JP5130099B2 - 炭化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化ケイ素焼結体及びその製造方法に関する。より詳しくは体積抵抗のバラツキが少なく安定した導電性を有する炭化ケイ素焼結体及びその製造方法に関する。
導電性のよい炭化ケイ素焼結体を得る方法としては、炭化ケイ素焼結体に窒素源を導入する方法が知られている。例えば特許文献1は、炭化ケイ素粉末を窒素雰囲気中において加熱することにより炭化ケイ素粉末内に窒素原子を取り込み、炭化ケイ素焼結体の原料である炭化ケイ素粉末を製造する工程と、かかる窒素原子を取り込んだ炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とからなる混合物をホットプレス焼結炉において焼結する工程とからなる導電性を備えた炭化ケイ素焼結体の製造方法を開示している。
また、特許文献1は、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とからなる混合粉体をホットプレス焼結炉において焼結する際に、窒素ガスを導入しつつ焼結を行う炭化ケイ素焼結体の製造方法を開示している。
しかし、窒素ガスを導入する方法においては、ホットプレス焼結炉の周囲に配置した断熱材の損傷部の改修に費用がかかるためコスト高が問題となっていた。また、窒素源導入量の制御が困難なため、得られた炭化ケイ素焼結体の導電性のバラツキ、すなわち体積抵抗値の分布のバラツキが大きい。そのため、かかる方法で得られた炭化ケイ素焼結体をヒータ部材に使用した場合、温度ムラが発生するなど半導体製造装置に適用することが困難であった。
特開平11−79840号公報
体積抵抗のバラツキが少なく、安定した導電性を有する炭化ケイ素焼結体及びその製造方法が求められていた。
本発明は、以下の記載事項に関する:
炭化ケイ素粉末及び非金属系焼結助剤を含む混合粉体を高温高圧下で焼結する炭化ケイ素焼結体の製造方法において、炭化ケイ素粉末100質量部に対して非金属系焼結助剤を6〜16質量部及び窒素源含有化合物を0.1〜1.0質量部加えることを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
本発明によれば、体積抵抗のバラツキが少なく、安定した導電性を有する炭化ケイ素焼結体及びその製造方法が得られる。
以下に実施形態を挙げて本発明を説明するが、本発明が以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(炭化ケイ素粉末の製造方法)
炭化ケイ素焼結体の原料としての炭化ケイ素粉末の製造方法は、(イ)ケイ素源、加熱により炭素を発生する炭素源、重合又は架橋触媒を含む混合物を硬化乾燥して固形物を得る工程と、(ロ)固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化して仮焼成粉末を得る工程と、(ハ)仮焼成粉体をさらに非酸化雰囲気下にて焼成して炭化ケイ素粉末を得る工程と、を含む。以下、各工程毎に詳細に説明する。
(イ)固形物を得る工程
ケイ素源としては、高純度のテトラアルコキシシラン、その重合体、酸化ケイ素から選択される1種以上を用いることができる。ここで「酸化ケイ素」とは、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素を包含するものを指す。ケイ素源としては、具体的には、テトラエトキシシランに代表されるアルコキシシラン、その低分子量重合体(オリゴマー)、及び、さらに重合度が高いケイ酸ポリマー等や、シリカゾル、微粉体シリカ等の酸化ケイ素化合物が挙げられる。アルコキシシランとしては、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が例示され、なかでも、ハンドリング性の観点からは、エトキシシランを用いることが好ましい。ここで「オリゴマー」とは重合度2〜15程度の重合体を指す。これらケイ素源のなかでも、均質性やハンドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランのオリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好適である。また、これらのケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。
炭素源として用いられる物質は、酸素を分子内に含有し、加熱により炭素を残留する高純度有機化合物を用いることができる。具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗糖等の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの各種糖類が挙げられる。これらはケイ素源と均質に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒に溶解するもの、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱することにより軟化するもの或いは液状となるものが主に用いられるが、なかでも、レゾール型フェノール樹脂やノボラック型フェノール樹脂が好ましい。炭素源としては沸点が150℃以上であるものが好ましい。
炭素とケイ素の比(以下、C/Si比と略記)は、混合硬化固形物を炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の時に生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となるはずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。この生成炭化ケイ素粉体中の遊離炭素量が単結晶製造用途に適当でない量にならないように予め配合を決定することが重要である。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができ、この範囲を好適に用いることができる。C/Si比を2.5以上にすると遊離炭素が顕著に増加するが、この遊離炭素は粒成長を抑制する効果を持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択しても良い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成する場合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしも上記C/Si比の範囲に限定するものではない。
ケイ素源と炭素源の純度は、各不純物元素含有量1ppm以下であることが好ましいが、焼成工程での純化の許容範囲内であれば必ずしもこれに限定するものではない。また、ここで不純物元素とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から16族元素に属し、且つ、原子番号3以上であり、原子番号6〜8及び同14〜16の元素を除く元素をいう。
重合又は架橋触媒としては、特に制限はないがマレイン酸等を用いることができる。
本発明において、ケイ素源と炭素源の均質混合物を得る際に、混合物を硬化させて固形物とすることも必要に応じて行われる。例えば、上記の如く、液状の炭素源を用いた場合は、ケイ素源と炭素源の均質混合物を硬化して、その後の炭化ケイ素生成工程を施すものである。硬化の方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線による方法が挙げられる。硬化触媒としては、炭素源がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合は、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸等の酸類、ヘキサミンなどのアミン類などを用いることができる。炭素源として各種糖類を用いる場合は、加熱時に酸素、オゾン或いは空気雰囲気中で不融化した後、非酸化性雰囲気下での炭化工程に進むのが好ましい。
さらに純度を向上させ、均一性を増すための手段として原料混合物にハロゲン化合物を0.5〜5質量%添加することができる。原料混合物にハロゲン化合物を添加することにより、炭化ケイ素合成プロセスの中で不純物をハロゲン化し、焼成プロセスで気化、飛散させて不純物を除去するものである。この方法は、原料に混入した不純物の除去に特に有効で、炭化ケイ素を基礎として5ppmまでの不純物であれば、処理後の不純物を0.5ppm以下に抑制することができる。ハロゲン化合物の添加時期は、原料を混合する時点が最も適している。添加するハロゲン化合物としては、原料が液状又は水溶液状で混合されている場合は、塩化アンモニウム、塩酸水溶液など不純物を含まない液状形態での添加が望ましい。また、炭素源として熱可塑性フェノール樹脂やフラン樹脂を用い、固体状のケイ素源を用いる場合は、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン等のハロゲンを含むポリマーを添加することが好ましい。
ハロゲン化合物を添加した場合の不純物除去は、原料硬化固形物の炭化工程、あるいは、直接焼成する場合には焼成工程、それぞれの昇温時にハロゲン化合物が分解して不純物元素と反応し、排出されることにより行われるが、ハロゲン化物の分解温度近傍で10〜30分間反応をさせてから、その後の焼成工程の温度まで昇温を行うことが、不純物除去の効果の観点からさらに好ましい。また、炭化ケイ素生成工程における加熱焼成の非酸化性雰囲気中に1〜5容量%のハロゲンあるいはハロゲン化水素を添加する方法を用いれば、各不純物元素の含有量を0.3ppm以下まで減少させることも可能である。この方法は焼成工程以前のすべての工程における不純物汚染に対して効果があり、20ppm以下の汚染に対して十分な効果を発揮する。
また焼結体の導電性を向上させる観点からは、さらに窒素源含有化合物を添加してもよい。窒素源含有化合物としては、N−メチルジエタノールアミン(MDA)、フタルイミド、安息香酸アンモニウムからなる群から選択された化合物であることが好ましい。なかでも炭素源として用いる樹脂として一般的に用いられているものであり、かつ高沸点化合物であるという観点からはMDAが好ましい。窒素源含有化合物の混合比は、炭素源100質量部に対して窒素源含有化合物を1.5質量部〜6質量部であることが好ましい。上記下限値よりも少ないと、添加による効果が発現しにくく、上記上限値よりも多いと焼結後に割れが生じる等の傾向がある。
上記成分からなる混合物を120℃〜200℃で、1〜10時間硬化乾燥させることにより原料混合固形物が得られる。
固形物を必要に応じて500〜1000℃に予め加熱する焼成工程(予備加熱炭化焼成工程)をさらに加えることもできる。上記の如くハロゲン化合物を添加する場合には、原料混合物を非酸化性雰囲気下で500〜600℃の温度加熱で10〜30分間加熱し、その後、非酸化性雰囲気下で800〜1000℃の温度で30分間〜2時間加熱する、二段炭化(予備加熱炭化焼成工程)を行うことが好ましい。この800〜1000℃での加熱は、30分間以下であると前処理として不十分であり、2時間を超えて加熱を継続しても効果の向上は見られない。また、非酸化性雰囲気としては、窒素あるいは、アルゴンなどを用いるが、経済的理由からは窒素が望ましい。
(ロ)仮焼成粉末を得る工程
固形物を非酸化性雰囲気下で800℃〜1000℃で加熱炭化して仮焼成粉末を得る。この非酸化性雰囲気としては、高温においても非反応性であることから、アルゴンを用いることが望ましい。焼成過程では、まず炭化ケイ素生成のために、原料固形物を加熱炉内で生成に必要な温度以上に加熱する必要がある。一般的には、1350〜1800℃で行うが、より効率的な生成を行うためには1600〜1800℃が望ましい。この炭化ケイ素生成反応は、吸熱反応であるため生成物の温度測定には注意をしなくてはならない。また、焼成中に発生するSiO、COを含む気体は不純物元素を大量に伴っているため、加熱炉中に一定量の非酸化性雰囲気ガスを適切に導入することによりこれらの発生気体を反応容器系外へ絶えず排出し、除去することが望ましい。
(ハ)炭化ケイ素粉末を得る工程
予備炭化された固形物を加熱焼成するか、未炭化物を加熱炭化焼成することにより、炭化ケイ素粉体を生成する。この非酸化性雰囲気としては、高温においても非反応性であることから、アルゴンを用いることが望ましい。焼成過程では、まず炭化ケイ素生成のために、原料固形物を加熱炉内で生成に必要な温度以上に加熱する必要がある。一般的には、1350〜1800℃で行うが、より効率的な生成を行うためには1600〜1800℃が望ましい。この炭化ケイ素生成反応は、吸熱反応であるため生成物の温度測定には注意をしなくてはならない。また、焼成中に発生するSiO、COを含む気体は不純物元素を大量に伴っているため、加熱炉中に一定量の非酸化性雰囲気ガスを適切に導入することによりこれらの発生気体を反応容器系外へ絶えず排出し、除去することが望ましい。
生成した炭化ケイ素粒子を成長させるために、その後、後処理工程において、ある程度の高温に加熱し、その温度を保持することが好ましい。具体的には1700℃以上2000℃未満に保持することが好ましい。この加熱の際、炭化ケイ素粒子の結晶子の増大及び粒子成長に伴って、粒子表面近傍に不純物が移動することが不純物分析の結果より明らかである。
炭化ケイ素生成工程により得られた炭化ケイ素粉体を、上記1700℃以上2000℃未満の温度に保持しながら、さらに、2000℃〜2100℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する加熱処理を少なくとも1回行うことにより、その表面近傍不純物が更なる粒成長と一部昇華分解に伴って外部に除去され、目的とする純度を達成した炭化ケイ素粉体が得られる。
炭化ケイ素粒子生成後の後処理工程において行われるこの2000℃〜2100℃の温度における5〜20分間の加熱処理は、上記の如き不純物の除去の観点に加え、結晶粒径の制御の観点からも好ましい。即ち、加熱によって更なる粒成長が起こり、所望の粒径を有する粉体を得ることができるものである。このとき加熱温度が2000℃未満であると不純物の除去が不十分となり、2100℃を超えると炭化ケイ素の分解が進みすぎ、均一なものが得られない虞があり好ましくない。
この後処理工程における2000℃〜2100℃の加熱処理は、炭化ケイ素粒子生成後の1700℃以上2000℃未満の温度保持中に、例えば、5〜20分間にわたって1回のみ行われてもよく、また、5〜20分間にわたって昇温・保持後に雰囲気温度(即ち、1700℃以上2000℃未満の温度)まで降温し、その後、間隔をあけて同様の操作を任意の回数繰り返すこともできる。この時、1回の工程における加熱、温度保持時間は、5〜20分間であることが好ましく、5分間未満であると効果が不十分であり、20分間を超えると炭化ケイ素の分解が進みすぎる虞がある。また、この加熱処理を数回繰り返して行う場合には、雰囲気温度から2000℃〜2100℃の温度まで加熱して5〜20分間その温度に保持した後、雰囲気温度まで降温し、その温度を保持した後、再度上記の昇温、温度保持、降温を上記1700℃以上2000℃未満の温度保持中に等間隔で繰り返すことが好ましい。また、2000℃〜2100℃の温度まで加熱して5〜20分間その温度に保持した後、雰囲気温度まで降温する場合は、その温度を昇温して保持した時間の2倍以上の時間にわたり雰囲気温度で保持した後、再度上記の昇温、温度保持、降温を繰り返すことが好ましい。この加熱処理を数回繰り返す場合の、2000℃〜2100℃の温度に保持する時間の合計は60分間以下であることが好ましい。この加熱処理における加熱時間は、上記条件のなかで行われることが好ましいが、温度を2000℃付近で加熱する場合には、加熱時間は長めに、また、2100℃付近で加熱する場合には、加熱時間は短めに行うことが好適である。
(炭化ケイ素焼結体の製造方法)
本発明の実施形態にかかる炭化ケイ素焼結体の製造方法は、(イ)炭化ケイ素粉末、窒素源含有化合物及び非金属系焼結助剤を含む混合粉体を調製する工程と、(ロ)混合粉体を高温高圧下で焼結する工程と、を含む。
非金属系焼結助剤としては、フェノール樹脂を用いることができる。非金属系焼結助剤の添加量は、炭化ケイ素粉末100質量部に対して非金属系焼結助剤を6〜16質量部が好ましく、10〜14質量部がより好ましい。
窒素源含有化合物としては、N−メチルジエタノールアミン(MDA)、フタルイミド、安息香酸アンモニウムからなる群から選択された化合物を用いることができる。なかでも炭素源として用いる樹脂として一般的に用いられているものであり、かつ高沸点化合物であるという観点からはMDAが好ましい。窒素源含有化合物の添加量は、炭化ケイ素粉末100質量部に対して窒素源含有化合物を0.1質量部〜1.0質量部が好ましく、0.13質量部〜0.7質量部がさらに好ましい。上記下限値よりも少ないと、添加による効果が発現しにくく、上記上限値よりも多いと焼結後に割れが生じる等の傾向がある。
実施形態にかかる炭化ケイ素焼結体の製造方法によれば、体積抵抗が10-3Ωcm以下であり、室温における体積抵抗のバラツキが次式:
最小体積抵抗値/最大体積抵抗値=80%〜100%、好ましくは90%〜100%、
を満たす炭化ケイ素焼結体が得られる。
(実施形態の変形例)
本実施形態は上記内容に制限されることなく、例えば以下の関連の製造方法に基づいて種々の改良を加えることができる。炭化ケイ素焼結体の製造方法の参考として関連の製造方法を以下に列記する。
(ホットプレス法)
炭化ケイ素粉末としては、α型、β型、非晶質、あるいはこれらの混合物等を広く用いることができ、市販品を用いてもよい。中でもβ型炭化ケイ素粉末が好適に用いられる。炭化ケイ素焼結体を高密度化するためには、用いる炭化ケイ素粉末の粒径は小さいほうがよい。好ましくは0.01〜10μm程度、より好ましくは0.05〜2μmである。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合等の処理工程における取り扱いが困難となり、一方10μmを超えると、粉体の比表面積、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さくなり、高密度化が困難となるので好ましくない。高純度の炭化ケイ素粉末を用いると、得られる炭化ケイ素焼結体も高純度になるので好ましい。高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、ケイ素化合物(以下「ケイ素源」という場合がある。)と、加熱により炭素を発生する有機材料と、重合触媒または架橋触媒とを混合し、得られた固形物を非酸化性雰囲気中で焼成することにより製造することができる。ケイ素源としては、液状、および固体状の化合物を広く用いることができるが、少なくとも液状の化合物を1種以上用いる。液状のケイ素源としては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)の重合体等が挙げられる。アルコキシシランの重合体の中では、テトラアルコキシシランの重合体が好適に用いられる。具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポロキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシランが好ましい。テトラアルコキシシラン重合体の重合度は2〜15程度であると液状の低分子量重合体(オリゴマー)となる。その他、重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものもある。液状のケイ素源と併用可能な固体状のケイ素源としては、炭化ケイ素が挙げられる。ここにいう炭化ケイ素には、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)の他、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液であって、コロイド分子内にOH基やアルコキシ基を含有するもの)、微細シリカ、石英粉体等も含まれる。これらのケイ素源の中でも、均質性やハンドリング性が良好であるテトラアルコキシシランのオリゴマー、またはテトラアルコキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好ましい。また、これらのケイ素源は高純度であることが好ましく、具体的には初期の不純物含有量が20ppm以下であるのが好ましく、5ppm以下であるのがさらに好ましい。
加熱により炭素を生成する有機材料としては、液状のものの他、液状のものと固体状のものを併用することもできる。残炭率が高く、かつ触媒あるいは加熱により重合または架橋する有機材料が好ましい。具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等のモノマー、およびプレポリマーが好ましい。その他、セルロース、しょ糖、ピッチ、タール等の液状物も用いられる。中でもレゾール型フェノール樹脂が、熱分解性および純度の点で好ましい。有機材料の純度は、目的に応じて適宜、制御すればよい。特に高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合は、不純物元素の含有量が各々5ppm未満である有機材料を用いるのが好ましい。
ケイ素源と有機材料の配合比率は、炭素とケイ素のモル比(以下「C/Si」と略記する。)を目安に好ましい範囲をあらかじめ決定することができる。ここにいうC/Siとは、ケイ素源と有機材料との混合物を1000℃にて炭化した炭化ケイ素中間体を元素分析し、その分析値より得られるC/Siである。炭素は、以下の反応式で表わされるように、酸化ケイ素と反応し、炭化ケイ素に変化する。
式(I)SiO2+3C→SiC+2CO従って、化学量論的には、C/Siが3.0であると、炭化ケイ素中間体中の遊離炭素は0%になるが、実際にはSiOガス等が揮散するため、C/Siがより低い値であっても遊離炭素が発生する。遊離炭素は粒成長を抑制する効果を有するので、目的とする粉末粒子の粒径に応じて、C/Siを決定し、その比となるようにケイ素源と有機材料とを配合すればよい。例えば、約1気圧、1600℃以上で、ケイ素源と有機材料との混合物を焼成する場合、C/Siが2.0〜2.5の範囲になるように配合すると、遊離炭素の発生を抑制することができる。同条件で、C/Siが2.5を超えるように配合すると、遊離炭素の発生が顕著となり、粒子の小さな炭化ケイ素粉末が得られる。このように、目的に応じて、配合比率を適宜決定することができる。尚、炭化ケイ素粉末に起因する遊離炭素の作用および効果は、焼結助剤から生じる遊離炭素の作用および効果と比較して非常に弱いので、炭化ケイ素粉末に起因する遊離炭素は、本実施形態の効果には本質的に影響しないものである。
ケイ素源と有機材料との混合物を硬化させ、固形物にすることもできる。硬化の方法としては、加熱による架橋反応を利用する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線を利用する方法等がある。用いる硬化触媒は、用いる有機材料に応じて適宜選択できるが、フェノール樹脂、フラン樹脂を有機材料に用いた場合は、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、蓚酸、塩酸、硫酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類等が挙げられる。ケイ素源と有機材料を含有する固形物は、必要に応じ加熱炭化される。炭化は、窒素またはアルゴン等の非酸化性雰囲気中800℃〜1000℃にて30〜120分間加熱することにより行われる。さらに、非酸化性雰囲気中1350℃〜2000℃で加熱すると炭化ケイ素が生成する。焼成温度と焼成時間は、得られる炭化ケイ素粉末の粒径等に影響するので、適宜決定すればよいが、1600〜1900℃で焼成すると効率的で好ましい。以上に説明した高純度の炭化ケイ素粉末を得る方法は、特開平9−48605号明細書により詳細に記載されている。
次に非金属系焼結助剤について説明する。本実施形態に用いられる炭化ケイ素焼結体は、遊離炭素2〜10質量%のものである。この遊離炭素は、非金属系焼結助剤に用いられる有機材料に起因するものであり、非金属系焼結助剤の添加量等の添加条件を調整することにより遊離炭素量を前述の範囲にすることができる。
非金属系焼結助剤としては、前述したように遊離炭素源となり得る、即ち加熱により炭素を生じる有機材料(以下「炭素源」という場合がある。)を含有するものを用いる。前述の有機材料を単独で、または前述の有機材料を炭化ケイ素粉末(粒径:約0.01〜1ミクロン)表面に被覆させたものを焼結助剤として用いてもよいが、効果の点からは、有機材料を単独で用いるのが好ましい。加熱により炭素を生成する有機材料としては、具体的には、残炭化率の高いコールタールピッチ、ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂の他、各種糖類、例えば、グルコース等の単糖類、しょ糖等の小糖類、セルロース、でんぷん等の多糖類等が挙げられる。有機材料を炭化ケイ素粉末と均質に混合するには、有機材料は常温で液状のもの、溶媒に溶解するもの、または熱可塑性、熱融解性を有する等加熱により軟化するものが好ましい。中でも、フェノール樹脂を用いると炭化ケイ素焼結体の強度が向上するので好ましく、さらにレゾール型フェノール樹脂が好ましい。これらの有機材料の作用機構は明確にはなっていないが、有機材料は加熱されると系中にカーボンブラック、グラファイトの如き無機炭素系化合物を生成する。この無機炭素系化合物が焼結助剤として有効に作用しているものと考えられる。但し、カーボンブラック等を焼結助剤として用いても、同様な効果は得られない。
非金属系焼結助剤は、所望により有機溶媒に溶解し、その溶液と炭化ケイ素粉末を混合してもよい。使用する有機溶媒は、非金属系焼結助剤により異なり、例えば、焼結助剤としてフェノール樹脂を用いる場合は、エチルアルコール等の低級アルコール類、エチルエーテル、アセトン等を選択することができる。高純度の炭化ケイ素焼結体を作製する場合は、高純度の炭化ケイ素粉末を使用するのみならず、焼結助剤および有機溶媒も不純物含有量の少ないものを用いるのが好ましい。
非金属系焼結助剤の炭化ケイ素粉末に対する添加量は、炭化ケイ素焼結体の遊離炭素が2〜10質量%になるように決定する。遊離炭素がこの範囲外であると、接合処理中に進行するSiCへの化学変化、および炭化ケイ素焼結体間の接合が不十分となる。ここで、遊離炭素の含有率(質量%)は、炭化ケイ素焼結体を酸素雰囲気下において、800℃で8分間加熱し、発生したCO2、COの量を炭素分析装置で測定し、その測定値から算出することができる。焼結助剤の添加量は、用いる焼結助剤の種類および炭化ケイ素粉末の表面シリカ(酸化ケイ素)量によって異なる。添加量を決定する目安としては、あらかじめ炭化ケイ素粉末の表面シリカ(酸化ケイ素)量を弗化水素水を用いて定量し、この酸化ケイ素を還元するのに十分な化学量論(式(I)で算出される化学量論)を算出する。これと、非金属系焼結助剤が加熱により炭素を生成する割合を考慮し、遊離炭素が前述の適する範囲となるように添加量を決定することができる。以上に説明した炭化ケイ素焼結体の非金属系焼結助剤についての説明は、特願平9−041048号明細書中により詳細に記載されている。
次に、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤の混合物を焼結する方法について説明する。炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤は均質に混合する。均質の混合物を得るために、前述したように焼結助剤を有機溶媒に溶解した溶液を用いてもよい。混合方法としては、公知の方法、例えば、ミキサー、遊星ボールミル等を用いる方法が挙げられる。混合に使用する器具は、金属元素不純物の混入を防止するため、合成樹脂素材のものを用いるのが好ましい。混合は10〜30時間程度、特に16〜24時間程度行い、十分に混合するのが好ましい。十分に混合した後、溶媒を除去し、混合物を蒸発乾固させる。その後、篩にかけて混合物の原料粉体を得る。乾燥には、スプレードライヤー等の造粒装置を使用してもよい。
このようにして得られた原料粉体は、成形金型中に配置される。使用する成形金型が黒鉛製のものであると、金属不純物が炭化ケイ素焼結体中に混入しないので好ましい。金属製の成形金型であっても、原料粉体と金型の金属部とが直接接触しないように、接触部を黒鉛製とするか、または接触部にポリテトラフルオロエチレンシート(テフロン(登録商標)シート)を介在させれば、好適に使用できる。特に、高純度の炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、金型、および炉内の断熱材等には高純度の黒鉛材料を用いるのが好ましい。具体的には、2500℃以上の温度で、あらかじめ十分にベーキング処理され、高温使用しても不純物の発生がない黒鉛材料等が挙げられる。
成形金型中に配置された原料粉体は、ホットプレス加工を施される。ホットプレスの圧力については特に制約はなく、300〜700kgf/cm2の広い範囲の圧力により行うことができる。但し、400kgf/cm2以上で加圧する場合は、ホットプレス用の部品、例えば、ダイス、パンチ等は耐圧性に優れたものを用いる必要がある。
ホットプレスは、2000℃〜2400℃にて行うが、このホットプレス加工温度までの昇温は穏やかに、かつ段階的に行うのが好ましい。このように昇温すると、各々の温度で生じる化学変化、状態変化等を十分に進行させることができる。その結果、不純物混入や亀裂および空孔の発生を防止することができる。好ましい昇温工程の一例を以下に示す。まず、原料粉体をいれた成形金型を炉内に配置し、炉内を10−4torrの真空状態にする。室温から200℃まで穏やかに昇温し、約30分間200℃に保つ。その後、700℃まで6〜10時間で昇温し、2〜5時間700℃に保つ。室温から700℃までの昇温工程で、吸着水分や有機溶媒の脱離が起こり、また、非金属系焼結助剤の炭化も進行する。一定温度の保持時間は、炭化ケイ素焼結体のサイズによって異なり、適宜好適な時間に設定すればよい。また、保持時間が十分であるか否かの判断は、真空度の低下がある程度少なくなる時点を目安にすることができる。次に、700℃〜1500℃まで6〜9時間で昇温し、1〜5時間程1500℃に保持する。1500℃に保持している間、酸化ケイ素が還元され炭化ケイ素に変化する反応が進行する(式(I))。保持時間が不十分であると、二酸化ケイ素が残留し、炭化ケイ素粉末表面に付着するので、粒子の緻密化を妨げ、大粒の成長原因となるので好ましくない。保持時間が十分であるか否かの判断は、副生成物である一酸化炭素の発生が停止しているかを目安に、即ち、真空度の低下がおさまり、還元反応開始温度である1300℃の真空度まで回復しているかを目安にすることができる。
ホットプレスは、焼結が開始する1500℃程度まで炉内を昇温し、次に炉内を非酸化性雰囲気とするために、不活性ガスを充填した後行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、あるいはアルゴンガス等が用いられるが、高温においても非反応性であるアルゴンガスを用いるのが好ましい。高純度炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、不活性ガスも高純度のものを用いる。炉内を非酸化性雰囲気とした後、温度が2000℃〜2400℃、圧力が300〜700kgf/cm2となるように炉内を加熱および加圧する。最高温度が2000℃未満であると、高密度化が不十分となる。一方、最高温度が2400℃を超えると、粉体もしく成形体原料が昇華(分解)する虞があるため好ましくない。1500℃近傍〜最高温度までの昇温は2〜4時間かけて行い、最高温度で1〜8時間保持するのが好ましい。1850〜1900℃で焼結は急速に進行し、最高温度保持時間中に焼結が完了する。また加圧条件が、300kgf/cm2未満であると高密度化が不十分となり、700kgf/cm2を超えると黒鉛製の成形金型が破損することもあり、製造効率上好ましくない。
用いる炭化ケイ素焼結体は、高密度化されていて、密度が2.9g/cm3以上、気孔率が1%以下であると好ましく、密度が3.0g/cm3以上、気孔率が0.8%以下であると特に好ましい。高密度化された炭化ケイ素焼結体を用いると、得られる炭化ケイ素接合体の曲げ強度、破壊強度等の力学的特性、および電気的物性が向上する。また、高密度化された炭化ケイ素焼結体を用いると、構成粒子が小粒化されているので汚染性の点でも好ましい。一方、低密度の、例えば多孔性の炭化ケイ素焼結体を用いると、炭化ケイ素接合体の耐熱性、耐酸化性、耐薬品性、および機械的強度が劣り、また接合強度が不十分となる場合もある。
炭化ケイ素焼結体を高密度化する方法として、焼結工程に先立って予め成形工程を実施する方法がある。この成形工程は、焼結工程と比較して低温低圧で行われるものである。この焼結工程を実施すると、嵩のある粉体を予めコンパクト(小容量化)にできるので、この工程を何度も繰り返すことによって、大型の成形体が製造しやすくなる。焼結工程に先立って予め実施される成形工程の諸条件の一例を以下に示す。炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを、均質に混合して得られた原料粉体を成形金型内に配置し、温度80℃〜300℃、好ましくは120℃〜140℃、圧力50kgf/cm2〜100kgf/cm2で5〜60分間、好ましくは20〜40分間プレスして成形体を得る。加熱温度は非金属系焼結助剤の特性に応じて、適宜決定すればよい。得られる成形体の密度は、平均粒径1μm程度の粉体を用いた場合は1.8g/cm2以上となるように、また平均粒径0.5μmの粉体を用いた場合は1.5g/cm2となるようにプレスするのが好ましい。用いる成形体の密度がこの範囲であると、炭化ケイ素焼結体の高密度化が容易となるので好ましい。得られた成形体が焼結工程に用いる成形金型に適合するように、成形体に切削加工を施してもよい。
本実施形態に用いる炭化ケイ素焼結体中の不純物元素(1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の元素周期表において、C、N、O、Siを除く、原子番号3以上の元素)の総含有量は5ppm以下であると、高い清浄度が要求されるプロセス、例えば、半導体製造プロセス等にも使用し得るので好ましい。より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。但し、化学的分析による不純物含有量は、実際に使用する場合の参考値としての意味を有するに過ぎない。例えば、不純物含有量は同一であっても、不純物が均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによってその炭化ケイ素接合体に対する汚染性の評価は異なる場合もある。尚、以上に具体的に例示した材料、および例示した焼結方法を用いれば、不純物含有量1ppm以下の炭化ケイ素焼結体が得られる。また、炭化ケイ素焼結体の不純物元素含有量を減少させるには、用いる原料(例えば、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤)、および不活性ガスに含まれる不純物元素含有量を1ppm以下にしたり、焼結時間、温度等、焼結の諸条件を調整して不純物を除去する方法等が挙げられる。尚、ここでいう不純物元素とは、前述と同様であり、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における、原子番号3以上(但し、C、N、O、Si、を除く。)の元素をいう。
本実施形態に用いる炭化ケイ素焼結体の、その他の物性値は、室温における曲げ強度200〜800kgf/mm2、ヤング率250GPa〜500GPa、ビッカース硬度2000〜3500kgf/mm2、ポアソン比0.14〜0.21、熱膨張係数3.8×10-6〜4.5×10-6l/℃、体積固有抵抗0.1Ωcm以下であると、得られる炭化ケイ素接合体の諸特性が良好となるので好ましい。尚、本実施形態の炭化ケイ素焼結体として、特願平9−041048号明細書に記載の炭化ケイ素焼結体を好適に使用することができる。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に何ら制限されない。
(実施例1)
炭化ケイ素粉末の調製:ケイ素源としてエチルシリケート224質量部、炭素源としてフェノール樹脂100質量部、重合触媒としてマレイン酸33.2質量部を混合して混合物を得た。この混合物を硬化乾燥して固形物を得た。得られた固形物をアルゴンガス雰囲気下900℃で加熱炭化して仮焼成粉末を得た。得られた仮焼成粉末をさらにアルゴンガス雰囲気下1900℃で焼成して炭化ケイ素粉末を得た。
炭化ケイ素焼結体の調製:得られた炭化ケイ素粉末と、窒素源としてのN−メチルジエタノールアミン(MDA)と、非金属系焼結助剤としてのフェノール樹脂とを表1に示す混合比で混合し、得られた混合粉体を2300℃、400kgf/cmで焼結して炭化ケイ素焼結体を得た。得られた炭化ケイ素焼結体をスライス加工して、直径350mm、厚さ100mmのウェハ状の炭化ケイ素焼結体を得た。
評価:以下の基準に基づいて評価実験を行った。得られた結果を表1に示す。
LECO社製窒素分析装置を用いて炭化ケイ素粉末中の窒素量を測定した。
三菱化学社製ロレスタ装置を用いてウェハ状の炭化ケイ素焼結体の表面の体積抵抗率(×10-3Ωcm)を1cm間隔で測定した。調製条件及び得られた結果を表1に示す。
ウェハ状の炭化ケイ素焼結体の表面の室温におけるρv分布(ρv/10-3Ωcm)を1cm間隔で測定した結果を図1に示す。
Figure 0005130099
(実施例2〜6、比較例1)
フェノール樹脂及びMDAの添加量を表1に示す量としたことを除き実施例1と同様に実験を行った。調製条件及び得られた結果を表1に示す。
図1より、実施例2は径方向のρv値がほぼ一定なのに対して、比較例2は周方向に向かってρv値が低下し面内均一性が悪いことが示された。
尚、MDA添加量が多すぎても少なすぎてもρv均一性が悪くなる傾向があった。また含有窒素量が多いほどρv値は下がるが、焼結性が悪くなる傾向があった。
室温における炭化ケイ素焼結体の表面の体積抵抗値を1cm間隔で測定した結果を示す図である。

Claims (2)

  1. ケイ素源、炭素源及び窒素源含有化合物を含む混合物の硬化乾燥によって固形物を生成する工程Aと、
    前記固形物を焼成することによって、炭化ケイ素粉体を生成する工程Bと、
    前記炭化ケイ素粉末非金属系焼結助剤及び窒素源含有化合物を含む混合粉体を、2000〜2400℃の温度かつ300〜700kgf/cm の圧力下で焼結して、炭化ケイ素焼結体を生成する工程Cとを備え、
    前記工程Cにおいて、前記窒素源含有化合物は、N−メチルジエタノールアミンであり、
    前記工程Cにおいて、前記非金属系焼結助剤の含有量は、前記炭化ケイ素粉体100質量部に対して、6〜16質量部であり、前記N−メチルジエタノールアミンの含有量は、前記炭化ケイ素粉体100質量部に対して、0.1〜1.0質量部であることを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  2. 前記工程Aにおいて、前記窒素源含有化合物は、N−メチルジエタノールアミンであり、
    前記工程Aにおいて、前記N−メチルジエタノールアミンの含有量は、前記炭化ケイ素粉体100質量部に対して、1.5〜6.0質量部であることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
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