移動させることができるため、焦点ずれを相殺して補正することができる。
また、本発明においては、レンズユニットのスペーサは鏡筒内に軸方向へ挿入されて組み立てられるが、スペーサ及び鏡筒にはスペーサの軸方向への移動を係止する係止手段を設け、鏡筒に挿入されたスペーサが所定位置から移動することを防止する。
この構成においてスペーサは、係止手段による係止位置が熱膨張により移動することはなく、係止位置からレンズ保持部までの部分の熱膨張によってレンズを軸方向へ移動させる。よって、係止位置からレンズ保持部までの部分とスペーサの熱膨張係数とを適切に設定することで、スペーサの熱膨張により確実にレンズ保持部のレンズを移動させることができる。
また、本発明においては、レンズユニットが有する複数のレンズのうち、最も端側に配されるレンズに当接して、このレンズをスペーサへ押さえつけることによってレンズの固定を行うレンズ押さえをレンズユニットが備える。これにより、レンズの固定を容易に行うことができる。
この構成において、レンズ押さえによりレンズが押さえつけられた場合に、レンズ間に設けられるスペーサが高温環境などにおいて変形するなどの虞がある。そこで本発明においては、スペーサの移動が係止される係止位置における鏡筒の内径を、レンズ押さえに抑えられるレンズの外径より小さくする。これにより、レンズ押さえによりレンズに加わる軸方向の力が、スペーサのみでなく鏡筒に加わるため、スペーサの変形を抑制することができる。
また、本発明においては、2つのレンズ間に複数のスペーサを介装し、各スペーサ間には連結部材を介装する。連結部材は、一のスペーサに内嵌してその端部を係止すると共に、他のスペーサに外嵌してその端部を係止する構成とし、これらのスペーサより熱膨張係数の小さい素材にて形成する。これにより、スペーサの熱膨張によって広がる2つのレンズ間の距離設定に係る自由度を向上することができる。複数のスペーサの熱膨張係数はそれぞれ異なっていてもよく、同じであってもよい。
また、本発明においては、スペーサの熱膨張係数が、鏡筒の熱膨張係数より大きくなるように、スペーサ及び鏡筒の素材を決定する。これにより、周囲環境の温度が上昇した場合、スペーサが鏡筒より膨張するため、鏡筒に設けられたレンズ保持部とスペーサとに挟まれて保持されたレンズを、スペーサがレンズ保持部へ向けて押圧することができる。
また、本発明においては、一又は複数のレンズを鏡筒にて保持する構成のレンズユニットにて、レンズの軸方向一側の周縁部分を他側へ拡径するテーパ状に形成する。鏡筒には、内周面に突設されてレンズの周縁部分に当接する当接部を形成し、この当接部をレンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成する。またレンズユニットは、鏡筒にてレンズを保持し、レンズのテーパ部分と当接部のテーパ部分とが当接した場合に、レンズの他側の周縁部分に当接してレンズを一側へ押圧する押圧部材を更に備える。
この構成では、鏡筒が温度変化に伴って膨張又は縮小し、鏡筒の内径が拡大又は縮小した場合に、鏡筒内に保持されたレンズは、テーパ状の当接部の傾斜に沿って移動することができる。例えば鏡筒のテーパ部分が鏡筒の一側から他側へ拡径する構成であれば、熱膨張により鏡筒の内径が拡大した場合、レンズは軸方向へ鏡筒の一側(即ち、内径の小さい側)へ移動することができる。この場合、押圧部材がレンズを鏡筒の他側から一側へ押圧することによって、レンズが一側へ移動する。また収縮により鏡筒の内径が縮小した場合には、レンズは軸方向へ鏡筒の他側(即ち、内径の大きい側)へ移動する。
これにより、周囲環境の温度変化に応じて、鏡筒内のレンズを軸方向へ移動させることができるため、温度変化によるレンズの屈折率の変化などに応じて生じる焦点ずれを、鏡筒内のレンズの位置変化によって相殺して補正することができる。
また、本発明においては、レンズユニットが上述のようにレンズ及び鏡筒にテーパ部分を形成してレンズを軸方向に移動させる構成の場合に、鏡筒の熱膨張係数が、レンズの熱膨張係数より大きくなるように、鏡筒及びレンズの素材を決定する。これにより、周囲環境の温度変化に応じてレンズを鏡筒に対して軸方向に移動させることができる。
本発明による場合は、周囲環境の温度変化により膨張又は縮小するレンズユニットの構成部品の特性を利用し、温度変化に応じてレンズユニットのレンズを鏡筒内で軸方向に移動させることにより、温度変化によるレンズの屈折率の変化などの要因で生じるレンズユニットの焦点ずれを相殺して補正することができる。また本発明のレンズユニットの構成は、従来のレンズユニットに対して、構成部品の若干の形状変更、及び/又は、ばねなどの既存の小さな部品で実現できる付勢部材若しくは押圧部材等の構成部品の追加を行うことで実現することができ、レンズユニットの大型化、製造工程の複雑化及びコスト増大等を生じることはない。
赤外線撮像装置が搭載された車輌の一例を示す模式図である。 赤外線撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニットの外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニットの温度補償機能を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニットの温度補償機能を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニットの温度補償機能を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニットの温度補償機能を説明するための模式図である。 第1赤外線レンズを弾性により付勢する部材の他の例を示す模式図である。 第1赤外線レンズを弾性により付勢する部材の他の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態1の変形例1に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 本発明の実施の形態1の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態3に係る車載用レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態4に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態4の変形例に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 スペーサを多重化した車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 スペーサを多重化した車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。 本発明の実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態5の変形例1に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態5の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態5の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態6に係る車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式的断面図である。 従来の車載用赤外線レンズユニットの構成を示す模式図である。
1 車輌
3 赤外線撮像装置
3a 撮像素子
3d 突出部分
4、4a、4b、4c 車載用赤外線レンズユニット
10 第1赤外線レンズ
11 段部
20、20a 第2赤外線レンズ
21 段部
30、30a、30b、30c 鏡筒
31、31c レンズ保持部
32、32c 係止部
33 段部
34、34c 段部
40、40c スペーサ
41 第1外嵌部
42 第2外嵌部
43 段部
43c 鍔部
50、50a レンズ押さえ
60 Oリング
60a ウェーブワッシャー
65、66 シール部材
204、204a 車載用赤外線レンズユニット
210 第1赤外線レンズ
211 テーパ面
220 第2赤外線レンズ
230、230a 鏡筒
231 レンズ保持部
232 当接部
233 テーパ面
240、240a スペーサ
250 レンズ押さえ
304 車載用赤外線レンズユニット
310 赤外線レンズ
311 テーパ面
330 鏡筒
331 レンズ保持部
332 当接部
333 テーパ面
350 レンズ押さえ
370 ばね部材
404、404a 車載用赤外線レンズユニット
430 鏡筒
440、440a 第1スペーサ
441 第1外嵌部
442 第2外嵌部
443 段部
445a 第2スペーサ
447 第2スペーサ
447a 第3スペーサ
470 スペーサジョイント
470a 第1スペーサジョイント
471 係止部
472 係止部
475a 第2スペーサジョイント
476 係止部
477 係止部
504、504a、504b、504c 車載用赤外線レンズユニット
510a 第1赤外線レンズ
511a 段部
515 ねじ部材
530、530b 鏡筒
534b 段部
540b スペーサ
541b 外嵌部
543b 鍔部
604 車載用赤外線レンズユニット
630 鏡筒
640 スペーサ
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、赤外線撮像装置が搭載された車輌の一例を示す模式図である。図において1は車輌であり、車輌1の車体前部(例えばフロントバンパーの近傍など)に赤外線撮像装置3が搭載されている。赤外線撮像装置3は、赤外線を受光して撮像を行うことができ、撮像により取得した画像を車輌1に搭載されたECU(Electronic Control Unit)5へ出力する。
ECU5は、車輌1の適所に搭載され、赤外線撮像装置3から与えられた画像に種々の画像処理を施して、この画像をディスプレイ7へ表示する処理を行う。ディスプレイ7は、車輌1の運転席近傍に搭載され、ECU5から与えられた画像を表示する。また、ECU5は赤外線撮像装置3が撮像した画像から歩行者を検出する処理を行い、歩行者を検出した場合にのみディスプレイ7へ画像表示を行ってもよい。車輌1に赤外線撮像装置3を搭載することにより、夜間などに歩行者の接近を運転者へ知らせることができるため、車輌1の走行の安全性を向上できる。
図2は、赤外線撮像装置3の構成を示すブロック図である。赤外線撮像装置3は、赤外線を集光する一又は複数の赤外線レンズ及び円筒状の鏡筒が一体化された車載用赤外線レンズユニット4と、車載用赤外線レンズユニット4により集光される赤外線を受光して撮像を行う撮像素子3aとを備えている。撮像素子3aが撮像した画像は画像処理部3bへ与えられる。画像処理部3bは、撮像素子3aが撮像した画像に対して補正処理などの画像処理を行い、画像処理した画像を画像出力部3cへ出力する。画像出力部3cは、車輌1のECU5と通信ケーブルなどを介して接続されており、画像処理部3bから与えられた画像を通信に適したデータ又は信号に変換してECU5へ出力する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の外観を示す斜視図であり、図4は、同車載用赤外線レンズユニット4の構成を示す模式的断面図である。実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の2つの赤外線レンズと、これらを内部に保持する鏡筒30と、軸方向に関する2つの赤外線レンズの位置決めを行うためのスペーサ40と、鏡筒30に固定されて2つの赤外線レンズ及びスペーサ40を押さえるレンズ押さえ50と、ゴムなどの弾性体による環状のOリング60とを備えている。車載用赤外線レンズユニット4は、Oリング60、第1赤外線レンズ10、スペーサ40及び第2赤外線レンズ20が鏡筒30内へ挿入され、これらがレンズ押さえ50に押さえられることで鏡筒30内に保持された構成である。なお以下においては、鏡筒30の軸方向に関して、第2赤外線レンズ20側(図4上側)を正面側といい、第1赤外線レンズ10側(図4下側)を背面側という。
第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20は、硫化亜鉛(ZnS)を原料として製造され、8μm〜12μm帯の赤外線を透過するが、それ以外の波長の光(可視光線及び紫外線等)はほとんど透過しないレンズである。第1赤外線レンズ10は、円板状をなしており、正面側に凸面を有し、背面側に凹面を有するレンズ、所謂メニスカスレンズである。また第1赤外線レンズ10は、背面側の周縁部分を全周に亘って凹ませた態様で、外周面を階段状に形成した段部11が設けられている。段部11が設けられることにより、第1赤外線レンズ10は、正面側の外径が大きく、背面側の外径が小さい。
第1赤外線レンズ10の段部11は、Oリング(弾性部材)60を装着するために形成された部分である。Oリング60は、ゴムなどの弾性体を素材として製造されており、断面形状が略円形の環体である。Oリング60の内径は、段部11が形成された第1赤外線レンズ10の背面側の外径より小さい。よって、Oリング60を伸張させて第1赤外線レンズ10の段部11に外嵌させることにより、Oリング60を第1赤外線レンズ10に装着することができる。なお、第1赤外線レンズ10の軸方向に関して、段部11の長さ(深さ)は、Oリング60の厚さより若干小さくしてある。
第2赤外線レンズ20は、第1赤外線レンズ10と同様に、円板状をなしており、正面側に凸面を有し、背面側に凹面を有するメニスカスレンズである。また第2赤外線レンズ20は、正面側の周縁部分を全周に亘って凹ませた態様で、外周面を階段状に形成した段部21が設けられている。段部21が設けられることにより、第2赤外線レンズ20は、正面側の外径が小さく、背面側の外径が大きい。
スペーサ40は、円筒状をなしており、POM(Poly Oxy Methylene、アセタール樹脂)を原料として製造される。スペーサ40は、その外径が鏡筒30の内径と略等しくしてあり、鏡筒30内に正面側から挿入することで、鏡筒30に内嵌させることができる。スペーサ40の内周面は、正面側から背面側へ内径が縮径するテーパ状に形成してある。スペーサ40の背面側の端部には、その内縁部分を全周に亘って凹ませた態様で、内周面を階段状に形成した第1外嵌部41が設けられている。第1外嵌部41が設けられることにより、スペーサ40の内径は背面側の端部近傍にて段階的に拡径され、スペーサ40の背面側端部の内径は、第1赤外線レンズ10の正面側の外径に略等しい。よって、スペーサ40の第1外嵌部41は、第1赤外線レンズ10の正面側に外嵌し、第1赤外線レンズ10の正面側の周縁部分と外周面とに当接する。なお、スペーサ40の軸方向に関して、第1外嵌部41の長さ(深さ)は、第1赤外線レンズ10の正面側の外径が大きい部分の長さ(厚さ)に略等しい。
同様に、スペーサ40の正面側の端部には、その内縁部分を全周に亘って凹ませて、内周面を階段状に形成した第2外嵌部42が設けられている。第2外嵌部42が設けられることにより、スペーサ40の内径は正面側の端部近傍にて段階的に拡径され、スペーサ40の正面側端部の内径は、第2赤外線レンズ20の背面側の外径に略等しい。よって、スペーサ40の第2外嵌部42は、第2赤外線レンズ20の背面側に外嵌し、第2赤外線レンズ20の背面側の周縁部分と外周面とに当接する。なお、スペーサ40の軸方向に関して、第2外嵌部42の長さ(深さ)は、第2赤外線レンズ20の背面側の外径が大きい部分の長さ(厚さ)に略等しい。
また、スペーサ40の外周面は、軸方向の背面端から中央部まで外径が一定に形成され、中央部から正面側へ拡径するテーパ状に形成され、正面側端部近傍にて段階的に外径が拡大する階段状に形成されている。このスペーサ40の外周面の段部43は、内周面に形成された第2外嵌部42に対応して設けられている。
鏡筒30は、円筒状をなしており、アルミを原料として製造される。鏡筒30の内径は第1赤外線レンズ10の外径(最大径)より大きく、背面側の端部にはその内周面に第1赤外線レンズ10を保持するためのレンズ保持部31が設けられている。レンズ保持部31は、鏡筒30の内周面の全周に亘って突設された環状の係止部32を有しており、係止部32が第1赤外線レンズ10の背面側への移動を係止している。またレンズ保持部31は、係止部32が鏡筒30に内嵌されたスペーサ40と共に、Oリング60を装着した第1赤外線レンズ10を挟み込むことで、第1赤外線レンズ10を保持する。
また係止部32の正面側には、その内縁部分を全周に亘って凹ませて、階段状に形成した段部33が設けてある。段部33が設けられることにより、鏡筒30の係止部32の内径は段階的に縮径する。係止部32の段部33が形成された正面側の内径は、第1赤外線レンズ10の正面側の外径より若干大きい。また係止部32の背面側の内径は、第1赤外線レンズ10の背面側の内径より大きく、第1赤外線レンズ10の正面側の外径より小さい。
よって、第1赤外線レンズ10は、係止部32の段部33とスペーサ40の第1外嵌部41との間に収まるようにして、レンズ保持部31及びスペーサ40に挟み込まれる。このとき、第1赤外線レンズ10はレンズ保持部31の係止部32に直接的に接触せず、段部11に装着されたOリング60を介して係止部32に接触する。即ち、第1赤外線レンズ10及び係止部32の間にOリング60が介在しており、Oリング60は弾性力によって第1赤外線レンズ10をスペーサ40へ向けて付勢している。レンズ保持部31にOリング60を設けることによって、第1赤外線レンズ10をOリング60の弾性力に抗して軸方向に若干移動させることができる。
また、鏡筒30の内周面は、スペーサ40の外周面に対応する形状としてある。即ち、鏡筒30の内周面は、軸方向のレンズ保持部31が設けられた部分から中央部まで内径が一定に形成され、中央部から正面側へ拡径するテーパ状に形成され、正面側端部近傍にて段階的に内径が拡径する階段状に形成されている。この鏡筒30の内周面の段部34は、スペーサ40の段部43に外嵌するように設けられており、鏡筒30の正面側から挿入されたスペーサ40は、その段部43が鏡筒30の段部34に当接することによって、それ以上の鏡筒30への挿入が係止される。この状態において、スペーサ40の背面側の端面と、レンズ保持部31の正面部分とは当接することがないように、十分な間隙を設けてある。
鏡筒30の外周面には、正面側及び背面側の両端部近傍に、それぞれねじ溝部35、36が形成されている。鏡筒30の正面側に形成されたねじ溝部35は、レンズ押さえ50を鏡筒30に固定するためのものである。また鏡筒30の背面側に形成されたねじ溝部36は、赤外線撮像装置3の撮像素子3a、画像処理部3b及び画像出力部3c等が収容される筐体(図示は省略する)に車載用赤外線レンズユニット4を固定するためのものである。
レンズ押さえ50は、鏡筒30と同じアルミを原料として製造され、鏡筒30の正面側端部に形成されたねじ溝部35に螺合するねじ溝部53が内周面に形成された円筒状の筒部51と、この筒部51の正面側端部に内周面の一周に亘って設けられ、第2赤外線レンズ20の段部21が形成された外径の小さい部分に外嵌する円環状の押さえ部52とを有している。鏡筒30の正面側から回転操作により螺合されたレンズ押さえ50は、鏡筒30に保持された第2赤外線レンズ20に外嵌し、更にレンズ押さえ50を回転させることによって第2赤外線レンズ20を背面側へ押さえつけて押圧することができ、鏡筒30内の第1赤外線レンズ10、スペーサ40及び第2赤外線レンズ20を固定することができる。なお、レンズ押さえ50は、接着剤などを用いて鏡筒30に固定してもよい。
この車載用赤外線レンズユニット4の組み立てを行う場合、まず、スペーサ40の第1外嵌部41に第1赤外線レンズ10を嵌合させると共に、第2外嵌部42に第2赤外線レンズ20を嵌合させ、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の光軸を一致させる調整作業(調芯作業)を行う。調芯作業の終了後、接着剤などを用いてスペーサ40に第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20を接着固定する。これにより、以後の組み立て作業により第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズの軸ずれが生じることを防止できる。
次いで、第1赤外線レンズ10の段部11にOリング60を装着する。これにより一体化されたOリング60、第1赤外線レンズ10、スペーサ40及び第2赤外線レンズ20を、鏡筒30に正面側の開口からスペーサ40の段部43が鏡筒30の段部34に当接するまで挿入して嵌合させる。その後、レンズ押さえ50を回転操作によって鏡筒30の正面側に螺合させ、接着剤などを用いてレンズ押さえ50を鏡筒30に固定することで、車載用赤外線レンズユニット4の組み立てが完了する。
このように、スペーサ40に第1外嵌部41及び第2外嵌部42を設けることによって、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の調芯作業を行ってスペーサ40に接着固定した後で、一体化したこれらの構成部品を鏡筒30に挿入することができるため、調芯作業を容易化することができ、鏡筒30への構成部品の挿入を容易化することができる。また第1赤外線レンズ10に段部11を形成することによって、Oリング60をも一体化して鏡筒30へ挿入することができる。よって、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、その組み立てを容易化できるという利点がある。
図5、図6、図7A及び図7Bは、本発明の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の温度補償機能を説明するための模式図である。なお、図5は車載用赤外線レンズユニット4における赤外線レンズ間の距離及び撮像素子3aとの距離等を示したものである。また図6には、車載用赤外線レンズユニット4の構成部品の素材及び線膨張係数が表として示してある。また、従来の車載用赤外線レンズユニット104(図27参照)及び実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の温度変化による光学特性(MTF(Modulation Transfer Function))の変化をシミュレーションした結果を図7Aに表として示し、図7Bにグラフとして示してある。
従来の車載用赤外線レンズユニット104は、温度20℃においてMTFの値が最良となるように第1赤外線レンズ110及び第2赤外線レンズ120の距離(即ち、スペーサ140の軸方向の長さ)が決定されており、その距離は9.013mmである。なお、従来の車載用赤外線レンズユニット104の鏡筒130及びスペーサ140は、図6に示す線膨張係数α1のアルミで形成されており、温度変化に応じて軸方向の長さが変化するため、2つの赤外線レンズ間の距離も変化する。この変化も考慮して、従来の車載用赤外線レンズユニット104のMTFを、温度が−40℃、−10℃、20℃、55℃、85℃の5つの場合についてシミュレーションにより算出した。算出したMTFの値を図7A及び図7Bに”温度補償なし”として示してある。
シミュレーション結果から、従来の車載用赤外線レンズユニット104は温度が上昇又は下降した場合に光学特性が悪化することがわかる。この結果に基づいて車載用赤外線レンズユニット104の焦点のずれ量を算出すると、温度が60℃変化した場合に約40μmであるという結果が得られる(温度が60℃上昇した場合、車載用赤外線レンズユニット104の焦点が正面側へ(撮像素子3aから離隔する方向へ)約40μmずれ、温度が60℃下降した場合は反対方向へ約40μmずれる)。これに対して、60℃の温度変化が生じた場合に、第1赤外線レンズ110を撮像素子3aに対して約40μm移動させることができれば、車載用赤外線レンズユニット104の焦点のずれ量を相殺して補正することができる。
実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20は段部11及び21がそれぞれ形成されているものの、形状の差異は周縁部分のみであり、光学的特性は従来の車載用赤外線レンズユニット104の第1赤外線レンズ110及び第2赤外線レンズ120と略同じである。よって、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の間の距離L1を、従来の車載用赤外線レンズユニット104と同じく9.013mmとすることで、温度20℃においてMTFの値が最良となる。
例えば周囲環境の温度が上昇した場合、車載用赤外線レンズユニット4の各構成部品は熱膨張する。スペーサ40は、段部43及び鏡筒30の段部34の当接によって、鏡筒30の背面側への挿入が係止されているため、鏡筒30が熱膨張により軸方向へ伸びた場合、鏡筒30の段部34の位置変化に伴ってスペーサ40は正面側へ(即ち、撮像素子3aから離隔する方向へ)移動する。またスペーサ40は熱膨張によって軸方向へ伸び、第1赤外線レンズ10を背面側へ(即ち、撮像素子3aに近づける方向へ)移動させる。
よって、スペーサ40の膨張係数が鏡筒30の膨張係数より大きければ、温度上昇に伴ってスペーサ40が第1赤外線レンズ10をOリング60の弾力に抗して押圧し、撮像素子3aへ近づけるように鏡筒30内で移動させることができる。また温度が下降した場合には、スペーサ40の押圧がなくなる又は弱まるため、Oリング60の弾性力によって第1赤外線レンズ10は撮像素子3aから離隔する方向へ移動する。
スペーサ40が段部43にて鏡筒30の段部34に係止される位置から第1外嵌部41が第1赤外線レンズ10の正面に当接する位置までの距離をLとする。ΔTの温度変化に対して鏡筒30の膨張又は収縮によりスペーサ40が移動する距離は、鏡筒の線膨張係数をα1とすると、L×α1×ΔTで近似できる。またスペーサ40の長さがΔTの温度変化により変化する量は、スペーサ40の線膨張係数をα3とすると、L×α3×ΔTで近似できる。よって、第1赤外線レンズ10が軸方向に移動する距離ΔZは、以下の(1)式となる。
ΔZ = L×(α3−α1)×ΔT …(1)
60℃の温度変化が生じた場合に第1赤外線レンズ10を撮像素子3aに対して約40μm移動させるために、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4においては、各構成部品の素材及び線膨張係数を図6に示すものとした。また、スペーサ40及び鏡筒30の形状は、L=8.79mmとなるように設計した。この条件においては、上記の(1)式から第1赤外線レンズ10の移動距離はΔZ=40.3μmとなり、60℃の温度変化で第1赤外線レンズ10を撮像素子3aに対して40μm移動させることができる。
実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4について、従来の車載用赤外線レンズユニット104と同様に、温度変化によるMTFの変化をシミュレーションした結果を、図7A及び図7Bに”温度補償あり”として示してある。シミュレーションの結果から、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、従来の車載用赤外線レンズユニット104と比較して、±60℃の温度変化に対してMTFの変動が小さく、その値は約0.6の一定値を保っている。よって、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、MTFの温度特性に関して大きな改善が得られていることがわかる。なお、赤外線撮像装置3の筐体の熱膨張などにより、車載用赤外線レンズユニット4の背面側の端部から撮像素子3aの撮像面までの距離Mについても、周囲環境の温度変化に伴って変化する。図7A及び図7Bに示すシミュレーション結果は、赤外線撮像装置3の筐体がアルミ製であるものとし、この筐体の熱膨張についても考慮してシミュレーションを行った結果である(従来の車載用赤外線レンズユニット104についても同様である)。
以上の構成の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、レンズ保持部31及びスペーサ40に挟まれて保持された第1赤外線レンズ10を、スペーサ40が熱膨張によってレンズ保持部31へ向けて押圧し、Oリング60の弾性力に抗して第1赤外線レンズ10を鏡筒30内で移動させるよう、鏡筒30及びスペーサ40の熱膨張係数(線膨張係数)をそれぞれ適切に設定することによって、周囲環境の温度上昇に伴って生じる車載用赤外線レンズユニット4の焦点ずれを補正することができる。また周囲環境の温度下降によってスペーサ40が収縮した場合には、レンズ保持部31のOリング60の弾性力によって第1赤外線レンズ10をスペーサ40へ向けて移動させることができ、温度下降に伴って生じる焦点ずれを補正することができる。よって、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、周囲環境の温度変化に影響されることなく、安定した光学特性を保つことができる。なお、温度上昇により車載用赤外線レンズユニット4の焦点が撮像素子3aから離隔する場合、スペーサ40の熱膨張係数が鏡筒30の熱膨張係数より大きくなるように、鏡筒30及びスペーサ40の素材を決定すればよい。
また、スペーサ40の両端部に外嵌部41及び42をそれぞれ形成し、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20を両端に外嵌する構成とすることにより、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の調芯作業を行ってスペーサ40に接着固定した後で、一体化したスペーサ40、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20等を鏡筒30に挿入して嵌合させることで車載用赤外線レンズユニット4の組み立てを行うことができる。よって、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の調芯作業の容易化、及び車載用赤外線レンズユニット4の組み立ての容易化を実現できる。
なお、本実施の形態においては、鏡筒30及びレンズ押さえ50をアルミ(Al)で形成し、スペーサ40をPOMで形成し、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20を硫化亜鉛(ZnS)で形成する構成としたが、これら構成部品の素材は一例であってこれに限るものではなく、その他の素材で形成してもよい。
例えば鏡筒30及びスペーサ40の素材として、アルミ合金全般、ステンレス全般、鉄、マグネシウム、真鍮、チタン、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PE(Poly-Ethylene、ポリエチレン)、PP(Poly-Propylene、ポリプロピレン)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PVC(Poly-Vinyl Chloride、ポリ塩化ビニル)、PET(Poly-Ethylene Terephthalate、ポリエチレンテレフタラート)、PTFE(Poly-Tetra-Fluoro-Ethylene、ポリテトラフルオロエチレン)、PC(Poly-Carbonate、ポリカーボネート)、PBT(Poly-Butylene-Terephtalate、ポリブチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEEK(Poly-Ether-Ether-Ketone、ポリエーテルエーテルケトン)、PAI(ポリアミド・イミド)、又はPPS(Poly-Phenylene-Sulfide、ポリフェニレンスルファイド)、変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)等を用いることができ、これらの素材から車載用赤外線レンズユニット4の焦点ずれ量を補正するのに適した熱膨張係数を有する素材の組み合わせを選択すればよい。
また例えば、赤外線レンズの素材として、ゲルマニウム、カルコゲナイドガラス又はZnSe(セレン化亜鉛)等の素材を用いてもよい。
高温多湿環境に対応するためには、低吸湿性の合成樹脂をスペーサ40の素材に用いることが好ましい。例えば、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)樹脂、又は、PP/PPE樹脂(PPE及びPPのポリマーアロイ)等をスペーサ40の素材として用いることで、高温多湿環境での精度低下を防止できる。上述のPOMの吸水率が約0.22であるのに対して、SPSの吸水率は約0.04であり、PP/PPEの吸水率は約0.01〜0.04である。なお、温度85℃、湿度95%の高温多湿環境負荷を400時間加える試験を、スペーサ40の素材をそれぞれPOM、SPS、及びPP/PPEとした車載用赤外線レンズユニット4に対して行ったところ、POMを用いた車載赤外線レンズユニット4は試験後に第1赤外線レンズ10の位置変動が40μm以上であったのに対して、SPS及びPP/PPEを用いた車載用赤外線レンズユニット4は試験後に第1赤外線レンズ10の位置変動が10μm未満であった。
また赤外線レンズを有する赤外線レンズユニットではなく、可視光線を透過・集光する通常のレンズユニットであっても、同様の構成を適用することができる。また、本実施の形態に係る車載用赤外線レンズユニット4は2つの赤外線レンズを有する構成であるが、これに限るものではなく、3つ以上の赤外線レンズユニットを有する構成であってもよい。また、第1赤外線レンズ10をスペーサ40へ向けて弾性力により付勢する部材としてOリング60を用いたが、これに限るものではなく、例えばコイルバネ、板バネ、又はゴム製のパッキン等のその他の弾性を有する部材を用いてもよい。また、第2赤外線レンズ20についてもレンズ押さえ50との間にOリングなどの弾性部材を介在する構成としてもよい。また、レンズ押さえ50は螺合により鏡筒30に固定する構成としたが、これに限るものではなく、レンズ押さえを鏡筒に嵌合させて接着又はねじ止め等により固定する構成としてもよい。
図8A及び図8Bは、第1赤外線レンズ10を弾性により付勢する部材の他の例を示す模式図であり、図8Aに弾性部材の平面図を示し、図8Bに側断面図を示す。赤外線レンズ10をスペーサ40へ向けて付勢する弾性部材として、Oリング60に代えて、ウェーブワッシャー60aを用いることができる。ウェーブワッシャー60aは、円環状の金属平板を波状に曲げたものであり、押しつぶされた場合に軸方向への応力を生じさせる。
鏡筒30のレンズ保持部31と第1赤外線レンズ10との間にウェーブワッシャー60aを介在させることによって、第1赤外線レンズ10は軸方向の正面側へ、即ちスペーサ40へ付勢される。これにより、ウェーブワッシャー60aを用いた車載用赤外線レンズユニット4は、Oリング60を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
(変形例1)
図9は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット4aの構成を示す模式的断面図である。図示の変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット4aは、温度変化に応じて第1赤外線レンズ10を移動する構成については上述の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4と略同じであるが、内部を密閉するためのシール部材を追加した構成である。
変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット4aは、第2赤外線レンズ20a及びレンズ押さえ50aの間に介在するシール部材65を備えている。シール部材65は、ゴムなどの素材で形成された環状をなし、断面形状が略円形の部材であり、その内径は第2赤外線レンズ20aの外径より小さい。よってシール部材65は、伸張させて第2赤外線レンズ20aに外嵌させることで装着することができる。
またレンズ押さえ50aはその内径が第2赤外線レンズ20aの外径より大きく、レンズ押さえ50aが鏡筒30aに螺合して固定された場合であっても、レンズ押さえ50aの内周面は第2赤外線レンズ20aの外周面に当接しない。レンズ押さえ50aの内周面と第2赤外線レンズ20aの外周面との間隙はシール部材65の直径より狭く、この間隙にはシール部材65が挟み込まれる。これによりシール部材65はレンズ押さえ50aの内周面及び第2赤外線レンズ20aの外周面に密着して介在し、鏡体30a内を密閉することができる。
また、鏡筒30aの外周面には、周方向に一周に亘って溝部38が形成されており、溝部38にはシール部材66が装着されている。シール部材66は、ゴムなどの素材で形成された環状をなし、断面形状が略円形の部材であり、伸張させて鏡筒30aの溝部38内へ装着することができる。溝部38の深さ(鏡筒30aのラジアル方向の長さ)は、シール部材66の直径より小さい。
赤外線撮像装置3の筐体には、車載用赤外線レンズユニット4aを取り付ける部分に、筒状の突出部分3dが設けられている。筒状の突出部分3dの内径は、車載用赤外線レンズユニット4aの鏡筒30aの外径に略等しく、鏡筒30aに嵌合してその外周面を覆い隠すことができる。シール部材66が溝部38に装着された車載用赤外線レンズユニット4aを赤外線撮像装置3の筐体3dに取り付けた場合、筒状の突出部分3dの内周面にシール部材66が密着する。よって、筐体の筒状の突出部分3dの内周面と、車載用赤外線レンズユニット4aの鏡筒30aの外周面との間にシール部材66が介在し、赤外線撮像装置3の筐体内を密閉することができる。
(変形例2)
図10は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bの構成を示す模式的断面図である。図示の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bは、温度変化に応じて第1赤外線レンズ10を移動する構成については上述の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4(図4参照)と略同じであるが、鏡筒30bの構成が図4に示す車載用赤外線レンズユニット4の鏡筒30と異なる。
変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bの鏡筒30bは、正面側端部の内周面に、図4に示した車載用赤外線レンズユニット4の鏡筒30が有する段部34が形成されない構成である。変形例2の鏡筒30bの内周面は、スペーサ40の外周面のうち段部43より背面側の部分に対応する形状としてある。即ち、鏡筒30bの内周面は、レンズ保持部31が設けられた部分から軸方向の中央部までの内径が略一定に形成され、中央部から正面側へ拡径するテーパ状に形成されている。鏡筒30bの正面側端部の内径は、スペーサ40の段部43にて階段状に形成された部分の小さいほうの外径に略等しい。よって、鏡筒30bの正面側から挿入されたスペーサ40は、その段部43が鏡筒30bの正面側の端面に当接することによって、それ以上背面側への鏡筒30bへの挿入が係止される。この状態において、スペーサ40の背面側の端面と、鏡筒30bのレンズ保持部31の正面部分とは当接することがないように、十分な間隙を設けてある。
変形例2の鏡筒30bは、その正面側端部の内周面に段部34を形成する必要がないため、図4に示した車載用赤外線レンズユニット4の鏡筒30と比較して、正面側端部の厚み(即ち、鏡筒30bの外径)を小さくすることができる。よって、鏡筒30bの正面側端部に固定されるレンズ押さえ50の外形を小さくすることができ、車載用赤外線レンズユニット4bを小型化することができるという利点がある。
図11A、図11B、図12A、図12B、図13A、図13B、図14A及び図14Bは、変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bのシミュレーション結果を示す模式図であり、従来の車載用赤外線レンズユニット104(図27参照)及び変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bの温度変化によるMTFの変化をシミュレーションした結果を図11A、図12A、図13A及び図14Aに表として示し、図11B、図12B、図13B及び図14Bにグラフとして示してある。なお、これらの図においては、変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bのシミュレーション結果を”温度補償あり”として示し、従来の車載用赤外線レンズユニット104のシミュレーション結果を”温度補償なし”として示してある。
図11A及び図11Bに示すシミュレーション結果は、第1赤外線レンズ10の素材をZnS(線膨張係数=6.6×10-6)とし、第2赤外線レンズ20の素材をゲルマニウム(Ge)とし、鏡筒30bの素材をアルミ(線膨張係数=21×10-6)とし、スペーサの素材をPOM(線膨張係数=270×10-6)とし、60℃の温度変化に対して第1赤外線レンズ10を79μm移動させる構成としたものである。
図12A及び図12Bに示すシミュレーション結果は、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の素材をZnS(線膨張係数=6.6×10-6)とし、鏡筒30bの素材をアルミ(線膨張係数=21×10-6)とし、スペーサの素材をPOM(線膨張係数=100×10-6)とし、60℃の温度変化に対して第1赤外線レンズ10を43μm移動させる構成としたものである。
図13A及び図13Bに示すシミュレーション結果は、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の素材をZnS(線膨張係数=6.6×10-6)とし、鏡筒30bの素材をアルミ(線膨張係数=21×10-6)とし、スペーサの素材をPOM(線膨張係数=120×10-6)とし、60℃の温度変化に対して第1赤外線レンズ10を43μm移動させる構成としたものである。
図14A及び図14Bに示すシミュレーション結果は、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の素材をカルコゲナイドガラスとし、鏡筒30bの素材をアルミ(線膨張係数=21×10-6)とし、スペーサの素材をPOM(線膨張係数=110×10-6)とし、60℃の温度変化に対して第1赤外線レンズ10を52μm移動させる構成としたものである。
シミュレーション結果から、従来の車載用赤外線レンズユニット104は温度が上昇又は下降した場合に光学特性が悪化することがわかる。これに対して変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bは、±60℃の温度変化に対してMTFの変動が小さく、その値は略一定値を保っている。よって、変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bは、MTFの温度特性に関して大きな改善が得られていることがわかる。
(変形例3)
図15は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット4cの構成を示す模式的断面図である。図示の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット4cは、温度変化に応じて第1赤外線レンズ10を移動する構成については上述の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4(図4参照)と略同じであるが、鏡筒30c及びスペーサ40cの構成が図4に示す車載用赤外線レンズユニット4の鏡筒30及びスペーサ40と異なる。
変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット4cのスペーサ40cは、その両側端部に、図4に示した車載用赤外線レンズユニット4のスペーサ40が有する第1外嵌部41及び第2外嵌部42が形成されない構成である。変形例3のスペーサ40cは、正面側端部の外周面の一周に亘って形成された鍔部43cを有している。これにより、スペーサ40cの正面側端部の外径は、鏡筒30cの正面側端部(段部34cの内径が大きい部分)の内径に略等しい。よって、鏡筒30cの正面側から挿入されたスペーサ40cは、その鍔部43cが鏡筒30cの段部34cに当接することによって、それ以上の背面側への挿入が係止される。この状態において、スペーサ40cの背面側の端面と、鏡筒30cのレンズ保持部31cの正面部分とは当接することがないように、十分な間隙を設けてある。また、スペーサ40cの鍔部43cの外径は、第2赤外線レンズ20の背面側の直径に略等しく、スペーサ40cの正面側の端面は第2赤外線レンズ20の背面の周縁部分に当接する。
鏡筒30cの内周面には、正面側端部近傍にて段階的に内径が拡径する階段状に形成した段部34cが設けられている。これにより、鏡筒30cの正面側端部の内径は、スペーサ40cの鍔部43cの外径に略等しく、且つ、第2赤外線レンズ20の背面側の直径に略等しい。よって、鏡筒30cの段部34cは、第2赤外線レンズ20の背面側部分に外嵌し、第2赤外線レンズ20の軸方向に垂直な方向についての位置決めを行う。また鏡筒30cの段部34cに嵌合した第2赤外線レンズ20は、鏡筒30cの段部34cにて係止されたスペーサ40cの正面側端面と、レンズ押さえ50の押え部52との間に挟まれることにより、軸方向への移動が係止される。
鏡筒30cの背面側の内周面に設けられたレンズ保持部31cは、鏡筒30cの内周面の全周に亘って突設された環状の係止部32cと、係止部32cの正面側にその内縁部分を全周に亘って凹ませて階段状に形成した段部33cとを有して構成されている。レンズ保持部31cは、係止部32cにて第1赤外線レンズ10の背面側への移動を係止すると共に、段部33cにて第1赤外線レンズ10に外嵌して、軸方向に垂直は方向について第1赤外線レンズ10の位置決めを行う。
即ち、鏡筒30cのレンズ保持部31cは、段部33cが形成されることによって、第1赤外線レンズ10の正面側部分に外嵌する部分が設けられており、この部分に嵌合した第1赤外線レンズ10が係止部32cにて背面側への移動が係止される。なお第1赤外線レンズ10とレンズ保持部31cの係止部32cとの間にはOリング60が介在している。また第1赤外線レンズ10の正面の周縁部分は鏡筒30c内に挿入されたスペーサ40cの背面側端面に当接し、スペーサ40cとレンズ保持部31cの係止部32cとの間に挟持されることで第1赤外線レンズ10が保持される。
この車載用赤外線レンズユニット4cの組み立てを行う場合、まず、第1赤外線レンズ10の背面側に形成された段部11にOリング60を装着し、第1赤外線レンズ10を鏡筒30c内に挿入してレンズ保持部31cに嵌合させる。次いで、鍔部43cが段部34cに当接して係止されるまでスペーサ40cを鏡筒30c内に挿入した後、第2赤外線レンズ20を鏡筒30c内に挿入して段部34cに嵌合させる。その後、レンズ押さえ50を回転操作によって鏡筒30cの正面側に螺合させ、接着剤などを用いてレンズ押さえ50を鏡筒30cに固定することで、車載用赤外線レンズユニット4cの組み立てが完了する。
以上の構成の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット4cは、スペーサ40cの両端に第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20に外嵌する外嵌部を設けるのではなく、鏡筒30cに第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20に外嵌する段部33c及び34cを設ける構成である。この構成であっても、図4に示した実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4と同様に、レンズ保持部31c及びスペーサ40cに挟持された第1赤外線レンズ10を、スペーサ40cが熱膨張によってレンズ保持部31cへ向けて押圧し、Oリング60の弾性力に抗して第1赤外線レンズ10を鏡筒30c内で移動させるよう、鏡筒30c及びスペーサ40cの熱膨張係数(線膨張係数)をそれぞれ適切に設定することによって、周囲環境の温度上昇に伴って生じる車載用赤外線レンズユニット4cの焦点ずれを補正することができる。また周囲環境の温度下降によってスペーサ40cが収縮した場合には、レンズ保持部31cのOリング60の弾性力によって第1赤外線レンズ10をスペーサ40cへ向けて移動させることができ、温度下降に伴って生じる焦点ずれを補正することができる。
(実施の形態2)
図16は、本発明の実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204の構成を示す模式的断面図である。実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204は、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4と同様に、第1赤外線レンズ210、スペーサ240及び第2赤外線レンズ220が鏡筒230内へ挿入され、これらがレンズ押さえ250に押さえられることで鏡筒230内に保持された構成である。
第1赤外線レンズ210及び第2赤外線レンズ220は、円板状をなしており、正面側に凸面を有し、背面側に凹面を有するメニスカスレンズである。また第2赤外線レンズ220の周縁部分は正背面共に平滑に形成され、第1赤外線レンズ210は正面側の周縁部分が平滑に形成されている。第1赤外線レンズ210は、背面側の周縁部分をテーパ状に形成してある。第1赤外線レンズ210のテーパ面211は、背面側から正面側へ拡径する形状である。
スペーサ240は、円筒状をなしており、その外径が鏡筒230の内径と略等しく、鏡筒230に内嵌させることができる。鏡筒230内において、スペーサ240の背面側端面は第1赤外線レンズ210の正面側の周縁部分に当接し、スペーサ240の正面側端面は第2赤外線レンズ220の背面側の周縁部分に当接する。即ち、スペーサ240は鏡筒230内にて第1赤外線レンズ210及び第2赤外線レンズ220の間に介在し、両赤外線レンズの軸方向の位置決めを行っている。
鏡筒230は、円筒状をなしており、背面側の端部にはその内周面に第1赤外線レンズ210を保持するためのレンズ保持部231が設けられている。レンズ保持部231は、鏡筒230の内周面を全周に亘って突出させた環状の当接部232を有しており、当接部232が第1赤外線レンズ210の背面側の周縁部分に当接することで、第1赤外線レンズ210の背面側への移動を係止している。また当接部232の正面側の内縁部分は、テーパ状に形成されている。このレンズ保持部232のテーパ面233は、背面側から正面側へ拡径する形状であり、その角度は第1赤外線レンズ210の周縁部分に対応して略同じ角度に形成され、第1赤外線レンズ210のテーパ面211とレンズ保持部231のテーパ面233が当接するようにしてある。鏡筒230に内嵌されたスペーサ240の背面側端面と、レンズ保持部231の当接部232とが第1赤外線レンズ210を挟み込むことで、第1赤外線レンズ210を保持することができる。
レンズ押さえ250は、鏡筒230の正面側端部に形成されたねじ溝部35に螺合するねじ溝部53が内周面に形成された円筒状の筒部51と、この筒部51の正面側端部に内周面の一周に亘って設けられ、第2赤外線レンズ220の正面側の周縁部分及び正面よりの外周面に当接する部分を有する円環状の押さえ部252とを有している。鏡筒230の正面側から回転操作により螺合されたレンズ押さえ250は、鏡筒230に保持された第2赤外線レンズ220に外嵌し、更にレンズ押さえ250を回転させることによって第2赤外線レンズ220を背面側へ押さえつけて押圧することができ、鏡筒230内の第1赤外線レンズ210、スペーサ240及び第2赤外線レンズ220を固定することができる。
実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204の組み立てを行う場合、まず、鏡筒230内に第1赤外線レンズ210を挿入して、第1赤外線レンズ210の背面側周縁部分に形成されたテーパ面211を鏡筒230のレンズ保持部231に形成されたテーパ面233に当接させる。次いで、スペーサ240を鏡筒230内に挿入して嵌合させ、その背面側の端面を第1赤外線レンズ210の正面側の周縁部分に当接させることによって、スペーサ240及び鏡筒230のレンズ保持部231で第1赤外線レンズ210を挟み込んで保持する。その後、第2赤外線レンズ220を鏡筒230内に挿入してスペーサ240の正面側の端面に当接させ、鏡筒230のねじ溝部35に接着剤を塗布してレンズ押さえ250を鏡筒230に螺合させ、接着剤を硬化させることによって、車載用赤外線レンズユニット204の組み立てが完了する。
次に、実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204の温度変化に伴う焦点ずれの補正機能について説明する。ここで、スペーサ240の軸方向の長さ(第1赤外線レンズ210及び第2赤外線レンズ210の距離)をLとし、第1赤外線レンズ210のテーパ面211及びレンズ保持部231のテーパ面233が鏡筒230の中心軸となす角をθとし、レンズ保持部231の内径(テーパ面233の中央での内径)をrとする。また鏡筒230の熱膨張係数をα1とし、第1赤外線レンズ210及び第2赤外線レンズ22の熱膨張係数をα2とし、スペーサ240の熱膨張係数をα3とする。
周囲環境の温度が上昇した場合、鏡筒230は熱膨張によって内径が拡大するため、第1赤外線レンズ210の熱膨張係数α2が鏡筒230の熱膨張係数α1より小さければ(α1>α2)、レンズ保持部231及び第1赤外線レンズ210の間の距離が広がって隙間が生じる。このとき、レンズ保持部231及び第1赤外線レンズ210の当接部分はテーパ状に形成してあるため、第1赤外線レンズ210は軸方向に背面側へ(即ち、テーパ形状の縮径方向へ)移動可能となる。また温度上昇によってスペーサ240も熱膨張し、スペーサ240の熱膨張係数α3が鏡筒230の熱膨張係数α1より大きければ(α3>α1)、スペーサ240は熱膨張に伴って第1赤外線レンズ210を押圧し、軸方向の背面側へ第1赤外線レンズ210を移動させる。逆に、周囲環境の温度が下降した場合には、鏡筒230の内径が縮小すると共に、スペーサ240が軸方向に縮小するため、第1赤外線レンズ210は軸方向の正面側へ移動する。
よって、周囲環境の温度変化がΔTの場合、第1赤外線レンズ210が軸方向に移動する距離ΔZは、以下の(2)式となる。
ΔZ = r×(α1−α2)×ΔT/tanθ …(2)
この(2)式から、第1赤外線レンズ210の移動距離ΔZが温度変化ΔTに対する焦点のずれ量に近い値となるように、鏡筒230の素材(即ち熱膨張係数α1)と、テーパ面233の角度θとを調整すればよい。
また、スペーサ240の背面側端面の軸方向に関する移動距離ΔLは、以下の(3)式となる。
ΔL = L×(α3−α1)×ΔT …(3)
上記の(2)式及び(3)式から、第1赤外線レンズ210の移動距離ΔZとスペーサ240の移動距離ΔLとが近くなるように(ΔZ≒ΔLとなるように)、スペーサ240の素材(即ち熱膨張係数α3)を決定すればよい。例えば、図6に示すように、鏡筒230及びレンズ押さえ250をアルミで形成し、第1赤外線レンズ210及び第2赤外線レンズ220をZnSで形成し、スペーサ240をPOMで形成することによって、これを実現することができる。
以上の構成の実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204は、第1赤外線レンズ210の背面側の周縁部分をテーパ状に形成し、これに対応して鏡筒230のレンズ保持部231をテーパ状に形成すると共に、熱膨張によってスペーサ240が第1赤外線レンズ210を背面側へ押圧する構成とすることにより、鏡筒230の熱膨張/収縮に伴って第1赤外線レンズ210を軸方向へ移動させることができる。よって、上記(2)式及び(3)式から導出される熱膨張係数α1、α2、α3及びテーパ面233の角度θ等に応じて車載赤外線レンズユニット204の構成部品の素材及び形状等を決定することにより、温度変化に伴って生じる車載用赤外線レンズユニット204の焦点ずれを、鏡筒230内での第1赤外線レンズ210の移動により相殺して補正することができる。
なお、実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204のその他の構成は、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(変形例)
図17は、本発明の実施の形態2の変形例に係る車載用赤外線レンズユニット204aの構成を示す模式的断面図である。上述の実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204のスペーサ240は、背面側端面が第1赤外線レンズ210に当接し、正面側端面が第2赤外線レンズ220に当接するのみであるが、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4のスペーサ40のように外嵌部41及び42を両端に設けてもよい。
変形例に係る車載用赤外線レンズユニット204aのスペーサ240aには、背面側端部に第1外嵌部41が形成され、正面側端部に第2外嵌部42が形成されている。これにより、第1赤外線レンズ210を第1外嵌部41に嵌合させ、第2赤外線レンズ20を第2外嵌部42に嵌合させて調芯作業を行い、両赤外線レンズをスペーサ240aに接着固定して一体化した後で、鏡筒230aへ挿入することができる。
また、第1赤外線レンズ210の背面側の周縁部分はテーパ状に形成され、鏡筒230aのレンズ保持部231には第1赤外線レンズ210のテーパ面211に当接するテーパ面233が形成されている。これにより、上述の実施の形態2に係る車載用赤外線レンズ204と同様に、温度変化に応じて鏡筒230a内にて第1赤外線レンズ210を軸方向へ移動させることができるため、温度変化に伴う車載用赤外線レンズユニット204aの焦点ずれを補正することができる。
(実施の形態3)
図18は、本発明の実施の形態3に係る車載用レンズユニット304の構成を示す模式的断面図である。上述の実施の形態1及び実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニットは、2つの赤外線レンズを備え、スペーサの熱膨張により第1赤外線レンズを押圧して鏡筒内で移動させる構成である。これに対して、実施の形態3に係る車載用赤外線レンズユニット304は、1つの赤外線レンズ310を備えるのみであるため、2つの赤外線レンズ間に設けられるスペーサを備えていない。実施の形態3に係る車載用赤外線レンズユニット304は、赤外線レンズ310が鏡筒330内へ挿入され、レンズ押さえ350及びばね部材(押圧部材)370に押さえられることで鏡筒330内に保持された構成である。
赤外線レンズ310は、円板状をなしており、正面側に凸面を有し、背面側に凹面を有するメニスカスレンズである。また赤外線レンズ310は、正面側の周縁部分が平滑に形成され、背面側の周縁部分がテーパ状に形成されている。この赤外線レンズ310のテーパ面311は、背面側から正面側へ拡径する形状である。
鏡筒330は、円筒状をなしており、背面側の端部にはその内周面に赤外線レンズ310を保持するためのレンズ保持部331が設けられている。レンズ保持部331は、実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニット204の鏡筒230に設けられたレンズ保持部231と同様の構成であり、鏡筒330の内周面を全周に亘って突出させた環状の当接部332を有し、当接部332が赤外線レンズ310の背面側の周縁部分に当接することで、赤外線レンズ310の背面側への移動を係止している。また当接部332の正面側の内縁部分は、テーパ状に形成されている。レンズ保持部331のテーパ面333は、背面側から正面側へ拡径する形状であり、その角度は赤外線レンズ310の周縁部分に対応して略同じ角度に形成され、赤外線レンズ310のテーパ面311とレンズ保持部331のテーパ面333が当接するようにしてある。
レンズ押さえ350は、円環状をなしており、鏡筒330の正面側端部の内側に嵌合する。このとき、レンズ押さえ350は、鏡筒330内の赤外線レンズ310に接触せず、ばね部材370を介して赤外線レンズ310を押さえる。ばね部材370は、所謂コイルバネであり、赤外線レンズ310の正面側の周縁部分と、レンズ押さえ350の背面との間に介在し、赤外線レンズ310を背面側へ押圧している。鏡筒330に嵌合されたレンズ押さえ350は接着剤などによって固定され、赤外線レンズ310は、鏡筒330のレンズ保持部331と、ばね部材370を介してレンズ押さえ350とに挟み込まれることによって、鏡筒330内に保持される。
ここで、赤外線レンズ310のテーパ面311及びレンズ保持部331のテーパ面333が鏡筒330の中心軸となす角をθとし、レンズ保持部331の内径(テーパ面333の中央での内径)をrとする。また鏡筒330の熱膨張係数をα1とし、第1赤外線レンズ210及び第2赤外線レンズ22の熱膨張係数をα2とする。
周囲環境の温度が上昇した場合、鏡筒330は熱膨張によって内径が拡大するため、赤外線レンズ310の熱膨張係数α2が鏡筒330の熱膨張係数α1より小さければ(α1>α2)、レンズ保持部331及び赤外線レンズ310の間の距離が広がって隙間が生じる。よって、レンズ保持部331及び赤外線レンズ310の当接部分はテーパ状に形成してあるため、赤外線レンズ310は軸方向に背面側へ移動可能となる。このとき、赤外線レンズ310はばね部材370により背面側へ押圧されているため、背面側へ移動する。逆に、周囲環境の温度が下降した場合には、鏡筒330の内径が縮小するため、赤外線レンズ310はばね部材370の押圧に抗して正面側へ移動する。
よって、周囲環境の温度変化がΔTの場合、赤外線レンズ310が軸方向に移動する距離ΔZは、以下の(4)式となる。
ΔZ = r×(α1−α2)×ΔT/tanθ …(4)
この(4)式から、赤外線レンズ310の移動距離ΔZが温度変化ΔTに対する焦点のずれ量に近い値となるように、鏡筒330の素材(即ち熱膨張係数α1)と、テーパ面333の角度θとを調整すればよい。例えば、図6に示すように、鏡筒330及びレンズ押さえ350をアルミで形成し、赤外線レンズ310をZnSで形成することによって、これを実現することができる。
以上の構成の実施の形態3に係る車載用赤外線レンズユニット304は、実施の形態1又は実施の形態2に係る車載赤外線レンズユニットのようなスペーサを備えない場合であっても、赤外線レンズ310の周縁部分及び鏡筒330のレンズ保持部331をテーパ状に形成し、ばね部材370により赤外線レンズ310をレンズ保持部331へ押圧する構成とすることにより、温度変化に伴う鏡筒330の膨張/収縮によって赤外線レンズ310を軸方向に移動させることができる。よって、上記の(4)式に基づいて鏡筒330の素材(即ち熱膨張係数α1)と、テーパ面333の角度とを適切に決定することにより、温度変化に伴って生じる車載用赤外線レンズユニット304の焦点ずれを、鏡筒330内での赤外線レンズ310の移動により相殺して補正することができる。
なお、本実施の形態においては、赤外線レンズ310をレンズ保持部331へ向けて押圧する部材をばね部材370としたが、これに限るものではなく、板バネ又はOリング等をその他の部材であってもよい。
また、実施の形態3に係る車載用赤外線レンズユニット304のその他の構成は、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態4)
図19は、本発明の実施の形態4に係る車載用赤外線レンズユニット404の構成を示す模式的断面図である。上述の実施の形態1及び実施の形態2に係る車載用赤外線レンズユニットは、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の間に1つのスペーサが介在する構成であるが、実施の形態4に係る車載用赤外線レンズユニットは、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の間に第1スペーサ440及び第2スペーサ447の2つのスペーサが介在する構成である。
第1スペーサ440は、円筒状をなし、その外径が鏡筒430の内径と略等しくしてあり、鏡筒430内に正面側から挿入することで、鏡筒430に内嵌させることができる。第1スペーサ440の背面側端部には、その内周面を一周に亘って内側へ突出させた態様の突出部が設けられており、更に突出部の背面側の内縁を一周に亘って階段状に形成した第1外嵌部441が形成されている。第1スペーサ440の第1外嵌部441は、第1赤外線レンズ10に正面側から外嵌し、第1赤外線レンズ10の正面側の周縁部分と外周面とに当接する。これにより第1赤外線レンズ10は、鏡筒430のレンズ保持部31の係止部32と、第1スペーサ440との間に挟み込まれて保持される。
また、実施の形態4に係る車載用赤外線レンズユニット404は、第1スペーサ440及び第2スペーサ447の間に介在するスペーサジョイント(連結部材)470を備えている。スペーサジョイント470は、円筒状をなしており、その外径は第1スペーサ440の内径に略等しく、第1スペーサ440に正面側から挿入することで嵌合させることができる。またスペーサジョイント470の内径は、第2スペーサ447の外径に略等しく、第2スペーサ447をスペーサジョイント470の正面側から挿入することで嵌合させることができる。即ち、スペーサジョイント470は、軸方向に垂直な方向(ラジアル方向)について、第1スペーサ440及び第2スペーサ447の間に介在している。
またスペーサジョイント470の正面側端部の外周面には、一周に亘って外側へ突出する鍔状の係止部471が設けられ、背面側端部の内周面には、一周に亘って内側へ突出する係止部472が設けられている。スペーサジョイント470を第1スペーサ440に挿入して嵌合させた場合、スペーサジョイント470の係止部471が第1スペーサ440の正面側端面に当接し、係止部471がスペーサジョイント470の第1スペーサ440奥方(背面側)への移動を係止する。またスペーサジョイント470内に第2スペーサ447を挿入して嵌合させた場合、スペーサジョイント470の係止部472が第2スペーサ447の背面側端面に当接し、係止部472が第2スペーサ447のスペーサジョイント470奥方(背面側)への移動を係止する。
またスペーサジョイント470の軸方向の長さは、第1スペーサ440及び第2スペーサ447の長さよりも十分に短い。第1スペーサ440にスペーサジョイント470が挿入して嵌合され、スペーサジョイント470に第2スペーサ447が挿入して嵌合された状態において、スペーサジョイント470の正面側端面より正面側には十分な間隙が設けられ、スペーサジョイント470の背面側端面より背面側には十分な間隙が設けられる。またスペーサジョイント470は、第1スペーサ440及び第2スペーサ447より熱膨張係数が小さい素材、例えばアルミなどの素材で構成されている。
第2スペーサ447は、円筒状をなし、その外径がスペーサジョイント470の内径と略等しくしてあり、スペーサジョイント470内に正面側から挿入することで、スペーサジョイント470に内嵌させることができる。第2スペーサ447の正面側端部には、その外周面を一周に亘って外側へ突出させた態様の突出部が設けられており、第2スペーサ447は、この突出部の外縁の背面側を一周に亘って階段状に形成した段部443と、正面側端部の内縁を一周に亘って階段状に形成した第2外嵌部とを備えている。
第2スペーサ447の第2外嵌部442は、第2赤外線レンズ20の背面側に外嵌し、第2赤外線レンズ20の背面側の周縁部分と外周面とに当接する。これにより第2赤外線レンズ20は、第2スペーサ447とレンズ押さえ50の押え部52との間に挟み込まれて保持される。
また第2スペーサ447は、段部443にて鏡筒430に内嵌すると共に、鏡筒430の奥方への移動を係止される。即ち、第2スペーサ447の正面側端部の外周面に設けられた突出部は、段部443が設けられた外径が小さい部分が、その外径が鏡筒430の内径に略等しく、鏡筒430に内嵌する。また第2スペーサ447の突出部の外径が大きい部分は、段部443が形成された背面側が鏡筒430の正面側端面に当接し、第2スペーサ447の移動を係止する。
なお、第1スペーサ440及び第2スペーサ447は、鏡筒430及びスペーサジョイント470より熱膨張係数が大きな素材で構成されている。第1スペーサ440と第2スペーサ447とは、共に同じ素材で構成してもよく、異なる素材で構成してもよい。
以上の構成の実施の形態4に係る車載用赤外線レンズユニット404において、周囲環境の温度が上昇した場合、第2スペーサ447は熱膨張によってスペーサジョイント470を背面側へ移動させ、第1スペーサ440を背面側へ移動させる。また第1スペーサ440は、熱膨張によってOリング60の弾性力に抗して第1赤外線レンズ10を押圧し、背面側へ移動させる。よって、実施の形態4に係る車載赤外線レンズユニット404は、スペーサジョイント470の熱膨張係数が第1スペーサ440及び第2スペーサ470より十分に小さければ、1つのスペーサを用いた場合(実施の形態1参照)と比較して、熱膨張による第1赤外線レンズ10の移動量を略2倍とすることができる。また、第1スペーサ440及び第2スペーサ470はそれぞれ異なる熱膨張係数の素材で形成することができるため、熱膨張に伴う第1赤外線レンズ10の移動量をより細かく調整することができる。
なお、実施の形態4においては、車載用赤外線レンズユニット404が第1スペーサ440及び第2スペーサ447の2つのスペーサを備える構成としたが、これに限るものではなく、下記の変形例に示すように3つのスペーサを備える構成であってもよく、更には4つ以上のスペーサを備える構成であってもよい。また、実施の形態4に係る車載用赤外線レンズユニット404のその他の構成は、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(変形例)
図20は、本発明の実施の形態4の変形例に係る車載用赤外線レンズユニット404aの構成を示す模式的断面図である。変形例に係る車載用赤外線レンズユニット404aは、第1スペーサ440a、第2スペーサ445a及び第3スペーサ447aの3つのスペーサと、これらの間に介在する第1スペーサジョイント470a及び第2スペーサジョイント475aの2つのスペーサジョイントとを備えている。
変形例に係る車載用赤外線レンズユニット404aの第1スペーサ440aは、図19に示した実施の形態4の第1スペーサ440と略同じ構成である。変形例の第1スペーサ440aは、その外径が鏡筒430の内径と略等しい円筒状をなし、鏡筒430に内嵌させることができる。第1スペーサ440aの背面側端部の内周面には、一周に亘って突出部が設けられており、この突出部の背面側の内縁に第1外嵌部441が形成されている。第1スペーサ440aの第1外嵌部441が第1赤外線レンズ10に正面側から外嵌することで、第1赤外線レンズ10は鏡筒430のレンズ保持部31の係止部32と、第1スペーサ440aとの間に挟み込まれて保持される。
第1スペーサジョイント470aは、円筒状をなしており、その外径は第1スペーサ440aの内径に略等しく、第1スペーサ440aに内嵌させることができる。また第1スペーサジョイント470aの内径は、第2スペーサ445aの外径に略等しく、第2スペーサ445aに外嵌させることができる。また第1スペーサジョイント470aの正面側端部の外周面には、外側へ突出する鍔状の係止部471が設けられ、背面側端部の内周面には内側へ突出する係止部472が設けられている。
第1スペーサジョイント470aを第1スペーサ440aに挿入して嵌合させた場合、係止部471は第1スペーサ440aの正面側端面に当接し、第1スペーサジョイント470aの第1スペーサ440a奥方への移動を係止する。また第1スペーサジョイント470内に第2スペーサ445aを挿入して嵌合させた場合、係止部472は第2スペーサ445aの背面側端面に当接し、第2スペーサ445aの第1スペーサジョイント470a奥方への移動を係止する。
第2スペーサ445aは、外径が第1スペーサジョイント470aの内径に略等しく、内径が第2スペーサジョイント475aの外径に略等しい円筒状をなしている。第2スペーサ445aは、第1スペーサジョイント470aに内嵌し、第1スペーサジョイント470aの背面側端部に設けられた係止部472によって背面側への移動を係止される。また第2スペーサ445aは、第2スペーサジョイント475aに外嵌し、第2スペーサジョイント475aの係止部476によって正面側への移動を係止される。
第2スペーサジョイント475aは、円筒状をなしており、その外径は第2スペーサ445aの内径に略等しく、第2スペーサ445aに内嵌させることができる。また第2スペーサジョイント475aの内径は、第3スペーサ447aの外径に略等しく、第3スペーサ447aに外嵌させることができる。また第2スペーサジョイント475aの正面側端部の外周面には、外側へ突出する鍔状の係止部476が設けられ、背面側端部の内周面には内側へ突出する係止部477が設けられている。
第2スペーサジョイント475aを第2スペーサ445aに挿入して嵌合させた場合、係止部476は第2スペーサ445aの正面側端面に当接し、第2スペーサジョイント475aの第2スペーサ445a奥方への移動を係止する。また第2スペーサジョイント475a内に第3スペーサ447aを挿入して嵌合させた場合、係止部477は第2スペーサ447aの背面側端面に当接し、第2スペーサ447aの第2スペーサジョイント475a奥方への移動を係止する。
第3スペーサ447aは、その外径が第2スペーサジョイント475aの内径と略等しい円筒状をなし、第2スペーサジョイント475aに内嵌させることができる。第3スペーサ447aの正面側端部の外周面には突出部が設けられており、第3スペーサ447aは、この突出部の外縁の背面側を一周に亘って階段状に形成した段部443と、正面側端部の内縁を一周に亘って階段状に形成した第2外嵌部442とを備えている。
第3スペーサ447aの第2外嵌部442は、第2赤外線レンズ20の背面側に外嵌し、第2赤外線レンズ20の背面側の周縁部分と外周面とに当接する。これにより第2赤外線レンズ20は、第3スペーサ447aとレンズ押さえ50の押え部52との間に挟み込まれて保持される。
また第3スペーサ447aは、段部443にて鏡筒430に内嵌すると共に、鏡筒430の奥方への移動を係止される。即ち、第3スペーサ447aの正面側端部の外周面に設けられた突出部は、段部443が設けられた外径が小さい部分が、その外径が鏡筒430の内径に略等しく、鏡筒430に内嵌する。また第3スペーサ447aの突出部の外径が大きい部分は、段部443が形成された背面側が鏡筒430の正面側端面に当接し、第3スペーサ447aの移動を係止する。
即ち、変形例に係る車載用赤外線レンズユニット404aは、第1スペーサ440a及び第2スペーサ445aの間に第1スペーサジョイント470aが介在し、第2スペーサ445a及び第3スペーサ447aの間に第2スペーサジョイント475aが介在している。第1スペーサ440a〜第3スペーサ447aは、第1スペーサジョイント470aの両端に設けられた係止部471、472及び第2スペーサジョイント475aの両端に設けられた係止部476、477によって、軸方向への移動が係止されている。
以上の構成の車載用赤外線レンズユニット404aにおいて、周囲環境の温度が上昇した場合、第3スペーサ447aは熱膨張によって第2スペーサジョイント475aを背面側へ移動させ、第2スペーサ445aを背面側へ移動させる。また第2スペーサ445aは熱膨張によって第1スペーサジョイント470aを背面側へ移動させ、第1スペーサ440aを背面側へ移動させる。更に第1スペーサ440aは、熱膨張によってOリング60の弾性力に抗して第1赤外線レンズ10を押圧し、背面側へ移動させる。よって、変形例に係る車載赤外線レンズユニット404aは、第1スペーサジョイント470a及び第2スペーサジョイント475aの熱膨張係数が第1スペーサ440a、第2スペーサ445a及び第3スペーサ447aより十分に小さければ、1つのスペーサを用いた場合(実施の形態1参照)と比較して、熱膨張による第1赤外線レンズ10の移動量を略3倍とすることができる。
図21A及び図21Bは、スペーサを多重化した車載用赤外線レンズユニットのシミュレーション結果を示す模式図である。本シミュレーション結果は、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の素材をGeとし、鏡筒430の素材をアルミ(線膨張係数=21×10-6)とし、60℃の温度変化に対して第1赤外線レンズ10を190μm移動させる構成としたものである。またスペーサは、図19又は図20に示すようにスペーサジョイントを用いて多重化すると共に、素材を適切に選定することにより、線膨張係数=650×10-6とした。
シミュレーション結果から、スペーサを多重化した車載用赤外線レンズユニットは、±60℃の温度変化に対してMTFの変動が小さく、その値を略一定値に保つことができる。よって、図19及び図20に示した車載用赤外線レンズユニット404(404a)は、MTFの温度特性に大きな改善が得られることがわかる。
(実施の形態5)
図22は、本発明の実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504の構成を示す模式的断面図である。上述の実施の形態1〜4に係る車載用赤外線レンズユニットは、熱膨張に伴って移動させる赤外線レンズを保持するレンズ保持部を鏡筒に備える構成である。これに対して実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504は、第1赤外線レンズ510をスペーサ40に接着固定する構成であり、鏡筒530はレンズ保持部を有していない。
実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504のスペーサ40は、実施の形態1のスペーサ40と略同じ構成であり、第1赤外線レンズ510に外嵌する第1外嵌部41が背面側端部の内周面に形成され、第2赤外線レンズ20に外嵌する第2外嵌部42が正面側端部の内周面に形成されている。またスペーサ40の外周面には、正面側端部近傍にて段階的に外径が拡大する階段状に形成された段部43が設けられており、スペーサ40を鏡筒530内に正面側から挿入した場合、鏡筒530の正面側端面に段部43が当接することによってスペーサ40の奥方への移動が係止される。第1赤外線レンズ510は、スペーサ40の第1外嵌部41に外嵌され、接着剤などを用いて固定される。
鏡筒530の内周面は、スペーサ40の外周面のうち段部43より背面側の部分に対応する形状としてある。即ち、鏡筒530の内周面は、背面側端部から軸方向の中央部までの内径が略一定に形成され、中央部から正面側へ拡径するテーパ状に形成されている。鏡筒530の正面側端部の内径は、スペーサ40の段部43にて階段状に形成された部分の小さいほうの外径に略等しい。よって、鏡筒530の正面側から挿入されたスペーサ40は、その段部43が鏡筒530の正面側の端面に当接することによって、それ以上背面側への鏡筒530への挿入が係止される。この状態において、スペーサ40の背面側の端面が鏡筒530の背面側の開口から外部へ突出することがないように、鏡筒530及びスペーサ40の軸方向の長さが設定されている。
以上の構成の車載用赤外線レンズユニット504は、スペーサ40を鏡筒530より熱膨張係数の大きい素材で形成することによって、周囲環境の温度が上昇した場合、スペーサ40は段部43にて鏡筒530に係止された位置より背面側の部分が熱膨張によって軸方向に延び、背面側端部の外嵌部41に接着固定された第1赤外線レンズ510が背面側へ移動する。よって車載用赤外線レンズユニット504は、スペーサ40の熱膨張係数を適切に設定することにより、周囲環境の温度変化に伴って生じる焦点ずれを補正することができる。
なお、実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504のその他の構成は、実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(変形例1)
図23は、本発明の実施の形態5の変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット504aの構成を示す模式的断面図である。上述の図22に示した実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504は、第1赤外線レンズ510をスペーサ40の第1外嵌部41に外嵌させ、接着剤などにより接着固定する構成としたが、第1赤外線レンズ510の固定方法はこれに限らない。変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット504aは、第1赤外線レンズユニット510aをねじ部材515にてスペーサ40に固定する構成である。
変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット504aの第1赤外線レンズ510aには、背面側の周縁部分を一周に亘って階段状に凹ませた段部511aが設けられている。段部511aは、その深さ(第1赤外線レンズ510aの軸方向の長さ)が、第1赤外線レンズ510aの周縁部分の厚さの1/3程度である。
また、スペーサ40の第1外嵌部41には、内周面にねじ溝が形成されている。ねじ部材515は、第1赤外線レンズ510aの段部511aに外嵌する円環状をなしており、その外周面には、スペーサ40の第1外嵌部41に形成されたねじ溝に螺合するねじ溝が形成されている。即ち、環状のねじ部材515の内径は、第1赤外線レンズ510の段部511aの直径に略等しく、ねじ部材515の外径は、スペーサ40の第1外嵌部41の内径に略等しい。
スペーサ40の第1外嵌部41に第1赤外線レンズ510aを嵌合させた後、ねじ部材515をスペーサ40の第1外嵌部41に回転させながら挿入することによりスペーサ40とねじ部材515とを螺合し、第1赤外線レンズ510aをスペーサ40及びねじ部材515の間に挟み込んで固定することができる。
(変形例2)
図24は、本発明の実施の形態5の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット504bの構成を示す模式的断面図である。上述の図22に示した実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504は、第2赤外線レンズ20をスペーサ40の第2外嵌部42に嵌合させて接着固定する構成とした。これに対して、変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット504bは、鏡筒530bの正面側端部に設けられた段部534bに第2赤外線レンズ20を嵌合させる構成であり、この構成は図15に示した実施の形態1の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット4cと略同じ構成である。
変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット504bのスペーサ540bは、正面側端部の外周面の一周に亘って形成された鍔部543bを有している。また鏡筒530bは、正面側の内周面を一周に亘って階段状に形成した段部534bを有しており、鏡筒530bの正面側端部の内径は、スペーサ540bの鍔部543bが設けられた部分の外径及び第2赤外線レンズ20の背面側の外径に略等しい。鏡筒530bの正面側から内部へ挿入されたスペーサ540bは、その鍔部543bが鏡筒530bの段部534bに当接することによって、それ以上の背面側への挿入が係止される。また、第2赤外線レンズ20は、鏡筒530bの正面側端部に嵌合すると共に、その背面側の周縁部分がスペーサ540bの正面側端面に当接する。
また、スペーサ540bの背面側端部には、第1赤外線レンズ510に外嵌する外嵌部541bが形成されており、外嵌部541bに第1赤外線レンズ510を嵌合させた後で接着剤などを用いて接着固定する。鏡筒530bの内周面は、スペーサ540bに外嵌する形状としてあり、軸方向の中央部から背面側端部までの内径が略一定に形成されている。鏡筒530bの正面側から挿入されたスペーサ540bは、その鍔部543bが鏡筒530bの段部534bに当接することによって、それ以上背面側への挿入が係止され、この状態において、スペーサ540bの背面側の端面が鏡筒530bの背面側の開口から外部へ突出することがないように、鏡筒530b及びスペーサ540bの軸方向の長さが設定されている。
以上の構成の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット504bは、図22に示した実施の形態5に係る車載用赤外線レンズユニット504と同様に、スペーサ540bを鏡筒530bより熱膨張係数の大きい素材で形成することによって、周囲環境の温度変化に伴って生じる焦点ずれを補正することができる。
(変形例3)
図25は、本発明の実施の形態5の変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット504cの構成を示す模式的断面図である。変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット504cは、図24に示した変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット504bの第1赤外線レンズ510の固定を、図23に示した変形例1に係る車載用赤外線レンズユニット504aと同様の方法で行った構成である。
変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット504cは、第1赤外線レンズユニット510aをねじ部材515にてスペーサ540bに固定する構成である。変形例3に係る車載用赤外線レンズユニット504cの第1赤外線レンズ510aには、背面側の周縁部分を一周に亘って階段状に凹ませた段部511aが設けられており、スペーサ540bの第1外嵌部541bには、内周面にねじ溝が形成されている。ねじ部材515は、第1赤外線レンズ510aの段部511aに外嵌する円環状をなしており、その外周面には、スペーサ540bの第1外嵌部541bに形成されたねじ溝に螺合するねじ溝が形成されている。これらにより、スペーサ540bとねじ部材515とを螺合し、第1赤外線レンズ510aをスペーサ540b及びねじ部材515の間に挟み込んで固定することができる。
なお、以上の実施の形態1、2、4、5(各変形例を含む)においては、車載用赤外線レンズユニットの第1赤外線レンズを保持又は固定等するため及び温度変化に応じて位置を変化させるための種々の構成と、第2赤外線レンズを保持又は固定等するための種々の構成と、スペーサの種々の構成とを示した。例えば第1赤外線レンズは、スペーサの外嵌部に外嵌させる構成、スペーサ及び鏡筒のレンズ保持部にて挟み込んで保持させる構成、Oリングなどの弾性力により正面側へ付勢させる構成、鏡筒に形成した段部に外嵌させる構成、鏡筒に形成したテーパ面に当接させる構成、又はスペーサへ直接的に固定して鏡筒にレンズ保持部を設けない構成等から設計者が最適なものを選択することができる。また例えば第2赤外線レンズは、スペーサの第2嵌合部に嵌合させる構成、又は鏡筒に形成した段部に嵌合させる構成等から最適なものを選択することができる。また例えばスペーサは、正面側端部近傍に段部若しくは鍔部を設けて鏡筒の正面側端面若しくは段部に係合させる構成、段部若しくは鍔部を設けずに第1赤外線レンズ及び第2赤外線レンズの間に挟むのみの構成、又は複数のスペーサをスペーサジョイントにて連結する構成等から最適なものを選択することができる。これらの第1赤外線レンズに関する構成、第2赤外線レンズに関する構成、及びスペーサに関する構成は、実施の形態1、2、4、5に示したものに限らず、選択可能な構成を任意に組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
上述の実施の形態1に係る車載用赤外線レンズユニット4は、レンズ押さえ50を鏡筒30に螺合させて、第2赤外線レンズ20及びスペーサ40等を押さえ付けることにより、これらの固定を行う構成である。このため、スペーサ40の素材によっては、高温環境でのレンズ押さえ50による軸方向背面側への押圧力によってスペーサ40にクリープ変形などが生じ、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の位置にズレが生じるなどの虞がある。そこで、以下の実施の形態6においては、レンズ押さえ50の押圧力によるスペーサ40の変形を防止することができる構成について説明する。
図26は、本発明の実施の形態6に係る車載用赤外線レンズユニット604の構成を示す模式的断面図である。実施の形態6に係る車載用赤外線レンズユニット604は、その構成が図10に示した実施の形態1の変形例2に係る車載用赤外線レンズユニット4bと似ているが、鏡筒630及びスペーサ640の形状が異なる。
鏡筒630は、レンズ保持部31が設けられた部分より正面側の内径が略一定となるように形成されている。このためスペーサ640は、背面端部から段部43が設けられた箇所までの外径が、鏡筒630の内径に略等しくなるように、略一定に形成されている。このとき、鏡筒630の正面側の内径(段部43に係合してスペーサ640を係止する位置における鏡筒630の内径)R1が、スペーサ640の第2外嵌部42に嵌合された第2赤外線レンズ20(の少なくとも背面側)の外径R2より小さくなるように、鏡筒630及びスペーサ640のサイズ及び形状等が設定されている。
例えば図10に示した車載用赤外線レンズユニット4bのように、係止位置における鏡筒630の内径が第2赤外線レンズ20の外径より大きい場合、レンズ押さえ50により第2赤外線レンズ20が軸方向の背面側へ押し付けられた場合、軸方向への押圧力がスペーサ40のみに加わる。このため、スペーサ40の素材によっては、レンズ押さえ50の押圧力により高温環境などでスペーサ40が変形するなどの虞がある。
これに対して、図26に示した実施の形態6に係る車載用赤外線レンズユニット604は、第2赤外線レンズ20の外径R2が同軸配置された鏡筒630の内径R1より大きいため、レンズ押さえ50により第2赤外線レンズ20に対して軸方向へ加えられた押圧力の一部又は全部は、鏡筒630の正面側の端面に加わる。よって、レンズ押さえ50の押圧力によるスペーサ640の変形(主に段部43のせん段変形)を抑制できる。また鏡筒630は、アルミなどの金属で成形することができ、合成樹脂などで成形されるスペーサ640と比較して、高温環境であっても変形の虞が少ない。これらのことから、実施の形態6に係る車載用赤外線レンズユニット604は、レンズ押さえ50の押圧力によるクリープ変形などによって、第1赤外線レンズ10及び第2赤外線レンズ20の位置ズレなどが生じることを効果的に防止できるため、精度向上及び信頼性向上等を実現できる。
なお、鏡筒630の内径R1と第2赤外線レンズ20の外径R2との差が約0.4mmとなるように鏡筒630、スペーサ640及び第2赤外線レンズ20等を成形し、100℃の高温環境負荷を300時間加える試験を車載用赤外線レンズユニット604に対して行ったところ、環境負荷前後で、第1赤外線レンズ10の軸方向の位置ズレは5μm未満であった。
鏡筒630の内径R1と第2赤外線レンズ20の外径R2との差がより大きいほど、上述の効果が大きくなる。しかし、鏡筒630及びスペーサ640等の小型化は容易ではないため、鏡筒630の内径R1と第2赤外線レンズ20の外径R2との差を大きくするためには、第2赤外線レンズ20を大型化する必要があり、これは車載用赤外線レンズユニット604の大型化を招来する。よって、車載用赤外線レンズユニット604に求められる精度及びサイズ等の要件、並びにスペーサ640に用いられる素材等を考慮して、鏡筒630の内径R1及び第2赤外線レンズ20の外径R2を決定することが好ましい。
なお、実施の形態6においては、図10に示した実施の形態1の変形例2に係る車載赤外線レンズユニット4bに対して、レンズ押さえ50の押圧力によるスペーサ40の変形を防止する構成を示したが、これに限るものではない。他の実施の形態及び変形例に係る車載赤外線ユニットについても、同様に鏡筒の内径を第2赤外線レンズの外径より小さくする構成を採用することによって、スペーサの変形による第2赤外線レンズの位置ズレを防止できるという効果を得ることができる。

Claims (13)

  1. 複数のレンズと、該レンズを内部に保持する鏡筒と、該鏡筒内で2つの前記レンズ間に介在するスペーサとを備え、複数の前記レンズにより撮像素子への集光を行うレンズユニットであって、
    前記鏡筒又は前記スペーサは、前記レンズを保持するレンズ保持部を有し、
    前記鏡筒及び前記スペーサは、熱膨張係数が異なる素材でそれぞれ形成され、
    前記スペーサは、熱膨張により2つの前記レンズ間の距離を広げるようにしてあり、
    前記レンズ保持部は、
    2つの前記レンズのうち前記撮像素子の近くに配されるレンズを保持し、
    温度上昇による前記スペーサの熱膨張に伴い、保持した前記レンズを軸方向へ前記撮像素子に近づける方向へ移動し、
    温度下降による前記スペーサの収縮に伴い、保持した前記レンズを軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、
    保持した前記レンズの前記鏡筒に対する相対位置変化させるようにしてあり、
    前記スペーサは、2つの前記レンズにそれぞれ外嵌する外嵌部が形成してあること
    を特徴とするレンズユニット。
  2. 前記レンズ保持部は、前記鏡筒に設けられ、前記スペーサと共に前記レンズを軸方向に挟むことで、該レンズを保持するようにしてあり、
    前記スペーサは、前記レンズ保持部に保持されたレンズを、熱膨張により前記レンズ保持部へ向けて押圧するようにしてあり、
    前記レンズ保持部は、保持した前記レンズが前記スペーサの押圧によって前記撮像素子へ近づく方向へ移動するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記レンズ保持部は、
    前記鏡筒の内周面に突設され、前記レンズの移動を係止する係止部と、
    該係止部及び前記レンズの間に介在する弾性部材と
    を有すること
    を特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
  4. 前記レンズは、軸方向の一側の周縁部分が他側へ拡径するテーパ状に形成してあり、
    前記レンズ保持部は、
    前記鏡筒の内周面に突設され、前記レンズの一側の周縁部分に当接する当接部を有し、
    該当接部が、前記レンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成してあること
    を特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
  5. 前記レンズ保持部は、前記スペーサの外嵌部に外嵌されたレンズを固定手段で固定することにより、該レンズを保持するようにしてあり、
    前記スペーサの熱膨張によって、前記外嵌部に固定された前記レンズが前記撮像素子へ近づく方向へ移動するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  6. 前記鏡筒に対する前記スペーサの軸方向への移動を係止する係止手段を備え、
    前記スペーサは、前記係止手段による係止位置から前記レンズ保持部までの部分の熱膨張により、前記レンズ保持部に保持されたレンズを前記撮像素子へ近づける方向へ移動させるようにしてあること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  7. 前記鏡筒に固定され、軸方向の最端側に配されたレンズに当接し、該レンズを前記スペーサへ押さえつけるレンズ押さえを更に備え、
    前記係止手段による係止位置での前記鏡筒の内径は、前記レンズ押さえにより押さえつけられるレンズの外径より小さいこと
    を特徴とする請求項6に記載のレンズユニット。
  8. 2つの前記レンズ間には複数のスペーサが介装されており、
    一のスペーサに内嵌して該スペーサの端部を係止すると共に、他のスペーサに外嵌して該スペーサの端部を係止するように、2つのスペーサ間に介装される連結部材を更に備え、
    該連結部材の熱膨張係数が、前記スペーサの熱膨張係数より小さいこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  9. 前記スペーサの熱膨張係数が、前記鏡筒の熱膨張係数より大きいこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  10. レンズと、該レンズを内部に保持する鏡筒とを備え、前記レンズにより撮像素子への集光を行うレンズユニットであって、
    前記レンズは、軸方向の一側の周縁部分が他側へ拡径するテーパ状に形成してあり、
    前記鏡筒の内周面に突設され、前記レンズの一側の周縁部分に当接する当接部と、
    前記レンズの他側の周縁部分に当接し、前記レンズを一側へ押圧する押圧部材と
    を備え、
    前記当接部が、前記レンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成してあり、
    温度上昇による前記鏡筒の熱膨張に伴い、前記レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子に近づく方向へ移動し、
    温度下降による前記鏡筒の収縮に伴い、前記レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、
    前記鏡筒に対する前記レンズの相対位置が変化するようにしてあること
    を特徴とするレンズユニット。
  11. 前記鏡筒の熱膨張係数が、前記レンズの熱膨張係数より大きいこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載のレンズユニット。
  12. 複数の赤外線レンズと、該赤外線レンズを内部に保持する鏡筒と、該鏡筒内で2つの前記赤外線レンズ間に介在するスペーサとを有し、車輌に搭載された赤外線撮像装置に備えられ、複数の前記赤外線レンズにより前記赤外線撮像装置が有する撮像素子への集光を行う車載用赤外線レンズユニットであって、
    前記鏡筒又は前記スペーサは、前記赤外線レンズを保持するレンズ保持部を有し、
    前記鏡筒及び前記スペーサは、熱膨張係数が異なる素材でそれぞれ形成され、
    前記スペーサは、熱膨張により2つの前記赤外線レンズ間の距離を広げるようにしてあり、
    前記レンズ保持部は、
    2つの前記赤外線レンズのうち前記撮像素子の近くに配される赤外線レンズを保持し、
    温度上昇による前記スペーサの熱膨張に伴い、保持した前記赤外線レンズを軸方向へ前記撮像素子に近づける方向へ移動し、
    温度下降による前記スペーサの収縮に伴い、保持した前記赤外線レンズを軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、
    保持した前記赤外線レンズの前記鏡筒に対する相対位置変化させるようにしてあり、
    前記スペーサは、2つの前記赤外線レンズにそれぞれ外嵌する外嵌部が形成してあること
    を特徴とする車載用赤外線レンズユニット。
  13. 赤外線レンズと、該赤外線レンズを内部に保持する鏡筒とを備え、車輌に搭載された赤外線撮像装置に備えられ、前記赤外線レンズにより前記赤外線撮像装置が有する撮像素子への集光を行う車載用赤外線レンズユニットであって、
    前記赤外線レンズは、軸方向の一側の周縁部分が他側へ拡径するテーパ状に形成してあり、
    前記鏡筒の内周面に突設され、前記赤外線レンズの一側の周縁部分に当接する当接部と、
    前記赤外線レンズの他側の周縁部分に当接し、前記赤外線レンズを一側へ押圧する押圧部材と
    を備え、
    前記当接部が、前記赤外線レンズの周縁部分に対応する角度のテーパ状に形成してあり、
    温度上昇による前記鏡筒の熱膨張に伴い、前記赤外線レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子に近づく方向へ移動し、
    温度下降による前記鏡筒の収縮に伴い、前記赤外線レンズがテーパ状の前記当接部に沿って軸方向へ前記撮像素子から離隔する方向へ移動するよう、
    前記鏡筒に対する前記赤外線レンズの相対位置が変化するようにしてあること
    を特徴とする車載用赤外線レンズユニット。
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