JPH1179843A - 炭化ケイ素構造体の製造方法および該製造方法による炭化ケイ素構造体 - Google Patents

炭化ケイ素構造体の製造方法および該製造方法による炭化ケイ素構造体

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JPH1179843A
JPH1179843A JP9231574A JP23157497A JPH1179843A JP H1179843 A JPH1179843 A JP H1179843A JP 9231574 A JP9231574 A JP 9231574A JP 23157497 A JP23157497 A JP 23157497A JP H1179843 A JPH1179843 A JP H1179843A
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sintered body
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carbide structure
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Fumio Odaka
文雄 小高
Akira Sato
朗 佐藤
Taro Miyamoto
太郎 宮本
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りが解消され、加工時における欠けもな
く、特性値についても均一な炭化ケイ素構造体を提供す
ること。 【解決手段】 (1)炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助
剤とが均一に混合された混合物を焼結することにより得
られた、密度が2.9g/cm3 以上の炭化ケイ素焼結
体を、さらに1700〜2400℃で、不活性ガスの雰
囲気下で熱処理することを特徴とする炭化ケイ素構造体
の製造方法および該製造方法による炭化ケイ素構造体。
(2)炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とが均一に混
合された混合物を焼結することにより得られた、密度が
2.9g/cm3 以上の炭化ケイ素焼結体をスライス加
工し、研削し、さらに研磨した後、1700〜2400
℃で、不活性ガスの雰囲気下で熱処理することを特徴と
する炭化ケイ素構造体の製造方法および該製造方法によ
る炭化ケイ素構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化ケイ素焼結体
の加工において、反り、チッピング、割れの起こりにく
く、さらに特性値の均一な炭化ケイ素構造体の製造方法
に関するものであり、特に半導体治具関連に利用される
炭化ケイ素構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素は、共有結合性の強い物質で
あり、従来より高温強度性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品
性等の優れた特性を生かして多くの用途で用いられてき
た。最近では、電子情報機器材料、半導体製造用材料の
分野において、ウェハの処理温度の上昇、ウェハ径の増
大、処理単位の増大によって、従来の石英部品における
如き熱変形やフッ酸などの薬液洗浄による変質のない、
さらに耐熱性の良好で、且つ、密度と純度の高い炭化ケ
イ素焼結体が要望されている。
【0003】上述の通り、炭化ケイ素は、強い共有結合
性のために、難焼結性である。緻密質炭化ケイ素焼結体
を製造する方法としては、ホットプレス法、反応焼結
法、常圧焼結法が知られている。
【0004】ホットプレス法は、炭化ケイ素を高圧下で
焼結する方法であり、金属系焼結助剤として、アルミニ
ウムを添加したものが初期(J.Am.Ceram.S
oc.第39巻、11号386−389頁、1956
年)に報告されて以来、様々な金属系助剤を用いて研究
がなされており、中でもBeOを添加したホットプレス
焼結による高熱伝導性且つ電気絶縁性の焼結体が198
0年に開発されている(「炭化ケイ素セラミックス」第
327−343頁、内田老鶴圃、1988年)。
【0005】反応焼結法は、(1)原料混合工程(炭化
ケイ素粉末と炭素粉末とを混合する工程)、(2)成形
加工工程、(3)反応焼結工程、さらに、所望によって
(4)後加工工程、という各工程からなる。この方法
は、(3)反応焼結工程において、既に成形された炭素
粒子をケイ化するものであり、成形体の寸法変化が少な
く、焼結助剤を必要としない利点があり、高純度の焼結
体が得やすいため、半導体用部品の製造などに利用され
ている。しかしながら、この方法で得られた焼結体は未
反応金属ケイ素を含有するため、耐熱性、耐薬品性や高
強度を要求される分野で使用される部品、治具に用いる
には制限があった。
【0006】常圧焼結法は、炭化ケイ素を焼結するにあ
たり、金属系焼結助剤を使用することを特徴とする方法
あり、1974年にS/Prochazkaの”Cer
amics for High Performanc
e Applicatins”第239頁により提案さ
れた。この方法によって高温強度を有する高密度構造部
材が得られるようになり、炭化ケイ素の研究開発が進展
した。ここで焼結助剤として、ホウ素、アルミニウム、
ベリリウム等の金属やその化合物である金属系焼結助剤
と、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系焼結助
剤との二種類を組み合わせて用いられている。ここで重
要な金属系焼結助剤の作用としては、最適な焼結助剤と
して用いられるホウ素について述べれば、粒界への偏析
による粒界エネルギーの減少、炭素−ホウ素系物質の粒
界拡散の促進、表面拡散抑制等が挙げられ、炭素系焼結
助剤の作用については、炭化ケイ素粒子の表面酸化層の
除去効果が推定されるが、いずれも詳細は未だ明らかで
はない。
【0007】いずれにせよ、ここで用いられる金属系焼
結助剤は、高温での使用時や薬液洗浄処理中に金属不純
物が溶出するため、得られた焼結体は半導体製造装置等
の分野への応用には適さなかった。
【0008】これらの課題を解決する手段として、特開
昭60−108370号において、シラン化合物を熱分
解して得られた特殊な超微粉炭化ケイ素を用いて、助剤
を添加することなく、ホットプレス法により緻密焼結体
を得る方法が提案された。しかしながら、得られる焼結
体の各種特性は明確にされていない。さらに、これに関
連して、「炭化ケイ素セラミックス」(内田老鶴圃、1
988年刊行)第89頁には、この製法で製造された粉
体を用いてもホウ素(焼結助剤として)の添加が不可欠
である旨の記載がある。
【0009】このホットプレス法の改良として、特開平
2−199064号には、CVDプラズマ法により合成
した超微粉炭化ケイ素粉末を用いて、助剤を全く用いず
にホットプレス法により緻密焼結体を得る方法が提案さ
れている。しかしながら、この文献に記載される方法に
おいても、鉄等の不純物が数ppm以上含まれており、
満足できるレベルとは言い難いこと、この系で焼結助剤
としての機能を果たしていると考えられる平均粒径30
nmの超微粉炭化ケイ素微粉末が高コストであること、
このような超微粉は表面酸化に対して取扱上の多大な注
意を必要とすること、などを考慮すれば、いまだ上記課
題が解決しているとはいい難い。
【0010】従って、公知の製造方法によっては、半導
体製造装置用部品、電子情報機器用部品等への使用に適
する高密度で不純物含有量の少ない炭化ケイ素焼結体を
得ることは困難であったが、本発明者らは特願平9−4
1048号において、特殊な原料を必要とすることな
く、高密度かつ高純度であり、半導体製造用装置部品等
への使用に適する良質な炭化ケイ素およびその製造方法
について提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この製造方法により得
られた炭化ケイ素焼結体を用いて半導体製造用装置部品
等を製造するには、スライス加工が必須であり、特にダ
ミーウエハーの用途としては1〜2mmの厚みにスライ
スし、研磨を行い1mm以下にするが、250mmφ以
上の大径の部材では焼結時に生じた内部応力によるひず
みの影響で反りが生じてしまい、結局用いることができ
なかった。
【0012】また、前記焼結体は導電性のため放電加工
が利用できるが、焼結体の導電性が不均一なため、焼結
体ロットにより加工時間が異なったり、抵抗不均一なた
めワイヤーの断線が生じてしまう場合があった。
【0013】さらに、複雑、微細精密加工では加工中に
チッピング等の欠けが生じ、加工性において多大な問題
点があった。
【0014】従って、本発明は、反りが解消され、加工
時における欠けもなく、特性値についても均一な炭化ケ
イ素構造体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の熱処理工程を設けることが、この目的
にかなうことを見いだし、本発明を完成した。即ち、本
発明の炭化ケイ素構造体の製造方法は、炭化ケイ素粉末
と非金属系焼結助剤とが均一に混合された混合物を焼結
することにより得られた、密度が2.9g/cm3 以上
の炭化ケイ素焼結体を、さらに1700〜2400℃
で、不活性ガスの雰囲気下で熱処理することを特徴とす
る。また、本発明の炭化ケイ素構造体の製造方法は、炭
化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とが均一に混合された
混合物を焼結することにより得られた、密度が2.9g
/cm3 以上の炭化ケイ素焼結体をスライス加工し、研
削し、さらに研磨した後、1700〜2400℃で、不
活性ガスの雰囲気下で熱処理することを特徴とする。
【0016】本発明において使用される炭化ケイ素の焼
結は、その収縮曲線より、1700℃以上から開始す
る。しかし、このとき特に炭化ケイ素粉末が高圧でプレ
ス(ホットプレス)されている場合、内部歪みが生じ、
該歪みを含んだまま焼結されるため、該歪みはそのまま
内部に残留する。この残留歪みは加工時に割れや反りと
いった形で開放される。この現象を解決する方法を種々
検討した結果、本発明者らは、不活性ガスの雰囲気下
で、焼結を開始する温度以上の温度まで加熱する熱処理
を行うことにより、歪みが解除され、その後の加工にお
いても割れや反りが発生せず、放電加工もワイヤーも断
線せず、加工速度も向上することを見出した。
【0017】一方、このような工程を経ないで炭化ケイ
素焼結体をスライス加工し、研削し、さらに研磨し、反
りが生じてしまった場合にも、上記条件で熱処理を行え
ば、この反りは解除されることも見出した。
【0018】熱処理温度としては、炭化ケイ素の焼結開
始温度以上とすることが最適で、本発明における炭化ケ
イ素焼結体では1700〜2400℃の範囲から選択さ
れる。上限温度を2400℃としたのは、この温度より
も高い温度とすることは、炭化ケイ素の分解や、熱処理
炉に用いられている黒鉛部材の劣化を招くことになるの
で好ましくないからである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。
【0020】本発明における炭化ケイ素焼結体に原料と
して用いられる炭化ケイ素粉末は、α型、β型、非晶質
或いはこれらの混合物等が挙げられるが、特に、β型炭
化ケイ素粉末が好適に使用される。このβ型炭化ケイ素
粉末のグレードには特に制限はなく、例えば、一般に市
販されているβ型炭化ケイ素粉末を用いることができ
る。この炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点から
は小さいことが好ましく、0.01〜10μm程度、さ
らには、0.05〜2μm程度であることが好ましい。
粒径が0.01μm未満であると、計量、混合などの処
理工程における取扱が困難となり、10μmを超えると
比表面積が小さく、即ち、隣接する粉体との接触面積が
小さくなり、高密度化が困難となるため、好ましくな
い。
【0021】なお、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るた
めには、原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケ
イ素粉体を用いればよい。
【0022】高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少な
くとも1種以上の液状のケイ素化合物を含むケイ素源
と、加熱により炭素を生成する少なくとも1種以上の液
状の有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、
を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で
焼成する焼成工程とを含む製造方法により得ることがで
きる。
【0023】高純度の炭化ケイ素粉末の製造に用いられ
るケイ素化合物(以下、適宜、ケイ素源と称する)とし
ては、液状のものと固体のものとを併用することができ
るが、少なくとも一種は液状のものから選ばれなくては
ならない。液状のものとしては、アルコキシシラン(モ
ノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシ
シランの重合体が用いられる。アルコキシシランの中で
はテトラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的に
は、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラ
ン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの
点からはエトキシシランが好ましい。また、テトラアル
コキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程度
の低分子量重合体(オリゴマー)及びさらに重合度が高
いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと
併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げら
れる。本発明において酸化ケイ素とは、SiOの他、シ
リカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH
基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲ
ル、微細シリカ、石英粉体)等を含む。
【0024】これらケイ素源のなかでも、均質性やハン
ドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランの
オリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微
粉体シリカとの混合物等が好適である。また、これらの
ケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有
量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以
下であることがさらに好ましい。
【0025】また、高純度炭化ケイ素粉末の製造に使用
される加熱により炭素を生成する有機化合物としては、
液状のものの他、液状のものと固体のものとを併用する
ことができ、残炭率が高く、且つ触媒若しくは加熱によ
り重合又は架橋する有機化合物、具体的には例えば、フ
ェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタ
ン、ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプレポ
リマーが好ましく、その他、セルロース、蔗糖、ピッ
チ、タール等の液状物も用いられ、特にレゾール型フェ
ノール樹脂が好ましい。また、その純度は目的により適
宜制御選択が可能であるが、特に高純度の炭化ケイ素粉
末が必要な場合には、各金属を5ppm以上含有してい
ない有機化合物を用いることが望ましい。
【0026】本発明に使用される原料粉体である高純度
炭化ケイ素粉体を製造するにあたっての、炭素とケイ素
の比(以下、C/Si比と略記)は、混合物を1000
℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析する
ことにより定義される。化学量論的には、C/Si比が
3.0の時に生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となる
はずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮
散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。こ
の生成炭化ケイ素粉体中の遊離炭素量が焼結体等の製造
用途に適当でない量にならないように予め配合を決定す
ることが重要である。通常、1気圧近傍で1600℃以
上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると
遊離炭素を抑制することができ、この範囲を好適に用い
ることができる。C/Si比を2.5以上にすると遊離
炭素が顕著に増加するが、この遊離炭素は粒成長を抑制
する効果を持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択
しても良い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成
する場合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比
は変動するので、この場合は必ずしも前記C/Si比の
範囲に限定するものではない。
【0027】なお、遊離炭素の焼結の際の作用は、本発
明で用いられる炭化ケイ素粉体の表面に被覆された非金
属系焼結助剤に由来する炭素によるものに比較して非常
に弱いため、基本的には無視することができる。
【0028】また、本発明においてケイ素源と加熱によ
り炭素を生成する有機化合物とを均質に混合した固形物
を得るために、ケイ素源と該有機化合物の混合物を硬化
させて固形物とすることも必要に応じて行われる。硬化
の方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒に
より硬化する方法、電子線や放射線による方法が挙げら
れる。硬化触媒としては、炭素源に応じて適宜選択でき
るが、フェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエ
ンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、
塩酸、硫酸、マレイン酸等の酸類、ヘキサミン等のアミ
ン類等を用いる。
【0029】この原料混合固形物は必要に応じ加熱炭化
される。これは窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気中
800℃〜1000℃にて30分〜120分間該固形物
を加熱することにより行われる。
【0030】さらに、この炭化物をアルゴン等の非酸化
性雰囲気中1350℃以上2000℃以下で加熱するこ
とにより炭化ケイ素が生成する。焼成温度と時間は希望
する粒径等の特性に応じて適宜選択できるが、より効率
的な生成のためには1600℃〜1900℃での焼成が
望ましい。
【0031】また、より高純度の粉体を必要とする時に
は、前述の焼成時に2000〜2100℃にて5〜20
分間加熱処理を施すことにより不純物をさらに除去でき
る。
【0032】以上より、特に高純度の炭化ケイ素粉末を
得る方法としては、本願出願人が先に特願平7−241
856号として出願した単結晶の製造方法に記載された
原料粉体の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシ
シラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される
1種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高
純度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して
得られた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成し
て炭化ケイ素粉体を得る炭化ケイ素生成工程と、得られ
た炭化ケイ素粉体を、1700℃以上2000℃未満の
温度に保持し、該温度の保持中に、2000℃〜210
0℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理
を少なくとも1回行う後処理工程とを含み、前記2工程
を行うことにより、各不純物元素の含有量が0.5pp
m以下である炭化ケイ素粉体を得ること、を特徴とする
高純度炭化ケイ素粉末の製造方法等を利用することがで
きる。
【0033】また、本発明における炭化ケイ素焼結体を
製造するにあたって、前記炭化ケイ素粉末と混合されて
用いられる非金属系焼結助剤としては、加熱により炭素
を生成する、所謂炭素源と称される物質が用いられ、加
熱により炭素を生成する有機化合物又はこれらで表面を
被覆された炭化ケイ素粉末(粒径:0.01〜1μm程
度)が挙げられ、効果の観点からは前者が好ましい。
【0034】加熱により炭素を生成する有機化合物とし
ては、具体的には、残炭率の高いコールタールピッチ、
ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗糖等
の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの等の
各種糖類が挙げられる。これらは炭化ケイ素粉末と均質
に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒に
溶解するもの、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱す
ることにより軟化するもの或いは液状となるものが好適
に用いられるが、なかでも、得られる成形体の強度が高
いフェノール樹脂、特に、レゾール型フェノール樹脂が
好適である。
【0035】この有機化合物は加熱されると粒子表面
(近傍)においてカーボンブラックやグラファイトの如
き無機炭素系化合物を生成し、焼結中に炭化ケイ素の表
面酸化膜を効率的に除去する焼結助剤として有効に作用
すると考えられる。なお、カーボンブラックやグラファ
イト粉末を焼結助剤として添加しても本発明の効果を得
ることはできない。
【0036】本発明において、炭化ケイ素粉末と非金属
系焼結助剤との混合物を得る際に、非金属系焼結助剤を
溶媒に溶解又は分散させて混合することが好ましい。溶
媒は、非金属系焼結助剤として使用する化合物に対して
好適なもの、具体的には、好適な加熱により炭素を生成
する有機化合物であるフェノール樹脂に対しては、エチ
ルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテル、
アセトン等を選択することができる。また、この非金属
系焼結助剤及び溶媒についても不純物の含有量が低いも
のを使用することが好ましい。
【0037】炭化ケイ素粉末と混合される非金属系焼結
助剤の添加量は少なすぎると焼結体の密度が上がらず、
多過ぎると焼結体に含まれる遊離炭素が増加するため高
密度化を阻害する虞があるため、使用する非金属系焼結
助剤の種類にもよるが、一般的には、10重量%以下、
好ましくは2〜5重量%となるように添加量を調整する
ことが好ましい。この量は、予め炭化ケイ素粉末の表面
のシリカ(酸化ケイ素)量をフッ酸を用いて定量し、化
学量論的にその還元に充分な量を計算することにより決
定することができる。
【0038】なお、ここでいう炭素としての添加量と
は、上記の方法により定量されたシリカが非金属系焼結
助剤に由来する炭素で、下記の化学反応式により還元さ
れるものとし、非金属系焼結助剤の熱分解後の残炭率
(非金属系焼結助剤中で炭素を生成する割合)などを考
慮して得られる値である。
【0039】 SiO2 + 3C → SiC + 2CO また、本発明の炭化ケイ素焼結体においては、炭化ケイ
素焼結体中に含まれる炭化ケイ素に由来する炭素原子及
び非金属系焼結助剤に由来する炭素原子の合計が30重
量%を超え、40重量%以下であることが好ましい。含
有量が30重量%以下であると、焼結体中に含まれる不
純物の割合が多くなり、40重量%を超えると炭素含有
量が多くなり得られる焼結体の密度が低下し、焼結体の
強度、耐酸化性等の諸特性が悪化するため好ましくな
い。
【0040】本発明における炭化ケイ素焼結体を製造す
る方法としては、本出願人が先に出願した特願平9−4
1048号における炭化ケイ素焼結体の製造方法を用い
ることができる。
【0041】本発明における炭化ケイ素焼結体を製造す
るにあたって、まず、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結
助剤とを均質に混合するが、前述の如く、非金属系焼結
助剤であるフェノール樹脂をエチルアルコールなどの溶
媒に溶解し、炭化ケイ素粉末と十分に混合する。混合は
公知の混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミルな
どによって行うことができる。混合は、10〜30時
間、特に、16〜24時間にわたって行うことが好まし
い。十分に混合した後は、溶媒の物性に適合する温度、
例えば、先に挙げたエチルアルコールの場合には50〜
60℃の温度で溶媒を除去し、混合物を蒸発乾固させた
のち、篩にかけて混合物の原料粉体を得る。なお、高純
度化の観点からは、ボールミル容器及びボールの材質を
金属をなるべく含まない合成樹脂にする必要がある。ま
た、乾燥にあたっては、スプレードライヤーなどの造粒
装置を用いてもよい。
【0042】本発明における焼結体を製造するにあたり
焼結工程は、粉体の混合物又は後記の成形工程により得
られた粉体の混合物の成形体を、温度2000〜240
0℃、圧力300〜700kgf/cm2 、非酸化性雰
囲気下で成形金型中に配置し、ホットプレスする工程で
ある。
【0043】ここで使用する成形金型は、得られる焼結
体の純度の観点から、成形体と金型の金属部とが直接接
触しないように、型の一部又は全部に黒鉛製等の材料を
使用するか、金型内にテフロンシート等を介在させるこ
とが好ましい。
【0044】本発明においてホットプレスの圧力は30
0〜700kgf/cm2 の条件で加圧ことができる
が、特に、400kgf/cm2 以上の加圧した場合に
は、ここで使用するホットプレス部品、例えば、ダイ
ス、パンチ等は耐圧性の良好なものを選択する必要があ
る。
【0045】真空中で、さらに700℃から1500℃
に至るまで、前記の条件であれば6〜9時間ほどかけて
昇温し、1500℃の温度で1〜5時間ほど保持する。
この工程では二酸化ケイ素、酸化ケイ素の還元反応が行
われると考えられる。ケイ素と結合した酸素を除去する
ため、この還元反応を十分に完結させることが重要であ
り、1500℃の温度における保持時間は、この還元反
応による副生物である一酸化炭素の発生が完了するま
で、即ち、真空度の低下が少なくなり、還元反応開始前
の温度である1300℃付近における真空度に回復する
まで、行うことが必要である。この第2の昇温工程にお
ける還元反応により、炭化ケイ素粉体表面に付着して緻
密化を阻害し、大粒成長の原因となる二酸化ケイ素が除
去される。この還元反応中に発生するSiO、COを含
む気体は不純物元素を伴っているが、真空ポンプにより
これらの発生気体が反応炉へ絶えず排出され、除去され
るため、高純度化の観点からもこの温度保持を十分に行
うことが好ましい。
【0046】これらの昇温工程が終了した後に、高圧ホ
ットプレスを行うことが好ましい。温度が1500℃よ
り高温に上昇すると焼結が開始するが、その際、異常粒
成長を抑えるために300〜700kgf/cm2 程度
までをめやすとして加圧を開始する。その後、炉内を非
酸化性雰囲気とするために不活性ガスを導入する。この
不活性ガスとしては、窒素あるいは、アルゴンなどを用
いるが、高温においても非反応性であることから、アル
ゴンガスを用いることが望ましい。
【0047】炉内を非酸化性雰囲気とした後、温度を2
000〜2400℃、圧力300〜700kgf/cm
2 となるように加熱、加圧を行う。プレス時の圧力は原
料粉体の粒径によって選択することができ、原料粉体の
粒径が小さいものは加圧時の圧力が比較的小さくても好
適な焼結体が得られる。また、ここで1500℃から最
高温度である2000〜2400℃までへの昇温は2〜
4時間かけて行うが、焼結は1850〜1900℃で急
速に進行する。さらに、この最高温度で1〜3時間保持
し、焼結を完了する。なお、焼結時の圧力は必ずしも常
時かける必要はなく、特に焼結反応(試料の収縮)が開
始される温度以上の領域で加えられていればよい。
【0048】ここで最高温度が2000℃未満であると
高密度化が不十分となり、2400℃を超えると粉体若
しくは成形体原料が昇華(分解)する虞があるため好ま
しくない。また、加圧条件が500kgf/cm2 未満
であると高密度化が不十分となり、700kgf/cm
2 を超えると黒鉛型などの成形型の破損の原因となり、
製造の効率から好ましくない。
【0049】この焼結工程においても、得られる焼結体
の純度保持の観点から、ここで用いられる黒鉛型や加熱
炉の断熱材等は、高純度の黒鉛原料を用いることが好ま
しく、黒鉛原料は高純度処理されたものが用いられる
が、具体的には、2500℃以上の温度で予め十分ベー
キングされ、焼結温度で不純物の発生がないものが望ま
しい。さらに、使用する不活性ガスについても、不純物
が少ない高純度品を使用することが好ましい。
【0050】本発明では、前記焼結工程を行うことによ
り優れた特性を有する炭化ケイ素焼結体が得られるが、
最終的に得られる焼結体の高密度化の観点から、この焼
結工程に先立って以下に述べる成形工程を実施してもよ
い。以下にこの焼結工程に先立って行うことができる成
形工程について説明する。ここで、成形工程とは、炭化
ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤とを均質に混合して得
られた原料粉体を成形金型内に配置し、80〜300℃
の温度範囲で、5〜60分間にわたり加熱、加圧して予
め成形体を調整する工程である。ここで、原料粉体の金
型への充填は極力密に行うことが、最終的な焼結体の高
密度化の観点から好ましい。この成形工程を行うと、ホ
ットプレスのために試料を充填する際に嵩のある粉体を
予めコンパクトになしうるので、この成形工程を繰り返
すことにより厚みの大きい成形体を製造し易くなる。
【0051】加熱温度は、非金属系焼結助剤の特性に応
じて、80〜300℃、好ましくは120〜140℃の
範囲、圧力60〜100kgf/cm2 の範囲で、充填
された原料粉体の密度を1.5g/cm3 以上、好まし
くは、1.9g/cm3 以上とするようにプレスして、
加圧状態で5〜60分間、好ましくは20〜40分間保
持して原料粉体からなる成形体を得る。ここで成形体の
密度は、粉体の平均粒径が小さくなる程高密度にしにく
くなり、高密度化するためには成形金型内に配置する際
に振動充填等の方法をとることが好ましい。具体的に
は、平均粒径が1μm程度の粉体では密度が1.8g/
cm3 以上、平均粒径が0.5μm程度の粉体では密度
が1.5g/cm3 以上であることがより好ましい。そ
れぞれの粒径において密度が1.5g/cm3 又は1.
8g/cm3 未満であると、最終的に得られる焼結体の
高密度化が困難となる。
【0052】この成形体は、次の焼結工程に付す前に、
予め用いるホットプレス型に適合するように切削加工を
行うことができる。この成形体を前記の温度2000〜
2400℃、圧力300〜700kgf/cm2 、非酸
化性雰囲気下で成形金型中に配置し、ホットプレスする
工程即ち焼成工程に付して、高密度、高純度の炭化ケイ
素焼結体を得るものである。
【0053】以上により生成した炭化ケイ素焼結体は、
十分に高密度化されており、密度は2.9g/cm3
上である。得られた焼結体の密度が2.9g/cm3
満であると、曲げ強度、破壊強度などの力学的特性や電
気的な物性が低下し、さらに、パーティクルが増大し、
汚染性が悪化するため好ましくない。炭化ケイ素焼結体
の密度は、3.0g/cm3 以上であることがより好ま
しい。
【0054】また、得られた焼結体が多孔質体である
と、耐熱性、耐酸化性、耐薬品性や機械強度に劣る、洗
浄が困難である、微小割れが生じて微小片が汚染物質と
なる、ガス透過性を有する等の物性的に劣る点を有する
ことになり、用途が限定されるなどの問題点も生じてく
る。
【0055】本発明で得られる炭化ケイ素焼結体の不純
物元素の総含有量は、10ppm以下、好ましくは5p
pm以下であるが、半導体工業分野への適用の観点から
は、これらの化学的な分析による不純物含有量は参考値
としての意味を有するに過ぎない。実用的には、不純物
が均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによ
っても、評価が異なってくる。従って、当業者は一般的
に実用装置を用いて所定の加熱条件のもとで不純物がど
の程度半導体プロセスを汚染するかを種々の手段により
評価している。なお、液状のケイ素化合物と、非金属系
焼結助剤と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得
られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さ
らに、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製
造方法によれば、炭化ケイ素焼結体に含まれる不純物元
素の総含有量を10ppm以下にすることができる。な
お、ここで不純物元素とは、1989年IUPAC無機
化学命名法改訂版の周期律表における1族から16族元
素に属し、且つ、原子番号3以上であり、原子番号6〜
8及び同14の元素を除く元素をいう。
【0056】以上の工程を経て得られた焼結体を170
0〜2400℃で、不活性ガスの雰囲気下で熱処理す
る。この熱処理においては加圧の有無は問わない。
【0057】本発明において使用される炭化ケイ素は、
その収縮曲線より1700℃以上から焼結を開始する。
しかし、このとき特に炭化ケイ素粉末が高圧でプレス
(ホットプレス)されている場合、内部歪みが生じ、該
歪みを含んだまま焼結されるため、該歪みはそのまま内
部に残留する。この残留歪みは加工時に割れや反りとい
った形で開放される。そのため、炭化水素が焼結を開始
する温度以上で加熱し、歪みを解除させることが必要で
ある。
【0058】一方、熱処理の上限温度を2400℃とし
たのは、この温度よりも高い温度とすることは、炭化ケ
イ素の分解や、熱処理炉に用いられている黒鉛部材の劣
化を招くことになるので好ましくないからである。
【0059】尚、不活性ガスとしては、窒素あるいは、
アルゴンなどを用いるが、高温においても非反応性であ
ることから、アルゴンガスを用いることが望ましい。
【0060】さらに、このような熱処理を行わないで炭
化ケイ素焼結体をスライス加工し、研削し、さらに研磨
し、反りが生じてしまった焼結体であっても、上記温度
範囲で熱処理を行えば反りは解消される。
【0061】前記、内部歪みが発生するのは、炭素で被
覆された炭化ケイ素粉末において、炭素は加熱と共にグ
ラファイト化され体積変化が起こるからである。このと
き高圧状態の密閉系のため、体積変化に伴う歪みが除去
されずに焼結されてしまう。そこで、本発明において
は、加熱処理によりこの歪みを解除する。このとき加圧
の有無は問わないが、圧力をかけた場合には一部は開放
とする。
【0062】本発明における原料粉体である炭化ケイ素
粉体及び原料粉体を製造するためのケイ素源と非金属系
焼結助剤、さらに、非酸化性雰囲気とするために用いら
れる不活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有
量5ppm以下であることが好ましいが、加熱、焼結工
程における純化の許容範囲内であれば必ずしもこれに限
定するものではない。また、その際、上記原料は、得ら
れる炭化ケイ素焼結体の純度に応じて適当な純度の物質
を選択する必要がある。ここで不純物元素とは、198
9年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表におけ
る1族から16族元素に属し、且つ、原子番号3以上で
あり、原子番号6〜8及び同14の元素を除く元素をい
う。
【0063】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の主旨を超えない限り本実施例に限定さ
れるものではない。
【0064】(実施例1)炭化ケイ素原料粉体の製造 高純度炭化ケイ素粉体(平均粒径0.8μm:前記の特
願平7−241856号として出願した製造方法に準じ
て製造された、不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ
素:1.5重量%のシリカを含有)2700gと含水率
20%の高純度液体レゾール型フェノール樹脂(熱分解
後の残炭率50%)300gをエタノール4500gに
溶解したものとを、遊星ボールミルで18時間攪拌し、
十分に混合した。その後、50〜60℃に加温してエタ
ノールを蒸発乾固させ、100μmの篩にかけて均質な
炭化ケイ素原料粉体を得た。
【0065】焼結体の製造 上記で得られた脱脂粉体を以下のようにしてホットプレ
スして焼結体を作製した。
【0066】内径320mmφの黒鉛製モールド内に上
記炭化ケイ素原料粉体約6500gを入れた。これを黒
鉛製パンチに挟み、ホットプレス内にセットした。ホッ
トプレス装置としては、抵抗加熱式400tホットプレ
スを用いた。
【0067】10-5〜10-4torrの真空条件下で、
室温から700℃まで8時間かけて昇温し、1時間その
温度に保持した。(第1の昇温工程) 真空条件下で、700℃から1200℃まで3時間で昇
温し、さらに、1200℃から1500℃まで3時間で
昇温し、4時間その温度に保持した。(第2の昇温工
程) さらに、500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴ
ン雰囲気下にて1500℃から2300℃まで4時間で
昇温し、3時間その温度に保持した。(ホットプレス工
程) 冷却後、焼結体を取り出した。得られた焼結体の密度は
3.1g/cm3 、厚みは約2.5cmであった。
【0068】熱処理 熱処理炉にて、真空雰囲気下(10-4torr)、19
50℃で3時間保持後焼結体(構造体)を取り出した。
【0069】加工 上記のように得られた焼結体を5mmにスライスし、外
径300mmφ、内径200mmφのリング加工を放電
加工により行った。その結果、スライス加工時間は18
時間であった。その際ワイヤーの切断は生じなかった。
また内径加工も良好に行うことができた。
【0070】(実施例2)熱処理工程の直前までは実施
例1と同様にして焼結体を作製した。その後、熱処理工
程を行わずに研削を行った。研削は各面を交互に12回
行った。
【0071】得られた焼結体は3.5mmの反りが発生
していた。この反りのある焼結体を面厚20g/cm2
の重りをかけ、1850℃で3時間の熱処理を行った。
その結果、反りは0.5mmまで低下していた。
【0072】(比較例1)熱処理工程の直前までは実施
例1と同様にして焼結体を作製した。その後、熱処理工
程を行わずに実施例1と同様にしてリング加工を行っ
た。その結果、スライス加工時間は46時間であった。
その際ワイヤーは6回切断した。また内径加工時に、焼
結体が割れてしまい、リング品を得ることができなかっ
た。
【0073】(実施例3)実施例1で得られた熱処理後
の焼結体(構造体)を、放電加工により300mmφ、
厚さ2mmにスライスし、両面研磨により厚さ0.8m
mの試験片を得た。
【0074】次いでこの試験片を図1に示す通り十文字
方向に9点、体積抵抗および密度を測定した。密度につ
いては図1に示すように各箇所にて30×30mmの大
きさに切り出し、重量を測定し、寸法から割り出した。
尚、図中の数値は中心点からのA方向もしくはB方向の
距離(cm)を表す。結果を表1に示す。
【0075】尚、この試験片の中心部の鉄元素の測定を
行ったところ、1.8ppmあった(酸およびアルカリ
水溶液で洗浄後、フッ酸で溶解し、ICP−MSで測
定)。
【0076】(実施例4)熱処理工程における不活性ガ
スをアルゴンガスの代わりに窒素ガスとしたことを除
き、実施例1と同様にして焼結体(構造体)を作製し
た。この焼結体を用いて、実施例3と同様にして試験片
を作製し、さらに同様に体積抵抗および密度を測定し
た。結果を表1に示す。
【0077】(比較例2)実施例1で得られた熱処理前
の焼結体を、放電加工により300mmφ、厚さ3mm
にスライスし、両面研磨により厚さ1.8mmの試験片
を得た。
【0078】この試験片について、実施例3と同様に体
積抵抗および密度を測定した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、反りが解消
され、加工時における欠けもなく、特性値についても均
一な炭化ケイ素構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例における、試験片の体積抵
抗および密度の測定箇所を示す概略図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とが
    均一に混合された混合物を焼結することにより得られ
    た、密度が2.9g/cm3 以上の炭化ケイ素焼結体
    を、さらに1700〜2400℃で、不活性ガスの雰囲
    気下で熱処理することを特徴とする炭化ケイ素構造体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とが
    均一に混合された混合物を焼結することにより得られ
    た、密度が2.9g/cm3 以上の炭化ケイ素焼結体を
    スライス加工し、研削し、さらに研磨した後、1700
    〜2400℃で、不活性ガスの雰囲気下で熱処理するこ
    とを特徴とする炭化ケイ素構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭化ケイ素焼結体が、非酸化性雰囲気下
    でホットプレスすることにより得られたものであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の炭化ケイ素構造
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭化ケイ素粉末が、液状のケイ素化合物
    と、加熱により炭素を生成する液状の有機化合物と、重
    合または架橋触媒と、を均一に混合して得られた混合物
    を固化して固形物を得る固化工程と、得られた固形物を
    非酸化性雰囲気下で焼結する焼結工程とを有することを
    特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の炭化ケイ
    素構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 液状のケイ素化合物が、エチルシリケー
    トであることを特徴とする請求項4に記載の炭化ケイ素
    構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 非金属系焼結助剤が、加熱により炭素を
    生成する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜
    5の何れか1項に記載の炭化ケイ素構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 非金属系焼結助剤が、炭化ケイ素粉末表
    面を被覆してなることを特徴とする請求項1〜5の何れ
    か1項に記載の炭化ケイ素構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 非金属系焼結助剤が、加熱により炭素を
    生成する有機化合物により表面を被覆された炭化ケイ素
    粉末であることを特徴とする請求項7に記載の炭化ケイ
    素構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 加熱により炭素を生成する有機化合物
    が、レゾール型フェノールであることを特徴とする請求
    項6または8に記載の炭化ケイ素構造体の製造方法。
  10. 【請求項10】 炭化ケイ素粉末粉末の平均粒径が0.
    01〜10μm請求項1〜9の何れか1項に記載の炭化
    ケイ素構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】 炭化ケイ素焼結体に含まれるケイ素お
    よび炭素以外の含有元素の総含有量が5ppm未満であ
    ることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載
    の炭化ケイ素構造体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れか1項に記載の
    炭化ケイ素構造体の製造方法により得られる炭化ケイ素
    構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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