JP2019152781A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成でありながら、高倍率ズームレンズやマクロレンズ等の大きな繰り出し量に対しても、効果的に遮光が可能なレンズ鏡筒を提供する。【解決手段】 第1のカム溝を有するカム筒と、第1の直進案内溝と第2の直進案内溝とを有する固定筒と、第1のカム溝と第1の直進案内溝とに係合して進退するレンズ移動枠と、遮光部材を保持し第2の直進案内溝に係合して進退する遮光部材移動枠と、レンズ移動枠と遮光部材移動枠とを引き合う方向に付勢する複数のコイルばねとを有し、レンズ移動枠の移動範囲は、遮光部材移動枠がレンズ移動枠と一体で移動する第1領域とレンズ移動枠が単独で移動する第2領域とから成り、遮光部材移動枠は第2領域において第2の直進案内溝の一方の端部と接触することで停止することを特徴とするレンズ鏡筒。【選択図】 図1

Description

本発明は、簡易な構成でありながら、高倍率ズームレンズやマクロレンズ等の大きな繰り出し量に対しても、効果的に遮光が可能なレンズ鏡筒に関する。
高倍率ズームレンズやマクロレンズ等においては、必要な機能を満たすためにズームレンズ群やフォーカスレンズ群等の移動群を大きく繰り出す構成とせざるを得ない。ズーミングやフォーカシングにより移動群が大きく繰り出そうとした場合に注意すべき問題点がある。
例えば、移動レンズ群と固定レンズ群との間隔が大きくなることにより、撮影者から内部の構造が見えてしまう問題であったり、レンズ群間に生じた隙間を外光が通過することにより、フレアやゴースト等の迷光が生じたり内部メカパーツへ集光が生じる問題である。
これらの問題点を解決するために、群の間隔が大きく広がるレンズ群とレンズ群との間に遮光用のパーツを配置することが一般的に行われている。
移動レンズ群と固定レンズ群の間に配置した遮光用パーツを最適な位置に動かすためには、例えば、移動レンズ群と同様にカム溝及び直進案内溝を用いる方法が考えられる。
しかし、このような構成を採用した場合、カム筒に設けた移動レンズ群用カム溝と遮光パーツ用カム溝とが異なる角度及び長さとなるのが一般的であるため、カム溝同士が干渉してカム溝が切れなかったり、カム溝同士の間隔が狭くなることでカム筒の強度が不足するおそれがある。
そこで、遮光用パーツをカム溝を用いずに移動させる従来技術も存在する。
例えば、特許文献1に記載の発明では、光軸方向に移動不可能に保持された第1駆動機構と、第1駆動機構により光軸方向に駆動される第2駆動機構と、第2駆動機構により光軸方向に駆動される複数のレンズ群を有し、沈胴端からワイド端の間で第2駆動機構からフィルム側に最も突出する構成の最後群レンズ保持枠ユニットとを備えたカメラにおいて、引張バネを介して第2駆動機構と連結され、通常は対物側に付勢されて第2駆動機構後部に密着するが、ワイド端ではレンズの最後群に密着する移動マスクを備えたカメラが開示されている。
この発明によれば、二段繰出しタイプの鏡筒において、余分なスペースをとらずに、ワイド端では撮影レンズの最後群に、テレ端では直進ガイド端後部に移動マスクを密着させる付勢機構の組付け構造を工夫して、省スペース化を図り、また、移動マスクの開口部を極力小さくすることができ、有害光束を遮断する効果を上げることができる、としている。
また、特許文献2に記載の発明では、可動遮光板30を、ズーム全域中における広角端側の第1領域では、第2レンズ群7とほぼ一体的に光軸に沿って進退させるように、可動遮光板30に形成した腕30cをスプリング32により第2レンズ群7の保持枠5の後端面5dに押し当て、第1領域よりも望遠側の第2領域では、可動遮光板30を第1レンズ群6とほぼ一体的に進退させるように、その前面30dを直進筒2の後端面に押し当てる。そして、第2領域から望遠端までの第3領域では、可動遮光板30の動作を固定筒1に形成したストッパー1dで規制して、可動遮光板30と第2レンズ群7との距離を広げたズームレンズ鏡筒が開示されている。
この発明によれば、広角端で定めた大きさの開口を持つ遮光板を、各領域毎に後側レンズ群に対して違う位置に位置設定できるので、優れたフレア防止効果を得ることができる。また、遮光板は、カムなどの複雑な機構を用いなくても、例えば、第1領域では後側レンズ群を保持する部材の後端面に、第2領域では前側レンズ群を保持する部材の後端面にスプリングなどで押し付けられるような手段を設けておけばよいので、構成が複雑化するのも防止できる、としている。
また、特許文献3に記載の発明では、撮影位置と収納位置とで位置が変化するレンズ系を具備する沈胴式レンズ鏡筒であって、組立時に光軸方向位置を調節するレンズ群を固定したレンズ固定枠;このレンズ固定枠を螺合させ、所定の軌跡で移動される移動筒部材;この移動筒部材に、後退端を規制して前後方向に移動可能に支持された、有害光の進入を防止する遮光部が上記レンズ固定枠の後方に位置する遮光部材;この遮光部材と上記レンズ固定枠との間に縮設された、該遮光部材を後方突出端に移動付勢する第1のばね部材;及び上記収納位置に位置するときに、上記第1のばね部材によって後方に付勢された上記遮光部材と接触することにより該第1のばね部材を圧縮させる、上記遮光部材の後方に位置する収納時接触部材;を有する沈胴式レンズ鏡筒の遮光構造が開示されている。
この発明によれば、沈胴式レンズ鏡筒において、撮影状態における遮光部材設置の自由度が向上するだけでなく、小型化、薄型化が可能となる、としている。
特開平8−29850号公報 特開平6−201966号公報 特許4130963号公報
しかしながら、上述した従来技術では以下のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に開示の発明では、テレ端状態(図3)において、移動マスク16は直進ガイド環6の後部に密着する構成としている。この場合、設計変更等の理由でテレ端における移動マスク16の位置を変更しようとすると、直進ガイド環6そのものの全長を削ったり長くしたりしなければならず、設計の自由度が極めて低い。また、引張バネ17を直進ガイド環6と移動マスク16との間に連結して付勢機構としており、上述した密着する構成と相まってそれらをユニット化することが難しく、組立性や設計自由度が低下してしまう。
また、特許文献2に開示の発明では、固定筒1の外周面に突出して設けられたストッパーピン1dと第1遮光板30が当接する構成のため、固定筒1の外径が大きくなり、製品の大型化につながってしまう。また、このようなストッパーピン1dを形成しようとすると、加工コストが上昇してしまう。さらに、上述した特許文献1と同様に、ユニット化が難しいため、組立性や設計自由度が低下してしまう。
また、特許文献3に開示の発明では、遮光枠27と2群枠26の間には、遮光枠27を常時後方に付勢するために圧縮ばねである円錐コイルばね28が挿入されている。そのため、ばねが全周に渡って配置されるので、ばね以外の部材を配置することができず、設計自由度が低下してしまう。また、これを防ぐために円錐コイルばね28の替わりに小径のコイルばねを複数利用しようとすると、コイルばねを圧縮したときに発生する、いわゆる座屈現象の対策を施す必要が生じてしまう。
また、これらの特許文献に共通する課題として遮光用パーツの芯出し精度が挙げられる。すなわち、遮光用パーツの開口部の中心と光軸を精度よく一致させて芯出しすることで、開口部の径を可能な限り小さくすることができるようになる。これにより、必要な有効光線を遮光せずに不要な迷光のみ精度よく遮光することが可能となるので、重要である。
特許文献1及び3においては、プレスパーツで形成した移動マスク16や環状遮光部27aから光軸方向に延ばした脚部を、直進ガイド環6や中間筒部材25に設けた溝部に係合させており、これにより大まかな芯出しがなされていると言える。しかしながら、より高精度な芯出しを行なおうとすると、脚部及び溝部の厚みを増やすことが必要となり、スペースの問題が生じる。また、プレスパーツの折り曲げ精度にも限界がある。
また、特許文献2においては、突起を用いて光軸方向に正しい位置に修正することを検討しているのみであり、そもそも遮光板30の芯出しについて言及されていない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありながら、高倍率ズームレンズやマクロレンズ等の大きな繰り出し量に対しても、効果的に遮光が可能なレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明を実施のレンズ鏡筒は、少なくとも第1のカム溝を有するカム筒と、少なくとも第1の直進案内溝と第2の直進案内溝とを有し、前記カム筒と径方向に隣接する固定筒と、合焦又は変倍時に光軸方向に進退するレンズ群の少なくとも一部を保持し、前記第1のカム溝と前記第1の直進案内溝とに係合して光軸方向に進退するレンズ移動枠と、有害光の進入を防止する遮光部材を保持し、前記第2の直進案内溝に係合して光軸方向に進退する遮光部材移動枠と、前記レンズ移動枠と前記遮光部材移動枠との間に挿入されて互いを引き合う方向に付勢する複数のコイルばねと、を有し、合焦又は変倍時における前記レンズ移動枠の移動範囲は、前記遮光部材移動枠がコイルばねの付勢力により前記レンズ移動枠と一体で移動する第1領域と、前記遮光部材移動枠が停止し、前記レンズ移動枠がコイルばねの付勢力に打ち勝って単独で移動する第2領域と、から成り、前記遮光部材移動枠は、前記第2領域において前記第2の直進案内溝の一方の端部と接触することで停止することを特徴とする。
また、本発明を実施のレンズ鏡筒は、好ましくは、前記固定筒の内周面と摺動する前記遮光部材移動枠の外周面をインロー面としたことを特徴とする。
また、本発明を実施のレンズ鏡筒は、好ましくは、前記第2の直進案内溝と係合する前記遮光部材移動枠の係合部は略直方体であり、前記第2の直進案内溝の側壁と摺動する前記係合部の側面をインロー面としたことを特徴とする。
本発明を実施のレンズ鏡筒によれば、簡易な構成でありながら、高倍率ズームレンズやマクロレンズ等の大きな繰り出し量に対しても、効果的に遮光が可能なレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態であるレンズ鏡筒の断面図であり、上半断面が無限遠撮影時、下半断面が最短距離撮影時、を表している。 2群移動枠と遮光リングユニットとの関係を示す展開斜視図である。 中間距離撮影時の遮光リング位置を説明するための部分斜視図である。 第2の実施例である直方体状のキーを説明するための部分斜視図である。
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態であるレンズ鏡筒100の断面図である。本図上半断面は無限遠撮影時の状態を示しており、下半断面は最短距離撮影時の状態を示している。
本図に示すように、レンズ鏡筒100は被写体側から順に3つのレンズ群G1〜G3から成る結像光学系の他に、主要な構成として、固定筒110と、カム筒120と、直進筒130と、フォーカス操作リング140と、を有している。結像光学系の光軸を中心にして内周側より、直進筒130、固定筒110、カム筒120、フォーカス操作リング140の順番で配置されている。
各レンズ群のレンズは、カシメや押え環等によりそれぞれの鏡室に固定されており、さらに各鏡室がそれぞれレンズ移動枠に固定される構成となっている。本実施形態のレンズ鏡筒100では、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2がフォーカシングに際して光軸方向に進退される。
1群移動枠151は第1レンズ群G1を保持しており、直進筒130に対して不図示のビスにより締結されている。この直進筒130は、不図示のカムフォロアを介して、固定筒110に設けられた不図示の直進案内溝と、カム筒120に設けられた不図示のカム溝とに係合されている。これにより、1群移動枠151は所定の位置に保持されている。
2群移動枠152は第2レンズ群G2を保持しており、3つの2群カムフォロア161を介して、固定筒110に設けられた直進案内溝111と、カム筒120に設けられたカム溝121とに係合されている。これにより、2群移動枠152は所定の位置に保持されている。2群移動枠152の被写体側には絞りユニット162が固定されている。この絞りユニット162は可変絞りであり、不図示のカメラ制御部の指示により絞り径が変化する。
2群移動枠152の像面側には遮光リングユニット170が位置している。遮光リングユニット170には遮光リング171が固定されている。遮光リングユニット170に固定された3つの遮光リングカムフォロア172が固定筒110に設けられた直進案内溝112にのみ係合されている。また、前方に位置する2群移動枠160との間には複数のコイルばね173がかけられている。コイルばね173の働きについて詳しくは後述する。
固定筒110及びカム筒120はカム機構を構成しており、ユーザがフォーカス操作リング140を操作すると、操作力がカム筒120に伝達されてカム筒120が光軸を中心にして回転する。1群及び2群の各カムフォロアは、カム筒120の回転によりそれぞれ係合するカム溝及び直進案内溝との協働により光軸方向に進退させられる。
2群移動枠160の像面側には3群保持枠180が位置している。この3群移動枠180は上記のフォーカス操作に対してその位置が不変となっている。
図2は、2群移動枠160と遮光リングユニット170との関係を示す展開斜視図である。本図に示すように、2群移動枠160と遮光リングユニット170とは概ね円盤形状を有しており、円筒形状の固定筒110内周側を光軸方向に前後するよう構成されている。
2群移動枠160の外周には、2群カムフォロア161が3つ固設されている。これらのカムフォロアは上述したように、直進案内溝111とカム溝121とに係合されている。
一方、遮光リングユニット170の外周には、遮光リングカムフォロア172が3つ固設されている。これらのカムフォロアは上述したように、内周側に位置する固定筒110の直進案内溝112にのみ係合されている。そのため、2群カムフォロア161と比べて遮光リングカムフォロア172は高さが低くなっている。
2群移動枠160と遮光リングユニット170との間にはコイルばね173が挿入されている。コイルばね173は120°振り分けで3つ配置されており、これらを介して2群移動枠160と遮光リングユニット170とが連結されている。コイルばね173は引っ張りばねであり、常時互いに接近する方向の付勢力が働いている。
上述したユーザによるフォーカス操作の結果、レンズ鏡筒100の各要素の位置関係は、図1の上半断面に示した無限遠撮影状態から図1の下半断面に示した最短距離撮影状態へと変化する。以降では、フォーカス操作に伴う各要素の移動について説明する。
無限遠撮影状態においては、1群移動枠150と所定間隔を持って位置する2群移動枠160に対して、遮光リングユニット170は、コイルばね173の付勢力により接触された状態となっている。両者の接触面として、互いに不図示の当接部を複数有しており、無限遠撮影状態で最適な間隔となるように、互いの距離が設定されている。
上述したように、カム溝121により所定の軌跡で光軸方向に移動する2群移動枠160とは異なり、遮光リングユニット170はカム溝を持たず、固定筒110に対して遮光リングカムフォロア172で吊られている状態である。そのため、無限遠状態で互いに接触可能となるように、2群移動枠160と遮光リングユニット170の直進案内溝が設定されている。
図3は、遮光リングユニット170の固定筒110に対する位置を説明するための部分斜視図であり、中間距離撮影時の状態を示している。本図では、無限遠撮影時(図1)と比較して、2群移動枠160及び遮光リングユニット170がそれぞれの直進案内溝に沿って光軸方向被写体側に移動していることがわかる。
図1の状態(無限遠撮影時)から本図の状態に至るまで、2群移動枠160と遮光リングユニット170とは、コイルばね173の影響で互いに接触して一体化した状態で被写体側に移動している。詳しくは、専用のカム溝を持たない遮光リングユニット170は、被写体側に隣接している2群移動枠160に、コイルばね173を介して引っ張られながら移動することになる。遮光リングユニット170は遮光リングカムフォロア172に吊られているだけなので、コイルばね173の弾性力が遮光リングカムフォロア172の静止摩擦力を下回ることはない。そのため、コイルばね173が伸びることなく、遮光リングユニット170は2群移動枠160に接触状態で追従することとなる。
コイルばね173による遮光リングユニット170の追従は、直進案内溝112が切られる長さの範囲内で行われる。すなわち、本図に示すように、遮光リングカムフォロア172が直進案内溝112の被写体側端面と接触するまで、遮光リングユニット170の追従が行われる。
なお、無限遠撮影状態(図1上半断面)から上述した遮光リングカムフォロア172の接触停止状態(図3)までの、遮光リングユニット170が2群移動枠160に追従する区間を第1領域とも呼ぶこととする。
本図の状態からさらにフォーカス操作リング140が回転された場合を考える。この場合、2群移動枠160はカム溝121の形状に従って引き続き光軸方向被写体側に移動される。一方で、遮光リングユニット170は、上述したように、遮光リングカムフォロア172がすでに直進案内溝112の端部に接触しているので、これ以上光軸方向被写体側に移動できず、両者の距離は離れていく。
コイルばね173は、2群移動枠160と遮光リングユニット170とが離れるのに伴って、その長さが伸びることになる。
さらにフォーカス操作リング140が回転されると、2群移動枠160が被写体側に移動を続け、やがてメカ端に接触して停止する。この状態が最短距離撮影状態であり、図1の下半断面で示したものである。
なお、遮光リングカムフォロア172の接触状態(図3)から上述した2群カムフォロア161の接触停止状態(図1下半断面)までの、2群移動枠160が遮光リングユニット170から離れて単独で移動する区間を第2領域とも呼ぶこととする。
図2に示した遮光リングユニット170の外周面はインロー面174となっており、半径方向に隣接する固定筒110の内周面との間で摺動可能ではあるが、同時に半径方向のガタつきが十分小さくなるよう設定されている。この半径方向のガタつきを抑えることにより、遮光リング171が有効光線を誤ってカットしてしまったり、カットすべき有害光線を通過させてしまったりといったエラーケースを減らすことが可能となる。
以上で説明したように、本発明を実施のレンズ鏡筒によれば、遮光リングユニットのストッパーを遮光リングユニットのカムフォロアが係合する直進案内溝の端面としたので、外径の増加等を伴わずにストッパー位置の設計自由度を高くすることができる。
また、2群移動枠と遮光リングユニットとを複数のコイルばねで連結する構成としたので、これらの2パーツのみの部組みが可能となり組立性や管理の面でメリットがある。さらに、これらの部組みパーツを固定筒に挿入する際にも挿入方向に制限がないので、組立工程の自由度を高くすることができる。
また、遮光リングユニットの外周面をインロー面として固定筒との間で半径方向のガタつきを抑制したので、遮光リングユニットの高精度な芯出しが可能となり、遮光リング開口部を有効光線ぎりぎりまで小さくして有害光線の遮光効果を向上することができる。
なお、上述した実施例においては遮光リングユニット170の芯出し精度を向上させる機構として、遮光リングユニット170外周に設けたインロー面174を用いていたが、これに限られない。
例えば、外周面にインローを用いずとも、遮光リングユニット170を吊っている遮光リングカムフォロア172として、一般的な円柱状のカムフォロアではなく図4に示すような直方体状のキーを採用し、さらにキー側面をインロー面として係合する直進案内溝112の側壁との間で摺動させるようにしても、上述した実施例と同等の効果を得ることが可能である。
すなわち、120°振り分けで配置したキーが各直進案内溝112の側壁と面接触することで、半径方向のガタつきを抑制でき、遮光リングユニット170を高精度に芯出しすることが可能となる。
100 レンズ鏡筒、110 固定筒、111 直進案内溝、112 直進案内溝、120 カム筒、121 カム溝、130 直進筒、140 フォーカス操作リング、150 1群移動枠、160 2群移動枠、161 2群カムフォロア、162 絞りユニット、170 遮光リングユニット、171 遮光リング、172 遮光リングカムフォロア、173 コイルばね、174 インロー面、180 3群保持枠

Claims (3)

  1. 少なくとも第1のカム溝を有するカム筒と、
    少なくとも第1の直進案内溝と第2の直進案内溝とを有し、前記カム筒と径方向に隣接する固定筒と、
    合焦又は変倍時に光軸方向に進退するレンズ群の少なくとも一部を保持し、前記第1のカム溝と前記第1の直進案内溝とに係合して光軸方向に進退するレンズ移動枠と、
    有害光の進入を防止する遮光部材を保持し、前記第2の直進案内溝に係合して光軸方向に進退する遮光部材移動枠と、
    前記レンズ移動枠と前記遮光部材移動枠との間に挿入されて互いを引き合う方向に付勢する複数のコイルばねと、
    を有し、
    合焦又は変倍時における前記レンズ移動枠の移動範囲は、前記遮光部材移動枠がコイルばねの付勢力により前記レンズ移動枠と一体で移動する第1領域と、前記遮光部材移動枠が停止し、前記レンズ移動枠がコイルばねの付勢力に打ち勝って単独で移動する第2領域と、から成り、
    前記遮光部材移動枠は、前記第2領域において前記第2の直進案内溝の一方の端部と接触することで停止することを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記固定筒の内周面と摺動する前記遮光部材移動枠の外周面をインロー面としたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記第2の直進案内溝と係合する前記遮光部材移動枠の係合部は略直方体であり、前記第2の直進案内溝の側壁と摺動する前記係合部の側面をインロー面としたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
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