JPH1067565A - 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 - Google Patents
炭化ケイ素焼結体及びその製造方法Info
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- JPH1067565A JPH1067565A JP9041048A JP4104897A JPH1067565A JP H1067565 A JPH1067565 A JP H1067565A JP 9041048 A JP9041048 A JP 9041048A JP 4104897 A JP4104897 A JP 4104897A JP H1067565 A JPH1067565 A JP H1067565A
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Abstract
度性、高純度性、高導電性である高品位、且つ、半導体
工業への使用にも適する炭化ケイ素焼結体及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 炭化ケイ素粉末と、加熱により炭素を
生成する有機化合物等の非金属系焼結助剤とを含む混合
物を、温度2000〜2400℃、圧力300〜700
kgf/cm2 、非酸化性雰囲気下でホットプレスして
得られる、密度が2.9g/cm3 以上である炭化ケイ
素焼結体。ここで炭化ケイ素原料粉末の粒径が0.01
〜10μmであること、非金属系焼結助剤がレゾール型
フェノール樹脂であることが好ましい。
Description
及びその製造方法に関し、詳しくは、半導体製造装置用
部品、電子情報機器用部品、真空装置等の構造用部品と
して有用な高密度の炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
に関するものである。
あり、従来より高温強度性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品
性等の優れた特性を生かして多くの用途で用いられてき
た。最近では、電子情報機器材料、半導体製造用材料の
分野において、ウェハの処理温度の上昇、ウェハ径の増
大、処理単位の増大によって、従来の石英部品における
如き熱変形やフッ酸などの薬液洗浄による変質のない、
さらに耐熱性の良好で、且つ、密度と純度の高い炭化ケ
イ素焼結体が要望されている。
合性のために、難焼結性である。緻密質炭化ケイ素焼結
体を製造する方法としては、ホットプレス法、反応焼結
法、常圧焼結法が知られている。
焼結する方法であり、金属系焼結助剤として、アルミニ
ウムを添加したものが初期(J.Am.Ceram.S
oc.第39巻、11号386−389頁、1956
年)に報告されて以来、様々な金属系助剤を用いて研究
がなされており、中でもBeOを添加したホットプレス
焼結による高伝導性且つ電気絶縁性の焼結体が1980
年に開発されている(「炭化ケイ素セラミックス」第3
27−343頁、内田老鶴圃、1988年)。
ケイ粉末素と炭素粉末とを混合する工程)、(2)成形
加工工程、(3)反応焼結工程、さらに、所望によって
(4)後加工工程、という各工程からなる。この方法
は、(3)反応焼結工程において、既に成形された炭素
粒子をケイ化するものであり、成形体の寸法変化が少な
く、焼結助剤を必要としない利点があり、高純度の焼結
体が得やすいため、半導体用部品の製造などに利用され
ている。しかしながら、この方法で得られた焼結体は未
反応金属ケイ素を含有するため、耐熱性、耐薬品性や高
強度を要求される分野で使用される部品、治具に用いる
には制限があった。
たり、金属系焼結助剤を使用することを特徴とする方法
あり、1974年にS/Prochazkaの”Cer
amics for High Performanc
e Applicatins”第239頁により提案さ
れた。この方法によって高温強度を有する高密度構造部
材が得られるようになり、炭化ケイ素の研究開発が進展
した。ここで焼結助剤として、ホウ素、アルミニウム、
ベリリウム等の金属やその化合物である金属系焼結助剤
と、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系焼結助
剤との二種類が組み合わせて用いられている。ここで重
要な金属系焼結助剤の作用としては、最適な焼結助剤と
して用いられるホウ素について述べれば、粒界への偏析
による粒界エネルギーの減少、炭素−ホウ素系物質の粒
界拡散の促進、表面拡散抑制等が挙げられ、炭素系焼結
助剤の作用については、炭化ケイ素粒子の表面酸化層の
除去効果が推定されるが、いずれも詳細は未だ明らかで
はない。
結助剤は、高温での使用時や薬液洗浄処理中に金属不純
物が溶出するため、得られた焼結体は半導体製造装置等
の分野への応用には適さなかった。
昭60−108370号において、シラン化合物を熱分
解して得られた特殊な超微粉炭化ケイ素を用いて、助剤
を添加することなく、ホットプレス法により緻密焼結体
を得る方法が提案された。しかしながら、得られる焼結
体の各種特性は明確にされていない。さらに、これに関
連して、「炭化ケイ素セラミックス」(内田老鶴園、1
988年刊行)第89頁には、この製法で製造された粉
体を用いてもホウ素(焼結助剤として)の添加が不可欠
である旨の記載がある。
2−199064号には、CVDプラズマ法により合成
した超微粉炭化ケイ素粉末を用いて、助剤を全く用いず
にホットプレス法により緻密焼結体を得る方法が提案さ
れている。しかしながら、この文献に記載される方法に
おいても、鉄等の不純物が数ppm以上含まれており、
満足できるレベルとは言い難いこと、この系で焼結助剤
としての機能を果たしていると考えられる平均粒径30
nmの超微粉炭化ケイ素微粉末が高コストであること、
このような超微粉は表面酸化に対して取扱上の多大な注
意を必要とすること、などを考慮すれば、いまだ上記課
題が解決しているとはいい難い。
体製造装置用部品、電子情報機器用部品等への使用に適
する高密度で不純物含有量の少ない炭化ケイ素焼結体を
得ることは困難であり、そのような焼結体も市販されて
いなかった。
な原料を必要とすることなく、高密度且つ高純度であ
り、半導体製造装置用部品等への使用に適する良質な炭
化ケイ素焼結体を製造する方法及びそれにより得られた
高密度性、高純度性、高導電性、高熱伝導率を兼ね備え
た高品位の、半導体工業、電子情報機器産業などの多く
の分野において有用な炭化ケイ素焼結体及びその製造方
法を提供することにある。
き焼結法開発の経緯を鋭意検討した結果、予め炭化ケイ
素粉体の表面に炭素を代表とする非金属系焼結助剤を適
量適度に配置し、特定条件でのホットプレスを組み合わ
せることにより、高密度かつ、高純度の炭化ケイ素焼結
体を得られることを見出し、本発明を完成した。即ち、
本発明の炭化ケイ素焼結体は、炭化ケイ素粉末と非金属
系焼結助剤との混合物を焼結して得られた焼結体であっ
て、密度が2.9g/cm3 以上であることを特徴とす
る。
法は、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤とを含む混
合物を、温度2000〜2400℃、圧力300〜70
0kgf/cm2 、非酸化性雰囲気下でホットプレスす
る焼結工程を含み、前記工程を行うことにより、密度が
2.9g/cm3 以上である炭化ケイ素焼結体を得るこ
とを特徴とする。
明する。
いられる炭化ケイ素粉末は、α型、β型、非晶質或いは
これらの混合物等が挙げられるが、特に、β型炭化ケイ
素粉末が好適に使用される。このβ型炭化ケイ素粉末の
グレードには特に制限はなく、例えば、一般に市販され
ているβ型炭化ケイ素粉末を用いることができる。この
炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点からは小さい
ことが好ましく、0.01〜10μm程度、さらには、
0.05〜1μm程度であることが好ましい。粒径が
0.01μm未満であると、計量、混合などの処理工程
における取扱が困難となり、10μmを超えると比表面
積が小さく、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さく
なり、高密度化が困難となるため、好ましくない。
径が0.05〜1μm、比表面積が5m2 /g以上、遊
離炭素1%以下、酸素含有量1%以下のものが好適に用
いられる。また、用いられる炭化ケイ素粉末の粒度分布
は特に制限されず、炭化ケイ素焼結体の製造時におい
て、粉体の充填密度を向上させること及び炭化ケイ素の
反応性の観点から、2つ以上の極大値を有するものも使
用しうる。
めには、原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケ
イ素粉体を用いればよい。
くとも1種以上の液状のケイ素化合物を含むケイ素源
と、加熱により炭素を生成する少なくとも1種以上の液
状の有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、
を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で
焼成する焼成工程とを含む製造方法により得ることがで
きる。液状のケイ素化合物を含むケイ素源、例えば、液
状シリコン化合物は固体状のシリコン化合物と併用する
こともできる。
るケイ素化合物(以下、適宜、ケイ素源と称する)とし
ては、液状のものと固体のものとを併用することができ
るが、少なくとも一種は液状のものから選ばれなくては
ならない。液状のものとしては、アルコキシシラン(モ
ノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシ
シランの重合体が用いられる。アルコキシシランの中で
はテトラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的に
は、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラ
ン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの
点からはエトキシシランが好ましい。また、テトラアル
コキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程度
の低分子量重合体(オリゴマー)及びさらに重合度が高
いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと
併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げら
れる。本発明において酸化ケイ素とは、SiOの他、シ
リカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH
基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲ
ル、微細シリカ、石英粉体)等を含む。
ドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランの
オリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微
粉体シリカとの混合物等が好適である。また、これらの
ケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有
量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以
下であることがさらに好ましい。
される加熱により炭素を生成する有機化合物としては、
液状のものの他、液状のものと固体のものとを併用する
ことができ、残炭率が高く、且つ触媒若しくは加熱によ
り重合又は架橋する有機化合物、具体的には例えば、フ
ェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタ
ン、ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプレポ
リマーが好ましく、その他、セルロース、蔗糖、ピッ
チ、タール等の液状物も用いられ、特にレゾール型フェ
ノール樹脂が好ましい。また、その純度は目的により適
宜制御選択が可能であるが、特に高純度の炭化ケイ素粉
末が必要な場合には、各金属を5ppm以上含有してい
ない有機化合物を用いることが望ましい。
C/Si比と略記)は、混合物を1000℃にて炭化し
て得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定
義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の時に
生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となるはずである
が、実際には同時に生成するSiOガスの揮散により低
C/Si比において遊離炭素が発生する。この生成炭化
ケイ素粉体中の遊離炭素量が焼結体等の製造用途に適当
でない量にならないように予め配合を決定することが重
要である。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成
では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を
抑制することができ、この範囲を好適に用いることがで
きる。C/Si比を2.5以上にすると遊離炭素が顕著
に増加するが、この遊離炭素は粒成長を抑制する効果を
持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択しても良
い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成する場合
は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比は変動す
るので、この場合は必ずしも前記C/Si比の範囲に限
定するものではない。
明で用いられる炭化ケイ素粉体の表面に被覆された非金
属系焼結助剤に由来する炭素によるものに比較して非常
に弱いため、基本的には無視することができる。
り炭素を生成する有機化合物とを均質に混合した固形物
を得るために、ケイ素源と該有機化合物の混合物を硬化
させて固形物とすることも必要に応じて行われる。硬化
の方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒に
より硬化する方法、電子線や放射線による方法が挙げら
れる。硬化触媒としては、炭素源に応じて適宜選択でき
るが、フェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエ
ンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、
塩酸、硫酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類等を用い
る。
される。これは窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気中
800℃〜1000℃にて30分〜120分間該固形物
を加熱することにより行われる。
性雰囲気中1350℃以上2000℃以下で加熱するこ
とにより炭化ケイ素が生成する。焼成温度と時間は希望
する粒径等の特性に応じて適宜選択できるが、より効率
的な生成のためには1600℃〜1900℃での焼成が
望ましい。
は、前述の焼成時に2000〜2100℃にて5〜20
分間加熱処理を施すことにより不純物をさらに除去でき
る。
得る方法としては、本願出願人が先に特願平7−241
856号として出願した単結晶の製造方法に記載された
原料粉体の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシ
シラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される
1種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高
純度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して
得られた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成し
て炭化ケイ素粉体を得る炭化ケイ素生成工程と、得られ
た炭化ケイ素粉体を、1700℃以上2000℃未満の
温度に保持し、該温度の保持中に、2000℃〜210
0℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理
を少なくとも1回行う後処理工程とを含み、前記2工程
を行うことにより、各不純物元素の含有量が0.5pp
m以下である炭化ケイ素粉体を得ること、を特徴とする
高純度炭化ケイ素粉末の製造方法等を利用することがで
きる。
るにあたって、前記炭化ケイ素粉末と混合されて用いら
れる非金属系焼結助剤としては、加熱により炭素を生成
する、所謂炭素源と称される物質が用いられ、加熱によ
り炭素を生成する有機化合物又はこれらで表面を被覆さ
れた炭化ケイ素粉末(粒径:0.01〜1μm程度)が
挙げられ、効果の観点からは前者が好ましい。
ては、具体的には、残炭率の高いコールタールピッチ、
ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗糖等
の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの等の
各種糖類が挙げられる。これらは炭化ケイ素粉末と均質
に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒に
溶解するもの、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱す
ることにより軟化するもの或いは液状となるものが好適
に用いられるが、なかでも、得られる成形体の強度が高
いフェノール樹脂、特に、レゾール型フェノール樹脂が
好適である。
ボンブラックやグラファイトの如き無機炭素系化合物を
生成し、これが焼結助剤として有効に作用すると考えら
れる。なお、カーボンブラックやグラファイト粉末を焼
結助剤として添加しても本発明の効果を得ることはでき
ない。
系焼結助剤との混合物を得る際に、非金属系焼結助剤を
溶媒に溶解又は分散させて混合することが好ましい。溶
媒は、非金属系焼結助剤として使用する化合物に対して
好適なもの、具体的には、好適な加熱により炭素を生成
する有機化合物であるフェノール樹脂に対しては、エチ
ルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテル、
アセトン等を選択することができる。また、この非金属
系焼結助剤及び溶媒についても不純物の含有量が低いも
のを使用することが好ましい。
助剤の添加量は少なすぎると焼結体の密度が上がらず、
多過ぎると焼結体に含まれる遊離炭素が増加するため高
密度化を阻害する虞があるため、使用する非金属系焼結
助剤の種類にもよるが、一般的には、10重量%以下、
好ましくは2〜5重量%となるように添加量を調整する
ことが好ましい。この量は、予め炭化ケイ素粉末の表面
のシリカ(酸化ケイ素)量をフッ酸を用いて定量し、化
学量論的にその還元に充分な量を計算することにより決
定することができる。
は、上記の方法により定量されたシリカが非金属系焼結
助剤に由来する炭素で。下記の化学反応式により還元さ
れるものとし、非金属系焼結助剤の熱分解後の残炭率
(非金属系焼結助剤中で炭素を生成する割合)などを考
慮して得られる値である。
素焼結体中に含まれる炭化ケイ素に由来する炭素原子及
び非金属系焼結助剤に由来する炭素原子の合計が30重
量%を超え、40重量%以下であることが好ましい。焼
結体が不純物を全く含まないときは、焼結体中の炭素原
子の含有量は理論的には30重量%になる。即ち、焼結
体中に含まれる不純物の割合が多くなると焼結体中の炭
素原子の含有量が30重量%以下となり好ましくない。
また、含有量が40重量%を超えると炭素含有量が多く
なり得られる焼結体の密度が低下し、焼結体の強度、耐
酸化性等の諸特性が悪化するため好ましくない。
たって、まず、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤と
を均質に混合するが、前述の如く、非金属系焼結助剤で
あるフェノール樹脂をエチルアルコールなどの溶媒に溶
解し、炭化ケイ素粉末と十分に混合する。混合は公知の
混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミルなどによ
って行うことができる。混合は、10〜30時間、特
に、16〜24時間にわたって行うことが好ましい。十
分に混合した後は、溶媒の物性に適合する温度、例え
ば、先に挙げたエチルアルコールの場合には50〜60
℃の温度、で溶媒を除去し、混合物を蒸発乾固させたの
ち、篩にかけて混合物の原料粉体を得る。なお、高純度
化の観点からは、ボールミル容器及びボールの材質を金
属をなるべく含まない合成樹脂にする必要がある。ま
た、乾燥にあたっては、スプレードライヤーなどの造粒
装置を用いてもよい。
て必須の工程である焼結工程は、粉体の混合物又は後記
の成形工程により得られた粉体の混合物の成形体を、温
度2000〜2400℃、圧力300〜700kgf/
cm2 、非酸化性雰囲気下で成形金型中に配置し、ホッ
トプレスする工程である。
体の純度の観点から、成形体と金型の金属部とが直接接
触しないように、型の一部又は全部に黒鉛製の材料を使
用するか、金型内にテフロンシート等を介在させること
が好ましい。
0〜700kgf/cm2 の条件で加圧ことができる
が、特に、400kgf/cm2 以上の加圧した場合に
は、ここで使用するホットプレス部品、例えば、ダイ
ス、パンチ等は耐圧性の良好なものを選択する必要があ
る。
結体を製造するためのホットプレス工程の前に以下の条
件で加熱、昇温を行って不純物を十分に除去し、非金属
系焼結助剤の炭化を完全に行わせしめた後、前記条件の
ホットプレス加工を行うことが好ましい。
が好ましい。まず、炉内を真空下、室温から700℃に
至るまで、緩やかに加熱する。ここで、高温炉の温度制
御が困難な場合には、700℃まで昇温を連続的に行っ
てもよいが、好ましくは、炉内を10-4torrにし
て、室温から200℃まで緩やかに昇温し、該温度にお
いて一定時間保持する。その後、さらに緩やかに昇温を
続け、700℃まで加熱する。さらに700℃前後の温
度にて一定時間保持する。この第1の昇温工程におい
て、吸着水分や有機溶媒の脱離が行われ、さらに、非金
属系焼結助剤の熱分解による炭化が行われる。200℃
前後或いは700℃前後の温度に保持する時間は焼結体
のサイズによって好適な範囲が選択される。保持時間が
十分であるか否かは真空度の低下がある程度少なくなる
時点をめやすにすることができる。この段階で急激な加
熱を行うと、不純物の除去や非金属系焼結助剤の炭化が
十分に行われず、成形体に亀裂や空孔を生じさせる虞が
あるため好ましくない。
関しては、10-4torrにして、室温から200℃ま
で緩やかに昇温し、該温度において約30分間保持し、
その後、さらに緩やかに昇温を続け、700℃まで加熱
するが、室温から700℃に至るまでの時間は6〜10
時間程度、好ましくは8時間前後である。さらに700
℃前後の温度にて2〜5時間程度保持することが好まし
い。
に至るまで、前記の条件であれば6〜9時間ほどかけて
昇温し、1500℃の温度で1〜5時間ほど保持する。
この工程では二酸化ケイ素、酸化ケイ素の還元反応が行
われると考えられる。ケイ素と結合した酸素を除去する
ため、この還元反応を十分に完結させることが重要であ
り、1500℃の温度における保持時間は、この還元反
応による副生物である一酸化炭素の発生が完了するま
で、即ち、真空度の低下が少なくなり、還元反応開始前
の温度である1300℃付近における真空度に回復する
まで、行うことが必要である。この第2の昇温工程にお
ける還元反応により、炭化ケイ素粉体表面に付着して緻
密化を阻害し、大粒成長の原因となる二酸化ケイ素が除
去される。この還元反応中に発生するSiO、COを含
む気体は不純物元素を伴っているが、真空ポンプにより
これらの発生気体が反応炉へ絶えず排出され、除去され
るため、高純度化の観点からもこの温度保持を十分に行
うことが好ましい。
ットプレスを行うことが好ましい。温度が1500℃よ
り高温に上昇すると焼結が開始するが、その際、異常粒
成長を押さえるために300〜700kgf/cm2 程
度までをめやすとして加圧を開始する。その後、炉内を
非酸化性雰囲気とするために不活性ガスを導入する。こ
の不活性ガスとしては、窒素あるいは、アルゴンなどを
用いるが、高温においても非反応性であることから、ア
ルゴンガスを用いることが望ましい。
000〜2400℃、圧力300〜700kgf/cm
2 となるように加熱、加圧をおこなう。プレス時の圧力
は原料粉体の粒径によって選択することができ、原料粉
体の粒径が小さいものは加圧時の圧力が比較的小さくて
も好適な焼結体が得られる。また、ここで1500℃か
ら最高温度である2000〜2400℃までへの昇温は
2〜4時間かけて行うが、焼結は1850〜1900℃
で急速に進行する。さらに、この最高温度で1〜3時間
保持し、焼結を完了する。
高密度化が不十分となり、2400℃を超えると粉体若
しくは成形体原料が昇華(分解)する虞があるため好ま
しくない。また、加圧条件が500kgf/cm2 未満
であると高密度化が不十分となり、700kgf/cm
2 を超えると黒鉛型などの成形型の破損の原因となり、
製造の効率から好ましくない。
の純度保持の観点から、ここで用いられる黒鉛型や加熱
炉の断熱材等は、高純度の黒鉛原料を用いることが好ま
しく、黒鉛原料は高純度処理されたものが用いられる
が、具体的には、2500℃以上の温度で予め十分ベー
キングされ、焼結温度で不純物の発生がないものが望ま
しい。さらに、使用する不活性ガスについても、不純物
が少ない高純度品を使用することが好ましい。
り優れた特性を有する炭化ケイ素焼結体が得られるが、
最終的に得られる焼結体の高密度化の観点から、この焼
結工程に先立って以下に述べる成形工程を実施してもよ
い。以下にこの焼結工程に先立って行うことができる成
形工程について説明する。ここで、成形工程とは、炭化
ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤とを均質に混合して得
られた原料粉体を成形金型内に配置し、80〜300℃
の温度範囲で、5〜60分間にわたり加熱、加圧して予
め成形体を調整する工程である。ここで、原料粉体の金
型への充填は極力密に行うことが、最終的な焼結体の高
密度化の観点から好ましい。この成形工程を行うと、ホ
ットプレスのために試料を充填する際に嵩のある粉体を
予めコンパクトになしうるので、この成形工程を繰り返
すことにより厚みの大きい成形体を製造し易くなる。
じて、80〜300℃、好ましくは120〜140℃の
範囲、圧力60〜100kgf/cm2 の範囲で、充填
された原料粉体の密度を1.5g/cm3 以上、好まし
くは、1.9g/cm3 以上とするようにプレスして、
加圧状態で5〜60分間、好ましくは20〜40分間保
持して原料粉体からなる成形体を得る。ここで成形体の
密度は、粉体の平均粒径が小さくなる程高密度にしにく
くなり、高密度化するためには成形金型内に配置する際
に振動充填等の方法をとることが好ましい。具体的に
は、平均粒径が1μm程度の粉体では密度が1.8g/
cm3 以上、平均粒径が0.5μm程度の粉体では密度
が1.5g/cm3 以上であることがより好ましい。そ
れぞれの粒径において密度が1.5g/cm3 又は1.
8g/cm3 未満であると、最終的に得られる焼結体の
高密度化が困難となる。
予め用いるホットプレス型に適合するように切削加工を
行うことができる。この成形体を前記の温度2000〜
2400℃、圧力300〜700kgf/cm2 、非酸
化性雰囲気下で成形金型中に配置し、ホットプレスする
工程即ち焼成工程に付して、高密度、高純度の炭化ケイ
素焼結体を得るものである。
十分に高密度化されており、密度は2.9g/cm3 以
上である。得られた焼結体の密度が2.9g/cm3 未
満であると、曲げ強度、破壊強度などの力学的特性や電
気的な物性が低下し、さらに、パーティクルが増大し、
汚染性が悪化するため好ましくない。炭化ケイ素焼結体
の密度は、3.0g/cm3 以上であることがより好ま
しい。
と、耐熱性、耐酸化性、耐薬品性や機械強度に劣る、洗
浄が困難である、微小割れが生じて微小片が汚染物質と
なる、ガス透過性を有する等の物性的に劣る点を有する
ことになり、用途が限定されるなどの問題点も生じてく
る。
物の総含有量は、5ppm以下、好ましくは3ppm以
下、より好ましくは1ppm以下であるが、半導体工業
分野への適用の観点からは、これらの化学的な分析によ
る不純物含有量は参考値としての意味を有するに過ぎな
い。実用的には、不純物が均一に分布しているか、局所
的に偏在しているかによっても、評価が異なってくる。
従って、当業者は一般的に実用装置を用いて所定の加熱
条件のもとで不純物がどの程度ウェハを汚染するかを種
々の手段により評価している。なお、液状のケイ素化合
物と、非金属系焼結助剤と、重合又は架橋触媒と、を均
質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱
炭化した後、さらに、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成
工程とを含む製造方法によれば、炭化ケイ素焼結体に含
まれるケイ素、炭素、酸素以外の不純物の総含有量を1
ppm以下にすることができる。
体の好ましい物性について検討するに、例えば、室温に
おける曲げ強度は500〜650kgf/mm2 、15
00℃における曲げ強度は550〜800kgf/mm
2 、ヤング率は3.5×10 4 〜4.5×104 、ビッ
カース硬度は2000kgf/mm2 以上、ポアソン比
は0.14〜0.21、熱膨張率は3.8×10-6〜
4.2×10-6(℃-1)、熱伝導率は150W/m・k
以上、比熱は0.15〜0.18cal/g・℃、耐熱
衝撃性は500〜700ΔT℃、比抵抗は0.01Ω・
cm以上であることが好ましい。
使用目的に応じて、加工、研磨、洗浄等の処理が行なわ
れる。本発明の焼結体は、ホットプレス等により円柱状
試料(焼結体)を形成させ、これを径方向にスライス加
工することによって製造することができ、その加工方法
として、放電加工が好適に用いられる。そして、半導体
製造部品、電子情報機器用部品等の使用に供される。
される主な半導体製造装置としては、露光装置、レジス
ト処理装置、ドライエッチング装置、洗浄装置、熱処理
装置、イオン注入装置、CVD装置、PVD装置、ダイ
シング装置等を挙げることができ、部品の一例として
は、ドライエッチング装置用のプラズマ電極、防護リン
グ(フォーカスリング)、イオン注入装置用のスリット
部品(アパーチャー)、イオン発生部や質量分析部用の
防護板、熱処理装置やCVD装置におけるウェハ処理時
に用いられるダミーウェハ、また、熱処理装置、CVD
装置やPVD装置における発熱ヒーター、特にウェハを
その下部において直接加熱するヒーター等が挙げられ
る。
スク装置用のディスク基盤や薄膜磁気ヘッド基盤等が挙
げられ、また、光磁気ディスク表面や各種摺動面に対す
る薄膜形成のためのスパッタリングターゲットもこの部
品に包含される。
光(SR)、レーザー光等の反射鏡等にも使用できる。
記加熱条件を満たしうるものであれば、特に製造装置等
に制限はなく、焼結用の型の耐圧性を考慮すれば、公知
の加熱炉内や反応装置を使用することができる。
び原料粉体を製造するためのケイ素源と非金属系焼結助
剤、さらに、非酸化性雰囲気とするために用いられる不
活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有量1p
pm以下であることが好ましいが、加熱、焼結工程にお
ける純化の許容範囲内であれば必ずしもこれに限定する
ものではない。また、ここで不純物元素とは、1989
年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における
1族から16族元素に属し、且つ、原子番号3以上であ
り、原子番号6〜8及び同14〜16の元素を除く元素
をいう。
するが、本発明の主旨を超えない限り本実施例に限定さ
れるものではない。
願平7−241856号として出願した製造方法に準じ
て製造された不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ素粉
末:1.5重量%のシリカを含有)90gと含水率20
%の高純度液体レゾール型フェノール樹脂(熱分解後の
残炭率50%)10gをエタノール150gに溶解した
ものとを、遊星ボールミルで18時間攪拌し、十分に混
合した。その後、50〜60℃に加温してエタノールを
蒸発乾固させ、500μmの篩にかけて均質な炭化ケイ
素原料粉体を得た。この原料粉体8.5gを30mmφ
の金型に充填し130℃で20分間プレスして、密度
2.1g/cm3 の成形体を得た。
スを行った。ホットプレス装置としては、高周波誘導加
熱式10tホットプレスを用いた。 (焼結工程の条件) 10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から70
0℃まで6時間かけて昇温し、5時間その温度に保持し
た。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃〜1200℃まで3時間で昇温
し、さらに、1200℃〜1500℃まで3時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(第2の昇温工程) さらに500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン
雰囲気下にて1500℃〜2200℃まで3時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(ホットプレス工程) 得られた焼結体の密度は3.15g/cm3 、ビッカー
ス硬度は2300kgf/mm2 、電気比抵抗は0.0
2Ω・cmであった。これらの特性を下記表1に示す。
また、不純物濃度は下記表2に示す。
いて物性を詳細に測定した結果、前記以外の特性とし
て、室温における曲げ強度は570kgf/mm2 、1
500℃における曲げ強度は600kgf/mm2 、ヤ
ング率は4.1×104 、ポアソン比は0.15、熱膨
張率は3.9×10-6℃-1、熱伝導率は200W/m・
k以上、比熱は0.16cal/g・℃、耐熱衝撃性は
530ΔT℃であり、前記の好ましい物性を全て満たし
ていることが確認された。
体を得た。
スを行った。ホットプレス装置としては、実施例1と同
じものを用いた。 (ホットプレス条件) 10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から70
0℃まで6時間かけて昇温し、1時間その温度に保持し
た。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃〜1200℃まで3時間で昇温
し、さらに、1200℃〜1500℃まで3時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(第2の昇温工程) さらに500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン
雰囲気下にて1500℃〜2100℃まで3時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(ホットプレス工程) 得られた焼結体の密度は3.09g/cm3 、ビッカー
ス硬度は2200kgf/mm2 、電気比抵抗は1.0
Ω・cmであった。これらの特性を下記表1に示す。ま
た、不純物濃度は下記表2に示す。
を得た。
スを行った。ホットプレス装置としては、実施例1と同
じものを用いた。 (ホットプレス条件) 10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から70
0℃まで8時間かけて昇温し、1時間その温度に保持し
た。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃〜1200℃まで3時間で昇温
し、さらに、1200℃〜1500℃まで3時間で昇温
し、4時間その温度に保持した。(第2の昇温工程) さらに500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン
雰囲気下にて1500℃〜2200℃まで4時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(ホットプレス工程) 得られた焼結体の密度は3.18g/cm3 、ビッカー
ス硬度は2300kgf/mm2 、電気比抵抗は0.0
3Ω・cmであった。これらの特性を下記表1に示す。
また、不純物濃度は下記表2に示す。
平均粒径2μm:3.0重量%のシリカを含有)90g
と含水率20%の高純度液体レゾール型フェノール樹脂
10gをエタノール150gに溶解したものとを、遊星
ボールミルで18時間攪拌し、十分に混合した。その
後、50〜60℃に加温してエタノールを蒸発乾固さ
せ、500μmの篩にかけて均質な炭化ケイ素原料粉体
を得た。この原料粉体8.5gを30mmφの金型に充
填し130℃で20分間プレスして、密度2.2g/c
m3 の成形体を得た。
スを行った。ホットプレス装置としては、高周波誘導加
熱式10tホットプレスを用いた。 (焼結工程の条件) 10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から70
0℃まで6時間かけて昇温し、5時間その温度に保持し
た。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃〜1200℃まで3時間で昇温
し、さらに、1200℃〜1500℃まで3時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(第2の昇温工程) さらに、500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴ
ン雰囲気下にて1500℃〜2200℃まで3時間で昇
温し、1時間その温度に保持した。(ホットプレス工
程) 得られた焼結体の密度は3.18g/cm3 、ビッカー
ス硬度は2300kgf/mm2 、電気比抵抗は0.0
2Ω・cmであった。これらの特性を下記表1に示す。
化ケイ素原料粉体を8.5gとり、実施例1で行った金
型に充填してプレスし、成形体を得る工程を行わずに、
直接黒鉛製型に粉体を充填し、実施例1と同様の条件で
ホットプレスを行った。ホットプレス装置としては、実
施例1と同じものを用いた。 (ホットプレス条件) 10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から70
0℃まで8時間かけて昇温し、1時間その温度に保持し
た。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃〜1200℃まで3時間で昇温
し、さらに、1200℃〜1500℃まで3時間で昇温
し、4時間その温度に保持した。(第2の昇温工程) さらに500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン
雰囲気下にて1500℃〜2200℃まで4時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(ホットプレス工程) 得られた焼結体の密度は3.05g/cm3 、ビッカー
ス硬度は2500kgf/mm2 、電気比抵抗は0.0
3Ω・cmであった。これらの特性を下記表1に示す。
を得た。
スを行った。ホットプレス装置としては、実施例1と同
じものを用いた。 (ホットプレス条件) 10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から70
0℃まで6時間かけて昇温し、1時間その温度に保持し
た。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃〜1200℃まで3時間で昇温
し、さらに、1200℃〜1500℃まで1.5時間で
昇温し、1時間その温度に保持した。(第2の昇温工
程) さらに150kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン
雰囲気下にて1500℃〜2200℃まで3時間で昇温
し、1時間その温度に保持した。(ホットプレス工程) 得られた焼結体の密度は2.45g/cm3 、ビッカー
ス硬度は1900kgf/mm2 、電気比抵抗は1×1
03 Ω・cmであり、焼結体には空孔が多数観察され
た。これらの特性を下記表1に示す。
機化合物としてピッチタールを炭化ケイ素に対し、25
重量%エタノール150gに溶解して加え、炭化ケイ素
粉末表面にこの有機化合物を被覆した。その後、実施例
5と同様にして得た炭化ケイ素原料粉体を実施例5と同
様の条件で焼結した。
3 、ビッカース硬度は2200kgf/mm2 、電気比
抵抗は0.1Ω・cmであった。これらの特性を下記表
1に示す。
炭化ケイ素粉末に対してカーボンブラック2重量%を添
加し、エタノールを用いて炭化ケイ素粉末とともに分散
させ、よく混合した後に乾燥させて焼結用粉体を得た。
実施例5と同様の条件で成形工程を行わずにホットプレ
スしたところ、得られた焼結体の密度は2.6g/cm
3 にとどまり、充分な密度の焼結体を得られなかった。
シリケート62.1g、非金属系焼結助剤として含水率
20%の高純度液体レゾール型フェノール樹脂30g、
硬化触媒としてトルエンスルホン酸水溶液5gを用い、
C/Si比を2.6にて配合し、その混合物を固化、乾
燥、炭化後、1900℃にてアルゴン雰囲気下で焼成し
た結果、遊離炭素を1.0重量%含む粒径1.5μmの
炭化ケイ素原料粉体を得た。この原料粉体を、何らの焼
結助剤を添加することなく、実施例5と同様の条件で焼
結したところ、得られた焼結体の密度は2.7g/cm
3 にとどまり、充分な密度の焼結体を得られなかった。
ケイ素粉末に対して炭化ホウ素(B4 C)1重量%を添
加し、エタノールを用いて炭化ケイ素粉末とともに分散
させ、よく混合した後に乾燥させて焼結用粉体を得た。
実施例5と同様の条件で成形工程を行わずにホットプレ
ス法により焼結した。
3 、ビッカース硬度は2400kgf/mm2 という緻
密な焼結体が得られたが、その電気比抵抗は105 Ω・
cmであり、導電性がなかった。この焼結体をフッ硝酸
に浸漬し、2時間後、密閉容器中で加圧、加熱した後の
液体の純度分析を行ったところ、1000ppmを超え
るホウ素が検出された。
なように、本発明の方法により得られた実施例1〜6の
炭化ケイ素焼結体は、十分な密度を有する高密度焼結体
であり、各種の用途に好適に用いうることが分かった。
理して得られた炭化ケイ素粉末を原料として用いた実施
例1〜3の焼結体は、不純物含有率も極めて低く各物性
値からも半導体製造装置、電子情報機器の部品等への適
用にも好適な優れた特性を有するものであった。
1、無機炭素系焼結助剤を用いた比較例2や焼結助剤を
添加しなかった比較例3の焼結体は密度が低く、空孔が
多数観察され、金属系焼結助剤を用いた比較例4の焼結
体は電気比抵抗が大きく、半導体製造装置や電子情報機
器の部品等への適用には適さないことが明らかであっ
た。
来不可能であった、高密度性、高純度性、高導電性、高
熱伝導率を兼ね備えた高品位の炭化ケイ素焼結体を得る
ことができる。従って、本発明の炭化ケイ素焼結体は半
導体工業、電子情報機器産業などの多くの分野において
有用な材料となる。
Claims (17)
- 【請求項1】 炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤との
混合物を焼結して得られた焼結体であって、密度が2.
9g/cm3 以上であることを特徴とする炭化ケイ素焼
結体。 - 【請求項2】 前記非金属系焼結助剤が、加熱により炭
素を生成する有機化合物であること、を特徴とする請求
項1に記載の炭化ケイ素焼結体。 - 【請求項3】 前記非金属系焼結助剤が、炭化ケイ素粉
末表面を被覆していること、を特徴とする請求項1又は
2に記載の炭化ケイ素焼結体。 - 【請求項4】 前記非金属系焼結助剤が、加熱により炭
素を生成する有機化合物により表面を被覆された炭化ケ
イ素粉末であること、を特徴とする請求項1に記載の炭
化ケイ素焼結体。 - 【請求項5】 前記加熱により炭素を生成する有機化合
物が、レゾール型フェノールであること、を特徴とする
請求項2又は4に記載の炭化ケイ素焼結体。 - 【請求項6】 前記炭化ケイ素焼結体が、炭素原子を3
0重量%を超え、40重量%以下含有する、ことを特徴
とする請求項1乃至5のいずれかに記載の炭化ケイ素焼
結体。 - 【請求項7】 炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤と
を含む混合物を、温度2000〜2400℃、圧力30
0〜700kgf/cm2 、非酸化性雰囲気下でホット
プレスする焼結工程を含み、 前記工程を行うことにより、密度が2.9g/cm3 以
上である炭化ケイ素焼結体を得ること、を特徴とする炭
化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項8】 前記炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助
剤とを、均質に混合して得られた混合物を、成形金型内
に配置し、80〜300℃の温度範囲で、5〜60分間
にわたり加熱して成形体を得る成形工程を経た後、得ら
れた成形体を、前記焼結工程に付することを特徴とする
請求項7に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項9】 前記非金属系焼結助剤が、加熱により炭
素を生成する有機化合物であること、を特徴とする請求
項7又は8に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項10】 前記加熱により炭素を生成する有機化
合物を、そのまま、若しくは、溶媒に溶解した状態又は
分散媒中に分散した状態で前記炭化ケイ素粉末と混合す
ることにより、炭化ケイ素粉末表面に被覆する工程を含
むことを特徴とする請求項9に記載の炭化ケイ素焼結体
の製造方法。 - 【請求項11】 前記非金属系焼結助剤が、加熱により
炭素を生成する有機化合物により表面を被覆された炭化
ケイ素粉末であること、を特徴とする請求項7又は8に
記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項12】 前記加熱により炭素を生成する有機化
合物の含有量が、被覆された炭化ケイ素粉末の表面に存
在する酸化ケイ素を還元するに足る化学量論以上の炭素
を生成する量であることを特徴とする請求項9乃至11
のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項13】 前記加熱により炭素を生成する有機化
合物が、レゾール型フェノール樹脂であることを特徴と
する請求項9乃至12のいずれかに記載の炭化ケイ素焼
結体の製造方法。 - 【請求項14】 前記炭化ケイ素粉末の平均粒径が0.
01〜10μmであることを特徴とする請求項7乃至1
2のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項15】 前記炭化ケイ素粉末が、(1) 液状のケ
イ素化合物と、(2)加熱により炭素を生成する液状の有
機化合物と、(3) 重合又は架橋触媒と、を均質に混合し
て得られた混合物を固化して固形物を得る固化工程と、
得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、
さらに、非酸化性雰囲気下で焼結する焼結工程とを含む
製造方法により得られたことを特徴とする請求項7乃至
14のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項16】 前記液状のケイ素化合物がエチルシリ
ケートであることを特徴とする請求項15に記載の炭化
ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項17】 前記加熱により炭素を生成する液状の
有機化合物が、レゾール型フェノール樹脂であることを
特徴とする請求項15又は16に記載の炭化ケイ素焼結
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9041048A JPH1067565A (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-25 | 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8-43748 | 1996-02-29 | ||
JP8-155670 | 1996-06-17 | ||
JP15567096 | 1996-06-17 | ||
JP9041048A JPH1067565A (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-25 | 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1067565A true JPH1067565A (ja) | 1998-03-10 |
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ID=27290688
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9041048A Pending JPH1067565A (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-25 | 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
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JP (1) | JPH1067565A (ja) |
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