JP2022110232A - レンズユニットおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズをレンズ保持枠に固定する際に発生するレンズの面歪みを低減することが可能なレンズユニットを提供する。【解決手段】レンズユニット(100)は、レンズ(102)とレンズ保持枠(101)とを有し、レンズは、第一の外径部(109)と第二の外径部(110)とを有し、レンズ保持枠は、第一の円筒部(104)と第二の円筒部(107)とフランジ部(108)と当接部(106)とを有し、第一の円筒部には圧入部(105)が設けられており、光軸方向において、レンズの重心(x1)は、圧入部と第一の外径部との接触領域(A)の範囲内に位置し、第一の外径部の半径と第二の外径部の半径との差y1と、第一の外径部の半径とレンズを当接部とは反対側から押さえるための接触部(103)の先端の半径との差Bは、0<y1<Bなる条件式を満足する。【選択図】図1
Description
本発明は、レンズユニットおよび撮像装置に関する。
近年、一眼レフカメラなどの撮像装置に用いられるレンズユニットは、光学性能を向上させるため、レンズをレンズ保持枠に固定したときの面精度の低下(面歪み)を抑制することが望まれている。一般的なレンズのレンズ保持枠に対する固定方法としては、レンズ保持枠に対して螺合されてレンズと当接するリング部材(押え環)、熱や圧力によりレンズ保持枠を変形させてレンズを固定するカシメ、または接着剤による固定方法が広く用いられている。
しかし、カシメや接着による固定は、レンズの光軸直交方向を樹脂製のレンズ保持枠による圧入で規制することが多く、レンズを歪ませる要因となる。また、押え環の締め付け時のネジの作用やカシメ時の圧力により、レンズ保持枠やレンズを歪ませることが多い。そこで特許文献1には、レンズの外周部と当接するレンズ保持枠の当接部を限定する構成が開示されている。特許文献2には、レンズ保持枠を柔らかくすることでレンズ保持枠の真円度の歪みの影響による精度不安定性を抑制する構成が開示されている。特許文献3には、レンズ圧入部の光軸方向の前後に切り欠きを設け、レンズ保持枠の強度を光軸方向の前後で均一にする構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1~3に開示された構成では、レンズの面歪みを十分に抑制することはできない。
そこで本発明は、レンズをレンズ保持枠に固定する際に発生するレンズの面歪みを低減することが可能なレンズユニットおよび撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としてのレンズユニットは、レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し、前記レンズは、第一の外径部と第二の外径部とを有し、前記レンズ保持枠は、前記レンズを収納する第一の円筒部と、前記第一の円筒部よりも外径側に位置する第二の円筒部と、前記第一の円筒部と前記第二の円筒部との間に設けられたフランジ部と、光軸方向において前記レンズに当接する当接部とを有し、前記第一の円筒部には、前記第一の外径部が圧入される圧入部が設けられており、前記第一の外径部は、前記第二の外径部よりも直径が大きく、前記第二の外径部は、前記第一の外径部よりも前記当接部の近くに位置し、前記光軸方向において、前記レンズの重心は、前記圧入部と前記第一の外径部との接触領域の範囲内に位置し、前記第一の外径部の半径と前記第二の外径部の半径との差y1と、前記第一の外径部の前記半径と前記レンズを前記当接部とは反対側から押さえるための接触部の先端の半径との差Bは、0<y1<Bなる条件式を満足する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、レンズをレンズ保持枠に固定する際に発生するレンズの面歪みを低減することが可能なレンズユニットおよび撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第一の実施形態>
まず、図2および図3を参照して、本発明の第一の実施形態におけるレンズユニット100について説明する。レンズユニット100は、レンズ交換式カメラやコンパクトデジタルカメラ等の、いわゆるレンズ装置の一部を構成し、レンズ装置はカメラ本体に取り付けて使用される。
まず、図2および図3を参照して、本発明の第一の実施形態におけるレンズユニット100について説明する。レンズユニット100は、レンズ交換式カメラやコンパクトデジタルカメラ等の、いわゆるレンズ装置の一部を構成し、レンズ装置はカメラ本体に取り付けて使用される。
図2は、本実施形態におけるレンズユニット100の光軸Oに平行な面で切断した断面図である。図3は、レンズユニット100の分解斜視図である。レンズユニット100は、レンズ102と、レンズ102を保持するレンズ保持枠(レンズ保持部)101とを有する。
レンズ102は、樹脂材料またはガラス材料からなる。レンズ保持枠101は、樹脂材料からなり、後述する構成によりレンズ102を固定する。レンズ保持枠101は、レンズ102の外径部に、内径側円筒部(第一の円筒部)104、レンズ圧入部(圧入部)105、レンズ胴付き部(当接部)106、外径側円筒部(第二の円筒部)107、およびフランジ部108を有する。内径側円筒部104は、レンズ102を収納する。レンズ圧入部105は、内径側円筒部104の一部に設けられており、例えば3か所のレンズ圧入部105が互いに離れて配置されており、レンズ102の光軸Oと直交する方向の位置(光軸直交位置、径方向の位置)を規制する。レンズ102は、径方向において、レンズ保持枠101に対して弾性変形による圧入で固定されている。
レンズ胴付き部106は、レンズ102の光軸Oに沿った方向(光軸方向)においてレンズ102に当接し、光軸方向の位置を規制する。外径側円筒部107は、内径側円筒部104よりも外径側に位置する。フランジ部108は、内径側円筒部104と外径側円筒部107との間に設けられ、内径側円筒部104と外径側円筒部107とを接続する。本実施形態において、フランジ部108は、内径側円筒部104から外径側円筒部107に向けて延伸する略周状部である。また本実施形態において、レンズ保持枠101は、カシメ部103を有する。カシメ部103は、レンズ102をレンズ保持枠101に組み付けた後に、熱もしくは圧力、またはそれらの両方により変形し、レンズ102の光軸方向の抜けを防ぐように機能する。
レンズ102は、第一の外径部109、第二の外径部110、および光軸当接部111を有する。第一の外径部109は、第二の外径部110よりも直径が大きい。第二の外径部110は、第一の外径部109よりもレンズ胴付き部106の近く(第一の外径部109よりも光軸方向においてレンズ胴付き部106に近い側)に位置する。レンズ102の第一の外径部109は、レンズ保持枠101のレンズ圧入部105に圧入される。光軸当接部111は、レンズ胴付き部106に当接する。
次に、図1を参照して、レンズユニット100の構造および面歪みについて説明する。図1は、レンズユニット100の要部拡大図であり、図2中の破線部に相当する。図1中の矢印で示される力F1は、レンズ102をレンズ保持枠101に圧入することによりレンズ102がレンズ圧入部105から光軸直交方向(径方向)に受ける力を模式的に示す。力F2は、カシメ部103によりレンズ102が受ける力を示す。力F3は、矢印F2の反力であるレンズ保持枠101から受ける力を示す。
レンズ102がレンズ保持枠101から受ける力は、力F1、F2、F3であり、レンズ102の面歪みに関する力も力F1、F2、F3が主要因となる。また、力F1による摩擦μF1に代表される各接触部での不図示の摩擦の影響が考えられるが、影響量が微小であるため、主要因である力F1、F2、F3に注目して説明する。
ここで、レンズ102をある厚さを持つ梁であるとみなすと、図1中の一点鎖線は中立軸を示している。本実施形態における中立軸とは、モーメントがかかったときに伸びも縮みも発生しない点を繋げた線であり、力F1を受けることで中立軸からの光軸方向の距離に応じてレンズ102の各領域に歪みが生じる。本実施形態のレンズ102は、物体側の光学有効面(R1面)と撮像面側の光学有効面(R2)の曲率の大きさが同じである両凹レンズである。このような構成では、レンズ102の重心位置から光軸直交方向に伸ばした一点鎖線(レンズ重心の光軸方向の位置x1)は中立軸と略一致する。ただし本実施形態は、これに限定されるものではなく、R1面の曲率とR2面の曲率が互いに異なってもよく、メニスカスレンズのようにR1面またはR2面のうちの片方が凸面であってもよい。すなわちレンズ102は、少なくとも一方の面が凹形状であればよい。また本実施形態において、レンズ102の重心とは、その点を通る軸中心における断面一次モーメントが0になる点をいう。
内径側円筒部104はレンズ収納部を構成し、レンズ102を組み込むためにはレンズ胴付き部106と光軸方向の反対方向に進むにつれて、一般的には径大にする必要がある(ただし、一部において凹部が形成されていてもよい)。特に射出成型で作成する樹脂鏡筒ではアンダーカットを避けるため、その傾向が顕著である。このため本実施形態において、レンズ圧入部105は、レンズ胴付き部106に光軸方向に隣接して設けられている。なお本実施形態において、レンズ圧入部105は、光軸周りの回転方向にレンズ胴付き部106と同一の位相に配置しているが、位相をずらしてもよい。
レンズ圧入部105には第一の外径部109が圧入されており、本実施形態において、レンズ圧入部105と第一の外径部109との接触領域の範囲を光軸方向の接触範囲Aとする。本実施形態において、レンズ102の重心(レンズ重心の光軸方向の位置x1)は接触範囲A内に位置する。この際、第二の外径部110がレンズ圧入部105に接触しないように、第二の外径部110の半径は、第一の外径部109の半径よりも約0.05mm程度小さく設定されており、公差を含めても0.02mm以上の隙間が空くように設定されている。このため接触範囲Aは、レンズ102の形状により制御可能である。また本実施形態において、接触範囲Aは0.3mmから2.0mmの範囲内にすることで、圧入による安定性を保持しつつ圧力が大きくならないように設定されている。
図4(a)~(c)は、レンズ保持枠101とレンズ102との接触範囲Aの位置を変更したときの圧入による面歪みの説明図である。図4(a)~(c)中の下段は接触範囲Aの位置を示し、図4(a)~(c)の上段はレンズ102の面歪み量を示している。詳しくは、物体側から見たときのR1面の頂点を変位0としたときの各半径、角度での変位量をグレースケール(単位:mm)で表現している。正がレンズ胴付き部106側への変形を示し、負がレンズ胴付き部106と反対方向の変形を示している。
図4(a)は、図1に示されるようにレンズ重心の光軸方向の位置x1と重なる範囲に接触範囲Aが位置する場合を示す。図4(b)は、レンズ重心の光軸方向の位置x1よりもレンズ胴付き部106側に接触範囲Aが位置する場合を示す。図4(c)は、レンズ重心の光軸方向の位置x1よりもレンズ胴付き部106に対して光軸方向に反対側に接触範囲Aが位置する場合を示す。図4(a)が面歪みの量が最も小さく、図4(b)、(c)は符号が反転しており、面歪みの方向が逆方向であるが、面歪みが大きく発生していることを示している。つまり、接触範囲A内にレンズ重心の光軸方向の位置x1が含まれていることで、面歪みを抑制することが可能となる。
図5(a)、(b)は、レンズ保持枠101の内径側円筒部104の厚さ(肉厚)を変化させたときの面歪みの説明図である。レンズ胴付き部106側の内径側円筒部104の厚さ(平均肉厚)をt1、レンズ胴付き部106とは反対側の内径側円筒部104の厚さ(平均肉厚)をt2として、厚さt1、t2を変えたときの面歪みを表現している。図5(a)は、図1に示されるように厚さt2が厚さt1よりも厚い場合を示す。図5(b)は、厚さt1が厚さt2よりも厚い場合を示す。図5(b)の構成では、レンズ胴付き部106が存在する側の強度が図5(a)の構成よりも強いため、面歪み量が大きく発生している(グレースケールの濃い範囲が大きい)。このため内径側円筒部104は、フランジ部108を境にして、レンズ胴付き部106側の平均肉厚をt1、反対側の平均肉厚をt2とするとき、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
t1<t2 ・・・(1)
このような構成により、より効果的に面歪みを抑制することが可能となる。
このような構成により、より効果的に面歪みを抑制することが可能となる。
図6(a)~(c)は、フランジ部108の光軸方向範囲C(フランジ部108の光軸方向における範囲)をずらしたときの圧入時の面歪みの説明図である。図6(a)は、図1に示されるようにフランジ部108の光軸方向範囲Cがレンズ重心の光軸方向の位置x1と一致している場合を示す。図6(b)は、フランジ部108の光軸方向範囲Cがレンズ重心の位置x1に対してレンズ胴付き部106の側に位置する場合を示す。図6(c)は、フランジ部の光軸方向範囲Cがレンズ重心の位置x1に対してレンズ胴付き部106とは反対側に位置する場合を示す。
図6(a)~(c)を比較すると、図6(a)が最も面歪みが抑制可能であることがわかる。図6(g)は、図6(a)、(b)と比較して、面歪みの方向が逆方向であることが分かる。つまり、フランジ部108の光軸方向範囲Cが、レンズ重心の位置x1を含むことで、より効果的に面歪みを抑制することが可能となる。言い換えると、フランジ部108は、光軸方向範囲C内にレンズ重心の位置x1を含むことで、フランジ部108の両側の強度を近くすることができ、圧入の際の変形の光軸方向のバランスが良くなり、レンズ102が弓なりになる変形を抑制することが可能である。なお本構成においては、レンズ圧入部105が内径全周ではなく、複数範囲に分割されている。このため、レンズ102の面歪みは光軸周りの角度で均等ではなく、いびつな面歪みが生じている。より詳細には、120ごとの3分割をしており、面歪みも同様に120度ごとに対称となるようになっている。
次に、力F2、F3による面歪みについて詳述する。説明の簡易化のため、第二の実施形態におけるレンズユニット200の押え環(リング部材)112による固定の際の力F2、F3について先に説明する。レンズ102を押え環112によって固定する際、締め込み力による軸力により、レンズ保持枠101、レンズ102、および押え環112がそれぞれ変形する。このとき、復帰力とネジ部を含む各接触箇所に生じる摩擦力とが吊り合うことで、常に変形による弾性力が付与されている状態となっている。
本実施形態のようにカシメ部103でレンズ102を固定する際も同様であり、カシメを行うための工具により熱や圧力が付与されてレンズ保持枠101、レンズ102が変形し、熱が下がると変形した状態で保持されるため、弾性力が付与されている状態となる。
この際、本実施形態のようにレンズ胴付き部106を複数の範囲に分割して設ける場合、レンズ胴付き部106がある場所においてはカシメ部103がレンズ102を挟んで対向側にあるため、力が同断面内で吊り合う。しかし、レンズ胴付き部106が存在しない位相では同断面内では力が吊り合わず、位相のずれたレンズ胴付き部106からの力で吊り合う必要があり、レンズ102の歪みが増大される。このため、レンズ102の面歪みも光軸周りの角度で均等ではなく、いびつな面歪みが生じている。より詳細には、レンズ胴付き部106は120ごとの3分割をしており、面歪みも同様に120度ごとに対称となるようになっている。
図7(a)、(b)は、レンズ102の光軸方向を規制する位置の光軸Oからの距離(径方向の距離)と面歪みとの関係を示す図である。図7(a)は、図1に示される構造を示す。同断面内にカシメ部103の当接部とレンズ胴付き部106が存在する場合でも、図7(b)に示されるように両者の光軸Oからの距離が離れていると、レンズ102に弓なりになるような変形が加えられる。
ここで、第一の外径部109の半径と第二の外径部110の半径との差(径差量)をy1(mm)とする。また、第一の外径部109の半径とレンズ102をレンズ胴付き部106とは反対側から押さえるための接触部(カシメ部103)の先端の半径との差(径差量)、すなわちレンズ圧入部105とカシメ部103の内径部の光軸Oからの距離の差をB(mm)とする。このとき、レンズ102の面歪みを低減するには、差y1を差Bよりも小さくする必要がある。ただし、y1=0とすると、レンズ圧入部105と第二の外径部110とが嵌合することになり、圧入による面歪みが増大する。このため本実施形態では、以下の条件式(2)を満足する。
0<y1<B ・・・(2)
条件式(2)を満足することで、レンズ102の弓なりになる変形を抑制しつつ、圧入による歪みを抑制することが可能となる。このように第一の外径部109と接触部の先端との径方向における距離の差(B)は、第一の外径部109と第二の外径部110の径方向における距離の差(y1)よりも大きい。本実施形態では、前述の通り、公差を含めてy1が0.02mm以上となるように設定されている。図7(a)、(b)は、力F2がかかった際の歪みを示す。条件式(2)を満足する図7(a)において、より面歪みが抑制できていることがわかる。好ましくは、条件式(2)の範囲は、以下の条件式(2a)のように設定される。
条件式(2)を満足することで、レンズ102の弓なりになる変形を抑制しつつ、圧入による歪みを抑制することが可能となる。このように第一の外径部109と接触部の先端との径方向における距離の差(B)は、第一の外径部109と第二の外径部110の径方向における距離の差(y1)よりも大きい。本実施形態では、前述の通り、公差を含めてy1が0.02mm以上となるように設定されている。図7(a)、(b)は、力F2がかかった際の歪みを示す。条件式(2)を満足する図7(a)において、より面歪みが抑制できていることがわかる。好ましくは、条件式(2)の範囲は、以下の条件式(2a)のように設定される。
0.02<y1<0.5B ・・・(2a)
以上のように、図4で示されるように、力F1による変形を抑制するには、接触範囲A内にレンズ重心の光軸方向における位置x1が含まれていることが必要である。しかし、そのために第一の外径部109と第二の外径部110との半径の差を大きくすると、図7に示されるように、カシメ時や後述の押え環締め込み時の力F2による変形が大きくなる可能性があるため、条件式(2)を満足すること必要がある。すなわち、両条件を満たすことで、レンズの面歪みを効果的に抑制することが可能なレンズユニットを提供することができる。
以上のように、図4で示されるように、力F1による変形を抑制するには、接触範囲A内にレンズ重心の光軸方向における位置x1が含まれていることが必要である。しかし、そのために第一の外径部109と第二の外径部110との半径の差を大きくすると、図7に示されるように、カシメ時や後述の押え環締め込み時の力F2による変形が大きくなる可能性があるため、条件式(2)を満足すること必要がある。すなわち、両条件を満たすことで、レンズの面歪みを効果的に抑制することが可能なレンズユニットを提供することができる。
<第二の実施形態>
次に、図8および図9を参照して、本発明の第二の実施形態におけるレンズユニット200について説明する。図8は、本実施形態におけるレンズユニット200の光軸Oに平行な面で切断した断面図である。図9は、レンズユニット200の要部拡大図であり、図8中の破線部に相当する。
次に、図8および図9を参照して、本発明の第二の実施形態におけるレンズユニット200について説明する。図8は、本実施形態におけるレンズユニット200の光軸Oに平行な面で切断した断面図である。図9は、レンズユニット200の要部拡大図であり、図8中の破線部に相当する。
本実施形態のレンズユニット200は、カシメ部103に代えて、レンズ102をレンズ胴付き部106とは反対側から押さえるための押え環112を有する点で、第一の実施形態のレンズユニット100とは異なる。レンズユニット200のその他の基本構成は、第一の実施形態のレンズユニット100と共通であるため、それらの説明を省略する。
押え環112は、レンズ胴付き部106に対して、レンズ102を挟んで光軸方向の反対側において、レンズ102と接触するレンズ押え部(接触部)115を有する。また押え環112は、レンズ保持枠101と螺合するねじ部114を有する。本実施形態において、条件式(2)、(2a)における差Bは、第一の外径部109の半径とレンズ102をレンズ胴付き部106とは反対側から押さえるための接触部(レンズ押え部115)の先端の半径との差である。本実施形態によれば、第一の実施形態と同様に、レンズの面歪みを効果的に抑制することが可能なレンズユニットを提供することができる。
次に、図10を参照して、各実施形態のレンズユニットを用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)10について説明する。図10は、撮像装置10の概略図である。図10において、13はカメラ本体、11は第一の実施形態のレンズユニット100または第二の実施形態のレンズユニット200を備えたレンズ装置である。12は、カメラ本体13に内蔵され、レンズ装置11により形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体13は、クイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
各実施形態によれば、レンズをレンズ保持枠に固定する際に発生するレンズの面歪みを低減することが可能なレンズユニットおよび撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、第二の円筒部とフランジ部との境界がなく同じ厚さであってもよい。また、図2に示されるようなレンズ保持枠の肉抜きのため、第三の円筒部が設けられていてもよい。
100、200 レンズユニット
101 レンズ保持枠
102 レンズ
103 カシメ部(接触部)
104 内径側円筒部(第一の円筒部)
105 レンズ圧入部(圧入部)
106 レンズ胴付き部(当接部)
107 外径側円筒部(第二の円筒部)
108 フランジ部
109 第一の外径部
110 第二の外径部
115 レンズ押え部(接触部)
101 レンズ保持枠
102 レンズ
103 カシメ部(接触部)
104 内径側円筒部(第一の円筒部)
105 レンズ圧入部(圧入部)
106 レンズ胴付き部(当接部)
107 外径側円筒部(第二の円筒部)
108 フランジ部
109 第一の外径部
110 第二の外径部
115 レンズ押え部(接触部)
Claims (10)
- レンズと、
前記レンズを保持するレンズ保持枠とを有し、
前記レンズは、第一の外径部と第二の外径部とを有し、
前記レンズ保持枠は、
前記レンズを収納する第一の円筒部と、
前記第一の円筒部よりも外径側に位置する第二の円筒部と、
前記第一の円筒部と前記第二の円筒部との間に設けられたフランジ部と、
光軸方向において前記レンズに当接する当接部とを有し、
前記第一の円筒部には、前記第一の外径部が圧入される圧入部が設けられており、
前記第一の外径部は、前記第二の外径部よりも直径が大きく、
前記第二の外径部は、前記第一の外径部よりも前記当接部の近くに位置し、
前記光軸方向において、前記レンズの重心は、前記圧入部と前記第一の外径部との接触領域の範囲内に位置し、
前記第一の外径部の半径と前記第二の外径部の半径との差をy1、前記第一の外径部の前記半径と前記レンズを前記当接部とは反対側から押さえるための接触部の先端の半径との差をBとするとき、
0<y1<B
なる条件式を満足することを特徴とするレンズユニット。 - 0.02<y1<0.5B
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。 - 前記レンズは、径方向において、前記レンズ保持枠に対して弾性変形による圧入で固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
- 前記レンズ保持枠は、前記レンズを前記当接部とは反対側から押さえるためのカシメ部を有し、
前記接触部は、前記カシメ部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレンズユニット。 - 前記レンズを前記当接部とは反対側から押さえるための押え環をさらに有し、
前記接触部は、前記押え環のレンズ押え部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレンズユニット。 - 前記フランジ部は、前記第一の円筒部から前記第二の円筒部に向けて延伸する周状部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレンズユニット。
- 前記レンズの前記重心は、前記フランジ部の前記光軸方向における範囲内に位置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレンズユニット。
- 前記フランジ部に対して前記当接部に近い位置における前記第一の円筒部の厚さをt1、前記フランジ部に対して前記当接部から遠い位置における前記第一の円筒部の厚さをt2とするとき、
t1<t2
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレンズユニット。 - 前記レンズは、少なくとも一方の面が凹形状であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のレンズユニット。
- 撮像素子と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のレンズユニットとを有することを特徴とする撮像装置。
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JP2021005498A JP2022110232A (ja) | 2021-01-18 | 2021-01-18 | レンズユニットおよび撮像装置 |
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