JPH06201966A - ズームレンズ鏡胴のフレア防止機構 - Google Patents

ズームレンズ鏡胴のフレア防止機構

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Publication number
JPH06201966A
JPH06201966A JP34938192A JP34938192A JPH06201966A JP H06201966 A JPH06201966 A JP H06201966A JP 34938192 A JP34938192 A JP 34938192A JP 34938192 A JP34938192 A JP 34938192A JP H06201966 A JPH06201966 A JP H06201966A
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JP
Japan
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gear
barrel
lens group
lens
plate
Prior art date
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Pending
Application number
JP34938192A
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English (en)
Inventor
Yasuo Haneai
康夫 羽合
Tetsuya Uno
哲哉 宇野
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Masaaki Miyano
正明 宮野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動遮光板を用いたズームレンズ鏡胴用のフ
レア防止機構において、フレア防止効果を低下させず
に、構成を簡素化してコストアップを防止する。 【構成】 可動遮光板30を、ズーム全域中における広
角端側の第1領域では、第2レンズ群7とほぼ一体的に
光軸に沿って進退させるように、可動遮光板30に形成
した腕30cをスプリング32により第2レンズ群7の
保持枠5の後端面5dに押し当てる。第1領域よりも望
遠側の第2領域では、可動遮光板30を第1レンズ群6
とほぼ一体的に進退させるように、その前面30dを直
進筒2の後端面に押し当てる。そして、第2領域から望
遠端までの第3領域では、可動遮光板30の動作を固定
筒1に形成したストッパー1dで規制して、可動遮光板
30と第2レンズ群7との距離を広げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ズームレンズ鏡胴のフ
レア防止機構に係り、特にズーム駆動時のレンズ鏡胴の
動きに伴って移動する可動遮光板を用いるタイプのフレ
ア防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、このタイプのフレア
防止機構として、例えば鏡胴の駆動時にカムを作用させ
て可動遮光板を移動させるものが知られている。このフ
レア防止機構では、カムを用いているため、ズーム全域
に亙って遮光板を最も適した位置に移動させ得るという
長所を有する反面、構成が複雑化するという短所を有し
ている。
【0003】一方、特開昭59−52212号公報にお
いて、カメラの前方側に位置する第1レンズ群と後方側
に位置する第2レンズ群とを有する鏡胴を焦点距離の広
角端から望遠端へズーム駆動するときに、遮光板を途中
までは第2レンズ群と一体的に移動させ、途中からは第
1レンズ群と一体的に移動するようにしたフレア防止機
構が提供されている。この機構ではカムを使用しない分
構成が簡単となるが、遮光板を常に最適の位置に保持す
ることが困難であり、十分なフレア防止効果が得られな
いという問題がある。
【0004】この理由は次の通りである。すなわち、遮
光板の開口は、レンズが広角端にあるときは大きくなけ
れば光を通さない部分が生じるため、可動遮光板を用い
る場合、その開口面積は、広角端で必要な大きさを基準
にして設定されるのであるが、レンズが逆に望遠端にあ
るときは、広角端を基準にして定めた開口では面積が広
すぎて、遮光すべき光まで通ってしまうためである。し
たがって、望遠側の焦点距離となっている場合に、レン
ズから見た遮光板の開口の相対的な大きさを小さくして
フレア防止効果を高める手段を講じなければ、有害光を
確実に遮光することは難しい。しかし、そのために構成
が複雑化することは、コストアップにつながるため避け
るべきである。
【0005】したがって、本発明の解決すべき技術的課
題は、可動遮光板を用いたズームレンズ鏡胴用のフレア
防止機構であって、構成が簡単であってコストアップを
防止でき、しかも十分なフレア防止効果が得られる機構
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るズームレン
ズ鏡胴のフレア防止機構は、光軸に沿って前後に位置す
る2つの可動レンズ群を有するズームレンズ鏡胴内で可
動レンズ群の動作に連動して光軸方向へ進退する可動遮
光板を備えたフレア防止機構であって、上述の技術的課
題を解決するために、以下のように構成されたことを特
徴としている。
【0007】すなわち、このフレア防止機構は、可動遮
光板を、ズーム全域中における広角端側の第1領域で後
側レンズ群と略一体的に光軸に沿って進退させる第1連
動手段と、第1領域よりも望遠側の第2領域で前側レン
ズ群と略一体的に進退させる第2連動手段とを備え、さ
らに、第2領域から望遠端までの第3領域で可動遮光板
の動作を規制するストッパー手段を備えたことを特徴と
している。
【0008】
【作用・効果】上記構成においては、広角側から望遠側
へ焦点距離の変倍調整を行う場合、可動遮光板は、広角
端側の第1領域では後側レンズ群とともに光軸に沿って
移動する。そのため、可動遮光板を後側レンズ群に極め
て接近させた状態に位置設定できるので、被写体光の通
過に必要な開口面積をできるだけ小さくして、望遠側で
のフレア防止効果の低下を抑制を図ることができる。
【0009】次に、第2領域では、可動遮光板は前側レ
ンズ群と一体的に移動する。通常、後側レンズ群は広角
側から望遠側へ焦点距離が変化するときに前側レンズ群
よりも速い速度で光軸方向前方へ移動するので、この領
域では、遮光板と後側レンズ群との距離が第1領域での
距離よりも広がることになる。後側レンズ群と接近した
ままであれば、焦点距離が長くなったことにより被写体
光の広がりが小さくなるので、それに対応して開口を小
さくしなければ有害光を遮れなくなるが、このようにレ
ンズ群との距離が広がれば、広角端で設定した大きさの
開口でも十分なフレア防止効果が得られる。
【0010】そして、第3領域に入ると、可動遮光板の
動作がストッパー手段により規制され、焦点距離が長く
なる方向へレンズが移動するのに対して、可動遮光板は
停止した状態となる。そのため、後側レンズ群と可動遮
光板との距離が、第2領域での距離よりもさらに広が
る。このとき、焦点距離が長くなっていくため被写体光
の広がりもより小さくなっていくが、このように可動遮
光板が後側レンズ群から徐々に離れていくので、フレア
防止効果の低下を防止できる。
【0011】このように、本発明によれば、広角端で定
めた大きさの開口を持つ遮光板を、各領域毎に後側レン
ズ群に対して違う位置に位置設定できるので、優れたフ
レア防止効果を得ることができる。また、遮光板は、カ
ムなどの複雑な機構を用いなくても、例えば、第1領域
では後側レンズ群を保持する部材の後端面に、第2領域
では前側レンズ群を保持する部材の後端面にスプリング
などで押し付けられるような手段を設けておけばよいの
で、構成が複雑化するのも防止できる。
【0012】なお、従来、フレア防止のためにコストの
高い植毛紙などを使用する場合があったが、本発明によ
れば植毛紙を使用しなくても優れたフレア防止効果が得
られ、しかも遮光板をカムを用いずに簡単な機構で必要
な位置に移動させることができるので、コストアップを
防止できる。
【0013】
【実施例】以下に、図1から図14を用いて、本発明に
係るフレア防止機構を備えたズームレンズ鏡胴について
詳細に説明する。なお、このズームレンズ鏡胴は、撮影
レンズのズーム駆動とフォーカス駆動とを選択的に行う
ための駆動機構をその内部に有しており、ズーム駆動は
ズームボタン(不図示)の操作により、フォーカス駆動は
レリーズボタン(不図示)の操作により起動されるように
なっている。また、このズームレンズ鏡胴は沈胴式に構
成されていて、カメラの電源を切ったときの鏡胴の長さ
が撮影時の長さよりも短くなるようになっている。
【0014】図1はこのズームレンズ鏡胴の分解斜視
図、図2はレンズの焦点距離が最も短い広角端状態での
中央断面図、図3はレンズの焦点距離が最も長い望遠端
状態での中央断面図、図4は沈胴状態の中央断面図であ
る。
【0015】図において、1はカメラのボディ8に固定
される固定筒、2は固定筒1の内部で光軸方向へ移動す
る直進筒、3は直進筒2に対して回転するカム筒であ
る。この撮影レンズ鏡胴の光学系は、光軸に沿って前後
に位置する2つのレンズ群、すなわち第1保持枠4に保
持されてカメラの前方側に位置する第1レンズ群6と、
第2保持枠5に保持されて後方に位置する第2レンズ群
7とからなり、両レンズ群6,7の光軸に沿った移動で
焦点距離の変倍調整を行うとともに、第1レンズ群6の
位置を調整して被写体像のピント合わせを行うように構
成されている。なお、図2に示した8aは画枠を、Fは
フィルム面を示している。
【0016】固定筒1は、その外周壁面を周方向におよ
そ3等分した位置に光軸と平行に延びるガイド溝1aを
有し、直進筒2は、このガイド溝1aと摺動可能に嵌合
する直方体形状のガイド部2aを有している。また、直
進筒2の後端の内面に段2bが形成され、径方向に相対
する位置2箇所に、それぞれ径方向内方へ向かって突出
する突片2cが形成されている。カム筒3の外周面の後
端部には、直進筒2の内面後端の段2bにはまり込むフ
ランジ3aが形成され、その外周面には突片2cを受け入
れる周溝3bが2箇所に形成されている。両周溝3bは、
カム筒3の所要回転角度をカバーできる範囲に形成さ
れ、それぞれ、一端をフランジ3aの下端側に開口して
形成した突片2c用挿入部3cを有している。カム筒3
は、直進筒2の中に挿入した後に回すことにより抜け止
めするバヨネット方式で保持され、直進筒2に対して回
転は可能で光軸方向へは移動しないようになっている。
【0017】一方、固定筒1の内面には、螺旋状に延び
るリード1bが3本形成され、カム筒3の後端には、そ
れぞれ各リード1bにはまる溝3eを有する3個の突起3
dがカムフォロアとして形成されている。また、カム筒
3は、外周面を貫通してカム面3iを有する溝3fと、内
周面から突出するカム面3gとを有している。これに対
して、第2レンズ群7を保持する第2保持枠5は、カム
面3iに接触するカムフォロア部5aとカム面3gに接触
するカムフォロア部5bとを有している。第2保持枠5
は、さらに、溝3f内を貫通してカム筒3から径方向外
方へ突出する突起5cを有し、この突起5cが、直進筒2
の内面上に光軸と平行に形成されたガイド溝2dにはま
り込むようになっている。
【0018】したがって、ズーム駆動時にカム筒3がリ
ード1bに沿って螺旋方向へ回転運動すると、直進筒2
が光軸沿いに直進移動する。このとき、カム筒3が直進
筒2に対して回転するので、ガイド溝2dとカム面3iの
交わった位置が変化し、その中にはまり込んだカムフォ
ロア部5aと突起5cが光軸方向へ移動する。そのため、
第2保持枠5がカム筒3の中を光軸方向へ移動し、第2
レンズ群7が直進筒2とは違う速度で光軸沿いに移動す
る。その結果、第1レンズ群6と第2レンズ群7は光学
的に定められたズーミング時の所定の位置を保つように
相対的な位置関係を変化させながら光軸上を移動する。
【0019】一方、第1レンズ群6が固定された第1保
持枠4は、直進筒2に固定される飾り筒9の内筒9aに
より光軸方向へ可動に保持されており、フォーカス駆動
時に、モータ10から伝達された回転により光軸方向へ
移動するようになっている。なお、飾り筒9は、基板部
9bの内周側にこの内筒9aが、外周側に外筒9cが形成
されたものであるが、図1では、レンズのフォーカス駆
動とズーム駆動を選択的に行うための駆動機構を示すた
めに外筒9cを省略して示している。
【0020】次に、この駆動機構について説明する。モ
ータ10は取付板11に固定され、取付板11は、飾り
筒9の基板部9bに形成されたボス9dにビスを用いて固
定するための取付部(不図示)を有している。モータ10
の出力軸には出力ギヤ12が固定され、取付板11は、
この出力ギヤ12と噛合するギヤ部13aを有するアイ
ドルギヤ13を回転自在に保持している。アイドルギヤ
13のギヤ部13aは、エンコーダギヤ14のギヤ部1
4aと噛合している。エンコーダギヤ14は、多数の放
射状のスリットを有する回転円板14bを有し、この回
転円板14bを挟むようにフォトインタラプタ15が配
置され、モータ10の回転量を検出するエンコーダが構
成されている。
【0021】一方、アイドルギヤ13は、ギヤ部13a
と一体的に形成されたかさ歯車部13bを有している。
このかさ歯車部13bは、飾り筒9の基板部9bに軸支さ
れたギヤ16のかさ歯車部16aと噛合している。この
ギヤ16の回転は、同じく基板部9bに軸支されたギヤ
17,18を介して入力ギヤ19に伝達される。入力ギ
ヤ19を軸支するピン9eには、出力ギヤ20が入力ギ
ヤ19に対して相対回転可能に保持されている。入力ギ
ヤ19と出力ギヤ20の間には、両者の相対的な角度関
係に応じて入力ギヤ19の回転を出力ギヤ20に対して
伝達または遮断するように、入力ギヤ19の下面に形成
された突起19a(図5参照)と出力ギヤ20の上面に形
成された突起20aとからなる連結手段が構成されてい
て、モータ10が回転したときに、両突起19a,20a
が当接するまでは入力ギヤ19だけが、両突起19a,2
0aが当接した後は出力ギヤ20も同時に回転するよう
になっている。
【0022】この入力ギヤ19と出力ギヤ20を軸支す
るピン9eの隣に形成されたピン9fには、基板部9b側
から順に、ズーム駆動ギヤ21、フォーカス駆動ギヤ2
2、スプリング23及びアイドルギヤ24が支持されて
いる。ギヤ21は大ギヤ部21aが出力ギヤ20と噛合
するように、ギヤ22は入力ギヤ19の小ギヤ部19b
と噛合するように配置され、ギヤ21と22は相互に回
転自在となっている。また、スプリング23はねじりコ
イルばねであって、図5に示すように、一方の腕23a
が、ピン9fの側方に形成された保持部9gの突起9hと
9iの間に配置されている。スプリング23の他方の腕
23bは、ギヤ22の上面に形成された壁部22aと22
bの間に配置されている。ギヤ22は、歯が全周ではな
く部分的に形成されており、入力ギヤ19の回転時に、
歯が形成された角度範囲でのみ回転する。そして、ギヤ
22が回転するときに、その回転範囲のちょうど中間
で、スプリング23からギヤ22に加えられる付勢力の
向きが切替わるようになっている。
【0023】ギヤ24は、ギヤ22の壁部22a,22b
を僅かに隙間のあいた状態で受け入れる凹部24a,24
bを有していて、ギヤ22とほぼ一体的に回転する。そ
して、ギヤ24の回転が第1保持枠4の外周面に部分的
に形成されたギヤ部4aに伝達される。第1保持枠4
は、前端面(図2の左側の端面)に小さな半球状の突起4
bを有しており、飾り筒9の内筒9aの内面には、この突
起4bを従動させるためにカム面9jが形成されている。
また、直進筒2の先端には、シャッターブロック25が
固定され、このシャッターブロック25との間に設けら
れたスプリング26によって、突起4bがカム面9jに当
接するように第1保持枠4が光軸沿い前方へ付勢されて
いる。
【0024】一方、出力ギヤ20からギヤ21の大ギヤ
部21aに伝達された回転は、さらに小ギヤ部21bから
ギヤ27に伝達される。ギヤ27にはギヤ28が回転可
能に保持されている。また、ギヤ27は周方向の一部が
切り欠かれたスリーブ27aを有し、このスリーブ27a
によりスプリング29が保持されている。スプリング2
9はねじりコイルばねであって、一方の腕がスリーブ2
7aの切欠き部の一方の端面に、他方の腕が他方の端面
に当接している。スプリング29はギヤ28の軸部28
aを締め付けていて、ギヤ27が回転したときには、ス
プリング29と軸部28aとの間の摩擦力を介してギヤ
28が回転し、内歯3hを介してカム筒3が駆動され
る。ギヤ27の回転はスプリング29に対してその巻き
状態を緩める方向へ伝えられるので、何等かの原因でカ
ム筒3の回転が妨げられているときは、スプリング29
が緩んで軸部28aに対して滑りが生じ、機構の破損が
防止される。
【0025】次に、このズームレンズ鏡胴のズーム駆動
時及びフォーカス駆動時の動作について、図5から図8
に示した駆動機構の要部を示す平面図を併用して説明す
る。まず、沈胴位置から望遠側へ向かってズーム駆動す
る場合の動作について説明する。
【0026】ズームボタンを望遠側に操作すると、モー
タ10が正転を開始し、それに伴ってギヤ13及びエン
コーダギヤ14が回転する。エンコーダギヤ14が回転
するとフォトインタラプタ15からパルス信号が出力さ
れる。このパルス信号はカメラの制御手段として設けら
れているマイクロコンピュータに入力され、それによっ
てマイクロコンピュータがモータ10の回転開始を検知
し、さらにその回転量のモニターを開始する。
【0027】ギヤ13の回転は、かさ歯車部13b,16
aを介してギヤ16に伝達され、さらにギヤ17,18か
ら入力ギヤ19に伝達されて、その小ギヤ部19bが図
5において反時計回り方向へ回転する。このとき、両突
起19a,20a(図では便宜上両方を実線で示している)
は既に当接した状態となっていて、入力ギヤ19の回転
がそのまま出力ギヤ20に伝達され、出力ギヤ20が同
時に回転を開始するが、ギヤ22は、この初期状態にお
いて歯が入力ギヤ19から外れているため回転しない。
したがって、ギヤ24と第1保持枠4も回転しないか
ら、第1レンズ群6が駆動されることはない。
【0028】一方、図5には示していないが、出力ギヤ
20が回転すると、その回転はギヤ21の大ギヤ部21
aへ伝達され、さらに小ギヤ部21bからギヤ27へ伝達
され、ギヤ27が図1の機構を図の上方から見て反時計
回り方向へ回転する。ギヤ27が反時計回転すると、ス
リーブ27aの一方の端面によりスプリング29の一方
の腕が押され、スプリング29とギヤ28も同時に反時
計回転する。したがって、カム筒3が反時計回り方向へ
回転し、固定筒1の中でリード1aに沿って移動する。
つまり、カム筒3が螺旋運動することになるので、直進
筒2は、固定筒1の中を前進する。
【0029】このとき、直進筒2とカム筒3が相対的に
回転するため、カム面3iとガイド溝2dとの交わった位
置が変化する。したがって、カム面3iに接触したカム
フォロア5aと、溝2dにはまり込んだカムフォロア5c
の位置が変わるので、第2保持枠5が、カム筒3の中を
光軸方向へ移動する。なお、本実施例では、レンズ鏡胴
の小型化のために、直進筒2を沈胴位置でフィルム面F
側へぎりぎりまで後退させ、そのときに第2レンズ群7
がカム筒3の最後端よりも少し前方に位置するようにし
て、レンズと後に詳細に説明する遮光板30,31との
接触を防いでいる。この関係で、第2レンズ群7は、レ
ンズ鏡胴が沈胴位置から広角端の位置まで移動するとき
に、直進筒2に対して相対的に後退するようになってい
る。またカム面3i、3gの形状は、レンズ鏡胴が広角端
に達した後望遠端まで、第1レンズ群6に対する第2レ
ンズ群7の位置が焦点距離に応じて光学的に定められた
位置となるように形成されている。
【0030】なお、ズーム駆動中の第2レンズ群7の位
置は、フォトインタラプタ15から出力されるパルス信
号に基づいてマイクロコンピュータで常に検出される。
また、ズーム駆動の動作は、ズームボタンの操作を中止
することにより停止する。
【0031】次に、フォーカス駆動時の機構の動きにつ
いて説明する。前述のようにしてズーム動作が行なわれ
た後などにレリーズボタンが操作されると、不図示の測
距機構により測定した被写体までの距離と、その時の焦
点距離に応じた量だけ第1レンズ群6を位置調整するた
め、マイクロコンピュータに起動されてモータ10が逆
転を開始する。第1レンズ群6の移動量に必要なモータ
10の回転量は、フォトインタラプタ15からマイクロ
コンピュータに入力されるパルス信号で制御される。
【0032】モータ10が逆転すると、ギヤ13,16,
17,18を介して入力ギヤ19が図5の時計回り方向
へ回転する。このとき、入力ギヤ19は、図6に示すよ
うに、突起19aが出力ギヤ20の突起20aから離れる
方向へ回転する。このため、出力ギヤ20はカム筒3が
駆動負荷となっているので回転せず、入力ギヤ19だけ
が回転することになる。一方、ギヤ22は、スプリング
23により歯が入力ギヤ19と噛合する方向へ付勢され
ているので、入力ギヤ19の時計方向への回転に伴って
反時計方向へ回転し、その回転がギヤ24に伝達され
る。なお、このギヤ24にはエンコーダ(不図示)が設け
られている。そして、このようにしてギヤ24が回転す
ると、フォーカス駆動が開始されたことがマイクロコン
ピュータにより検知されるようになっている。
【0033】ギヤ24の回転は、さらにギヤ部4aへ伝
達されて第1保持枠4が回転する。第1保持枠4は、前
述したようにその先端に形成されたカムフォロア4bが
飾り筒9のカム面9jに接触するようにスプリング26
で付勢されているので、回転するのと同時に光軸に沿っ
て移動し始める。第1保持枠4の移動量は、ギヤ24に
連結されたエンコーダの出力信号が変化してからのフォ
トインタラプタ15のパルス数によりモニターされるモ
ータ10の回転量から、マイクロコンピュータで演算さ
れる。そして、第1レンズ群6が所定の位置となったと
きに、マイクロコンピュータからの指令でモータ10に
ブレーキがかけられて、第1保持枠4の動作が停止す
る。なお、入力ギヤ19に対する出力ギヤ20の相対回
転範囲を定める突起19a,20aの幅とカム9jの形状
は、入力ギヤ19が図5の状態から時計回り方向へ回転
した場合に突起19aが突起20aに逆方向から当接する
までに第1保持枠4の所要最大移動量が得られるように
定められている。
【0034】被写体像のピントが合ったところでシャッ
ターレリーズが実行されてフィルムの露光が終了する
と、モータ10がマイクロコンピュータにより制御され
て正転を開始し、入力ギヤ19が図の反時計回り方向へ
回転する。したがって、出力ギヤ20が停止したままギ
ヤ22及びギヤ24が時計回り方向へ回転し、第1保持
枠4がフォーカス駆動時とは逆の方向へ移動する。そし
て、ギヤ24に連結されたエンコーダからの出力信号に
より、ギヤ22の歯が図5に示すように入力ギヤ19か
ら外れた状態となり、第1保持枠4が初期位置に復帰し
たと判断したときに、モータ10にブレーキがかけられ
て、第1保持枠4が停止する。このように、第1保持枠
4はその可動範囲の一端が初期位置として定められてい
て、1コマの撮影が終了したときに常に第1保持枠4が
初期位置に復帰するようになっている。
【0035】次に、焦点距離を広角側へ変倍調整する場
合の動作について説明する。ズームボタンを広角側へ操
作すると、フォーカス駆動時と同様、モータ10は逆転
を開始する。したがって、ギヤ13,16,17,18を
介して入力ギヤ19が時計回り方向へ回転し、第1保持
枠4がフォーカス駆動時と同じように光軸に沿って駆動
される。モータをそのまま引き続いて回転させると、ギ
ヤ部22の歯が入力ギヤ19から外れて第1保持枠4の
移動が止まり、さらに入力ギヤ19の突起19aが出力
ギヤ20の突起20aに反対方向から当接する(図7)。
その結果、出力ギヤ20が時計回り方向へ回転を始め、
その回転がギヤ21,27,28を介してカム筒3の内歯
ギヤ3hに伝達され、カム筒3が望遠側へのズーム駆動
時とは逆の方向へ回転する。したがって、第2レンズ枠
5が後退して撮影レンズの焦点距離が短くなる。
【0036】ズームボタンの操作を中止すると、モータ
10にブレーキがかけられ、ズーミング動作が停止す
る。そして、今度はモータ10が正転を開始して、入力
ギヤ19が反時計回り方向へ回転する(図8)。このと
き、ギヤ部22はスプリング23によって歯が入力ギヤ
19と噛み合う方向へ付勢されているのでギヤ22と2
4は回転するが、出力ギヤ20は、突起19aが突起2
0aから離れるので回転せず、停止したままとなる。し
たがって、第2レンズ枠5の位置が変化せず、レンズの
焦点距離が変わらないままギヤ22,24が図5の位置
まで回転する。
【0037】そして、第1レンズ枠4が初期位置となっ
たことをギヤ24に設けられたエンコーダからの出力信
号により判断されたときに、モータ10の動作が停止す
る。その後、レリーズボタンの操作により、再度モータ
10が回転してフォーカス駆動が行なわれた後にシャッ
ターレリーズが行なわれる。また、シャッターレリーズ
によるフィルムへの露光が完了すると、前述したように
モータ10が駆動されて、第1保持枠4が初期位置へ移
動する。
【0038】以上説明したように、本実施例の駆動機構
は、入力ギヤ19と出力ギヤ20との相対可動範囲内で
は入力ギヤ19の回転を用いてフォーカス駆動を行う一
方で、その相対可動範囲を越えて出力ギヤ20が入力ギ
ヤ19とともに回転したときにフォーカス駆動を停止し
てズーム駆動のみを行なうように構成したものである。
そして、レリーズボタンの操作があったときには入力ギ
ヤ19と出力ギヤ20の相対可動範囲内でモータ10を
一方向へ回転させてピント合わせを行い、ズームボタン
の操作があったときには、ズーム方向に応じた方向へモ
ータ10を回転させて出力ギヤ20を入力ギヤ19とと
もに回転させるように制御しているので、駆動力の伝達
をズーム駆動とフォーカス駆動で切り換えるのに専用の
アクチュエータが不要となり、カメラの小型化及び低コ
スト化が可能となる。
【0039】なお、ズームレンズを備えた従来のレンズ
シャッターカメラでは、ズーム駆動の駆動源であるモー
タは、通常、鏡胴の外に配置され、この駆動源の駆動力
を、伝達機構を介して鏡胴内まで導いていたので、ボデ
ィ側にモータの配置スペースが必要で、カートリッジ室
やその他ボディ側の種々の機構の配置などに制限が生じ
ていたが、本実施例では、鏡胴内にモータ10を配置し
たのでそのような制限は生じず、したがって、全体とし
てのカメラの小型化が可能となる。
【0040】次に、このズームレンズ鏡胴に設けられた
フレア防止機構について説明する。このフレア防止機構
は、2枚の可動遮光板30,31から構成されている(図
1では一方の遮光板30のみを示している)。両遮光板
30,31は、固定筒1の内面との間に殆ど隙間が形成
されないように、固定筒1の内径寸法よりも僅かに小さ
な外径寸法の円板状に形成されており、それぞれ、固定
筒1のガイド溝1aにはまり込む凸部30a,31aを有し
ている。両凸部30a,31aの外形寸法も、ガイド溝1a
との間に殆ど隙間が生じないように定められている。な
お、両遮光板30,31は凸部30a,31aに穴30b,3
1bを有し、直進筒2のガイド部2aには、この穴30b,
31bにはまり込む突起2eが形成されている。
【0041】カメラの前方側に位置する第1遮光板30
の凸部30aには、引っ張りコイルばね32の一端側の
フックが掛けられ、このコイルばね32の他端側のフッ
クは固定筒1に形成されたピン1cに掛けられている。
固定筒1にはストッパーピン1dが形成され、これによ
り第1遮光板30の光軸方向前方への可動限が定められ
ている。また、第1遮光板30は光軸方向前方へ延びる
2本の腕30cを有しており、第2保持枠5がカム筒3
内の後端側に位置する場合に腕30cが第2保持枠5の
後端面5dと当接する一方で、第2保持枠5がカム筒3
に対してそれよりも前方側に位置する場合には遮光板3
0の前面30dが前進筒2のガイド部2aの後端面に当接
するようになっている。
【0042】第2遮光板31は、背面側の2箇所以上に
形成された板ばね部31cを有していて、この板ばね部
31cにより光軸方向前方へ付勢されるようになってい
る。一方、固定筒1にはストッパーピン1eが形成さ
れ、遮光板31の可動範囲の光軸方向前方側の限界が定
められている。
【0043】このフレア防止機構の動きについて、図9
から図14に示した動作状態図を用いて説明する。図9
はこのズームレンズ鏡胴が沈胴状態にあるときを表して
いる。このとき、直進筒2はフィルム面F側へ最も後退
しており、両遮光板30,31は、凸部30a,31aに形
成された穴30b,31bにガイド部2aの突起2eが入
り、互いに重なった状態でフィルム面F側へ押されて、
カメラの画枠8aの直前に位置している。撮影レンズ鏡
胴がこの状態から広角端の状態に変化するとき、直進筒
2は光軸方向前方へ移動するが、第2レンズ群7は、前
述したように直進筒2に対して沈胴時の位置よりも一旦
後ろへ下がる。このとき、図10に示すように第1遮光
板30の腕30cが第2保持枠5の後端面5dと当接して
第2レンズ群7と第1遮光板30の位置関係がそれ以上
接近しないように規制され、第1遮光板30の開口30
eの縁部が第1レンズ群7と接触するのを防止してい
る。このようにして両者の接触を防止しているので、第
1遮光板30の開口面積を必要以上に大きくしなくても
よく、それにより特に望遠側でのフレア防止効果の低下
が防止される。
【0044】ズームレンズ鏡胴が広角端の焦点距離に達
した後にさらに望遠側へ駆動されるとき、途中までの領
域、すなわち図11に示す位置までの第1の領域では、
第1遮光板30の腕30cが第2保持枠5の後端面5dに
当接した状態を保ちながら、両遮光板30,31が互い
に重なったままで第2保持枠5と同じ速度で移動する。
そして、図11に示す状態に達すると、第2遮光板31
がストッパーピン1eと当接し、光軸方向前方への移動
が妨げられる。
【0045】次いで、第2保持枠5が直進筒2よりも速
い速度で光軸方向前方へ進み出すため、腕30cと後端
面5dとの当接によりそれまで第2保持枠5と一体的に
移動していた第1遮光板30の前面30dが再度直進筒
2のガイド部2aの後端面と当接する。したがって、第
1遮光板30が今度は直進筒2と一体的に動作し始め
て、第2レンズ群7が第1遮光板30から離れて行く
(図12)。この動きは図13に示すように第1遮光板3
0がストッパーピン1dと当接するまでの第2の領域を
通じて行なわれる。これ以降の望遠端までの第3の領域
では、第2遮光板31だけでなく第1遮光板30も停止
したままで、直進筒2とこれに保持された第2レンズ群
7などの部品が全て第1遮光板30から離れて行く。
【0046】逆に鏡胴を望遠端から広角側へ向かって駆
動する場合、まず、直進筒2が第2保持枠5の相対移動
を伴ってフィルム面F側へ後退する。上述の第3の領域
ではこの動きが続けられるが、第2の領域に移ると、ガ
イド部2aに形成された突起2eが凸部30aの穴30bに
はいり込み、さらにガイド部2aの後端面で第1遮光板
30を後方へ押し始める。第2の領域が終わるまで、第
2レンズ群7は第1遮光板30に接近して行くが、さら
にズーム駆動を進めて第1の領域に入ると、両遮光板3
0,31が重なり、さらにズーム駆動を進めると第2保
持枠5が第1遮光板30を押し始め、両遮光板30,3
1を同時に押し下げる。そして、広角端の位置を過ぎる
と第2保持枠5の後退速度が直進筒2の後退速度よりも
遅れるので、両遮光板30,31は再度直進筒2のガイ
ド部2aで押されて後方へ移動し、図9の沈胴状態まで
移動する。
【0047】このように、本実施例のフレア防止機構
は、可動遮光板30,31の動作を鏡胴のズーム駆動時
の直進筒2の動作または第2保持枠5の動作のいずれか
で規制するようにしたものであり、且つ焦点距離が比較
的長い第2、第3領域では、遮光板30,31の位置を
固定筒1のストッパーピン1d,1eで規制するようにし
たものである。この構成により、以下のような効果が得
られる。
【0048】まず、本実施例では、沈胴状態のときより
も広角端状態のときに第2レンズ群7が直進筒2に対し
ては後退するようになっているが、このときに第1遮光
板30が第2保持枠5で押される構成としているので、
遮光板30の開口30eを広げなくても遮光板30と第
2レンズ群7との接触を防止できる。
【0049】ところで、第2レンズ群7を透過してフィ
ルム面F側へ射出する被写体光の光束の広がりは、焦点
距離が短い場合には大きく、焦点距離が長くなると小さ
くなる。そこで、遮光板の開口面積は、撮影レンズの焦
点距離が広角側となっているときはある程度広くないと
フィルム面Fまで到達すべき光の一部が遮られる虞があ
るので、これを基準に設定すべきであるが、一方、撮影
レンズの焦点距離が望遠側となっているときは、不必要
な光を遮って鏡胴内面での光の反射を防ぐために、でき
るだけ小さいのが好ましい。本実施例では、広角側の位
置で遮光板30が第2保持枠5により位置規制されるか
ら、第2レンズ群7と遮光板30とを極めて接近した位
置で保ることができる。したがって、広角端位置を基準
として定められる開口面積を小さくできる。
【0050】逆に望遠側の第2、第3領域では、両遮光
板30,31の位置が固定筒1により規制され、両遮光
板30,31と第2レンズ群7とがかなり離れた位置関
係となる。ここで、開口面積は、遮光板30がレンズに
接近しているほど小さくでき、レンズから遠ざかってい
るほど大きくなる。本実施例では、望遠側となったとき
に、第2レンズ群7と遮光板30とが接近していれば開
口面積を小さくしなければフレア防止効果が低下するの
を、遮光板30と第2レンズ群7との相対位置を変える
ことによりカバーしているので、十分なフレア防止効果
を得ることができる。
【0051】また、フレア発生の防止のために固定筒1
の内面と両遮光板30,31との間の隙間を小さくして
いるので、鏡胴の駆動時に両遮光板30,31を固定筒
1の内面に対して正確に押して行かないと遮光板30,
31の外周端面が固定筒1の内面を擦りながら動き、ズ
ーム駆動時の負荷が大きくなったり、遮光板30,31
が変形して動作の際に引っ掛かって沈胴できなかったり
する虞があるが、本実施例では、遮光板30,31を押
すガイド部2aにテーパ状の突起2eを設けるとともに遮
光板30,31に穴30b,31bを設け、この突起2eと
穴30b,31bとで遮光板30,31を位置決めしている
ので、遮光板30,31を精度良く移動させることがで
きる。さらに、突起2eをテーパ状に形成しているの
で、遮光板30,31がストッパーピン1d,1eと当たっ
て停止しているときに光軸に対して直角な方向もしくは
回転方向へ少しずれた状態となっていても、遮光板3
0,31の位置を突起2eにより自動的に正しい位置に修
正したうえで、直進筒2により沈胴位置まで押して行く
ことができる。また、遮光板30,31をカムなどを用
いずに簡単な機構で必要な位置に移動させることができ
るので、コストアップを防止できる。
【0052】なお、本実施例のフレア防止機構は2枚の
遮光板30,31を用いたものであるが、ズームの変倍
率が小さい場合などであれば、本実施例の遮光板30に
相当する遮光板を1枚だけ使用するようにしてもよい。
また、複数の遮光板を用いる場合であっても、各遮光板
の移動・停止のタイミングは、ズームレンズの構成に応
じて適宜設定すればよいことは言うまでもない。
【0053】次に、駆動機構の第2実施例について図1
5を用いて説明する。第1実施例の駆動機構は、切り換
え用のアクチュエータを用いずにレンズ鏡胴のズーム駆
動とフォーカス駆動とを選択的に行うように構成したも
のであるが、本実施例の駆動機構は、レンズ鏡胴のフォ
ーカス駆動と、フィルムの巻き上げ・巻き戻し駆動とを
切り換え用アクチュエータを用いずに1つのモータで選
択的に行うように構成したものである。
【0054】50はレンズ鏡胴を示しており、図示して
いないが、内部にフォーカス駆動とフィルム駆動の駆動
源であるモータと、レンズの保持枠へ駆動力を伝達する
ギヤ列が設けられている。このギヤ列は、第1実施例で
説明した入力ギヤ19及び出力ギヤ20とほぼ同様に構
成された2個のギヤ(不図示であるが、前記実施例と同
様に、ギヤ19に相当するギヤを入力ギヤ、ギヤ20に
相当するギヤを出力ギヤという)を有し、入力ギヤが出
力ギヤに対して相対的に回転する範囲内で、フォーカス
駆動を行うようになっている。
【0055】出力ギヤは、レンズ鏡胴から外へ延びる軸
51に連結されており、この軸51の先端には、かさ歯
車52が固定されている。かさ歯車52は、ギヤ53の
かさ歯車部53aと噛合している。ギヤ53の大ギヤ部
53bは太陽ギヤ54の大ギヤ部54aと噛合している。
太陽ギヤ54の軸55には遊星キャリア56が揺動可能
に保持され、遊星キャリア56は、太陽ギヤ54の小ギ
ヤ部54bと噛合する遊星ギヤ57を保持している。な
お、遊星キャリア56と遊星ギヤ57の間には図示して
いないが摩擦伝達機構が設けられ、太陽ギヤ54が回転
したときに、遊星ギヤ57がその回りを公転するように
なっている。
【0056】遊星ギヤ57の左右には、太陽ギヤ54の
回転方向に応じて遊星ギヤ57がいずれか一方と噛合す
る2つのアイドルギヤ58,59が配置されている。そ
して、一方のアイドルギヤ58が、フィルムを巻き上げ
るためのスプール60と一体的に構成されたスプールギ
ヤ61に連結されている。また、他方のアイドルギヤ5
9は、ギヤ列62,63を介して、不図示のカートリッ
ジスプールに噛み合うフォーク64aが一体的に形成さ
れたフォークギヤ64に連結されている。
【0057】本実施例では、レンズ鏡胴のフォーカス駆
動は、前記実施例と同様に、出力ギヤに対する入力ギヤ
の相対回転時に、その回転をレンズ保持枠に伝達するこ
とにより行なわれる。フォーカス駆動が終わって、さら
にフィルムの露光も完了すると、次にフィルムの1コマ
巻き上げが行なわれる。フィルム巻き上げ時は、出力ギ
ヤが一体的に回転する方向(前記実施例で望遠側へズー
ム駆動する方向に相当する)へ入力ギヤが回転し、それ
によって、レンズの保持枠への駆動力の伝達が遮断され
た状態で軸51のみが回転する。したがって、その回転
がギヤ52,53,54,57,58を介してスプールギヤ
61に伝達され、スプール60がフィルム巻き上げ方向
へ回転する。スプール60の回転量は、前記実施例と同
様にフォトインタラプタでモータの回転量をモニターす
ることにより検出され、必要な量だけ回転したときに、
マイクロコンピュータからの制御を受けてモータが停止
する。
【0058】撮影時は、以上のようにしてレンズのフォ
ーカス駆動とフィルムの巻き上げ駆動とが繰り返される
が、フィルムの最終コマまで撮影が完了した場合は、フ
ィルムの巻き戻し動作に移る。このときモータは、巻き
上げ時と反対の方向へ、つまりレンズをフォーカス駆動
する方向へ回転する。この場合は、出力ギヤに対して入
力ギヤが相対回転の範囲を越えて回転するようにモータ
が連続して回転し、フォーカス用レンズが一旦移動して
さらに停止した後に、出力ギヤが入力ギヤと一体的に回
転する。したがって、軸51が巻き上げ時とは逆の方向
へ回転するから、遊星ギヤ57がアイドルギヤ59に噛
合し、さらにその回転がギヤ列62,63を介してフォ
ークギヤ64に伝達される。そのため、カートリッジス
プールが回転するから、カメラスプール60に巻き付け
られていたフィルムをカートリッジ内に巻きとって行
く。なお、フィルムが巻き上げ時に終端まで進んだこと
(巻き戻し開始時であること)の検知と、フィルムの巻き
戻しが終了したことの検知は、専用のセンサを用いても
よいが、モータの回転量を検出するために設けたフォト
インタラプタのパルス数に基づいて行うことも可能であ
る。
【0059】本実施例の駆動機構においても、入力ギヤ
と出力ギヤとの相対可動範囲内でフォーカス駆動を行う
一方で、その相対可動範囲を越えて出力ギヤが入力ギヤ
とともに回転したときにフォーカス駆動を停止してフィ
ルム駆動のみを行なうようにしているので、駆動力の伝
達をフォーカス駆動とフィルム給送とで切り換えるのに
専用のアクチュエータが不要となり、カメラの小型化及
び低コスト化が可能となる。なお、この駆動機構は、撮
影レンズ鏡胴のズーム駆動とフィルム給送とを行うよう
に構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るフレア防止機構を備
えたズームレンズ鏡胴の分解斜視図である。
【図2】 このズームレンズ鏡胴を広角端状態で示す中
央断面図である。
【図3】 このズームレンズ鏡胴を望遠端状態で示す中
央断面図である。
【図4】 このズームレンズ鏡胴を沈胴状態で示す中央
断面図である。
【図5】 駆動機構の要部を初期状態で示す図である。
【図6】 駆動機構の要部をフォーカス駆動状態で示す
図である。
【図7】 駆動機構の要部を広角側ズーム駆動状態で示
す図である。
【図8】 駆動機構の要部を初期位置への復帰途中の状
態で示す図である。
【図9】 鏡胴が沈胴位置にある状態でフレア防止機構
を示す断面図である。
【図10】 第1領域内でのフレア防止機構の状態を示
す断面図である。
【図11】 第1領域と第2領域との境界位置でのフレ
ア防止機構の状態を示す断面図である。
【図12】 第2領域内でのフレア防止機構の状態を示
す断面図である。
【図13】 第2領域と第3領域との境界位置でのフレ
ア防止機構の状態を示す断面図である。
【図14】 望遠端でのフレア防止機構の状態を示す断
面図である。
【図15】 駆動機構の第2実施例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 固定筒 1d ストッパ
ー 2 直進筒 2a ガイド部
(第2連動手段) 3 カム筒 3h 内歯ギヤ 4 第1保持枠 4a ギヤ部 5 第2保持枠 5d 第2保持
枠後端面(第1連動手段) 6 第1レンズ群(前側レンズ群) 7 第2レンズ
群(後側レンズ群) 8 ボディ 9 飾り筒 10 モータ 12 駆動ギヤ 13,16〜18 アイドルギヤ 19 入力ギヤ 20 出力ギヤ 19a,20a
突起 21,27,28 ギヤ 22,24 ギ
ヤ 30,31 遮光板 30c 腕(第1
連動手段) 30d 前面(第2連動手段) 32 コイルば
ね(第1,第2連動手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 眞一 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内 (72)発明者 宮野 正明 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸に沿って前後に位置する2つの可動
    レンズ群(6,7)を有するズームレンズ鏡胴内で該可動レ
    ンズ群(6,7)に連動して光軸方向へ進退する可動遮光板
    (30)を備えたフレア防止機構において、 上記可動遮光板(30)を、ズーム全域中における広角端側
    の第1領域で後側レンズ群(7)と略一体的に光軸に沿っ
    て進退させる第1連動手段(5d,30c,32)と、該第1領域
    よりも望遠側の第2領域で前側レンズ群(6)と略一体的
    に進退させる第2連動手段(2a,30d,32)とを備え、さら
    に、該第2領域から望遠端までの第3領域で該可動遮光
    板(30)の動作を規制するストッパー手段(1d)を備えたこ
    とを特徴とするズームレンズ鏡胴のフレア防止機構。
JP34938192A 1992-12-28 1992-12-28 ズームレンズ鏡胴のフレア防止機構 Pending JPH06201966A (ja)

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