JP2001130971A - 炭化ケイ素焼結体、及びその製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素焼結体、及びその製造方法

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JP2001130971A JP31081799A JP31081799A JP2001130971A JP 2001130971 A JP2001130971 A JP 2001130971A JP 31081799 A JP31081799 A JP 31081799A JP 31081799 A JP31081799 A JP 31081799A JP 2001130971 A JP2001130971 A JP 2001130971A
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carbide sintered
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Fumio Odaka
文雄 小高
Keichi Takahashi
佳智 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度、高純度で、且つ高い体積抵抗率(低い
導電性)を有する炭化ケイ素焼結体、及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助剤、
及び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結して得られ、且つ、
その体積抵抗率が100Ω・cm以上、不純物元素の総
含有量が10ppm以下、密度が2.8g/cm3以上
であることを特徴とする炭化ケイ素焼結体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化ケイ素焼結
体、及びその製造方法に関し、詳しくは、高密度、高純
度で、且つ高い体積抵抗率を有する炭化ケイ素焼結体、
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭化ケイ素は1000℃を超
える高温下においても良好な強度、耐熱性、耐熱衝撃
性、耐摩耗性を有することから高温領域で使用される材
料として注目されおり、近年、半導体の製造冶具、ヒー
ター、その周辺治具等として使用されている。
【0003】特に、このような炭化ケイ素を、ヒータ
ー、及びその周辺治具等に使用する場合、効率よく発熱
させる等の観点から、高い体積抵抗率(低い導電性)を
有することが必要であるが、近年、炭化ケイ素に要求さ
れる性能は益々高くなっており、高強度、高純度を維持
したまま、高い体積抵抗率(低い導電性)を有する炭化
ケイ素が、強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的
は、高密度、高純度で、且つ高い体積抵抗率(低い導電
性)を有する炭化ケイ素焼結体、及びその製造方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、窒化ケイ素粉末を原料と共に用いることによ
り、高強度、高純度を維持したまま、高い体積抵抗率
(低い導電性)を有する炭化ケイ素焼結体を製造するこ
とができることを見出し、本発明に至った。即ち、本発
明は、
【0006】<1>炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助
剤、及び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結して得られ、且
つ、その体積抵抗率が100Ω・cm以上、不純物元素
の総含有量が10ppm以下、密度が2.8g/cm3
以上であることを特徴とする炭化ケイ素焼結体である。
【0007】<2>非金属系焼結助剤が、炭化ケイ素粉
末表面を被覆してなることを特徴とする前記<1>に記
載の炭化ケイ素焼結体である。
【0008】<3>非金属系焼結助剤が、加熱により炭
素を生成する有機化合物であることを特徴とする前記<
1>又は<2>に記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0009】<4>非金属系焼結助剤が、加熱により炭
素を生成する有機化合物により被覆された炭化ケイ素粉
末であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載
の炭化ケイ素焼結体である。
【0010】<5>窒化ケイ素粉末の平均粒子径が、
0.01〜5μmであることを特徴とする前記<1>〜
<4>のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0011】<6>窒化ケイ素粉末の平均粒子径が、炭
化ケイ素粉末の平均粒子径に対して、1/1〜1/10
0であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれ
かに記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0012】<7>炭化ケイ素粉末の平均粒子径が、
0.01〜10μmであることを特徴とする前記<1>
〜<6>のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0013】<8>炭化ケイ素粉末が、液状のケイ素化
合物の少なくとも1種、加熱により炭素を発生する液状
の有機化合物の少なくとも1種の混合物を焼成して得ら
れるものであることを特徴とする前記<1>〜<7>の
いずれかに記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0014】<9>液状のケイ素化合物が、エチルシリ
ケートであることを特徴とする前記<8>に記載の炭化
ケイ素焼結体である。
【0015】<10>加熱により炭素を発生する液状の
有機化合物が、レゾール型フェノール樹脂であることを
特徴とする前記<8>又は<9>に記載の炭化ケイ素焼
結体である。
【0016】<11>炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助
剤、及び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結する工程を有す
ることを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法であ
る。
【0017】<12>液状のケイ素化合物の少なくと1
種、及び加熱により炭素を発生する液状の有機化合物の
少なくと1種の混合物を焼成して炭化ケイ素粉末を製造
する工程と、該炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助剤、及
び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結する工程と、を有する
ことを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法である。
【0018】本発明のの炭化ケイ素焼結体は、窒化ケイ
素粉末を原料と共に用いるため、高強度、高純度を維持
したまま、高い体積抵抗率(低い導電性)を有するが、
これは窒化ケイ素粉末が炭化ケイ素粒を被覆し、導電性
を阻害するためだと考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】[炭化ケイ素]本発明の炭化ケイ
素焼結体は、炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助剤、及び
窒化ケイ素粉末の混合物を焼結して得られ、且つ、その
体積抵抗率が100Ω・cm以上、不純物総含有量が1
0ppm以下、密度が2.8g/cm3以上である。
【0020】本発明の炭化ケイ素焼結体は、その体積抵
抗率が、100Ω・cm以上であるが、好ましくは101
Ω・cm以上である。この体積抵抗率が100Ω・cm
未満であると、低い導電性、即ち良好な絶縁性を示さな
い場合があり、好ましくない。また、体積抵抗率は、抵
抗率計及び四端子四深針等により、測定することができ
る。
【0021】本発明の炭化ケイ素焼結体は、その密度
が、2.8g/cm3以上であるが、好ましくは3.0
g/cm3以上である。この密度が2.8g/cm3未満
であると曲げ強度、破壊強度などの機械的強度が低下
し、変形或いは破損を起こす場合があり、また、耐熱
性、耐酸化性、耐薬品性も低下し、腐食し易くなる場合
がある。
【0022】本発明の炭化ケイ素焼結体は、その不純物
元素総含有量が10ppm以下であるが、好ましくは5
ppm以下である。不純物元素総含有量は、化学的な分
析による不純物含有量は参考値としての意味を有するに
過ぎない。実用的には、不純物が均一に分布している
か、局所的に偏在しているかによっても、評価が異なっ
てくるが、本発明においては、溶液ICP−MS法によ
って測定した値を用いた。
【0023】前記不純物元素とは、1989年IUPA
Cの無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から
16族元素に属し、且つ原子番号3以上であり、原子番
号6〜8及び同14を除く元素をいう。
【0024】本発明の炭化ケイ素焼結体のその他の好適
な物性について検討すると、例えば、室温における曲げ
強度は490〜637MPa(50〜65kgf/mm
2)、1200℃における曲げ強度は490〜784M
Pa(50〜80kgf/mm2)、ヤング率は34.
3×104〜44.1×104MPa(3.5×104
4.5×104kgf/mm2)、ビッカース硬度は19
600MPa(2000kgf/mm2)以上、ポアソ
ン比は0.14〜0.21、比熱は0.6285〜0.
882J/g・℃(0.15〜0.18cal/g・
℃)、耐熱衝撃性は300〜700ΔT℃である。
【0025】本発明の炭化ケイ素焼結体は、以下に示す
製造方法(以下、本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法
という。)により、製造することが好ましい。なお、本
発明の炭化ケイ素焼結体の原料である、炭化ケイ素粉
末、非金属系焼結助剤、窒化ケイ素粉末については、本
発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法と共に詳しく説明す
る。
【0026】[炭化ケイ素焼結体の製造方法]本発明の
炭化ケイ素焼結体の製造方法は、炭化ケイ素粉末、非金
属系焼結助剤、及び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結する
工程(以下、焼結工程という。)を有する製造方法であ
る。
【0027】(炭化ケイ素粉末)前記炭化ケイ素粉末
は、α型、β型、非晶質、又はこれらの混合物等が挙げ
られるが、これらの中でも、β型炭化ケイ素粉末が特に
好ましい。炭化ケイ素成分全体のうち、β型炭化ケイ素
の占める割合が70%以上であることが好ましく、さら
に好ましくは80%以上であり、100%β型炭化ケイ
素であってもよい。
【0028】前記炭化ケイ素粉末におけるβ型炭化ケイ
素粉末の配合量としては、60重量%以上が好ましく、
65重量%以上がより好ましい。この配合量が、60重
量%未満であると、得られる炭化ケイ素焼結体の炭化ケ
イ素成分における、β型炭化ケイ素の含有量が、前記数
値範囲外となることがある。なお、前記β型炭化ケイ素
粉末のグレードとしては、特に制限はない。したがっ
て、一般に市販されているβ型炭化ケイ素粉末を好適に
使用可能である。
【0029】前記炭化ケイ素粉末の平均粒径としては、
高密度の炭化ケイ素焼結体を得るという点からは、小粒
径であるのが好ましく、具体的には、0.01〜10μ
mが好ましく、0.05〜1μmがより好ましい。この
平均粒径が、0.01μm未満の場合には、計量、混合
等の処理の際に取扱いが困難となり、10μmを超える
場合には、比表面積(隣接する炭化ケイ素粉末等同士が
接触する面積)が小さくなるため、高密度の炭化ケイ素
焼結体を得ることが困難となることがある。
【0030】前記炭化ケイ素粉末の粒度分布としては、
特に制限はないが、炭化ケイ素焼結体の製造時におい
て、原料となる粉体(炭化ケイ素粉末等)の充填密度を
向上させる点、及び、炭化ケイ素の反応性を向上させる
点からは、2つ以上の極大値を有する分布となるのが好
ましい。
【0031】前記炭化ケイ素粉末としては、平均粒径
が、0.05〜1μm、比表面積が、5m2/g以上、
遊離炭素が1%以下、酸素含有量が1%以下であるもの
が特に好適である。
【0032】−炭化ケイ素粉末の製造方法− 前記炭化ケイ素粉末は、ケイ素化合物と、加熱により炭
素を生成する有機化合物との混合物を焼成する工程(以
下、炭化ケイ素粉末製造工程という。)により得るのが
好ましい。
【0033】−−ケイ素化合物(ケイ素源)−− 前記ケイ素化合物としては、加熱によりケイ素を発生す
る化合物であれば特に制限はなく、液状の及び固体状の
いずれのケイ素化合物を用いてもよいが、高純度化、及
び均一分散させる観点から、少なくとも1種は液状のケ
イ素化合物であることが必要である。
【0034】前記液状のケイ素化合物としては、アルキ
ルシリケート、(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)ア
ルコキシシラン、及び、テトラアルコキシシランの重合
体等が好適に挙げられる。
【0035】前記アルキルシリケートとしては、メチル
シリケート、エチルシリケート、ブチルリシケート等が
好適に挙げられ、取り扱い性、反応性の観点からエチル
シリケートが特に好ましい。前記(モノ−、ジ−、トリ
−、テトラ−)アルコキシシランとしては、テトラアル
コキシシランが好適に挙げられる。テトラアルコキシシ
ランとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン等が好適に挙げられ、取り扱い性に優れ
る点から、テトラエトキシシランが特に好ましい。前記
テトラアルコキシシランの重合体としては、重合度が2
〜15程度の低分子量重合体(オリゴマー)(例えば、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の低分子量
重合体(オリゴマー))や、液状の高重合度ケイ酸ポリ
マー等が好適に挙げられる。
【0036】前記固体状のケイ素化合物としては、酸化
ケイ素等が好適に挙げられる。ここで、本発明における
酸化ケイ素とは、SiOのほか、シリカゾル(コロイド
状超微粉体シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル
基を含む)、や二酸化ケイ素(シリカゲル、微粉体シリ
カ、石英粉体)等をも含む。
【0037】これらのケイ素化合物として挙げた中で
も、均質性や取り扱い性に優れる点から、テトラエトキ
シシランの低分子量重合体(オリゴマー)、及び、該テ
トラエトキシシランの低分子量重合体(オリゴマー)と
微粉体シリカとの混合物、エチルシリケートが特に好ま
しく、エチルシリケートが、最も好ましい。また、これ
らのケイ素化合物は、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0038】前記ケイ素化合物における不純物元素の総
含有量としては、10ppm以下が好ましく、5ppm
以下がより好ましい。この不純物元素の総含有量が、前
記数値範囲外である場合には、得られる炭化ケイ素焼結
体の純度が、前記数値範囲外となることがある。但し、
加熱・焼結の際における純化の許容範囲内であれば必ず
しも前記数値範囲内の数値に限定されるものではない。
【0039】−−加熱により炭素を生成する有機化合物
(炭素源)−− 前記加熱により炭素を生成する有機化合物(以下、適宜
「有機化合物」と称することがある。)としては、特に
制限はなく、液状の及び固体状のいずれの有機化合物を
用いてもよいが、高純度化、及び均一分散させる観点か
ら、少なくとも1種が液状の有機化合物であることが必
要である。
【0040】前記有機化合物としては、残炭率が高く、
触媒の存在及び/又は加熱によって、重合・架橋する有
機化合物が好ましい。例えば、フェノール樹脂、フラン
樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコー
ル等の樹脂のモノマーやプレポリマー等や、セルロー
ス、蔗糖、ピッチ、タール等の液状有機化合物が好適に
挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂が好まし
く、特にレゾール型フェノール樹脂が好ましい。これら
の有機化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0041】前記有機化合物の純度としては、目的によ
り適宜制御選択することができるが、特に高純度の炭化
ケイ素粉末を得るためには、不純物元素の総含有量が、
5ppm以上とならないのが好ましい。
【0042】炭化ケイ素粉末製造工程において、前記ケ
イ素化合物と、前記有機化合物との混合比(ケイ素化合
物/有機化合物(以下、適宜「C/Si比」と称す
る。)は、混合物を1000℃にて炭化して得られる炭
化物中間体を、元素分析することにより定義される。化
学量論的には、C/Si比が3.0であれば、生成炭化
ケイ素粉末中の遊離炭素が0%となるが、実際には、同
時に生成するSiOガスの揮散により、低C/Si比に
おいて遊離炭素が発生する。したがって、生成炭化ケイ
素粉体中の遊離炭素量が、前記炭化ケイ素焼結体等の製
造・用途等に適当でない量とならないよう、予めC/S
i比を決定することが必要である。通常、1気圧近傍で
1600℃以上で焼成する場合には、C/Si比を2.
0〜2.5にすれば、前記遊離炭素の発生を抑制するこ
とができるため好ましい。また、C/Si比を2.5以
上にすると遊離炭素の発生量が顕著に増加するが、該遊
離炭素は、粒成長を抑制する効果を持つため、粒子形成
の目的に応じて適宜選択することもできる。但し、雰囲
気の圧力を低圧又は高圧で焼成する場合は、純粋な炭化
ケイ素を得るためのC/Si比は変動するので、この場
合は、必ずしも前記C/Si比の範囲に限定されない。
なお、遊離炭素の焼結の際の作用は、後述する炭化ケイ
素粉末の表面に被覆された非金属系焼結助剤に由来する
炭素による作用に比較して非常に弱いため、基本的には
無視することができる。
【0043】炭化ケイ素粉末製造工程において、所望に
より、前記ケイ素化合物と、前記有機化合物とをより均
質に混合させる目的で、さらに重合又は架橋触媒を添加
し、硬化させて混合固形物とすることもできる。また、
前記硬化の方法としては、その他、加熱により架橋する
方法、電子線や放射線による方法が挙げられる。
【0044】前記重合又は架橋触媒としては、前記有機
化合物の種類に応じて適宜選択でき、例えば、前記炭素
化合物がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トル
エンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう
酸、塩酸、硫酸、マレイン酸等の酸類、ヘキサミン等の
アミン類等が挙げられる。
【0045】炭化ケイ素粉末製造工程において、前記ケ
イ素化合物と、前記有機化合物と、所望により前記重合
又は架橋触媒との混合は、公知の混合手段、例えば、ミ
キサー、遊星ボールミル等が用いられる。又、混合時間
としては、10〜30時間が好ましく、16〜24時間
がより好ましい。前記ミキサー、遊星ボールミル等の材
料としては、高純度の炭化ケイ素粉末を得る点から、金
属ができるだけ含有されていない合成樹脂が好ましい。
【0046】炭化ケイ素粉末製造工程において、前記ケ
イ素化合物と、前記有機化合物と、所望により前記重合
又は架橋触媒との混合物は、ハンドリング性向上、揮発
性ガス及び水分の除去を目的として、焼成する前に所望
により、加熱・炭化することができる。該加熱・炭化
は、窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気中で、500
℃〜1000℃下において、30〜120分間行われる
のが好ましい。
【0047】−−焼成−− 炭化ケイ素粉末製造工程において、焼成は、非酸化性雰
囲気中で行うことが好ましく、この焼成により炭化ケイ
素粉末を生成させることができる。
【0048】炭化ケイ素粉末製造工程において、焼成に
おける焼成時間や焼成温度等の条件は、希望する炭化ケ
イ素粉末の粒径等により異なるため一概に規定すること
はできないが、アルゴン等の非酸化性雰囲気中1350
〜2000℃で行うのが好ましく、1600〜1900
℃で行うのがより好ましい。また、前記炭化ケイ素粉末
の純度をより高くするためには、前記焼成後、更に、2
000〜2100℃で5〜20分間加熱処理を施すのが
好ましい。
【0049】炭化ケイ素粉末製造工程としては、本願出
願人が先に特願平7−241856号として出願した単
結晶の製造方法に記載された原料粉体の製造方法、即
ち、高純度のテトラアルコキシシラン、テトラアルコキ
シシラン重合体から選択される1種以上のケイ素化合物
と、加熱により炭素を生成する高純度有機化合物とを、
均質に混合して得られた混合物を非酸化性雰囲気下にお
いて加熱焼成して炭化ケイ素粉末を得る炭化ケイ素生成
工程と、得られた炭化ケイ素粉末を、1700℃〜20
00℃の温度に保持し、該温度の保持中に、2000℃
〜2100℃の温度において5〜20分間にわたり加熱
する処理を少なくとも1回行う後処理工程とを行うこと
により、各不純物元素の含有量が0.5ppm以下であ
る炭化ケイ素粉末を得ること、を特徴とする高純度炭化
ケイ素粉末の製造方法等を利用することもできる。
【0050】(非金属系焼結助剤)前記非金属系焼結助
剤としては、加熱により炭素を生成する物質であれば、
特に制限はないが、有効に効果を発揮し得る点から、加
熱により炭素を生成する有機化合物又は該加熱により炭
素を生成する有機化合物で表面が被覆された炭化ケイ素
粉末(粒径:0.01〜1μm程度)が好ましい。これ
らの中でも、より有効に効果を発揮し得る点で、加熱に
より炭素を生成する有機化合物が好ましい。
【0051】前記加熱により炭素を生成する有機化合物
としては、例えば、残炭率の高いコールタールピッチ、
ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗糖等
の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの各種
糖類が挙げられる。これらの中でも、前記炭化ケイ素粉
末と均質に混合可能な点から、常温で液状の化合物、溶
媒に溶解する化合物、熱可塑性又は熱融解性等の性質を
有し、加熱することにより軟化又は液状となる化合物等
が好適である。これらのうち、高強度の炭化ケイ素焼結
体を得ることが可能な点で、フェノール樹脂が特に好ま
しく、レゾール型フェノール樹脂が最も好ましい。
【0052】前記加熱により炭素を生成する有機化合物
は、加熱されると、その粒子表面(近傍)でカーボンブ
ラックやグラファイト等の無機炭素系化合物を生成する
ため、焼結中に、炭化ケイ素の表面酸化膜を効率的に除
去する焼結助剤として有効に作用すると考えられる。な
お、カーボンブラックやグラファイト粉末を焼結助剤と
して添加しても効果を得ることはできない。
【0053】前記非金属系焼結助剤の添加量としては、
使用する非金属系焼結助剤の種類によっても異なるた
め、一概に規定することはできないが、一般的には、生
成するカーボンに換算して、10重量%以下が好まし
く、2〜8重量%以下がより好ましい。この添加量が、
少なすぎる場合には、得られる炭化ケイ素焼結体を高密
度化することができず、多過ぎる場合には、前記炭化ケ
イ素焼結体に含まれる遊離炭素が増加して高密度化が阻
害されることがある。
【0054】前記非金属系焼結助剤は、焼結助剤として
効率よく働かせる観点から、前記炭化ケイ素粉末表面に
被覆されるように、添加されることが好ましい。
【0055】前記非金属系焼結助剤の添加量は、予め炭
化ケイ素粉末の表面のシリカ(酸化ケイ素)量をフッ酸
を用いて定量し、化学量論的にその還元に充分な量を計
算することにより決定することができる。また、該添加
量とは、上記の方法により定量されるシリカが、非金属
系焼結助剤に由来する炭素によって、下記の化学反応式
により還元されるものとし、非金属系焼結助剤の熱分解
後の残炭率(非金属系焼結助剤中で炭素を生成する割
合)などを考慮して得られる値である。
【0056】 SiO2 + 3C → SiC + 2CO
【0057】前記非金属系焼結助剤の純度としては、不
純物元素の総含有量が、10ppm以下が好ましく、5
ppm以下がより好ましい。この不純物元素の総含有量
が、前記数値範囲を超える場合には、得られる炭化ケイ
素焼結体の純度を、前記数値範囲内に制御できないこと
がある。但し、加熱・焼結の際における純化の許容範囲
内であれば必ずしも前記数値範囲内の数値に限定される
ものではない。
【0058】前記非金属系焼結助剤は、前記炭化ケイ素
粉末との混合物を得る際に、先に溶媒に溶解・分散させ
て混合するのが好ましい。このような溶媒としては、前
記非金属系焼結助剤との組合せにおいて、好適な溶媒を
適宜選択することができる。例えば前記非金属系焼結助
剤として、フェノール樹脂を用いる場合には、前記溶媒
としては、エチルアルコール等の低級アルコール類や、
エチルエーテル、アセトン等が好適に挙げられる。
【0059】(窒化ケイ素粉末)前記窒化ケイ素粉末と
しては、金属シリコン直接窒化法、高純度シリカ還元
法、高温気相反応法、イミド熱分解法などから得られる
窒化ケイ素粉末が挙げられ、純度、粒径などの観点から
イミド熱分解法から得られる窒化ケイ素粉末が好まし
い。
【0060】前記窒化ケイ素粉末は、その平均粒子径
が、0.01〜5μmであることが好ましく、より好ま
しくは、0.02〜3μm、さらに好ましくは、0.0
5〜2μmである。この平均粒子径が0.01μm未満
であると、凝集力が強くなりやすく、炭化ケイ素粉末、
非金属焼結助剤等との分散が不十分となる場合があり、
一方、5μmを超えると被覆効果が不十分となる場合が
ある。
【0061】前記窒化ケイ素粉末は、その平均粒子径
が、炭化ケイ素粉末の平均粒子径に対して1/1〜1/
100であることが好ましく、より好ましくは1/1〜
1/50である。この平均粒子径が、炭化ケイ素粉末の
平均粒子径に対して小さすぎると被覆効果が不十分とな
る場合があり、一方、大きすぎると被覆層が厚くなり、
被覆が不均一になる場合がある。
【0062】前記窒化ケイ素粉末の添加量は、0.05
〜1.5重量%であることが好ましく、より好ましく
は、0.1〜1.2重量%、さらに好ましくは0.5〜
1重量%である。この添加量が、0.05重量%未満で
あると、導電性である炭化ケイ素粒を被覆し、導電性を
阻害する効果が十分に発揮されない場合があり、一方、
1.5重量%を超えると、炭化ケイ素の焼結が不十分と
なる場合があり、密度化が困難になることがある。
【0063】前記窒化ケイ素粉末の純度としては、不純
物元素の総含有量が、10ppm以下が好ましく、5p
pm以下がより好ましい。この不純物元素の総含有量
が、前記数値範囲を超える場合には、得られる炭化ケイ
素焼結体の純度を、前記数値範囲内に制御できないこと
がある。但し、加熱・焼結の際における純化の許容範囲
内であれば必ずしも前記数値範囲内の数値に限定される
ものではない。
【0064】(焼結工程)焼結工程においては、前記炭
化ケイ素粉末と、前記非金属系焼結助剤(フェノール樹
脂等)と、前記窒化ケイ素粉末とを、溶媒(エチルアル
コール等)に溶解し、前記炭化ケイ素粉末と前記非金属
系焼結助剤(フェノール樹脂等)と窒化ケイ素粉末とを
均質に混合し、混合物(炭化ケイ素粉末含有混合物)を
得て、この混合物を焼結することが好ましい。
【0065】焼結工程において、前記炭化ケイ素粉末
と、前記非金属系焼結助剤と、窒化ケイ素粉末との混合
は、公知の混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミ
ルなどによって行うことができる。この混合の時間とし
ては、10〜30時間が好ましく16〜24時間がより
好ましい。また、混合後には、前記溶媒の物性に応じて
適切な温度(例えば、前記溶媒として、エチルアルコー
ルを用いる場合には、50〜60℃)で溶媒を除去し、
混合物を蒸発し乾燥させた後、篩にかける。この乾燥に
は、スプレードライヤーなどの造粒装置を用いてもよ
い。尚、高純度の炭化ケイ素焼結体を得る点からは、前
記遊星ボールミルの容器やボールの材料としては、金属
ができる限り含有されない合成樹脂が好ましい。
【0066】焼結工程において、焼結は、非酸化性雰囲
気で行うことが好ましく、非酸化性雰囲気にするため、
焼結に先立って、炉内に不活性ガスを導入する。該不活
性ガスとしては、窒素、又はアルゴン等が挙げられる
が、高温においても非反応性である観点から、アルゴン
を用いることが好ましい。また、不活性ガスとしては、
高純度の炭化ケイ素焼結体を得る観点から、不純物元素
の総含有量が、低いものが好ましく、具体的には、該不
純物元素の総含有量が、10ppm以下であることが好
ましく、より好ましくは5ppm以下である。但し、焼
結工程における純化の許容範囲内であれば、必ずしも前
記数値範囲内に限定されるものではない。
【0067】焼結工程において、焼結は、2000〜2
400℃で行うことが好ましい。具体的には、1500
℃から最高温度である2000〜2400℃まで、2〜
4時間かけて昇温し、さらに、最高温度である、200
0〜2400℃で、1〜3時間保持し、焼結を完了する
ことが好ましい。この最高温度が、2000℃未満の場
合には、炭化ケイ素焼結体の高密度化が不十分となり、
2400℃を超える場合には、前記混合物(粉体若しく
は成形体原料)が昇華(分解)することがある。尚、焼
結自体は、温度が1850〜1900℃となる時点で急
速に進行する。
【0068】焼結工程において、焼結は、高密度化、又
は炭化ケイ素焼結体の異常粒成長を防止する目的で、2
940〜6860kPa(300〜700kgf/cm
2)の圧力を加えて行うことが好ましい(所謂ホットプ
レス法)。圧力が、この数値範囲内であれば、原料とな
る混合物(粉体)の粒径によって適宜選択することがで
きる。一般的に、原料粉体の粒径が小さいものは加圧時
の圧力が比較的小さくても好適な、高密度の焼結体が得
られる。この圧力が、2940kPa(300kgf/
cm2)未満の場合には、炭化ケイ素焼結体の高密度化
が不十分となる場合があり、6860kPa(700k
gf/cm2)を超える場合には、黒鉛型などの成形型
の破損の原因となる場合があり、製造の効率から好まし
くない。尚、炉内の温度が、1500℃より高温まで上
昇した時点で、前記焼結が開始するため、この時点で、
同時に加圧を行う必要がある。
【0069】焼結工程において、焼結の際に用いる成形
型としては、成形金型が好ましい。該成形金型として
は、高純度の炭化ケイ素焼結体を得る観点から、(炭化
ケイ素焼結体)成形体と成形金型における金属部とが、
直接接触しないように、成形金型の一部又は全部に高純
度の黒鉛製材料を使用するのが好ましい。また、前記成
形型として、黒鉛型を用いた場合には、高純度の炭化ケ
イ素焼結体を得る点から、高純度の黒鉛原料を用いるこ
とが好ましい。
【0070】前記黒鉛原料としては、高純度処理された
ものが用いられ、具体的には、2500℃以上の温度で
予め十分ベーキングされ、前記焼結温度において、不純
物が発生しないものが好ましい。また、加熱炉の断熱材
等も、同様に、高純度の炭化ケイ素焼結体を得る点か
ら、高純度処理されたものが好ましい。
【0071】焼結工程においては、焼結に先立ち、加熱
・昇温処理を行って不純物を十分に除去し、非金属系焼
結助剤の炭化を完全に行うのが好ましい。
【0072】前記加熱・昇温処理は、高温炉の温度制御
が困難な場合には、加熱・昇温を連続的に行ってもよい
が、以下のように、第1の昇温工程及び第2の昇温工程
を2段階に分けて施すのが好ましい。
【0073】第1の昇温工程は、先ず、炉内を133.
3×10-4Pa(10-4torr)にして、室温から2
00℃まで緩やかに加熱・昇温し、その温度で一定時間
保持する。その後、更に緩やかに700℃まで加熱・昇
温し、700℃前後の温度で、再び、一定時間保持す
る。前記第1の昇温工程において、吸着水分や有機溶媒
の脱離が行われ、さらに、非金属系焼結助剤の熱分解に
よって炭化が行われる。前記保持の時間としては、所望
の炭化ケイ素焼結体のサイズによって、適宜選択するこ
とができる。該保持の時間が十分であるか否かの判断と
しては、真空度の低下がある程度少なくなる時点を基準
とすることができる。第1の昇温工程において、急激な
加熱を行うと、不純物の除去や非金属系焼結助剤の炭化
が十分に行われず、得られる炭化ケイ素焼結体に、亀裂
や空孔が生ずることがある。
【0074】第1の昇温工程においては、例えば、混合
物(炭化ケイ素粉末含有混合物)が5〜10g程度の場
合、炉内を133.3×10-4Pa(10-4torr)
にして、室温から200℃まで緩やかに昇温し、その温
度で約30分間保持し、その後、さらに緩やかに昇温を
続け、700℃まで加熱する。室温から700℃に至る
までの時間としては、4〜10時間が好ましく、8時間
前後がより好ましい。さらに、その後、700℃前後の
温度で、1〜5時間程度保持するのが特に好ましい。
【0075】第2の昇温工程においては、例えば、混合
物(炭化ケイ素粉末含有混合物)が、前記同様の5〜1
0g程度である場合、真空中で、さらに、700℃から
1500℃に至るまで、3〜9時間かけて昇温した後、
1500℃の温度で1〜5時間保持する。第2の昇温工
程においては、二酸化ケイ素や酸化ケイ素の還元反応が
行われると考えられる。第2の昇温工程においては、ケ
イ素と結合した酸素を除去するため、前記還元反応を十
分に完結させることが必要である。このため、1500
℃の温度下においては、前記還元反応による副生物(一
酸化炭素)の発生が完了するまで、即ち、真空度の低下
が少なくなり、還元反応開始前の温度である1300℃
付近における真空度に回復するまで、その温度を保持す
ることが必要である。前記第2の昇温工程における還元
反応により、炭化ケイ素粉末の表面に付着し、緻密化を
阻害し、大粒成長の原因となる二酸化ケイ素が除去され
る。この還元反応中に発生するSiO、COを含む気体
は不純物元素を伴っているが、真空ポンプによりこれら
の発生気体が反応炉へ絶えず排出・除去されるため、得
られる炭化ケイ素焼結体の高純度化の点からも、この温
度保持を十分に行うことが好ましい。
【0076】焼結工程においては、焼結によって、優れ
た特性を有する炭化ケイ素焼結体が得られるが、得られ
る炭化ケイ素焼結体をより高密度化する観点から、所望
により、前記焼結に先立って、以下に述べる工程を実施
することができる。
【0077】即ち、前記炭化ケイ素粉末の混合物を所定
の型に充填し、一定温度・一定時間で、加熱・加圧し、
予め、炭化ケイ素粉末を含む混合物の成形体(以下、適
宜「成形体」と称することがある。)を得る工程(以
下、成形工程という。)である。この成形工程を施すこ
とにより、その後の焼結において、炭化ケイ素粉末含有
混合物を充填する際には、嵩のある混合物(炭化ケイ素
粉末含有混合物)を予めコンパクトな形状とすることが
できるため、炭化ケイ素焼結体(例えば、大きく厚みの
あるもの等)を効率良く製造することが可能となる。
【0078】成形工程において、前記炭化ケイ素粉末の
混合物の充填は、より高密度の炭化ケイ素焼結体を得る
観点から、該炭化ケイ素粉末を含む混合物を、所定の型
へ極力密に充填するのが好ましい。
【0079】成形工程において、加熱温度としては、非
金属系焼結助剤の特性に応じて異なるため、一概に規定
することはできないが、80〜300℃が好ましく、1
20〜140℃がより好ましい。
【0080】成形工程において、加圧する圧力として
は、588〜980kPa(60〜100kgf/cm
2)が好ましい。また、充填された原料粉体(炭化ケイ
素粉末含有混合物)の密度としては、1.5g/cm3
以上が好ましく、1.9g/cm3以上がより好まし
い。したがって、前記加圧の際の圧力は、前記密度が、
前記数値範囲内の数値となるように、588〜980k
Pa(60〜100kgf/cm2)の数値範囲内にお
いて、適宜選択するのが好ましい。
【0081】成形工程において、加熱・加圧の時間とし
ては、5〜60分間が好ましく、20〜40分間がより
好ましい。
【0082】成形工程において、得られる成形体は、原
料粉体(炭化ケイ素粉末含有混合物)の平均粒径が小さ
くなる程高密度化し難くなる。高密度化するためには、
前記所定の型に、前記原料粉体を充填する際に、振動充
填等を行うのが好ましい。具体的には、前記原料粉体の
平均粒径が、1μm程度の場合には、密度が1.8g/
cm3以上となるのが好ましく、又、該原料粉体の平均
粒径が、0.5μm程度の場合には、密度が1.5g/
cm3以上となるのがより好ましい。前記密度が、前記
数値範囲に満たない場合には、最終的に得られる炭化ケ
イ素焼結体の高密度化が困難となることがある。
【0083】成形工程において、得られた成形体は、所
望により、次の焼結を行う前に、予め、該焼結に用いる
成形型に適合するよう切削加工を行うことができる。
【0084】以上のようにして製造された炭化ケイ素焼
結体は、通常、所定の形状に加工し、研磨、洗浄等の処
理が行われる。
【0085】本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法によ
り製造された炭化ケイ素焼結体においては、前記炭化ケ
イ素化合物及び前記非金属系焼結助剤に由来する炭素原
子含有量が、合計で前記炭化ケイ素焼結体の30重%を
超え、40重量%以下となるのが好ましい。この含有量
が、30重量%以下の場合には、前記炭化ケイ素焼結体
に含まれる不純物の割合が多くなり、40重量%を超え
る場合には、炭素含有量が多くなるため、得られる炭化
ケイ素焼結体の密度が低下し、該炭化ケイ素焼結体の強
度、耐酸化性等の諸特性が悪化することがある。
【0086】本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法は、
窒化ケイ素粉末を原料と共にもちいるため、前記本発明
の炭化ケイ素焼結体のような、高強度、高純度を維持し
たまま、高い体積抵抗率(低い導電性)を有する炭化ケ
イ素焼結体を製造することができる。
【0087】
【実施例】本発明を、実施例を通してより具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例になんら限定されない。
【0088】(実施例1)高純度炭化ケイ素粉末(平均
粒径0.8μm:前記特開平9−48605号公報に記
載の製造方法に準じて製造された不純物含有量5ppm
以下の炭化ケイ素:1.5重量%のシリカを含有)88
00gと、含水率20%の高純度液体レゾール型フェノ
ール樹脂(熱分解後の残炭率50%)1200gと、窒
化ケイ素粉末(平均粒径0.3μm、不純物含有量50
ppm以下のイミド熱分解法により得られる窒化ケイ素
粉末)8gとをエタノール16000gに溶解したもの
を、ボールミルで18時間攪拌し十分に混合した。その
後、アトマイザー式スプレードライヤーでエタノールを
蒸発乾固させ、造粒させ、均質な炭化ケイ素粉体を得
た。得られた炭化ケイ素粉体を、内径φ270mmの黒
鉛モ−ルド内に入れ、黒鉛製パンチにはさみホットプレ
ス装置内にセットし、6860kPa(700kgf/
cm2)の圧力下、アルゴンガス雰囲気下にて2300
℃の温度で3時間焼結して、実施例1の炭化ケイ素焼結
体を得た。
【0089】(比較例1)窒化ケイ素粉末を用いない以
外は、実施例1と同様して、比較例1の炭化ケイ素焼結
体を得た。
【0090】(評価)得られた実施例1及び比較例1の
炭化ケイ素焼結体ついて、体積抵抗率、密度、純度を測
定した。測定方法を以下に示し、結果を表1に示す。
【0091】(体積抵抗率)抵抗率計(電極間隔1mm
のロレスターAP、三菱化学社製)を用いて、両端の電
極間に90V印可した時の体積抵抗率を測定した。
【0092】(密度)アルキメデス法により、密度を測
定した。
【0093】(純度)ICP−質量分析装置を用いて、
各不純物元素の含有量を測定した。
【0094】
【表1】
【0095】表1から、本発明は炭化ケイ素焼結体は、
高密度、高純度を維持しつつ、高い体積抵抗率を有する
ことがわかる。
【0096】
【発明の効果】以上により、本発明よれば、高密度、高
純度で、且つ高い体積抵抗率(低い導電性)を有する炭
化ケイ素焼結体、及びその製造方法を提供することがで
きる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助剤、及
    び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結して得られ、且つ、そ
    の体積抵抗率が100Ω・cm以上、不純物元素の総含
    有量が10ppm以下、密度が2.8g/cm3以上で
    あることを特徴とする炭化ケイ素焼結体。
  2. 【請求項2】 非金属系焼結助剤が、炭化ケイ素粉末表
    面を被覆してなることを特徴とする請求項1に記載の炭
    化ケイ素焼結体。
  3. 【請求項3】 非金属系焼結助剤が、加熱により炭素を
    生成する有機化合物であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の炭化ケイ素焼結体。
  4. 【請求項4】 非金属系焼結助剤が、加熱により炭素を
    生成する有機化合物により被覆された炭化ケイ素粉末で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化ケイ
    素焼結体。
  5. 【請求項5】 窒化ケイ素粉末の平均粒子径が、0.0
    1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の炭化ケイ素焼結体。
  6. 【請求項6】 窒化ケイ素粉末の平均粒子径が、炭化ケ
    イ素粉末の平均粒子径に対して、1/1〜1/100で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    炭化ケイ素焼結体である。
  7. 【請求項7】 炭化ケイ素粉末の平均粒子径が、0.0
    1〜10μmであることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の炭化ケイ素焼結体。
  8. 【請求項8】 炭化ケイ素粉末が、液状のケイ素化合物
    の少なくとも1種、加熱により炭素を発生する液状の有
    機化合物の少なくとも1種の混合物を焼成して得られる
    ものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の炭化ケイ素焼結体。
  9. 【請求項9】 液状のケイ素化合物が、エチルシリケー
    トであることを特徴とする請求項8に記載の炭化ケイ素
    焼結体。
  10. 【請求項10】 加熱により炭素を発生する液状の有機
    化合物が、レゾール型フェノール樹脂であることを特徴
    とする請求項8又は9に記載の炭化ケイ素焼結体。
  11. 【請求項11】 炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助剤、
    及び窒化ケイ素粉末の混合物を焼結する工程を有するこ
    とを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  12. 【請求項12】 液状のケイ素化合物の少なくと1種、
    及び加熱により炭素を発生する液状の有機化合物の少な
    くと1種の混合物を焼成して炭化ケイ素粉末を製造する
    工程と、該炭化ケイ素粉末、非金属系焼結助剤、及び窒
    化ケイ素粉末の混合物を焼結する工程と、を有すること
    を特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
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