JPH05119375A - 一眼レフカメラのフイルム給送機構 - Google Patents

一眼レフカメラのフイルム給送機構

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Publication number
JPH05119375A
JPH05119375A JP3307235A JP30723591A JPH05119375A JP H05119375 A JPH05119375 A JP H05119375A JP 3307235 A JP3307235 A JP 3307235A JP 30723591 A JP30723591 A JP 30723591A JP H05119375 A JPH05119375 A JP H05119375A
Authority
JP
Japan
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film
motor
gear
rotation
winding
Prior art date
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Application number
JP3307235A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Sasagaki
信明 笹垣
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一眼レフカメラのスプールドライブ方式のフ
ィルム給送機構を、簡単な構成にて構成し、さらに全体
の小型化、低コスト化を図る。 【構成】 単一のモータ1によりフィルム巻取りスプー
ル10を回転させてフィルム巻上げを行なうように構成
する。モータ1の正、逆両方向回転をフィルム巻上げ手
段10、シャッタ、ミラーチャージ手段72,80、フ
ィルム巻戻し手段26aに伝達する三つの伝達手段を設
ける。さらに、チャージ手段と巻戻し手段に至る伝達手
段間に、チャージ手段側への回転伝達を先に行なわせる
空転手段17a,18aを設ける。さらに、フィルム巻
上げ時の回転力を利用して、空転手段を初期状態に復帰
させる復帰手段25,29,31を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一眼レフカメラに用い
て好適なフィルムの給送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からモータの動力を利用することに
より、カメラのフィルム巻上げ、巻戻し等を行なうフィ
ルム給送機構が、たとえば特開平1-287547号公報を始め
として種々提案されている。
【0003】そして、この中で最近は、特にモータの制
御方法の発達と機構の簡素化、効率化のために、モータ
によりカメラのフィルム巻取りスプールに動力を伝達
し、フィルムを巻上げるとともに、そのフィルムの移動
量をスプロケットにより検出し、モータの回転を制御す
るスプールドライブ方式を用いたフィルム給送方法が、
主流となってきている。
【0004】しかし、このようなスプールドライブ方式
を用いたカメラにおいては、スプールにフィルムが巻取
られていくに従い、巻取りスプールの直径が、巻取られ
るフィルム量に伴なって太くなるために、一回の巻上げ
動作をさせる際のスプールの回転量を刻々と変化させな
ければならない。したがって、一眼レフカメラにおいて
は、一回の巻上げ動作中に、定量回転機構であるシャッ
タやミラーのチャージ機構と、不定量回転機構であるフ
ィルムの巻上げ機構を両方駆動せねばならないことにな
る。さらに、フィルムを巻戻す際には、フィルム巻戻し
機構をも駆動させなければならないことになる。
【0005】従来このような場合の駆動方法としては、
定量回転機構用と不定量回転機構用にモータを二個使用
し、第1のモータの回転によりシャッタやミラーをチャ
ージし、第2のモータの一方向への回転によりフィルム
巻上げを、そして他方向への回転によりフィルム巻戻し
を行なうといった方法が知られていた。
【0006】また、一個のモータの第1の方向への回転
で定量回転機構であるシャッタやミラーのチャージ機構
を駆動し、第2の方向への回転で不定量回転機構である
フィルム巻上げ、巻戻し機構を駆動するという方法も知
られている。
【0007】しかし、このような方法によれば、モータ
の第2の方向への回転を、必要に応じてフィルム巻上げ
手段とフィルム巻戻し手段に切替えて伝達することが必
要とされる。
【0008】このような切替え手段としては、撮影に先
立ってフィルムを全てスプールに巻上げてしまい、以後
一駒撮影毎に巻戻していく、いわゆるプリワインド方式
を採用し、裏蓋の開放に連動させて前記モータの第2の
方向への回転をフィルム巻上げ手段に連結させ、プリワ
インドによる巻上げが完了してモータが第1の方向に回
転することにより、モータの第2の方向への回転をフィ
ルム巻戻し手段に連結するように切替える方法や、モー
タの第1の方向への回転によるチャージ動作の完了時、
その停止点を二個所に設けておき、第1の停止点で停止
した状態からモータを第2の方向に回転させたときにフ
ィルム巻上げ手段に連結させ、第2の停止点で停止した
状態からモータを第2の方向に回転させたときにフィル
ム巻戻し手段に連結させるように切替える方法などが、
従来から知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来技術において前者のものでは、モータおよ
びその減速機構が二組必要となるために、コストが高く
なり、また装置全体の小型化も困難となるものであっ
た。
【0010】一方、後者のもののうちプリワインドを用
いる方法では、フィルムに予め設けられている撮影駒数
の番号と、実際の撮影順序が逆転してしまうという問題
点や、フィルム装填から撮影開始までに時間がかかると
いう欠点を有していた。
【0011】また、チャージ完了時の停止点を二個所設
ける方法では、所望の停止点で確実に停止させるために
モータ制御が難しくなり、さらにその切替え機構も複雑
になるという欠点をもつもので、これらの問題点を一掃
し得る何らかの対策を講じることが望まれている。
【0012】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、簡単な構成によって小型化、低コ
スト化を達成し得るスプールドライブ方式による一眼レ
フカメラにおけるフィルム給送機構を得ることを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る一眼レフカメラのフィルム給送機構
は、単一のモータによりフィルム巻取りスプールを回転
させてフィルム巻上げを行なうにあたって、シャッタや
クイックリターンミラーを作動させるためのばねをチャ
ージする手段と、このチャージ手段にモータの第1の方
向への回転を伝達する第1の伝達手段と、チャージ手段
によるチャージ動作完了を検出するチャージ完了検出手
段と、チャージ手段によりチャージされたばねを開放さ
せてシャッタ、クイックリターンミラーの動作を開始さ
せる前記モータとは別の駆動手段によって作動されるレ
リーズ手段と、フィルム巻取りスプールの回転によりフ
ィルムを巻上げる手段と、モータの第2の方向への回転
を巻上げ手段に伝達する第2の伝達手段と、パトローネ
ハブの回転にてフィルムをパトローネ内に巻戻す手段
と、モータの第1の方向への回転を巻戻し手段に伝達す
る第3の伝達手段と、モータの第1の方向への回転によ
りチャージ手段がチャージされている間は第3の伝達手
段への伝達を禁止させ得るように第1および第3の伝達
手段間に設けられた空転手段と、レリーズ手段によるレ
リーズ動作の後にモータを第1の方向に回転させてチャ
ージ手段によるチャージ動作を行なわせ、チャージ完了
検出手段から信号が入力されるとモータを第2の方向に
回転させてフィルム巻上げ手段によるフィルム巻上げ動
作を行なうように制御する制御手段と、フィルム巻上げ
動作中のパトローネハブの回転により前記空転手段をチ
ャージ前の状態に復帰させる復帰手段とを備えてなる構
成としたものである。
【0014】また、本発明によれば、上述した構成に加
えて、フィルム巻戻し動作の開始信号を出力する巻戻し
開始信号出力手段と、フィルムの巻戻し動作の完了を検
出する巻戻し完了検出手段とを設け、かつ前記制御手段
を、巻戻し開始信号出力手段からの信号が入力したとき
にモータを第1の方向に回転させ、巻戻し完了信号検出
手段からの信号が入力するまでの間は前記チャージ完了
検出手段の信号にかかわらず回転を継続させるように制
御する機能を付加したり、フィルムが装填されたときに
一駒目までの頭出しを行うフィルム頭出し手段を設け、
この頭出し手段によって、モータを第2の方向に回転さ
せてフィルムを巻上げる動作と、モータを第1の方向に
回転させてフィルムのたるみを除去する動作の双方を行
なえるように構成したものである。
【0015】
【作用】本発明によれば、単一のモータからの正、逆両
方向への回転力によって、フィルムの巻上げ、シャッタ
やミラーのチャージとフィルムの巻戻しを、所要の状態
で行なえ、またチャージと巻戻しの切替えを空転手段に
より行なえ、さらにフィルムの巻上げに伴なうパトロー
ネハブの回転を利用して前記空転手段の初期位置への復
帰動作を行なえる。
【0016】また、本発明によれば、フィルムの巻戻し
状態を検出する手段やフィルム頭出し手段によって、モ
ータの駆動状態を所要の状態で制御し、フィルム終端か
らの自動的なフィルム巻戻しや、フィルム装填時の空送
り制御、さらにパトローネ内でのたるみ取りを行なえ
る。
【0017】
【実施例】図1ないし図4は本発明に係る一眼レフカメ
ラのフィルム給送機構の一実施例を示すものである。こ
こで、図1の(A)は本発明の主要機構の要部斜視図で
あり、巻上げ完了時点の状態を示し、また同図の(B)
はその要部とする四節リンク機構による巻戻し時の動作
を説明するための概略斜視図である。さらに、図2およ
び図3は本実施例のシャッタチャージ機構、ミラー駆動
機構を示す平面図およびその動作説明図であり、図2は
図1の(A)と同じく巻上げ完了時点でのチャージ状態
を、図3はこれら両機構のレリーズ操作時の動作状態を
示している。また、図4は本実施例によるフィルム給送
機構、シャッタ機構、ミラー駆動機構全体の概略構成を
示すブロック図である。
【0018】まず、本実施例でのフィルム給送機構の全
体の概略構成を、図1を用いて簡単に説明する。
【0019】すなわち、図中符号1はフィルムの巻上
げ、巻戻しを行なうフィルム給送用の単一のモータで、
このモータ1の回転は、回転軸1aに設けられたギヤ
2、減速ギヤ3,4を介してギヤ5aに伝達される。そ
して、このギヤ5aと固定軸6を中心として一体に回転
するギヤ5b、このギヤ5bに噛合うギヤ7およびアー
ム8は、遊星ギヤ機構を構成しており、この場合にギヤ
5bが太陽ギヤ、7が遊星ギヤである。この遊星ギヤ機
構は、モータ1の回転を、フィルム巻取りスプール10
(フィルム巻上げ手段)と、図示しないフィルムパトロ
ーネハブに係合するフォーク26a(フィルム巻戻し手
段)に伝達するフィルム巻上げ系、またはカメラのシャ
ッタ、ミラーをチャージするチャージ手段やフィルム巻
戻し系に伝達するための伝達経路の切替えを行なう切替
え機構となるものである。
【0020】したがって、ギヤ5bが右旋(図中時計方
向への回転)すると、その回転はフィルムスプール10
側のギヤ9に、左旋(図中反時計方向への回転)する
と、シャッタ、ミラーのチャージ手段やフィルムパトロ
ーネ側への伝達系を構成するギヤ11a側に伝達される
ことになる。なお、ギヤ7とアーム8の間には、遊星ギ
ヤ機構の切替え動作を安定させるために、公知のように
摩擦機構(図示せず)が配設されることは言うまでもな
い。
【0021】ここで、上述したギヤ9はスプールギヤ1
0aに噛合い、その回転がフィルム巻取り用のスプール
10に伝達されることで、フィルムの巻取りが行われる
ようになっている。すなわち、上述した遊星ギヤ機構を
構成する太陽ギヤ5b、遊星ギヤ7、ギヤ9、スプール
ギヤ10a等によって、スプール10をフィルム巻上げ
回転させる伝達手段が構成される。
【0022】また、このスプール10によってフィルム
が巻取られていくと、フィルムのパーフォレーション
(図示せず)と係合する四歯の爪50aを有するスプロ
ケット50が回転する。その回転は、スプロケット50
と一体に回転するギヤ51からギヤ52へと伝達され
る。このギヤ52上には、その回転に伴いパルス信号を
発生する電極パターン52aと、ギヤ52の一回転で一
回ONする電極パターン52bが設けられており、ブラ
シ53,54が、これらの電極と接触している。
【0023】なお、本実施例においては、フィルム一駒
分の巻上げでギヤ52が1回転するようにギヤ51とギ
ヤ52との減速比が定められている。また、前記電極パ
ターン52aとブラシ53とによって構成されるスプロ
ケットスイッチSW1(以下、スプロスイッチという)
からは、フィルム一駒の巻上げで16個のパルスが発生
し、パターン52bとブラシ54とによって構成される
スプロケット基準スイッチSW2(以下、スプロ基準ス
イッチという)からは、フィルム一駒の巻上げ完了時に
ONするようになっている。
【0024】一方、前記遊星ギヤ機構における太陽ギヤ
5bが左旋した時に、遊星ギヤ7が噛合うギヤ11aに
は、切欠き板11b、カム11c、爪車11dが、軸1
2を中心として一体に回転可能に設けられ、これによっ
て前記シャッタ、ミラーのチャージ手段への回転伝達系
とフィルム巻戻し手段への回転伝達系とが構成されてい
る。
【0025】ここで、前記切欠き板11bの溝部には、
レバー13の腕13bが係合可能になっている。このレ
バー13は、穴13cを中心として前述した軸6回りに
ギヤ5a,5b、およびアーム8とは独立して回転可能
になっている。また、このレバー13に設けられた長穴
部13aには、前述したアーム8の一端に設けられたピ
ン8aが係入されている。
【0026】したがって、アーム8が右旋しギヤ7とフ
ィルム巻上げ側のギヤ9が噛合っている時にはレバー1
3も右旋し、腕13bが切欠き板11bの溝部に係合し
てその回転を係止しているが、アーム8が左旋しギヤ7
とギヤ11aが噛合っているシャッタ、ミラーチャージ
時またはフィルム巻戻し時には、レバー13も左旋し、
腕13bと切欠き板11bの溝部との係止は解かれてい
る。
【0027】そして、上述したカム11cには、チャー
ジ横レバー30に設けられたチャージピン30bが当接
可能になっている。このチャージ横レバー30は、その
一端部30cが、図2等を用いて後述するシャッタチャ
ージレバー72やミラーチャージレバー78の端部72
a,78aと当接し、それぞれのレバー72,78のチ
ャージを行なう。また、このチャージ横レバー30は、
軸穴30aに対して回動自在に設けられており、かつば
ね32により右旋方向(図中時計方向)に付勢されてい
る。
【0028】なお、前記切欠き板11bには、その回転
に連動してON、OFFするチャージ完了スイッチSW
7が設けられており、このスイッチSW7は図1の
(A)に示した状態、すなわちチャージが完了してチャ
ージピン30bがカム11cの底部に落ち込んだ状態の
時にONするようになっている。
【0029】他方、前記爪車11dは、ギヤ14、爪1
5、ばね16との組合わせによって公知の一方向回転ク
ラッチが形成され、これによりフィルム巻戻し手段を選
択的に回転駆動可能に構成されている。ここで、ギヤ1
4は、軸12を中心に上述したギヤ11a、切欠き板1
1b、カム11c、爪車11dとは独立して回転可能な
ギヤである。また、このギヤ14の外周近傍には、軸1
4aが植設されており、爪15は軸14aに対して回動
可能に設けられている。さらに、爪15は、ばね16に
よりその先端部が爪車11dに押し付けられるように付
勢されている。したがって、爪車11dが左旋した時に
は、ギヤ14も連動して左旋し、またギヤ14が右旋し
た時には、爪車11dも連動して右旋することになる。
しかし、それぞれが上述したとは逆の方向に回転する場
合には、回転伝達は行なわれないようになっている。な
お、図1の(A)においては、図面を簡略化するために
爪車11dと爪15の係合部を一個所にしてあるが、実
際には複数個所に設けることが望ましい。
【0030】また、前記ギヤ14に噛合うギヤ17は、
軸19を中心として回動可能に設けられている。このギ
ヤ17上には凸部17aが設けられている。同じく軸1
9を中心としてギヤ17とは独立に回動可能なギヤ18
には、凸部18aが設けられている。これら凸部17a
と18aとは、回転方向において相互に当接可能になっ
ており、ギヤ17からギヤ18へ、またはその逆方向に
回転を所定の遊びをもって伝達可能な構成とされてい
る。
【0031】すなわち、上述したモータ1により遊星ギ
ヤ機構を介してギヤ11aが回転されているときに、前
記シャッタ、ミラーのチャージ手段がチャージされてい
る間は、フィルム巻戻し手段に回転が伝達されないよう
に構成することが必要であり、このための空転手段とし
て上述した凸部17a,18aを有するギヤ17とギヤ
18とをフィルム巻戻し系の途中に設けているものであ
る。
【0032】また、上述したギヤ18の回転は、フィル
ム巻戻し手段への伝達手段を構成するギヤ20,21,
22を介してギヤ23に伝達される。
【0033】ここで、上述したギヤ23とこれに噛合う
ギヤ24、およびアーム25は、後述する四節リンク機
構の一部を構成する第1の遊星ギヤ機構を構成してい
る。すなわち、ギヤ23は固定軸23a回りに回転する
太陽ギヤで、またギヤ24は遊星ギヤである。したがっ
て、ギヤ23が右旋するとアーム25も右旋し、ギヤ2
4とギヤ26とが噛合う。また、ギヤ23が左旋すると
アーム25も左旋し、ギヤ24とギヤ26の噛合いは解
かれる。なお、ギヤ24とアーム25の間には、遊星ギ
ヤ機構の切替え動作を安定させるために、公知の摩擦機
構が配設されていることは言うまでもない。
【0034】さらに、上述したフィルム巻戻し手段を構
成するギヤ26上には、フォーク26aが設けられてお
り、図示しないフィルムのパトローネハブと係合するよ
うになっている。したがって、このギヤ26が右旋する
とフィルムのパトローネ内への巻戻しが行なわれる。一
方、フィルム巻上げ時には、パトローネからフィルムが
引出されることにより、パトローネハブが回転するの
で、その回転をうけてギヤ26は左旋することになる。
【0035】このギヤ26には、また別のギヤ27が噛
合っている。このギヤ27とそれに噛合うギヤ28、お
よびアーム29は、上述した四節リンク機構を構成する
第2の遊星ギヤ機構を構成している。ここで、ギヤ27
は、固定軸27a回りに回転する太陽ギヤである。した
がって、ギヤ27が右旋するとアーム29も右旋し、ギ
ヤ28とギヤ23が噛合う。また、ギヤ27が左旋する
とアーム29も左旋し、ギヤ28とギヤ23の噛合いは
解かれる。なお、ギヤ28とアーム29の間には、遊星
ギヤ機構の切替えを安定させるために、公知の摩擦機構
が配設されていることは勿論である。
【0036】そして、上述した二組の遊星ギヤ機構を構
成するアーム25とアーム29のそれぞれの可動側の端
部は、レバー31によって連結されており、アーム2
5、29、およびレバー31によって四節リンク機構が
構成されている。この四節リンク機構は、フィルム巻上
げ動作中のパトローネハブの回転により、前述した凸部
17a,18aを有するギヤ17,18による空転手段
を、シャッタ、ミラーチャージ前の状態に復帰させる復
帰手段となるところである。
【0037】このような構成では、モータ1の回転によ
ってギヤ23が右旋した場合には、アーム25が固定軸
23aに対して右旋し、ギヤ24とギヤ26が噛合って
26が右旋すると共に四節リンク機構の作用によって、
アーム29は固定軸27aに対して左旋し、ギヤ28と
ギヤ23の噛合いが解かれる。なお、この時ギヤ26の
右旋によりギヤ27が左旋し、アーム29も固定軸27
a回りに左旋させる付勢力が働くが、既にアーム29は
四節リンク機構の働きにより左旋しているので変化しな
い。これが図1の(B)に示した状態である。
【0038】また、パトローネハブの回転によりギヤ2
6が左旋した場合には、ギヤ27が右旋し、アーム29
も固定軸27aに対して右旋し、ギヤ28とギヤ23が
噛合ってギヤ23が右旋すると共に四節リンク機構の作
用によりアーム25は固定軸23aに対して左旋し、ギ
ヤ24とギヤ26の噛合いが解かれる。なお、この時ギ
ヤ23の右旋により、アーム25には固定軸23a回り
に右旋させる付勢力が働き、前述したアーム29の右旋
を妨げようとする。しかし、この場合に、本実施例で
は、ギヤ28とアーム29の間に設ける摩擦力を、ギヤ
24とアーム25の間に設ける摩擦力よりも大きくとる
ことにより、アーム29の右旋を安定させている。
【0039】ここで、上述した二組の摩擦力に差を設け
る以外にも、各アーム25,29とレバー31の連結角
度に差を設け、伝達効率を変化させることにより、アー
ム29の右旋動作を安定させ得るようにしてもよい。こ
れを具体的に述べると、アーム29とレバー31のなす
角度はできる限り直角に近づけ、逆にアーム25とレバ
ー31のなす角度はそれよりも大きく、あるいは小さく
すればよい。これが図1の(A)に示した状態である。
【0040】次に、図2および図3を用いてシャッタチ
ャージ機構とミラー駆動機構の駆動系について述べる。
すなわち、ミラーボックス側壁70上には、シャッタチ
ャージ機構、ミラー駆動機構が設けられている。その構
成の詳細を、図面を用いて以下に説明する。
【0041】前記ミラーボックス側壁70上に設けられ
た軸71には、シャッタチャージレバー72とミラーア
ップレバー80が、それぞれ独立して回動自在に設けら
れている。
【0042】前記シャッタチャージレバー72は、ばね
73により左旋方向に付勢されている。前述したチャー
ジ横レバー30が左旋されると、その一端部30cとシ
ャッタチャージレバー72の一端部72aとが当接し、
シャッタチャージレバー72はばね73に抗して右旋す
る。これに伴ないシャッタチャージレバー72の他端部
72bが、図示しないシャッタユニットのチャージ部9
0を上方に押上げ、シャッタのチャージを行なう。
【0043】ここで、本実施例においては、シャッタと
して、公知の縦走りフォーカルプレーンシャッタ(図示
せず)を用いた場合を説明する。すなわち、チャージ部
90を上方に押上げることにより、先幕、後幕のチャー
ジが行なわれる。これら先幕、後幕には、それぞれ図4
に示したような先幕マグネット102、後幕マグネット
103が連結されており、チャージ完了の状態でこれら
両マグネット102,103に通電を行なうことによ
り、先幕、後幕がそれぞれホールドされる。また、露出
を行なう際には、まず、上記ホールド状態において、シ
ャッタチャージレバーの端部72bを退避させ、しかる
後に先幕の通電をOFFすると先幕が走行を始める。こ
の先幕の走行完了時点で、公知のX接点SW3がONす
る。先幕の通電OFFから所望のシャッタタイムをおい
て、後幕の通電をOFFにすると、後幕が走行を開始
し、フィルムへの露出動作が完了することになる。
【0044】前記シャッタチャージレバー72は、チャ
ージ完了の状態で、その一部72cが係止レバー74の
溝部74aと係合し、チャージ完了状態が保持される。
この係止レバー74は、側壁70に設けられた軸76に
回動自在に保持され、ばね75により右旋方向へ付勢さ
れている。また、この係止レバー74の一端部74b
は、後途するミラーアップレバー80の凸部80dとの
係合部である。
【0045】一方、ミラーチャージレバー78は、側壁
70に設けられた軸77に回動自在に支持され、前述し
たチャージ横レバー30が左旋すると、その一端部30
cとミラーチャージレバー78の一端部78aが当接
し、このミラーチャージレバー78は右旋する。さら
に、このミラーチャージレバー78には、扇形ギヤ78
bが設けられており、この扇形ギヤ78bがミラーアッ
プレバー80の扇形ギヤ80aと噛合っている。
【0046】また、ミラーアップレバー80は、ばね7
9により右旋方向に常時付勢されており、上述したチャ
ージ横レバー30によるミラーチャージレバー78の右
旋に伴ない、扇形ギヤ78bと扇形ギヤ80aとの噛合
いによりばね79に抗して左旋する。そして、左旋の完
了、すなわちミラーチャージ完了状態で、その端部80
cが、レリーズ係止レバー83の端部83aによって係
止され、チャージ状態が保持される。
【0047】また、図中80bは側壁70の軸穴70a
を中心として回転するクイックリターンミラー(不図
示)に設けられ側壁70に穿けられている円弧溝70b
中から突出しているピン81との係合部である。さら
に、このミラーアップレバー80の端部80cとレリー
ズ係止レバー83の端部83aの係合が解かれ、ミラー
アップレバー80がばね79の作用により右旋すると、
レバー係合部80bとピン81が当接し、図3に示され
るように、ピン81を図中右上方に移動させる。これに
よりクイックリターンミラーは穴70aを中心に上昇
し、撮影光路から退避する。
【0048】そして、ミラーアップレバー80上に設け
られたばね82は、その腕部が上記ピン81に作用し、
クイックリターンミラーを下降させるためのものであ
る。このとき、前記凸部80dはミラーアップ時に前述
した係止レバー74の一端部74bと当接し、係止レバ
ー74を左旋させて前記シャッタチャージレバー72の
一部72cと溝部74aの係止を解除させる。
【0049】また、前記レリーズ係止レバー83は、側
壁70に設けられた軸84に回動自在に設けられてお
り、ばね85により前記係合部83aが係合する方向に
付勢されている。
【0050】84は吸着型ソレノイドであり、通電する
ことにより可動接片84aが図中右方向に移動する。こ
の可動接片84aに設けられた鍔部84bは、前記係止
レバー83の一端83bと係合可能になっている。した
がって、図2に示した状態においてソレノイド84に通
電を行なうと、レリーズ係止レバー83が右旋し、係合
部83aと端部80cとの係合が解かれ、ばね79の作
用によりミラーアップレバー80は右旋する(図3参
照)。
【0051】図4は本発明に係るフィルム給送機構とシ
ャッタ機構およびミラー駆動機構による全体の概略構成
を示すブロック図であり、同図において、図中100は
各スイッチSW1〜SW8の状態に応じてモータ1や吸
着型ソレノイド84に動作の指令を行うための制御回
路、101はこの制御回路100からの信号に応じてモ
ータ1やソレノイド84を駆動する駆動回路である。
【0052】前記制御回路100に接続されるスイッチ
SW1、SW2は、前述した通り、スプロスイッチ、ス
プロ基準スイッチである。また、SW3はシャッタ内に
設けられたX接点スイッチ、SW4は公知のレリーズス
イッチ、SW5は巻戻し動作を開始させるときに操作す
る巻戻しスイッチ、SW6は裏蓋の開閉を検出する裏蓋
スイッチ、SW7は前述したチャージ完スイッチ、SW
8は裏蓋を閉じたときにフィルムが入っているか否かを
検出するフィルム在否検出スイッチである。また、前記
駆動回路101に接続されたモータ1、先幕、後幕マグ
ネット102,103、ソレノイド84には、それぞれ
前述した各番号に対応している。
【0053】次に、上述した構成による本実施例のフィ
ルム給送機構における動作を、図5および図6等を用い
て簡単に説明する。ここで、図5と図6は本実施例の動
作を説明するためのタイミングチャートである。
【0054】まず、始めに通常のレリーズ動作について
説明する。すなわち、カメラにフィルムを装填し、裏蓋
を閉めて一駒目までの頭出しを行った後にレリーズスイ
ッチSW4をONさせると、図5において図中Aで示し
たように、レリーズソレノイド84、先幕マグネット1
02、後幕マグネット103にそれぞれ通電が行なわれ
る。そして、ソレノイド84への通電により、図2の可
動接片84aは同図中右方向に移動し、レリーズ係止レ
バー83が右旋し、係合部83aと端部80cの係止が
解かれる。これによって、ミラーアップレバー80は、
ばね79の作用により右旋し、前述したようにクイック
リターンミラーをミラーアップ状態へと移行させる。
【0055】また、この時に、前記凸部80dが係止レ
バー74の一端部74bに当接し、係止レバー74を左
旋させて溝部74aとシャッタチャージレバー72の一
部72cの係止を解除する。よって、シャッタチャージ
レバー72は、ばね73の作用により左旋し、シャッタ
の幕が走行可能な状態にさせる。なお、この時点ではシ
ャッタの先幕マグネット102、後幕マグネット103
にそれぞれ通電が行なわれているので、先幕、後幕はそ
れぞれチャージ状態に保持されている。
【0056】上記ミラーアップレバー80の右旋に伴な
い、ミラーチャージレバー78は左旋する。この時のミ
ラー、シャッタのチャージ機構部の状態を示したのが、
図3である。
【0057】さて、以上のようにレリーズ直後の動作が
行なわれた後、図5に示すように、本実施例において
は、10msecの時間をおいて、ソレノイド84への通電が
断たれる。これにより、可動接片84aは自由状態とな
り、レリーズ係止レバー83はばね85の作用により左
旋しようとする。しかしながら、この時にはミラーアッ
プレバー80がアップ状態にあるので、係合部83aと
端部80cの係止は行なわれない。さらに、ミラーが上
昇して安定するまでの時間{図5のX msec}をおいて、
先幕マグネット102の通電が断たれる。そして、所定
のシャッタタイムをあけて、後幕マグネット103への
通電も断たれる。これにより、順次先幕、後幕が走行
し、フィルムへの露出動作が行なわれる。
【0058】次に、後幕への通電を断った後、所定の時
間{図5のY msec}をあけて、モータ1を逆転{図1の
(A)では右旋}させる。すると、太陽ギヤ5bが左旋
し、アーム8が左旋してギヤ7とギヤ11aとが噛合
い、カム11cも左旋する。そして、このカム11cが
左旋を始めると、そのカム面とチャージ横レバー30に
設けられたチャージピン30bが当接し、チャージ横レ
バー30を軸30aを中心として左旋させる。このチャ
ージ横レバー30が左旋すると、その端部30cはシャ
ッタチャージレバー72の端部72aおよびミラーチャ
ージレバー78の端部78aを、それぞれ図3の状態か
ら図中左方向へ移動させていく。
【0059】これに伴ない、シャッタチャージレバー7
2は右旋し、ミラーアップレバー80は左旋し、再び図
2の状態へと戻されることになる。なお、この時アーム
8は左旋しているので、レバー13も左旋し、腕部13
bと切欠き板11bの溝部との係止は解除されており、
これによりギヤ11a、切欠き板11b、カム11cお
よび爪車11dは回転可能になっている。また、カム1
1cの左旋に伴ない、爪車11dも左旋し、一方向回転
クラッチ(ギヤ14、爪15およびばね16)を介して
ギヤ17が右旋する。
【0060】ここで、図7を用いてギヤ17の凸部17
aとギヤ18の凸部18aの関係を以下に説明する。す
なわち、図7において(A)〜(D)はそれぞれのギヤ
17,18を、図1の(A)の上方より見た状態を示し
ている。
【0061】ここで、図1の(A)に示した巻上げ完了
時の状態は、図7の(A)に相当する。この状態から上
述したようにチャージ動作に伴ないギヤ17が右旋する
と、凸部17aも右旋していく。しかしながら、凸部1
7aが一回転弱回転し、他方のギヤ18における凸部1
8aの反対側の面に当接するまでの間は、ギヤ18は回
転しない。
【0062】さらに、モータ1が逆転しカム11cが回
転すると、カム11cが一回転して再度図1の(A)に
示した状態に復帰する。このとき、チャージ横レバー3
0は、ばね32の作用により軸30a回りに右旋する。
また、この時の凸部17aと凸部18aの関係を示した
ものが、図7の(B)である。ここで、この図7の
(B)から明らかなように、チャージカム11cが一回
転しても凸部17aは凸部18aの反対側の面に当接し
ないように、ギヤ14とギヤ17の減速比が定められて
いる。
【0063】したがって、一回のチャージ動作の過程に
おいては、ギヤ18は回転せず、ギヤ18につながるギ
ヤ20〜26も静止している。すなわち、上述した凸部
17a,18aを有するギヤ17,18による空転手段
によって、シャッタ、ミラーのチャージ時には、フィル
ム巻戻し系にはモータ1側からの回転が伝達されないよ
うになっている。
【0064】以上の動作により、シャッタとミラーのチ
ャージが完了するのであるが、この過程において、チャ
ージ完了スイッチSW7は、一旦OFFとなり、チャー
ジが完了した時点で再度ONとなる。これが図5におけ
るB点である。
【0065】このチャージ完了スイッチSW7のONを
受けて、制御回路100は、モータ1を反転させる信号
を駆動回路101に出力する。これにより、モータ1は
正転{図1の(A)では左旋}を開始する。すると、太
陽ギヤ5bが右旋し、アーム8が右旋してギヤ7とギヤ
9が噛合い、回転がスプール10に伝達されてフィルム
の巻取り動作が開始される。なお、この時アーム8の右
旋に伴ないレバー13も右旋し、腕部13bが切欠き板
11bの溝部に入り込み、ギヤ11a、切欠き板11
b、カム11cおよび爪車11dをチャージ完了の状態
に係止する。
【0066】そして、フィルムの巻上げが開始される
と、前述したようにスプロケット50が回転し、スプロ
スイッチSW1から巻上げパルスが出力される。そし
て、フィルム一駒分、すなわち本実施例では、16パル
スの巻上げが完了した時点でスプロ基準スイッチSW2
もONし、この時モータ1を停止させることにより、一
回の撮影動作が完了する{図5のC点}。なお、モータ
1の停止にあたっては、スプロスイッチSW1からのパ
ルスをカウントし、適宜巻上げ完了の手前からモータ1
をパルス駆動するなどして回転を減速し、停止精度を高
めるようにすればよい。
【0067】ここで、上述した巻上げ動作によりフィル
ムがパトローネより引出されていくと、パトローネハブ
が回転してフォーク26aが左旋する。すると、前述し
たようにギヤ27が右旋し、アーム29も固定軸27a
回りに右旋してギヤ28とギヤ23が噛合い、ギヤ23
が右旋する(この時、四節リンク機構の作用によりギヤ
24とギヤ26の噛合いは解除されている)。
【0068】そして、このギヤ23の右旋は、ギヤ2
2,21,20を介してギヤ18へ伝達され、ギヤ18
を右旋させる。すると、図7の(B)の状態にあった凸
部17aと凸部18aの内、凸部18aが右旋してい
く。ここで、ギヤ26からギヤ18までのギヤ比は、パ
トローネハブに巻付いているフィルムの多少にかかわら
ず、フィルム一駒分の巻上げでフォーク26aが回転し
た時にギヤ18は必ず一回転以上回転するように定めら
れている。したがって、凸部18aは一回転以上するの
でその途中において凸部17aと凸部18aとは再び当
接し、さらに凸部17aを押してギヤ17を右旋させて
いく。この状態を示したものが、図7の(C)である。
【0069】よって、フィルムの巻上げ完了時には、凸
部17aと凸部18aの関係は、再び図1の(A)また
は図7の(A)に示したものと同じになる。なお、ギヤ
17の右旋により、ギヤ14が左旋するが、この回転は
一方向回転クラッチ(14〜16)により吸収され、ギ
ヤ11a、切欠き板11b、カム11cおよび爪車11
dによるチャージ機構は変化しない。
【0070】以上のように本実施例においては、一回の
撮影動作中、モータ1の第1の方向(逆転方向)への回
転によってシャッタやミラーのチャージを行なうととも
に、第2の方向(正転方向)への回転によりフィルムの
巻上げを行っている。
【0071】次に、フィルム終端における本実施例の動
作を説明する。すなわち、フィルム終端においては巻上
げ途中に、フィルムがそれ以上送れなくなるため、スプ
ロスイッチSW1からのパルスが16パルスにならな
い。そして、この巻上げ動作中、所定時間{図5にタイ
ムアウトとして示す}が経過してもスプロスイッチSW
1から16パルスの出力がない場合{図5における
D}、制御回路100はフィルム終端と判定し、モータ
1を停止させる。
【0072】この後、巻戻しスイッチSW5がONされ
ると、モータ1は制御回路100からの指令により逆転
を開始する{図6のE}。この巻戻し時には、モータ1
の逆転により、図1においてギヤ2が右旋し、チャージ
動作の場合と同様にギヤ11aが左旋する。したがっ
て、チャージ時と同等にシャッタやミラーはチャージさ
れる。しかしながら、巻戻しスイッチSW5のONによ
って、モータ1の逆転が開始された場合には、チャージ
完了スイッチSW7の状態とは無関係に逆転が継続され
る。
【0073】したがって、上述したギヤ17,18にお
ける凸部17aと凸部18aの関係は、図7での(B)
の状態よりもさらに凸部17aが右旋を続け、凸部18
aの反対側の面に凸部17aが当接し、凸部18aを右
旋させていく。これが図7での(D)の状態である。こ
の凸部18aの右旋によりギヤ18も右旋し、その回転
はギヤ20,21,22を介して太陽ギヤ23に伝達さ
れ、この太陽ギヤ23を右旋させる。すると、前述した
ようにアーム25が固定軸23aに対して右旋し、ギヤ
24とギヤ26が噛合って26が右旋し、フォーク26
aによりフィルムの巻戻しを行う。
【0074】この時、四節リンク機構の作用によって、
アーム29は固定軸27aに対して左旋し、ギヤ28と
ギヤ23の噛合いが解かれている。なお、この時のギヤ
26の右旋によりギヤ27が左旋し、アーム29も固定
軸27a回りに左旋させる付勢力が働くが、既にアーム
29は四節リンク機構の働きにより左旋しているので変
化しない。この状態を図1の(B)に示している。
【0075】以上のようにしてフィルムの巻戻しが開始
されると、フィルムの移動によりスプロケット50が回
転し、スプロスイッチSW1からパルスが出力される。
このパルスは巻戻し動作中は連続して出力されるが、巻
戻しが完了してフィルムの先端部がスプロケットから外
れると、スプロケットの回転が停止するので、パルスの
出力も停止される。
【0076】本実施例において制御回路100は、この
最後のスプロスイッチSW1からのパルスを受けた後、
予め定められたある時間{図6でのZ msec}を超えて、
最初にチャージ完了スイッチSW7がONした時点{図
6でのF点}でモータ1の回転を停止させる。この動作
により、フィルムは確実に巻戻されるとともに、巻戻し
完了時にカム11cは、チャージ完了の状態において停
止するので、次回のレリーズ動作を確実に行なうことが
可能となっている。
【0077】次に、フィルムを装填した時の本実施例の
動作を、以下に説明する。すなわち、フィルムを装填し
て裏蓋を閉じると、裏蓋スイッチSW6、フィルム在否
検出スイッチSW8がそれぞれONする。前記制御回路
100は、これらのスイッチSW6とSW8とが共にO
Nしてから最初にレリーズスイッチSW4がONしたと
きにはフィルムの空送り制御を行なう{図5でのG}。
【0078】この時、モータ1は、まず正転を開始し、
前述と同様のフィルムの巻上げ動作を行なう。ただし、
フィルムの空送り制御においては、フィルム三駒分、す
なわち本実施例においてはスプロスイッチSW1のパル
ス数にして48パルス分の巻上げを行なう。
【0079】また、本実施例においては、48パルス分
の巻上げを行なった後、さらにモータ1を正転させ、最
初にスプロ基準スイッチSW2がONした時点{図5で
のH}で今度はモータ1を逆転させる。これは、パトロ
ーネ内でのフィルムのたるみを除去するために行なう動
作である。
【0080】さて、前述したように本実施例において
は、フィルム巻上げ時にパトローネハブの回転を利用し
て凸部17aと凸部18aとの位相調整を行っている。
したがって、もしフィルムがパトローネ内でたるんでい
ると、フィルムの巻上げを行ってもパトローネハブが回
転せず、結果として凸部17aと凸部18aとの位相調
整ができなくなる場合がある。このような不具合を防止
するために、フィルム装填時には、以下に述べるフィル
ムたるみ取りのための制御を行なう。
【0081】すなわち、モータ1の逆転により巻戻しの
場合と同様に、フォーク26aは右旋を始める。そし
て、パトローネ内でフィルムがたるんでいた場合には、
フォーク26aの回転によりパトローネハブが回転を開
始すると、まず、そのたるみが除去されていき、フィル
ムがパトローネハブに密着していく。完全にたるみが除
去されると、フィルムはパトローネ内へ巻戻されてい
き、フィルムの移動に伴なってスプロスイッチSW1よ
りパルスが出力される。本実施例においては、たるみの
除去を確実にするために、フィルム一駒分、すなわち1
6パルスの巻戻しを行っている。
【0082】なお、この時の巻戻しパルス数nは、
「1」以上であれば任意の値にとることができる。この
nパルスの巻戻しが行なわれた後、最初にチャージ完了
スイッチSW7がONした時点{図5でのI}で、制御
回路100の指令によりモータ1は再度正転を開始し、
フィルム巻上げ動作を行なう。これは上記たるみ取り制
御のためにフィルムを巻戻した分を再度巻上げ、一駒目
を正しい位置に制御するためのものである。
【0083】また、以上のたるみ取り制御のためにモー
タ1が逆転している際には、チャージカム11cが左旋
しているので、フィルム装填時に何らかの理由によりミ
ラーやシャッタのチャージが完了していなかった場合で
も、この過程においてチャージは完了される。さらに、
カム11cの停止位置は、チャージ完了スイッチSW7
がONした時点であるので、レリーズ可能なチャージ完
了の状態となっている。さて、この再度の巻上げ動作
は、上記スプロスイッチSW1のパルス数でnパルス以
上巻上げてから、最初にスプロ基準スイッチSW2がO
Nした時点で停止される{図5でのJ}。
【0084】以上の動作によりフィルムはたるみを除去
され、かつミラーやシャッタのチャージ系もレリーズ可
能な状態へとセットされ、かつフィルムの一駒目の頭出
し動作が完了する。
【0085】次に、裏蓋を開けた状態でレリーズスイッ
チSW4を操作したときの動作を、以下に説明する。す
なわち、本実施例においては、裏蓋を開けた状態、つま
り裏蓋スイッチSW6がOFFの状態では、制御回路1
00はレリーズスイッチSW4を受け付けないようにな
っている{図6でのK}。
【0086】これは以下の理由による。すなわち、本実
施例においては、前述したようにチャージを行う際に変
化した凸部17aと凸部18aとの位相を、フィルム巻
上げの際にパトローネハブの回転を利用して元の位相に
戻している。しかしながら、一般的に裏蓋を開けた状態
ではフィルムは装填されていないか、または装填されて
いても正しくスプールに巻取られていない場合が多い。
したがって、このような状況下では、上記凸部17a,
18aの位相の復元が不能となり、チャージ中に巻戻し
フォークが回転してフィルム巻戻し動作を行ってしまう
可能性がある。もし万一、パトローネからフィルムが少
しだけ引出されたような状態でこのような作動が行なわ
れると、引出されていたフィルムの先端ベロ部が、パト
ローネ内に巻込まれてしまい、使用者に不具合を与える
からである。
【0087】次に、フィルムを装填せずに裏蓋を閉じて
レリーズスイッチSW4を操作した場合の動作を説明す
る。すなわち、このようなことは、カメラの作動を確認
するために、日常良く行なわれることである。この状態
では、裏蓋スイッチSW6はON、フィルム在否検出ス
イッチSW8はOFFとなっている。そして、制御回路
100は、このようなスイッチの状態下でレリーズスイ
ッチSW4がONされた場合{図6でのL}以下の動作
を行なう。まず、通常のレリーズ時と同様に、ミラーア
ップ、シャッタ走行の作動を行ない、次にチャージ動作
を開始する{図6でのM}。
【0088】そして、チャージが完了すると、その後は
巻上げ動作を行なわず、モータ1を停止させる{図6で
のN}。この時、フィルムは装填されていないため、前
述したようにフォーク26aは回転するが、フィルム未
装填でしかも裏蓋が閉じられているので、特に問題はな
い。
【0089】なお、本発明は上述した実施例構造には限
定されず、フィルム給送機構を始めとするカメラ各部の
形状、構造等を適宜変形、変更し得るもので、種々の変
形例が考えられることは、容易に理解されよう。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る一眼レ
フカメラのフィルム給送機構によれば、単一のモータ
と、その正、逆両方向への回転をフィルム巻上げ手段、
シャッタ、ミラーチャージ手段、フィルム巻戻し手段に
伝達する第1、第2および第3の伝達手段と、第2およ
び第3の伝達手段間で第2の伝達手段への回転伝達を先
に行なわせる空転手段やフィルム巻上げ時の回転力で空
転手段を初期状態に復帰させる復帰手段などを設けるよ
うにしたので、簡単な構成にもかかわらず、単一のモー
タの一方向への回転によって、フィルムの巻上げを行な
い、他方向への回転によってミラーやシャッタのチャー
ジとフィルムの巻戻しを行なうようにし、かつチャージ
と巻戻しの切替えを空転手段により行なわせ、フィルム
巻上げに伴なうパトローネハブの回転を利用して前記空
転手段を初期位置に戻すことができ、構成がきわめて簡
単であるばかりでなく、一眼レフカメラの小型化、低価
格化を一層進めることが可能となるといった種々優れた
効果がある。
【0091】また、本発明によれば、フィルム巻戻し動
作の開始信号を出力する巻戻し開始信号出力手段と、フ
ィルムの巻戻し動作完了を検出する巻戻し完了検出手段
とを設け、巻戻し開始信号出力手段からの信号が入力し
たときにモータを第1の方向に回転させ、巻戻し完了信
号検出手段からの信号が入力するまでの間はチャージ完
了検出手段の信号にかかわらず回転を継続させるように
制御するように制御することにより、フィルム巻上げ時
にフィルム終端に至った時点での状態検出とその状態か
らのフィルム巻戻しへの切替えが自動的にしかも適切に
行なえるという利点がある。
【0092】さらに、本発明によれば、フィルムが装填
されたときに一駒目までの頭出しを行うフィルム頭出し
手段を設け、この頭出し手段によってモータを第2の方
向に回転させてフィルムを巻上げる動作と、モータを第
1の方向に回転させてフィルムのたるみを除去する動作
の双方を行なえるように構成することにより、フィルム
装填時の頭出しを自動的に行なえるとともに、パトロー
ネ内でのフィルムのたるみ取りを適切に行なえるという
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一眼レフカメラのフィルム給送機
構の一実施例を示し、(A)は主要機構の巻上げ完了時
点での状態を示す要部斜視図、(B)はその要部である
四節リンク機構の動作を説明する概略斜視図である。
【図2】この実施例でのシャッタチャージ機構、ミラー
チャージ機構を示す巻上げ完了時点での状態を示す平面
図である。
【図3】図2の状態から各機構がチャージ状態となった
場合の動きを説明するための平面図である。
【図4】この実施例によるフィルム給送機構の概略構成
を示すブロック図である。
【図5】この実施例によるフィルム給送機構において通
常のレリーズ時の動作状態を説明するためのタイミング
チャートである。
【図6】この実施例によるフィルム給送機構においてフ
ィルム巻戻し時の動作状態を説明するためのタイミング
チャートである。
【図7】空転機構での動作を(A)〜(D)によって説
明するための概略図である。
【符号の説明】
1 フィルム給送用モータ 2〜4 ギヤ 5a ギヤ 5b 太陽ギヤ 7 遊星ギヤ 8 アーム 9 ギヤ 10 フィルム巻取りスプール 11a ギヤ 11b 切欠き板 11c カム 11d 爪車 12 軸 13 レバー 14 ギヤ(一方向クラッチを構成する) 14a 軸 15 爪 16 ばね 17 ギヤ 17a 凸部(空転手段を構成する) 18 ギヤ 18a 凸部(空転手段を構成する)19 軸 20〜22 ギヤ 23 太陽ギヤ 24 遊星ギヤ 25 アーム 26 ギヤ 26a フォーク(フィルム巻戻し手段) 27 太陽ギヤ 28 遊星ギヤ 29 アーム 30 チャージ横レバー 30b チャージピン 30c 一端部 31 レバー(四節リンク機構を構成する) 50 スプロケット 52 電極パターンを有するギヤ 53 ブラシ 54 ブラシ 70 ミラーボックス側壁 71 軸 72 シャッタチャージレバー 73 ばね 74 係止レバー 75 ばね 78 ミラーチャージレバー 79 ばね 80 ミラーアップレバー 83 レリーズ係止レバー 84 吸着型ソレノイド 85 ばね 90 シャッタユニットのチャージ部 100 制御回路 101 駆動回路 102 先幕マグネット 103 後幕マグネット SW1 スプロケットスイッチ SW2 スプロケット基準スイッチ SW3 X接点スイッチ SW4 レリーズスイッチ SW5 巻戻しスイッチ SW6 裏蓋スイッチ SW7 チャージ完了スイッチ SW8 フィルム在否検出スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一のモータの駆動力をフィルム巻取り
    スプールに伝達し、このスプールの回転によってフィル
    ムの巻上げを行なう一眼レフカメラにおいて、 シャッタまたはクイックリターンミラーの少なくともい
    ずれか一方を作動させるためのばねをチャージするチャ
    ージ手段と、 前記モータの第1の方向への回転を、このチャージ手段
    に伝達する第1の伝達手段と、 前記チャージ手段によるシャッタ、クイックリターンミ
    ラーのチャージ動作の完了を検出するチャージ完了検出
    手段と、 前記チャージ手段によりチャージされたばねを開放させ
    て、シャッタまたはクイックリターンミラーの動作を開
    始させるための前記モータとは別の駆動手段によって作
    動されるレリーズ手段と、 フィルム巻取りスプールの回転によりフィルムを巻上げ
    るためのフィルム巻上げ手段と、 前記モータの第2の方向への回転をフィルム巻上げ手段
    に伝達する第2の伝達手段と、 フィルムパトローネハブの回転によりフィルムをパトロ
    ーネ内に巻戻すためのフィルム巻戻し手段と、 前記モータの前記第1の方向への回転をフィルム巻戻し
    手段に伝達する第3の伝達手段と、 前記モータの第1の方向への回転により前記チャージ手
    段がチャージされている間は、前記第3の伝達手段への
    伝達を禁止させるために、第1の伝達手段と第3の伝達
    手段の間に設けられた空転手段と、 前記レリーズ手段によるレリーズ動作の後に、前記モー
    タを第1の方向に回転させてチャージ手段によるチャー
    ジ動作を行なわせ、チャージ完了検出手段から信号が入
    力されるとモータを第2の方向に回転させてフィルム巻
    上げ手段によるフィルム巻上げ動作を行なうように制御
    する制御手段と、 前記フィルム巻上げ動作中のフィルムパトローネハブの
    回転により、前記空転手段をチャージ前の状態に復帰さ
    せる復帰手段とを備えてなることを特徴とする一眼レフ
    カメラのフィルム給送機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一眼レフカメラのフィル
    ム給送機構において、 フィルムの巻戻し動作の開始信号を出力する巻戻し開始
    信号出力手段と、 フィルムの巻戻し動作の完了を検出するための巻戻し完
    了検出手段とを備えてなり、 フィルム巻上げ動作制御を行なう制御手段は、前記巻戻
    し開始信号出力手段からの信号が入力されることによ
    り、モータを第1の方向に回転させ、前記巻戻し完了信
    号検出手段からの信号が入力されるまでの間は、前記チ
    ャージ完了検出手段の信号にかかわらず回転を継続させ
    るように制御する機能を具備していることを特徴とする
    一眼レフカメラのフィルム給送機構。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の一眼レフ
    カメラのフィルム給送機構において、 フィルムが装填されたときに一駒目までの頭出しを行う
    フィルム頭出し手段を備えてなり、 このフィルム頭出し手段は、モータを第2の方向に回転
    させてフィルムを巻上げる動作と、モータを第1の方向
    に回転させてフィルムのたるみを除去する動作の双方を
    行なうように構成されていることを特徴とする一眼レフ
    カメラのフィルム給送機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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