JP5433780B2 - 被嵌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状に折り畳まれた状態で供給される筒状のラベルを開いて柱状の被嵌体に被嵌する被嵌装置に関する。
従来から、ペットボトルなどの柱状の被嵌体に、樹脂製フィルムからなる筒状のラベルを被嵌する被嵌装置が知られている(例えば、下記特許文献1〜5など)。こうした被嵌装置には、ラベル供給装置からシート状に折り畳まれたラベルを受け取って、オープナー機構に受け渡すテイクアップ機構が搭載されている。
ここで、従来の被嵌装置におけるテイクアップ機構について図17、図18を参照して説明する。図17は、特許文献1などに開示されている従来の被嵌装置の概略側面図である。また、図18は、従来の被嵌装置におけるラベル受け渡しの様子を上面からみたイメージ図である。
従来のラベル被嵌装置の多くは、第一回転軸Oaを中心として回転移動する載置台31および被嵌ヘッド6と、当該第一回転軸Oaとは異なる第二回転軸Obを中心として回転移動するテイクアップユニット100と、を備えていた。テイクアップユニット100に設けられたテイクアップ部材102は、略櫛歯状となっている。また、被嵌ヘッド6に設けられたオープナー部材92は、当該テイクアップ部材102とすれ違い可能な略櫛歯状となっている。そして、図18において実線で示すように、第一回転軸Oaを中心として回転移動するオープナー部材92と、第二回転軸Obを中心として回転移動するテイクアップ部材102と、が近接する際に、シート状のラベルLの受け渡しが行われていた。
特開2007−176527号公報 特許第3620804号公報 特許第4068359号公報 特開平5−132036号公報 特開2003−212221号公報
しかしながら、こういった回転式テイクアップユニット100では、図18において二点鎖線で示すように、ラベルLの受け渡しタイミング(テイクアップ部材102とオープナー部材92との近接タイミング)がズレた場合、オープナー部材92に対するラベルLの幅方向位置もズレることになる。かかるラベルLの位置ズレは、その後に行われるラベルLの開口不良や被嵌不良の原因となっていた。
また、特許文献2には、オープナーの上側に設けられたフィードローラで長尺状のチューブを一対の吸着体(オープナー)の間に送り込み、当該一対の吸着体が当該チューブの両面を保持すれば、当該チューブを規定長さで切断してラベルを形成する装置が開示されている。かかる構成によれば、ラベルLの受け渡しタイミングのズレに起因するラベル位置ズレは生じない。しかし、特許文献2では、チューブの供給からラベル被嵌が完了するまでの間、被嵌体は一定箇所に止まった状態となるため、作業効率が悪いという問題があった。
そこで、本発明では、ラベルの位置ズレを防止しつつ、効率的にラベルの被嵌処理ができ得る被嵌装置を提供することを目的とする。
本発明の被嵌装置は、シート状に折り畳まれた筒状のラベルを開いたうえで柱状の被嵌体に被嵌する被嵌装置であって、前記被嵌体を載置した状態で規定の搬送経路に沿って移動することで当該被嵌体を搬送する複数の載置台と、各載置台ごとに一つずつ設けられ、当該載置台と連動して搬送経路に沿って移動する被嵌ヘッドであって、シート状に折り畳まれた前記ラベルを開いて前記載置台に載置された被嵌体に被嵌する被嵌ヘッドと、長尺のラベル基材を順次切断してラベルを形成するとともに、当該ラベル基材および形成されたラベルを下方に順次送出して、前記搬送経路の真上に位置するラベル供給位置において被嵌ヘッドにラベルを受け渡すラベル供給ユニットと、を備え、各被嵌ヘッドは、前記載置台の真上に設けられたテイクアップ部材であって、前記ラベル供給位置の通過時に、前記ラベル供給ユニットが保持するラベルを吸引するとともに前記被嵌ヘッドの移動に伴って前記搬送経路進行方向に移動することで前記ラベルを前記ラベル供給ユニットから離間させて受け取るテイクアップ部材と、前記載置台の真上に設けられオープナー部材であって、前記載置台に載置された被嵌体より上位置に上昇して前記テイクアップ部材からラベルを受け取った後当該ラベルを開口して、当該載置台に載置された被嵌体に当該ラベルを被嵌するオープナー機構と、を備えることを特徴とする。
前記テイクアップ部材は、前記ラベル基材または前記ラベルの幅方向中心を対称軸として左右対称な形状を有する、ことを特徴とする。
好適な態様では、さらに、前記テイクアップ部材に固着され、下方に突出する頭部押さえ部材を備え、前記テイクアップ部材は、前記オープナー機構によって前記被嵌体にラベルが被嵌される際に、前記頭部押さえ部材が前記被嵌体の頭部に当接して当該被嵌体を載置台に押し付けるべく下降する。
他の好適な態様では、前記オープナー機構は、前記ラベルの一面を吸引保持する第一吸引部材を有し、前記第一吸引部材で前記テイクアップ部材により吸引保持されたラベルの一面を吸引した後に、前記テイクアップ部材によるラベルの吸引を解除することで、前記ラベルが前記テイクアップ部材から前記オープナー機構に受け渡される。この場合、前記オープナー機構は、さらに、前記ラベルを挟んで前記第一吸引部材と対向して設けられ、前記ラベルの他面を吸引保持する第二吸引部材と、前記第一吸引部材および第二吸引部材を近接方向に移動させて折り畳まれたラベルを挟持させた後、前記第一吸引部材および第二吸引部材を離間方向に移動させて折り畳まれたラベルを開かせる駆動機構と、を備えることが望ましい。この場合、前記ラベル被嵌時、前記第一吸引部材および第二吸引部材は、前記ラベルを吸引保持した状態で、前記ラベルが予め規定された被嵌高さに到達するまで下降することが望ましい。
本発明によれば、ラベルに横方向の移動が生じないため、受け渡しタイミングのズレに起因するラベル幅方向の位置ズレを効果的に防止できる。
本発明の実施形態であるラベル被嵌システムの斜視図である。 ラベル被嵌システムの概略上面図である。 載置台および被嵌ヘッドの正面図である。 ラベル供給ユニットの側面図である。 ラベル供給ユニットの正面図である。 被嵌ヘッドのうちテイクアップ機構に関連する部位のみを抽出した図面である。 被嵌ヘッドのうちオープナー機構に関連する部位のみを抽出した図面である。 吸引竿の正面図および断面図である。 他の例の吸引竿によるラベル吸引の様子を示すイメージ図である。 吸引竿によるラベル吸引の様子を示すイメージ図である。 吸引竿における吸引孔列の配列態様の一例を示す図である。 吸引竿における吸引孔列の配列態様の他の一例を示す図である。 吸引竿における吸引孔列の配列態様の他の一例を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。 図7におけるX−X断面図である。 図7におけるY−Y断面図である。 ラベル開口の様子を示す図である。 他のラベル開口の様子を示す図である。 位置S1における被嵌ヘッドの様子を示す図である。 位置S3における被嵌ヘッドの様子を示す図である。 位置S3における被嵌ヘッドの様子を示す図である。 位置S4における被嵌ヘッドの様子を示す図である。 位置S5における被嵌ヘッドの様子を示す図である。 位置S6における被嵌ヘッドの様子を示す図である。 従来の被嵌装置の概略側面図である。 従来の被嵌装置におけるラベル受け渡しの様子を示す図である。 従来のラベルオープナーの正面図である。 従来のラベルオープナーの上面図である。 カム板の初期高さと、カム板とカムフォロアの当接態様と、の関係を示す図である。 カム円筒体の昇降機構を説明する図である。
以下、本発明の実施形態であるラベル被嵌システム1について図面を参照して説明する。
[全体構成]
はじめに、ラベル被嵌システム1の全体構成を概略的に説明する。図1は、ラベル被嵌システム1の斜視図であり、図2は、ラベル被嵌システム1の概略上面図である。このラベル被嵌システム1は、ペットボトルなどの柱状の被嵌体Bに、熱収縮性フィルムによって形成された筒状のシュリンクラベル(以下、「ラベル」という)を被嵌するシステムである。このラベル被嵌システム1において用いられるラベルの種類は、特に限定されないが、本実施形態のラベル被嵌システム1は、比較的、肉薄(例えば厚さ20μm〜60μm)のラベルを取り扱う場合に、特に好適な構成となっている。
ラベル被嵌システム1は、ラベル被嵌前の被嵌体Bを供給する被嵌体供給装置2と、供給された被嵌体Bにラベルを被嵌するラベル被嵌装置4と、ラベル被嵌後の被嵌体Bをシステム外に搬出する被嵌体搬出装置5と、に大別される。
被嵌体供給装置2は、スクリュー2aやベルトコンベア2b、スターホイール2cなどを備えており、ラベル被嵌前の被嵌体Bを適切な間隔で、ラベル被嵌装置4に送り込めるようになっている。被嵌体搬出装置5も、スターホイール5aやコンベア5bなどを備えており、ラベル被嵌装置4から出力されたラベル被嵌後の被嵌体Bをシステム外に搬出する。なお、この被嵌体供給装置2および被嵌体搬出装置5は、公知の周知技術を用いて構成できるため、ここでの詳説は省略する。
ラベル被嵌装置4は、供給された被嵌体Bにラベルを被嵌する装置で、被嵌体Bを搬送する搬送ユニット7、被嵌体Bにラベルを被嵌する被嵌ヘッド6、被嵌ヘッド6にラベルを供給するラベル供給ユニット3に大別される。
搬送ユニット7は、回転軸O1を中心として回転自在のターンテーブル7aと、当該ターンテーブル7a上に円状に配された複数の載置台31と、を備えている。各載置台31に被嵌体Bを載置した状態でターンテーブル7aが回転することで、被嵌体Bが、被嵌体供給位置S7から被嵌体搬出位置S6へと搬送される。
被嵌ヘッド6は、この搬送の過程において、被嵌体Bにラベルを被嵌するユニットである。各被嵌ヘッド6には一つの載置台31が対応付けられており、載置台31と連動して円状の搬送経路に沿って移動するようになっている。この被嵌ヘッド6は、ラベル供給ユニット3からラベルを受け取るテイクアップ機構40と、受け取ったラベルを開いて被嵌体Bに被嵌するオープナー機構50と、に大別される。テイクアップ機構40は、被嵌ヘッド6がラベル供給位置S1を通過する際に、ラベル供給ユニット3からシート状に折り畳まれたラベルを受け取る。オープナー機構50は、このテイクアップ機構40からシート状のラベルを受け取り、開口する。その後、オープナー機構50は、ラベル被嵌位置S3において、この開口したラベルを被嵌体Bに被嵌する。
ラベル供給ユニット3は、被嵌ヘッド6にシート状に折り畳まれたラベルを供給するユニットで、ラベル供給位置S1において、被嵌ヘッド6より上側に設置されている。このラベル供給ユニット3は、シート状に折り畳まれたラベル基材を規定ピッチごとに切断してラベルを形成するとともに、当該ラベルを下方に送出し、被嵌ヘッド6に供給する。既述したとおり、被嵌ヘッド6は、このシート状に折り畳まれたラベルを受け取り、被嵌体Bに被嵌する。ラベル被嵌された被嵌体Bは、被嵌体搬出位置S6において、被嵌体搬出装置5へと搬出される。
以上がラベル被嵌システム1の概略構成である。以下、このラベル被嵌システム1のうち、特にラベル被嵌装置4の各部について詳説する。
[ラベル供給ユニット]
はじめに、ラベル供給ユニット3について詳説する。図4、図5は、ラベル供給ユニット3の側面図および正面図である。既述したとおり、ラベル供給ユニット3は、ラベル供給位置S1において被嵌ヘッド6より上側に固定設置されたユニットで、その下方を通過する被嵌ヘッド6にシート状のラベルLを供給するユニットである。
このラベル供給ユニット3は、基材送出ローラ対11、切断装置12、上側送出機構13、下側送出機構16、ラベル検出センサ18、および、ガイド体14などを備えている。基材送出ローラ対11は、上流側から供給されたラベル基材Mを順次、下方に送出するローラ対で、駆動ローラ11aと当該駆動ローラ11aに対向配置された従動ローラ11bとから構成されている。ここでラベル基材Mとは、長尺な熱収縮性フィルムを筒状に形成した後にシート状に折り畳んだ部材で、当該ラベル基材Mを規定ピッチごとに切断することでラベルLが形成される。
この基材送出ローラ対11の下方には、切断装置12が設けられている。この切断装置12は、送出されてきたラベル基材Mを規定ピッチごとに切断してラベルを形成するもので、回転刃12bおよび固定刃12aを備えている。
切断装置12により切断され、形成されたシート状のラベルLは、上側送出機構13により、さらに下方に送出される。上側送出機構13は、シート状のラベルLを吸引保持しつつ下方に送出する機構である。この上側送出機構13は、ラベル幅方向に間隔を開けて設置された二本の上側フィードベルト13cを有しており、この二本の上側フィードベルト13cによりラベルLの幅方向両端が吸引保持される。この上側フィードベルト13cの表面には、ラベルを吸引保持するための吸引孔13eが一定間隔で複数形成されており、上側フィードベルト13cの背後には、この吸引保持を可能にするための吸引装置13dが設置されている。各上側フィードベルト13cは、駆動プーリ13b、ガイドプーリ13aに掛け渡されており、駆動プーリ13bの回転に伴い、循環移動するようになっている。そして、この上側フィードベルト13cの循環移動に伴い、当該上側フィードベルト13cに吸引保持されたラベルLが下方に送出される。さらに、各上側フィードベルト13cに対向して、補助ベルト15cも設置されている。補助ベルト15cは、上側フィードベルト13cに保持されたラベルLの表面を押さえつけることでラベルLの落下を防止するベルトである。
下側送出機構16は、上側送出機構13の下端まで送出されたラベルLを受け取り、被嵌ヘッド6のテイクアップ機構のテイクアップ部材43に受け渡す機構である。この下側送出機構16は、上側送出機構13と、ほぼ同様の構成であり、二本の下側フィードベルト16cと、吸引装置16d、ガイドローラ16a、駆動ローラ16bなどを備えている。ただし、上側送出機構13と異なり、下側送出機構16には、ラベルLの表面を押さえる補助ベルト15cは設けられていない。また、二本の下側フィードベルト16cは、二本の上側フィードベルト13cの間に位置しており、そのベルト間距離は、上側のそれよりも小さくなっている。
この一対の下側フィードベルト16cの左右には、一対のガイド体14が設けられている。このガイド体14は、テイクアップ部材43を規定の経路に導くとともに、ラベルLの幅方向端部の折れなどを防止する効果を発揮する。
ラベル検出センサ18は、この下側送出機構16まで送出されたラベルLが規定の停止位置(高さ)まで到達したか否かを検知する。図示しない制御ユニットは、このラベル検出センサ18により、ラベルLの規定の停止位置への到達が検知された場合には、下側送出機構16に対してラベルLの送出の一時停止を指示する。また、制御ユニットは、このとき、次にラベルLを受け取るべき被嵌ヘッド6が、ラベル供給位置S1(すなわちラベル供給ユニット3の真下位置)を通過するように同期制御を行う。そして、図5に示すように、テイクアップ機構に設けられた略フォーク形状のテイクアップ部材43が、下側フィードベルト16cの間を通過することで、当該下側フィードベルト16cに保持されていたシート状のラベルLがテイクアップ部材43に受け渡されることになる。
[搬送ユニット]
次に、搬送ユニット7について図2、図3を参照して詳説する。搬送ユニット7は、既述したとおり、被嵌体供給位置S7において供給された被嵌体Bを、被嵌体搬出位置S6まで搬送するユニットで、ターンテーブル7aおよび複数の載置台31を備えている。ターンテーブル7aは、回転軸O1を中心として回転駆動するもので、その駆動は制御ユニットにより制御されている。このターンテーブル7aの周縁近傍には、回転軸O1を中心として円状に均等配置された複数の載置台31が設けられている。各載置台31には、被嵌体Bが載置される。そして、被嵌体Bを載置した状態で、各載置台31がターンテーブル7aの回転に伴い、規定の円状の搬送経路に沿って移動することで、載置された被嵌体Bが搬送される。
各載置台31の略中央には、被嵌体Bの底部を吸引保持するための吸引口31aが設けられている。この吸引口31aは、図示しない吸引ポンプに連結されている。そして、この吸引口31aを介して被嵌体Bが吸引されることにより、当該被嵌体Bの載置台31からの落下や位置ズレ等が防止される。なお、後に詳説するように、本実施形態では、オープナー機構50に設けられた第一吸引竿60aおよび第二吸引竿60b(以下、特に区別しない場合は、「吸引竿60」と呼ぶ)を、被嵌体Bの底部近傍まで下降させる。このとき、吸引竿60の載置台31への干渉を防止するために、載置台31は被嵌体Bとほぼ同径またはやや小径となっている。
[被嵌ヘッドのテイクアップ機構]
次に被嵌ヘッド6について詳説する。被嵌ヘッド6は、既述したとおり、各載置台31に一つずつ設けられ、載置台31とともに円状の搬送経路に沿って移動するユニットである。この被嵌ヘッド6には、オープナー機構50とテイクアップ機構40とが設けられている。はじめに、テイクアップ機構40について図6を参照して詳説する。
図6は、被嵌ヘッド6のうちテイクアップ機構40に関連する部位のみを抽出した図である。テイクアップ機構40は、テイクアップ部材43、当該テイクアップ部材43を昇降させるテイクアップ昇降機構、および、頭部押さえ部材47などを備えている。
テイクアップ昇降機構は、下側カム円筒体39bに形成されたカム溝46b(図7参照)や、当該カム溝46bに嵌め込まれたカムブロック46a、昇降動作をガイドするリニアガイド22およびベースプレート41、ベースプレート41とテイクアップ部材43とを連結する連結部材42などを備えている。下側カム円筒体39bは、ターンテーブル7aの回転軸O1と同心円状に設けられた略円筒形部材で、その表面には、テイクアップ部材43の昇降態様を規定するカム溝46bが形成されている。カムブロック46aは、このカム溝46bにはめ込まれたブロック体で、被嵌ヘッド6(ひいてはテイクアップ機構40)が円状の搬送経路に沿って移動するのに伴い、カム溝46bに沿って昇降する。このカムブロック46aの昇降動作は、ベースプレート41および連結部材42を介してテイクアップ部材43に伝達される。なお、ベースプレート41は、垂直方向に立脚されたリニアガイド22によりガイドされており、滑らかに昇降できるようになっている。
テイクアップ部材43は、ラベル供給ユニット3からシート状に折り畳まれたラベルLを受け取る部材である。このテイクアップ部材43は、表面に吸引孔44aが形成された三本の吸引部44bと、当該吸引部の基端を連結する連結部44cと、を備えた略フォーク形状となっている。このテイクアップ部材43の内部は、中空となっており、図示しない吸引ポンプに連結されている。そして、吸引ポンプの駆動に応じて、その表面でシート状のラベルLを吸引保持できるようになっている。なお、実際に吸引保持するラベルLの高さ(上下方向長さ)に応じて、ラベル吸引に寄与する吸引孔を切り替えられるようにしてもよい。
三本の吸引部44bは、ラベル幅方向に間隔を開けて配設されている。この三本の吸引部44bの間隔は、ラベル供給ユニット3に設けられた二本の下側フィードベルト16cの間を通過できるような大きさとなっている。すなわち、図5に示すように、テイクアップ部材43が、ラベル供給位置S1を通過する際、この吸引部43bは、二本の下側フィードベルト16cの両側および間に位置するようになっている。そして、この下側フィードベルト16cの両側および間を通過する際、テイクアップ部材43は、当該下側フィードベルト16cで吸引保持されていたラベルLの一面を吸引保持しつつ、当該ラベルLを下側フィードベルト16cから離間する方向に押し出す。この押し出し動作により、シート状のラベルLが下側フィードベルト16cからテイクアップ部材43へと受け渡される。
また、テイクアップ部材43で吸引保持されたシート状のラベルLは、オープナー機構50へと受け渡される。このオープナー機構50へのラベルLの受け渡しは、図16に示すように、テイクアップ部材43とほぼ同じ高さまで上昇した二本の第一吸引竿60aでシート状のラベルLの一面を吸引保持した後、テイクアップ部材43によるラベルLの吸引保持を解除したうえで当該テイクアップ部材43を当該第一吸引竿60aと干渉しない高さまで上昇させることで行われる。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、ラベルLの受け渡しにおいて、当該ラベルLを幅方向に移動させない。そのため、従来に比して、ラベルLの幅方向の位置ズレ等を効果的に防止することができる。
これについて、従来技術と比較して詳説する。図17は、従来のラベル被嵌装置4の概略正面図であり、図18は、従来のラベル被嵌装置4におけるラベル受け渡しの様子を示すイメージ図である。従来のラベル被嵌装置4の多くは、図17に示すように、第一回転軸Oaを中心として回転移動する載置台31および被嵌ヘッド6と、当該第一回転軸Oaとは異なる第二回転軸Obを中心として回転移動するテイクアップユニット100と、を備えていた。テイクアップユニット100に設けられたテイクアップ部材102は、略櫛歯状となっている。また、被嵌ヘッド6に設けられたオープナー部材92は、当該テイクアップ部材102とすれ違い可能な略櫛歯状となっている。そして、図18において実線で示すように、第一回転軸Oaを中心として回転移動するオープナー部材92と、第二回転軸Obを中心として回転移動するテイクアップ部材102と、が近接する際に、シート状のラベルLの受け渡しが行われていた。
しかしながら、こういった回転式テイクアップユニット100では、図18において二点鎖線で示すように、ラベルLの受け渡しタイミング(テイクアップ部材102とオープナー部材92との近接タイミング)がズレた場合、オープナー部材92に対するラベルLの幅方向位置もズレることになる。かかるラベルLの位置ズレは、その後に行われるラベルLの開口不良や被嵌不良の原因となっていた。
一方、本実施形態では、既述したように、テイクアップ機構40を被嵌ヘッド6に組み込み、ラベルを幅方向に移動させることなく、ラベル受け渡しができるようにしている。そのため、ラベル供給ユニット3からテイクアップ機構40、および、テイクアップ機構40からオープナー機構50へのラベル受け渡しタイミングが多少ずれたとしても、ラベル幅方向への位置ズレは発生し辛く、常に適切な姿勢でオープナー機構50にラベルLを受け渡すことができる。
また、従来の回転式テイクアップユニット100では、その構成上、オープナー部材92およびテイクアップ部材102を、横方向に歯状部位が突出した略櫛歯状、換言すれば、左右非対称形状とせざるを得なかった。この場合、ラベルLの保持力も左右非対称となってしまい、安定してラベルLを保持することが困難であった。その結果、ラベルLの一部が折れたりすることがあった。一方、本実施形態のテイクアップ部材43は、三つの吸引部44bがラベル幅方向に配設された左右対称形状であり、ラベルLを左右均等に保持することができる。その結果、ラベルLの折れなどを効果的に防止することができる。
再び、図6に戻り本実施形態のテイクアップ機構40について詳説する。テイクアップ機構40には、さらに、頭部押さえ部材47が設けられている。この頭部押さえ部材47は、テイクアップ部材43の中央下部に固着された棒状部材である。この頭部押さえ部材47は、ラベル被嵌時に、被嵌体Bの頭部に当接して、当該被嵌体Bを載置台31に押し付ける部材である。
すなわち、図15の右端に示すように、本実施形態では、ラベル被嵌のためにオープナー機構50に設けられた吸引竿60が被嵌体B周辺まで下降する際、テイクアップ部材43も下降する。このテイクアップ部材43の下降に伴い、頭部押さえ部材47も下降することになる。そして、最終的に、頭部押さえ部材47は、載置台31に載置された被嵌体Bの頭部に当接し、当該被嵌体Bを載置台31に押し付ける。そして、この押し付けにより、被嵌体Bの落下や位置ズレが効果的に防止される。
すなわち、既述したとおり、各被嵌体Bは、載置台31に載置されており、載置台31には、当該被嵌体Bの底部を吸引保持する吸引口31aが設けられている。被嵌体Bの底部が平坦である場合には、かかる吸引口31aにより被嵌体Bは安定保持される。しかしながら、被嵌体Bの底部が、非平坦であった場合には、当該吸引口31aだけで被嵌体Bを安定して保持することは難しくなる。
非平坦の被嵌体Bを安定保持する他の方法としては、例えば、載置台31の上面を被嵌体Bより大径にするとともに当該上面に被嵌体Bの底部が嵌まり込む凹部を形成することが考えられる。また、他の方法として、載置台31に載置された被嵌体Bの胴部を支持する支持部材を設けることも考えられる。しかしながら、後に詳説するように、本実施形態では、肉薄ラベルを取り扱う関係上、オープナー機構50に設けられた吸引竿を被嵌体Bの下端より下側まで下降させる必要がある。この場合、載置台31を大径にしたり、被嵌体Bの胴部を支持する支持部材などを設けたりすると、当該載置台31等と吸引竿60とが干渉してしまう。そのため、吸引竿60を被嵌体Bの下端より下側まで下降させる本実施形態では、凹部や支持部材を設けることはできない。そこで、本実施形態では、テイクアップ部材43に頭部押さえ部材47を設け、当該頭部押さえ部材47で被嵌体Bの頭部を押さえつけている。これにより、吸引竿60と他部材との干渉を防止しつつ、被嵌体Bの位置ズレ等を効果的に防止できる。
ところで、既述したとおり、頭部押さえ部材47は、テイクアップ部材43に固着されており、当該テイクアップ部材43の下降により下降する。このテイクアップ部材43の下降動作は、ラベルLのオープナー機構50への受け渡しのために必須な動作である。つまり、本実施形態では、被嵌体Bを押さえつけるために特別な動作を追加するのではなく、ラベル受け渡しに必須な動作を利用して頭部押さえ部材47による被嵌体Bの押さえ付けを実現している。そのため、駆動制御を簡易化することができる。なお、この頭部押さえ部材47の長さは、固定であってもよいが、被嵌体Bの高さに応じて、適宜、変更できるようにしてもよい。変更の方式としては、例えば、頭部押さえ部材47を上下にスライド可能に構成してもよいし、頭部押さえ部材47を選択的に交換できるようにしてもよい。
[被嵌ヘッドのオープナー機構]
次にオープナー機構50について詳説する。はじめに図7を参照してオープナー機構50の概略的全体構成を説明する。図7は、被嵌ヘッド6のうちオープナー機構50に関連する部位のみを抽出した図である。オープナー機構50は、既述したとおり、シート状に折り畳まれたラベルLを開口したうえで、当該ラベルLを被嵌体Bに被嵌させる機構である。このオープナー機構50には、二対四本の吸引竿60と、対向する吸引竿60を近接または離間する方向に移動させる竿駆動機構、吸引竿60を昇降させる竿昇降機構などを備えている。
二対四本の吸引竿60は、ラベルLの一面を吸引保持する二本の第一吸引竿60aと、ラベルLの他面を吸引保持する二本の第二吸引竿60bと、に大別される。二本の第一吸引竿60aは、ラベルLの幅方向に間隔を開けて配設されている。また、二本の第二吸引竿60bは、第一吸引竿60aに対向する位置において、ラベルLの幅方向に間隔をかけて配設されている。各吸引竿60は、規定の回転中心を中心として回動自在となっており、当該回動に伴い対向する吸引竿60に対して近接または離間することができるようになっている。
シート状に折り畳まれたラベルLを開口する際には、第一吸引竿60aおよび第二吸引竿60bで、当該シート状のラベルLの両面を吸引保持後、対向する第一吸引竿60aおよび第二吸引竿60bを互いに離間する方向に移動させる。この第一吸引竿60aおよび第二吸引竿60bの移動により、シート状に折り畳まれたラベルLが筒状に開かれる。そして、被嵌体Bにラベル被嵌する際には、ラベルLを筒状に開いたまま、四本の吸引竿60を被嵌体Bの底部周辺まで下降させる。また、テイクアップ機構40からラベルLを受け取る際は、テイクアップ部材43に吸引保持されたラベルLの一面を第一吸引竿60aで吸引保持することにより行われる。
この四本の吸引竿60aは、被嵌処理の状況(より正確には、回転移動する被嵌ヘッド6の到達位置)に応じて、竿昇降機構により昇降させられる。竿昇降機構は、下側カム円筒体39dに形成されたカム溝83b(図6参照)や、当該カム溝83bにはめ込まれたカムブロック83a、当該カムブロック83aの昇降をガイドするリニアガイド22やベースプレート67などを備えているが、これについては後に詳説する。
また、互いに対向する吸引竿は、被嵌処理の状況(より正確には、回転移動する被嵌ヘッド6の到達位置)に応じて、竿駆動機構により近接または離間させられる。竿駆動機構は、各吸引竿60を回転自在に支持する支持アーム58a,58bや、上側カム円筒体39uに形成されたカム溝81b(図6参照)、当該カム溝81bはめ込まれたカムブロック81a、当該カムブロック81aの昇降動作を回転運動に変換して支持アーム58a,58bに伝達する伝達部材群などから構成されている。ここで、上側カム円筒体39uは、複数の被嵌ヘッド6で共有して用いられている。そして、この上側カム円筒体39uを下側カム円筒体39dに対して相対的に昇降させることで、各吸引竿60の近接・離間態様を複数の被嵌ヘッド6で一括して変更することができるが、これについても後に詳説する。
以上がオープナー機構50の概略的全体構成である。以下、オープナー機構50の各部について詳説する。
はじめに吸引竿について図7、図8を参照して詳説する。図8は、吸引竿の正面図および断面図である。なお、図8において、丸印は、第一吸引竿60aにおける吸引孔62aの配設例を、ひし形印は、当該第一吸引竿60aに対向する第二吸引竿60bにおける吸引孔62bの配設例を示している。
既述した通り、四本の吸引竿60は、ラベルLの一面または他面を吸引保持する長尺部材である。この四本の吸引竿60は、いずれも、ほぼ同様の構成となっている。すなわち、各吸引竿60は、断面略正方形の中空パイプであるアウターパイプ64と、当該アウターパイプ64内に挿嵌されたインナーパイプ61と、を備えている。
インナーパイプ61は、図示しない吸引ポンプに連通された有底中空のパイプである。このインナーパイプ61のうち、他の吸引竿60との対向部分には、長軸方向に延びるスリット61aが形成されている。アウターパイプ64に形成された吸引孔62は、このスリット61aを介して、インナーパイプ61の中空部分、ひいては、吸引ポンプに連通される。
アウターパイプ64は、その中央にインナーパイプ61の外径とほぼ同径の貫通穴が形成されており、当該貫通穴にインナーパイプ61が挿嵌されている。このアウターパイプ64のうち、少なくとも他の吸引竿60との対向面には、複数の吸引孔62が一列に並んで形成されている。ラベルLは、この複数の吸引孔62を介して吸引竿60に吸引保持されるようになっている。なお、以下では、この複数の吸引孔62の列を「吸引孔列」と呼ぶ。また、特に、第一吸引竿60aに形成された吸引孔列は「第一吸引孔列」と呼び、第二吸引竿60に形成された吸引孔列は「第二吸引孔列」と呼ぶ。
この吸引孔列は、対向する吸引竿60と近接対向した際に、当該対向する吸引竿60に形成された吸引孔列に対して、少なくとも一部が非平行となるように配設されている。より具体的には、本実施形態では、図8に示すように、第一吸引竿60aには、下方に近づくほど右側から左側へと傾く線(図8における二点鎖線)上に複数の吸引孔62aを配設し、当該第一吸引竿60aに対向する第二吸引竿60bには、下方に近づくほど左側から右側へと傾く線(図8における破線)上に複数の吸引孔62bを配設している。別の言い方をすれば、第一吸引竿60aに形成された吸引孔62aを上から順に結んだ線と、当該第一吸引竿60aに対向する第二吸引竿60bに形成された吸引孔62bを上から順に結んだ線とが、略X状に交差するように各吸引竿60の吸引孔62を形成している。また、本実施形態では、第一吸引竿60aの吸引孔62aと第二吸引竿60bの吸引孔62bとが、ラベル幅方向だけでなく、ラベル高さ方向においてもズレるように、各吸引孔62を形成している。
また、本実施形態のアウターパイプ64は、上から順に、第一パイプ64k、第二パイプ64m、第三パイプ64nに分割されている。このうち、第一パイプ64kは、三つの側面に、第二パイプ64mは、四つの側面に吸引孔列が形成されている。第一パイプ64kの三つの側面に形成された吸引孔列は、互いに、その列の長さが異なっており、第二パイプ64mの四つの側面に形成された吸引孔列も、互いに、その列の長さが異なっている。そして、第一パイプ64kおよび第二パイプ64mは、互いに独立して長軸方向に回転可能であり、対向する吸引竿60との対向面、ひいては、インナーパイプ61の中空部分および吸引ポンプに連通される吸引孔列が切り替えられるようになっている。換言すれば、本実施形態においては、ラベル吸引に寄与する吸引孔列の長さを選択的に切り替えられるようになっている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、上下に並んだ複数の吸引孔列でラベルLを吸引保持する。換言すれば、本実施形態では、列状に並んだ吸引孔62により、ラベルを略線状に保持しているといえる。これにより、より安定してラベルを保持することができる。これについて、従来技術と比較して説明する。
図19は、特許文献3などに開示されている従来のラベルオープナー90の正面図であり、図20は、ラベルオープナー90の概略上面図である。この図19に示すように、従来のラベルオープナー90の多くは、ラベルLを吸引挟持する把持アーム94の対がラベル高さ方向に複数並んでいた。この把持アーム94の対は、互いに開閉自在となっている。
このラベルオープナー90において、把持アーム94の複数対のうち、ラベル吸引に寄与する把持アーム94の対は、実際に開口するラベルLの高さ方向長さに応じて、適宜、切替可能となっており、ラベルの高さ方向長さが異なっても当該ラベルの上端近傍および下端近傍は、吸引把持できるようになっている。つまり、この従来技術によれば、ラベルの一面の上端近傍、一面の下端近傍、他面の上端近傍、他面の下端近傍の合計四箇所が吸引把持されることになる。
また、特許文献4などに開示されている別の従来技術のラベルオープナーでは、ラベルの両面を吸着保持可能であるとともに拡縮自在の吸着体の対を、ラベルの幅方向に二対設けている。したがって、このラベルオープナーでは、幅方向に間隔を開けた四箇所においてラベルが吸着保持されることになる。
つまり、従来のラベルオープナーにおいては、ラベルの吸着箇所の個数が限られていた。そのため、十分な吸着力を確保するために、吸着孔が大径となりがちであった。ここで、吸着孔が大径の場合、ラベルの一部が吸着孔の中に吸い込まれてしまい、開口形状が不安定になったり、孔とラベルの間に隙間(リーク)ができて、十分な吸引力が得られなかったりという問題を招く場合があった。また、ラベルオープナーで開口する際に、吸着していない部分がラベル内側の真空の影響により開き辛くなるという問題を招く場合もあった。かかる問題は、ラベルの肉厚が薄く、コシのない薄肉ラベルにおいて特に顕著に発生していた。
一方、本実施形態では、既述した通り、上下方向に並んだ複数の吸引孔62でラベルLを吸引保持している。複数の吸引孔62でラベルLを吸引保持する関係上、一つ一つの吸引孔62を小さくしても、十分な保持力を得ることができる。その結果、吸引孔62へのラベルLの吸い込みを効果的に防止することができる。また、ラベルLの幅方向両端を複数の吸引孔62により略線状に吸引しているため、吸着していない部分がラベル内側の真空の影響により開き辛くなるという問題も効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、互いに対向する吸引竿60に形成された吸引孔62の位置を微妙にずらしている。出願人の実験によれば、かかる構成とすることにより、折り畳まれたラベルLを構成する重なった二枚のフィルムがより離れやすくなり、より的確にシート状のラベルLを開口することができる。
かかる効果を発揮する正確な理由は不明であるが、吸引孔62の位置をわずかにズラすことにより、フィルムに面方向の力が作用するためではないかと考えられる。これについて、図9a、図9bを参照して説明する。図9a、図9bは、シート状のラベルLの両面を吸引して開口する際の様子を示すイメージ図で、上段は、対向する吸引孔62の位置がほぼ等しい場合を、下段は、対向する吸引孔62の位置がズレている場合を示している。
既述した通り、ラベルLの開口前、当該ラベルLは、折り畳まれてシート状となっている。このとき、ラベルLを構成するフィルムが、二枚、重なって密着した状態となっている。図9aに示すように、この二枚のフィルムのほぼ等しい位置を吸引しつつ吸引竿60a,60bを離間させようとした場合、各フィルムには、当該フィルムの表面に直交する方向の力しか作用しないことになる。この場合、両フィルムに作用する力が均衡してしまい、両フィルムが離れにくくなると推測される。
一方、図9bに示すように、両フィルムを吸引する吸引孔62の位置がズレている場合、各フィルムは、接触する吸引孔62によりフィルム表面に直交する方向に引っ張られると同時に、わずかに位置がずれた反対側の吸引孔62にも引っ張られる。換言すれば、ラベルLを構成するフィルムには、当該フィルム面方向の力も発生することになる。この面方向の力が作用することにより、フィルムが横方向にもわずかに動き、力の均衡状態が崩れ、両フィルムが離れやすくなると推測される。
つまり、本実施形態のように、対向する吸引竿60に形成された吸引孔62の位置を互いにズラすことにより、より的確にシート状のラベルLを開口することができる。なお、本実施形態では、第一吸引孔列と第二吸引孔列とが略X状になるようにしているが、第一吸引孔列と第二吸引孔列とが少なくとも一部において非平行となるのであれば、他の配列態様でもよい。
図10は、吸引孔列の配列態様の一例を示す図である。図10において、二点鎖線は、第一吸引竿60aに形成された吸引孔62aを上から順に結んだ線(第一孔列線)を、鎖線は、第二吸引竿60bに形成された吸引孔62bを上から順に結んだ線(第二孔列線)を示している。
上述の例では、第一孔列線および第二孔列線を互いに交差した直線となるように吸引孔62を配設していたが、図10aに示すように第一孔列線が略「>」字状に、第二孔列線が第一孔列線に対して左右対称な略「<」字状になるように吸引孔62を配設してもよい。また、図10bに示すように、第一孔列線と第二孔列線とがジグザグに交差するように吸引孔62を配設してもよい。さらに、少なくとも一部が非平行であればよいため、図10cに示すように、第一孔列線と第二孔列線とが略Y字状になるように吸引孔62を配設してもよい。また、上述の例では、ラベル高さ方向に関しても吸引孔62の位置をズラしていたが、必ずしもズラさなくてもよい。ただし、安定してラベルを開口するためには、第一孔列線と第二孔列線とが互いに左右対称となるように吸引孔62を配設することが望ましい。
ところで、周知のとおり、現在、取り扱われているラベルLの高さ方向長さは、均一ではなく、対応する商品種類に応じて、様々な長さのラベルLが知られている。こうしたラベルLの高さ方向長さの違いに応じて、吸引に寄与する吸引孔列の長さも切り替える必要がある。これは、ラベルLの保持不良や吸引時のリークを防止するためである。すなわち、ラベルL2の高さ方向長さが長いにもかかわらず、吸引に寄与する吸引孔列が短い場合には、図11hに示すように、ラベルL2の上側または下側が吸引保持されず、その一部が垂れたり、開口できなかったりする。逆に、ラベルL1の高さ方向長さが短いにもかかわらず、吸引に寄与する吸引孔列が長い場合には、図11aの上段左端に示すように、吸引孔62の一部がラベルL1で覆われることなく露出したリーク状態となり、十分な吸引力を確保できないという問題が生じる。
そこで、本実施形態では、各吸引竿60の二以上の側面に、互いに列の長さが異なる吸引孔列を形成し、当該吸引竿60を長軸回りに回転させて対向面を切り替えることで、ラベルの吸引に寄与する吸引孔列が切り替えられるようにしている。かかる構成とすることで、高さ方向長さが異なるラベルLにも対応することができる。また、各吸引竿60を、高さ方向に複数(本実施形態では三つ)に分割し、分割部位ごとに長軸回りに回転可能としている。かかる構成とすることにより、吸引に寄与する吸引孔列の総長さをより多段階に変更することができ、より多用なラベルに対応することができる。
図11a〜図11hは、本実施形態において吸引に寄与する吸引孔列の長さを変更する様子を示す図である。本実施形態において、第一パイプ64kを長軸回りに回転させていくと、図11a〜図11dに示すように、その吸引孔列の上端高さが徐々に低くなっていく。また、第二パイプ64mも同様で、当該第二パイプ64mを長軸回りに回転させていくと、図11e〜図11hに示すように、その吸引孔列の上端高さが徐々に低くなっていく。そして、取り扱うラベルの高さ方向長さに応じて、第一パイプおよび第二パイプの対向面の組み合わせを適宜、切り替えることで、より様々なラベルLを安定して保持・開口することができる。また、アウターパイプ64というユーザが視認可能なパイプの回転により、吸引孔列の長さを変更している。かかる構成とすることで、吸引孔列の長さの選択間違いを効果的に防止することができる。
なお、本実施形態では、アウターパイプ64を、断面略正方形としているが、断面形状をより面の多い多角形(例えば、五角形や六角形)とし、吸引に寄与する吸引孔列の総長さをより多段階に変更するようにしてもよい。また、本実施形態では、第三パイプ64nは、非回転としているが、当該第三パイプも回転可能に構成するとともに、各側面に長さの異なる吸引孔列を形成してもよい。
次に、竿昇降機構について図7を参照して説明する。既述したとおり、竿昇降機構は、被嵌処理の状況に応じて、四本の吸引竿60を昇降させる機構である。この竿昇降機構は、テイクアップ昇降機構とほぼ同じ構成となっている。すなわち、竿昇降機構は、下側カム円筒体39bに形成されたカム溝83b(図6参照)や、当該カム溝83bに嵌め込まれたカムブロック83a、昇降動作をガイドするリニアガイド22およびベースプレート67、ベースプレート67と四本の吸引竿60とを連結する連結プレート69などを備えている。下側カム円筒体39bは、回転軸O1と同心円状に設けられた略円筒形部材で、その表面には、四本の吸引竿60の昇降態様を規定するカム溝83bが形成されている。カムブロック83aは、このカム溝83bにはめ込まれたブロック体で、被嵌ヘッド6(ひいてはオープナー機構50)が円状の搬送経路に沿って移動するに伴い、カム溝83bに沿って昇降する。このカムブロック83aの昇降動作は、ベースプレート67および連結プレート69を介して四本の吸引竿60に伝達される。
次に、竿駆動機構について、図7、図12、図13を参照して説明する。図12は、図7におけるX−X断面図であり、図13は、図7におけるY−Y断面図である。既述したとおり、竿駆動機構は、被嵌処理の状況に応じて、互いに対向する吸引竿60を近接または離間させる機構である。この竿駆動機構は、さらに、第一吸引竿60aを移動させる第一竿駆動機構と、第二吸引竿60bを移動させる第二竿駆動機構と、大別される。この第一竿駆動機構および第二竿駆動機構は、基本的に同じ構成であるため、以下では、第一竿駆動機構の構成のみを説明する。第一竿駆動機構は、支持アーム58aや、上側カム円筒体39u、カムブロック81a、伝達部材群などを備えている。上側カム円筒体39uは、回転軸O1と同心円状に設けられた略円筒形部材で、その表面には、第一吸引竿60aの移動態様を規定するカム溝81b(図6参照)が形成されている。カムブロック81aは、このカム溝81bにはめ込まれたブロック体で、被嵌ヘッド6(ひいてはオープナー機構50)が円状の搬送経路に沿って移動するに伴い、カム溝81bに沿って昇降する。このカムブロック81aの昇降動作は、伝達部材群により、回転運動に変換されたうえで、第一吸引竿60aを保持する支持アーム58aに伝達される。この伝達部材群は、まず、カムブロック81aの昇降動作を、カム板77、カムフォロア76、コイルスプリング80により水平面内の進退動作に変換して、ラック70に伝達する。カム板77は、カムブロック81aに連結された板材で、下端に近づくほど幅細になる略三角形状となっている。カムフォロア76は、このカム板77の側端面に当接するとともに、ラック70に固着された部材である。カム板77が下降して、カムフォロア76が、図13における図面左方向に押されることにより、ラック70も図面左方向に移動する。また、このラック70には、当該ラック70を図13における図面右方向に付勢するコイルスプリング80が連結されており、カム板77が上昇した場合には、ラック70が図面右方向に戻るようになっている。
このラック70の進退動作は、さらに、四つのピニオン71,73,75,59および連結軸72,74を介して二つの支持アーム58aに回転動作として伝達される。すなわち、ラック70には、第一ピニオン71、第二ピニオン73が歯合している。このうち、第一ピニオン71の回転は、連結軸72を介して一つの図面左側の支持アーム58aに伝達される。一方、第二ピニオン73の回転は、回転軸74を介して第三ピニオン75に伝達される。第三ピニオン75に伝達された回転は、当該第三ピニオン75と歯合する第四ピニオン59により逆周りの回転に変換され、図面右側の支持アーム58aに伝達される。そして、かかる構成とすることで、カム板77が下降してラック70が図13左方向に移動することにより、第一吸引竿60aが第二吸引竿60bから離間する方向に移動し、カム板77が上昇してラック70が図13右方向に移動することにより、第一吸引竿60aが第二吸引竿60bに近接する方向に移動することになる。
ここで、これまでの説明で明らかなとおり、本実施形態では、カム板77とカムフォロア76との当接関係を変更することで、吸引竿60の移動量が変化する。そして、カム板77とカムフォロア76との当接関係は、上側カム円筒体39u(ひいてはカム溝81b)の下側カム円筒体39dに対する相対高さに応じて変化させることが出来るようになっている。換言すれば、本実施形態においては、上側カム円筒体39u、ひいては、カム溝81bを、下側カム円筒体39dに対して相対的に昇降させるだけで、吸引竿60の移動量を変更できるようになっている。
これについて、図21を参照して説明する。図21は、カム板77とカムフォロア76との当接関係を示す図である。既述したとおり、カム板77は、先端に近づくほど幅細となる略三角形状である。ただし、より正確には、図21に示すように、先端に近づくほど幅細となる略三角形状の傾斜部77aの先端に、幅一定のストレート部77bが接続したような形状となっている。
このストレート部77bにカムフォロア76が当接している間、吸引竿60は、対向する吸引竿60に近接した閉じた状態となる。一方、カム板77の下降に伴い、カムフォロア76が傾斜部77aに当接して、図面左側に移動すると、吸引竿60は、対向する吸引竿60から離間方向に移動し、開いた状態となる。
ここで、カムフォロア76に対するカム板77の初期高さ(ひいては下側カム円筒体39dに対する上側カム円筒体39uの初期高さ)の違いが、カムフォロア76の移動量、ひいては、吸引竿60の移動量に与える影響を説明する。図21に示すように、カム板77の初期高さが低い場合(図面左側の場合)、カム板77の下降に伴い、カムフォロア76は、早々に傾斜部77aに当接することになる。その結果、カム板77の初期高さが低い場合、カム板77の下降量が同じであっても、カムフォロア76の左方向への移動量、ひいては、吸引竿60の移動量が大きくなる。一方、カム板77の初期高さが高い場合(図面右側の場合)、カムフォロア76は、傾斜部77aと当接する範囲が少なくなる。その結果、カム板77の初期高さが高い場合、カム板77の下降量が同じであっても、カムフォロア76の左方向への移動量、ひいては、吸引竿60の移動量が小さくなる。
つまり、本実施形態では、カム板77の初期高さを変更することにより、吸引竿60の移動量(開口量)を変更することができる。なお、カム板77の初期高さは、上側カム円筒体39uを下側カム円筒体39dに対して昇降させることで変更できる。ここで、上側カム円筒体39uは、複数の被嵌ヘッド6で共用されているため、一つの上側カム円筒体39uを昇降するだけで、複数の被嵌ヘッド6における吸引竿60の移動量を一括で変更できることになる。そのため、取り扱うラベルLの径(幅方向長さ)が異なったとしても、簡易に対応できる。
すなわち、周知のとおり、現在、取り扱われているラベルLの径は、均一ではなく、対応する商品種類に応じて、様々な径のラベルLが知られている。ラベルLを適切に開口するためには、このラベルLの径に応じて、吸引竿60の移動量を可変する必要がある。例えば、図14aに示すようにやや小径のラベルLを開口する場合には、吸引竿60の移動量(支持アーム58a,58bの回動量)もやや小さくする必要がある。一方、図14bに示すように、やや大径のラベルLを開口する場合には、吸引竿60の移動量(支持アーム58a,58bの回動量)もやや大きくする必要がある。上側カム円筒体39uの昇降により吸引竿60の移動量を可変できる本実施形態であれば、こうしたラベルLの径の変更にも簡易に対応することができる。なお、当然ながら、吸引竿60の移動量は、上側カム円筒体39uの相対高さではなく、既述のピニオン71,73,75,59やラック70の歯数を変えても変更できる。ただし、上側カム円筒体39uと異なり、ピニオン71,73,75,59やラック70は、各被嵌ヘッド6ごとに設けられている。そのため、吸引竿60の移動量を変更するために、全ての被嵌ヘッド6に関して部品交換をする必要があり、手間であるといえる。一方、本実施形態のように、複数の被嵌ヘッド6で共用されている上側カム円筒体39uを下側カム円筒体39dに対して昇降させる形式とすれば、こうした部品交換の手間を大幅に低減できる。
なお、上側カム円筒体39uを下側カム円筒体39dに対して昇降させる機構について、図22を参照して簡単に説明する。図22に示すように、上側カム円筒体39uおよび下側カム円筒体39dは、いずれも、支持体84により支持されている。この支持体84が昇降することで、上側カム円筒体39uおよび下側カム円筒体39dが連動して昇降する。この支持体84は、モータ(図示せず)の駆動に応じてベルト86が循環移動することで、昇降する。すなわち、ベルト86の循環移動に伴い、当該ベルト86が掛け渡されたスクリュー87aが回転する。このスクリュー87aは、フレームに固着されたナット87bに螺合されており、回転に伴い、昇降する。そして、スクリュー87aが昇降することにより、支持体84が昇降する。このように、上側カム円筒体39uおよび下側カム円筒体39dを連動して昇降させることにより、取り扱う被嵌体Bの高さやラベル装着高さを多様に変更することができる。
また、上側カム円筒体39uは、昇降体85を介して支持体84に連結されており、この昇降体85を支持体84に対して昇降させることで、上側カム円筒体39uを下側カム円筒体39dに対して相対的に昇降させることが出来るようになっている。この昇降体85は、モータ(図示せず)の駆動に応じてベルト88が循環移動することにより昇降するようになっている。すなわち、ベルト88の循環移動に伴い、当該ベルト88が掛け渡されたスクリュー85aが回転する。このスクリュー85aは、支持体84に固着されたナット85bに螺合されており、回転に伴い、昇降する。そして、スクリュー85aが昇降することにより、上側カム円筒体39uが、上側カム円筒体39dに対して昇降し、結果として、吸引竿60の移動量が変更される。つまり、このモータを駆動することで、吸引竿60の移動量を簡易に変更できるようになっている。なお、ここで説明した昇降機構は一例であり、上側カム円筒体39uを下側カム円筒体39dに対して相対的に昇降させることが出来るのであれば、他の構成でもよい。
[ラベル被嵌処理の流れ]
最後に、図15、図16を参照して、ラベル被嵌処理の流れについて説明する。図15、図16は、各位置S1〜S8(図2参照)での被嵌ヘッド6の状態を示す図である。また、上段には、各位置における吸引竿60の概略上面図を示している。
図15aに示すように、被嵌ヘッド6がラベル供給位置S1に到達した場合、テイクアップ部材43は、下側フィードベルト16cとすれ違える高さまで上昇するとともに、吸引動作を開始し、当該フィードベルト16cからシート状に折り畳まれたラベルLを吸引保持する。そして、その状態で、紙面垂直方向に移動することで、下側フィードベルト16cからラベルLを引き剥がして受け取る。一方、第一吸引竿60aおよび第二吸引竿60bは、被嵌体Bよりも上側位置において、近接対向した状態で、それ以前にテイクアップ部材43から受け渡された別のラベルLを両面から吸引保持している。
その後、図15bに示すように、第一吸引竿60aおよび第二吸引竿60bは、ラベルLの両面を吸引保持したまま、互いに離間する方向に移動していき、シート状に折り畳まれたラベルLを筒状に開いていく。
そして、完全にラベルLが開口できれば、図15cに示すように、四本の吸引竿60は、載置台31に載置された被嵌体Bに向かって下降していく。そして、最終的に、ラベルLを、被嵌完了と見なし得る被嵌高さまで運ぶ。この下降により、当該四本の吸引竿60により吸引保持された筒状ラベルは、被嵌体Bの外周囲に配置された被嵌状態となる。
このように、四本の吸引竿60でラベルLを保持したまま、当該ラベルLを被嵌高さまで運ぶことにより、薄肉のラベルLであっても、適切に被嵌処理を行うことができる。すなわち、従来のラベル被嵌装置の多くは、オープナーやマンドレル等で、ラベルを被嵌体の途中まで降ろし、その後は、当該ラベルの上端を何らかの押圧部材で押圧して被嵌高さまで押し下げる構成となっていた。しかし、ラベルが薄肉でコシが乏しい場合に、こうした押し下げ方式を採用すると、押し下げの際にラベルが屈曲してしまい、適切にラベル被嵌ができないという問題があった。一方、本実施形態では、既述したとおり、四本の吸引竿60でラベルLを保持したまま、ラベルを規定の被嵌高さまで運ぶため、ラベルが薄肉であっても屈曲等の問題が生じにくい。そのため、薄肉のラベルLであっても、適切に被嵌処理を行うことができる。
ただし、この場合、下降してくる吸引竿60との干渉を避けるために、載置台31の上面に被嵌体Bを収容する凹部などを設けることは出来ず、被嵌体Bの位置ズレが生じやすいという問題がある。そこで、本実施形態では、この吸引竿60の下降時に、テイクアップ部材43、ひいては、当該テイクアップ部材43に連結された頭部押さえ部材47も下降させている。そして、この下降により、頭部押さえ部材47が、被嵌体Bの頭部に当接し、被嵌体Bが載置台31に押さえつけられる。これにより、被嵌体Bの位置ズレや落下等が効果的に防止される。
ラベルLが被嵌できれば、吸引竿60は、吸引動作を停止し、ラベルLの保持を解除する。そして、図16aに示すように、四本の吸引竿60は、対向する吸引竿が互いに離間した状態のまま、被嵌体Bより上側であって、テイクアップ部材43とほぼ同じ高さまで上昇する。
その後、図16bに示すように、第一吸引竿60aのみが近接方向に移動し、テイクアップ部材43により吸引保持されているシート状のラベルLに近接する。そして、その状態で第一吸引竿60aによる吸引動作を開始し、シート状のラベルLの一面を吸引する。
第一吸引竿60aによりラベルLが吸引保持されれば、テイクアップ部材43は、ラベルLの吸引保持を解除したうえで、図16cに示すように、当該吸引竿60よりも上側へと上昇する。
このテイクアップ部材43の上昇に伴い、被嵌体Bの頭部を押さえていた頭部押さえ部材47も上昇する。このとき、被嵌ヘッド6および載置台31は、被嵌体搬出位置S6まで到達しているため、ラベル被嵌された被嵌体Bは、被嵌体搬出装置5に搬出される。その後、被嵌ヘッド6および載置台31が被嵌体供給位置S7まで到達すると、ラベル被嵌前の新たな被嵌体Bが供給され、載置台31に載置される。
一方、このとき、第二吸引竿60bは、近接方向に移動するとともに、吸引動作を開始し、ラベルLの他面を吸引保持する。その後は、再び、図15aの状態になり、以降、同様の手順が繰り返される。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態によれば、下側フィードベルト16cからテイクアップ部材43に、テイクアップ部材43からオープナー機構50にラベルLを受け渡す際に、当該ラベルLに対してラベル幅方向の動きが発生しない。その結果、オープナー機構50に対する、ラベルLの幅方向ズレが効果的に防止できる。
また、複数の吸引孔62が列状に形成された四本の吸引竿60で、ラベルLを線状に吸引保持することで、ラベルLを安定して開口することができる。また、この吸引孔62の位置を、対向する吸引竿60間で僅かにずらすことで、折り重なった二枚のフィルムを、より的確に引き離すことができ、より安定してラベルLを開口することができる。なお、上述した構成は、一例であり、被嵌ヘッドに組み込まれたテイクアップ部材が、ラベル供給位置の通過時に、ラベル供給機構が保持するラベルを吸引するとともに搬送経路進行方向に移動することでラベルをラベル供給ユニットから離間させて受け取るのであれば、その他の構成は適宜、変更されてもよい。
1 ラベル被嵌システム、2 被嵌体供給装置、3 ラベル供給ユニット、4 ラベル被嵌装置、5 被嵌体搬出装置、6 被嵌ヘッド、7 搬送ユニット、11 基材送出ローラ対、12 切断装置、13 上側送出機構、14 ガイド体、16 下側送出機構、18 ラベル検出センサ、22 リニアガイド、31 載置台、39b 下側カム円筒体、39u 上側カム円筒体、40 テイクアップ機構、43 テイクアップ部材、44a 吸引孔、47 頭部押さえ部材、50 オープナー機構、58a,58b 支持アーム、60a 第一吸引竿(第一吸引部材)、60b 第二吸引竿(第二吸引部材)、61 インナーパイプ、62 吸引孔、64 アウターパイプ、B 被嵌体、L ラベル、M ラベル基材。

Claims (6)

  1. シート状に折り畳まれた筒状のラベルを開いたうえで柱状の被嵌体に被嵌するラベル被嵌装置であって、
    前記被嵌体を載置した状態で規定の搬送経路に沿って移動することで当該被嵌体を搬送する複数の載置台と、
    各載置台ごとに一つずつ設けられ、当該載置台と連動して搬送経路に沿って移動し、シート状に折り畳まれた前記ラベルを開いて前記載置台に載置された被嵌体に被嵌する被嵌ヘッドと、
    長尺のラベル基材を順次切断してラベルを形成するとともに、当該ラベル基材および形成されたラベルを下方に順次送出して、前記搬送経路の真上に位置するラベル供給位置において被嵌ヘッドにラベルを受け渡すラベルユニットと、
    を備え、各被嵌ヘッドは、
    前記載置台の真上に設けられ、前記ラベル供給位置の通過時に、前記ラベル供給ユニットが保持するラベルを吸引するとともに前記被嵌ヘッドの移動に伴って前記搬送経路進行方向に移動することで前記ラベルを前記ラベル供給ユニットから離間させて受け取るテイクアップ部材と、
    前記載置台の真上に設けられ、前記載置台に載置された被嵌体より上位置に上昇して前記テイクアップ部材からラベルを受け取った後当該ラベルを開口して、当該載置台に載置された被嵌体に当該ラベルを被嵌するオープナー機構と、
    を備えることを特徴とする被嵌装置。
  2. 請求項1に記載の被嵌装置であって、
    前記テイクアップ部材は、前記ラベル基材または前記ラベルの幅方向中心を対称軸として左右対称な形状を有する、ことを特徴とする被嵌装置。
  3. 請求項1に記載の被嵌装置であって、さらに、
    前記テイクアップ部材に固着され、下方に突出する頭部押さえ部材を備え、
    前記テイクアップ部材は、前記オープナー機構によって前記被嵌体にラベルが被嵌される際に、前記頭部押さえ部材が前記被嵌体の頭部に当接して当該被嵌体を載置台に押し付けるべく下降する、
    ことを特徴とする被嵌装置。
  4. 請求項1に記載の被嵌装置であって、
    前記オープナー機構は、前記ラベルの一面を吸引保持する第一吸引部材を有し、
    前記第一吸引部材で前記テイクアップ部材により吸引保持されたラベルの一面を吸引した後に、前記テイクアップ部材によるラベルの吸引を解除することで、前記ラベルが前記テイクアップ部材から前記オープナー機構に受け渡される、
    ことを特徴とする被嵌装置。
  5. 請求項4に記載の被嵌装置であって、
    前記オープナー機構は、さらに、
    前記ラベルを挟んで前記第一吸引部材と対向して設けられ、前記ラベルの他面を吸引保持する第二吸引部材と、
    前記第一吸引部材および第二吸引部材を近接方向に移動させて折り畳まれたラベルを挟持させた後、前記第一吸引部材および第二吸引部材を離間方向に移動させて折り畳まれたラベルを開かせる駆動機構と、
    を備えることを特徴とする被嵌装置。
  6. 請求項5に記載の被嵌装置であって、
    前記ラベル被嵌時、前記第一吸引部材および第二吸引部材は、前記ラベルを吸引保持した状態で、前記ラベルが予め規定された被嵌高さに到達するまで下降する、ことを特徴とする被嵌装置。
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