本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、単結晶半導体基板を劈開して、単結晶半導体層が接着された支持基板と単結晶半導体基板とに分離し、支持基板に接着された単結晶半導体層の表面に対して第1のエッチング処理及び第2のエッチング処理が行われた単結晶半導体層の表面にレーザ光を照射するSOI基板の製造方法について、図面を参照して説明する。また、本実施の形態では、ガラス基板等耐熱温度が低い基板に単結晶半導体層を設けることを目的の一とするSOI基板の製造方法についても合わせて説明する。
まず、単結晶半導体基板101を準備する(図1(A−1)参照)。単結晶半導体基板101は、所望の大きさ、形状に加工されている。単結晶半導体基板101は、例えば、単結晶シリコン基板、ゲルマニウム基板、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板等が挙げられる。市販のシリコン基板としては、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)サイズの円形のものが代表的である。また、直径18インチ(450mm)サイズの円形のものも用いることができる。なお、形状は円形に限られず矩形状に加工したシリコン基板を用いることも可能である。以下の説明では、単結晶半導体基板101として、単結晶シリコン基板を用いる場合について説明する。
単結晶半導体基板101の一方の面上に絶縁膜102を形成する(図1(A−2)参照)。絶縁膜102は、単層構造又は2層以上の積層構造とすることができる。絶縁膜102の膜厚は、5nm以上400nm以下とすることができる。絶縁膜102を構成する膜には、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化ゲルマニウム膜、窒化ゲルマニウム膜、酸化窒化ゲルマニウム膜、窒化酸化ゲルマニウム膜などのシリコン又はゲルマニウムを組成に含む膜を用いることができる。また、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウムなどの金属の酸化物でなる絶縁層、窒化アルミニウムなどの金属の窒化物でなる絶縁層、酸化窒化アルミニウム膜などの金属の酸化窒化物でなる絶縁層、窒化酸化アルミニウム膜などの窒化酸化物でなる絶縁層を用いることもできる。
絶縁膜102を構成する絶縁膜は、化学気相法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング法、原子エピタキシ(ALE)法、単結晶半導体基板101を酸化する、又は窒化するなどの方法により形成することができる。CVD法は、減圧CVD法、熱CVD法、プラズマ励起CVD法(以下、PECVD法という)などがある。PECVD法は、350℃以下の低温処理であり、また他のCVD法よりも成膜速度が大きいので好ましい。
支持基板111にアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属などの半導体装置の信頼性を低下させる不純物を含むような基板(代表的には、ガラス基板)を用いた場合、支持基板111が加熱されると、このような不純物が支持基板111から単結晶半導体層112に拡散するおそれがある。従って、このような不純物が単結晶半導体層112に侵入することを防止するためのバリア層となる絶縁膜を少なくとも1層含むことが好ましい。バリア層は、1層でも2層以上でもよい。バリア層を形成することで、このような不純物などの半導体装置の信頼性を低下させる不純物が単結晶半導体層112に移動することを防止することができる。バリア層として機能する膜には、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜などがある。このような膜を絶縁膜102に含ませることで、絶縁膜102をバリア層として機能させることができる。
例えば、絶縁膜102を単層構造とする場合は、バリア層として機能する膜で絶縁膜102を形成することが好ましい。この場合、厚さ5nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜で、単層構造の絶縁膜102を形成することができる。
絶縁膜102を、バリア層を1層含む2層構造の膜とする場合は、上層の絶縁膜をナトリウムなどの不純物をブロッキングするためのバリア層で構成する。上層の絶縁膜は、膜厚5nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、又は窒化アルミニウム膜で形成することができる。バリア層として機能するこれらの膜は、不純物の拡散を防止するブロッキング効果が高いが、内部応力が高い。よって、単結晶半導体基板101と接する下層の絶縁膜には、上層の絶縁膜の絶縁膜の応力を緩和する効果のある膜を選択することが好ましい。このような絶縁膜には、酸化シリコン膜及び酸化窒化シリコン膜、及び単結晶半導体基板101を熱酸化して形成した熱酸化膜などがある。下層の絶縁膜の膜厚は、5nm以上200nm以下とすることができる。
本実施の形態において、絶縁膜102は絶縁膜102aと絶縁膜102bでなる2層構造とする。絶縁膜102をバリア層として機能させる絶縁膜102aと絶縁膜102bの組み合わせは、例えば、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜と窒化シリコン膜、酸化シリコン膜と窒化酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜と窒化酸化シリコン膜などがある。
例えば、下層の絶縁膜102aは、プロセスガスにSiH4及びN2Oを用いてPECVD法で形成した酸化窒化シリコン膜で形成することができる。また、絶縁膜102aとして、プロセスガスに有機シランガスと酸素を用いて、PECVD法で酸化シリコン膜を形成することもできる。また、単結晶半導体基板101を酸化することで形成された酸化膜を絶縁膜102aとすることもできる。
有機シランとは、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、またはトリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)などの化合物である。
上層の絶縁膜102bは、プロセスガスにSiH4、N2O、NH3及びH2を用いてPECVD法で形成した窒化酸化シリコン膜で形成することができる。又は、プロセスガスにSiH4、N2、NH3、及びH2を用いてPECVD法で形成した窒化シリコン膜で形成することができる。
例えば、PECVD法で、酸化窒化シリコン膜でなる絶縁膜102a、窒化酸化シリコン膜でなる絶縁膜102bを形成する場合、単結晶半導体基板101をPECVD装置のチャンバーに搬入し、絶縁膜102aの形成用のプロセスガスとしてSiH4及びN2Oをチャンバーに供給し、このプロセスガスのプラズマを生成し、酸化窒化シリコン膜を単結晶半導体基板101上に形成する。次に、チャンバーに供給するプロセスガスを絶縁膜102b形成用のプロセスガスに変更する。ここでは、SiH4、N2O、NH3及びH2を用いる。これらの混合ガスのプラズマを生成して、酸化窒化シリコン膜及び窒化酸化シリコン膜を連続して形成する。また、複数のチャンバーを有するPECVD装置を用いる場合は、酸化窒化シリコン膜と窒化酸化シリコン膜と異なるチャンバーで形成することもできる。もちろん、チャンバーに供給するプロセスガスを変更することで、下層の絶縁膜102aに酸化シリコン膜を形成することもできるし、上層の絶縁膜102bに窒化シリコン膜を形成することもできる。
上記のように絶縁膜102a及び絶縁膜102bを形成することで、スループット良く単結晶半導体基板101に絶縁膜102を形成することができる。また、大気に触れさせることなく絶縁膜102a、絶縁膜102bを形成できるので、絶縁膜102aと絶縁膜102bの界面が大気によって汚染されることを防止することができる。
また、絶縁膜102aとして、単結晶半導体基板101を酸化処理して酸化膜を形成することができる。この酸化膜を形成するための熱酸化処理は、ドライ酸化で行うこともできるが、酸化雰囲気中にハロゲン元素を含むガスを添加することが好ましい。ハロゲン元素を含んだ酸化膜を絶縁膜102aとして形成することとができる。ハロゲン元素を含むガスとして、HCl、HF、NF3、HBr、Cl、ClF、BCl3、F、Br2、DCE(dicholoehylene)、などから選ばれた一種類又は複数種類のガスを用いることができる。また、ジクロロエチレンとして、トランス1,2ジクロロエチレンを用いる場合は、トランス1,2ジクロロエチレンは熱分解する温度が低いため、熱酸化処理の温度を低温で行いたい場合に有効となる。なお、トランス−1,2−ジクロロエチレンにかえて、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレンや、これらの中から二種類以上のガスの混合ガスを用いてもよい。
例えば、酸素に対しHClを0.5〜10体積%(好ましくは3体積%)の割合で含む雰囲気中で、700℃以上の温度で熱処理を行う。950℃以上1100℃以下の加熱温度で熱酸化を行うとよい。処理時間は、0.1〜6時間、好ましくは0.5〜1時間とすればよい。形成される酸化膜の膜厚は、10nm〜1000nm(好ましくは、50nm〜200nm)、例えば、100nmの膜厚とすることができる。
このような温度範囲で酸化処理を行うことで、ハロゲン元素によるゲッタリング効果を得ることができる。ゲッタリング効果としては、特に、金属などの不純物を除去する効果がある。すなわち、ハロゲン元素の作用により金属などの不純物が揮発性の塩化物となって気相中へ離脱して、単結晶半導体基板101から除去される。また、酸化雰囲気中に含まれるハロゲン元素により、単結晶半導体基板101の表面の未結合手が終端されるため、酸化膜と単結晶半導体基板101との界面の局在準位密度が低減できる。
このハロゲン元素を含む雰囲気での熱酸化処理により、酸化膜にハロゲン元素を含ませることができる。ハロゲン元素を1×1016/cm3〜5×1021/cm3の濃度で含ませることにより、単結晶半導体基板101において、金属などの不純物を捕獲して単結晶半導体層112の汚染を防止するブロッキング膜として機能させることができる。
また、絶縁膜102aにハロゲン元素を含ませるためには、フッ化物ガス又はフッ素ガスを含むPECVD装置のチャンバーで、絶縁膜102aを形成することでも実現できる。このようなチャンバーに絶縁膜102a形成用のプロセスガスを供給し、このプロセスガスを励起してプラズマを生成し、当該プラズマに含まれる活性種の化学反応により、単結晶半導体基板101上に絶縁膜102aを形成する。
なお、本明細書において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素原子よりも酸素原子の数が多い物質とし、また、窒化酸化物とは、その組成として、酸素原子より窒素原子の数が多い物質とする。なお、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、Siが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、Siが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。但し、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、Si及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
次に、絶縁膜102を介して、イオンビーム103を単結晶半導体基板101に照射することで単結晶半導体基板101にイオンを導入し、単結晶半導体基板101の一方の面から所定の深さの領域に脆化領域104を形成する(図1(A−3)参照)。
脆化領域104が形成される領域の深さは、イオンビーム103の加速電圧とイオンビーム103の入射角によって調節することができる。イオンの平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に脆化領域104が形成される。イオンを導入する深さで、単結晶半導体基板101から分離される単結晶半導体層の厚さが決定される。この単結晶半導体層の厚さが20nm乃至500nm、好ましくは20nm乃至200nmとなるように、脆化領域104が形成される深さを調節する。
イオンを単結晶半導体基板101に添加するには、イオンドーピング装置を用いることができる。イオンドーピング装置は、ソースガスを励起してプラズマを生成し、プラズマ中からイオンを引き出し、質量分離せずにイオンを被処理物に導入する。イオンドーピング装置を用いることにより、単結晶半導体基板101に対して均一にイオンを導入することができる。なお、質量分離装置を備えているイオンドーピング装置では、質量分離を伴うイオン注入を行うことができる。
イオンの導入の際に用いるガスとしては、水素ガス、希ガス等があるが、本実施の形態では水素ガスを用いることが好ましい。イオンドーピング法で水素ガスを用いた場合、生成するイオンは、H+、H2 +、及びH3 +であるが、H3 +がもっとも多く導入されることが好ましい。H3 +は、H+、H2 +よりもイオンの導入効率がよく、導入時間の短縮を図ることができる。また、後の工程において脆化領域104に亀裂が生じやすくなる。
次に、脆化領域104を形成した後、絶縁膜102上に絶縁膜105を形成する(図1(A−4)参照)。絶縁膜105は、単結晶半導体基板101が支持基板111と接合させる層(接合層)として機能する。絶縁膜105の平均面粗さRaが0.7nm以下、より好ましくは、0.4nm以下が好ましい。絶縁膜105の厚さは10nm以上200nm以下とすることができる。好ましい厚さは10nm以上100nm以下であり、より好ましくは20nm以上50nm以下である。絶縁膜105は、単層構造としても2層以上の積層構造としてもよいが、支持基板111と接合する面(接合面)が平滑面を有し親水性表面となる絶縁膜を用いることが好ましい。
絶縁膜105を形成する工程では、単結晶半導体基板101の加熱温度は、脆化領域104に導入した元素又は分子が析出しない温度とし、その加熱温度は350℃以下が好ましい。言い換えると、この加熱温度は脆化領域104からガスが抜けない温度である。絶縁膜105には、化学的気相反応により形成される絶縁膜が好ましい。例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜などを、絶縁膜105として形成することができる。絶縁膜105として、プラズマ励起CVD(PECVD)法で酸化シリコン膜を形成する場合には、ソースガスに有機シランガスおよび酸素(O2)ガスを用いることが好ましい。ソースガスに有機シランを用いることで、プロセス温度が350℃以下で、平滑な表面を有する酸化シリコン膜を形成することができる。また、熱CVD法で、加熱温度が500℃以下200℃以上で形成されるLTO(低温酸化物、low temperature oxide)で形成することができる。LTOの形成には、シリコンソースガスにモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si2H6)などを用い、酸素ソースガスに一酸化二窒素(N2O)などを用いることができる。
例えば、ソースガスにTEOS(tetraethyl−ortho silicate)とO2を用いて、酸化シリコン膜でなる絶縁膜105を形成するための条件例としては、処理室に、流量15sccmでTEOSを導入し、流量750sccmでO2を導入する。成膜圧力は100Pa、成膜温度300℃、RF出力300W、電源周波数13.56MHzが挙げられる。
また、図1(A−3)の工程と、図1(A−4)の工程の順序を逆にすることもできる。すなわち、単結晶半導体基板101に、絶縁膜102及び絶縁膜105を形成したのち、脆化領域104を形成することもできる。絶縁膜102と絶縁膜105を同じ成膜装置で形成する場合、絶縁膜102と絶縁膜105を連続して形成することが好ましい。
また、図1(A−3)の工程を行った後、図1(A−2)と図1(A−4)の工程を行うこともできる。すなわち、単結晶半導体基板101にイオンビーム103を照射して脆化領域104を形成した後、絶縁膜102及び絶縁膜105を形成することもできる。絶縁膜102と絶縁膜105を同じ成膜装置で形成できる場合は、絶縁膜102と絶縁膜105を連続して形成することが好ましい。また、脆化領域104を形成する前に、単結晶半導体基板101の表面を、イオンビーム103の照射から保護するために、単結晶半導体基板101を酸化処理して、表面に酸化膜を形成し、酸化膜を介してイオンを単結晶半導体基板101に照射することもできる。脆化領域104を形成した後、この酸化膜を除去する。また、酸化膜を残した状態で、絶縁膜102を形成することもできる。
次に、支持基板111を準備する(図1(B)参照)。支持基板111は、絶縁体でなる基板を用いる。具体的には、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスのような電子工業用に使われる各種ガラス基板、石英基板、セラミック基板、サファイア基板等が挙げられる。本実施の形態では、ガラス基板を用いる場合について説明する。支持基板111として大面積化が可能で安価なガラス基板を用いることにより、シリコンウエハを用いる場合と比較して低コスト化を図ることができる。なお、支持基板111を用いるに際し、支持基板111の表面をあらかじめ洗浄することが好ましい。具体的には、支持基板111を塩酸過水(HPM)、硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、希フッ酸(DHF)等を用いて超音波洗浄を行う。例えば、支持基板111の表面に塩酸過水を用いて超音波洗浄を行うことが好ましい。このような洗浄処理を行うことによって、支持基板111表面の平坦化や残存する研磨粒子を除去することができる。
次に、絶縁膜102、脆化領域104及び絶縁膜105が形成された単結晶半導体基板101と支持基板111を洗浄する。この洗浄工程は、純水中での超音波洗浄で行うことができる。超音波洗浄はメガヘルツ超音波洗浄(メガソニック洗浄)が好ましい。超音波洗浄の後、単結晶半導体基板101及び支持基板111の一方又は双方をオゾン添加水で洗浄することが好ましい。オゾン添加水で洗浄することによって、有機物の除去と、絶縁膜105表面及び支持基板111の親水性を向上させる表面活性化処理を行うことができる。また、オゾン添加水の他、酸素添加水、水素添加水、又は純水等で洗浄処理をしてもよい。このような洗浄処理をすることで、接合面を親水性にすることができ、接合面のOH基を増大させることができる。OH基の増大により水素結合による接合をより強固にすることができる。
また、絶縁膜105の表面及び支持基板111の活性化処理には、オゾン添加水による洗浄の他、原子ビーム若しくはイオンビームの照射処理、プラズマ処理、若しくは、ラジカル処理で行うことができる。原子ビーム若しくはイオンビームを利用する場合は、アルゴン等の不活性ガス中性原子ビーム若しくは不活性ガスイオンビームを用いることができる。このような表面処理により、400℃以下の温度であっても異種材料間を接合することが容易となる。
次に、単結晶半導体基板101の表面と支持基板111の表面とを対向させ、絶縁膜105の表面と支持基板111とを密着させる(図1(C)参照)。絶縁膜105と支持基板111とを密着させることにより、ファン・デル・ワールス力で基板同士が引き合う。次に、単結晶半導体基板101の一端の一箇所に300〜15000N/cm2程度の圧力を加える。この圧力は、1000〜5000N/cm2が好ましい。圧力をかけた部分から絶縁膜105と支持基板の表面にできたSi−OH同士が水素結合で接着し始め、接着部分が絶縁膜105のほぼ全面に及ぶ。その結果、支持基板111に単結晶半導体基板101が接着される。この接着工程は、加熱処理を伴わず、常温で行うことができるため、支持基板111に、ガラス基板のように耐熱温度が700℃以下の低耐熱性の基板を用いることが可能である。
支持基板111に単結晶半導体基板101を接着させた後、支持基板111と絶縁膜105との接着界面での結合力を増加させるための加熱処理を行うことが好ましい。この処理温度は、脆化領域104に亀裂を生じさせない温度とし、200℃以上450℃以下の温度範囲で処理することができる。このような温度範囲で熱処理を行うことにより、脱水縮合反応が起こり、水分子が離脱して酸素原子を介した結合(Si−O−Si)となる。したがって、支持基板111と絶縁膜105との接合界面での結合力を強固にすることができる。
次に、加熱処理を行い脆化領域104に沿って分割(劈開)することにより、単結晶半導体層が接着された支持基板と前記単結晶半導体基板とに分離する。図1(C)は、単結晶半導体基板101から、単結晶半導体層112を分離する工程を説明する図である。
加熱処理を行うことで、温度上昇によって脆化領域104に形成されている微小な空孔には、イオンドーピングで添加した元素が析出し、内部の圧力が上昇する。圧力の上昇により、脆化領域104の微小な空孔に体積変化が起こって脆化領域104に亀裂が生じ、脆化領域104に単結晶半導体基板101を分離するための劈開面が生じる。絶縁膜105は、支持基板111に接合しているので、支持基板111には単結晶半導体基板101から分離された単結晶半導体層112が固定される。単結晶半導体層112を単結晶半導体基板101から分離するための加熱処理の温度は、支持基板111の歪み点を超えない温度とする。
この加熱処理には、RTA(Rapid Thermal Anneal)装置、抵抗加熱炉、マイクロ波加熱装置を用いることができる。RTA装置は、加熱された気体を用いるガス加熱式のRTA(GRTA;Gas Rapid Thermal Anneal)装置、ランプ加熱式のRTA(LRTA;Lamp Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。この加熱処理で、単結晶半導体層112が貼り付けられた支持基板111の温度が550℃以上650℃以下の範囲に上昇させることが好ましい。
このように、熱処理を行い脆化領域104に沿って分割(劈開)することにより、支持基板111上に、絶縁膜102及び絶縁膜105を介して単結晶半導体層112を設けることができる(図1(D)参照)。また、単結晶半導体層112を分離した単結晶半導体基板106を再利用することで、作製に係るコストを削減することが可能である。図1(C)に示す熱処理工程は、加熱温度が700℃以下と比較的低温であるため、単結晶半導体基板106への熱によるダメージを抑制することができ、単結晶半導体基板101を再利用する場合に有効である。
以上の工程により、支持基板111上に絶縁膜102、絶縁膜105を介して単結晶半導体層112が設けられた半導体基板を作製することができる。
図2(A)に示す単結晶半導体層112は、脆化領域104の形成のためのイオン導入工程や分離工程により、内部には結晶欠陥が残存し、表面には脆化領域やダメージが残存するなど内部及び表面の結晶性が劣化した状態となっている。また、単結晶半導体層112として剥離する際の分離がスムーズに行われないと、単結晶半導体層112の表面が荒れたり、単結晶半導体層112の膜厚がばらついたり、単結晶半導体層112に微細なクラックが生じたりといった問題が生じる。このような平坦性の損なわれた単結晶半導体層112の表面に、薄く、且つ、高い絶縁耐圧のゲート絶縁層を形成することは困難である。また、単結晶半導体層112に結晶欠陥が存在する場合には、ゲート絶縁層との界面における局在準位密度が高くなるなど、トランジスタの性能及び信頼性に悪影響を与えてしまう。そこで、単結晶半導体層112の平坦性及び結晶性を向上させるため平坦化処理を行う。単結晶半導体層112の平坦化処理は、エッチング処理及びレーザ光の照射を組み合わせて行うことができる。平坦化処理を行うことにより、単結晶半導体層112内部及び表面の結晶欠陥を低減し、結晶性を回復させ、単結晶半導体層の表面を平坦化させることができる。なお、図2(A)において、単結晶半導体層112の表面の凹凸形状は、表面が粗く、平坦性が悪いことを特徴的に示しているだけであり、実際の形状はこれに限定されない。
また、図2(A)に示すように、単結晶半導体基板101から分離された単結晶半導体層112の表面には、自然酸化膜113が形成されている。自然酸化膜113の表面にはゴミなどの汚染物が付着している。そこで、レーザ光107を照射する前に、単結晶半導体層112の表面に形成された自然酸化膜113及び単結晶半導体層112表面に残存する結晶欠陥を除去することが好ましい。エッチング処理により自然酸化膜113及び結晶欠陥を除去した後に、レーザ光の照射を行うことで単結晶半導体層112の平坦化の効果、及び結晶性の回復の効果を高めることができる。自然酸化膜113及び単結晶半導体層112表面の結晶欠陥の除去は、ドライエッチングで行うことが好ましい。自然酸化膜113及び単結晶半導体層112表面の結晶欠陥の除去をウェットエッチングで行った場合、単結晶半導体層112に微細なクラックが生じていると、薬液が微細なクラックから支持基板111に侵入して、支持基板111を浸食するおそれがあるからである。
自然酸化膜113及び単結晶半導体層112のエッチング処理方法は、ドライエッチングを行えるものであれば特に限定されない。例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング法、平行平板型(容量結合型)エッチング法、マグネトロンプラズマエッチング法、2周波プラズマエッチング法またはヘリコン波プラズマエッチング法等を用いることができる。エッチングガスは、例えば、Cl2、BCl3、SiCl4等の塩素系のガス、CHF3、CF4、C4F8、C2F6、NF3、弗化硫黄等のフッ素系のガス、HBr等の臭素系のガスを用いることによりエッチングすることが可能である。その他、HeやArやXeなどの不活性ガス、又はO2ガス、H2ガスを用いることができる。自然酸化膜113及び単結晶半導体層112の表面を除去するためのエッチング処理を第1のエッチング処理と記す。第1のエッチング処理は、複数回に分けて行うことが可能である。例えば、自然酸化膜113を除去した後に、単結晶半導体層112の表面を除去することで行う。具体的には、Ar等の不活性ガスにより自然酸化膜を除去した後に、塩素などの塩素系ガスを用いて単結晶半導体層112の表面に残存する脆化領域やダメージを除去することで行うことができる。単結晶半導体層112に存在する欠陥の大きさや深さは、イオンを添加するエネルギーの大きさやドーズ量に起因するため、第1のエッチング処理によって単結晶半導体層112の表面を除去する膜厚は、エッチング処理前の単結晶半導体層112の膜厚とその表面粗さの程度によって適宜設定すればよい。
このようにして、第1のエッチング処理を行うことにより、自然酸化膜113を除去することができ、単結晶半導体層112の表面を清浄化することができる(図2(B)参照)。また、第1のエッチング処理により単結晶半導体層112の表面の結晶欠陥を除去することにより、単結晶半導体層112の表面粗さを低減することができる。
また、単結晶半導体層112の内部には、脆化領域104形成のためのイオン導入工程によって結晶欠陥が形成されている。また、単結晶半導体基板101から単結晶半導体層112を剥離する際の劈開がスムーズに行われず、単結晶半導体層112に微細なクラックが生じている場合がある。そこで、単結晶半導体層112内部の結晶欠陥を低減、結晶性回復、及び単結晶半導体層112の平坦化のために、単結晶半導体層112にレーザ光107を照射する。
また、図2(C)に示すように、第1のエッチング処理がなされた単結晶半導体層112の表面には新たに自然酸化膜114が形成されている場合がある。そこで、レーザ光107を単結晶半導体層112に照射する前に、単結晶半導体層112の表面に形成されている自然酸化膜114を除去する必要がある。単結晶半導体層112表面に自然酸化膜114が残存した状態で、レーザ光107を照射しても、単結晶半導体層112内部の結晶欠陥を低減、結晶性回復、及び単結晶半導体層112の平坦化の効果が十分に得られないからである。また、自然酸化膜114が残存した状態で、レーザ光107を照射することによって、単結晶半導体層112の表面が荒れてしまう場合や、表面に大きな凹凸が生じてしまう場合がある。
自然酸化膜114の除去は、エッチング処理を用いて行うことができる。自然酸化膜114を除去するためのエッチング処理は、ドライエッチングで行うことが好ましい。自然酸化膜113除去をウェットエッチングで行った場合、単結晶半導体層112に微細なクラックが生じていると、薬液が微細なクラックから支持基板111に侵入して、支持基板111を浸食し、空洞を形成するおそれがある。また、支持基板111に対してレーザ光を照射すると、浸食された支持基板111の空洞内の空気が加熱され、単結晶半導体層が異常加熱されて膜が飛んでしまうおそれがある。
レーザ光107の照射前のエッチング処理は、ドライエッチングを行えるものであれば特に限定されない。例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング法、平行平板型(容量結合型)エッチング法、マグネトロンプラズマエッチング法、2周波プラズマエッチング法またはヘリコン波プラズマエッチング法等を用いることができる。エッチングガスは、例えば、Cl2、BCl3、SiCl4などの塩素系ガス、CHF3、CF4、C4F8、C2F6、NF3、弗化硫黄等のフッ素系のガス、HBr等の臭素系のガスを用いることによりエッチングすることが可能である。その他、He、Ar、Xeなどの不活性ガス、又はO2、H2を用いることができる。これらのエッチングガスは、一種類又は複数種類を組み合わせて用いることができる。本実施の形態では、例えば、ICPエッチング法を用いる場合、エッチングガスであるアルゴンの流量100sccm、コイル型の電極に投入する電力500W、下部電極(バイアス側)に投入する電力100W、反応圧力1.35Paとすれば良い。レーザ光107を単結晶半導体層112に照射する前に行うエッチング処理を第2のエッチング処理と記す。
自然酸化膜114を除去した後に、単結晶半導体層112の表面にレーザ光107を照射する(図2(D)参照)。単結晶半導体層112にレーザ光を照射することにより、単結晶半導体層112を溶融させることができる。単結晶半導体層112は、レーザ光107によって溶融された部分が冷却し、固化するため、平坦性が向上される。また、レーザ光107の照射により平坦性の向上とともに、単結晶半導体層112の結晶欠陥が減少し、単結晶半導体層112の結晶性を向上させることができる。レーザ光107を用いることにより、支持基板111が直接加熱されないため、支持基板111の温度上昇を抑制することができる。
なお、レーザ光107の照射による単結晶半導体層112の溶融は、部分溶融とすることが好ましい。完全溶融させた場合には、液相となった後の無秩序な核発生により微結晶化し、結晶性が低下する可能性が高いためである。一方で、部分溶融させることにより、溶融されていない固相部分から結晶成長が進行する。これにより、単結晶半導体層112中の結晶欠陥を減少させることができる。ここで、完全溶融とは、単結晶半導体層112が下部界面付近まで溶融されて、液体状態になることをいう。他方、部分溶融とは、この場合、単結晶半導体層112の上部は溶融して液層となるが、下部は溶融せずに固相のままであることをいう。
レーザ光107を発振するレーザは、連続発振レーザ、疑似連続発振レーザ及びパルス発振レーザのいずれでもよいが、パルス発振レーザを用いることが好ましい。これは瞬間的に高エネルギーのパルスレーザ光を発振することができ、溶融状態を作り出すことが容易となるためである。発振周波数は、1Hz以上10MHz以下程度とすることが好ましい。
レーザ発振器としては、例えば、KrFレーザなどのエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ等の気体レーザがある。その他、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、GdVO4レーザ、KGWレーザ、KYWレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、Y2O3レーザ等がある。なお、エキシマレーザはパルス発振レーザであるが、YAGレーザなどの固体レーザには、連続発振レーザにも、疑似連続発振レーザにも、パルス発振レーザにもなるものがある。
レーザ光の波長は、単結晶半導体層112に吸収される波長であり、レーザ光の表皮深さ(skin depth)等を考慮して決定することができる。例えば、波長は250nm以上700nm以下の範囲とすることができる。また、レーザ光のエネルギーにも、レーザ光の波長、レーザ光の表皮深さ、単結晶半導体層112の膜厚等を考慮して決定することができる。レーザ光のエネルギーは、例えば、300mJ/cm2以上1J/cm2以下の範囲とすることができる。またレーザ光の照射は、大気雰囲気のような酸素を含む雰囲気、または窒素雰囲気のような不活性雰囲気で行うことができる。窒素などの不活性雰囲気のほうが、大気雰囲気よりも単結晶半導体層112の平坦性を向上させる効果が高く、またクラックの発生を抑える効果が高い。
なお、レーザ光を照射する際に、支持基板111に固定された単結晶半導体層112を加熱し、単結晶半導体層112の温度を上昇させてもよい。加熱温度は400℃以上670℃以下が好ましく、450℃以上650℃以下がより好ましい。
本実施の形態においてレーザ光107の照射工程は、次のように行うことができる。レーザ光107のレーザ発振器として、XeClエキシマレーザ(波長:308nm、パルス幅:25n秒、繰り返し周波数30Hz)を用いる。光学系により、レーザ光107の断面を150mm×0.34mmの線状に整形する。レーザ光107の走査速度を1.0mm/秒とし、スキャンピッチを33μm、ビームショット数を約10ショットで、レーザ光107を単結晶半導体層112に照射する。照射面に窒素ガスを吹き付けながら、レーザ光107を走査する。支持基板111が730mm×920mmの場合は、レーザ光107のビーム長が150mmであるので、レーザ光107の照射領域を6分割することで、支持基板111が接着された単結晶半導体層112にレーザ光107を照射することができる。
このようにして、レーザ光107を照射することにより、支持基板111表面を短時間で加熱し、短時間で冷却できるので、支持基板111の温度上昇が抑えられ、ガラス基板のような耐熱性の低い基板を支持基板111に用いることが可能となる。よって、支持基板111にガラス基板のような耐熱性の低い基板を用いたとしても、イオン添加工程による単結晶半導体層中のダメージを十分回復させることができる。
支持基板111に接着された単結晶半導体層112に第1のエッチング処理を行うことにより、単結晶半導体層112表面の自然酸化膜113及び結晶欠陥を除去し、単結晶半導体層112の表面粗さを低減することができる。また、第1のエッチング処理を行った後に、レーザ光を照射することで、単結晶半導体層112の溶融時に単結晶半導体層中に欠陥を取り込むことを防止することができる。また、レーザ光を照射する前に、第2のエッチング処理を行うことにより、レーザ光の照射の効果を高めることができる。したがって、単結晶半導体層112に第1のエッチング処理及び第2のエッチング処理を行った後に、レーザ光107を照射することにより、単結晶半導体層112内部及び表面の結晶欠陥を低減し、結晶性を回復させ、単結晶半導体層112の表面を平坦化させることができる。
次に、後に形成される半導体素子にとって最適となる膜厚まで単結晶半導体層112を薄膜化するための薄膜化処理を行う(図3(A))。単結晶半導体層112を薄膜化するためには、第1のエッチング処理と同様にして行うことができる。例えば、単結晶半導体層112がシリコンの場合、SF6とO2をプロセスガスに用いたドライエッチングで、単結晶半導体層112を薄膜化することができる。
薄膜化処理を行った後、単結晶半導体層112に500℃以上700℃以下の加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理によって、レーザ光107の照射で回復されなかった、単結晶半導体層112の欠陥の消滅、単結晶半導体層112の歪みの緩和をすることができる。この加熱処理には、RTA(Rapid Thermal Anneal)装置、抵抗加熱炉、マイクロ波加熱装置を用いることができる。RTA装置は、加熱された気体を用いるガス加熱式のRTA装置、ランプ加熱式のRTA装置を用いることができる。例えば、抵抗加熱炉を用いた場合は、550℃で4時間加熱するとよい。
以上の工程により、図3(B)に示すSOI基板を作製することができる。
以上の工程により、支持基板111上に絶縁膜102及び絶縁膜105を介して単結晶半導体層112が設けられたSOI基板を作製することができる。本実施の形態で示した作製方法を用いることによって、結晶欠陥が低減され、かつ平坦性の良好な単結晶半導体層112を有するSOI基板を提供することができる。このSOI基板を用いることで、特性の優れた半導体素子を形成することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示したSOI基板の構成とは異なるSOI基板の構成を示す。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4に、支持基板111上に絶縁膜102b及び絶縁膜102aを介して単結晶半導体層112を設けた構成を示す。まず、単結晶半導体基板101上に、絶縁膜102aを形成する。次に、イオンビームを照射することにより、単結晶半導体基板101に脆化領域104を形成する。次に、絶縁膜102a上に接合層として機能する絶縁膜102bを形成する。絶縁膜102bを形成した後に、単結晶半導体基板101と支持基板111とを絶縁膜102a及び絶縁膜102bを介して接着する。次に、熱処理を行い脆化領域104に沿って分割することにより、支持基板111上に絶縁膜102a及び絶縁膜102bを介して単結晶半導体層112を形成することができる。次に、単結晶半導体層112に対して、平坦化処理及び薄膜化処理を行うことにより、本発明の一形態に係るSOI基板を作製することができる。平坦化処理及び薄膜化処理は、図2乃至図3において示した方法を用いればよいため、詳しい説明を省略する。以上により、図4に示すSOI基板を作製することができる。
図5に示す構成は、支持基板111上に絶縁膜115及び絶縁膜102aを介して単結晶半導体層112を設けた構成を示す。まず、単結晶半導体基板101上に、絶縁膜102aを形成する。絶縁膜102aは、熱酸化処理による酸化膜であることが好ましい。この絶縁膜102aは、接合層として機能する。次に、イオンビームを照射することにより、単結晶半導体基板101に脆化領域104を形成する。
次に、支持基板111の表面にプラズマ処理による平坦化処理を行う。ここでは、真空状態のチャンバーに不活性ガス(例えば、Arガス)及び/又は反応性ガス(例えば、O2ガス、N2ガス)を導入し、被処理面(ここでは、支持基板111)にバイアス電圧を印加してプラズマ状態として行う。プラズマ中には電子とArの陽イオンが存在し、陰極方向(支持基板111側)にArの陽イオンが加速される。加速されたArの陽イオンが支持基板111表面に衝突することによって、支持基板111表面がスパッタエッチングされる。このとき、支持基板111表面の凸部から優先的にスパッタエッチングされ、当該支持基板111表面の平坦性を向上することができる。反応性ガスを導入する場合、支持基板111表面がスパッタエッチングされることにより生じる欠損を、補修することができる。
プラズマ処理による平坦化処理を行うことにより、支持基板111の表面の平均粗さ(Ra)を好ましくは0.5nm以下、より好ましくは0.3nm以下とし、最大高低差(P−V)を好ましくは6nm以下、より好ましくは3nm以下とする。具体的な条件としては、処理電力100〜1000W、圧力0.1〜2.0Pa、ガス流量5〜150sccm、バイアス電圧200〜600Vで行えばよい。
また、上述したプラズマ処理を行う際に、チャンバー内をプレコート処理しておくことにより、反応室を構成する金属(鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等)が不純物として支持基板111の表面に付着することを防ぐことができる。例えば、反応室内を酸化シリコン膜、シリコン膜、酸化アルミニウム膜、シリコンカーバイド(SiC)膜等の絶縁膜で被覆しておくことにより、平坦化処理に伴う支持基板111の表面汚染を低減することが可能となる。
このように、平坦化処理を行うことによって、支持基板111の表面の平坦性を向上することができる。仮に支持基板111としてCMP等により研磨された基板を用いる場合であっても、支持基板111上に残留する研磨粒子(CeO2等)を除去し、表面を平坦化することができる。その結果、支持基板111上に形成される膜の平坦性を向上させることができる。なお、支持基板111の平坦化処理を行う前に支持基板111の洗浄を行ってもよい。具体的には、支持基板111を、塩酸過水(HPM)、硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、希フッ酸(DHF)等を用いて超音波洗浄を行う。例えば、支持基板111の表面に塩酸過水を用いて超音波洗浄を行うことが好ましい。このような洗浄処理を行うことによって、ある程度支持基板111表面の平坦化や残存する研磨粒子を除去することができる。
次に、支持基板111上にSi系の絶縁膜以外の絶縁膜115を形成する。絶縁膜115は、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、チタン、タンタル、ジルコニウム、イットリウムから選ばれた一つ又は複数の元素を含む酸化膜又は窒化膜を用いることができる。本実施の形態では、絶縁膜115として、酸化アルミニウムを主成分とする酸化膜を用いる。酸化アルミニウムを主成分とする酸化膜とは、当該酸化膜に含まれる成分の合計を100重量%とするときに、酸化アルミニウムを10重量%以上含む酸化膜をいう。他にも、絶縁膜115としては、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化マグネシウムと酸化ストロンチウムの一方又は両方が含まれる膜を適用することができる。また、窒素を含有する酸化アルミニウムを絶縁膜115として用いてもよい。
絶縁膜115は、スパッタリング法により形成することができる。スパッタリング法に用いるターゲットとしては、例えば、アルミニウム(Al)を含む金属又は酸化アルミニウム等の金属酸化物を用いることができる。なお、ターゲットの材料は、形成したい膜に応じて適宜選択すればよい。また、上述した平坦化処理とスパッタリング法による絶縁膜115の形成を大気に曝さずに連続して行うことが好ましい。連続して処理することによって、スループットの向上を図ることができる。また、プラズマ処理を用いて支持基板111の表面を平坦化した後には、支持基板111表面が活性化しており、有機物等の不純物が付着しやすいが、連続して処理することによって、支持基板111への不純物の付着を低減することができる。
スパッタターゲットとして金属を用いる場合には、反応ガス(例えば、酸素)を導入しながらスパッタすること(反応性スパッタリング法)により、絶縁膜115を形成する。金属としては、アルミニウムの他に、マグネシウム(Mg)、アルミニウムとマグネシウムを含む合金、アルミニウムとストロンチウム(Sr)を含む合金、アルミニウムとマグネシウムとストロンチウムを含む合金を用いることができる。この場合、スパッタリングは直流(DC)電源又は高周波(RF)電源を用いて行えばよい。
例えば、ターゲットとしてアルミニウムを用い、ガス流量(アルゴン:0〜100sccm、酸素:5〜100sccm)、成膜圧力0.1〜2.0Pa、成膜電力0.5〜4kW、T−S間距離(ターゲットと基板間距離)が50〜185mmで行うことができる。なお、絶縁膜115の成膜前に不活性ガス(例えば、アルゴン)を用いてスパッタを行うことや、ダミー基板にあらかじめ成膜することによって、支持基板111上に絶縁膜115を形成する場合に生じるゴミを低減することができる。
ターゲットとして金属酸化物を用いる場合には、高周波(RF)電源を用いてスパッタすること(RFスパッタリング法)により、絶縁膜115を形成する。金属酸化物としては、酸化アルミニウムの他に、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、アルミニウムとマグネシウムを含有する酸化物、アルミニウムとストロンチウムを含有する酸化物、アルミニウムとマグネシウムとストロンチウムを含有する酸化物を用いることができる。例えば、ターゲットとして酸化アルミニウムを用い、ガス流量(アルゴン:0〜100sccm、酸素:5〜100sccm)、成膜圧力0.1〜2.0Pa、成膜電力0.5〜4kW、T−S間距離(ターゲットと基板間距離)が50〜185mmで行うことができる。
他にも、バイアススパッタリング法を用いて、絶縁膜115を形成してもよい。バイアススパッタリング法では、ターゲットからの堆積と共に、被処理面(ここでは、支持基板111)にバイアス電圧を印加して当該被処理面にイオンを入射させることにより、被処理面のエッチングと再付着も同時に行われる。エッチングは支持基板111表面の凸から優先的に行われるため、支持基板111表面の平坦化を行いつつ、絶縁膜115の堆積を行うことができる。そのため、バイアススパッタリング法を適用する場合には、絶縁膜115形成前に支持基板111に行う平坦化処理を省略してもよい。
バイアススパッタリング法を用いる場合には、ターゲットとしてアルミニウムを用い、ガス流量(アルゴン:0〜100sccm、酸素:5〜100sccm)、成膜圧力0.1〜2.0Pa、成膜電力0.5〜4kW、T−S間距離(ターゲットと基板間距離)が50〜185mmで行うことができる。
支持基板111上に酸化アルミニウムを主成分とする酸化膜を設けることによって、支持基板111に含まれる可動イオンや水分等の不純物が、後に当該支持基板111上に形成される単結晶半導体層に拡散することを防ぐことができる。
次に、単結晶半導体基板101と支持基板111とを絶縁膜102a及び絶縁膜115を介して接着する。次に、熱処理を行い脆化領域104に沿って分割することにより、支持基板111上に絶縁膜115及び絶縁膜102aを介して単結晶半導体層112を形成することができる。次に、単結晶半導体層112に対して、平坦化処理及び薄膜化処理を行うことにより、本発明の一形態に係るSOI基板を作製することができる。平坦化処理及び薄膜化処理は、図2及び図3において示した方法を用いればよいため、詳しい説明を省略する。以上により、図5に示すSOI基板を作製することができる。
図6に示す構成は、支持基板111上に絶縁膜102aを介して単結晶半導体層112を設けた構成を示す。まず、単結晶半導体基板上に、接合層として機能する絶縁膜102aを形成する。絶縁膜102aは、単結晶半導体基板101を酸化処理して酸化膜を形成することにより、形成する。この酸化膜を形成するための熱酸化処理は、ドライ酸化で行うこともできるが、酸化雰囲気中にハロゲン元素を含むガスを添加することが好ましい。次に、単結晶半導体基板101と支持基板111とを絶縁膜102aを介して接着する。次に、熱処理を行い脆化領域104に沿って分割することにより、支持基板111上に絶縁膜102aを介して単結晶半導体層112を形成することができる。次に、単結晶半導体層112に対して、平坦化処理及び薄膜化処理を行うことにより、本発明の一形態に係るSOI基板を作製することができる。平坦化処理及び薄膜化処理は、図2及び図3において示した方法を用いればよいため、詳しい説明を省略する。以上により、図6に示すSOI基板を作製することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、高性能及び高信頼性な半導体素子を有する半導体装置を、歩留まりよく作製することを目的とした半導体装置の作製方法の一例としてCMOS(相補型金属酸化物半導体:Complementary Metal Oxide Semiconductor)に関して図7及び図8を用いて説明する。なお、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分又は同様な機能を有する部分の繰り返しの説明は省略する。
図7(A)は、支持基板111上に絶縁膜102、単結晶半導体層112が形成されている。なお、ここでは図4に示す構成のSOI基板を適用する例を示すが、本明細書で示すその他の構成のSOI基板も適用できる。
単結晶半導体層112は、単結晶半導体基板101より分離され、平坦化処理が行われている。平坦化処理としては、エッチング処理、レーザ光の照射を組み合わせて行うことにより行うことができる。ここでは、実施の形態1で示した第1のエッチング処理及び第2のエッチング処理を行った後にレーザ光を照射することによって、単結晶半導体層112の結晶性回復と表面の平坦化が行われているため、結晶欠陥も低減され、かつ平坦性も高い単結晶半導体層112である。
単結晶半導体層112をエッチングして、半導体素子の配置に合わせて島状に分離した単結晶半導体層205、206を形成する(図7(B)参照。)。
単結晶半導体層205、206を形成するためのエッチングを行う前に、TFTのしきい値電圧を制御するために、ホウ素、アルミニウム、ガリウムなどの不純物元素、またはリン、ヒ素などの不純物元素を単結晶半導体層112に添加することが好ましい。例えば、nチャネル型TFTが形成される領域に不純物元素を添加し、pチャネル型TFTが形成される領域に不純物元素を添加する。
次に、単結晶半導体層上の酸化膜を除去し、単結晶半導体層205、206を覆うゲート絶縁層207を形成する(図7(C)参照)。本実施の形態における単結晶半導体層205、206は平坦性が高いため、単結晶半導体層205、206上に形成されるゲート絶縁層が薄膜のゲート絶縁層であっても被覆性よく覆うことができる。従ってゲート絶縁層の被覆不良による特性不良を防ぐことができ、高信頼性の半導体装置を歩留まりよく作製することができる。ゲート絶縁層207の薄膜化は、薄膜トランジスタを低電圧で高速に動作させる効果がある。
ゲート絶縁層207は酸化珪素、若しくは酸化珪素と窒化珪素の積層構造で形成すればよい。ゲート絶縁層207は、プラズマCVD法や減圧CVD法により絶縁膜を堆積することで形成しても良いし、プラズマ処理による固相酸化若しくは固相窒化で形成すると良い。単結晶半導体層を、プラズマ処理により酸化又は窒化することにより形成するゲート絶縁層は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れているためである。
また、ゲート絶縁層207として、二酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、二酸化チタン、五酸化タンタルなどの高誘電率材料を用いても良い。ゲート絶縁層207に高誘電率材料を用いることにより、ゲートリーク電流を低減することができる。
ゲート絶縁層207上にゲート電極層208及びゲート電極層209を形成する(図7(C)参照。)。ゲート電極層208、209は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の手法により形成することができる。ゲート電極層208、209はタンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)から選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、ゲート電極層208、209としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン層に代表される半導体層や、AgPdCu合金を用いてもよい。
次に、単結晶半導体層206を覆うマスク211を形成する。マスク211及びゲート電極層208をマスクとして、n型を付与する不純物元素210を添加し、第1のn型不純物領域212a、212bを形成する(図7(D)参照。)。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH3)を用いる。ここでは、第1のn型不純物領域212a、212bに、n型を付与する不純物元素が1×1017〜5×1018/cm3程度の濃度で含まれるように添加する。本実施の形態では、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用いる。
次に、単結晶半導体層205を覆うマスク214を形成する。マスク214、ゲート電極層209をマスクとしてp型を付与する不純物元素213を添加し、第1のp型不純物領域215a、第1のp型不純物領域215bを形成する(図7(E)参照。)。本実施の形態では、不純物元素としてボロン(B)を用いるため、不純物元素を含むドーピングガスとしてはジボラン(B2H6)などを用いる。
次に、マスク214を除去し、ゲート電極層208、209の側面にサイドウォール構造の側壁絶縁層216a〜216d、ゲート絶縁層233a、233bを形成する(図8(A)参照。)。側壁絶縁層216a〜216dは、ゲート電極層208、209を覆う絶縁層を形成した後、これをRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法による異方性のエッチングによって加工し、ゲート電極層208、209の側壁に自己整合的にサイドウォール構造の側壁絶縁層216a〜216dを形成すればよい。ここで、絶縁層について特に限定はなく、TEOS若しくはシラン等と、酸素若しくは亜酸化窒素等とを反応させて形成した段差被覆性のよい酸化珪素であることが好ましい。絶縁層は熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD、スパッタリング等の方法によって形成することができる。ゲート絶縁層233a、233bはゲート電極層208、209、及び側壁絶縁層216a〜216dをマスクとしてゲート絶縁層207をエッチングして形成することができる。
また、本実施の形態では、絶縁層をエッチングする際、ゲート電極層上の絶縁層を除去し、ゲート電極層を露出させるが、絶縁層をゲート電極層上に残すような形状に側壁絶縁層216a〜216dを形成してもよい。また、後工程でゲート電極層上に保護膜を形成してもよい。このようにゲート電極層を保護することによって、エッチング加工する際、ゲート電極層の膜減りを防ぐことができる。また、ソース領域及びドレイン領域にシリサイドを形成する場合、シリサイド形成時に成膜する金属膜とゲート電極層とが接しないので、金属膜の材料とゲート電極層の材料とが反応しやすい材料であっても、化学反応や拡散などの不良を防止することができる。エッチング方法は、ドライエッチング法でもウェットエッチング法でもよく、種々のエッチング方法を用いることができる。本実施の形態では、ドライエッチング法を用いる。エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素系ガス、CF4、SF6もしくはNF3などを代表とするフッ素系ガス又はO2を適宜用いることができる。
次に、単結晶半導体層206を覆うマスク218を形成する。マスク218、ゲート電極層208、側壁絶縁層216a、216bをマスクとしてn型を付与する不純物元素217を添加し、第2のn型不純物領域219a、219b、第3のn型不純物領域220a、220bが形成される。本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてPH3を用いる。ここでは、第2のn型不純物領域219a、219bにn型を付与する不純物元素が5×1019〜5×1020/cm3程度の濃度で含まれるように添加する。また、単結晶半導体層205にチャネル形成領域221が形成される(図8(B)参照。)。
第2のn型不純物領域219a、第2のn型不純物領域219bは高濃度n型不純物領域であり、ソース、ドレインとして機能する。一方、第3のn型不純物領域220a、220bは低濃度不純物領域であり、LDD(LightlyDoped Drain)領域となる。第3のn型不純物領域220a、220bはゲート電極層208に覆われていないLoff領域に形成されるため、オフ電流を低減する効果がある。この結果、さらに信頼性の高く、低消費電力の半導体装置を作製することが可能である。
マスク218を除去し、単結晶半導体層205を覆うマスク223を形成する。マスク223、ゲート電極層209、側壁絶縁層216c、216dをマスクとして、p型を付与する不純物元素222を添加し、第2のp型不純物領域224a、224b、第3のp型不純物領域225a、225bを形成する。
第2のp型不純物領域224a、224bにp型を付与する不純物元素が1×1020〜5×1021/cm3程度の濃度で含まれるように添加する。本実施の形態では、第3のp型不純物領域225a、225bは、側壁絶縁層216c、216dにより、自己整合的に第2のp型不純物領域224a、224bより低濃度となるように形成する。また、単結晶半導体層206にチャネル形成領域226が形成される(図8(C)参照。)。
第2のp型不純物領域224a、224bは高濃度p型不純物領域であり、ソース、ドレインとして機能する。一方、第3のp型不純物領域225a、225bは低濃度不純物領域であり、LDD(Lightly Doped Drain)領域となる。第3のp型不純物領域225a、225bはゲート電極層209に覆われていないLoff領域に形成されるため、オフ電流を低減する効果がある。この結果、さらに信頼性の高く、低消費電力の半導体装置を作製することが可能である。
マスク223を除去し、不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザビームの照射を行ってもよい。活性化と同時にゲート絶縁層へのプラズマダメージやゲート絶縁層と単結晶半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。
次いで、ゲート電極層、ゲート絶縁層を覆う層間絶縁層を形成する。本実施の形態では、保護膜となる水素を含む絶縁膜227と、絶縁層228との積層構造とする。絶縁膜227と絶縁層228は、スパッタ法、またはプラズマCVDを用いた窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜でもよく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または3層以上の積層構造として用いても良い。
さらに、窒素雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、単結晶半導体層を水素化する工程を行う。好ましくは、400〜500℃で行う。この工程は層間絶縁層である絶縁膜227に含まれる水素により単結晶半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。本実施の形態では、410度(℃)で1時間加熱処理を行う。
絶縁膜227、絶縁層228としては他に窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム(AlNO)または酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素(CN)その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、有機基(例えばアルキル基、アリール基)やフルオロ基を用いて良い。有機基はフルオロ基を有していても良い。また、有機絶縁性材料を用いてもよく、有機材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、ポリシラザンを用いることができる。平坦性のよい塗布法によってされる塗布膜を用いてもよい。
絶縁膜227、絶縁層228は、ディップ、スプレー塗布、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、CVD法、蒸着法等を採用することができる。液滴吐出法により絶縁膜227、絶縁層228を形成してもよい。液滴吐出法を用いた場合には材料液を節約することができる。また、液滴吐出法のようにパターンが転写、または描写できる方法、例えば印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)なども用いることができる。
次に、レジストからなるマスクを用いて絶縁膜227、絶縁層228に単結晶半導体層に達するコンタクトホール(開口)を形成する。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。エッチングによって、絶縁膜227、絶縁層228を除去し、ソース領域又はドレイン領域である第2のn型不純物領域219a、219b、第2のp型不純物領域224a、224bに達する開口を形成する。エッチングは、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよく、両方用いてもよい。ウェットエッチングのエッチャントは、フッ素水素アンモニウム及びフッ化アンモニウムを含む混合溶液のようなフッ酸系の溶液を用いるとよい。エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素系ガス、CF4、SF6もしくはNF3などを代表とするフッ素系ガス又はO2を適宜用いることができる。また用いるエッチング用ガスに不活性気体を添加してもよい。添加する不活性元素としては、He、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種または複数種の元素を用いることができる。
開口を覆うように導電膜を形成し、導電膜をエッチングして各ソース領域又はドレイン領域の一部とそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層229a、229b、230a、230bを形成する。配線層は、PVD法、CVD法、蒸着法等により導電膜を成膜した後、所望の形状にエッチングして形成することができる。また、液滴吐出法、印刷法、電解メッキ法等により、所定の場所に選択的に導電層を形成することができる。更にはリフロー法、ダマシン法を用いても良い。配線層の材料は、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba等の金属、及びSi、Ge、又はその合金、若しくはその窒化物を用いて形成する。また、これらの積層構造としても良い。
以上の工程でCMOS構造のnチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ231及びpチャネル型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ232を含む半導体装置を作製することができる(図8(D)参照。)。図示しないが、本実施の形態はCMOS構造であるため、薄膜トランジスタ231と薄膜トランジスタ232とは電気的に接続している。
本実施の形態に限定されず、薄膜トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
以上のように、結晶欠陥が低減され、かつ平坦性も高い単結晶半導体層を有するSOI基板を用いることにより、高性能及び高信頼性な半導体装置を歩留まり良く作製することができる。
このように、SOI基板を用いて薄膜トランジスタを作製することができる。SOI基板の単結晶半導体層は、結晶欠陥が殆ど無く、ゲート絶縁層207との界面準位密度が低減された単結晶半導体層であり、その表面が平坦化され、さらにその厚さを50nm以下と薄膜化されている。このことにより、SOI基板に、低い駆動電圧、高い電界効果移動、小さいサブスレッショルド値など、優れた特性を備えた薄膜トランジスタを形成することができる。さらに、同一基板上に特性のばらつきの少ない、高性能なトランジスタを複数基板上に形成することが可能である。すなわち、本発明の一形態に係るSOI基板を用いることで、しきい値電圧や移動度などトランジスタ特性として重要な特性値の不均一性が抑制され、また高電界移動度などの高性能化が可能になる。
従って、本発明の一形態に係るSOI基板を用いてTFTなど各種の半導体素子を形成することで、高付加価値の半導体装置を作製することができる。
(実施の形態4)
実施の形態3において、TFTの作製方法を説明したが、TFTの他、容量、抵抗などTFTと共に各種の半導体素子を形成することで、高付加価値の半導体装置を作製することができる。以下、図面を参照しながら半導体装置の具体的な態様を説明する。
まず、半導体装置の一例として、マイクロプロセッサについて説明する。図9はマイクロプロセッサ500の構成例を示すブロック図である。
マイクロプロセッサ500は、演算回路501(Arithmetic logic unit。ALUともいう。)、演算回路制御部502(ALU Controller)、命令解析部503(Instruction Decoder)、割り込み制御部504(Interrupt Controller)、タイミング制御部505(Timing Controller)、レジスタ506(Register)、レジスタ制御部507(Register Controller)、バスインターフェース508(Bus I/F)、読み出し専用メモリ509、およびメモリインターフェース510を有している。
バスインターフェース508を介してマイクロプロセッサ500に入力された命令は、命令解析部503に入力され、デコードされた後、演算回路制御部502、割り込み制御部504、レジスタ制御部507、タイミング制御部505に入力される。演算回路制御部502、割り込み制御部504、レジスタ制御部507、タイミング制御部505は、デコードされた命令に基づき様々な制御を行う。
演算回路制御部502は、演算回路501の動作を制御するための信号を生成する。また、割り込み制御部504は、マイクロプロセッサ500のプログラム実行中に、外部の入出力装置や周辺回路からの割り込み要求を処理する回路であり、割り込み制御部504は、割り込み要求の優先度やマスク状態を判断して、割り込み要求を処理する。レジスタ制御部507は、レジスタ506のアドレスを生成し、マイクロプロセッサ500の状態に応じてレジスタ506の読み出しや書き込みを行う。タイミング制御部505は、演算回路501、演算回路制御部502、命令解析部503、割り込み制御部504、およびレジスタ制御部507の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えば、タイミング制御部505は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えている。図9に示すように、内部クロック信号CLK2は他の回路に入力される。
次に、非接触でデータの送受信を行う機能、および演算機能を備えた半導体装置の一例を説明する。図10は、このような半導体装置の構成例を示すブロック図である。図10に示す半導体装置は、無線通信により外部装置と信号の送受信を行って動作するコンピュータ(以下、「RFCPU」という)と呼ぶことができる。
図10に示すように、RFCPU511は、アナログ回路部512とデジタル回路部513を有している。アナログ回路部512として、共振容量を有する共振回路514、整流回路515、定電圧回路516、リセット回路517、発振回路518、復調回路519、変調回路520と、電源管理回路530を有している。デジタル回路部513は、RFインターフェース521、制御レジスタ522、クロックコントローラ523、インターフェース524、中央処理ユニット525、ランダムアクセスメモリ526、読み出し専用メモリ527を有している。
RFCPU511の動作の概要は以下の通りである。アンテナ528が受信した信号は共振回路514により誘導起電力を生じる。誘導起電力は、整流回路515を経て容量部529に充電される。この容量部529はセラミックコンデンサーや電気二重層コンデンサーなどのキャパシタで形成されていることが好ましい。容量部529は、RFCPU511を構成する基板に集積されている必要はなく、他の部品としてRFCPU511に組み込むこともできる。
リセット回路517は、デジタル回路部513をリセットし初期化する信号を生成する。例えば、電源電圧の上昇に遅延して立ち上がる信号をリセット信号として生成する。発振回路518は、定電圧回路516により生成される制御信号に応じて、クロック信号の周波数とデューティー比を変更する。復調回路519は、受信信号を復調する回路であり、変調回路520は、送信するデータを変調する回路である。
例えば、復調回路519はローパスフィルタで形成され、振幅変調(ASK)方式の受信信号を、その振幅の変動をもとに、二値化する。また、送信データを振幅変調(ASK)方式の送信信号の振幅を変動させて送信するため、変調回路520は、共振回路514の共振点を変化させることで通信信号の振幅を変化させている。
クロックコントローラ523は、電源電圧または中央処理ユニット525における消費電流に応じてクロック信号の周波数とデューティー比を変更するための制御信号を生成している。電源電圧の監視は電源管理回路530が行っている。
アンテナ528からRFCPU511に入力された信号は復調回路519で復調された後、RFインターフェース521で制御コマンドやデータなどに分解される。制御コマンドは制御レジスタ522に格納される。制御コマンドには、読み出し専用メモリ527に記憶されているデータの読み出し、ランダムアクセスメモリ526へのデータの書き込み、中央処理ユニット525への演算命令などが含まれている。
中央処理ユニット525は、インターフェース524を介して読み出し専用メモリ527、ランダムアクセスメモリ526、制御レジスタ522にアクセスする。インターフェース524は、中央処理ユニット525が要求するアドレスより、読み出し専用メモリ527、ランダムアクセスメモリ526、制御レジスタ522のいずれかに対するアクセス信号を生成する機能を有している。
中央処理ユニット525の演算方式は、読み出し専用メモリ527にOS(オペレーティングシステム)を記憶させておき、起動とともにプログラムを読み出し実行する方式を採用することができる。また、専用回路で演算回路を構成して、演算処理をハードウェア的に処理する方式を採用することもできる。ハードウェアとソフトウェアを併用する方式では、専用の演算回路で一部の演算処理を行い、プログラムを使って、残りの演算を中央処理ユニット525が処理する方式を適用できる。
このようなRFCPUは、結晶欠陥が低減され、結晶方位が一定の単結晶半導体層112によって集積回路が形成されているので、処理速度の高速化のみならず低消費電力化を図ることができる。それにより、電力を供給する容量部529を小型化しても長時間の動作が保証される。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一形態のSOI基板を用いた表示装置について図11及び図12を参照して説明する。
図11は液晶表示装置を説明するための図面である。図11(A)は液晶表示装置の画素の平面図であり、図11(B)は、J−K切断線による図11(A)の断面図である。
図11(A)に示すように、画素は、単結晶半導体層320、単結晶半導体層320と交差している走査線322、走査線322と交差している信号線323、画素電極324、画素電極324と単結晶半導体層320を電気的に接続する電極328を有する。単結晶半導体層320は、本発明の一形態に係るSOI基板の有する単結晶半導体層から形成された層であり、第1のエッチング処理及び第2のエッチング処理の後にレーザ光の照射により、平坦化及び結晶欠陥の低減が図られたものである。単結晶半導体層320は、画素のTFT325を構成する。
SOI基板には上記実施の形態1及び実施の形態2で示したSOI基板が用いられている。図11(B)に示すように、支持基板111上に、絶縁膜105及び絶縁膜102を介して単結晶半導体層320が積層されている。支持基板111としては、ガラス基板を用いることができる。TFT325の単結晶半導体層320は、SOI基板の単結晶半導体層をエッチングにより素子分離して形成された膜である。単結晶半導体層320には、チャネル形成領域340、不純物元素が添加されたn型の高濃度不純物領域341が形成されている。TFT325のゲート電極は走査線322に含まれ、ソース電極およびドレイン電極の一方は信号線323に含まれている。
層間絶縁膜327上には、信号線323、画素電極324および電極328が設けられている。層間絶縁膜327上には、柱状スペーサ329が形成されている。信号線323、画素電極324、電極328および柱状スペーサ329を覆って配向膜330が形成されている。対向基板332には、対向電極333、対向電極を覆う配向膜334が形成されている。柱状スペーサ329は、支持基板111と対向基板332の隙間を維持するために形成される。柱状スペーサ329によって形成される隙間に液晶層335が形成されている。信号線323および電極328と高濃度不純物領域341との接続部は、コンタクトホールの形成によって層間絶縁膜327に段差が生じるので、この接続部では液晶層335の液晶の配向が乱れやすい。そのため、この段差部に柱状スペーサ329を形成して、液晶の配向の乱れを防ぐ。
本発明の一形態に係るSOI基板の作製方法により作成されたSOI基板は結晶欠陥がほとんどないため、同一基板上に特性のばらつきの少ない、高性能なトランジスタを複数基板上に形成することが可能である。従って、本発明の一形態に係るSOI基板を用いて液晶表示装置を作製することで、トランジスタごとの特性のばらつきを少なくすることができる。
次に、エレクトロルミネセンス表示装置(以下、EL表示装置という。)について図12を参照して説明する。図12(A)はEL表示装置の画素の平面図であり、図12(B)は、J−K切断線による図12(A)の断面図である。
図12(A)に示すように、画素は、トランジスタでなる選択用トランジスタ401、表示制御用トランジスタ402、走査線405、信号線406、および電流供給線407、画素電極408を含む。エレクトロルミネセンス材料を含んで形成される層(EL層)が一対の電極間に挟んだ構造の発光素子が各画素に設けられている。発光素子の一方の電極が画素電極408である。また、半導体膜403は、選択用トランジスタ401のチャネル形成領域、ソース領域およびドレイン領域が形成されている。半導体膜404は、表示制御用トランジスタ402のチャネル形成領域、ソース領域およびドレイン領域が形成されている。半導体膜403、404は、支持基板上に設けられた単結晶半導体層320から形成された層である。
選択用トランジスタ401において、ゲート電極は走査線405に含まれ、ソース電極またはドレイン電極の一方は信号線406に含まれ、他方は電極411として形成されている。表示制御用トランジスタ402は、ゲート電極412が電極411と電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極の一方は、画素電極408に電気的に接続される電極413として形成され、他方は、電流供給線407に含まれている。
表示制御用トランジスタ402はpチャネル型のTFTである。図12(B)に示すように、半導体膜404には、チャネル形成領域451、およびp型の高濃度不純物領域452が形成されている。なお、SOI基板は、実施の形態1及び実施の形態2で作製したSOI基板が用いられている。
表示制御用トランジスタ402のゲート電極412を覆って、層間絶縁膜427が形成されている。層間絶縁膜427上に、信号線406、電流供給線407、電極411、413などが形成されている。また、層間絶縁膜427上には、電極413に電気的に接続されている画素電極408が形成されている。画素電極408は周辺部が絶縁性の隔壁層428で囲まれている。画素電極408上にはEL層429が形成され、EL層429上には対向電極430が形成されている。補強板として対向基板431が設けられており、対向基板431は樹脂層432により支持基板111に固定されている。
EL表示装置の階調の制御は、発光素子の輝度を電流で制御する電流駆動方式と、電圧でその輝度を制御する電圧駆動方式とがあるが、電流駆動方式は、画素ごとでトランジスタの特性値の差が大きい場合、採用することは困難であり、そのためには特性のばらつきを補正する補正回路が必要になる。しかし、本発明の一形態に係るSOI基板の作製方法により作製されたSOI基板は結晶欠陥がほとんどないため、同一基板上に特性のばらつきの少ない、高性能なトランジスタを複数基板上に形成することが可能である。従って、本発明の一形態に係るSOI基板を用いてEL表示装置を作製することで、選択用トランジスタ401および表示制御用トランジスタ402は画素ごとに特性のばらつきがなくなるため、電流駆動方式を採用することができる。
(実施の形態6)
本発明の一形態に係るSOI基板を用いてトランジスタ等の半導体装置を作製し、この半導体装置を用いてさまざまな電子機器を完成することができる。本発明の一形態に係るSOI基板に設けられた単結晶半導体層は結晶欠陥が低減されているため、活性層として用いることで、電気的特性が向上した半導体素子を製造することができる。また、当該単結晶半導体層は結晶欠陥が低減されているため、ゲート絶縁層との界面において、局在準位密度を低減させることが可能となる。さらに、単結晶半導体層が高い平坦性を有するため、単結晶半導体層上に、薄く、且つ高い絶縁耐圧を有するゲート絶縁層を形成することができ、作製される半導体素子の移動度の向上、S値の向上または短チャネル効果抑制を実現することができる。すなわち、本発明の一形態に係るSOI基板を用いることで、電流駆動能力が高く、かつ信頼性の高い半導体素子を作製することが可能になる。その結果、最終製品としての電子機器をスループット良く、良好な品質で作製することができる。この半導体素子を用いて、さまざまな半導体装置を作製することができる。本実施の形態では、図面を用いて具体的な例を説明する。なお、本実施の形態において、上記実施の形態と同様の部分には同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
図13(A)は表示装置であり、筐体901、支持台902、表示部903、スピーカ部904、ビデオ入力端子905などを含む。この表示装置は、他の実施の形態で示した作製方法により形成したトランジスタを駆動ICや表示部903などに用いることにより作製される。なお、表示装置には液晶表示装置、発光表示装置などがあり、用途別にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。具体的には、ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、反射型プロジェクターなどを挙げることができる。
図13(B)はコンピュータであり、筐体911、表示部912、キーボード913、外部接続ポート914、ポインティングデバイス915などを含む。本発明の一形態を用いて作製されたトランジスタは、表示部912の画素部だけではなく、表示用の駆動IC、本体内部のCPU、メモリなどの半導体装置にも適用が可能である。
また、図13(C)は携帯電話であり、携帯用の情報処理端末の1つの代表例である。この携帯電話は筐体921、表示部922、操作キー923などを含む。本発明の一形態を用いて作製されたトランジスタは表示部922の画素部やセンサ部924だけではなく、表示用の駆動IC、メモリ、音声処理回路などに用いることができる。センサ部924は光センサ素子を有しており、センサ部924で得られる照度に合わせて表示部922の輝度コントロールを行うことや、センサ部924で得られる照度に合わせて操作キー923の照明を抑えることによって、携帯電話の消費電力を抑えることができる。
上記の携帯電話を初めとして、PDA(Personal Digital Assistants、情報携帯端末)、デジタルカメラ、小型ゲーム機、携帯型の音響再生装置などの電子機器に、本発明の一形態を用いて形成した半導体材料を用いることもできる。例えば、CPU、メモリ、センサなどの機能回路を形成することや、これらの電子機器の画素部や、表示用の駆動ICにも適用することが可能である。
また、図13(D)、(E)はデジタルカメラである。なお、図13(E)は、図13(D)の裏側を示す図である。このデジタルカメラは、筐体931、表示部932、レンズ933、操作キー934、シャッターボタン935などを有する。本発明の一形態を用いて作製されたトランジスタは、表示部932の画素部、表示部932を駆動する駆動IC、メモリなどに用いることができる。
図13(F)はデジタルビデオカメラである。このデジタルビデオカメラは、本体941、表示部942、筐体943、外部接続ポート944、リモコン受信部945、受像部946、バッテリー947、音声入力部948、操作キー949、接眼部950などを有する。本発明の一形態を用いて作製されたトランジスタは、表示部942の画素部、表示部942を制御する駆動IC、メモリ、デジタル入力処理装置などに用いることができる。
この他にも、ナビゲーションシステム、音響再生装置、記録媒体を備えた画像再生装置などに用いることが可能である。これらの表示部の画素部や、表示部を制御する駆動IC、メモリ、デジタル入力処理装置、センサ部などの用途に、本発明の一形態を用いて作製されたトランジスタを用いることができる。
また、図14は、本発明の一形態を適用した携帯電話の別の一例であり、図14(A)が正面図、図14(B)が背面図、図14(C)が2つの筐体をスライドさせたときの正面図である。携帯電話700は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
携帯電話700は、筐体701及び筐体702で構成されている。筐体701においては、表示部703、スピーカ704、マイクロフォン705、操作キー706、ポインティングデバイス707、カメラ用レンズ708、外部接続端子709及びイヤホン端子710等を備え、筐体702においては、キーボード711、外部メモリスロット712、裏面カメラ713、ライト714等により構成されている。また、アンテナは筐体701に内蔵されている。本発明の一形態を用いて作製された半導体素子は、表示部703の画素部、表示部703を駆動する駆動IC、メモリ、音声処理回路などに用いることができる。また、表示部703に、図11で説明した液晶表示装置又は図12で説明したEL表示装置を適用することで、表示むらが少なく画質の優れた表示部とすることができる。
また、携帯電話700には、上記の構成に加えて、非接触型ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
重なり合った筐体701と筐体702(図14(A)に示す。)は、スライドさせることが可能であり、スライドさせることで図14(C)のように展開する。表示部703とカメラ用レンズ708を同一の面に備えているため、テレビ電話としての使用が可能である。また、表示部703をファインダーとして用いることで、裏面カメラ713及びライト714で静止画及び動画の撮影が可能である。
スピーカ704及びマイクロフォン705を用いることで、携帯電話700は、音声記録装置(録音装置)又は音声再生装置として使用することができる。また、操作キー706により、電話の発着信操作、電子メール等の簡単な情報入力操作、表示部に表示する画面のスクロール操作、表示部に表示する情報の選択等を行うカーソルの移動操作等が可能である。
また、書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合は、キーボード711を用いると便利である。更に、重なり合った筐体701と筐体702(図14(A))をスライドさせることで、図14(C)のように展開させることができる。携帯情報端末として使用する場合には、キーボード711及びポインティングデバイス707を用いて、円滑な操作が可能である。外部接続端子709はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット712に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動が可能になる。
筐体702の裏面(図14(B))には、裏面カメラ713及びライト714を備え、表示部703をファインダーとして静止画及び動画の撮影が可能である。
また、上記の機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビワンセグ受信機能、非接触ICチップ又はイヤホンジャック等を備えたものであってもよい。
以上のように、本発明の一形態により作製された半導体装置の適用範囲は極めて広く、本発明の一形態に係るSOI基板を材料として、あらゆる分野の電子機器に用いることができる。