JP3196359B2 - カメラの駆動機構 - Google Patents

カメラの駆動機構

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JP3196359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラの駆動機構に係
り、特に、1つのモータで撮影レンズの駆動とフィルム
の巻き上げ・巻き戻しとを行う駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラの分野では、ボディ内
の省スペースによる小型化とコストダウンとを図るた
め、モータ等のアクチュエータの個数を減らす試みがな
されている。例えば、本件出願人は、特願平3−161
597号において、モータの第1方向の回転でフィルム
の巻き上げ・巻き戻しを行うとともに、モータの第2方
向の回転で撮影レンズのズーミングを行うように構成
し、巻き上げと巻き戻しをレンズのズーミング位置に応
じて選択する一方で、ズーミング時の撮影レンズの駆動
方向を手動レバーの切り換えにより制御するようにした
駆動機構を提案している。
【0003】また、実開昭60−110835号公報で
は、モータの第1方向への回転で巻き上げを行い、第2
方向への回転で巻き戻しと2焦点撮影レンズの焦点距離
の切り換えを行うように構成し、巻き戻しと2焦点切り
換えの選択を手動操作によって行うようにした駆動機構
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記各構成では、1つ
のモータを撮影レンズとフィルムという2つの被駆動物
の駆動源としてモータ個数の低減を可能としているが、
前者では、撮影レンズ駆動方向を切り換えるために、ま
た後者では、フィルムの巻き戻しと撮影レンズの焦点距
離とを切り換えるために、それぞれ手動操作部材を設け
なければならないから、各構成部品の配置上の制約が生
じるとともに、カメラ内で駆動機構の占めるスペースが
増加しがちで、その結果、カメラの小型化が困難である
という問題を有していた。
【0005】したがって、本発明の解決すべき技術的課
題は、撮影レンズとフィルム給送機構とを1つのモータ
で駆動可能であり、しかもカメラの小型化が可能な駆動
機構を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカメラの駆
動機構は、撮影レンズの駆動とフィルムの給送とを行う
ものであって、上述の技術的課題を解決するために以下
のように構成されたことを特徴としている。
【0007】すなわち、正逆回転可能なモータと、フィ
ルム巻き上げ駆動系と、フィルム巻き戻し駆動系と、モ
ータの第1方向への回転を巻き上げ駆動系に伝達する一
方第2方向への回転を巻き戻し駆動系に伝達する第1伝
達手段と、所定範囲内で可逆動作可能に構成され且つそ
の可逆動作により撮影レンズを可逆的に駆動すべく撮影
レンズと連結された駆動部材とを備えている。また、駆
動部材が可動範囲の両端位置にあるときに第1伝達手段
と巻き上げまたは巻き戻し駆動系との接続を許容する一
方、可動範囲の両端よりも内側位置にあるときに第1伝
達手段と巻き上げ及び巻き戻し駆動系との接続を禁止す
る切り換え手段と、駆動部材が可動範囲内にあるときに
は、駆動部材を両方向へ駆動し、可動範囲の両端位置に
あるときには、駆動部材を可動範囲の外側へ動作させる
方向へは駆動部材を駆動せず、可動範囲の内側へ動作さ
せる方向へは駆動部材を駆動する第2伝達手段とを備え
ている。
【0008】なお、上記構成においては、第1、第2伝
達手段は、モータの回転方向に応じて異なる二位置間を
取り得る遊星ギヤを用いて構成することができ、切り替
え手段は、第1伝達手段として用いた遊星ギヤの位置を
規制するカムを用いて構成することができる。
【0009】
【作用・効果】上記構成においては、駆動部材が可動範
囲の両端にあるとき、駆動部材をその可動範囲の外側へ
動作させる方向へモータを回転させると、第2伝達手段
により駆動部材自体は駆動されない状態で、巻き上げ及
び巻き戻し駆動系と第1伝達手段とが接続される。この
モータの回転方向は駆動部材の可動範囲の両端でそれぞ
れ異なるから、可動範囲のいずれか一端でのモータの第
1方向への回転により巻き上げ駆動系を通じてフィルム
を巻き上げ、可動範囲の他端でのモータの第2方向への
回転により巻き戻し駆動系を通じてフィルムを巻き戻す
ことができる。
【0010】一方、駆動部材の可動範囲の両端でモータ
をそれぞれ逆方向へ回転させると、モータの駆動力は第
2伝達手段により駆動部材に伝達される。したがって、
駆動部材が可動範囲内で移動するから、今度は第1伝達
手段から巻き上げ及び巻き戻し駆動系への動力伝達が遮
断される。そのため、フィルムの給送を行わない状態で
撮影レンズの駆動のみを行うことができる。
【0011】このように、上記構成によれば、駆動部材
の可動範囲の一端で巻き戻しを、他端で巻き上げを行
い、その中間でレンズ駆動を行うことができる。そのた
め、撮影時には駆動部材を可動範囲の両端よりも内側で
動作させ、巻き上げ・巻き戻し時にのみ駆動部材を可動
範囲の両端にセットするようにモータの制御を行えば、
従来の駆動機構で必要であった手動操作用の部材を用い
ずに撮影レンズとフィルム給送機構の両方を駆動できる
から、操作部材による各部の配置上の制約がなくなり、
配置の自由度が大きくなるとともにカメラの小型化が可
能となる。
【0012】
【実施例】以下に、図1から図18に示した本発明の第
1実施例に係る駆動機構を適用したカメラについて詳細
に説明する。なお、本実施例のカメラは沈胴式の撮影レ
ンズ鏡胴を装備したカメラであり、駆動機構は、撮影レ
ンズのピント合わせとフィルムの給送とを行うように構
成されている。
【0013】図1は、モータの回転を、フィルムを1コ
マずつ巻き取るスプール(不図示)と一体的に形成された
スプールギヤ13と、フィルムパトローネ27側の巻き
戻しフォーク(不図示)と一体的に形成されたフォークギ
ヤ22とに伝達するためのギヤ列を示している。図にお
いて各ギヤは、簡略化のためにピッチ円直径のみを実線
で表している。1は、モータの出力軸に固定された出力
ギヤであり、2,3,4は、それぞれ大小のギヤが同軸上
に一体的に形成された減速ギヤ、5はアイドルギヤであ
る。6は太陽ギヤであり、遊星ギヤ7が、太陽ギヤ6と
同軸上で太陽ギヤ6に対して摩擦結合した状態で設けら
れた遊星キャリア8に保持され、太陽ギヤ6の回転に伴
って太陽ギヤ6の回りを公転しながら自転するようにな
っている。そして、太陽ギヤ6が図の反時計回り方向へ
回転したときに遊星ギヤ7と噛合するアイドルギヤ9
と、さらにアイドルギヤ9に連結されたアイドルギヤ1
0,11,12を介して、スプールギヤ13に回転が伝達
される。なお、モータ出力ギヤ1とスプールギヤ13は
同軸上に配置されているが、一体的に回転するものでは
なく、互いに自由に回転できるようになっている。
【0014】一方、太陽ギヤ6にはアイドルギヤ14が
噛合している。このアイドルギヤ14には第2の太陽ギ
ヤ15が噛合し、第2の遊星ギヤ16が、太陽ギヤ15
と同軸上に太陽ギヤ15と摩擦結合した状態で設けられ
た遊星キャリア17に保持されている。この遊星ギヤ1
6は、太陽ギヤ15が時計回り方向へ回転したときに、
アイドルギヤ18と噛合するようになっている。そし
て、このアイドルギヤ18の回転が、アイドルギヤ1
9,20,21を介してフォークギヤ22に伝達され、フ
ィルムの巻き戻しが行なわれる。
【0015】このように配置された各ギヤに対してカメ
ラの上方の位置に、撮影レンズ鏡胴23を駆動するカム
板24が配置され、カム板24(図2)には、モータの回
転方向に応じて遊星ギヤ7,16のいずれか一方が噛合
するラックギヤ24aが形成されている。そして、カム
板24は遊星ギヤ7,16のいずれかを通じてモータの
回転が伝達されたときに、図の右または左へ移動して、
撮影レンズ鏡胴を駆動するようになっている。このた
め、カム板24の上面には、図3に示すようにレンズ鏡
胴を駆動するためのカム24dが形成されている。レン
ズ鏡胴23は、図6(c)に示すようにカメラのボディ2
5に撮影レンズの光軸方向と平行に固定されたガイド軸
26と嵌合するガイド部23aを有している。 またレン
ズ鏡胴23はこのガイド部23aに、形成されたカムフ
ォロワピン23bがカム板24の動作時にカム24dに
追従して動作するように不図示の付勢部材により前方に
付勢されている。また、カム24dは、カム板24が移
動して撮影レンズ鏡胴23が可動範囲の両端位置となっ
てから、さらにカム板24が同じ方向へ少し移動する間
は、撮影レンズ鏡胴23がその位置を保持する形状に形
成されている。
【0016】一方、各遊星キャリア8,17は、カム板
24が下面に有するカム24b,24c(図2)によって移
動が規制されるように、各遊星ギヤ7,16と同心上の
位置に凸部8a,17aを有している。カム板24のカム
24b,24cは、図2のIV−IV線断面図である図4及びV
−V線断面図である図5に示すように、遊星キャリア8
の凸部8aと係合する部分24bと、遊星キャリア17の
凸部17aと係合する部分24cとから2段に構成されて
いる。そして、カム板24が図1の左右いずれかの方向
へ移動する際には、カム板24の位置によっては遊星キ
ャリア8,17の凸部8a,17aがカム24b,24cと当
接し、それによって、遊星ギヤ7,16の位置が規制さ
れ、スプールギヤ13及びフォークギヤ22への動力の
伝達が制御される。具体的には、カム24b,24cは、
カム板24が可動範囲の両端よりも内側で移動する範囲
内では各遊星ギヤ7,16が各アイドルギヤ9,18に噛
合せず、カム板24が可動範囲の両端位置となったとき
に、各遊星ギヤ7,16と各アイドルギヤ9,18とが噛
合する形状に構成されている。
【0017】次に、図6から図18を用いてこの機構の
動作について説明する。図6から図14は、この機構の
動作状態図であり、図6は撮影レンズの繰り出し時の基
準位置での状態、図7は撮影レンズのピントを任意の位
置で合わせた停止状態、図8は撮影レンズを最も繰り出
した位置でのフィルム巻き上げ状態、図9は撮影レンズ
を最も繰り出した位置からの撮影レンズ繰り込み状態、
図10は撮影レンズの繰り込み時の基準位置での状態、
図11は沈胴位置での撮影レンズ繰り込み状態、図12
は沈胴位置での撮影レンズ繰り出し状態、図13は沈胴
位置でのフィルム巻き戻し状態、図14はその位置から
の撮影レンズ繰り出し状態を示し、それぞれ、(a)図は
機構の全体的な動きを示す図、(b)図はカム板及び遊星
ギヤの動きを示す図、(c)図は撮影レンズ鏡胴の動きを
示す図である。また、図15から図18は、この機構の
動作を示すフローチャートである。
【0018】まず、カメラの電源スイッチをオンにした
ときの動きについて説明する。電源スイッチが切れてい
る状態では、撮影レンズは沈胴位置にあり、機構は図1
1に示す状態となっている。この状態でカメラの電源を
オンにすると、図15のフローチャートのステップ#0
1において、モータが正転を開始し、出力ギヤ1が図の
時計回り方向へ回転し、機構は図12の状態に変化す
る。このとき、モータの出力ギヤ1の回転は、ギヤ2,
3,4,5,6,14,15,16の順に伝達されて遊星ギヤ
16が時計回り方向へ回転し、カム板24が図の右方向
へ移動して撮影レンズ鏡胴23が繰り出される。そし
て、ステップ#02において、図6に示す基準位置とな
ったかどうかが不図示の検出手段の出力信号に基づいて
判別され、基準位置に達したときにステップ#03にお
いてモータが停止し、撮影準備が完了する。
【0019】次に、撮影時とフィルム給送時の機構の動
きについて図16のフローチャートに従って説明する。
撮影時にシャッターレリーズボタンが押されると、測光
・測距が行なわれ(不図示)、その測距データに基づき、
ステップ#11,#12,#13において撮影レンズが例
えば図7に示すような所定の位置(測距結果によってこ
の位置は変化する)で停止するまでモータが正転し、続
いてステップ#14において、測光データに基づいてシ
ャッターレリーズが実行される。シャッターレリーズが
完了すると、フィルムを巻き上げるためにステップ#1
5においてモータがさらに正転し、レンズを繰り出しな
がら機構は図8の状態に変化する。このとき、機構が図
8の状態となる直前にカム24bによる遊星ギヤ7の位
置規制が解除されて、遊星ギヤ7とアイドルギヤ9とが
噛合し、さらにラック24aが遊星ギヤ16から外れて
図8の状態となり、カム板24への動力の伝達が遮断さ
れた状態で、モータ出力ギヤ1の時計回り方向への回転
が遊星ギヤ7からアイドルギヤ9,10,11,12を介
してスプールギヤ13まで伝達され、スプールギヤ13
が図の反時計回り方向へ回転してフィルムが巻き上げら
れる。
【0020】次にステップ#16で、フィルムを終端ま
で巻き上げたかどうか不図示の検出手段によりが検出さ
れる。その結果、まだフィルムの終端に達していないと
判断されると、例えばフィルム通路にパーフォレーショ
ン検出用のセンサを設け、これを用いて通過したパーフ
ォレーションの個数をカウントするなどの方法により、
ステップ#17で、フィルムの1コマ巻き上げが完了し
たかどうかの判別が行なわれる。そして、1コマ巻き上
げが完了すると、ステップ#18においてモータが逆転
し、太陽ギヤ6,15がそれぞれ反転する。このとき、
遊星ギヤ7はカム板24のラック24aと噛合するが、
遊星ギヤ16は、凸部17aがカム24cと当接するため
にアイドルギヤ18と噛合するのが阻止される(図9)。
したがって、カム板24が図の左へ向かって送られ、撮
影レンズ鏡胴23が繰り込まれる。そして、ステップ#
19において図10に示す基準位置に達したことが検知
されたときに、ステップ#20においてモータの回転が
停止する。
【0021】一方、ステップ#16でフィルムの終端が
検知されると、フィルムを巻き戻すために、フィルムの
巻き上げ完了後と同様にモータが逆転する。この場合、
図9を経て図10の状態となった後、さらに図11の沈
胴位置を経て、機構は図13の状態となる。このとき、
カム板24が最も左側端の位置まで移動して、カム24
cによる遊星ギヤ16の位置規制が解除されるととも
に、遊星ギヤ7がラック24aから外れる。したがっ
て、撮影レンズ鏡胴23が停止したまま、モータの回転
がフォークギヤ22まで伝達され、フォークが時計回り
方向へ回転してフィルムがフィルムパトローネ内に巻き
取られて行く。ステップ#22では、巻き戻しが完了し
たかどうかがセンサにより検出され、巻き戻しが完了し
たときにステップ#23でモータが停止する。
【0022】次に、電源をオフにしたときの動作につい
て図17のフローチャートを用いて説明する。撮影時、
機構は図6または図10の基準位置にある。このとき電
源をオフにすると、ステップ#31でモータが逆転を開
始する。そして、ステップ#32で図11の沈胴位置と
なったかどうかが判別され、沈胴位置となったときにモ
ータが停止して動作が終了する。
【0023】次に、フィルムパトローネを装填したとき
のイニシャルローディング動作について図18のフロー
チャートを用いて説明する。
【0024】まず、フィルムパトローネを装填すると
き、機構は、巻き戻し完了後であるため、前述のように
図13の状態にある。フィルムパトローネが装填される
と、ステップ#41でモータが正転を開始し、機構は図
14、図12、図6の状態を経て、図8の状態まで変化
する。そして、モータがさらに回転を続け、カウントさ
れたパーフォレーションの個数からステップ#42で1
コマ目までフィルムが巻き上げられたと判断されたとき
に、機構を撮影可能な状態とするため、ステップ#43
でモータが逆転する(図9)。そして、ステップ#44で
機構が図10の基準位置となったかどうかの判別が行な
われ、基準位置となったと判断されたときにモータが停
止して(ステップ#45)、撮影準備が完了する。
【0025】以上説明したように、本実施例は、駆動部
材の可動範囲の一端で巻き戻しを、他端で巻き上げを行
うとともに、その中間でレンズ駆動を行うように構成
し、さらに必要な動作に応じてモータの回転を制御する
ようにしたものである。このため、従来の駆動機構で必
要であった切り換え用の手動操作部材が不要となるか
ら、操作部材による各部の配置上の制約がなくなり、配
置の自由度が大きくなるとともにカメラの小型化が可能
となる。
【0026】次に、図19から図22に示した第2実施
例に係る駆動機構について説明する。図19は、この機
構を撮影レンズ鏡胴の繰り出し状態で示す斜視図、図2
0は繰り込み状態で示す斜視図、図21はフィルム巻き
上げ状態で示す斜視図、そして図22はフィルム巻き戻
し状態で示す斜視図である。
【0027】図において、101は撮影レンズ鏡胴を構
成するカム筒であり、このカム筒101は、カメラのボ
ディに固定された固定筒(不図示)の周囲に回転可能に配
置されている。カム筒101は、図示していないが螺旋
状のカム溝を有し、固定筒は光軸と平行に延びる直線状
の溝を有している。そして、両方の溝に嵌合するカムフ
ォロアを有するレンズ保持枠が固定筒の内部に配置さ
れ、カム筒の回転に伴って光軸方向へ移動するようにな
っている。また、カム溝は、レンズが可動範囲の両端位
置を保ったまま、さらにカム筒がその外側へ回転できる
ように形成されている。
【0028】一方、フィルム給送用の動力を巻き上げス
プールと巻き戻しフォークに伝達するためのギヤ102
と、カム筒101を回転させてレンズを駆動するための
ギヤ103とが、カム筒101の周囲で、カメラボディ
側に固定された軸により回転可能に保持されモータによ
って駆動されるようになっている。ギヤ102と同軸上
には、ギヤ102と摩擦結合した遊星キャリア104が
配置され、この遊星キャリア104により、ギヤ102
と噛合するギヤ105が遊星ギヤとして保持されてい
る。この遊星ギヤ105の左右には、太陽ギヤ102の
回転方向に応じて、遊星ギヤ105がいずれかと噛合す
る巻き上げギヤ106及び巻き戻しギヤ107が配置さ
れ、巻き上げギヤ106及び巻き戻しギヤ107は、そ
れぞれ不図示のギヤ列を介して巻き上げスプール及び巻
き戻しフォークと連結されている。また、遊星キャリア
104の先端部104aはカム筒101の近傍まで延び
ており、カム筒101は、駆動範囲の両端よりも内側に
あるときに遊星キャリア104の先端部104aと係合
して遊星ギヤ105を位置規制し、その範囲の両端にあ
るときに遊星キャリア104を解放して遊星ギヤ105
を巻き上げギヤ106または巻き戻しギヤ107と噛合
させるように、カム筒101の周方向に延びたカム10
8,109を有している。
【0029】カム筒101は、その軸方向の一端部にお
ける周方向の一定領域内にギヤ部101aを有してい
る。また、このギヤ部101aの回転中心とギヤ103
の回転中心とを結ぶ線に対してほぼ対称に、ギヤ103
と噛合するアイドルギヤ110,114、ギヤ110,1
14と噛合する太陽ギヤ111,115、及びこの太陽
ギヤ111,115と同軸上に配置され太陽ギヤ111,
115と摩擦結合した遊星キャリア113,117に保
持された遊星ギヤ112,116が配置されている。そ
して、モータの一方向の回転は、ギヤ110,111,1
12を介してカム筒101に伝達され、そのとき、レン
ズが繰り出される方向へカム筒101が回転する。また
モータの逆方向の回転は、ギヤ114,115,116を
介してカム筒101に伝達され、そのとき、レンズが繰
り込まれる方向へカム筒101が回転する。
【0030】本実施例においては、カム筒101の可動
範囲の両端よりも内側では、遊星キャリア104の位置
がカム108,109の間に規制されるから、遊星ギヤ
105が巻き上げギヤ106及び巻き戻しギヤ107と
噛合せず、図19に示す状態でレンズの繰り出しを、あ
るいは図20に示す状態でレンズの繰り込みを行うこと
ができる。
【0031】一方、フィルムの巻き上げ時は、図21に
示すように、遊星キャリア104の先端がカム109か
ら外れる位置までカム筒101を回転させた上でモータ
を引き続き回転させれば、遊星ギヤ104が巻き上げギ
ヤ106と噛合するから、モータの回転をスプールに伝
達できる。なお、このとき、遊星ギヤ112がカム筒1
01のギヤ部101aから外れ、カム筒101がそれ以
上回転しないようにギヤ部101aの形成領域が定めら
れている。このようにしてフィルムの巻き上げが1コマ
分完了すると、モータが所定量逆転して遊星キャリア1
04の先端がカム108と当接するとともに、遊星ギヤ
116とギヤ部101aとの噛合によりカム筒101が
繰り込み方向へ回転して、遊星キャリア104がカム1
08,109の間に挟み込まれ撮影待機状態となる。し
たがって、撮影時はフィルムを給送せずにレンズ駆動だ
けを行うことができる。
【0032】フィルムの巻き戻し時は、図22に示すよ
うに遊星キャリア104の先端がカム108から外れる
位置までカム筒101を巻き上げ時と逆の方向へ回転さ
せた上で、モータを引き続き回転させれば、遊星ギヤ1
04が巻き戻しギヤ107と噛合するから、モータの回
転をフォークに伝達できる。このとき、遊星ギヤ116
がカム筒101のギヤ部101aから外れ、カム筒10
1がそれ以上回転しないようにギヤ部101aの形成領
域が定められている。また、フィルムの巻き戻しが完了
した後、フィルムパトローネが装填されると、モータが
正転して遊星キャリア104の先端がカム109と当接
するとともに、遊星ギヤ112とギヤ部101aとの噛
合によりカム筒101が繰り出し方向へ回転して、遊星
キャリア104がカム108,109の間に挟み込まれ
る。さらにモータを回転させると、図21の状態となっ
てフィルムを第1コマ目にセットした後、再度モータが
逆転して遊星キャリア104の先端がカム108と当接
し、遊星ギヤ116とギヤ部101aとの噛合によりカ
ム筒101が繰り込み方向へ回転して遊星キャリア10
4がカム108,109の間に挟み込まれ、レンズ駆動
が可能な撮影待機状態にセットされる。
【0033】本実施例においても、第1実施例と同様に
手動切り換えのための操作部材が不要であるから、各部
の配置上の制約がなく、配置の自由度が大きくなるとと
もにカメラの小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るカメラの駆動機構
の底面図である。
【図2】 カム板の下面図である。
【図3】 カム板の上面図である。
【図4】 図2のIV−IV線断面図である。
【図5】 図2のV−V線断面図である。
【図6】 撮影レンズ繰り出し時の基準位置を示し、
(a)図は駆動機構の全体的な動きを示す図、(b)図はカム
板及び遊星ギヤの動きを示す図、(c)図は撮影レンズ鏡
胴の動きを示す図である。
【図7】 撮影レンズのピントを任意の位置で合わせた
停止状態を示し、(a)図は駆動機構の全体的な動きを示
す図、(b)図はカム板及び遊星ギヤの動きを示す図、(c)
図は撮影レンズ鏡胴の動きを示す図である。
【図8】 撮影レンズを最も繰り出した位置でのフィル
ム巻き上げ状態を示し、(a)図は駆動機構の全体的な動
きを示す図、(b)図はカム板及び遊星ギヤの動きを示す
図、(c)図は撮影レンズ鏡胴の動きを示す図である。
【図9】 撮影レンズを最も繰り出した位置からの撮影
レンズ繰り込み状態を示し、(a)図は駆動機構の全体的
な動きを示す図、(b)図はカム板及び遊星ギヤの動きを
示す図、(c)図は撮影レンズ鏡胴の動きを示す図であ
る。
【図10】 撮影レンズ繰り込み時の基準位置を示し、
(a)図は駆動機構の全体的な動きを示す図、(b)図はカム
板及び遊星ギヤの動きを示す図、(c)図は撮影レンズ鏡
胴の動きを示す図である。
【図11】 沈胴位置での撮影レンズ繰り込み状態を示
し、(a)図は駆動機構の全体的な動きを示す図、(b)図は
カム板及び遊星ギヤの動きを示す図、(c)図は撮影レン
ズ鏡胴の動きを示す図である。
【図12】 沈胴位置での撮影レンズ繰り出し状態を示
し、(a)図は駆動機構の全体的な動きを示す図、(b)図は
カム板及び遊星ギヤの動きを示す図、(c)図は撮影レン
ズ鏡胴の動きを示す図である。
【図13】 超沈胴位置でのフィルム巻き戻し状態を示
し、(a)図は駆動機構の全体的な動きを示す図、(b)図は
カム板及び遊星ギヤの動きを示す図、(c)図は撮影レン
ズ鏡胴の動きを示す図である。
【図14】 沈胴位置でフィルムを巻き戻した後の撮影
レンズ繰り出し状態を示し、(a)図は駆動機構の全体的
な動きを示す図、(b)図はカム板及び遊星ギヤの動きを
示す図、(c)図は撮影レンズ鏡胴の動きを示す図であ
る。
【図15】 電源オン時の駆動機構の動作を示すフロー
チャートである。
【図16】 撮影時及びフィルムの巻き上げ・巻き戻し
時の駆動機構の動作を示すフローチャートである。
【図17】 電源オフ時の駆動機構の動作を示すフロー
チャートである。
【図18】 イニシャルローディング時の駆動機構の動
作を示すフローチャートである。
【図19】 本発明の第2実施例に係る駆動機構を撮影
レンズ鏡胴の繰り出し状態で示す斜視図である。
【図20】 この駆動機構を撮影レンズ繰り込み状態で
示す斜視図である。
【図21】 この駆動機構をフィルム巻き上げ状態で示
す斜視図である。
【図22】 この駆動機構をフィルム巻き戻し状態で示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 出力ギヤ 2,3,4 減速ギヤ 5 アイドルギヤ 6,15 太陽ギヤ 7,16 遊星ギヤ 8,17 遊星キャリ
ア 8a,17a 凸部 9〜12 アイドルギ
ヤ 13 スプールギヤ 14,18〜21 ア
イドルギヤ 22 フォークギヤ 23 撮影レンズ鏡胴 23a ガイド部 23b ピン 24 カム板 24a ラックギヤ 24b,24c,24d カム 25 ボディ 26 ガイド軸 27 フィルムパトロ
ーネ 101 カム筒 101a ギヤ部 102 太陽ギヤ 103 ギヤ 104 遊星キャリア 104a 端部 105 遊星ギヤ 106 巻き上げギヤ 107 巻き戻しギヤ 108,109 カム 110,114 ギヤ 111,115 太陽
ギヤ 112,116 遊星ギヤ 113,117 遊星
キャリア

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズ(23)の駆動とフィルムの給送
    とを行うカメラの駆動機構において、 正逆回転可能なモータと、 フィルム巻き上げ駆動系(9〜13,106)と、 フィルム巻き戻し駆動系(18〜22,107)と、 上記モータの第1方向への回転を上記巻き上げ駆動系(9
    〜13,106)に伝達する一方第2方向への回転を上記巻き
    戻し駆動系(18〜22,107)に伝達する第1伝達手段(7,16,
    105)と、 所定範囲内で可逆動作可能に構成され且つ該可逆動作に
    より上記撮影レンズ(23)を可逆的に駆動すべく該撮影レ
    ンズ(23)と連結された駆動部材(24,101)と、 上記駆動部材(24,101)が可動範囲の両端位置にあるとき
    に上記第1伝達手段(7,16,105)と巻き上げまたは巻き戻
    し駆動系(9〜13,18〜22)との接続を許容する一方、該可
    動範囲の両端よりも内側位置にあるときに該第1伝達手
    段(7,16,105)と巻き上げ及び巻き戻し駆動系(9〜13,18
    〜22,106,107)との接続を禁止する切り換え手段(8a,17
    a,24b,24c,104a,108,109)と、 上記駆動部材(24,101)が可動範囲内にあるときには、該
    駆動部材を両方向に駆動し、可動範囲の両端位置にある
    ときには、該駆動部材(24,101)を可動範囲の外側へ動作
    させる方向へは該駆動部材(24,101)を駆動せず、該可動
    範囲の内側へ動作させる方向へは該駆動部材(24,101)を
    駆動する第2伝達手段(7,16,24a,101a,110〜117)とを備
    えたことを特徴とするカメラの駆動機構。
  2. 【請求項2】 撮影レンズの駆動とフィルム給送とを行
    なうカメラの駆動機構において、 正逆方向に回転可能なモータと、 フィルム巻き上げ駆動系と、 フィルム巻き戻し駆動系と、 モータの第1方向の回転が伝達された場合には、撮影レ
    ンズを繰り出し方向に駆動し、モータの第2方向の回転
    が伝達された場合には、撮影レンズを繰り込み方向に駆
    動する、レンズ駆動部材と、 レンズ駆動部材が所定範囲に位置する場合は、モータの
    第1方向および第2方向の回転をフィルム巻き上げ駆動
    系およびフィルム巻き戻し駆動系に伝達することなくレ
    ンズ駆動部材に伝達するとともに、レンズ駆動部材が上
    記所定範囲の外に位置する場合は、モータの一方向の回
    転をレンズ駆動部材に伝達し、モータの他方向の回転を
    フィルム巻き上げ駆動系またはフィルム巻き戻し駆動系
    に伝達する、伝達手段と、 を備えたことを特徴とする、カメラの駆動機構。
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