JP3233160B2 - 炭化珪素スパッタリング用ターゲット及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素スパッタリング用ターゲット及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、導電性、熱伝導性に優れたスパッタリング
用ターゲットとして、特に直流スパッタリングにも好適
に使用される高純度で緻密質の炭化珪素スパッタリング
用ターゲットと、その製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
炭化珪素は常温および高温で化学的に極めて安定なも
ので、耐酸化性、熱伝導性、高温での機械的強度などに
優れているため、これを基体上に薄膜化したものは精密
金型部品や半導体製造用装置部品、各種電子デバイスな
どに有用なものとされている。また、最近では炭化珪素
薄膜をコンピュータの記録媒体である磁気ディスクの耐
摩耗保護膜として使用することが検討されており、ます
ます産業上の利用分野が広がりつつある。
このような炭化珪素薄膜の作成方法には、従来からの
真空蒸着法、CVD法(化学気相蒸着法)スパッタリング
法などが広く使用されているが、中でもスパッタリング
法は、他の方法に比較して基体の選択性、量産性、製造
コストなどの点で有利とされている。しかし、スパッタ
リング法では、成膜速度、膜特性などは使用するターゲ
ット材の性状に大きく左右されるため、炭化珪素薄膜の
作成においてもターゲットとなる炭化珪素焼結体の特性
向上が強く要求されている。
従来、このような炭化珪素薄膜の作成に使用されてい
るスパッタリング用ターゲットとしては、例えば炭化珪
素粉末をそのまま焼き固めた多孔質炭化珪素焼結体や、
もしくは炭化珪素粉末にホウ素やアルミニウム、ベリリ
ウム等の焼結助剤を添加して緻密に焼結した炭化珪素焼
結体があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の炭化珪素焼結体のスパッタリン
グ用ターゲットとして使用するにあたっては以下のよう
な不都合がある。
多孔質の炭化珪素焼結体をスパッタリング用ターゲッ
トとして使用する場合には、多孔質であることから機械
的強度、耐熱衝撃性が低く、スパッタリング時に割れや
欠け、粒子の脱落等を生じ易いため安定な薄膜形成が難
しい。また、スパッタリング装置に取り付ける際やハン
ドリング時に細心の注意が必要となる。
焼結助剤を添加した炭化珪素焼結体をスパッタリング
用ターゲットとして使用する場合には、焼結助剤がその
まま不純物として焼結体中に残留しているので、形成さ
れる薄膜は高純度のものが得られず、また、これらの不
純物が薄膜中で偏析し易いため、膜の均質性や基体への
密着強度が不十分となる。
一方、スパッタリング法には大別して直流スパッタリ
ングと高周波スパッタリングとがある。直流スパッタリ
ングは装置が簡略化でき量産性に優れる反面、ターゲッ
ト材には金属や半導体などの導電性を有するものしか使
用できないという欠点がある。高周波スパッタリングは
絶縁物であってもターゲットに使用することは可能であ
るが、直流スパッタリングと比較して装置が高価であ
り、また電力制御の精度が低いという欠点がある。
そこで、上述したような炭化珪素焼結体は電気比抵抗
値が高いため、直流スパッタリング装置のターゲットに
は使用できず、従って炭化珪素薄膜の量産性やコストな
どの点で不利があった。
本発明はこのような技術背景に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、焼結助剤を添加すること
なく、高純度で緻密質の炭化珪素焼結体を得、これによ
り炭化珪素本来の優れた機械的特性、高熱伝導性等を有
し、室温での電気比抵抗値が1Ω・cm以下と優れた導電
性を示す炭化珪素スパッタリング用ターゲットおよびそ
の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた
結果、炭化珪素スパッタリング用ターゲットは、焼結助
剤無添加で焼結してなり、焼結体密度が2.8g/cm3以上
で、室温での電気比抵抗が1Ω・cm以下の炭化珪素焼結
体からなる直流スパッタリング装置用の炭化珪素スパッ
タリング用ターゲットであるものとし、この炭化珪素ス
パッタリング用ターゲットの製造方法は、直流スパッタ
リング装置用の炭化珪素スパッタリング用ターゲットの
製造方法であって、該製造方法は、平均粒子径が0.1〜1
0μmの第1の炭化珪素粉末と、非酸化性雰囲気のプラ
ズマ中にシラン化合物またはハロゲン化珪素と炭化水素
とからなる原料ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未
満から0.1torrの範囲で制御しつつ気相反応させること
によって合成された平均粒子径が0.1μm以下の第2の
炭化珪素粉末とを焼結助剤を添加することなく混合し、
これを加熱し焼結することによって焼結体密度が2.8g/c
m3以上で、室温での電気比抵抗が1Ω・cm以下の炭化珪
素焼結体からなるスパッタリング用ターゲットを得る
か、または直流スパッタリング装置用の炭化珪素スパッ
タリング用ターゲットの製造方法であって、該製造方法
は、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物または
ハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導入
し、反応系の圧力を1気圧未満から0.1torrの範囲で制
御しつつ気相反応させることによって合成された平均粒
子径が0.1μm以下である炭化珪素超微粉末を焼結助剤
を添加することなく加熱し、焼結することによって焼結
体密度が2.8g/cm3以上で、室温での電気比抵抗が1Ω・
cm以下の炭化珪素焼結体からなるスパッタリング用ター
ゲットを得ることを特徴とする製造方法とすることによ
って、上記課題を解決した。
以下、本発明の炭化珪素スパッタリング用ターゲット
をその製造方法に基いて詳細に説明する。
まず、平均粒子径が0.1〜10μmの第1の炭化珪素粉
末と平均粒子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末と
を用意する。ここで第1の炭化珪素粉末としては、一般
に使用されるものでよく、例えばシリカ還元法、アチソ
ン法等の方法によって製造されたものが用いられる。但
し、センサーや半導体素子等の電子デバイス製造工程に
おいて使用されるスパッタリング用ターゲットを製造す
る場合には、高純度が要求されるので、酸処理等を施し
た高純度粉末を使用する必要がある。第1の炭化珪素の
結晶相としては非晶質、α型、β型あるいはこれらの混
合相のいずれでもよい。また、この炭化珪素粉末の平均
粒子径としては、0.1〜1μmにするのが焼結性がよく
なることから望ましい。
また、第2の炭化珪素粉末としては、非酸化性雰囲気
のプラズマ中にシラン化合物またはハロゲン化珪素と炭
化水素の原料ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未満
から0.1torrの範囲で制御しつつ気相反応させることに
よって得られたものを使用する。例えば、モノシランと
メタンとからなる原料ガスを高周波により励起されたア
ルゴンプラズマ中に導入して合成を行うと、平均粒子径
が0.02μmで、アスペクト比の小さいβ型超微粉末が、
また合成条件によってはα型とβ型との混合相が得られ
る。このようにして得られた超微粉末は焼結性が非常に
優れているため、上記第1の炭化珪素粉末と混合するの
みで、焼結助剤を添加することなく高純度かつ緻密質の
炭化珪素焼結体を得ることができるようになる。
次に、上記第1の炭化珪素粉末と第2の炭化珪素粉末
とを混合して混合物とする。ここで、第1の炭化珪素粉
末と第2の炭化珪素粉末とを混合するにあたっては、第
2の炭化珪素粉末の配合量を0.5〜50重量%の範囲とす
ることが好適とされる。すなわち、第2の炭化珪素粉末
の配合量を0.5重量未満とすると、この炭化珪素粉末を
配合した効果が十分に発揮されず、また50重量%を越え
て配合しても、焼結体密度がほぼ横這いになってその効
果が得られないからである。しかし、上述した電子デバ
イス製造用の薄膜形成装置などに使用されるスパッタリ
ング用ターゲットのように高純度が要求される場合に
は、第2の炭化珪素粉末のみから焼結体を製造した方が
よい。すなわち、第2の炭化珪素粉末は高純度ガスを原
料として合成されているため、その含有不純物量が数pp
m以下と極めて純度が高いからである。
その後、上記混合物または第2炭化珪素粉末をスパッ
タリング用ターゲットとしての所望する形状に成形し、
得られた成形体を1800〜2400℃の温度範囲で加熱し、さ
らに焼結助成無添加で焼結して炭化珪素スパッタリング
用ターゲットを得る。炭化珪素粉末の成形にあたって
は、プレス成形法、押出成形法、射出成形法などの従来
からの公知の方法を採用することができる。この場合、
成形バインダとしてはポリビニルアルコールやポリビニ
ルピロリドンなどを使用することができ、必要に応じて
ステアリン酸塩などの分散剤を添加してもよい。
また、焼結にあたっては、常圧焼結、雰囲気加圧焼
結、ホットプレス焼結、あるいは熱間静水圧焼結(HI
P)などの従来の方法が採用可能であるが、より高密度
で導電性に優れた炭化珪素スパッタリング用ターゲット
を得るためにはホットプレス等の加圧焼結法を採用する
ことが望ましい。焼結温度についても特に限定されるも
のではないが、1900℃より低い加熱温度では焼結不足が
生じ、また2300℃より高い加熱温度では炭化珪素の蒸発
が起こり易くなり、粒子の成長によって焼結体の強度や
靱性が低下する恐れがあることから、1900〜2300℃の温
度範囲で焼結するのが好適とされる。
また、焼結時の雰囲気としては、真空雰囲気、不活性
雰囲気もしくは還元ガス雰囲気のいずれも採用可能であ
る。
このようにして得られた炭化珪素スパッタリング用タ
ーゲットは、その焼結体密度が2.8g/cm3以上(論理密度
が3.21g/cm3以上であることから、論理密度の約87%以
上)となる。そして、焼結体密度が2.8g/cm3以上である
ことから炭化珪素粒子間の結合力が十分であり、スパッ
タリング時の粒子の脱落などが少なくなり、またターゲ
ットの寿命も長くなる。さらに、機械的強度も高く、熱
放散性にも優れることから、スパッタリング時の耐熱衝
撃性が十分なものとなるので、ターゲットの割れや欠け
等が少なくなり、またハンドリングに過剰な注意を要す
ることもなくなる。
また、この炭化珪素スパッタリング用ターゲットは室
温時の電気比抵抗値が1Ω・cm以下になるので、構造が
簡略な直流スパッタリング装置への使用が可能となり、
また炭化珪素薄膜の成膜速度も向上することから、量産
性やコストの点で有利となる。
そして、この炭化珪素スパッタリング用ターゲットは
焼結助剤を添加していないため、遊離炭素および遊離シ
リカ以外の不純物含有量を数ppm以下とすることが可能
である。したがって、高純度が要求される電子デバイス
用の薄膜形成に使用しても、高純度かつピンホールの極
めて少ない、密着強度に優れた膜が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。
(実施例1) 第1の炭化珪素粉末として、平均粒子径が1.1μm、B
ET比表面積値1.7m2/gのβ型炭化珪素粉末を使用した。
この粉末中の含有金属不純物量を調べたところ、3ppmの
ナトリウム、1ppmのカリウム、11ppmの鉄、4ppmのアル
ミニウム、2ppmのカルシウムが含まれており、ニッケ
ル、クロム、銅の含有量は1ppm未満であった。
次に、この第1の炭化珪素粉末に、四塩化珪素とエチ
レンとを原料ガスとしてプラズマCVD法により気相合成
して得た平均粒子径0.01μm、比表面積96m2/gの非晶質
炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪素粉末)を5重量%添
加し、これをメタノール中にて分散せしめ、さらにボー
ルミルで12時間混合した。
次いで、この混合物を乾燥して内径130mmの黒鉛製モ
ールドに充填し、ホットプレス装置にてアルゴン雰囲気
下、プレス圧400kg/cm2、焼結温度2200℃の条件で90分
間焼結した。
得られた炭化珪素焼結体の密度を調べたところ、2.9g
/cm3であった。また、この焼結体の室温時における3点
曲げ強度は、JIS R−1601に準拠して測定したところ4
8.7kg/mm2であり、1500℃、大気中における3点曲げ強
度は50.2kg/mm2であった。さらに室温時の電気比抵抗値
を四端子法で測定したところ0.05Ω・cmであり、室温時
の熱伝導率はレーザーフラッシュ法で測定すると180W/m
・Kであった。また、焼結体中の含有不純物量をアーク
発光分析で調べたところ、鉄が5ppm、アルミニウムが18
ppm、カルシウムが3ppm、銅が2ppmでありナトリウム、
カリウム、クロム、ニッケルはいずれも1ppm未満であっ
た。
次いで、この直径130mm、厚さ15mmの円板状炭化珪素
焼結体の表面に付着した炭素を除去し、その上下両側を
研削して炭化珪素スパッタリング用ターゲットとした。
これを直流二極スパッタリング装置のスパッタリング
用ターゲットとして使用し、シリコン基板の上に炭化珪
素薄膜の形成を行なった。第1図は、本実施例で使用し
た直流二極スパッタリング装置の構成図であり、1は真
空容器、2は負高電圧電極、3はシールド板、4は本発
明の炭化珪素スパッタリング用ターゲット、5はシャッ
タ、6はシリコン製基板、7はガス導入口、8は真空排
気口である。スパッタリング条件は、アルゴン雰囲気
下、圧力0.1torr、電源出力2KWとした。
その結果、基板上に形成された炭化珪素膜にはピンホ
ールや剥がれはほとんど認められず、均質であるなどの
優れた成膜特性が得られた。また、使用後の炭化珪素ス
パッタリング用ターゲットは、割れや欠け等がなく良好
なスパッタリングを行なえることが確認された。
一方、比較のために本発明のスパッタリング用ターゲ
ットを高周波スパッタリング装置に取り付けて、電源出
力2KWで炭化珪素膜の形成を行なったところ、その成膜
速度は直流スパッタリングに比べて約40%低下した。
(実施例2〜4) 実施例1と同一の炭化珪素粉末(第1の炭化珪素粉
末)に、モノシランとメタンとを原料ガスとしてプラズ
マCVD法により気相合成した平均粒子径0.02μm、BET比
表面積値70m2/gのβ型炭化珪素超微粉末(第2の炭化珪
素粉末)を5〜50重量%添加し、実施例1と同一の条件
で焼結して炭化珪素焼結体を製造した。
得られた炭化珪素焼結体の焼結体密度、室温時の3点
曲げ強度、1500℃での3点曲げ強度、室温時の電気比抵
抗値、室温時の熱伝導率を実施例1と同一の方法でそれ
ぞれ調べ、その結果を実施例1の測定結果とともに第1
表に示す。第1表に示した結果より、異種原料ガスから
合成された炭化珪素超微粉末を使用しても、また炭化珪
素超微粉末の添加量を変えても、本発明の効果が十分得
られることが確認された。
これらの焼結体中に含まれる不純物量を実施例1と同
一の方法で調べた結果、いずれの焼結体も合計不純物量
が数十ppm以下であった。
(実施例5) モノシランとメタンとを原料ガスとしてプラズマCVD
法により気相合成した平均粒子径0.03μm、BET比表面
積値49m2/gのβ型炭化珪素超微粉末をメタノール中にて
分散せしめ、さらにボールミルで12時間混合した。
次に、この混合粉末を乾燥し造粒して粉末を得、これ
を実施例1と同一の条件で焼結して炭化珪素焼結体を製
造した。
得られた炭化珪素焼結体の密度を調べたところ3.1g/c
m3であった。また、この炭化珪素焼結体の室温時の3点
曲げ強度、1500℃での大気中の3点曲げ強度、室温時の
電気比抵抗値、室温時の熱伝導率を実施例1と同一の方
法で測定したところ、それぞれ74.0kg/mm2、75.2kg/m
m2、0.03Ω・cm、191W/m・Kであった。(第1表に併
記) さらに、この炭化珪素焼結体の不純物分析を実施例1
と同一の分析方法で調べたところナトリウムが3ppm、鉄
が3ppm、アルミニウムが2ppm、クロムが1ppm含まれてお
り、カリウム、カルシウム、ニッケル、銅は1ppm未満で
あった。
以上の結果から、炭化珪素超微粉末だけを原料とした
炭化珪素焼結体はより高強度かつ高純度であることが確
認され、超高純度薄膜の形成に使用可能なスパッタリン
グ用ターゲットとなり得ることが判明した。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明における炭化珪素スパッ
タリング用ターゲットは、直流スパッタリング装置用の
炭化珪素スパッタリング用ターゲットであって、該炭化
珪素スパッタリング用ターゲットは、焼結助剤無添加で
焼結してなり、焼結体密度が2.8g/cm3以上で、室温での
電気比抵抗が1Ω・cm以下の炭化珪素焼結体からなり、
緻密質で高純度であることから、スパッタリング中でも
粒子の脱落等がなく、安定的なスパッタリングが続けら
れる。また、高純度が要求される電子デバイスなどの薄
膜形成に際しても、高純度で密着強度に優れた緻密質の
膜を信頼性高く得ることができる。さらに、本発明の炭
化珪素スパッタリング用ターゲットは、従来の炭化珪素
スパッタリング用ターゲットと比較して機械的強度や熱
伝導性に優れるため、スパッタリング時の熱衝撃に強
く、ターゲットの割れや欠け等の発生を少なくすること
ができる。また、ターゲットの取り付けや取り外し等の
ハンンドリングが容易となる。加えて、優れた導電性を
有するので、直流スパッタリングが可能となることか
ら、装置の簡略化、成膜速度の向上などが果たせ、その
結果、量産性や製造コストの点で有利となる。
そして、これにより該炭化珪素スパッタリング用ター
ゲットを使用して形成された炭化珪素膜は、センサーや
半導体素子の電子デバイスから金型精密部品、X線反射
鏡などの機械部品にまで幅広く使用でき、産業上多大な
効果を奏するものとなる。
一方、本発明に係る炭化珪素スパッタリング用ターゲ
ットの製造方法によれば、直流スパッタリング装置用の
炭化珪素スパッタリング用ターゲットの製造方法であっ
て、該製造方法は、平均粒子径が0.1〜10μmの第1の
炭化珪素粉末と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン
化合物またはハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料
ガスを導入し、反応系の圧力を1気圧未満から0.1torr
の範囲で制御しつつ気相反応させることによって合成さ
れた平均粒子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末と
を焼結助剤を添加することなく混合し、これを加熱し焼
結することによって焼結体密度が2.8g/cm3以上で、室温
での電気比抵抗が1Ω・cm以下の炭化珪素焼結体からな
るスパッタリング用ターゲットを得るか、または非酸化
性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物またはハロゲン化
珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導入し、反応系の
圧力を1気圧未満から0.1torrの範囲で制御しつつ気相
反応させることによって合成された平均粒子径が0.1μ
m以下である炭化珪素超微粉末を焼結助剤を添加するこ
となく加熱し、焼結することによって焼結体密度が2.8g
/cm3以上で、室温での電気比抵抗が1Ω・cm以下の炭化
珪素焼結体からなるスパッタリング用ターゲットを得る
ことができるから、極めて高純度かつ高密度な焼結体を
得ることができ、よって炭化珪素本来の性質である機械
的強度、高熱伝導性を併せ持ち、しかも導電性に優れた
炭化珪素スパッタリング用ターゲットを製造することが
できる。また、この製造方法によって製造された炭化珪
素焼結体からなるスパッタリング用ターゲットを、直流
スパッタリング装置のスパッタリング用ターゲットとし
て使用すると、炭化珪素薄膜の成膜速度が向上し、形成
された炭化珪素薄膜はピンホールや剥がれが認められな
い均質な薄膜が得られ、使用後にも割れや欠け等がなく
良好なスパッタリングを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は直流二極スパッタリング装置の構成図を示した
ものである。 1……真空容器、2……負高電圧極 3……シールド板 4……炭化珪素スパッタリング用ターゲット 5……シャッタ、6……シリコン製基板 7……ガス導入口、8……真空排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 陽一 千葉県船橋市豊富町585 住友セメント 株式会社新規事業本部セラミックス事業 推進部内 (72)発明者 森岡 太郎 千葉県船橋市豊富町585 住友セメント 株式会社新規事業本部セラミックス事業 推進部内 (56)参考文献 特開 昭62−266139(JP,A) 特開 昭60−108370(JP,A) 特開 昭60−46912(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流スパッタリング装置用の炭化珪素スパ
    ッタリング用ターゲットであって、該炭化珪素スパッタ
    リング用ターゲットは、焼結助剤無添加で焼結されてな
    り、焼結体密度が2.8g/cm3以上で、室温での電気比抵抗
    が1Ω・cm以下の炭化珪素焼結体からなる炭化珪素スパ
    ッタリング用ターゲット。
  2. 【請求項2】直流スパッタリング装置用の炭化珪素スパ
    ッタリング用ターゲットの製造方法であって、該製造方
    法は、平均粒子径が0.1〜10μmの第1の炭化珪素粉末
    と、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物または
    ハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導入
    し、反応系の圧力を1気圧未満から0.1torrの範囲で制
    御しつつ気相反応させることによって合成された平均粒
    子径が0.1μm以下の第2の炭化珪素粉末とを焼結助剤
    を添加することなく混合し、これを加熱し焼結すること
    によって焼結体密度が2.8g/cm3以上で、室温での電気比
    抵抗が1Ω・cm以下の炭化珪素焼結体からなるスパッタ
    リング用ターゲットを得ることを特徴とする炭化珪素ス
    パッタリング用ターゲットの製造方法。
  3. 【請求項3】直流スパッタリング装置用の炭化珪素スパ
    ッタリング用ターゲットの製造方法であって、該製造方
    法は、非酸化性雰囲気のプラズマ中にシラン化合物また
    はハロゲン化珪素と炭化水素とからなる原料ガスを導入
    し、反応系の圧力を1気圧未満から0.1torrの範囲で制
    御しつつ気相反応させることによって合成された平均粒
    子径が0.1μm以下である炭化珪素超微粉末を焼結助剤
    を添加することなく加熱し、焼結することによって、焼
    結体密度が2.8g/cm3以上で、室温での電気比抵抗が1Ω
    ・cm以下の炭化珪素焼結体からなるスパッタリング用タ
    ーゲットを得ることを特徴とする炭化珪素スパッタリン
    グ用ターゲットの製造方法。
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