JP7154892B2 - レンズ装置およびそれを有するカメラシステム - Google Patents

レンズ装置およびそれを有するカメラシステム Download PDF

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Description

本発明は、レンズ装置およびそれを有するカメラシステムに関する。
デジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられているレンズ鏡筒(レンズ装置)は、複数のレンズが位置決めされて構成される光学系を有する。この光学系の光学性能は、各レンズの位置ずれ(偏芯や倒れ)により劣化する。各レンズの位置ずれは、レンズ鏡筒への物理的な衝撃や環境変化により起こりうるため、各レンズをレンズ鏡筒に対して精度良く保持し、且つ、初期の組み付け位置から長期に渡りズレの無い状態を維持させることが望まれている。特許文献1は、鏡筒内に直接接触(マージナルコンタクト)させた2つのガラスを、2つの押え環で固定する構造を開示している。
特開2017-53877号公報
特許文献1に開示された方法は、2つのレンズを鏡筒に挿入した後に組み込む2つの押え環各々が、それぞれのレンズの芯を決定する構造である。つまり、押え環が鏡筒に対して光軸方向に真っ直ぐに組み付けられた場合にそれぞれのレンズの芯(中心軸)が揃う構成である。従って、安定して2つのレンズの芯を揃えるためには、光軸方向に押え環を締めつけ固定する作業を安定して行うための配慮が必要であった。
本発明は、複数のレンズの芯を揃えた状態で鏡筒に組み付けることを容易にし、且つ、長期に渡り初期の状態を維持させることに優位なレンズ装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るレンズ装置は、第1のレンズと、第2のレンズと、固定筒と、第2のレンズが配置される側から第1のレンズを固定筒に固定する第1の固定手段と、第2のレンズを第1のレンズに当接させて固定する第2の固定手段と、を備え、第2の固定手段は、第1の固定手段の内周面に嵌合し、第2の固定手段は、第2のレンズと当接する当接面を有し、該当接面が第2のレンズの光軸に垂直な面に対して傾いている
本発明によれば、複数のレンズの芯を揃えた状態で鏡筒に組み付けることを容易にし、且つ、長期に渡り初期の状態を維持させることに優位なレンズ装置を提供することができる。
第1の実施形態に係るレンズ装置を適用可能な交換レンズ鏡筒の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る図1におけるC部の部分拡大図である。 第3の実施形態に係る図1におけるC部の部分拡大図である。 カメラシステムの例を示す図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。尚、各図において、同一の部材および要素については、同一の参照符号を付すことで、互いに重複する説明を省略する。また、以下の説明では、光軸が延びる方向を光軸方向とする。また、光軸に垂直な方向を径方向と称する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るレンズ装置100を適用可能な交換レンズ鏡筒の構成を示す断面図である。このレンズ装置100は、マウント1001を介して、後述のカメラ本体50と着脱可能に取り付けられる。レンズ装置100は、マウント1001、外装環1002、固定筒1004、手振れ補正群1006、中間筒1008、案内筒1009、カム筒1010、1群鏡筒1013、2群鏡筒1011、3群鏡筒1005および4群鏡筒1007を有する。また、1群鏡筒1013には、像側から順に第1のレンズ1019と第2のレンズ1021とがそれぞれ第1の押え環1018および第2の押え環1020で固定されている。この固定方法の詳細については図2を用いて後述する。
マウント1001は、後述のカメラ本体50と着脱可能であり、外装環1002が径嵌合し、当接部1003で光軸方向が規制されて、ビスで締結されている。外装環1002は、固定部材である固定筒1004に径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。固定筒1004は、レンズを保持する3群鏡筒1005と、レンズを光軸直行平面内でシフトすることによって手振れ補正を行う手振れ補正群1006とを、カムフォロアにより保持している。また、固定筒1004には、レンズを保持する4群鏡筒1007が径嵌合し、光軸方向でビスにより締結されている。
中間筒1008は、固定筒1004に径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。案内筒1009は、中間筒1008に対して径嵌合し、光軸方向でビスにより締結される。カム筒1010は、案内筒1009に対して径嵌合し、且つ光軸方向への移動が規制され定位置回転をする。案内筒1009とカム筒1010には、レンズを保持する2群鏡筒1011を光軸方向へ進退させるために、それぞれ直進溝およびカム溝が形成されており、2群鏡筒1011に取り付けられたカムフォロア(不図示)がこれらに係合している。レンズを保持する1群鏡筒1013は、案内筒1009に対して当接部1014で光軸方向が規制され、案内筒1009とねじ結合されている。
案内筒1009には、アクチュエータ1015が径嵌合し、光軸方向でビスにより締結されている。アクチュエータ1015の回転部(不図示)を介して、アクチュエータ1015の回転力がカム筒1010に伝達される。1群鏡筒1013には、フォーカスリング1016が径嵌合し、1群鏡筒1013の外周部に固定されたカムフォロア1017で光軸方向への移動が規制されている。フォーカスリング1016とアクチュエータ1015の構成部材(不図示)は光軸周りに一体的に回転するよう構成されている。そのため、フォーカスリング1016の回転作動がアクチュエータ1015を介して、カム筒1010に伝達される。
図2は、図1におけるC部の部分拡大図である。1群鏡筒1013に対し、第1のレンズ1019と第2のレンズ1021とをそれぞれ第1の押え環1018および第2の押え環1020で固定した状態を示す断面図である。本実施形態では、第1のレンズ1019と第2のレンズ1021とは、互いにレンズ同士が直接接触(マージナルコンタクト)するものとする。
以下に、1群鏡筒1013に対して、第1のレンズ1019の中心軸と第2のレンズ1021の中心軸を揃えた状態で保持させ、衝撃や温度環境変化があっても初期の保持状態を維持し続けるのに適した構成を説明する。
第1のレンズ1019は、1群鏡筒1013の第1の内面部1024で、1群鏡筒1013と嵌合している。第1のレンズ1019は、第2のレンズ1021側に傾斜面1025を有している。傾斜面1025は、第1のレンズ1019を1群鏡筒1013に挿入する方向(紙面左から右方向)から第1のレンズ1019の突き当て部1023側へ向けて径大化する方向に延びる斜面である。第1のレンズ1019は、突き当て部1023を有しており、突き当て部1023は光軸Oに垂直な面を有する。そして、突き当て部1023は、鏡筒内面の光軸Oに垂直な面1041と当接する。
第1の押え環1018は、第1のレンズ1019の傾斜面1025と対向し、当接する第1の押え環当接面1026を有している。第1の押え環1018は、第1の押え環当接面1026によって、第1のレンズ1019の第2のレンズ1021側の面と当接している。第1の押え環1018は、第1の雄ねじ部1033を備える。第1の雄ねじ部1033は、1群鏡筒1013の第1の雌ねじ部1032と螺合している。第1の押え環1018を1群鏡筒1013に対して相対回転させると螺合により第1のレンズ1019の傾斜面1025と第1の押え環当接面1026とが当接し、第1のレンズ1019が固定される。第1の押え環1018は、後述の第2のレンズが配置される側から第1のレンズ1019を1群鏡筒1013に固定している。
第1のレンズ1019が大型で質量が大きいものである場合、第1のレンズ1019を保持する1群鏡筒1013には、第1のレンズ1019が挿入された際に、その質量によって変形してしまわないように十分な強度が求められる。そのため、1群鏡筒1013の材質はアルミニウム合金やマグネシウム合金といった金属が適する。1群鏡筒1013が金属製の場合、1群鏡筒1013の第1の内面部1024と第1のレンズ1019の外径部1022との間に径方向のクリアランスが必要になる。この嵌合クリアランスは、1群鏡筒1013の第1の内面部1024の寸法公差、第1のレンズ1019の外径部1022の寸法公差、使用温度範囲での各部材の収縮・膨張を考慮して径圧入関係にならない最小の値が設定される。このクリアランスの影響により、1群鏡筒1013の第1の内面部1024の中心軸と、第1のレンズ1019の中心軸がクリアランスの範囲内で一致しないという課題が生じる。
これに対し、本実施形態では、第1の押え環1018により、第1のレンズ1019を1群鏡筒1013に対して押圧することで偏芯を抑制している。以下、このメカニズムついて詳述する。
図2において、第1の押え環1018を締め込みきると、第1の押え環当接面1026から第1のレンズ1019の傾斜面1025に向けて、作用力Aが発生する。作用力Aは、分力Ax、Ayとしても表現される。図1は光軸Oを通るある1断面で表現しているため、この断面においては作用力Aは図示の方向となるが、第1の押え環1018は全周に渡るリング形状であるため、Ayは光軸Oを通る他の断面で見ても、常に光軸O中心に向かう成分として表現される。同じく、Axに関しても、光軸Oを通る他の断面を見ても、常に光軸方向に第1のレンズ1019を押圧する方向で表現される。これにより、第1のレンズ1019は、第1の押え環1018に対して調芯された状態で位置決めされ、第1の押え環1018と第1のレンズ1019の中心軸が揃う。
この構成においては、1群鏡筒1013に対して、第1の押え環1018がどれだけ光軸方向に真っ直ぐ組み込まれるかが重要になる。よって、第1の押え環1018の外周面である外径部1037が1群鏡筒1013の内周面である第2の内面部1040と径嵌合するよう寸法設定する。すると、第1の押え環1018は、1群鏡筒1013の第2の内面部1040にガイドされた状態で、締め込むことが可能になる。従って、第1の押え環1018と、1群鏡筒1013とは、双方の中心軸が揃った状態で組み付けられる。
図2で示した破線は、撮像のために有効な光線が通過する領域の境界を示している。紙面、破線より下部が有効領域、上部が非有効領域である。非有効領域において、第1のレンズ1019の第1の規制部1036と、第2のレンズ1021の後ろ側曲率面1035と接触する。これにより、第1のレンズ1019と第2のレンズ1021との光軸方向の相対位置が規制される。
第1の押え環1018は、第2のレンズ1021の外径部1027に対向して延伸する内面部1028を有している。内面部1028は、第2のレンズ1021の外周に対して所定のクリアランスを有した状態で嵌合している。このときの嵌合クリアランスも、双方の寸法公差、想定される使用温度範囲での各部材の収縮・膨張を考慮して、径圧入関係にならない最小の値が設定される。また、内面部1028は第2のレンズ1021を組み込む際に、レンズ挿入のガイドをする役割を果たし、レンズ挿入の作業性を安定させる。
第2のレンズ1021は、1群鏡筒1013の開口部側(紙面左側、レンズが挿入されてくる側)に前側曲率面1031を有している。本実施形態では、第1のレンズ1019と対向する側の面である前側曲率面1031を凸の曲率面とし、第2の押え環当接面1030が前側曲率面1031と当接する。第2の押え環1020は、第2の雄ねじ部1039を備える。第2の雄ねじ部1039は、1群鏡筒1013の第2の雌ねじ部1038と螺合しており、第2の押え環1020を1群鏡筒1013に対して相対回転させると螺合により前側曲率面1031と第2の押え環当接面1030とが当接する。
第2の押え環1020を締め込みきると、第2の押え環当接面1030から前側曲率面1031に向けて、作用力Bが発生する。作用力Bは、分力Bx、Byとしても表現される。第2の押え環1020は全周に渡るリング形状であるため、Byは光軸Oを通る他の断面で見ても、常に光軸O中心に向かう成分として表現される。同じく、Bxに関しても、光軸Oを通る他の断面を見ても、常に光軸方向に第2のレンズ1021を押圧する方向で表現される。これにより、第2のレンズ1021は、第2の押え環1020に対して調芯された状態で位置決めされる(第2の押え環1020と第2のレンズ1021との中心軸が揃う)。
この構成において、第1のレンズ1019と第2のレンズ1021の中心軸が揃った状態で保持するために重要なのは、第2の押え環1020が第1の押え環1018、双方の押え環同士の中心軸が揃うことである。更には、第2の押え環1020が第1の押え環1018に対してどれだけ光軸方向に真っ直ぐ組み込めるかである。
それに対して、第1の押え環1018の内径部1029と第2の押え環1020の外径部1034が嵌合関係を持つよう寸法設定する。即ち、第1の押え環1018と第2の押え環1020とは、径嵌合する。このときの嵌合クリアランスも、双方の寸法公差、想定される使用温度範囲での各部材の収縮・膨張を考慮して、径圧入関係にならない最小の値が設定される。すると、第2の押え環1020は、第1の押え環1018の内径部1029にガイドされた状態で、締め込むことが可能になる。従って、第2の押え環1020は第1の押え環1018に対して双方の中心軸が揃った状態で光軸方向に真っ直ぐ組み付けられる。なお、本明細書において、径嵌合とは、円周において嵌合していることであり、円周の一部のみが嵌合している状態も含むものとする。
(第2の実施形態)
更なる精度向上のために、例えば、図2において1群鏡筒1013、第1の押え環1018、および第2の押え環1020は、同材質(例えば、金属)で形成する。すると、1群鏡筒1013と第1の押え環1018は同材質であるため、環境温度変化による膨張・収縮があっても径嵌合部のクリアランス量の変化は小さい。従って、1群鏡筒1013の第2の内面部1040と第1の押え環1018の外径部1037の嵌合クリアランスは、部品の寸法公差のみ考慮して設定すればよいため、部品の寸法設定を極力嵌合クリアランスが小さくなるように設定することが可能となる。なお、第1の押え環1018の内径部1029と第2の押え環1020の外径部1034の嵌合クリアランスについても同様である。
また、1群鏡筒1013、第1の押え環1018、および第2の押え環1020の環境温度変化による膨張・収縮が等しければ、径嵌合部のクリアランス量も変化しない。よって、1群鏡筒1013、第1の押え環1018、および第2の押え環1020は、線膨張係数が略等しい材料で構成されることが望ましい。ここで略等しいとは、第1の押え環1018の線膨張係数をα1と、第2の押え環1020の線膨張係数をα2と、1群鏡筒1013の線膨張係数をα3とするとき、α1/α2は、0.9~1.1であり、かつ、α1/α3およびα2/α3は、0.9~1.1であることをいう。
例えば、同材料(例えばアルミニウム合金:A5056材)で1群鏡筒1013、第1の押え環1018、および第2の押え環1020を形成する。すると、1群鏡筒1013と第1の押え環1018は同材料であるため、環境温度変化による膨張・収縮があっても径嵌合部のクリアランス量の変化を最低限とすることができる。従って、1群鏡筒1013の第2の内面部1040と第1の押え環1018の外径部1037の嵌合クリアランスは、部品の寸法公差のみ考慮して設定すればよいため、部品の寸法設定を極力嵌合クリアランスが最小限となるように設定することが可能となる。なお、第1の押え環1018の内径部1029と第2の押え環1020の外径部1034の嵌合クリアランスについても同様である。
よって、異種材料で1群鏡筒1013、第1の押え環1018、および第2の押え環1020を形成したときに比べ、第1の押え環1018は、1群鏡筒1013の第1の内面部1024に、より高精度にガイドされ、嵌合精度アップが期待できる。従って、第1の押え環1018を1群鏡筒1013の光軸方向に真っ直ぐに組み込むことに寄与する他、1群鏡筒1013の中心軸により高精度に揃えることが可能となる。また、第2の押え環1020についても、第1の押え環1018の内径部1029に、より高精度にガイドされ、嵌合精度アップが期待できる。従って、第2の押え環1020を第1の押え環1018の光軸方向に真っ直ぐに組み込むことに寄与する他、1群鏡筒1013の中心軸により高精度に揃えることが可能となる。
更には、第2のレンズ1021の線膨張係数についても、第1の押え環1018と略等しい材料で構成されることが望ましい。また、第1の押え環1018、および第2の押え環1020は、線膨張係数が略等しい材料で構成されることが望ましいため、結果として第2のレンズ1021の線膨張係数は、第2の押え環1020の線膨張係数とも略等しくなる。なお、ここで略等しいとは、第1の押え環1018の線膨張係数をα1と、第2の押え環1020の線膨張係数をα2と、第2のレンズ1021の線膨張係数をα4とするとき、α1/α4およびα2/α4は、0.9~1.1であり、かつ、α1/α2は、0.9~1.1であることをいう。
例えば、第2のレンズ1021を蛍石で形成する場合、蛍石の線膨張係数(2.4E-5/℃)は、A5056材の線膨張係数(2.4E-5/℃)と、ほぼ同値を取ることが知られている。つまり、第2のレンズ1021の外径部1027と第1の押え環1018の内面部1028との径嵌合部のクリアランス量は環境温度変化によりほぼ変化しないことになる。
従って、第2のレンズ1021の外径部1027と第1の押え環1018の内面部1028との嵌合クリアランスは、部品の寸法公差のみ考慮して設定すればよいため、部品の寸法設定を極力嵌合クリアランスが小さくなるように設定することが可能となる。従って、上記関係以外の素材で双方の部材を形成したときに比べ、第2のレンズ1021の中心軸が第2の押え環1020の中心軸に対して、双方の中心軸がより高精度に揃うことになる。また、第2の押え環1020と第1の押え環1018も同材料であるため、同様に双方の中心軸がより高精度に揃うことになる。
結果、1群鏡筒1013に対して、第1のレンズ1019の中心軸と第2のレンズ1021の中心軸を揃えた状態で保持させ、初期の保持状態から衝撃や温度環境の変化を極力抑制することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、様々な温度環境下において更に信頼性を向上させる構成について説明する。図3は、第3の実施形態に係る図1におけるC部の部分拡大図である。図3では、光軸方向において1群鏡筒1013と第1のレンズ1019とが接触する1群鏡筒1013の面1041のいずれか1点を点Gとする。また、1群鏡筒1013の第2の雌ねじ部1038と第2の押え環1020の第2の雄ねじ部1039の螺合範囲の中心点を点Dとする。点Gから点Dまでの標準温度環境下における距離であるDG間距離をV1と定義する。また、第2の押え環1020の第2の押え環当接面1030と第2のレンズ1021の前側曲率面1031の接触点を点Eとし、点Dから点Eまでの標準温度環境下における距離であるDE間距離をY1と定義する。さらに、第1のレンズ1019の第1の規制部1036と第2のレンズ1021の後ろ側曲率面1035との接点を点Fとし、点Eから点Fまでの標準温度環境下における距離であるEF間距離をX1と定義する。そして、点Fと点Gの標準温度環境下における距離であるFG間距離をW1と定義する。
本実施形態では、一例として、1群鏡筒1013はマグネシウム合金(線膨張係数α5=2.6E-5)により、第2の押え環1020はアルミニウム合金(線膨張係数α6=2.4E-5)により形成されているものとする。また、第1のレンズ1019の線膨張係数α7は、α7=7.7E-6、第2のレンズ1021の線膨張係数α8はα8=2.4E-5であるものとする。
このとき、組立時の環境温度(第1の温度)を標準温度としたとき、標準温度よりも高い環境温度下(第2の温度、このとき標準温度との温度差をΔTとする)で使用する場合を考える。すると、

DG間距離V2=α5×V1×ΔT
DE間距離Y2=α6×Y1×ΔT
EF間距離X2=α8×X1×ΔT
FG間距離W2=α7×W1×ΔT

となる。
そして、第1のレンズ1019と第2のレンズ1021の線膨張係数差により双方のガラスの接触点は径方向にもズレが生じる。α7<α8であることから、第1のレンズ1019より第2のレンズ1021の方の温度での形状変化が大きい。つまり、第2のレンズ1021が温度差ΔTにより第1のレンズ1019より膨張量が大きいことで、後ろ側曲率面1035の第1の規制部1036と接触する位置が組立時の接触位置に対して径大側にシフトする。この量は、温度差ΔTによる第1のレンズ1019と第2のレンズ1021との間の線膨張係数差分である。同じく第2のレンズ1021の後ろ側曲率面1035も膨張する。ここで、温度差ΔTにより第2のレンズ1021が光軸方向に膨張する量と径方向に両レンズ間の接触点がズレることによる光軸方向での変位量を加算した長さをZ、と定義する。また、第2のレンズ1021と第2の押え環1020と接触点の点Eに関しては線膨張係数が等しいためズレが生じない。つまり環境変化があっても双方が同じ位置で接触する。
本実施形態では、

DG間距離V2-DE間距離Y2-EF間距離X2-FG間距離W2=Z

の関係式を満たすように各部材の寸法関係を設定している。
すなわち、温度差ΔTによる第1のレンズ1019と第2のレンズ1021の光軸方向の寸法変化量と、点Gから点Eまでの温度差による寸法変化量が等しくなるよう、各部材の寸法関係を設定する。
なお、寸法公差などの影響により、上記関係式の右辺と左辺は厳密には一致しない場合がある。しかし、完全一致しない場合であっても本実施形態の効果を達成することが可能である。例えば、

DG間距離V2-DE間距離Y2-EF間距離X2-FG間距離W2-Z≦1μm

の関係式を満たす場合は、本実施形態の効果を達成することが可能であるといえる。
このように構成するより、高温環境下で、第1のレンズ1019と第2のレンズ1021が第2の押え環当接面1030と1群鏡筒1013の面1041に隙間が空くことなく固定されることになる。
以上のように、本実施形態によれば、レンズの固定力を高め、耐衝撃性能、耐環境性能に優れたレンズ装置を提供することができる。
(カメラシステム)
図4は、カメラシステムの例を示す。カメラシステムは、上述のレンズ装置100と、当該レンズ装置100が装着されるカメラ本体50と、を備える。カメラ本体50は、レンズ装置100からの光を受光する撮像素子70を有する。撮像素子70は、CCD、CMOSイメージセンサなどである。本発明は、このようなカメラシステムに適用することも可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1013 1群鏡筒
1018 第1の押え環(第1の固定手段)
1020 第2の押え環(第2の固定手段)
1019 第1のレンズ
1021 第2のレンズ

Claims (13)

  1. 第1のレンズと、
    第2のレンズと、
    固定筒と、
    前記第2のレンズが配置される側から前記第1のレンズを前記固定筒に固定する第1の固定手段と、
    前記第2のレンズを前記第1のレンズに当接させて固定する第2の固定手段と、を備え、
    前記第2の固定手段は、前記第1の固定手段の内周面に嵌合
    前記第2の固定手段は、前記第2のレンズと当接する当接面を有し、該当接面が前記第2のレンズの光軸に垂直な面に対して傾いていることを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記第1の固定手段の線膨張係数をα1と、前記第2の固定手段の線膨張係数をα2とするとき、α1/α2は、0.9~1.1である、ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記固定筒の線膨張係数をα3とするとき、α1/α3およびα2/α3は、0.9~1.1である、ことを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
  4. 前記第2のレンズの線膨張係数をα4とするとき、α1/α4およびα2/α4は、0.9~1.1である、ことを特徴とする請求項2または3に記載のレンズ装置。
  5. 前記第2のレンズは蛍石で構成され、前記第1の固定手段および前記第2の固定手段はアルミニウム合金で構成される、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  6. 前記第2のレンズは、前記第の固定手段の内周面に嵌合する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  7. 前記レンズ装置の組立時の環境温度である第1の温度と前記第1の温度よりも高い第2の温度との温度差による前記第1のレンズと前記第2のレンズの光軸方向の寸法変化量と、前記光軸方向において前記固定筒と前記第1のレンズとが接触する面から前記第2の固定手段と前記第2のレンズが当接する前記当接面の中心点までの前記温度差による寸法変化量が等しい、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  8. 前記固定筒と前記第2の固定手段との螺合範囲の中心点をDとし、
    前記第2の固定手段と前記第2のレンズとの前記当接面の中心点をEとし、
    前記第1のレンズに備えられ、撮像のために有効な光線が通過する領域の外において前記第2のレンズの位置を規制する第1の規制部と、前記第2のレンズとの接触点をFとし、
    光軸方向において前記固定筒と前記第1のレンズとが接触する前記面のいずれかの点をGとし、
    前記温度差による前記第2のレンズの光軸方向の変化量と、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの接触点の光軸方向の変位量を加算した長さをZとするとき、
    前記第2の温度において、
    DG間距離-DE間距離-EF間距離-FG間距離=Z
    の関係を満たす、ことを特徴とする請求項7に記載のレンズ装置。
  9. 前記第1の固定手段は、前記固定筒の内周面嵌合することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  10. 前記第1の固定手段は、前記第1のレンズの前記第2のレンズ側の面と当接する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  11. 前記第2の固定手段は、前記第2のレンズの前記第1のレンズと対向する側の面とは反対側の面と当接する、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  12. 前記第1の固定手段は前記固定筒と螺合し、前記第2の固定手段は前記固定筒と螺合することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  13. 請求項1乃至1のいずれか1項に記載のレンズ装置と、
    前記レンズ装置からの光を受光する撮像素子を有するカメラ本体と、を備える、
    ことを特徴とするカメラシステム。
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