JPH08290968A - 複合材 - Google Patents

複合材

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JPH08290968A
JPH08290968A JP7116658A JP11665895A JPH08290968A JP H08290968 A JPH08290968 A JP H08290968A JP 7116658 A JP7116658 A JP 7116658A JP 11665895 A JP11665895 A JP 11665895A JP H08290968 A JPH08290968 A JP H08290968A
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JP
Japan
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silicon carbide
composite material
vapor deposition
ray diffraction
diffraction pattern
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Withdrawn
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JP7116658A
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English (en)
Inventor
Hisashi Watanabe
久 渡辺
Jun Sugawara
潤 菅原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は加工性に優れた炭化珪素化学蒸着複
合材を提供する。 【構成】 焼結炭化珪素等からなる基体の表面に炭化珪
素を化学蒸着してなる複合材であって、炭化珪素の化学
蒸着層においては、(220),(111),(31
1)面を含み、かつ、結晶面の配向度Xが75%以下と
することにより加工性に優れた複合材が得られる。ただ
しX=(X線回折パターンで強度最大のピーク強度)/
(全ピーク強度の合計)×100(%)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高密度エネルギ
光反射鏡(高出力レーザ反射鏡、X線レーザ反射鏡、S
OR光用レーザ反射鏡等)の構成材等として好適に使用
される複合材であって、特に、基体の表面に炭化珪素の
化学蒸着層を形成してなる複合材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ反射鏡としては、銅等か
らなる基材を鏡面研磨し、その上に金を蒸着させたも
の、基材上に使用波長から算出、設計した膜厚の多層膜
をコーティングして、干渉効果を利用するようにしたも
の等が良く知られている。
【0003】しかし、かかるレーザ反射鏡は、比較的エ
ネルギ密度が小さく且つ長波長の領域(例えば、可視光
線、赤外線)で使用する場合はともかく、短波長域の高
密度エネルギ光(例えば、真空紫外線、軟X線)を扱う
場合には鏡面の剥離、歪、熱損等を招来し易く、その対
応が極めて困難なものであった。
【0004】近時、かかる不都合を生じないレーザ反射
鏡として、焼結炭化珪素叉はカーボンからなる基体の表
面に高純度の炭化珪素を化学蒸着してなる複合材を使用
したものが有望視されている。
【0005】すなわち、このレーザ反射鏡は、炭化珪素
の化学蒸着層(CVD―SiC)を超平滑面(RMS1
0Å以下)に表面研磨して製作されるものであるが、C
VD―SiCが耐熱性、熱伝導性、堅牢性等の物理的性
質に優れ且つ長波長域で高反射率を示すといった光学的
性質に優れるものであることから、短波長域の高密度エ
ネルギ光を扱う場合にも、上記した不都合を生じること
がないのである。
【0006】このように、上記複合材は耐熱性、熱伝導
性、堅牢性等に極めて優れた表面層を有するものである
ことから、高密度エネルギ光用反射鏡の構成材等として
の使用価値が極めて高いものである。
【0007】しかしながら、前記炭化珪素の蒸着膜は、
結晶面の方位によって硬さが異なり、超平滑面を得るた
め例えば、特開平3―126671に記されているよう
に(220)面に配向するようにしたり、あるいは特開
平4―114971に記されているように(111)面
に配向するようにした複合部材が提案されている。
【0008】しかし本発明者が試験を行ったところ、こ
れら配向材ではブラスト加工性がきわめて悪く、超平滑
面を得るには適当かもしれないが、加工性が悪かった。
【0009】一方、特開平6―191972ではクラッ
クを発生させずに研磨加工し易い膜を形成するため(1
11)面と(220)面の両方に配向して混在し、かつ
X線回折におけるピーク強度でその強度比が(220)
面で20〜95%であり、(111)面が5〜80%で
あることを特徴とする炭化珪素膜を挙げている。しかし
ブラスト加工性は、不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はブラスト加工
性の良い炭化珪素膜を有する複合材を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者はブラ
スト加工性においては上記(111),(220)面の
みの条件ではブラスト加工性が不十分であり、(31
1)面のピーク強度も重要であることを見いだした。
【0012】従来の複合材にあっては、高純度のCVD
―SiCが一般に高配向性で極めて硬いものであること
から、前記した如き超平滑面に加工するためには多大の
労力を必要とする。
【0013】また極めて高い加工エネルギを必要とする
ことから、加工時間がかかり、加工面が損傷し易く、高
精度の平滑面を得ることが困難であった。
【0014】そこで、本発明者は種々の試験、研究を繰
り返すことにより、従来の複合材における表面加工の困
難性が炭化珪素蒸着層の結晶面が(111)面配向や
(220)面配向に強配向していることに起因すること
を究明し、炭化珪素蒸着層における結晶面を(11
1),(220),(311)面を含み、低配向とする
ことにより、より少ない加工エネルギで損傷の発生を極
力防ぎながら均一に表面加工できることを知得した。
【0015】これを応用し、本発明の複合材は焼結炭化
珪素等からなる基体の表面に炭化珪素を化学蒸着してな
る複合材であって、炭化珪素の化学蒸着層においては、
(220),(111),(311)面を含み、かつ、
結晶面の配向度Xが75%以下とされていることを特徴
とする複合材である。
【0016】ただしX=(X線回折パターンで強度最大
のピーク強度)/(全ピーク強度の合計)×100%と
する。
【0017】具体的には、この複合材は基体の表面に高
純度のβ型炭化珪素を化学蒸着して得られるが、その蒸
着を行う上において、ミラー指数表示における(11
1)面、(220)面等いずれかの面に配向させること
のないように調製したものである。
【0018】蒸着は、例えば蒸着温度1250〜150
0℃,蒸着速度10〜数100μm/h、非酸化雰囲気
の条件下で行うことが好ましい。なお、基体の構成材料
としては、カーボン等を任意に選択することができる
が、CVD・SiC本来の特性を最大限に発揮させるた
めには、焼結炭化珪素を使用することが好ましい。
【0019】
【実施例】
【0020】
【実施例1】焼結炭化珪素からなる基体の表面に純粋の
β型炭化珪素を化学蒸着し、蒸着条件を温度1400
℃、圧力225Torr、ノズル―材料間距離280m
m、原料ガス直接吹き込みとすることにより、図1に示
すX線回折パターンを呈する複合材を得た。なお、その
他の蒸着条件を第1表に示す。
【0021】この実施例の複合材では、図1に示す如
く、炭化珪素蒸着層における結晶面が無配向である。
【0022】図1は炭化珪素蒸着層のX線回折パターン
(CuKα:40kV×150mA、フルスケール1.
1E+4CPS、発散スリット1°、散乱スリット1
°、受光スリット0.15mm、2θ:3°/min、
メインピーク強度:0.9KCPS)を示しているが、
このパターン図から明らかなように、特定面に配向して
いない。配向度を求めると34.0%であった。
【0023】このときSiC粉を用いたブラスティング
を行うと加工量は20μmと十分であった。
【0024】なお、ブラスティング条件を第3表に示
す。
【0025】
【比較例1】焼結炭化珪素からなる基体の表面に純粋の
β型炭化珪素を化学蒸着し、蒸着条件を温度1400
℃、圧力225Torr、ノズル―材料間距離260m
m、原料ガス間接吹き込みとすることにより、図2に示
すX線回折パターンを呈する複合材を得た。なお、その
他の蒸着条件を第2表に示す。
【0026】この比較例の複合材では、図2に示す如
く、炭化珪素蒸着層における結晶面が(111)面配向
である。図2は炭化珪素蒸着層のX線回折パターン(C
uKα:40kV×150mA、フルスケール6.4E
+4CPS、発散スリット1°、散乱スリット1°、受
光スリット0.15mm、2θ:3°/min、メイン
ピーク強度:54.0KCPS)を示しているが、この
パターン図から明らかなように、(111)面に強配向
している。配向度を求めると79.9%であった。
【0027】このときSiC粉を用いたブラスティング
を行うと加工量は0μmとほとんど加工できなかった。
ブラスティング条件を第3表に示す。
【0028】
【比較例2】焼結炭化珪素からなる基体の表面に純粋の
β型炭化珪素を化学蒸着し、蒸着条件を温度1400
℃、圧力225Torr、ノズル―材料間距離70m
m、原料ガス直接吹き込みとすることにより、図4に示
すX線回折パターンを呈する複合材を得た。なお、その
他の蒸着条件は第1表と同じである。
【0029】この比較例の複合材では、図4に示す如
く、炭化珪素蒸着層における結晶面が(220)面配向
である。
【0030】図4は炭化珪素蒸着層のX線回折パターン
(CuKα:40kV×150mA、フルスケール1.
27E+5CPS、発散スリット1°、散乱スリット1
°、受光スリット0.15mm、2θ:3°/min、
メインピーク強度:106.0KCPS)を示してい
る。
【0031】ここで(220)面強度と(111)面強
度の割合はそれぞれ92.4%,7.6%と特開平6―
191972の範囲内であるが、このときSiC粉を用
いたブラスティングを行うと加工量は0μmとほとんど
加工できなかった。
【0032】ブラスティング条件を第3表に示す。一
方、配向度Xはこのとき86.6%であり、本特許請求
の範囲外となる。
【0033】その他の条件でCVDによりSiCのコー
ティングを行い、上記例と同じ条件でX線回折を行い、
配向度Xとブラスト加工量の関係を調べると図3のよう
になり、配向度Xが75%以下でブラスト加工性が向上
することを見いだした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の複合材は、従来の複合材に比して、より少
ない加工エネルギにより極めて容易に表面加工できる。
【0038】したがって、本発明によれば、高密度エネ
ルギ光用反射鏡の構成材等として極めて実用性に富む複
合材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる複合材のX線回折パターン図で
ある。
【図2】従来の複合材のX線回折パターン図である。
【図3】配向度Xとブラスト加工性の関係を示す図であ
る。
【図4】従来の複合材のX線回折パターン図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結炭化珪素等からなる基体の表面に炭
    化珪素を化学蒸着してなる複合材であって、炭化珪素の
    化学蒸着層においては、(220),(111),(3
    11)面を含み、かつ、結晶面の配向度Xが75%以下
    とされていることを特徴とする複合材。ただしX=(X
    線回折パターンで強度最大のピーク強度)/(全ピーク
    強度の合計)×100(%)とする。
JP7116658A 1995-04-19 1995-04-19 複合材 Withdrawn JPH08290968A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000169298A (ja) * 1998-12-01 2000-06-20 Tokai Carbon Co Ltd SiC成形体
JP2001107239A (ja) * 1999-08-02 2001-04-17 Tokyo Electron Ltd 耐食性に優れたCVD−SiCおよびそれを用いた耐食性部材、ならびに処理装置
US7410923B2 (en) * 1999-08-02 2008-08-12 Tokyo Electron Limited SiC material, semiconductor device fabricating system and SiC material forming method
JP2011256062A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Bridgestone Corp 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2016204238A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 イビデン株式会社 セラミック構造体およびセラミック構造体の製造方法

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Effective date: 20020702