JP2006317808A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像時と非撮像時とでのレンズとシャッタ装置との光軸方向の間隔を可変としつつレンズの光軸の移動を抑制したレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】3群レンズ保持枠19にシャッタ装置21を撮像時位置と非撮像時位置とで光軸方向に沿って移動可能に支持する。撮像時と非撮像時とでのレンズ群L3とシャッタ装置21との光軸方向の間隔を可変としつつ、レンズ鏡筒3に外力が加わった際の3群レンズ保持枠19とシャッタ装置21との相対的な位置ずれを抑制でき、レンズの光軸が移動しにくくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、使用時に筐体から繰り出され非使用時に筐体側に繰り込まれるレンズ鏡筒及びこれを備えた撮像装置に関する。
従来、撮像装置としてのカメラは、筐体としてのカメラ本体と、このカメラ本体に設けられたレンズ鏡筒とを備えている。
このようなレンズ鏡筒としては、使用時すなわち撮像時においてカメラ本体側から被写体側へと繰り出されるとともに、非使用時すなわち非撮像時において全長を短縮しつつカメラ本体内に繰り込むように構成され、非撮像時にカメラ本体から突出する量を可能な限り小さくする、いわゆる沈胴型のものがある。
そして、このような沈胴型レンズ鏡筒では、光軸方向に配設されるレンズ及び遮光手段としてのシャッタユニットなどの部材同士の間隔を、非撮像時に可能な限り狭くしてカメラ本体内に繰り込むように構成することにより、カメラ本体からの突出量をより低減することが可能になる。
そこで、シャッタユニットの光軸方向後側に隣接し光軸方向に沿って前後に移動可能なレンズとシャッタユニットとの間隔が、非撮像時に狭くなるように構成することで、全長を短縮する沈胴型のズームレンズ鏡筒が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1の図1ないし図3に記載されたレンズ鏡筒は、光軸方向に沿って前後に移動可能な移動枠に、光軸方向前側からズーム用の第2レンズ群とシャッタユニットとを順次支持し、この移動枠にフォーカスユニットを支持するとともに、この移動枠の光軸方向後側に、フォーカスユニットにより移動枠とは別個に光軸方向に沿って前後に移動されるフォーカス用の第3レンズ群を配設し、レンズ鏡筒の繰り込みの際に、第3レンズ群の光軸方向前部をシャッタユニットに挿入することで、第3レンズ群とシャッタユニットとの間隔を狭くするものであり、互いに一体的に移動するシャッタユニットと第2レンズ群との間隔を可能な限り狭くできるように、シャッタユニットを第2レンズ群の直後に配設している。
しかしながら、シャッタユニットを配設する位置によっては、シャッタユニットを通過する主光線の光路が変わったり、収差が変化したりしてしまうため、レンズ鏡筒に要求される光学特性によっては、上述の構成のようにシャッタユニットと第2レンズ群との間隔を接近させることが適切でない場合もあり、一方で光学特性を優先してシャッタユニットと第2レンズ群との間隔を広く取ると、非撮像時におけるレンズ鏡筒の全長の短縮化を阻む要因となる。
これに対して、特許文献1の図6ないし図8には、光軸方向に沿って前後に移動可能な移動枠にシャッタユニットを固定するとともに、第2レンズ群を保持する2群玉枠を、シャッタユニットに対して光軸方向に沿って前後に移動可能に移動枠に支持した構成が記載されている。
そして、このように第2レンズ群をシャッタユニットに対して移動可能とすることにより、第2レンズ群とシャッタユニットとの間隔を、撮像時には光学特性を優先した間隔にできる一方で、非撮像時にはこの間隔を狭くしてレンズ鏡筒の全長の短縮化を図ることができるようになっている。
特許第3496667号公報(第3−5頁、図1−3及び図6−8)
上記特許文献1の図6ないし図8のように、2群玉枠を移動枠に移動可能に支持する構成としては、例えば移動枠に光軸方向に沿って長溝を形成し、この長溝に係合する被係合部となる凸部を2群玉枠側に設け、これら長溝と凸部とを係合させるものなどが考えられる。
そして、このような構成の場合には、2群玉枠が移動枠に対してスムーズに移動できるように、凸部を長溝に係合させた際にこれら両者の間に若干の隙間(クリアランス)を形成する必要がある。
しかしながら、このように凸部と長溝との間に隙間を形成すると、振動などがレンズ鏡筒に加わった際に、第2レンズ群が隙間によりがたつき、第2レンズ群が光軸に対して移動してしまうおそれがあるという問題点を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、使用時と非使用時とでのレンズと遮光手段との光軸方向の間隔を可変としつつレンズの光軸の移動を抑制したレンズ鏡筒及びこれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のレンズ鏡筒は、筐体に設けられ、使用時にこの筐体から繰り出され非使用時に前記筐体側に繰り込まれるレンズ鏡筒であって、レンズと、このレンズを保持し光軸方向に沿って移動可能なレンズ保持枠と、このレンズ保持枠に使用時位置と非使用時位置とで光軸方向に沿って移動可能に支持され、通過光量を規制する遮光手段とを具備したものである。
そして、レンズを保持し光軸方向に沿って移動可能なレンズ保持枠に、通過光量を規制する遮光手段を使用時位置と非使用時位置とで光軸方向に沿って移動可能に支持することで、使用時と非使用時とでのレンズと遮光手段との光軸方向の間隔を可変としつつ、例えば外力が加わった際などのレンズ保持枠と遮光手段との相対的な位置ずれが抑制され、レンズの光軸の移動が抑制される。
請求項2記載のレンズ鏡筒は、請求項1記載のレンズ鏡筒において、レンズ保持枠に設けられ、遮光手段が使用時と非使用時とで光軸方向に沿って移動可能となるようにこの遮光手段を支持する支持部を具備し、前記遮光手段は、前記支持部により前記レンズ保持枠の外周縁よりも内側に支持されているものである。
そして、遮光手段が使用時と非使用時とで光軸方向に沿って移動可能となるようにこの遮光手段を支持する支持部をレンズ保持枠に設け、この支持部によりレンズ保持枠の外周縁部よりも内側に遮光手段を支持することで、全体の外径が大きくなることが抑制される。
請求項3記載のレンズ鏡筒は、請求項2記載のレンズ鏡筒において、支持部は、光軸に対して略対称に複数設けられているものである。
そして、支持部を光軸に対して略対称に複数設けることにより、遮光手段がレンズ保持枠に対して光軸に対して傾斜することなく安定して支持される。
請求項4記載の撮像装置は、筐体と、この筐体に設けられた請求項1ないし3いずれか一記載のレンズ鏡筒とを具備したものである。
そして、請求項1ないし3いずれか一記載のレンズ鏡筒を備えることで、使用時と非使用時とでのレンズと遮光手段との光軸方向の間隔を可変としつつ、外力が加わった際などのレンズの光軸の移動が抑制されて撮像に対する影響が抑制され、安定した撮像が可能になる。
本発明によれば、使用時と非使用時とでのレンズと遮光手段との光軸方向の間隔を可変としつつ、例えば外力が加わった際などのレンズ保持枠と遮光手段との相対的な位置ずれを抑制でき、レンズの光軸の移動を抑制できる。
以下、本発明の一実施の形態の撮像装置の構成を図面を参照して説明する。
図1ないし図3において、1は撮像装置としてのデジタルカメラを示し、このデジタルカメラ1は、筐体としてのカメラ本体2と、このカメラ本体2に設けられた略円筒状のレンズ鏡筒3とを備えている。
なお、以下、便宜的に、被写体から結像面に至る光軸に沿って、被写体側である図1ないし図3に示す左側を前側、結像面側である図1ないし図3に示す右側を後側とするとともに、光軸に直交する図1ないし図3に示す上下方向を上下として説明する。また、図1ないし図3は撮像装置1の縦断面図であるが、光軸を通る単一面における縦断面図として表すと内部の構造を適切に説明することができなくなるため、撮像装置1の内部の構造を理解しやすく説明できるように断面の位置を適宜に異ならせて表した縦断面図となっている。
カメラ本体2は、例えば中空な直方体状に形成され、レンズ鏡筒3の形状に対応しこのレンズ鏡筒3が取り付けられる図示しない開口が前側に開口形成されている。
レンズ鏡筒3は、いわゆる沈胴型のズームレンズ鏡筒であり、デジタルカメラ1の使用時すなわち撮像時に、図1に示す広角状態(ワイド状態)から図2に示す望遠状態(テレ状態)までカメラ本体2に対して被写体側へと繰り出されるとともに、デジタルカメラ1の非使用時すなわち非撮像時に、カメラ本体2内へと繰り込まれた図3に示す沈胴状態となるものである。
このレンズ鏡筒3は、外周側から内周側へと、固定カム筒11、沈胴筒12、第1直進筒13、第2直進筒14、レンズL1を保持した1群レンズ保持枠15、移動カム筒16、第3直進筒17、一方のレンズ光学系としてのレンズ群L2を保持した一方のレンズ保持枠としてのレンズ保持枠である2群レンズ保持枠18、及び、他方のレンズ光学系としてのレンズ群L3を保持した他方のレンズ保持枠としての3群レンズ保持枠19が順次設けられている。
さらに、このレンズ鏡筒3は、3群レンズ保持枠19の前側、すなわち被写体光の主光線が光軸に交差する位置である2群レンズ保持枠18と3群レンズ保持枠19との間の近傍に、遮光手段としてのシャッタ装置21が取り付けられ、また、固定カム筒11の後端部がカメラ本体2に固定される基板部22に取り付けられているとともに、この基板部22に、フォーカス光学系としての合焦レンズすなわちフォーカスレンズL4を保持した合焦レンズ保持枠としてのフォーカスレンズ保持枠23を光軸方向に沿って移動可能にウォームギア状のリード部24aに保持したフォーカス光学系移動手段としてのオートフォーカスモータ24(以下、AFモータ24と略記する)と、撮像素子25とがそれぞれ取り付けられている。
そして、レンズ鏡筒3は、光軸方向前側から後側へと順次配設され順次径が小さくなるレンズL1、レンズ群L2及びレンズ群L3によりズーム光学系27が構成され、カム部28を備えた各筒11〜14,16,17、各保持枠15,18,19、及び、沈胴筒12を光軸の周りに自転させる回転力を与える移動手段としての図示しない駆動モータにより、ズーム光学系27を光軸方向に沿って移動させることでズーム動作させるズーム光学系移動手段29が構成されている。
固定カム筒11は、略円筒状に形成され、レンズ鏡筒3の外周部を構成し、図3に示す沈胴状態でのレンズ鏡筒3の全長を設定するものであり、撮像時及び非撮像時に拘らずカメラ本体2内に略全体が収容されている。そして、この固定カム筒11の内周面には、複数、例えば3つの固定カム溝31と、光軸と平行に延びる複数、例えば3つの固定直進溝32とが形成されている。
固定カム溝31は、カム部28の一部をなし、固定カム筒11に対して沈胴筒12を光軸方向に沿って移動させるものであり、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。また、これら固定カム溝31は、図4に示すように、固定カム筒11の後端部に連続して外側へと開放された開放部34、この開放部34に連続した非使用領域としての非撮像領域35、及び、この非撮像領域35に連続した使用領域としての撮像領域36を有している。
開放部34は、光軸に平行に直線状に形成されている。
非撮像領域35は、開放部34との連続部が固定カム筒11の周方向に沿って直線状に形成されているとともに、撮像領域36側へと固定カム筒11の周方向に沿って前方に若干傾斜して直線状に形成されている。
撮像領域36は、固定カム筒11の周方向に沿って後側へと凸となる略円弧状に湾曲形成され、非撮像領域35と反対側の端部が非撮像領域35側の端部よりも前側に位置するとともに固定カム筒11の周方向に沿って直線状に形成されている。
そして、これら非撮像領域35及び撮像領域36により、図1ないし図3に示す沈胴筒12の光軸方向への移動量が設定されている。
固定直進溝32は、第1直進筒13を光軸方向に沿って前後に案内するとともにこの第1直進筒13の周方向への回動を規制するもので、固定カム溝31の開放部34の近傍にこの開放部34と平行に設けられ、固定カム筒11の後端部に連続して外側へと開放されているとともに、前端部が撮像領域36の非撮像領域35側と反対側の端部の後方に位置している。
沈胴筒12は、図1ないし図3に示すように、略円筒状に形成され、後端部の外周部に、駆動モータの出力部に噛合するギア部38が周方向に沿って帯状に設けられている。また、沈胴筒12の後部のギア部38の前方には、固定カム溝31のそれぞれに係合するカムフォロア39が、固定カム溝31に対応する複数、例えば3つ突設されている。さらに、沈胴筒12の前部の内周部には、第1直進筒13が係合する溝部41が周方向に沿って形成されている。そして、沈胴筒12の内周部には、複数、例えば3つのカム溝45がそれぞれ形成されている。
カムフォロア39は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられている。そして、これらカムフォロア39は、レンズ鏡筒3を組み立てる際に、固定カム溝31の開放部34から挿入される。
また、溝部41は、第1直進筒13を沈胴筒12に対して周方向に回動自在とするとともに、この沈胴筒12に対する第1直進筒13の前後方向への移動を規制するものである。
さらに、カム溝45は、カム部28の一部をなし、沈胴筒に対して移動カム筒16を光軸方向に沿って移動するものであり、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。
また、カム溝45は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。また、これらカム溝45は、図5に示すように、沈胴筒12の後寄りの位置に形成された非使用領域としての非撮像領域48、及び、この非撮像領域48に連続した使用領域としての撮像領域49を有している。
非撮像領域48は、撮像領域49と反対側の端部が沈胴筒12の周方向に沿って直線状に形成され、撮像領域49側へと沈胴筒12の周方向に沿って前方へ傾斜して直線状に形成されている。
また、撮像領域49は、非撮像領域48との連続部から周方向に沿って直線状に形成されている。
そして、これら非撮像領域48及び撮像領域49により、図1ないし図3に示す移動カム筒16の光軸方向への移動量が設定されている。
第1直進筒13は、略円筒状に形成され、後端部の外周部に、径方向に突出して固定カム筒11の固定直進溝32のそれぞれに係合する第1突起部43が、固定直進溝32に対応する複数、例えば3つ突設されている。また、この第1直進筒13の前端部の外周部には、沈胴筒12の溝部41に係合する第1係合部44が径方向に突設されている。そして、この第1直進筒13の内周部には、光軸に平行な直線状の複数、例えば3つの第1直進溝46が後端部から前後方向の中心部よりも若干前側寄りの位置までそれぞれ形成されている。
第1突起部43は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられており、沈胴筒12の後端部よりも後側にて固定直進溝32に係合している。そして、これら第1突起部43は、レンズ鏡筒3を組み立てる際にそれぞれ固定直進溝32の後端部からこれら固定直進溝32にそれぞれ挿入される。
第1直進溝46は、図1ないし図3に示す第2直進筒14及び第3直進筒17を光軸方向に沿って前後に案内するとともに、これら第2直進筒14及び第3直進筒17の周方向への回動を規制するもので、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。
第2直進筒14は、図1ないし図3に示すように、略円筒状に形成され、後端部の外周部に、径方向に突出して第1直進筒13の第1直進溝46のそれぞれに係合する第2突起部51が、第1直進溝46に対応する複数、例えば3つ突設されている。また、この第2直進筒14の後端部の内周部には、移動カム筒16の外周部に係合する第2係合部52が突設されている。さらに、この第2直進筒14の内周部には、後端部から前端部近傍まで光軸に平行な直線状に複数、例えば3つの第2直進溝53がそれぞれ形成されている。
第2突起部51及び第2直進溝53は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられている。そして、第2直進溝53は、1群レンズ保持枠15を光軸方向に沿って前後に案内するとともに、この1群レンズ保持枠15の周方向への回動を規制するものである。
1群レンズ保持枠15は、略円筒状に形成され、第2直進筒14の第2直進溝53のそれぞれに係合するピン56が、第2直進溝53に対応する複数、例えば3つ、径方向に貫通して配設されている。また、この1群レンズ保持枠15の内周部側には、各ピン56にカムフォロア57がそれぞれ設けられ、これらカムフォロア57が移動カム筒16の外周部にそれぞれ係合している。さらに、この1群レンズ保持枠15の前端部には、レンズL1を保持する1群フランジ部58が内周部から中心軸側へと突設されている。
ピン56及びカムフォロア57は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられている。また、ピン56は、レンズ鏡筒3を組み立てる際に第2直進溝53の後端部からこれら第2直進溝53に挿入される。
移動カム筒16は、略円筒状に形成され、後端部の外周部に、第2直進筒14及び1群レンズ保持枠15の後方にて第1直進筒13の第1直進溝46に挿通され沈胴筒12のカム溝45のそれぞれに係合するカムフォロア61が、カム溝45に対応する複数、例えば3つ突設されている。また、この移動カム筒16の外周部には、カムフォロア61の前側に、第2直進筒14の第2係合部52が係合する外周溝部62が周方向に沿って形成されている。さらに、この移動カム筒16の外周部には、1群レンズ保持枠15のカムフォロア57のそれぞれが係合する外周カム溝63が、カムフォロア57に対応する複数、例えば3つ形成されている。そして、この移動カム筒16の内周部には、後端部に、第3直進筒17の外周部が係合する内周溝部64が周方向に沿って形成されているとともに、複数、例えば3つずつの第1内周カム溝65及び第2内周カム溝66がそれぞれ形成されている。
カムフォロア61は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられている。
外周溝部62は、移動カム筒16と第2直進筒14とを相対的に周方向に回動自在とするとともに、移動カム筒16と第2直進筒14との前後方向への相対的な移動を規制するものである。
外周カム溝63は、カム部28の一部をなし、移動カム筒16に対して1群レンズ保持枠15を光軸方向に沿って移動させるものであり、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。また、これら外周カム溝63は、図6に示すように、移動カム筒16の後端部に連続して外側へと開放された開放部71、これら開放部71に連続した非使用領域としての非撮像領域72、及び、これら非撮像領域72に連続した使用領域としての撮像領域73を有している。
開放部71は、光軸に平行に直線状に形成されており、これら開放部71には、レンズ鏡筒3を組み立てる際に、移動カム筒16のカムフォロア57が挿入される。
非撮像領域72は、開放部71との連続部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されているとともに、非撮像領域72側へと移動カム筒16の周方向に沿って前方に傾斜して形成され、移動カム筒16の前端部近傍にまで延設されている。
撮像領域73は、非撮像領域72との連続部から前方に若干傾斜した直線状に形成されている。
そして、これら非撮像領域72及び撮像領域73により、図1ないし図3に示す1群レンズ保持枠15の光軸方向への移動量が設定されている。
内周溝部64は、移動カム筒16と図1ないし図3に示す第3直進筒17とを相対的に周方向に回動自在とするとともに、移動カム筒16と図1ないし図3に示す第3直進筒17との前後方向への相対的な移動を規制するものである。
第1内周カム溝65は、カム部28の一部をなし、移動カム筒16に対して図1ないし図3に示す2群レンズ保持枠18を光軸方向に沿って移動させるものであり、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。また、これら第1内周カム溝65は、図7に示すように、移動カム筒16の前後方向の中心域から形成された非使用領域としての非撮像領域75、及び、この非撮像領域75に連続した使用領域としての撮像領域76を有している。
非撮像領域75は、撮像領域76と反対側の端部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されているとともに、撮像領域76側へと移動カム筒16の周方向に沿って前方に傾斜した直線状に形成され、かつ、撮像領域76との連続部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されている。
撮像領域76は、非撮像領域75との連続部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されているとともに、非撮像領域75と反対側の端部へと移動カム筒16の周方向に沿って後方へと傾斜して形成されている。
そして、これら非撮像領域75及び撮像領域76により、第1内周カム溝65が平面視く字状に形成され、図1ないし図3に示す2群レンズ保持枠18の光軸方向への移動量が設定されている。
一方、第2内周カム溝66は、カム部28の一部をなし、移動カム筒16に対して図1ないし図3に示す3群レンズ保持枠19を光軸方向に沿って移動させるものであり、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ形成されている。また、これら第2内周カム溝66は、移動カム筒16の後端部に連続して外側へと開放された開放部81、この開放部81に連続した非使用領域としての非撮像領域82、この非撮像領域82に連続した使用領域としての撮像領域83、及び、この撮像領域83と第1内周カム溝65の撮像領域76との間に連続した連続部84を有している。
開放部81は、光軸に平行に直線状に形成されている。
非撮像領域82は、開放部81との連続部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されているとともに、非撮像領域82側へと移動カム筒16の周方向に沿って後方に傾斜して直線状に形成され、かつ、撮像領域83との連続部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されている。
撮像領域83は、非撮像領域82との連続部が移動カム筒16の周方向に沿って直線状に形成されているとともに、非撮像領域82と反対側の端部へと移動カム筒16の周方向に沿って前方へと傾斜して形成され、第1内周カム溝65の非撮像領域75の後方に位置している。
そして、これら非撮像領域82及び撮像領域83により、図1ないし図3に示す第3直進筒17の光軸方向への移動量が設定されている。
また、連続部84は、撮像領域83から移動カム筒16の周方向に沿って延設されているとともに、周方向に折り返されて第1内周カム溝65の撮像領域76へと連続している。
第3直進筒17は、図1ないし図3に示すように、略円筒状に形成され、後端部の外周部に、移動カム筒16の後方にて第1直進筒13の第1直進溝46のそれぞれに係合する第3突起部86が、第1直進溝46に対応する複数、例えば3つ突設されている。また、この第3直進筒17の外周部には、第3突起部86よりも前側にて、移動カム筒16の内周溝部64に係合する第3係合部87が突設されている。さらに、この第3直進筒17には、前後方向の前側寄りの位置にて、内周側から外周側へと径方向に貫通する第1直進孔88が、複数、例えば3つ形成されているとともに、前後方向の後側寄りの位置にて、内周側から外周側へと径方向に貫通する第2直進孔89が、複数、例えば3つ形成されている。
第3突起部86、第1直進孔88及び第2直進孔89は、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられている。また、第3突起部86は、レンズ鏡筒3を組み立てる際に、第1直進溝46の後端部からこれら第1直進溝46に挿入される。さらに、各直進孔88,89は、光軸方向に沿ってそれぞれ直線状に形成されている。
2群レンズ保持枠18は、図8及び図10に示すように、例えば図1ないし図3に示すレンズ群L2を構成するレンズL5,L6を保持するもので、レンズ保持枠本体としての軸方向に扁平な略円筒状の2群フランジ部91を備え、この2群フランジ部91の外周縁部の後部には、複数、例えば3つの当接部としての2群凸形状部92がそれぞれ後方へと突設され、これら2群凸形状部92の間がそれぞれ2群凹形状部93となっている。また、2群フランジ部91の中央部には、レンズL5,L6を保持する円筒状の2群保持部94が形成されている。
2群凸形状部92は、光軸を中心として周方向に略等角度を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられており、これら2群凸形状部92のそれぞれには、丸孔95が穿設され、これら丸孔95には、第3直進筒17の第1直進孔88に挿通されて移動カム筒16の第1内周カム溝65に係合するカムフォロア96がそれぞれ取り付けられている。これらカムフォロア96は、レンズ鏡筒3を組み立てる際に開放部81から第2内周カム溝66に挿入され、さらに連続部84を介して第1内周カム溝65へと配設される。そして、各2群凸形状部92は、図3に示す沈胴状態でシャッタ装置21に当接してシャッタ装置21を光軸方向後側へと押動する部分となる。
2群保持部94は、2群フランジ部91から前方へ突出した前端部にレンズL5が保持されているとともに、2群フランジ部91から後方へ突出した後端部にレンズL6が保持されている。
3群レンズ保持枠19は、例えば図1ないし図3に示すレンズ群L3を構成するレンズL8,L9を保持するもので、2群フランジ部91と略等しい大きさのレンズ保持枠本体としての軸方向に扁平な略円筒状の3群フランジ部101を備え、この3群フランジ部101の外周縁部の前部には、複数、例えば3つの3群凸形状部102がそれぞれ前方へと突設され、これら3群凸形状部102の間がそれぞれ3群凹形状部103となっている。また、3群フランジ部101の中央部には、レンズL8,L9を保持する円筒状の3群保持部104が形成されている。さらに、2群フランジ部91には、3群保持部104の周囲に、丸孔状の複数、例えば3つの支持部としてのガイド孔105がそれぞれ穿設されているとともに、これらガイド孔105,105間の2箇所に、逃げ孔106,106がそれぞれ穿設され、かつ、ガイド孔105,105間の他の1箇所に、周方向に長孔状の挿通孔107が穿設されている。
3群凸形状部102は、光軸を中心として周方向に略等角度を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられており、これら3群凸形状部102のそれぞれには、丸孔部111が穿設され、これら丸孔部111には、第3直進筒17の第2直進孔89に挿通されて移動カム筒16の第2内周カム溝66に係合するカムフォロア112がそれぞれ取り付けられている。これらカムフォロア112は、図1ないし図3に示すレンズ鏡筒3を組み立てる際に開放部81から第2内周カム溝66に挿入される。
そして、3群レンズ保持枠19は、これら3群凸形状部102と2群レンズ保持枠18の2群凹形状部93、及び、3群凹形状部103と2群レンズ保持枠18の2群凸形状部92とで、図3に示す沈胴状態で、図9及び図11に示すように、周方向の6箇所で互い違いに組み合うようになっている。
3群保持部104は、図8及び図10に示すように、3群フランジ部101から前方へ突出した前端部にレンズL8が保持されているとともに、3群フランジ部101から後方へ突出した後端部にレンズL9が保持されている。
ガイド孔105は、シャッタ装置21を光軸方向に沿ってガイドするもので、光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられ、3群保持部104の外周側の3群フランジ部101、すなわち3群レンズ保持枠19の外周縁部よりも内側に位置している。
逃げ孔106は、シャッタ装置21と3群フランジ部101との干渉を避けるもので、光軸よりも下側の位置にそれぞれ穿設され、3群保持部104の外周側の3群フランジ部101、すなわち3群レンズ保持枠19の外周縁部よりも内側に位置している。
ここで、図1ないし図3に示すように、レンズ鏡筒3は、径が最大であるレンズL1に対応した径に構成されているため、径が最小となるレンズ群L3を保持している3群保持部104の周囲である3群フランジ部101が、1群レンズ保持枠15の1群フランジ部58よりも光軸方向に幅広となっており、この部分にデッドスペースが形成され、このデッドスペースにガイド孔105及び逃げ孔106が設けられている。
挿通孔107は、AFモータ24のリード部24aとの干渉を避けるためのものであり、光軸よりも上側の位置に設けられている。
シャッタ装置21は、通過光量を規制するもので、図8及び図10に示すように、遮光手段本体としての扁平な略円筒状のシャッタ装置本体115と、このシャッタ装置本体115内に配設される複数の図示しないシャッタ羽根を備えシャッタ装置本体115の中央部の開口部115aに臨む遮光板としてのシャッタ116とを備えている。なお、このシャッタ装置21は、このシャッタ装置21の小型化を図るとともに、このシャッタ装置21を通過する光束を制限する際の収差に与える影響を小さくするために、被写体光の主光線が光軸と交差する位置の近くに配設することが好ましい。また、このシャッタ装置21は、図1ないし図3に示すズーム光学系移動手段29によるズーム光学系27の移動に連動してズーム光学系移動手段29により撮像時位置と非撮像時位置とのそれぞれに移動される。
シャッタ装置本体115は、図1ないし図3に示すAFモータ24のリード部24aとの干渉を避けるための切欠部としてのカット部117によりD字状に形成され、背面すなわち後面にガイド凸部としての複数、例えば3つの円柱状の被支持部としてのガイド柱118がそれぞれ突設されているとともに、シャッタ116のシャッタ羽根を開閉駆動する駆動手段としての被支持部である駆動モータ119,119が取り付けられている。また、このシャッタ装置本体115は、3群レンズ保持枠19の3群凸形状部102の内周縁部と略等しい外径寸法を有するとともに、外周部に当接部121が複数、例えば3つ突設されている。
ガイド柱118は、ガイド孔105と対応してそれぞれ光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられ、付勢手段としてのコイルスプリング122に挿通されて3群レンズ保持枠19の3群フランジ部101のガイド孔105にそれぞれ挿入され、かつ、3群フランジ部101の後側にてワッシャ状のストッパ環123を挟んで螺子124により固定されている。
なお、これらガイド柱118とガイド孔105とは、シャッタ装置21の重心に対して略対称な位置、すなわちシンメトリに配設することが好ましい。
コイルスプリング122は、シャッタ装置21を3群レンズ保持枠19に取り付けた状態で、シャッタ装置本体115と3群フランジ部101との間で若干圧縮された状態で保持され、シャッタ装置21の後面と3群レンズ保持枠19の前面との間に付勢力を作用させてこれらシャッタ装置21と3群レンズ保持枠19とを互いに離間される方向に付勢する。換言すれば、コイルスプリング122は、シャッタ装置21を、図3に示すレンズ鏡筒3の沈胴状態に対応する非撮像時位置から図1及び図2に示すレンズ鏡筒3の撮像可能状態に対応する撮像時位置へと付勢するものである。すなわち、シャッタ装置21は、3群レンズ保持枠19に対して光軸方向に弾性的に支持されている。
また、これらコイルスプリング122は、図3に示す沈胴状態で、シャッタ装置本体115と3群フランジ部101との間で圧縮保持される。
ストッパ環123は、ガイド孔105の内径寸法よりも大きい外径寸法に設定され、シャッタ装置21の抜け止めとなるものである。
駆動モータ119は、略円柱状の外形を有し、3群フランジ部101の逃げ孔106に挿入されている。これら駆動モータ119は、図示しない各種ギアなどにより、シャッタ116のシャッタ羽根と接続されている。
当接部121は、周方向に幅広に形成されてシャッタ装置本体115から径方向に突設され、カット部117に対応する箇所を除いて光軸を中心として周方向に120°の間隔を隔てて、すなわち光軸の周囲に略回転対称にそれぞれ設けられている。また、これら当接部121は、3群レンズ保持枠19の3群フランジ部101まで突出している。このため、これら当接部121は、シャッタ116と光軸方向に重ならない位置に設けられ、シャッタ装置21を3群レンズ保持枠19に取り付け2群レンズ保持枠18とともにレンズ鏡筒3内に配設した状態で、2群レンズ保持枠18の2群凸形状部92に光軸方向に対向し、図3に示す沈胴状態で、これら2群凸形状部92に光軸方向に当接するとともに、図1及び図2に示す撮像可能状態で、2群凸形状部92からそれぞれ光軸方向に離間される。
シャッタ116は、同一形状の複数枚のシャッタ羽根を周方向に回動可能に配設して形成され、これらシャッタ羽根の内周縁により開口部115a内に開口を形成し、この開口の開口量を、シャッタ羽根が駆動モータ119により移動されることで可変させるものである。そして、このシャッタ116は、図3に示す沈胴状態で開口され、開口部115aに嵌合したレンズ群L3と干渉しないようになっている。
基板部22は、図1ないし図3に示すように、固定カム筒11の後部開口を閉塞するように取り付けられており、撮像素子25を保持固定する素子固定孔125が略中央部に穿設され、素子固定孔125の上方に、AFモータ24が取り付けられるモータ固定孔126が穿設されている。
フォーカスレンズ保持枠23は、略円筒状に形成され、中央部にフォーカスレンズL4を保持しているとともに、AFモータ24のリード部24aに噛合される噛合部128が上部に突設されている。また、このフォーカスレンズ保持枠23に保持されたフォーカスレンズL4は、ズーム光学系27からの被写体光を撮像素子25の結像面に結像させるものである。
AFモータ24は、例えばステッピングモータなどであり、図示しない制御部からの信号により駆動を制御され、撮像素子25の結像面での合焦状態すなわちフォーカス状態に応じてリード部24aを回転させることにより、フォーカスレンズ保持枠23を介してフォーカスレンズL4を光軸に沿って前後に移動させることで、フォーカスレンズL4にフォーカス動作させるものである。
また、AFモータ24のリード部24aは、光軸に平行に前方へと突出している。
撮像素子25は、ズーム光学系27及びフォーカスレンズL4を透過した光束が結像する結像面となるCCDなどであり、この結像が図示しない各種回路により画像へと変換される。
ズーム光学系移動手段29は、沈胴筒12を駆動モータにより周方向に回動させることで、各レンズ保持枠15,18,19がカム部28の各撮像領域36,49,73,76,83の作用によりズーム動作をし、各非撮像領域35,48,72,75,82においては、各レンズ保持枠15,18,19を撮像素子25側に偏倚させ、非撮像時のレンズ鏡筒3の全長を短くする構成となっている。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、デジタルカメラ1を撮像可能状態とするためのレンズ鏡筒3の繰り出し動作を説明する。
図3に示す沈胴状態からデジタルカメラ1の電源を投入すると、ズーム光学系移動手段29の駆動モータが駆動され、この駆動モータの出力軸に噛合されたギア部38により、沈胴筒12が固定カム筒11に対して正面視で時計回り方向に回動し、カムフォロア39が固定カム筒11の固定カム溝31の図4に示す非撮像領域35に係合していることにより、沈胴筒12が非撮像領域35の形状に従って、この沈胴筒12の回動量に応じて前方へと移動する。
このとき、第1直進筒13は、第1突起部43が固定カム筒11の固定直進溝32に係合しかつ第1係合部44が沈胴筒12の溝部41に係合していることにより、沈胴筒12の周方向への回動には追従せず、沈胴筒12の前方への移動にのみ追従してこの沈胴筒12と等しい移動量で前方へと移動する。
また、移動カム筒16は、カムフォロア61が第1直進筒13の第1直進溝46を通じて沈胴筒12のカム溝45の図5に示す非撮像領域48に係合していることにより、沈胴筒12の周方向への回動に追従して周方向に回動しつつカム溝45の非撮像領域48の形状に従って、沈胴筒12の回動量に応じて前方へと移動する。このため、移動カム筒16は、沈胴筒12及び第1直進筒13の移動量よりも大きい移動量で前方へと移動する。
さらに、第2直進筒14は、第2突起部51が第1直進溝46に係合するとともに、第2係合部52が移動カム筒16の外周溝部62に係合していることにより、移動カム筒16の周方向への回動には追従せず、移動カム筒16の前方への移動にのみ追従してこの移動カム筒16と等しい移動量で前方へと移動する。
同時に、1群レンズ保持枠15は、ピン56が第2直進筒14の第2直進溝53に係合しかつカムフォロア57が移動カム筒16の外周カム溝63に係合していることにより、移動カム筒16の周方向への回動には追従せず、移動カム筒16の前方への移動にのみ追従して、外周カム溝63の図6に示す非撮像領域72の形状に従って、移動カム筒16の回動量に応じて前方へと移動する。このため、1群レンズ保持枠15は、移動カム筒16の移動量よりも大きい移動量で前方へと移動する。
また、第3直進筒17は、第3係合部87が移動カム筒16の内周溝部64に係合しかつ第3突起部86が第1直進筒13の第1直進溝46に係合していることにより、移動カム筒16の周方向への回動には追従せず、移動カム筒16の前方への移動にのみ追従してこの移動カム筒16と等しい移動量で前方へと移動する。
そして、2群レンズ保持枠18は、カムフォロア96が第3直進筒17の第1直進孔88を通して移動カム筒16の第1内周カム溝65に係合していることにより、移動カム筒16の周方向への回動には追従せず、移動カム筒16の回動による第1内周カム溝65の図7に示す非撮像領域75の形状に従って、移動カム筒16の回転量に応じて前方へと移動する。このため、2群レンズ保持枠18は、移動カム筒16の移動量よりも大きい移動量で前方へと移動する。
同様に、3群レンズ保持枠19は、カムフォロア112が第3直進筒17の第2直進孔89を通して移動カム筒16の第2内周カム溝66に係合していることにより、移動カム筒16の周方向への回動には追従せず、移動カム筒16の回動による第2内周カム溝66の図7に示す非撮像領域82の形状に従って、移動カム筒16の回転量に応じて、移動カム筒16に対して相対的に後方へと移動し、2群レンズ保持枠18との距離が離れることでシャッタ装置21を非撮像位置に保持する押圧力が開放されるととともに、固定カム筒11に対しては相対的に前方へと移動し、基板部22との距離が離れて挿通孔107に挿通されていたAFモータ24のリード部24aが挿通孔107から後方へ出る。
上記動作をまとめると、ズーム光学系移動手段29の駆動モータにより沈胴筒12が正面視時計回り方向へ回動されることにより、各カムフォロア39,57,61,96,112がカム部28の各非撮像領域35,48,72,75,82を各撮像領域36,49,73,76,83側へと漸次移動することに対応して、沈胴筒12及び第1直進筒13が略等しい移動量で前方へと移動し、移動カム筒16が沈胴筒12から前方へと徐々に突出するように移動し、第2直進筒14及び第3直進筒17が移動カム筒16と略等しい移動量で前方へと移動し、1群レンズ保持枠15が移動カム筒16から前方へと徐々に突出するように移動し、2群レンズ保持枠18が第3直進筒17内で相対的に前方へと移動し、3群レンズ保持枠19が、第3直進筒17内で相対的に後方へと移動して2群レンズ保持枠18との距離が離れて各2群凸形状部92と各当接部121との当接が漸次解除されるとともに固定カム筒11に対しては相対的に前方へと移動する。
そして、各カムフォロア39,57,61,96,112がカム部28の各非撮像領域35,48,72,75,82を全て撮像領域36,49,73,76,83側の端部へと移動し終えるとともに、AFモータ24がリード部24aを回動させてフォーカスレンズ保持枠23を前方へと移動させた状態で、ズーム光学系27のレンズL1、レンズ群L2及びレンズ群L3と、フォーカスレンズL4とが所定の位置に配設され、コイルスプリング122の付勢力によりシャッタ装置21が3群レンズ保持枠19に対して相対的に前方へとストッパ環123が3群フランジ部101に当接するまで、すなわち撮像位置まで押動され、レンズL8がシャッタ装置21の開口部115aから相対的に後方へと離れてシャッタ116が使用可能となることにより、デジタルカメラ1が撮像可能状態となる。
そして、この撮像可能状態では、ズーム光学系移動手段29の駆動モータが沈胴筒12を正面視時計回り、あるいは反時計回りに回動させることで、各撮像領域36,49,73,76,83と各カムフォロア39,57,61,96,112との係合により各レンズ保持枠15,18,19を相対的に前後へと移動させてズーム光学系27によりズーム動作をし、かつ、AFモータ24がリード部24aを回動させることでフォーカスレンズL4を前後に適宜移動させ、ズーム光学系27による結像のフォーカス動作をして、撮像素子25の結像面上の結像を所定の回路などにより画像に変換する。
一方、レンズ鏡筒3の繰り込み動作は、上記繰り出し動作と逆の動作により行なわれる。
すなわち、レンズ鏡筒3を図1に示す広角状態とした後、駆動モータにより沈胴筒12が正面視反時計回り方向へ回動されることにより、各カムフォロア39,57,61,96,112がカム部28の各非撮像領域35,48,72,75,82を各撮像領域36,49,73,76,83と反対側の端部へと漸次移動することに対応して、沈胴筒12及び第1直進筒13が略等しい移動量で後方へと移動し、移動カム筒16が沈胴筒12へと徐々に沈胴するように後方へと移動し、第2直進筒14及び第3直進筒17が移動カム筒16と略等しい移動量で後方へと移動し、1群レンズ保持枠15が移動カム筒16へと徐々に沈胴するように後方へと移動し、2群レンズ保持枠18が第3直進筒17内で相対的に後方へと移動する。
そして、3群レンズ保持枠19が、第3直進筒17内で相対的に前方へと移動して2群レンズ保持枠18と接近していき各2群凸形状部92及び各2群凹形状部93がそれぞれ各3群凹形状部103及び各3群凸形状部102と嵌合して各2群凸形状部92と各当接部121とが当接し、シャッタ装置21が3群レンズ保持枠19に接近するように後方へと徐々に押動されるとともに、3群レンズ保持枠19が固定カム筒11に対しては相対的に後方へ移動し、固定カム筒11の前後寸法内に各筒12,13,14,16,17及び各レンズ保持枠15,18,19が沈胴する。
さらに、各カムフォロア39,57,61,96,112がカム部28の各非撮像領域35,48,72,75,82を撮像領域36,49,73,76,83と反対側の端部へと全て移動し終えるとともに、AFモータ24がフォーカスレンズ保持枠23を最後方へと移動させた状態で、レンズL1、レンズ群L2、レンズ群L3及びフォーカスレンズL4が僅かな隙間を挟んで互いに接近し、かつ、コイルスプリング122が完全に縮み込むまでシャッタ装置21が3群レンズ保持枠19側へと押動されて非撮像位置に移動し、シャッタ116が開いてレンズ群L3が開口部115aに嵌合することにより、デジタルカメラ1が非撮像状態となる。
このように、上記一実施の形態によれば、3群レンズ保持枠19にシャッタ装置21を撮像時位置と非撮像時位置とで光軸方向に沿って移動可能に支持することで、撮像時と非撮像時とでのレンズ群L3とシャッタ装置21との光軸方向の間隔を可変としつつ、シャッタ装置側にレンズ保持枠を支持する従来の場合と比較して、例えばレンズ鏡筒3に外力が加わった際などの3群レンズ保持枠19とシャッタ装置21との相対的な位置ずれを抑制でき、レンズの光軸が移動しにくくなる(がたが生じにくくなる)。
すなわち、シャッタ装置にレンズ保持枠を支持する従来の場合には、レンズ保持枠をスムーズに移動できるように、レンズ保持枠を支持する部分に若干の隙間(クリアランス)を形成する必要があり、このようにレンズ保持枠を支持する部分にがたがあると、振動などによりレンズ保持枠がシャッタ装置及び光軸に対して移動してしまうのに対して、上記一実施の形態のように3群レンズ保持枠19にシャッタ装置21を支持する場合には、シャッタ装置21を支持する部分にがたがあり、このがたによりシャッタ装置21が3群レンズ保持枠19に対して移動してしまっても、3群レンズ保持枠が光軸に対して移動するのと比較して、撮像に対する影響が少なくなる。
また、ガイド孔105をそれぞれ3群レンズ保持枠19に設け、これらガイド孔105により3群レンズ保持枠19の外周縁部よりも内側にてシャッタ装置21を支持することで、レンズ鏡筒3全体の外径が大きくなることを抑制できる。
さらに、ガイド孔105を光軸に対して略回転対称に複数設けることにより、シャッタ装置21を3群レンズ保持枠19に対して光軸に対して傾斜することなく安定して支持できる。
そして、2群レンズ保持枠の後端部を光軸方向にてシャッタと重なる位置でシャッタ装置と当接する構成の場合には、2群レンズ保持枠とシャッタ装置との当接時に作用する力がシャッタのシャッタ羽根に及び、シャッタ羽根を湾曲変形させてしまうおそれがあるのに対して、上記一実施の形態では、シャッタ装置21側の当接部121を、シャッタ116に対して、2群レンズ保持枠18の2群凸形状部92への当接方向に重ならない位置に設けることで、各2群凸形状部92と各当接部121との当接によりシャッタ116が変形することを確実に防止できる。
また、当接部121を、周方向に幅広に形成することにより、2群レンズ保持枠18の2群凸形状部92と当接部121との接触面積が増加し、シャッタ装置21を押圧する力が分散するので、シャッタ116のシャッタ羽根などを変形させるおそれを、より抑制できる。
しかも、2群凸形状部92と当接部121とを周方向に複数箇所に設け、かつ、ガイド孔105によりシャッタ装置21の押動方向をガイドすることで、2群レンズ保持枠18がシャッタ装置21をバランスよく安定して押動できる。
そして、シャッタ装置21のシャッタ装置本体115を、AFモータ24のリード部24aとの干渉を避けるためにカット部117を設けてD字状としていることにより、シャッタ装置21の重心が下側に移動しているから、この重心位置に応じてガイド孔105を光軸より下側に偏倚させることで、シャッタ装置21を、より安定して3群レンズ保持枠19に支持できる。
さらに、例えばズーム用のレンズの前側に位置するシャッタ装置と一体的に移動可能に設けたフォーカスユニットによりフォーカスレンズを移動させる従来の場合では、フォーカスレンズを移動させるためのリード螺子などを、ズーム用のレンズを越えてフォーカスレンズに作用させるために長く形成する必要があるなど、レンズ鏡筒の大型化を招くおそれがあり、この大型化を避けるためにはシャッタ装置とフォーカスレンズとの位置が近くならざるを得なかったのに対して、上記一実施の形態では、ズーム光学系移動手段29によりシャッタ装置21をズーム光学系27の撮像時の位置と非撮像時の位置との移動に連動して撮像時位置と非撮像時位置とに移動させることで、フォーカスレンズL4をシャッタ装置21から比較的離れた位置に配設することが可能となり、レンズ鏡筒3の大型化を抑制しつつフォーカス動作の際の結像への収差の変動を抑制できる。
また、3群レンズ保持枠19とシャッタ装置21との間に設けたコイルスプリング122により、シャッタ装置21を非撮像時位置から撮像時位置へと付勢して移動可能とするとともに、2群レンズ保持枠18とシャッタ装置21とが、カム部28の非撮像領域35,48,72,75,82にて2群凸形状部92と当接部121とで当接することでコイルスプリング122の付勢力に抗してシャッタ装置21を3群レンズ保持枠19側へと押動させて非撮像時位置へと移動可能とすることで、レンズ鏡筒3の大型化及び部品点数の増加などを抑制してシャッタ装置21を容易に撮像位置と非撮像位置とに移動させることができるとともに、コイルスプリング122の付勢力でシャッタ装置21を3群レンズ保持枠19に対して保持でき、シャッタ装置21の位置ずれを抑制できる。
そして、2群レンズ保持枠18と3群レンズ保持枠19とを、互い接近させた際に各2群凸形状部92と各3群凹形状部103、及び、各2群凹形状部93と各3群凸形状部102が組み合うように形成することにより、例えば2群レンズ保持枠と3群レンズ保持枠とをそれぞれ筒形状とする場合などと比較して、非撮像時の各レンズ保持枠18,19との光軸方向の厚みを薄くでき、レンズ鏡筒3の非撮像時の全長をより短くできる。
しかも、非撮像時には、シャッタ116が開口してレンズ群L3がシャッタ装置21の開口部115a内に挿入されるので、シャッタ装置21と2群レンズ保持枠18との配設間隔を狭くでき、レンズ鏡筒3の非撮像時の全長をより短くできる。
また、3群レンズ保持枠19の3群フランジ部101のデッドスペースに形成したガイド孔105にてシャッタ装置21を支持することにとより、このデッドスペースを有効に利用でき、レンズ鏡筒3の大型化を効果的に抑制した状態でシャッタ装置21を3群レンズ保持枠19に保持できる。
すなわち、ズーム光学系27を構成するレンズの中で最も径が小さいレンズ群L3を保持する3群レンズ保持枠19には、1群レンズ保持枠15、あるいは2群レンズ保持枠18と比較して、レンズ群L3を保持する3群保持部104の周囲にデッドスペースが大きく形成されるため、3群レンズ保持枠19でシャッタ装置21を支持することにより、シャッタ装置21を支持するためのスペースを新たに確保する必要などがなく、レンズ鏡筒3の大型化などを防止できる。
さらに、主光線が光軸と交差する位置の前後の光束幅は細くなっているため、この後載置の近傍に配設された各レンズ群L2,L3の外径を、光束幅に対応して小さくできる。
また、カム部28の非撮像領域35,48,72,75,82は、撮像領域36,49,73,76,83を延長して形成されるものであるため、各カム筒11,16及び第1直進筒13などを大型化するなどの必要がなく、かつ、シャッタ装置21を3群レンズ保持枠19に支持するガイド孔105も2群レンズ保持枠18の外径よりも内側に配設されるので、レンズ鏡筒3の大型化を確実に抑制しながらシャッタ装置21の移動機構を構成できる。
そして、上記のようなレンズ鏡筒3を備えることで、撮像時と非撮像時とでのレンズ群L3とシャッタ装置21との光軸方向の間隔を可変としつつ、外力が加わった際などのレンズ群L3の光軸の移動を抑制して撮像に対する影響を抑制でき、かつ、フォーカス動作の際の結像への収差の変動を抑制でき、安定した撮像が可能になる。
なお、上記一実施の形態において、レンズ鏡筒3は、デジタルカメラ1以外の任意の撮像装置、あるいは任意の光学機器にも対応させて用いることが可能である。
また、レンズ鏡筒3は、2群レンズ保持枠18の後側に支持する構成、あるいは、1群レンズ保持枠15と2群レンズ保持枠18との間に配設する構成なども可能である。
さらに、上記構成は、3群ズームレンズ、あるいは5群ズームレンズなどのレンズ鏡筒にも適用できる。
本発明の一実施の形態の撮像装置のレンズ鏡筒の広角状態を示す縦断面図である。 同上レンズ鏡筒の望遠状態を示す縦断面図である。 同上レンズ鏡筒の沈胴状態を示す縦断面図である。 同上レンズ鏡筒の一部の外周部を示す展開図である。 同上レンズ鏡筒の一部の外周部を示す展開図である。 同上レンズ鏡筒の一部の外周部を示す展開図である。 同上レンズ鏡筒の一部の内周部を示す展開図である。 同上レンズ鏡筒の一部を前側から示す分解斜視図である。 同上レンズ鏡筒の一部を前側から示す斜視図である。 同上レンズ鏡筒の一部を後側から示す分解斜視図である。 同上レンズ鏡筒の一部を後側から示す斜視図である。
符号の説明
1 撮像装置としてのデジタルカメラ
2 筐体としてのカメラ本体
3 レンズ鏡筒
19 レンズ保持枠としての3群レンズ保持枠
21 遮光手段としてのシャッタ装置
105 支持部としてのガイド孔

Claims (4)

  1. 筐体に設けられ、使用時にこの筐体から繰り出され非使用時に前記筐体側に繰り込まれるレンズ鏡筒であって、
    レンズと、
    このレンズを保持し光軸方向に沿って移動可能なレンズ保持枠と、
    このレンズ保持枠に使用時位置と非使用時位置とで光軸方向に沿って移動可能に支持され、通過光量を規制する遮光手段と
    を具備したことを特徴としたレンズ鏡筒。
  2. レンズ保持枠に設けられ、遮光手段が使用時と非使用時とで光軸方向に沿って移動可能となるようにこの遮光手段を支持する支持部を具備し、
    前記遮光手段は、前記支持部により前記レンズ保持枠の外周縁よりも内側に支持されている
    ことを特徴とした請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 支持部は、光軸に対して略対称に複数設けられている
    ことを特徴とした請求項2記載のレンズ鏡筒。
  4. 筐体と、
    この筐体に設けられた請求項1ないし3いずれか一記載のレンズ鏡筒と
    を具備したことを特徴とした撮像装置。
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