JP5466087B2 - 炭化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態にかかる炭化ケイ素焼結体の製造方法に用いられる成分について説明する。炭化ケイ素粉末は、α型、β型、非晶質、あるいはこれらの混合物等を広く用いることができる。炭化ケイ素粉末は、市販品を用いてもよい。中でもβ型炭化ケイ素粉末が好適に用いられる。炭化ケイ素焼結体を高密度化するためには、炭化ケイ素粉末の粒度は小さいほうがよい。好ましくは0.01〜10μm程度、より好ましくは0.05〜2μmである。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合等の処理工程における取り扱いが困難となり、一方10μmを超えると、粉体の比表面積、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さくなり、高密度化が困難となるので好ましくない。
したがって、化学量論的には、C/Siが3.0であると、炭化ケイ素中間体における遊離炭素は0%になるが、実際にはSiOガス等が揮散するため、C/Siが3.0より低い値であっても遊離炭素が発生する。
図1は、炭化ケイ素焼結体の製造方法の各工程を説明するフローチャートである。炭化ケイ素焼結体の製造方法は、以下の工程A〜Dを有する。すなわち、(A)炭化ケイ素粉末及び炭素源を含むスラリー溶液を調製する工程、(B)スプレードライヤー法を用いて、前記スラリー溶液から炭化ケイ素顆粒を得る工程、(C)炭化ケイ素顆粒を分級する工程、(D)炭化ケイ素顆粒をホットプレス法を用いて焼結する工程、(E)スパッタリング工程、(F)表面加工を行う工程を有する。以下、各工程について詳細に説明する。
炭化ケイ素粉末及び炭素源を有機溶媒に混合してスラリー溶液を調製する。混合方法としては、公知の方法、例えば、ミキサー、遊星ボールミル等を用いる方法が挙げられる。混合に使用する器具は、金属元素不純物の混入を防止するため、合成樹脂素材のものを用いるのが好ましい。
スプレードライヤーによりスラリー溶液を乾燥すると、5〜300μmの粒度分布を持つ炭化ケイ素顆粒が得られる。この炭化ケイ素顆粒の中から、150〜50μm、好ましくは125〜75μmの粒度を有する炭化ケイ素顆粒を分級する。ここで「粒子径1mm以下の粒子」とは、目の直径が1mmの篩を通り抜けた粒子をいう。
炭化ケイ素顆粒及び非金属系焼結助剤を成形モールドに充填し、ホットプレスにより焼結する。具体的には、炭化ケイ素顆粒を成形モールドに入れ、面圧300〜700kgf/cm2で型押しするとともに加熱する。加熱温度は、2000℃〜2400℃が好ましい。最高温度までの昇温は穏やかに、かつ段階的に行うことが好ましい。このように昇温すると、各々の温度で生じる化学変化、状態変化等を十分に進行させることができる。その結果、不純物混入や亀裂および空孔の発生を防止することができる。
工程Fの前に炭化ケイ素焼結体の表面に、研削加工、鏡面加工、或いはブラスト加工を行って、表面粗さを所定の値以下にする。
続いて、(2−1)において作製された炭化ケイ素粉末と同一純度を有する炭化ケイ素をターゲットとして用いて、工程Dで形成された炭化ケイ素焼結体の表面に炭化ケイ素膜をスパッタリング法により形成する。炭化ケイ素粉末及びターゲットに含まれる不純物の含有量が1ppm以下であることが好ましい。好ましくは、不純物として、炭化ケイ素粉末及びターゲットに含まれる鉄(Fe)の含有量が1ppm以下である。形成される炭化ケイ素膜の厚さは、4μm以上である。
通常のスパッタリング法では、炭化ケイ素焼結体の表面に、ポアを埋めることのできる程度の薄膜(すなわち、膜厚4μm以上)を形成することは困難であるが、実施形態では、炭化ケイ素焼結体の表面に炭化ケイ素と同一純度を有する炭化ケイ素をターゲットとして用いて炭化ケイ素焼結体の表面に炭化ケイ素膜をスパッタリング法により形成することにより、炭化ケイ素焼結体の表面に形成されたポアを埋め、良好な平滑状態にできる。特に、炭化ケイ素に含まれる不純物の含有量が1ppm以下であることが好ましい。この場合、炭化ケイ素膜の厚さを3μm〜5μmにできる。従って、実施形態の炭化ケイ素焼結体の製造方法によれば、炭化ケイ素焼結体のポアを無くし、高い耐プラズマ性を有する炭化ケイ素焼結体を提供できる。
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の主旨を超えない限り本実施例に限定されるものではない。
炭化ケイ素1、炭化ケイ素2をそれぞれ炭化ケイ素焼結体、炭化ケイ素膜のターゲットとして使用して、実施形態の工程Eの表面加工の種類と、工程Fにおいて成膜される炭化ケイ素膜の厚さを変えて炭化ケイ素膜の剥離耐性を調べた。また、得られたサンプルの熱剥離試験(1200℃×30回)を行って、炭化ケイ素膜の剥離耐性を調べた。更に十字傷剥離試験(炭化ケイ素膜の表面に十字傷を作製し、十字傷を起点とする剥離状態の観察)を行った。
表面加工として、研削加工、ブラスト加工したサンプルについて、熱酸化試験を行った。通常、炭化ケイ素焼結体中には、フリーカーボンが存在する。特に、ポアに多く存在しており、このフリーカーボンの存在が熱酸化やプラズマ損傷の起点となっていることがわかっている。従って、熱酸化試験を行って重量の減少がないこと、または、増量が観察されれば、ポアがないことが証明できる。結果を表4、表5に示す。
かさ密度3.12の炭化ケイ素焼結体(炭化ケイ素1を原料とする)の表面に、同じく炭化ケイ素1をターゲットとして、0.6μm〜12.2μmまでの炭化ケイ素膜を作製したサンプルを用意し、プラズマ暴露試験(CF4/O2=100/100sccm、500W、50Pa、50時間)を行い、損耗量を測定した。結果を図2に示す。
以上、各種試験を行った結果、炭化ケイ素(不純物の含有量が0.3ppm)を焼結体及びターゲットの原料とした場合に、剥離耐性も良好であり、ポアが少ないことが判った。また、スパッタリングによる炭化ケイ素焼結体の表面に形成する炭化ケイ素膜の厚さは、4μm以上あれば、良好なプラズマ耐性が得られることが判った。
Claims (5)
- 炭化ケイ素を含む炭化ケイ素焼結体を製造する炭化ケイ素焼結体の製造方法であって、
前記炭化ケイ素を含む混合粉体を形成する工程と、
前記混合粉体を前記所定の形状に成形し焼成する工程と、
前記炭化ケイ素と同一純度を有する炭化ケイ素をターゲットとして用いて、前記焼成する工程によって形成された炭化ケイ素焼結体の表面に前記炭化ケイ素膜をスパッタリング法により形成する工程と
を有することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 前記スパッタリング法により前記炭化ケイ素焼結体の表面に前記炭化ケイ素膜を形成する前に、前記炭化ケイ素焼結体の表面の表面粗さを所定の値以下にする表面加工工程を有する請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
- 前記表面加工工程は、ブラスト加工である請求項2に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
- 前記炭化ケイ素膜の厚さは、4μm以上である請求項1乃至3の何れか一項に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
- 前記炭化ケイ素に含まれる不純物の含有量は、1ppm以下である請求項1乃至4の何れか一項に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
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