JP4490304B2 - サセプタ - Google Patents
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Description
かかる気相成長に用いられるサセプタの表面には、図4(a)〜(c)に示すように、ウェハを収容する断面略凹状のウェハポケット121bが設けられている。このウェハポケット121bは、用意したサセプタ本体101の表面に、ウェハを収容するに十分な容積を備える溝を所定間隔をおいて研磨処理することにより形成されている。
(1) ウェハが載置されるベースプレートと、前記ベースプレートに着脱自在に取り付けられる複数のリングプレートとを有し、前記リングプレートには、前記ベースプレートに取り付けた際に、前記ウェハを収容する凹状のウェハポケットが形成されており、前記ウェハポケットの開口径の側面には、前記ウェハポケットの底部から開口部に向けて縮小するテーパ部が設けられ、前記リングプレートは、少なくとも1つのウェハポケット単位ごとに着脱可能とされていることを特徴とするサセプタ。
(2) 上記ウェハポケットの底面と側面がなす上記テーパ部の傾斜角は、60度〜85度であることを特徴とする上記(1)に記載のサセプタ。
(3) 上記サセプタは、窒素を含む炭化ケイ素焼結体から構成されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のサセプタ。
(4) 上記ベースプレートのウェハ載置面の全面は、平坦であることを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれかに記載のサセプタ。
リングプレート2のウェハポケット21a〜21fのテーパ部22a〜22fは、研磨法や放電加工法により形成することができる。
サセプタの製造方法の1実施形態として、ホットプレス法を用いた製造方法について説明する。まずホットプレス法について説明する。
以下にサセプタの製造に用いられる炭化ケイ素の製造方法について説明する。本実施形態のサセプタの製造方法には、遊離炭素含有率が2〜10重量%の炭化ケイ素焼結体を使用する。このような炭化ケイ素焼結体は、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤との混合物を焼成することにより得られる。
ホットプレスは、2000℃〜2400℃にて行うが、このホットプレス加工温度までの昇温は穏やかに、かつ段階的に行うのが好ましい。このように昇温すると、各々の温度で生じる化学変化、状態変化等を十分に進行させることができる。その結果、不純物混入や亀裂および空孔の発生を防止することができる。好ましい昇温工程の一例を以下に示す。まず、5〜10gの原料粉体をいれた成形金型を炉内に配置し、炉内を10−4torrの真空状態にする。室温から200℃まで穏やかに昇温し、約30分間200℃に保つ。その後、700℃まで6〜10時間で昇温し、2〜5時間700℃に保つ。室温から700℃までの昇温工程で、吸着水分や有機溶媒の脱離が起こり、また、非金属系焼結助剤の炭化も進行する。一定温度の保持時間は、炭化ケイ素焼結体のサイズによって異なり、適宜好適な時間に設定すればよい。また、保持時間が十分であるか否かの判断は、真空度の低下がある程度少なくなる時点を目安にすることができる。次に、700℃〜1500℃まで6〜9時間で昇温し、1〜5時間程1500℃に保持する。1500℃に保持している間、酸化ケイ素が還元され炭化ケイ素に変化する反応が進行する(式(I))。保持時間が不十分であると、二酸化ケイ素が残留し、炭化ケイ素粉末表面に付着するので、粒子の緻密化を妨げ、大粒の成長原因となるので好ましくない。保持時間が十分であるか否かの判断は、副生成物である一酸化炭素の発生が停止しているかを目安に、即ち、真空度の低下がおさまり、還元反応開始温度である1300℃の真空度まで回復しているかを目安にすることができる。
ホットプレスは、焼結が開始する1500℃程度まで炉内を昇温し、次に炉内を非酸化性雰囲気とするために、不活性ガスを充填した後行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、あるいはアルゴンガス等が用いられるが、高温においても非反応性であるアルゴンガスを用いるのが好ましい。高純度炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、不活性ガスも高純度のものを用いる。炉内を非酸化性雰囲気とした後、温度が2000℃〜2400℃、圧力が300〜700kgf/cm2となるように炉内を加熱および加圧する。最高温度が2000℃未満であると、高密度化が不十分となる。一方、最高温度が2400℃を超えると、粉体もしく成形体原料が昇華(分解)する虞があるため好ましくない。1500℃近傍〜最高温度までの昇温は2〜4時間かけて行い、最高温度で1〜3時間保持するのが好ましい。1850〜1900℃で焼結は急速に進行し、最高温度保持時間中に焼結が完了する。また加圧条件が、300kgf/cm2未満であると高密度化が不十分となり、700kgf/cm2を超えると黒鉛製の成形金型が破損することもあり、製造効率上好ましくない。圧力は異常粒が成長するのを抑えるために、300kgf/cm2〜700kgf/cm2程度で加圧するのが好ましい。
(イ)図1(a)〜(c)に示すサセプタを構成するベースプレート1とリングプレート2を、上記ホットプレス法に従って製造する。
サセプタ5は、体積抵抗が1Ωcm以下、さらに好ましい態様において0.5Ωcm〜0.05Ωcmである。サセプタ5は、サセプタ5のケイ素及び炭素以外の不可避的元素、即ち不純物元素の総含有量は5ppm未満である。サセプタ5は、密度が2.9g/cm3以上、さらに好ましい態様において3.00〜3.15g/cm3である。サセプタ5は、曲げ強度が400MPa以上、さらに好ましい態様において500MPaから700MPaである。
以上、好ましい実施形態を挙げて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。したがって、実施形態として横型のサセプタを示したが、特に制限なく、縦型であっても構わない。ベースプレート1とリングプレート2は、反応焼結法に制限されることなく、例えば反応焼結法等を用いて製造しても構わない。
図1(a)〜(c)のサセプタをホットプレス法を用いて作製した。そして、直径50mm厚み0.33mmのサファイヤウェハをウェハポケットに収容した。そして0rpmから1100rpmまで15分間連続回転させたところ、ウェハの飛びは観察されなかった。
図4(a)〜(c)のサセプタをホットプレス法を用いて作製した。そして、直径50mm厚み0.33mmのサファイヤウェハをウェハポケットに収容した。そして0rpmから回転数を上げたところ、250rpmでウェハが飛んでしまった。
2…リングプレート
5…サセプタ
21a〜21l…ウェハポケット
22a…テーパー部
3a〜31l…ボルト
W…ウェハ
101…従来のサセプタ
121a〜121f…従来のウェハポケット
122b…従来の断面放物線状のテーパー部
Claims (4)
- ウェハが載置されるベースプレートと、
前記ベースプレートに着脱自在に取り付けられる複数のリングプレートと
を有し、
前記リングプレートには、前記ベースプレートに取り付けた際に、前記ウェハを収容する凹状のウェハポケットが形成されており、
前記ウェハポケットの開口径の側面には、前記ウェハポケットの底部から開口部に向けて縮小するテーパ部が設けられ、
前記リングプレートは、少なくとも1つのウェハポケット単位ごとに着脱可能とされていることを特徴とするサセプタ。 - 前記ウェハポケットの底面と側面がなす前記テーパ部の傾斜角は、60度〜85度であることを特徴とする請求項1に記載のサセプタ。
- 前記サセプタは、窒素を含む炭化ケイ素焼結体から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のサセプタ。
- 前記ベースプレートのウェハ載置面の全面は、平坦であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサセプタ。
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