JP2001130979A - 炭化ケイ素焼結体 - Google Patents

炭化ケイ素焼結体

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JP2001130979A
JP2001130979A JP31081699A JP31081699A JP2001130979A JP 2001130979 A JP2001130979 A JP 2001130979A JP 31081699 A JP31081699 A JP 31081699A JP 31081699 A JP31081699 A JP 31081699A JP 2001130979 A JP2001130979 A JP 2001130979A
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Fumio Odaka
文雄 小高
Keichi Takahashi
佳智 高橋
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電圧性を有し、表面が絶縁性であり、半導
体製造装置用部品、電子情報機器用部品、真空装置等の
構造用部品として好適な炭化ケイ素焼結体を提供するこ
と。 【解決手段】 表面の粗度(Ra)が0.01〜0.2
μmである酸化ケイ素膜を表面に有することを特徴とす
る炭化ケイ素焼結体である。前記炭化ケイ素焼結体が、
炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを少なくとも含有
する混合物を焼結してなる焼結体を大気圧雰囲気下で酸
化させて得られる態様、表面の体積抵抗率が106Ω・
cm以上である態様、小さくとも100Vの電圧に対し
て耐性を有する態様、等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置用
部品、電子情報機器用部品、真空装置等の構造用部品と
して特に好適な絶縁性の炭化ケイ素焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造装置用部品、電子情報
機器用部品、真空装置等の構造用部品等には、耐薬品
性、熱耐久性等が要求されることから、石英、シリコ
ン、カーボン等が使用されてきた。近時、これらの部品
の更なる高品質化が、即ち、これらの部品がより優れた
耐薬品性、熱耐久性等を有することが、要望されてい
る。このような要望に応えるため、本発明者らは、これ
らの部品に炭化ケイ素焼結体を使用することを既に提案
している。
【0003】しかしながら、炭化ケイ素焼結体の場合、
導電性を有するため、その用途が制限されてしまうとい
う問題がある。例えば、ヒーター用途の場合、均熱盤も
併せて考慮する必要があるが、炭化ケイ素焼結体は導電
性を有するため、ヒーターに接触させることができない
という問題がある。また、縦置きにしたウエハ基板等の
間にヒーターを配置し、該ウエハ基板等を熱処理するこ
とが行われているが、この熱処理の際に該ウエハ基板等
が倒れてヒーターに接触することがあり、この場合、該
ウエハ基板等の材質によっては導通してしまうという問
題がある。
【0004】このため、炭化ケイ素焼結体を、BN等の
絶縁性セラミックスで被覆することが提案されている。
しかし、この場合、強度が十分でなく、長時間の使用に
より電極部が破損し易く、耐久性に劣るという問題があ
る。また、炭化ケイ素焼結体の表面を、CVD処理、ス
パッタリング処理等により絶縁性にさせることも考えら
れるが、これらの処理の場合、絶縁性を得るのに長時間
を要し、処理装置が大型化し、低コストで処理できない
等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、耐電圧性を有し、表面が絶
縁性であり、各種分野において好適に使用することがで
き、特に半導体製造装置用部品、電子情報機器用部品、
真空装置等の構造用部品として好適な炭化ケイ素焼結体
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 表面の粗度(Ra)が0.01〜0.2μmで
ある酸化ケイ素膜を表面に有することを特徴とする炭化
ケイ素焼結体である。 <2> 炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを少なく
とも含有する混合物を焼結してなる焼結体を大気圧雰囲
気下で酸化させて得られる前記<1>に記載の炭化ケイ
素焼結体である。 <3> 表面の体積抵抗率が106Ω・cm以上である
前記<1>又は<2>に記載の炭化ケイ素焼結体であ
る。 <4> 小さくとも100Vの電圧に対して耐性を有す
る前記<1>から<3>のいずれかに記載の炭化ケイ素
焼結体である。
【0007】前記<1>に記載の炭化ケイ素焼結体は、
表面の粗度(Ra)が0.01〜0.2μmである酸化
ケイ素膜を表面に有する。該酸化ケイ素膜は絶縁性であ
るので、この炭化ケイ素焼結体の表面は絶縁性である、
該炭化ケイ素焼結体は、特に半導体製造装置用部品、電
子情報機器用部品、真空装置等の構造用部品として好適
である。
【0008】前記<2>に記載の炭化ケイ素焼結体は、
炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを少なくとも含有
する混合物を焼結してなる焼結体を大気圧雰囲気下で酸
化させて得られる。このため、この炭化ケイ素焼結体
は、低コストで、短時間でかつ容易に製造され、その表
面には絶縁性の酸化ケイ素による膜が形成されている。
【0009】前記<3>に記載の炭化ケイ素焼結体は、
表面の体積抵抗率が106Ω・cm以上であるので、各
種用途に対して十分な絶縁性を有する。この炭化ケイ素
焼結体は、各種分野において好適であり、特に半導体製
造装置用部品、電子情報機器用部品、真空装置等の構造
用部品として好適に使用される。
【0010】前記<4>に記載の炭化ケイ素焼結体は、
小さくとも100Vの電圧に対して耐性を有するので、
十分な耐電圧があり、ヒーター等をはじめとする広い分
野で好適に使用される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の炭化ケイ素焼結体は、表
面の粗度(Ra)が0.01〜0.2μmである酸化ケ
イ素膜を表面に有する。前記表面の粗度(Ra)として
は、0.01〜0.2μmであることが必要であり、
0.05〜0.1μmが好ましい。前記表面の粗度(R
a)が、0.01μm未満であると機械的刺激で剥離
し、0.2μmを超えるとクラックが発生してしまい、
いずれも好ましくない。
【0012】前記表面の粗度(Ra)は、公知の方法に
よって測定することができ、例えば、公知の表面粗さ計
等を使用して測定することができる。
【0013】本発明の炭化ケイ素焼結体は、その表面の
粗度(Ra)が前記数値範囲内にある限り、その組成、
製造方法、物性等については特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができる。
【0014】前記炭化ケイ素焼結体は、非金属助剤焼結
体であってもよいし、反応焼結体であってもよいが、機
械的強度、耐食性に優れる点で、非金属助剤焼結体が好
ましい。
【0015】前記炭化ケイ素焼結体の密度としては、ア
ルキメデス法により測定した値で、2.8g/cm3
上が好ましく、3.0g/cm3以上がより好ましい。
前記密度が、2.8g/cm3未満の場合には、曲げ強
度・破壊強度等の機械的強度が低下し、繰り返し使用し
た際に、変形や、クラック(ひび割れ)等の破損を招く
ことがあり、また、耐熱性、耐酸化性、耐薬品性も低下
し、腐食し易いことがある。
【0016】前記炭化ケイ素焼結体において、周期律表
における1族から16族元素に属し、かつ原子番号3以
上であり、原子番号6〜8及び同14を除く元素(以
下、この元素を「不純物元素」と称することがある)の
総含有量としては、特に制限はないが、1.0ppm以
下が好ましく、0.8ppm以下がより好ましい。前記
不純物元素の総含有量が、1.0ppmを超えると、測
温ウエハ、ウエハ加熱用ヒータ等の用途には適さないこ
とがある。
【0017】なお、前記不純物元素の総含有量は、前記
炭化ケイ素焼結体を強酸によって全量分解して得られた
溶液をICP−MSで分析した値であり、前記周期表
は、1989年IUPACの無機化学命名法改訂版の周
期表を意味する。
【0018】前記炭化ケイ素焼結体におけるβ型の炭化
ケイ素の含有量としては、前記炭化ケイ素焼結耐の機械
的強度の等方性を向上させる観点からは、炭化ケイ素全
成分に対し、70重量%以上が好ましく、80重量%以
上がより好ましい。
【0019】前記炭化ケイ素焼結体の曲げ強度として
は、室温において490〜637MPa(50〜65k
gf/mm2 )、1200℃において490〜784M
Pa(50〜80kgf/mm2 )程度であるのが好ま
しい。前記炭化ケイ素焼結体のヤング率としては、3.
43×105 〜4.41×105MPa(3.5×104
〜4.5×104kgf/mm2)程度が好ましい。前記
炭化ケイ素焼結体のビッカース硬度としては、1960
0MPa(2000kgf/mm2 )以上が好ましい。
前記炭化ケイ素焼結体のポアソン比としては、0.14
〜0.21程度が好ましい。前記炭化ケイ素焼結体の熱
膨張係数としては、3.8×10-6〜4.2×10-6
K程度が好ましい。前記炭化ケイ素焼結体の比熱として
は、0.63〜0.76J/g・K(0.15〜0.1
8cal/g・K)程度が好ましい。前記炭化ケイ素焼
結体の耐熱衝撃性としては、300〜700ΔTK程度
が好ましい。
【0020】(炭化ケイ素焼結体の製造)本発明の炭化
ケイ素焼結体は、例えば、反応焼結法、ホットプレス法
等の公知の方法に従って製造して得た焼結体を空気酸化
させることにより製造することができ、好ましい具体例
としては、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを少な
くとも含有する混合物を焼結してなる焼結体を大気圧雰
囲気下で酸化させることにより製造することができる。
【0021】−炭化ケイ素粉末−前記炭化ケイ素粉末と
しては、α型、β型、非晶質、又はこれらの混合物等が
挙げられる。これらの中でも、β型炭化ケイ素粉末が特
に好ましい。前記炭化ケイ素粉末におけるβ型炭化ケイ
素粉末の配合量としては、60重量%以上が好ましく、
65重量%以上がより好ましい。なお、前記β型炭化ケ
イ素粉末のグレードとしては、特に制限はなく、一般に
市販されているβ型炭化ケイ素粉末を好適に使用するこ
とができる。
【0022】前記炭化ケイ素粉末の平均粒径としては、
中位径として小粒径であるのが好ましく、具体的には、
0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがよ
り好ましい。前記平均粒径が、0.01μm未満である
と、計量、混合等の処理の際に取扱いが困難となること
があり、10μmを超えると、比表面積(隣接する炭化
ケイ素粉末等同士が接触する面積)が小さくなるため、
高密度の炭化ケイ素焼結体を得ることが困難となること
がある。
【0023】前記炭化ケイ素粉末の粒度分布としては、
特に制限はないが、炭化ケイ素焼結体の製造時におい
て、原料となる粉体(炭化ケイ素粉末等)の充填密度を
向上させ、炭化ケイ素の反応性を向上させる観点から
は、2つ以上の極大値を有する分布となるのが好まし
い。
【0024】以上より、前記炭化ケイ素粉末としては、
その平均粒径が0.05〜5μm程度であり、その比表
面積が5m2/g以上であり、遊離炭素の割合が1%以
下であり、酸素含有量が1%以下であるものが特に好適
である。
【0025】前記炭化ケイ素粉末は、ケイ素化合物と、
加熱により炭素を発生する有機化合物と、を混合し焼成
して得るのが好ましい。
【0026】前記炭化ケイ素粉末を得るためのケイ素化
合物としては、加熱により炭素と反応して炭化ケイ素を
生成する化合物であれば特に制限はないが、その中で
も、酸化ケイ素が好ましい。又、液状のケイ素化合物及
び固体状のケイ素化合物のいずれであってもよいが、得
られる炭化ケイ素粉末の高純度化及び組織の均一性の向
上の点からは、少なくとも1種が液状ケイ素化合物であ
るのが好ましい。
【0027】前記液状のケイ素化合物としては、(モノ
−、ジ−、トリ−、テトラ−)アルコキシシラン、及
び、テトラアルコキシシランの重合体等が好適に挙げら
れる。前記(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)アルコ
キシシランとしては、テトラアルコキシシランが好適に
挙げられる。前記テトラアルコキシシランとしては、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が好適に挙げ
られ、取扱性に優れる点でテトラエトキシシランが特に
好ましい。前記テトラアルコキシシランの重合体として
は、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリゴマ
ー)(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン等の低分子量重合体(オリゴマー))や、液状の高重
合度ケイ酸ポリマー等が好適に挙げられる。
【0028】前記固体状のケイ素化合物としては、酸化
ケイ素等が好適に挙げられる。前記酸化ケイ素には、S
iOのほか、シリカゾル(コロイド状超微粉体シリカ含
有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、や二酸
化ケイ素(シリカゲル、微粉体シリカ、石英粉体)等も
含まれる。
【0029】前記ケイ素化合物の中でも、均質性や取扱
性に優れる点で、テトラエトキシシランの低分子量重合
体(オリゴマー)、及び、該テトラエトキシシランの低
分子量重合体(オリゴマー)と微粉体シリカとの混合物
等が特に好ましい。これらのケイ素化合物は、1種単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】前記ケイ素化合物における不純物元素の総
含有量としては、1.0ppm以下が好ましく、0.8
ppm以下がより好ましい。
【0031】前記炭化ケイ素粉末を得るための、加熱に
より炭素を発生する有機化合物(以下、適宜「有機化合
物」と称することがある。)としては、特に制限はな
く、液状の及び固体状のいずれの有機化合物を用いても
よいが、少なくとも1種が液状の有機化合物であるのが
好ましい。
【0032】前記有機化合物としては、残炭率が高く、
触媒の存在及び/又は加熱によって、重合・架橋する有
機化合物が好ましい。例えば、フェノール樹脂、フラン
樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコー
ル等の樹脂のモノマーやプレポリマー等や、セルロー
ス、蔗糖、ピッチ、タール等の液状有機化合物が好適に
挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂が好まし
く、特にレゾール型フェノール樹脂が好ましい。これら
の有機化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0033】前記有機化合物の純度としては、目的によ
り適宜制御選択することができるが、特に高純度の炭化
ケイ素粉末を得るためには、不純物元素の総含有量が、
5.0ppm未満であるのが好ましい。
【0034】前記炭化ケイ素粉末を得るための混合にお
いては、前記ケイ素化合物と、前記有機化合物と、を均
質に混合して混合物とする。
【0035】前記炭化ケイ素粉末を得るための混合にお
いて、前記ケイ素化合物と、前記有機化合物との混合比
(ケイ素化合物/有機化合物)としては、遊離炭素の発
生を抑制する観点から、通常2.0〜2.5程度であ
る。但し、前記遊離炭素は、粒成長を抑制する効果を有
するため、粒子形成の目的に応じて適宜選択するのが好
ましい。
【0036】前記炭化ケイ素粉末を得るための混合にお
いては、所望により、前記ケイ素化合物と、前記有機化
合物とをより均質に混合させる目的で、前記ケイ素化合
物及び前記有機化合物等の混合物を硬化させて混合固形
物とすることもできる。前記硬化の方法としては、加熱
により架橋する方法、硬化触媒により硬化する方法、電
子線や放射線による方法が挙げられる。前記硬化触媒と
しては、炭素化合物の種類に応じて適宜選択でき、例え
ば、前記炭素化合物がフェノール樹脂やフラン樹脂の場
合には、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢
酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マレイン酸等の酸類、ヘキ
サミン等のアミン類等が挙げられる。
【0037】前記混合固形物は、取扱性の向上、揮発ガ
スや水分の除去等を目的として、所望により、加熱・炭
化することができる。該加熱・炭化は、窒素又はアルゴ
ン等の非酸化性雰囲気中で、500〜1000℃におい
て、30〜120分間行われるのが好ましい。
【0038】前記炭化ケイ素粉末を得るための混合にお
いては、公知の混合手段が好適に用いられる。
【0039】前記炭化ケイ素粉末は、前記混合物(又は
混合固形物)を非酸化性雰囲気中で焼成することにより
得られる。前記焼成の雰囲気、時間、温度等の条件は、
目的とする炭化ケイ素粉末の粒径等により異なるため、
一概に規定することはできないが、雰囲気としてはアル
ゴン等の非酸化性雰囲気が好ましく、温度としては13
50〜2000℃が好ましく、1600〜1900℃が
より好ましい。また、前記炭化ケイ素粉末の純度をより
高くするためには、更に、真空中で1800〜2100
℃で5〜60分間加熱処理を施すのが好ましい。
【0040】−非金属系焼結助剤− 前記非金属系焼結助剤としては、加熱により炭素を生成
する物質であれば、特に制限はないが、例えば、加熱に
より炭素を生成する有機化合物又は該加熱により炭素を
生成する有機化合物で表面が被覆された炭化ケイ素粉末
(粒径:0.01〜5μm程度)等が挙げられる。これ
らの中でも、より有効に効果を発揮し得る点で、加熱に
より炭素を生成する有機化合物が好ましい。
【0041】前記非金属系焼結助剤に用いられる、加熱
により炭素を生成する有機化合物としては、例えば、残
炭率の高いコールタールピッチ、ピッチタール、フェノ
ール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂
やグルコース等の単糖類、蔗糖等の少糖類、セルロー
ス、デンプン等の多糖類などの各種糖類が挙げられる。
これらの中でも、前記炭化ケイ素粉末と均質に混合可能
な点で、常温で液状の化合物、溶媒に溶解する化合物、
熱可塑性又は熱融解性等の性質を有し、加熱することに
より軟化又は液状となる化合物等が好適である。これら
の中でも、高強度の炭化ケイ素焼結体を得ることが可能
な点で、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノ
ール樹脂が特に好ましい。
【0042】前記非金属系焼結助剤に用いられる、加熱
により炭素を生成する有機化合物は、加熱されると、そ
の粒子表面(近傍)でカーボンブラックやグラファイト
等の無機炭素系化合物を生成するため、焼結中に、炭化
ケイ素の表面酸化膜を効率的に除去する焼結助剤として
有効に作用すると考えられる。なお、カーボンブラック
やグラファイト粉末を焼結助剤として添加しても効果を
得ることはできない。
【0043】前記非金属系焼結助剤の添加量としては、
該非金属系焼結助剤の種類によっても異なるため、一概
に規定することはできないが、一般に、生成するカーボ
ンに換算して、15重量%以下が好ましく、2〜12重
量%以下がより好ましい。前記添加量が、少なすぎる
と、得られる炭化ケイ素焼結体を高密度化することがで
きず、多過ぎると、前記炭化ケイ素焼結体に含まれる遊
離炭素が増加して高密度化が阻害されることがある。
【0044】ここで、前記添加量は、予め炭化ケイ素粉
末の表面のシリカ(酸化ケイ素)量をフッ酸を用いて定
量し、化学量論的にその還元に充分な量を計算すること
により決定することができる。また、該添加量は、上記
の方法により定量されるシリカが、非金属系焼結助剤に
由来する炭素によって、下記の化学反応式により還元さ
れるものとし、非金属系焼結助剤の熱分解後の残炭率
(非金属系焼結助剤中で炭素を生成する割合)などを考
慮して得られる値である。SiO2 + 3C → SiC
+ 2CO
【0045】前記非金属系焼結助剤の純度としては、不
純物元素の総含有量が、5.0ppm以下が好ましく、
3.0ppm以下がより好ましい。
【0046】前記非金属系焼結助剤は、前記炭化ケイ素
粉末との混合物を得る際に、溶媒に溶解・分散させて混
合するのが好ましい。該溶媒としては、前記非金属系焼
結助剤との組合せにおいて、好適な溶媒を適宜選択する
ことができる。例えば前記非金属系焼結助剤として、フ
ェノール樹脂を用いる場合には、前記溶媒としては、エ
チルアルコール等の低級アルコール類や、エチルエーテ
ル、アセトン等が好適に挙げられる。
【0047】−混合− 前記混合物は、前述のようにして得られた炭化ケイ素粉
末と、非金属系焼結助剤(フェノール樹脂等)とを、溶
媒(エチルアルコール等)に分散させ、前記炭化ケイ素
粉末と前記非金属系焼結助剤(フェノール樹脂等)とを
均質に混合することにより得られる。
【0048】前記混合は、公知の混合手段、例えば、ミ
キサー、遊星ボールミル等を用いて行うことができる。
これらの中でも、高純度の炭化ケイ素粉末を得る観点か
らは、金属ができるだけ含有されていない合成樹脂等で
形成された攪拌翼、ボール等を備えるものが好ましい。
前記混合の時間としては、10〜30時間が好ましく、
16〜24時間がより好ましい。前記混合の後、用いた
溶媒の物性に応じて適切な温度(例えば、溶媒として、
エチルアルコールを用いた場合には、50〜60℃)で
溶媒を除去し、調製した混合物を蒸発・乾燥させた後、
篩にかける。前記乾燥には、スプレードライヤーなどの
造粒装置を用いてもよい。
【0049】以上のようにして、前記混合物(炭化ケイ
素粉末含有混合物)を得ることができる。得られた混合
物(炭化ケイ素粉末含有混合物)は、前記焼結に先立
ち、以下の加熱・昇温によって、不純物を十分に除去
し、含まれる非金属系焼結助剤を完全に炭化させるのが
好ましい。
【0050】前記加熱・昇温においては、先ず、前記混
合物(炭化ケイ素粉末混合物)を投入した炉内を真空
下、室温から700℃に至るまで、緩やかに加熱・昇温
させる第1の加熱・昇温と、その後さらに、700℃か
ら1500℃に至るまで、加熱・昇温させる第2の加熱
・昇温と、を行うのが好ましい。
【0051】前記第1の加熱・昇温は、高温炉の温度制
御が困難な場合には、700℃まで加熱・昇温を連続的
に行ってもよいが、以下のように段階的に加熱・昇温を
行ってもよい。即ち、炉内を(10-4Torr)にし
て、室温から200℃まで緩やかに加熱・昇温し、その
温度で一定時間保持する。その後、更に緩やかに700
℃まで加熱・昇温し、700℃前後の温度で、再び、一
定時間保持する。前記第1の加熱・昇温において、急激
な加熱を行うと、不純物の除去や非金属系焼結助剤の炭
化が十分に行われず、得られる炭化ケイ素焼結体に、亀
裂や空孔が生ずることがある。
【0052】前記昇温に必要な時間、及び、前記保持の
時間としては、所望の炭化ケイ素焼結体の重量、大き
さ、混合物(炭化ケイ素粉末含有混合物)の量、使用す
る焼結炉の真空系統の性能等によって異なるため、一概
に規定することはできない。低重量、薄肉の炭化ケイ素
焼結体を作製する場合には、前記保持の時間が必要ない
こともある。なお、保持の時間が十分であるか否かの判
断としては、真空度の低下がある程度少なくなる時点を
基準とすることができ、30分程度が好適である。
【0053】また、室温から700℃に至るまでの時間
としては、通常は、4〜10時間が好ましく、8時間前
後がより好ましい。さらに、その後、700℃前後の温
度で、1〜5時間程度保持するのが特に好ましい。
【0054】前記第2の加熱・昇温は、例えば、真空中
でさらに700℃から1500℃に至るまで、3〜9時
間かけて昇温した後、1500℃の温度で1〜5時間保
持することにより行う。
【0055】前記第2の加熱・昇温においては、ケイ素
と結合した酸素を除去するため、前記還元反応を十分に
完結させることが必要である。このため、1500℃の
温度下においては、前記還元反応による副生物(一酸化
炭素)の発生が完了するまで、即ち、真空度の低下が少
なくなり、還元反応開始前の温度である1300℃付近
における真空度に回復するまで、その温度を保持するこ
とが必要である。
【0056】前記還元反応により、炭化ケイ素粉末の表
面に付着して緻密化を阻害し、大粒成長の原因となる二
酸化ケイ素が除去される。該還元反応中に発生するSi
O、COを含む気体は不純物元素を伴っているが、真空
ポンプによりこれらの発生気体が反応炉へ絶えず排出・
除去されるため、得られる炭化ケイ素焼結体の高純度化
の点からも、この温度保持を十分に行うことが好まし
い。
【0057】−焼結− 前記焼結は、以上のようにして得られた混合物(炭化ケ
イ素粉末含有混合物)を、2000〜2400℃で加熱
することにより、具体的には、1500℃から最高温度
である2000〜2400℃まで2〜4時間かけて昇温
し、更にその温度で1〜3時間保持することにより行う
ことができる。
【0058】前記焼結は、反応焼結であってもよいが、
ホットプレスにより行うのが好ましい。前記焼結をホッ
トプレスで行う場合には、炉内を一定圧力に加圧し、前
記温度範囲で行う。該加圧の条件等としては、特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0059】なお、前記焼結に先立って、炉内を非酸化
性雰囲気とするために不活性ガスを導入するのが好まし
い。前記不活性ガスとしては、窒素あるいは、アルゴン
等が挙げられるが、高温においても非反応性である点
で、アルゴンガスを用いるのが好ましい。前記不活性ガ
スとしては、高純度の炭化ケイ素焼結体を得る点から、
不純物元素の総含有量が、低いものが好ましく、具体的
には、該不純物元素の総含有量が、1.0ppm以下が
好ましく、0.8ppm以下がより好ましい。但し、加
熱・焼結工程における純化の許容範囲内であれば、必ず
しも前記数値範囲内に限定されるものではない。
【0060】前記焼結においては、前記加圧は、炭化ケ
イ素焼結体の異常粒成長を防止する目的で行い、該加圧
の際の圧力としては、29.4〜68.6MPa(30
0〜700kgf/cm2 )が好ましく、この数値範囲
内であれば、原料となる混合物(粉体)の粒径や、目的
とする炭化ケイ素焼結体の密度によって適宜選択するこ
とがでる。前記圧力が、29.4MPa(300kgf
/cm2 )未満であると、炭化ケイ素焼結体の高密度化
が不十分となるため、強度の高い炭化ケイ素焼結体を得
られないことがある一方、68.6MPa(700kg
f/cm2 )を超えると、黒鉛型などの成形型の破損の
原因となることがある。
【0061】なお、炉内の温度が、1500℃より高温
まで上昇した時点で、前記焼結(ホットプレス)が開始
するため、この時点で、同時に加圧を行う必要がある。
【0062】前記焼結の際に用いる成形型としては、黒
鉛製の成形型が好ましい。前記黒鉛製の成形型には、高
純度の炭化ケイ素焼結体を得る点から、高純度の黒鉛原
料を用いるのが好ましい。前記黒鉛原料としては、高純
度処理されたものが用いられ、具体的には、2500℃
以上の温度で予め十分ベーキングされ、前記焼結温度に
おいて、不純物が発生しないものが好ましい。加熱炉の
断熱材等も、同様に、高純度の炭化ケイ素焼結体を得る
点から、高純度処理されたものが好ましい。なお、前記
焼結の後、必要に応じ、熱処理等を行ってもよい。
【0063】前記炭化ケイ素焼結体の製造に用いる製造
装置としては、焼結用の型に必要とされる耐圧性等が得
られれば、特に制限はなく、公知の加熱炉内や反応装置
を好適に使用することができる。
【0064】以上により得られた焼結体においては、前
記炭化ケイ素化合物及び前記非金属系焼結助剤に由来す
る炭素原子含有量が、合計で前記炭化ケイ素焼結体の3
0重%を超え、40重量%以下となるのが好ましい。前
記炭素原子含有量が、30重量%以下であると、前記炭
化ケイ素焼結体に含まれる不純物の割合が多くなり、4
0重量%を超えると、炭素含有量が多くなるため、得ら
れる炭化ケイ素焼結体の密度が低下し、該炭化ケイ素焼
結体の強度、耐酸化性等の諸特性が悪化することがあ
る。
【0065】なお、前記焼結体の体積抵抗率としては、
1.0Ω・cm以下が好ましい。前記焼結体は、放電加
工によって、加工し得るのが好ましいため、前記体積抵
抗率が、1.0Ω・cmを超えると前記放電加工が困難
になることがある。前記体積抵抗率を、前記数値範囲内
に制御することを目的として、前記焼結体には所定量の
窒素が含有されているのが好ましい。その場合、窒素の
含有量としては、150ppm以上が好ましく、200
ppm以上がより好ましい。また、安定性の点から、窒
素は固溶状態で含有されているのが好ましい。
【0066】−酸化− 以上により得られた焼結体を、そのまま、あるいは放電
加工等を適宜施して所望の形状にした後、大気圧雰囲気
下で酸化させる。
【0067】前記酸化は、大気圧雰囲気下で加熱するこ
とにより行うことができる。前記大気圧雰囲気として
は、コストの点で空気中が好ましいが、前記酸化反応の
効率の点では酸素富化空気中も好ましい。
【0068】前記加熱の温度としては、通常1200〜
1900℃程度であり、1400〜1700℃が好まし
い。前記加熱の温度が、1200℃未満であると、前記
焼結体の表面を十分に酸化させることができないことが
あり、1900℃を超えると、前記焼結体が分解してし
まうことがある。
【0069】前記加熱の時間としては、前記焼結体の表
面積等により異なり、一概に規定することはできない
が、通常1〜5時間程度である。なお、前記加熱によ
り、前記焼結体の表面に酸化ケイ素による絶縁性膜が形
成されると、通常、該焼結体の色が、黒色から青緑色乃
至ガラス光沢に変化するので、この色の変化性状をみて
前記加熱を終了させることができる。
【0070】前記酸化は、公知の装置を使用して行うこ
とができ、例えば、加熱炉、酸化炉等を用いて行うこと
ができる。
【0071】以上により、得られる炭化ケイ素焼結体
は、表面に酸化ケイ素による絶縁性膜が形成されてい
る。この絶縁性膜は、該炭化ケイ素焼結体と強固に結合
しているので、剥離等することがなく、耐久性に優れ、
耐電圧性にも優れる。このため、該炭化ケイ素焼結体
は、長期間にわたって耐薬品性、絶縁性等の特性に優
れ、電圧を印加してもその優れた特性が劣化しない。
【0072】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0073】(実施例1) −炭化ケイ素粉末の作製− SiO2含有量40%の高純度エチルシリケートオリゴ
マー(液状のケイ素化合物)680gと、含水率20%
の高純度液体レゾール型フェノール樹脂(加熱により炭
素を発生する有機化合物)305gとを混合し、高純度
p−トルエンスルホン酸(硬化触媒)の28%水溶液1
37gを加えて硬化乾燥させた後、窒素雰囲気下、90
0℃において1時間炭化し、均質な混合固形物を得た。
【0074】得られた混合固形物の400gを、炭素製
容器に収容し、アルゴン雰囲気下で1750℃まで昇温
して30分間保持した後、1850℃まで昇温し、1時
間保持した。なお、前記1時間保持した過程では、18
50℃で15分間保持する操作と、2030℃で5分間
保持する操作とを、それぞれ交互に3回づつ行い、高純
度炭化ケイ素粉末(平均粒径:0.8μm)を作製し
た。
【0075】−炭化ケイ素焼結体の作製− −−混合−− 得られた、高純度炭化ケイ素粉末(平均粒径:0.8μ
m)の2700gと、含水率20%の高純度液体レゾー
ル型フェノール樹脂(熱分解後の残炭率50%)(非金
属系焼結助剤)の300gと、をエチルアルコールの4
500gに分散させ、遊星ボールミルで18時間攪拌
し、均質に混合した。その後、50〜60℃に加温して
エチルアルコールを蒸発乾固させ、100μmの篩にか
けて、均一な混合物(炭化ケイ素粉末含有混合物)を得
た。
【0076】−−焼結−− 得られた混合物(炭化ケイ素粉末含有混合物)を以下の
ようにして焼結し、炭化ケイ素焼結体を作製した。
【0077】内径320mmφの黒鉛型モールド内に、
得られた混合物(炭化ケイ素粉末含有混合物)を約65
00g収容した。これを黒鉛製パンチに挟み、ホットプ
レス(ホットプレス装置:抵抗加熱式400tホットプ
レス)内にセットした。
【0078】真空条件(10-5〜10-4Torr)下
で、室温から700℃まで8時間かけて昇温し、1時間
その温度に保持した。その後、真空条件(10-5〜10
-4Torr)下で、700〜1200℃まで3時間で昇
温し、さらに、1200〜1500℃まで3時間で昇温
し、4時間その温度で保持した。
【0079】その後、49MPa(500kgf/cm
2)の圧力で加圧し、アルゴン雰囲気下で1500℃か
ら2300℃まで4時間で昇温し、3時間その温度・圧
力に保持した(ホットプレス)後、冷却した。さらに、
熱処理炉内で、真空(10-4Torr)条件下、195
0℃で3時間保持することにより、焼結体を作製した。
【0080】得られた焼結体を、放電加工によりスライ
スし、アルコール及びアセトンにて洗浄して、長さが8
0mmであり、幅が15mmであり、厚みが2mmであ
る板状の焼結体を作製した。
【0081】この焼結体を電気炉を用いて大気圧雰囲気
下(空気中)で1200℃で120時間、加熱処理を行
った。すると、該焼結体の表面の色が、黒色から青緑色
に変化し、表面に酸化ケイ素による絶縁性膜(表面の粗
度=0.15μm)が形成された本発明の炭化ケイ素焼
結体が得られた。なお、前記表面の粗度は、表面粗さ計
(ミツトヨ(株)製、サーフテスター)を用いて測定し
た。得られた炭化ケイ素焼結体について、テスター(三
和電気工業(株)製、テスターCDS820)及び4端
子4架針式低抵抗計(三菱化学(株)製、ロレスターG
P)を用いてその抵抗値を測定した後、以下の評価を行
った。前記テスター及び前記4端子抵抗計による抵抗値
の測定結果と、前記評価の結果とを表1に示した。
【0082】<炭化ケイ素焼結体の評価> −剥離テスト− 得られた炭化ケイ素焼結体の表面に粘着テープ(ニチバ
ン(株)製、セロテープ)を貼り付けた後、これを一気
に手で剥がした後、テスター(三和電気工業(株)製、
テスターGDS820)を用いて抵抗値を測定した。な
お、該剥離テスト前における該炭化ケイ素焼結体の前記
テスターによる抵抗値と、該剥離テスト後における該炭
化ケイ素焼結体の前記テスターによる抵抗値とを比較
し、両者の差が大きい程、該炭化ケイ素焼結体の表面の
酸化ケイ素による絶縁性膜の結合力が弱く、剥離し易い
ことを意味する。
【0083】−真空テスト− 得られた炭化ケイ素焼結体を、真空下で、600℃、5
×10-3Paで、16時間放置した後、前記テスターを
用いて該炭化ケイ素焼結体の抵抗値を測定した。
【0084】−熱衝撃テスト− 得られた炭化ケイ素焼結体の両端を、砥石を用いて5m
mずつ削り、その表面に形成された絶縁性膜を除去した
後、該両端に電極を取り付け、400℃/20秒で昇温
させ、冷却後また昇温を3回繰り返した後、前記テスタ
ーを用いて該炭化ケイ素焼結体の抵抗値を測定した。
【0085】−耐電圧テスト− 得られた炭化ケイ素焼結体の一端を、砥石を用いて5m
m削り、その表面に形成された絶縁性膜を除去した後、
該一端に電極を取り付け、もう一つの電極は直径2mm
の銅線に接続し、100Vの電圧を印加した状態で、該
銅線を該炭化ケイ素焼結体の表面に接触させて、該炭化
ケイ素焼結体の耐電圧性を評価した。なお、評価の基準
は以下の通りである。 ○・・・・・・絶縁状態が維持されている状態 ×・・・・・・絶縁性膜が破壊され、短絡が生じた状態
【0086】(実施例2)実施例1において、前記酸化
の際における加熱の温度を1200℃から1500℃
に、加熱の時間を120時間から12時間に、それぞれ
変更した外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体
を得た。得られた炭化ケイ素焼結体の表面の粗度は、
0.2μmであった。この炭化ケイ素焼結体について、
実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
【0087】(比較例1〜4)実施例1と同様にして炭
化ケイ素焼結体を得た。得られた炭化ケイ素焼結体の表
面の粗度は、表1に示す通りであった。各炭化ケイ素焼
結体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができ、耐電圧性を有し、表面が絶縁
性であり、各種分野において好適に使用することがで
き、特に半導体製造装置用部品、電子情報機器用部品、
真空装置等の構造用部品として好適な炭化ケイ素焼結体
を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の粗度(Ra)が0.01〜0.2
    μmである酸化ケイ素膜を表面に有することを特徴とす
    る炭化ケイ素焼結体。
  2. 【請求項2】 炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを
    少なくとも含有する混合物を焼結してなる焼結体を大気
    圧雰囲気下で酸化させて得られる請求項1に記載の炭化
    ケイ素焼結体。
  3. 【請求項3】 表面の体積抵抗率が106Ω・cm以上
    である請求項1又は2に記載の炭化ケイ素焼結体。
  4. 【請求項4】 小さくとも100Vの電圧に対して耐性
    を有する請求項1から3のいずれかに記載の炭化ケイ素
    焼結体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013079156A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Avanstrate Inc ガラス板の製造方法

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