JPH09236854A - カメラの駆動切換機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】１つのモータを一方向に回転させることによっ
て、フィルム送出・巻上及びフィルム巻戻しが行え、モ
ータを他方向に回転させてることによって、異なる駆動
機構を動作させるカメラの駆動切換機構を提供するこ
と。 【解決手段】カメラ２５内にはモータ１３が配置され、
このモータ１３で駆動する太陽歯車２７とこの太陽歯車
２７に噛合して公転する遊星歯車２８とでクラッチ機構
部を構成している。モータ１３の駆動力は、遊星歯車２
８が、第１の被駆動歯車となる第１のギヤ２９または第
２の被駆動歯車となる第１の伝達用ギヤ３２に噛合する
ことによって、フィルムスプール軸１２及びフィルム巻
取軸２ａまで伝達されて、モータ１３の正回転に対して
フィルムスプール軸１２及びフィルム巻取軸２ａが正回
転あるいは逆回転して、フィルムマガジンからのフィル
ム送出・巻上げ及びフィルムマガジンへのフィルム巻戻
しが行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、送り出し機能付フ
ィルムを用いるカメラに関し、特に１つのモータでフィ
ルム送出し、フィルム巻上げ、フィルム巻戻しの他に、
レンズ駆動などを行えるカメラの駆動切換機構に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】最近、従来の１３５型フィルム・パトロ
ーネと異なり、フィルム面上に磁気情報記録部を設け、
フィルム先端をパトローネ外部に露出しないようにし
た、新しい型のフィルム・フィルムマガジンが提案され
ている。この新しい型のフィルム・パトローネ（以下フ
ィルムマガジンと記載）では、カメラ内にフィルムマガ
ジンを装填した後、フィルムマガジン内のフィルム巻取
軸を回転させることによってフィルムが外部に送り出さ
れるようになっている。

【０００３】特開平４−１２５５３０号公報にはこの新
しい型のフィルムマガジンを用いたカメラのフィルム給
送機構が開示されている。このカメラのフィルム給送機
構は、給送モータと歯車列とによってフィルム巻取軸を
回転させてフィルムマガジン内のフィルムを外部に送り
出すときの第１の速度と、このフィルムマガジン内から
送り出されたフィルムを第１の速度よりも速い、第２の
速度でフィルムスプール軸へ巻付けて巻上げるようにし
てフィルム給送機構の巻上げに共ない、送り出し駆動を
解除する方式のものである。

【０００４】また、特開平２−６７５３５号公報には、
送り出し機能付フィルムを用いるカメラのフィルム給送
機構として、フィルム巻取軸上のフィルム巻取軸とギヤ
との間及びフィルムスプール軸の軸とギヤとの間に、各
々一方向の回転のみを伝達し、他方向からの回転を伝達
しない、いわゆるワンウエイクラッチを設け、このワン
ウエイクラッチを有効にするため、巻上げの減速比より
も巻戻しの減速比を大きく設定し、さらに巻上げの減速
比より送り出しの減速比を大きく設定したフィルム給送
機構が提案されている。

【０００５】さらに、ＵＳＰ５、２５１、８４０号及び
特開平５−４５８０１号公報に示されているフィルムカ
ートリッジでは、写真フィルムを巻き付けたフィルムカ
ートリッジ（以下フィルムマガジンと記載）内のフィル
ム巻取軸の両端に、柔軟な素材で成形されたフランジを
嵌め、このフランジの周縁部に一体成形された舌片状の
突起を設け、フィルムマガジン内のフィルム巻取軸に巻
かれた写真フィルムの最外周を両側端から部分的に包み
込んで、写真フィルムの巻き緩みを防止している。これ
により、フィルムマガジン内のフィルム巻取軸を送り出
し方向に回転させると、写真フィルムは巻きが緩むこと
なく上記フィルム巻取軸と一体的に回転する。このと
き、前記突起は、フィルムマガジン本体に設けられた写
真フィルム出入口付近で写真フィルム幅方向に広げられ
て、写真フィルム出入口を形成し、この写真フィルム出
入口から写真フィルムの送り出しを行なうことが可能な
構造になっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カメラ
内に装填したフィルムマガジン内のフィルムの送り出し
及び巻上げを行なう際、モータを例えば正回転させて行
い、フィルムの巻戻しを行なう際にはこのモータを逆回
転させて行なっていた。このため、このモータをフィル
ム送り出し、フィルム巻上げ、フィルム巻戻し以外の駆
動機構に使用することは不可能であった。

【０００７】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、１つのモータを一方向に回転させることによっ
て、フィルム送り出し及びフィルム巻上げと、フィルム
巻戻しとが行え、モータを他方向に回転させてることに
よって上記フィルム送り出し、フィルム巻上げ、フィル
ム巻戻しと異なる駆動機構を動作させることを可能にし
たカメラの駆動切換機構を提供することを目的としてい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のカメラの駆動切
換機構は、単一のモータと、該モータの回転方向に応じ
て正・逆回転される太陽歯車と、上記太陽歯車と常に噛
合してこの太陽歯車周りを公転する遊星歯車と、上記遊
星歯車の公転軌跡上にそれぞれ設けられ、上記遊星歯車
と噛合して選択的に駆動される第１、第２及び第３の被
駆動歯車と、上記モータの一方向回転時、上記第３の被
駆動歯車の回動に連動して上記遊星歯車の公転軌跡内の
突出位置から公転軌跡外の退避位置までの間を移動する
ストッパと、上記ストッパの位置に応じて、上記モータ
の他方向回転時に上記第１、第２の被駆動歯車のどちら
か一方に切換えて駆動する切換手段と、上記第１の被駆
動歯車及び上記第２の被駆動歯車に連結されている第１
の出力軸及び第２の出力軸とを具備し、上記モータの上
記他方向回転によって、上記遊星歯車が第１の被駆動歯
車に噛合している場合は上記第１及び第２の出力軸を正
回転させ、上記遊星歯車が第２の被駆動歯車に噛合して
いる場合は上記第１及び第２の出力軸を逆回転させてい
る。

【０００９】この構成によれば、モータを他方向に回転
させて太陽歯車を回転させるとき、この太陽歯車に噛合
して公転する遊星ギヤが第１の被駆動歯車に噛合するこ
とによって第１の出力軸及び第２の出力軸が太陽歯車と
同一方向に回転し、上記太陽歯車に噛合して公転する遊
星ギヤが第２の被駆動歯車に噛合することによって第１
の出力軸及び第２の出力軸が太陽歯車と逆方向に回転す
る。

【００１０】即ち、モータの回転方向が同一方向であっ
ても、遊星歯車が第１の被駆動歯車に噛合することによ
り第１の出力軸及び第２の出力軸が共に正回転を行い、
遊星歯車が第２の被駆動歯車に噛合することにより第１
の出力軸及び第２の出力軸が共に逆回転する。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１ないし図１２は本発明の一実
施形態に係り、図１はカメラの概略構成を示す説明図、
図２はカメラのフィルム給送機構の概略構成を示す説明
図、図３はフィルムとフィルム従動ローラとの接触状態
を説明する断面図、図４〜図７は１つのモータで４つの
駆動分割を可能にしたフィルム給送機構の構成を説明す
るものであり、図４はフィルム送出し時を説明する図、
図５はフィルム巻上げ時を説明する図、図６はレンズド
ライブ駆動時を説明する図、図７はフィルム巻戻し時を
説明する図、図８はレンズドライブカム位置検出器の概
略構成を示す説明図、図９はフィルム先端がフィルムマ
ガジン内に収納されている状態を示す図、図１０はフィ
ルム先端がフィルムマガジンの外に送り出されている状
態を示す図、図１１はカメラの駆動機構をカメラ内に配
置したときの１例を示す図、図１２は図１１のカメラの
駆動機構を上方から見たときの図である。

【００１２】図１及び図２に示すようにカメラ２５内に
配設されているフィルム１は、フィルムマガジン２内よ
りフィルム送出機構によって送り出されるものであり、
このフィルム１の各撮影コマ３に対応するように例え
ば、撮影年月日、撮影条件などの情報が記録される磁気
情報記録部となる磁気トラック４と２つのパーフォレー
ション５，６とが設けられている。なお、カメラ２５内
にフィルムマガジン２が収納されたとき、図９に示すよ
うにフィルムマガジン２内のフィルム１のフィルム先端
１ａはマガジン内に位置している。

【００１３】上記フィルムマガジン２内には第１の出力
軸となるフィルム巻取軸２ａが設けられており、このフ
ィルム巻取軸２ａにフィルム１が巻回している。上記フ
ィルムマガジン２をカメラ２５内に収納すると、フィル
ム巻取軸２ａの一端部にフォークギヤ１０が係合するよ
うになっており、上記フォークギヤ１０が例えば図２に
示す時計方向に回転することによってマガジン内のフィ
ルム１が、図１０に示すようにマガジンの外に送り出さ
れるようになっている。なお、フォークギヤ１０を上述
とは逆に反時計方向に回転させることによって、図１０
に示すようにマガジン外に送り出されていたフィルム１
をマガジン内に巻き戻すことができるようになってい
る。

【００１４】上記フィルムマガジン２内から送り出され
たフィルム１は、アッパン２２及びこのアッパン内の撮
影画面部（図示せず）を通過し、パーフォレーション検
出回路１４に接続されているフォトリフレクタ（以下Ｐ
Ｒと略記する）７を経て、磁気データ書き込み回路１５
を設けた磁気ヘッド８を通過した後、フィルム１の移動
に追従して回転するフィルム従動ローラ９を通って第２
の出力軸となるフィルムスプール軸１２に到達する。

【００１５】図３に示すようにフィルム従動ローラ９
は、パルス発生クシバ部９ａとフィルム１の撮影コマ３
の上方外側面及び下方外側面にそれぞれ当接する一対の
ローラ部９ｂとを備えており、上記パルス発生クシバ部
９ａには従動ローラ回転検出回路１６に接続されたフォ
トインタラプタ（以下ＰＩという）１１が配設されてい
る。なお、符号２６は従動ローラ９のローラ部９ｂをフ
ィルム１に密着させるように付勢するバネであり、この
バネ２６の付勢力によってローラ部９ｂがフィルム１に
密着することにより従動ローラ９がスムーズに回転する
ようになっている。

【００１６】上記フィルム従動ローラ９を通過したフィ
ルム１が、フィルムスプール軸１２に到達すると、フィ
ルム先端１ａがフィルムスプール軸１２にいったん巻き
取られることによって、クラッチ及びギヤ列１７を後述
するようにフィルム送出し状態からフィルム巻上げ状態
に切換えて、フィルム１をフィルムスプール軸１２に巻
き上げていくようになっている。

【００１７】上記フィルムスプール軸１２内には後述す
るようにフィルム送出し，フィルム巻上げ，フィルム巻
戻し及びオートフォーカス用の撮影レンズ２１を移動さ
せるレンズドライブ（以下ＬＤと記載する）の駆動源に
なるモータ１３が配設されている。このモータ１３の回
転方向を後述するように正回転あるいは逆回転させて、
上記クラッチ及びギヤ列１７を送出し・巻上げギヤ列や
巻戻しギヤ列に切り換えることによってフィルムの送出
し・巻上げやフィルムの巻戻しを行ったり、ＬＤ駆動に
切換えることによってオートフォーカス用の撮影レンズ
２１を駆動させて撮影が行えるようになっている。

【００１８】なお、上記モータ１３はモータ制御回路１
８に接続されている。また、上記フィルムスプール軸１
２のフィルム当接部にゴムチューブ６０を被覆してフィ
ルム１を巻取り易くしている。さらに、符号２０は上記
パーフォレーション検出回路１４，磁気データ書き込み
回路１５，従動ローラ回転検出回路１６，モータ制御回
路１８及びＬＤカム位置検出器１９にそれぞれ接続され
ているＣＰＵである。

【００１９】図４ないし図７に示すようにカメラ２５内
にはフィルムスプール軸１２側に配置されたモータ１３
で駆動される太陽歯車２７と、この太陽歯車２７に噛合
して公転する遊星歯車２８とでクラッチ機構部を構成し
ている。

【００２０】また、上記フィルム巻取軸２ａの一端部に
係合するフォークギヤ１０を太陽ギヤとして、このフォ
ークギヤ１０と上記フォークギヤ１０に噛合して公転す
るフィルム送り遊星ギヤ３９とでフィルム送出機構の要
部となるフィルム送り歯車機構を構成している。

【００２１】上記モータ１３の駆動力は、クラッチ機構
部の遊星歯車２８が、第１の被駆動歯車となる第１のギ
ヤ２９または第２の被駆動歯車となる第１の伝達用ギヤ
３２に噛合することによって、上記フィルムスプール軸
１２及び上記フィルム巻取軸２ａまで伝達される。

【００２２】上記第１のギヤ２９と第１の伝達ギヤ３２
との間にはフィルムスプール軸１２を回転させる第２の
ギヤ３０及びＷＲアイドラ３１など偶数個のギヤを配設
して、これら第１のギヤ２９と第１の伝達ギヤ３２とが
互いに異なる方向に回転するように構成している。

【００２３】上記遊星歯車２８が第１のギヤ２９に噛合
しているとき、モータ１３の駆動力は第１のギヤ２９及
び第２のギヤ３０を介してフィルムスプール軸１２に伝
達されると共に、上記第２のギヤ３０の回転がＷＲアイ
ドラ３１，第１の伝達用ギヤ３２，第２の伝達用ギヤ３
３，第３の伝達用ギヤ３４，第４の伝達用ギヤ３５，第
５の伝達用ギヤ３６，第６の伝達用ギヤ３７，伝達用遊
星ギヤ３８，遊星ギヤ３９及びフォークギヤ１０を介し
てフィルム巻取軸２ａに伝達されるようになっている。
このとき、上記フィルムスプール軸１２及びフィルム巻
取軸２ａは、モータ１３の回転方向と同方向に回転する
太陽歯車２７と同方向に回転する。

【００２４】一方、上記遊星歯車２８が第１の伝達ギヤ
３２に噛合しているときには、モータ１３の駆動力は第
１の伝達ギヤ３２，ＷＲアイドラ３１及び第２のギヤ３
０を介してフィルムスプール軸１２に伝達されると共
に、上記第１の伝達ギヤ３２から第２の伝達用ギヤ３
３，第３の伝達用ギヤ３４，第４の伝達用ギヤ３５，第
５の伝達用ギヤ３６，第６の伝達用ギヤ３７，伝達用遊
星ギヤ３８，遊星ギヤ３９及びフォークギヤ１０を介し
てフィルム巻取軸２ａに伝達されるようになっている。
このとき、上記フィルムスプール軸１２及びフィルム巻
取軸２ａは、モータ１３の回転方向と同方向に回転する
太陽歯車２７と逆方向に回転する。

【００２５】上記第６の伝達用ギヤ３７は、上記遊星歯
車２８と噛合するギヤが、第１のギヤ２９であるか第１
の伝達ギヤ３２であるかによって回転方向が異なるよう
に回転駆動される太陽ギヤ（以下伝達用太陽ギヤ３７と
記載する）であり、この伝達用太陽ギヤ３７の周囲を公
転する伝達用遊星ギヤ３８とで伝達用遊星歯車機構が形
成されている。この伝達用太陽ギヤ３７と伝達用遊星ギ
ヤ３８とは伝達用ギヤアーム５０で連結されている。

【００２６】そして、上記カメラ２５内にはオートフォ
ーカス用の撮影レンズ２１の移動及び上記遊星歯車２８
が第１のギヤ２９または第１の伝達ギヤ３２のどちらか
一方に噛合するように遊星歯車２８の公転範囲を切り換
えるストッパとなるアームストッパ４４とこのアームス
トッパ４４を遊星歯車の公転軌跡内から公転軌跡外まで
回動させるＬＤカムギヤ４３とで構成された切換手段を
駆動させる第３の被駆動歯車となる第１のＬＤ伝達用ギ
ヤ４１と、この第１のＬＤ伝達用ギヤ４１に噛合する第
２のＬＤ伝達用ギヤ４２とで構成されるＬＤ歯車列が設
けられている。

【００２７】なお、上記太陽歯車２７と遊星歯車２８と
はクラッチ部用ギヤアーム４６で連結されており、上記
フォークギヤ１０とフィルム送り遊星ギヤ３９とはフィ
ルム送りギヤアーム５３で連結されている。

【００２８】また、上記撮影レンズ２１は、ＬＤカムギ
ヤ４３に設けられているストッパカム４３ａと、このス
トッパカム４３ａの動きに追従して動くアームストッパ
４４の回動により移動するようになっており、図８に示
すように構成されているＬＤカム位置検出器１９のＬＤ
カムＳＷ４７ａ，４７ｂから出力される信号によってＬ
Ｄカムギヤ４３の位置が判定されるようになっている。

【００２９】さらに、カメラ２５の下側に配置されてい
る上記第５の伝達用ギヤ３６と、カメラ２５の上側に配
置されている上記伝達用太陽ギヤ３７とは連結軸６１に
よって連結されて、同方向に回転するように構成されて
いる。

【００３０】ここで、図４ないし図７を参照してモータ
１３によるフィルム送出し，フィルム巻上げ，フィルム
巻戻し及びレンズドライブについて説明する。まず、図
４を参照してフィルム送出しについて説明する。

【００３１】フィルムマガジン２がカメラ２５の所定位
置に収納されるとフィルム巻取軸２ａにフォークギヤ１
０が係合した状態なる。この状態で、カメラ２５に備え
られている図示しないフィルム送出しスイッチを操作し
てフィルム１の送出しを指示する。

【００３２】すると、ＬＤカム位置検出器１９によっ
て、上記ＬＤカムギヤ４３に追従して動くアームストッ
パ４４のアーム係止部４４ａが遊星歯車２８の公転軌跡
外の退避位置に移動しているか否かの確認が行われる。
このとき、上記アーム係止部４４ａが上記退避位置にあ
ることが確認されたならば、モータ１３を正回転させて
クラッチ機構部を構成する太陽歯車２７を図に示すよう
に時計方向に回転させる。すると、この太陽歯車２７に
噛合している遊星歯車２８が公転して、クラッチ部用ギ
ヤアーム４６を固定ストッパ４８に当接させて、遊星歯
車２８と第１のギヤ２９とが噛合する。

【００３３】上記遊星歯車２８と第１のギヤ２９とが噛
合することにより、モーター１３の正回転による駆動力
は、太陽歯車２７，遊星歯車２８，第１のギヤ２９及び
第２のギヤ３０に伝達され、この第２のギヤ３０に噛合
しているフィルムスプール軸１２を太陽歯車２７と同方
向に回転させる。

【００３４】また、上記第２のギヤ３０に伝達された駆
動力は、第２のギヤ３０に噛合しているＷＲアイドラ３
１，第１の伝達用ギヤ３２，第２の伝達用ギヤ３３，第
３の伝達用ギヤ３４，第４の伝達用ギヤ３５，第５の伝
達用ギヤ３６及び連結軸６１を介して伝達用太陽ギヤ３
７に伝達される。すると、この伝達用太陽ギヤ３７に噛
合している伝達用遊星ギヤ３８が公転して伝達用ギヤア
ーム５０を固定ストッパ５１に当接させて、上記伝達用
遊星ギヤ３８と、フィルム送り歯車機構を構成するフィ
ルム送り遊星ギヤ３９とが噛合し、フォークギヤ１０を
矢印方向に回転させて上記フィルム巻取軸２ａを図に示
す通り上記太陽歯車２７と同方向に回転させてマガジン
内からフィルム１を送り出していく。

【００３５】このフィルムマガジン２から送り出された
フィルム１は、アッパン２２，撮影画面（不図示），Ｐ
Ｒ７，磁気ヘッド８，フィルム従動ローラ９を経由して
フィルムスプール軸１２に到達して、モータ１３の駆動
力が伝達されて回転しているフィルムスプール軸１２に
巻きつく。

【００３６】なお、フィルムスプール軸１２の回転速度
は、フィルム１を送り出すフィルム巻取軸２ａの回転速
度より速く回転するように各ギヤのギヤ比が設定されて
いる。また、フォークギヤ１０に噛合している第７の伝
達用ギヤ４０は矢印方向に回転している。

【００３７】次に、図５を参照してフィルムの巻上げに
ついて説明する。上述のように上記フィルム１がフィル
ムスプール軸１２に巻きつくと、フィルム１はフィルム
巻取軸２ａより速く回転しているフィルムスプール軸１
２によって巻き取られていく。このため、上記フィルム
１は、フィルムスプール軸１２に引張られて、上記フォ
ークギヤ１０が送出し時の回転速度より早い速度で回転
を始める。このことによって、このフォークギヤ１０が
フィルム送り遊星ギヤ３９に対して駆動側になる。即
ち、上記フォークギヤ１０がフィルム送り遊星ギヤ３９
に対して太陽ギヤになってフィルム送出し状態からフィ
ルム巻上げ状態に移行する。

【００３８】上記フォークギヤ１０が太陽ギヤになるこ
とにより、このフォークギヤ１０に噛合しているフィル
ム送り遊星ギヤ３９が矢印Ａ方向に公転していく。そし
て、このフィルム送り遊星ギヤ３９に連結されているフ
ィルム送りギヤアーム５３がストッパ５５に当接し、上
記伝達用遊星ギヤ３８とフィルム送り遊星ギヤ３９との
噛合を断たれる。このため、上記モータ１３の駆動力
は、伝達用遊星ギヤ３８からフィルム送り遊星ギヤ３９
を介してフォークギヤ１０に伝達されることなく、上記
フィルムスプール軸１２だけに伝達してフィルムの巻上
げを行ない、フィルム１の１コマ目を撮影可能な状態に
する。

【００３９】フィルム巻上げ時、伝達用遊星歯車機構と
フィルム送り歯車機構との噛合を断つことにより、フィ
ルム送り歯車機構のフォークギヤをモータの駆動力で回
転させること無く、モータの駆動力をフィルムスプール
軸だけに効率良く伝達して、フィルム巻上げ時のモータ
消費電流を少なくすると共に、フィルム巻取軸が回転す
ることによって発生するフィルムの送り出し過剰を無く
してフィルム給送速度を一定にして磁気トラックへの磁
気記録が安定する。

【００４０】次いで、図６を参照してレンズドライブに
ついて説明する。所定の位置に配置されたフィルム１に
撮影を行なう際、図に示す撮影レンズ２１を移動させて
オートフォーカスが行なわれる。このとき、上記モータ
１３は、上述のフィルム送出し・フィルム巻上げ時の正
回転に対して逆回転する。上記モータ１３が逆回転する
ことにより、太陽歯車２７が図に示すように反時計方向
に回転し、この太陽歯車２７に噛合している遊星歯車２
８が太陽歯車２７の回りを反時計方向に公転して、クラ
ッチ部用ギヤアーム４６をストッパ４９に当接させて遊
星歯車２８と第１のＬＤ伝達用ギヤ４１とが噛合する。

【００４１】上記遊星歯車２８と第１のＬＤ伝達用ギヤ
４１とが噛合することによって、モータ１３から出力さ
れる逆方向に回転する駆動力は、太陽歯車２７，遊星歯
車２８を介して第１のＬＤ伝達用ギヤ４１及び第２のＬ
Ｄ伝達用ギヤ４２に伝達されてＬＤカムギヤ４３を矢印
方向に回転させる。このＬＤカムギヤ４３が回転するこ
とによって、このＬＤカムギヤ４３に一体のＬＤカム４
３ｂが回転して、このＬＤカム４３ｂに当接している図
示しないフォーカス用レバーによって撮影レンズ２１が
所定の位置に移動させられた後、図示しないシャッター
が開閉動作されて露出し、１コマ巻上げ状態になる。

【００４２】撮影後、フィルム１を１コマ巻上げると
き、ＬＤカムギヤ４３のストッパカム４３ａによって、
アームストッパ４４が退避状態になっている。このた
め、再びモータ１３を正回転させることによって、遊星
歯車２８が太陽歯車２７の回りを時計方向に公転して、
図５で説明したようにクラッチ部用ギヤアーム４６を固
定ストッパ４８に当接させ、遊星歯車２８と第１のギヤ
２９とを噛合させてフィルム１の巻上げが行われる。

【００４３】このとき、ＰＲ７とパーフォレーション検
出回路１４とによりフィルム１の２コマ目を所定の位置
に停止させて２コマ目を撮影状態にする。このフィルム
巻上げの際、１コマ目の撮影情報が磁気ヘッド８によっ
て磁気トラック４に記録される。なお、磁気記録は、フ
ィルム１の移動に伴い回転してパルスを発生させるフィ
ルム従動ローラ９とＰＩ１１とによってタイミングパル
スを発生させて行なわれるようになっている。

【００４４】次いで、図７を参照してフィルムの巻戻し
について説明する。本フィルム１の巻戻しは、フィルム
マガジン２内のフィルム撮影コマ終了時、及びフィルム
撮影コマ終了前に行える。このため、カメラ２５に備え
られている図示しないフィルム巻戻しスイッチを操作す
ることによってフィルム１の巻戻しの指示がなされるよ
うになっている。

【００４５】このため、フィルム巻戻しの際まず、フィ
ルム巻戻しスイッチを操作する。すると、ＬＤカムギヤ
４３の切換えを行なう。

【００４６】上記ＬＤギヤ４３の切換えは、図６で説明
したレンズドライブ時と同様であり、上記モータ１３を
逆回転させることによって行なう。上記モータ１３を逆
回転させることにより、遊星歯車２８は、第１のＬＤ伝
達用ギヤ４１に噛合する。このことにより、モータ１３
の駆動力が第１のＬＤ伝達用ギヤ４１，第２のＬＤ伝達
用ギヤ４２を介して伝達されてＬＤカムギヤ４３をフィ
ルム巻戻し位置まで駆動する。このＬＤカムギヤ４３が
フィルム巻戻し位置になると、ＬＤカムギヤ４３のアー
ムストッパカム４３ａによりアームストッパ４４のアー
ムストッパ摺動部４４ｂをアームストッパバネ４５の付
勢力によってＬＤカムギヤ４３に当接させる。このこと
により、アームストッパ係止部４４ａが図６及び図７に
示すように遊星歯車２８の公転軌跡内の突出位置に移動
する。

【００４７】また、前記ＬＤカムギヤ４３が巻戻し位置
に到達すると、ＬＤカムＳＷ４７ａ，４７ｂよりＬＤガ
ムギヤ４３が巻戻し位置に配置されていることを知らし
める信号が出力されて、モータ１３が送出し・巻上げ時
と同様に正回転を開始する。すると、上記遊星歯車２８
が太陽歯車２７の回りを時計方向に公転していくが、上
記アームストッパ係止部４４ａが突出位置に移動してい
ることからクラッチ部用ギヤアーム４６がアームストッ
パ係止部４４ａに当接して公転を停止して、遊星歯車２
８と第１の伝達用ギヤ３２とが噛合する。

【００４８】この遊星歯車２８と第１の伝達用ギヤ３２
とが噛合することにより、モータ１３がフィルム送出し
・フィルム巻上げ時と同方向に回転しているにも関ら
ず、第１の伝達用ギヤ３２がフィルム送出し・フィルム
巻上げ時と逆方向に回転する。

【００４９】この第１の伝達用ギヤ３２の回転は、ＷＲ
アイドラ３１及び第２のギヤ３０を介してフィルムスプ
ール軸１２に伝達されて、フィルムスプール軸１２を反
時計方向に回転させる一方、上記第１の伝達用ギヤ３２
の回転は、第２の伝達用ギヤ３３，第３の伝達用ギヤ３
４，第４の伝達用ギヤ３５，第５の伝達用ギヤ３６，連
結軸６１，伝達用太陽ギヤ３７に伝達されて、この伝達
用太陽ギヤ３７に噛合している伝達用遊星ギヤ３８を公
転させて伝達用ギヤアーム５０を固定ストッパ５２に当
接させ、上記伝達用遊星ギヤ３８と第７の伝達用ギヤ４
０とを噛合させてフィルム送り歯車機構を構成するフォ
ークギヤ１０を、送出し・巻上げ時と逆の矢印方向に回
転させて上記フィルム巻取軸２ａを反時計方向に回転さ
せる。

【００５０】このとき、フィルムスプール軸１２の回転
速度は、フィルム１を巻き戻すフィルム巻取軸２ａの回
転速度より速く回転するように各ギヤのギヤ比が設定さ
れているので、フィルム巻取時、フィルムスプール軸１
２がフィルム巻取軸２ａより速い速度で回転する。この
ため、フィルムスプール軸１２に巻回されていたフィル
ム１とフィルムスプール軸１２との密着状態が開放され
て、いわゆる「ブカ巻」状態になってフィルム１がフィ
ルムマガジン２内のフィルム巻取軸２ａに巻き戻されて
いく。そして、送り出されていたフィルム１の巻戻しが
完了した時点でフィルムマガジン２のカメラ２５からの
取り出しが可能になる。

【００５１】なお、フィルム送り遊星ギヤ３９は、フォ
ークギヤ１０の回りを反時計方向に公転して、図４に示
した送出しの初期位置に復帰する。このため、次に、新
たなフィルムマガジンが装填されたとき、そのままフィ
ルム送出しに移行できるようになっている。

【００５２】ここで、図１１及び図１２を参照してカメ
ラの駆動切換機構のカメラ２５内への配置例を説明す
る。図に示すようにフィルムスプール軸１２上にはスト
ロボ６２が配置されており、フィルムマガジン２の上方
部にはレリーズボタン６４が配置され、このレリーズボ
タン６４の下部には電池６３が収納されるようになって
いる。

【００５３】上述で説明した第１の被駆動歯車であるギ
ヤ２９及び第２の被駆動歯車である伝達ギヤ３２は、フ
ィルムマガジン２に連結する複数のギヤで構成されるギ
ヤ列のつながりから、フィルムスプール軸１２近傍で且
つ、フィルムマガジン２に向かう方向（光軸側）に位置
している。

【００５４】このように、カメラ内に設けたモータの駆
動力に応じて回転する太陽歯車の周囲を公転する遊星歯
車を、第１の被駆動歯車あるいは第２の被駆動歯車に噛
合させることにより、第１の出力軸であるフィルム巻取
軸及び第２の出力軸であるフィルムスプール軸の回転方
向を、モータの回転方向を変化させることなく、太陽歯
車と同方向に回転させたり、太陽歯車と逆方向に回転さ
せて、フィルム送出し・巻取り及びフィルム巻戻しを行
なうことができると共に、このモータを逆回転させるこ
とによって、太陽歯車を逆方向に回転させてこの太陽歯
車に噛合している遊星歯車を公転させてＬＤ歯車列を構
成する第３の被駆動歯車である第１のＬＤ伝達用ギヤに
噛合させてＬＤカムギヤを回転させて、フォーカス用レ
バーを介して撮影レンズを移動させて撮影を行なうこと
ができる。

【００５５】このことによって、図１３に示すように本
実施形態のクラッチ部用ギヤアーム４６を係止する位
置、言い換えれば、モータ１３の正回転によって公転す
る遊星歯車２８に噛合する被駆動歯車が、第１のギヤ２
９であるか、第１の伝達ギヤ３２であるかによって、モ
ータの一方向の回転でフィルム巻取軸及びフィルムスプ
ール軸をそれぞれ正・逆回転させてフィルム送出し・巻
上げ及びフィルム巻戻しを行なうことができる。

【００５６】また、モータ１３を逆回転させて上記遊星
歯車２８と第１のＬＤ伝達用ギヤ４１とを噛合させるこ
とによってＬＤギヤ４３を回転させて撮影レンズ２１の
移動を行なって焦点のあった撮影を行なうことが可能に
なるので、図１４に示す従来例のようにフィルム送出し
・巻上げとフィルム巻戻しとをモータの回転方向を変え
ることによって行なっていたとき必要であった可動スト
ッパ４４０を切換えるための可動ストッパ駆動源などが
不要になってカメラ内の設計の自由度が大幅に向上す
る。

【００５７】［付記］ １．フィルム送り出し機能を有するフィルムマガジンを
使用するカメラの駆動切換機構において、単一のモータ
と、該モータの回転方向に応じて正・逆回転される太陽
歯車と、上記太陽歯車と常に噛合してこの太陽歯車周り
の公転軌跡上にて第１、第２又は第３の被駆動歯車と噛
合し、上記モータの回転力をこの第１、第２及び第３の
被駆動歯車へ選択的に伝達する遊星歯車と、上記第３の
被駆動歯車の回動に連動して上記遊星歯車の公転軌跡内
の突出位置と公転軌跡外の退避位置との間を移動するス
トッパと、を具備しており、上記モータの正回転により
上記遊星歯車が噛合し第１の被駆動歯車に動力を伝達し
てフィルム送り出し及びフィルム巻上げ駆動を行い、上
記モータの逆回転により上記遊星歯車が噛合し上記第３
の被駆動歯車に動力を伝達し、さらに上記第３の被駆動
歯車の回動により上記ストッパを上記突出位置とした状
態で上記モータを正回転させることで上記遊星歯車が噛
合し上記第２の被駆動歯車へ動力を伝達してフィルム巻
戻し駆動を行なうカメラの駆動切換機構。

【００５８】２．単一のモータと、該モータの回転方向
に応じて正・逆回転される太陽歯車と、上記太陽歯車と
常に噛合してこの太陽歯車周りを公転する遊星歯車と、
上記遊星歯車の公転軌跡上にそれぞれ設けられ、上記遊
星歯車と噛合して選択的に駆動される第１、第２及び第
３の被駆動歯車と、上記第３の被駆動歯車の回動に連動
して上記遊星歯車の公転軌跡内の突出位置と公転軌跡外
の退避位置との間を移動するストッパと、上記モータの
一方向回転により上記第３の被駆動歯車の駆動と上記ス
トッパの位置移動選択を可能とし、上記モータの他方回
転時の上記第１、第２の被駆動歯車のどちらか一方を駆
動するかを選択する選択手段と、上記第１の被駆動歯車
及び上記第２の被駆動歯車に連結されている第１の出力
軸及び第２の出力軸と、を具備しており、上記モータの
上記他方回転によって、上記遊星歯車が第１の被駆動歯
車に噛合している場合は上記第１及び第２の出力軸を正
回転させ、上記遊星歯車が第２の被駆動歯車に噛合して
いる場合は上記第１及び第２の出力軸を逆回転させるカ
メラの駆動切換機構。

【００５９】３．フィルムをフィルム巻取軸に巻回して
収納しているフィルムマガジンを装填使用するカメラ駆
動切換機構において、単一のモータと、該モータの回転
方向に応じて正・逆回転される太陽歯車と、上記太陽歯
車と常に噛合してこの太陽歯車周りに公転する遊星歯車
と、上記遊星歯車の公転軌跡上にそれぞれ設けられ、上
記遊星歯車と噛合して選択時に駆動される第１、第２及
び第３の被駆動歯車と、上記第３の被駆動歯車の回動に
連動して上記遊星歯車の公転軌跡内の突出位置と公転軌
跡外の退避位置との間を移動するストッパと、上記モー
タの一方向回転により上記遊星歯車が噛合し上記第３の
被駆動歯車の駆動を行なうと共に該第３の被駆動歯車の
回動位置により上記ストッパの位置移動選択を可能と
し、上記モータの他方向回転時の上記第１、第２の被駆
動歯車のどちらか一方を駆動するかを選択する選択手段
と、上記第１の被駆動歯車及び上記第２の被駆動歯車に
連結され、上記フィルムが巻回されるとき回動するフィ
ルム巻取軸及びフィルムスプール軸と、を具備してお
り、上記モータの他方向回転によって、上記遊星歯車が
第１の被駆動歯車に噛合している場合は上記フィルム巻
取軸及び上記フィルムスプール軸を正回転させて上記フ
ィルムマガジンからのフィルム送り出し及びこの送出さ
れたフィルムの巻上げ動作を行い、上記遊星歯車が第２
の被駆動歯車に噛合している場合は上記フィルム巻取軸
及び上記フィルムスプール軸を逆回転させてフィルム巻
戻し動作を行うカメラの駆動切換機構。

【００６０】４．上記第３の被駆動歯車は撮影レンズを
駆動する付記１ないし付記３記載のカメラの駆動切換機
構。

【００６１】５．上記第３の被駆動歯車はシャッタを駆
動する付記１ないし付記３記載のカメラの駆動切換機
構。

【００６２】６．上記第３の被駆動歯車は撮影レンズの
焦点距離を可変駆動する付記１ないし付記３記載のカメ
ラの駆動切換機構。

【００６３】７．上記第１の被駆動歯車と上記第２の被
駆動歯車とが、偶数個の歯車を介して連結されている付
記１ないし付記３記載のカメラの駆動切換機構。

【００６４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、１
つのモータを一方向に回転させることによって、フィル
ム送出し・巻上げ及びフィルム巻戻しが行え、モータを
他方向に回転させてることによって、異なる駆動機構を
動作させることが可能なカメラの駆動切換機構を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１ないし図１０は本発明の一実施形態に係
り、図１はカメラの概略構成を示す説明図

【図２】カメラのフィルム給送機構の概略構成を示す説
明図

【図３】フィルムとフィルム従動ローラとの接触状態を
説明する断面図

【図４】図４〜図７は１つのモータで４つの駆動分割を
可能にしたフィルム給送機構の構成を説明するものであ
り、図４はフィルム送出し時を説明する図

【図５】フィルム巻上げ時を説明する図

【図６】レンズドライブ駆動時を説明する図

【図７】フィルム巻戻し時を説明する図

【図８】レンズドライブカム位置検出器の概略構成を示
す説明図

【図９】フィルム先端がフィルムマガジン内に収納され
ている状態を示す図

【図１０】フィルム先端がフィルムマガジンの外に送り
出されている状態を示す図

【図１１】カメラの駆動機構をカメラ内に配置したとき
の１例を示す図

【図１２】図１１のカメラの駆動機構を上方から見たと
きの図

【図１３】本実施形態のカメラの駆動機構の効果を説明
する図

【図１４】本実施形態のカメラの駆動機構の効果と比較
される従来のカメラの駆動機構を示す図

【符号の説明】

２ａ…フィルム巻取軸 １２…フィルムスプール軸 １３…モータ ２７…太陽歯車 ２８…遊星歯車 ２９…第１のギヤ ３２…第１の伝達ギヤ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単一のモータと、 該モータの回転方向に応じて正・逆回転される太陽歯車
   と、 上記太陽歯車と常に噛合してこの太陽歯車周りを公転す
   る遊星歯車と、 上記遊星歯車の公転軌跡上にそれぞれ設けられ、上記遊
   星歯車と噛合して選択的に駆動される第１、第２及び第
   ３の被駆動歯車と、 上記モータの一方向回転時、上記第３の被駆動歯車の回
   動に連動して上記遊星歯車の公転軌跡内の突出位置から
   公転軌跡外の退避位置までの間を移動するストッパと、 上記ストッパの位置に応じて、上記モータの他方向回転
   時に上記第１、第２の被駆動歯車のどちらか一方に切換
   えて駆動する切換手段と、 上記第１の被駆動歯車及び上記第２の被駆動歯車に連結
   されている第１の出力軸及び第２の出力軸と、 を具備し、 上記モータの上記他方向回転によって、上記遊星歯車が
   第１の被駆動歯車に噛合している場合は上記第１及び第
   ２の出力軸を正回転させ、上記遊星歯車が第２の被駆動
   歯車に噛合している場合は上記第１及び第２の出力軸を
   逆回転させることを特徴とするカメラの駆動切換機構。
2. 【請求項２】上記第１の被駆動歯車と上記第２の被駆動
   歯車とが偶数個の歯車を介して連結されていることを特
   徴とする請求項１記載のカメラの駆動切換機構。
3. 【請求項３】フィルムをフィルム巻取軸に巻回して収納
   しているフィルムマガジンを装填使用するカメラの駆動
   切換機構において、 単一のモータと、 該モータの回転方向に応じて正・逆回転される太陽歯車
   と、 上記太陽歯車と常に噛合してこの太陽歯車周りを公転す
   る遊星歯車と、 上記遊星歯車の公転軌跡上にそれぞれ設けられ、上記遊
   星歯車と噛合して選択的に駆動される第１、第２及び第
   ３の被駆動歯車と、 上記モータの一方向回転時、上記第３の被駆動歯車の回
   動に連動して上記遊星歯車の公転軌跡内の突出位置から
   公転軌跡外の退避位置までの間を移動するストッパと、 上記ストッパ位置に応じて、上記モータの他方方向回転
   時に上記第１、第２の被駆動歯車のどちらか一方に切換
   えて駆動する切換手段と、 上記第１の被駆動歯車及び上記第２の被駆動歯車に連結
   され、上記フィルムが巻回されるとき回動するフィルム
   巻取軸及びフィルムスプール軸と、 を具備し、 上記モータの他方向回転によって、上記遊星歯車が第１
   の被駆動歯車に噛合している場合は上記フィルム巻取軸
   及び上記フィルムスプール軸を正回転させて上記フィル
   ムマガジンからのフィルム送り出し及びこの送り出され
   たフィルムの巻上げ動作を行い、上記遊星歯車が第２の
   被駆動歯車に噛合している場合は上記フィルム巻取軸及
   び上記フィルムスプール軸を逆回転させてフィルム巻戻
   し動作を行うことを特徴とするカメラの駆動切換機構。