JP6088255B2 - 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6088255B2
JP6088255B2 JP2013006203A JP2013006203A JP6088255B2 JP 6088255 B2 JP6088255 B2 JP 6088255B2 JP 2013006203 A JP2013006203 A JP 2013006203A JP 2013006203 A JP2013006203 A JP 2013006203A JP 6088255 B2 JP6088255 B2 JP 6088255B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
particle size
sintered body
powder
size distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013006203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014136662A (ja
Inventor
文雄 小高
文雄 小高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2013006203A priority Critical patent/JP6088255B2/ja
Publication of JP2014136662A publication Critical patent/JP2014136662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6088255B2 publication Critical patent/JP6088255B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

本発明は、炭化ケイ素焼結体及びその製造方法に関する。
炭化ケイ素は、硬度、耐熱性、化学的安定性に優れ、各種半導体デバイス材料として広く用いられている。特に近年は、炭化ケイ素焼結体の純度を高める技術が発達し、各種半導体デバイス材料として実用化が進められている。
炭化ケイ素焼結体の製造方法は、主に、(1)粉体処理、(2)成形、(3)焼成、(4)加工、の工程からなる。粉体処理工程は、原料の炭化ケイ素粉末及び炭素源を溶媒中に溶解、分散し、スラリー状の炭化ケイ素混合粉体(以下、スラリー)を調製する工程である。成形工程は、スラリーを鋳込み成形、押出し成形、プレス成形等によって成形する工程である。焼成工程は、成形体を反応焼結法、常圧焼結法、加圧焼結法等によって焼成し、焼結体を得る工程である。最後に加工工程において、切断、研磨、洗浄等の処理を施すことによって、炭化ケイ素焼結体が得られる。
炭化ケイ素焼結体の重要な製品特性の1つとして、曲げ強度が挙げられる。一般に、炭化ケイ素焼結体は、かさ密度が高いほど、曲げ強度も高くなることが知られている。そこで、焼結体のかさ密度を高めるために、2種類の炭化ケイ素粉末を混合し、粒度分布がd90/d10≦10の炭化ケイ素原料粉末を得る技術が知られている。
特開2001−130972号
ところで、伝統的な成形法として知られる鋳込み成形では、石膏などの多孔質体で作られた型の中に、スラリーを注入する。多孔質の型は、毛細管現象により、型表面に接するスラリー中の液体を吸収する。型表面に堆積した固体粒子が、炭化ケイ素の成形体となる。
鋳込み成形は、スラリーの流動性を利用する成形法である。そのため、高強度の成形体を得るためには、多孔質の型に隈なく充填可能な流動性の高いスラリーが必要であり、スラリーの調製が最も重要となる。
本発明者の鋭意研究の結果、鋳込み成形に適した流動性の高いスラリーを得るためには、粒度分布の広い炭化ケイ素粉末が原料粉末に適しているという知見を得た。粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末から調製したスラリーは流動性が低く、鋳型に隈なく充填することが難しい。その結果、得られた焼結体はかさ密度が小さく、曲げ強度も低くなる。つまり、粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末は、粒子径が揃っているため、他の成形法には適しているものの、スラリーの流動性が重要となる鋳込み成形には、必ずしも適しているとはいえない。
そこで、本発明は、炭化ケイ素焼結体の鋳込み成形に適した炭化ケイ素粉末の提供を目的とする。
また、粒度分布の広い炭化ケイ素粉末は、焼結用に調製されたものであるが、高価格で、製造コスト押し上げの一因となっている。一方、粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末は、主に研磨剤用途で製造されており、比較的安価である。
そこで、本発明の別の目的は、炭化ケイ素焼結体の原料粉末としてコストパフォーマンスの良い炭化ケイ素粉末を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明は、次のような特徴を有する。まず、本発明の特徴は、粒度分布が、25≦d90/d10≦90、かつ、1μm≦d50≦5μmを満たす炭化ケイ素粉末から製造された炭化ケイ素焼結体であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、粒度分布の広い炭化ケイ素粉末を原料粉末として用いるため、流動性の高いスラリーを得ることができる。このようなスラリーを鋳込み成形して得た炭化ケイ素焼結体は、かさ密度が大きく、曲げ強度も高い。
なお、粒度分布とは、粒子径ごとの存在比率の分布であるが、ここでは、d90/d10及びd50を指標として用いる。d10とは、粒度分布の小径側から累積10%の粒径、d90とは、粒度分布の小径側から累積90%の粒径であり、d90/d10は、d10に対するd90の累積径比である。d50とは、粒度分布の小径側から累積50%の粒径であり、平均粒度又はメジアン径とも言う。
本発明のその他の特徴は、前記炭化ケイ素粉末は、粒度分布が、35≦d90/d10≦80を満たすことを要旨とする。
本発明のその他の特徴は、前記炭化ケイ素粉末が、粒度分布の異なる少なくとも2種類の炭化ケイ素粉末を含むことを要旨とする。
かかる特徴によれば、粒度分布の異なる2種類以上の炭化ケイ素粉末を用いて、上述の粒度分布を満たす炭化ケイ素粉末を得ることにより、炭化ケイ素焼結体製造のコストパフォーマンスを向上させることができる。
また、本発明は、次のような特徴を有する。本発明の特徴は、粒度分布が、25≦d90/d10≦90、かつ、1μm≦d50≦5μmを満たす炭化ケイ素粉末からスラリーを調製する工程と、前記スラリーを鋳込み成形する工程と、を含む炭化ケイ素焼結体の製造方法であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、粒度分布の広い炭化ケイ素粉末を原料粉末として用いるため、流動性の高いスラリーを得ることができる。このようなスラリーを鋳込み成形して得た炭化ケイ素焼結体は、かさ密度が大きく、曲げ強度も高い。
本発明に係る炭化ケイ素焼結体のその他の特徴は、前記炭化ケイ素粉末は、粒度分布が、35≦d90/d10≦80を満たすことを要旨とする。
本発明に係る炭化ケイ素焼結体のその他の特徴は、前記炭化ケイ素粉末が、粒度分布の異なる少なくとも2種類の炭化ケイ素粉末を含むことを要旨とする。
かかる特徴によれば、粒度分布の異なる2種類以上の炭化ケイ素粉末を用いて、上述の粒度分布を満たす炭化ケイ素粉末を得ることにより、炭化ケイ素焼結体製造のコストパフォーマンスを向上させることができる。
本発明によれば、炭化ケイ素焼結体の鋳込み成形に適した炭化ケイ素粉末を提供することができる。
以下、本発明に係る炭化ケイ素焼結体及びその製造方法の実施形態について説明する。具体的には、炭化ケイ素焼結体の(1)粉体処理、(2)成形(鋳込み成形)、(3)焼成、(4)加工について説明する。
(1)粉体処理
本発明に係る炭化ケイ素焼結体の原料として用いられる炭化ケイ素粉末は、α型、β型、非晶質、又はこれらの混合物等が挙げられるが、特に、β型炭化ケイ素粉末が好ましい。β型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、一般に市販されているβ型炭化ケイ素粉末を用いてもよい。
本発明に係る炭化ケイ素焼結体を製造するためには、粒度分布が、
25≦d90/d10≦90、かつ、1μm≦d50≦5μm … 式(I)
を満たす炭化ケイ素粉末を用いる。好ましくは、粒度分布が、35≦d90/d10≦80を満たす炭化ケイ素粉末を用いる。d90/d10<25、又はd50<1μ未満であると、流動性の高いスラリーが得られない。そして、流動性の低いスラリーを鋳込み成形して得た焼結体は、かさ密度が小さく、曲げ強度も低い。一方、d90/d10>90、又はd50>5μmであると、粒径の大きい粒子の比率が上昇する。その結果、粒子間の間隙が増加し、曲げ強度が低下する。なお、炭化ケイ素焼結体の曲げ強度は、用途によって異なるが、100MPa以上であることが好ましく、120Mpa以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る炭化ケイ素焼結体を得るためには、粒度分布の異なる少なくとも2種類の炭化ケイ素粉末を組み合わせて、原料粉末として用いることもできる。粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末は鋳込み成形に適しているとは言えないが、粒度分布の異なる少なくとも2種類の炭化ケイ素粉末、例えば粗粒の炭化ケイ素粉末と微粒の炭化ケイ素粉末とを混合し、上述した式(I)の粒度分布を満たす粉末が得られれば、鋳込み成形に適したスラリーを調製することができる。比較的安価な粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末を少なくとも2種類組み合わせて、鋳込み成形に適した原料粉末を得ることができれば、コストパフォーマンスを向上させることができる。
以下に、炭化ケイ素粉末の製造方法を説明する。高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、高純度の炭化ケイ素粉末を用いることが好ましい。高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、ケイ素化合物(以下、「ケイ素源」)と、加熱により炭素を発生する有機材料(以下、「炭素源」)と、重合触媒または架橋触媒とを混合し、得られた固形物を非酸化性雰囲気下で焼成することによって製造することができる。ケイ素源としては、液状、および固体状の化合物を広く用いることができるが、少なくとも液状の化合物を1種以上用いる。
液状のケイ素源としては、エチルシリケート、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)の重合体等が挙げられる。アルコキシシランの重合体の中では、テトラアルコキシシランの重合体が好ましい。具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロピロキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシランが好ましい。テトラアルコキシシラン重合体は、重合度が2〜15程度であると液状の低分子量重合体(オリゴマー)となる。その他、重合度の高いケイ酸ポリマーで液状のものもある。
液状のケイ素源と併用可能な固体状のケイ素源としては、炭化ケイ素が挙げられる。炭化ケイ素には、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO)の他、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液であって、コロイド分子内にOH基やアルコキシ基を含有するもの)、微細シリカ、石英粉体等も含まれる。これらのケイ素源の中でも、均質性やハンドリング性が良好であるテトラアルコキシシランのオリゴマー、又はテトラアルコキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好ましい。また、ケイ素源は高純度であることが好ましく、具体的には初期の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。
炭素源としては、液状のものの他、液状のものと固体状のものを併用することもできる。残炭率が高く、かつ触媒あるいは加熱により重合または架橋する有機材料が好ましい。具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等のモノマー、およびプレポリマーが好ましい。その他、セルロース、ショ糖、ピッチ、タール等の液状物も用いることができる。特に、レゾール型フェノール樹脂が、熱分解性および純度の点で好ましい。有機材料の純度は、目的に応じて適宜、制御することができる。特に高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合は、不純物元素の含有量が各々5ppm未満である有機材料を用いることが好ましい。
炭素源とケイ素源との配合比率は、炭素とケイ素のモル比(以下、「C/Si」)を目安に、好ましい範囲をあらかじめ決定することができる。ここで、C/Siとは、炭素源とケイ素源との混合物を1000℃で炭化した炭化ケイ素中間体を元素分析し、その分析値より得られるC/Siをいう。炭素は、以下の反応式で表されるように、酸化ケイ素と反応し、炭化ケイ素に変化する。
SiO+3C→SiC+2CO
従って、化学量論的には、C/Si=3.0であると、炭化ケイ素中間体の遊離炭素は0%となる。ただし、実際にはSiOガス等が揮散するため、C/Si<3.0であっても、遊離炭素が発生する。
遊離炭素は、粒成長を抑制する効果を有するため、目的とする粉末粒子の粒径に応じてC/Siを決定し、その値に応じてケイ素源と炭素源とを配合すればよい。例えば、約1気圧、1600℃以上で、ケイ素源と炭素源との混合物を焼成する場合、C/Siが2.0〜2.5の範囲になるように配合すると、遊離炭素の発生を抑制することができる。同条件で、C/Siが2.5を超えるように配合すると、遊離炭素の発生が顕著となり、粒子の小さな炭化ケイ素粉末が得られる。
ケイ素源と炭素源との混合物を硬化させ、固形物にすることもできる。硬化の方法としては、加熱による架橋反応を利用する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線を利用する方法等がある。硬化触媒は、用いる有機材料に応じて適宜選択できるが、フェノール樹脂、フラン樹脂を有機材料に用いた場合は、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸、硫酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類等が挙げられる。
ケイ素源と炭素源を含有する固形物は、必要に応じ炭化される。炭化は、窒素またはアルゴン等の非酸化性の雰囲気下において、800℃〜1000℃で30〜120分間加熱することにより行われる。さらに、この炭化物を、非酸化性雰囲気下において1350℃〜2000℃で加熱すると、炭化ケイ素が生成する。焼成温度及び焼成時間は、得られる炭化ケイ素粉末の粒径等に影響するため、適宜決定することができるが、効率性の観点からは、1600〜1900℃で焼成することが好ましい。
以上のようにして得られた炭化ケイ素粉末は、粒径が不均一であるため、解粉、分級によって、所望の粒度分布を持つように処理される。本発明に係る炭化ケイ素焼結体の原料粉末として用いるためには、上述した式(I)の粒度分布を持つように炭化ケイ素粉末を処理し、又は、上述した式(I)の粒度分布を持つように処理された炭化ケイ素粉末を用い、もしくは、粒度分布の異なる2種類以上の炭化ケイ素粉末を組み合わせて上述した式(I)の粒度分布を持つ炭化ケイ素粉末を得る。
次に、上述の方法によって得られた炭化ケイ素粉末を溶媒中に溶解、分散して、スラリーを調製する。溶媒としては、水でもよいが、例えば加熱により炭素を発生する有機化合物としてフェノール樹脂を用いた場合には、エチルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテル、アセトン等が溶媒として好ましい。また、この炭素源からなる有機物質、炭素粉末、及び溶媒についても不純物の含有量が低いものを使用することが好ましい。
炭化ケイ素粉末からスラリーを調製する際に、有機バインダーを添加してもよい。有機バインダーとしては、解膠剤、粉体粘着剤等が挙げられ、解膠剤としては、導電性を付与する場合、その効果をさらに上げる点で窒素系の化合物が好ましく、例えばアンモニア、ポリアクリル酸アンモニウム塩等が好適に用いられる。粉体粘着剤としては、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂(例えば水溶性ポリウレタン)等が好適に用いられる。また、その他、消泡剤を添加してもよい。消包剤としては、シリコン消泡剤等が挙げられる。
攪拌混合は、公知の攪拌混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミルなどによって行うことができる。攪拌混合は、10〜30時間、特に、16〜24時間にわたって行うことが好ましい。
(2)成形(鋳込み成形)
次に、上述の粉体処理工程で得られたスラリーを用いて、鋳込み成形を行う。スラリーを脱気した後、石膏又は樹脂の成形型に鋳込み、24時間放置する。脱型した後、50〜60℃の温度条件下で加熱乾燥又は自然乾燥して溶媒を除去することにより、規定寸法の成形体を得ることができる。また必要に応じて、得られた成形体に、微量の水分、解膠剤、結合剤等を除去する目的で、又は成形体中の炭化ケイ素粉体間の接触を十分に促進させ接触強度を得る目的で、1200℃〜2400℃程度の範囲で焼成を行ってもよい。
(3)焼成
次に、上述の成形工程で得られた炭化ケイ素成形体を焼成し、炭化ケイ素焼結体を得る。焼成法としては、反応焼結法、常圧焼結法、加圧焼結法等が挙げられるが、ここでは常圧焼結法-アルギン雰囲気下で実施した。
(4)加工
最後に、上述の焼成工程によって得られた炭化ケイ素焼結体に、使用目的に応じて、加工、研磨、洗浄等の処理を行う。
次に、本発明の効果を更に明確にするために、実施例及び比較例に係る炭化ケイ素焼結体の比較評価について説明する。具体的には、(1)各炭化ケイ素焼結体の構成、(2)試験方法、(3)評価結果について説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
(1)各炭化ケイ素焼結体の構成
まず、実施例及び比較例に用いた炭化ケイ素焼結体について、簡単に説明する。各炭化ケイ素焼結体の原料粉末は、市販の炭化ケイ素粉末を、配合比率を変えて混合したものを用いた。各粉末の粒度分布(d50,d90/d10)を表1に示す。
Figure 0006088255
原料粉末200gに、分散剤0.3g、水70gを加え、ボールミルで撹拌混合してスラリー状を得た。スラリーを脱気後、石膏型(φ80×5t)に鋳込み、24時間後に脱型して、成形体を得た。乾燥した成形体を、アルゴン雰囲気下において1800℃で3時間保持し、常圧焼結法によって焼成した。このようにして、実施例及び比較例に係る炭化ケイ素焼結体を得た。
(2)試験方法
実施例及び比較例に係る炭化ケイ素焼結体の、かさ密度及び曲げ強度を測定した。かさ密度は、アルキメデス法によって測定した。曲げ強度は、クロスヘッドスピード0.5mm/分、スパン25mmの3点曲げによって測定した。測定結果を、表2に示す。
Figure 0006088255
(3)評価結果
表2に示すように、実施例に係る炭化ケイ素焼結体はいずれも、かさ密度が2g/cm以上であり、曲げ強度は100MPa以上であった。特に実施例1〜4では、120Mpaを超える曲げ強度を記録した。
なお、実施例1〜5で使用した原料粉末は、比較例で使用した炭化ケイ素粉末を組み合わせて用いたものである。つまり、比較例の測定結果が示すように、粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末で製造した焼結体は、曲げ強度が低い。しかし、実施例1〜5の測定結果が示すように、粒度分布の狭い炭化ケイ素粉末を組み合わせて、実施例6で使用した粉末(表1の粉末E)のように、上述の式(I)を満たす粒度分布を持つ原料粉末とすることによって、コストパフォーマンス良く高強度の焼結体を製造できることが確認された。
以上のように、本発明は、炭化ケイ素焼結体の鋳込み成形に適した炭化ケイ素粉末に利用することができる。

Claims (6)

  1. 粒度分布が、25≦d90/d10≦90、かつ、1μm≦d50≦5μmを満たす炭化ケイ素粉末からスラリーを調製する工程と、
    前記スラリーを成形型に注入し、前記成形型に前記スラリー中の液体を吸収させて成形体を得る、鋳込み成形を行う工程と、
    前記成形体を焼成して炭化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、を含む、炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  2. 前記炭化ケイ素粉末は、粒度分布が、35≦d90/d10≦80を満たす、請求項に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  3. 前記炭化ケイ素粉末は、粒度分布が、66.5≦d90/d10≦90を満たす、請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  4. 前記炭化ケイ素粉末は、粒度分布が、1μm≦d50≦1.9μmを満たす、請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  5. 前記炭化ケイ素粉末は、ケイ素源として1種以上の液状のケイ素化合物を用いて生成された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  6. 前記炭化ケイ素粉末が、粒度分布の異なる少なくとも2種類の炭化ケイ素粉末を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
JP2013006203A 2013-01-17 2013-01-17 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP6088255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006203A JP6088255B2 (ja) 2013-01-17 2013-01-17 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006203A JP6088255B2 (ja) 2013-01-17 2013-01-17 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014136662A JP2014136662A (ja) 2014-07-28
JP6088255B2 true JP6088255B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=51414388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013006203A Expired - Fee Related JP6088255B2 (ja) 2013-01-17 2013-01-17 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6088255B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105418071B (zh) * 2015-07-28 2018-01-16 山东合创明业精细陶瓷有限公司 高纯超细ZrC‑SiC复合粉体的合成方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05117014A (ja) * 1991-04-11 1993-05-14 Lion Corp セラミツクス用原料組成物及びセラミツクス
JPH06157140A (ja) * 1992-11-18 1994-06-03 Toshiba Ceramics Co Ltd 炭化けい素鋳込成形用セラミックスラリー
US5904892A (en) * 1996-04-01 1999-05-18 Saint-Gobain/Norton Industrial Ceramics Corp. Tape cast silicon carbide dummy wafer
JP4589491B2 (ja) * 1999-08-24 2010-12-01 株式会社ブリヂストン 炭化ケイ素粉末、グリーン体の製造方法、及び炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2004224676A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Kyocera Corp セラミック焼結体の製造方法及びこれによって得られたセラミック焼結体
JP4717364B2 (ja) * 2004-03-12 2011-07-06 吉佳株式会社 下水汚泥焼却灰を用いたセラミック製品の製造方法および得られたセラミック製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014136662A (ja) 2014-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100620493B1 (ko) 탄화규소소결체 및 그 제조방법
KR101578988B1 (ko) 세라믹스 소결체 및 세라믹스 소결체의 제조 방법
JP4589491B2 (ja) 炭化ケイ素粉末、グリーン体の製造方法、及び炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2007045689A (ja) 炭化ケイ素焼結体用粉体及びその製造方法
US20040262821A1 (en) Process for producing silicon carbide sinter and silicon carbide sinter obtained by the process
KR101152628B1 (ko) 탄화규소/카본 복합분말과 그 복합분말을 이용하여 제조된 고순도 및 고강도의 반응소결 탄화규소
JP6088255B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP5303103B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JPH1067565A (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP2008143748A (ja) 反りのない炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP2008156169A (ja) 炭化ケイ素顆粒、これを用いた炭化ケイ素焼結体の製造方法および炭化ケイ素焼結体
JP4918316B2 (ja) 耐プラズマ性炭化ケイ素焼結体およびその製造方法
JP2007137726A (ja) 炭化ケイ素多孔体及びその製造方法
JP2013216550A (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法及び炭化ケイ素焼結体
JP5770754B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体のアニール方法
JP2007277030A (ja) ヒータ用炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JPWO2004011690A1 (ja) スパッタリングターゲット
JP2003119077A (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法及び前記方法により得られた炭化ケイ素焼結体
JPH1179840A (ja) 炭化ケイ素焼結体
JP5130099B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2001130971A (ja) 炭化ケイ素焼結体、及びその製造方法
JP2014231466A (ja) セラミックス部材及びセラミックス部材製造方法
JP5466087B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2001048651A (ja) 炭化ケイ素質焼結体及びその製造方法
JP2001146473A (ja) 炭化ケイ素多孔質体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6088255

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees