JP5423559B2 - 車体への部材搭載構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体に対し、たとえばインバータ等の被搭載部材を搭載するための車体への部材搭載構造に関する。
車体に対しインバータを搭載するための構造として、たとえば特許文献1には、載置台にインバータを固定し、車両の前方側からの衝撃を受けると連結部材と案内部材との連結固定状態か解除されてインバータが車両後方側に退避可能とすることで、インバータの損傷を抑制した車両搭載機器の固定構造が記載されている。
このように、被搭載部材の種類によっては、外力が作用した場合に、より確実に車体から離脱させて退避可能とすることが望まれる。
特開2009−090818号公報
本発明は上記事実を考慮し、被搭載機器に外力が作用した場合に、より確実に車体から離脱させて退避させることが可能な車体への部材搭載構造を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、車体に固定され、被搭載部材の載置用とされる載置台と、
前記載置台に車両前後方向の後方側で取り付けられ、前記被搭載部材が後側固定位置において固定される後側ブラケットと、前記載置台に車両前後方向の前方側で取り付けられ、前記被搭載部材が前側固定位置において固定されると共に、車両幅方向に延在される単一の前側ブラケットと、前記後側ブラケットに設けられ、車両斜め前方を含む車両前方側からの外力により前記載置台から前記後側ブラケットを離脱させる後側離脱手段と、前記前側ブラケットにおいて車幅方向に離間した複数箇所に設けられ、車両斜め前方を含む車両前方側からの外力により前記載置台から前記前側ブラケットを離脱させる前側離脱手段と、を有する。
この車体への部材搭載構造(以下、単に「部材搭載構造」という)では、車体に固定された載置台に対し、前側ブラケット及び後側ブラケットが取り付けられており、さらに、前側ブラケット及び後側ブラケットに、被搭載部材がそれぞれ前側固定位置及び後側固定位置で移動不能に固定されている。すなわち、被搭載部材は、前側ブラケット及び後側ブラケットを介して載置台に載置されることで、車体に搭載される。
後側ブラケットには、車両前方側(斜め前方を含む)からの外力により、載置台から後側ブラケットを離脱させる後側離脱手段が設けられているため、外力作用時には後側ブラケットが載置台から離脱される。
また、前側ブラケットには、車両前方側(斜め前方を含む)からの外力により、載置台から前側ブラケットを離脱させる前側離脱手段が設けられており、しかも、前側離脱手段は、車幅方向に離間した複数箇所に設けられている。換言すれば、車幅方向に離間した複数の前側離脱手段が、単一の(左右で一体化された)前側ブラケットに設けられていることになる。したがって、前側ブラケットが複数備えられ、これら複数の前側ブラケットのそれぞれに前側離脱手段が設けられた構成と比較して、車両前方側からの外力作用時の前側ブラケットの回転を抑制することができる。すなわち、本発明における前側ブラケットは、全体として車両後方側へと移動しようとするので、より確実に載置台から離脱する。これにより、被搭載機器もより確実に車体から離脱されるようになり、被搭載機器を車両後方側へ退避させることが可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記前側固定位置が前記前側ブラケットにおいて前記車幅方向に離間した少なくとも2箇所に設定され、前記前側離脱手段が、前記車幅方向で最も離間した前記前側固定位置の間の位置に設定されている。
被搭載部材に斜め前方から外力が作用した場合の前側ブラケットの回転は、前側ブラケットの車幅方向の端部側(前側固定位置あるいはその近傍)を回転中心として発生することが多い。前側離脱手段を最も離間した前側固定位置の間に設定することで、前側離脱手段をこれらの前側固定位置よりも車幅方向外側に設定した構造と比較して、前側離脱手段がブラケットの上記回転中心から離れた位置となるので、車両後方側への移動量が多くなり、ブラケットを載置台から離脱させやすくなる。
なお、前側固定位置は3箇所以上に設定されていてもよい。3箇所以上の前側固定位置が設定された構造では、車幅方向に最も離間した2箇所の前側固定位置の間に前側離脱手段が位置していればよい。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記前側固定位置が、前記車幅方向で前記被搭載部材の幅の範囲内に設定されている。
すなわち、前側固定位置を、前記車幅方向で前記被搭載部材の幅の範囲内に設定することで、前側ブラケットとして車幅方向の大型化を抑制できる。そして、この構成においても、車幅方向に離間した複数の前側離脱手段が単一の前側ブラケットに設けられているので、上記した外力作用時に、より確実に載置台から離脱させることが可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記前側ブラケット及び前記後側ブラケットの少なくとも一方と前記被搭載部材との前記固定位置に設けられ、これらブラケットと被搭載部材とが相対変位すると弾性変形する弾性部材、を有する。
前側ブラケット又は後側ブラケットと被搭載部材とが相対変位すると、弾性部材が弾性変形して、この相対変位の一部を吸収するので、相対変位に伴う振動や異音の発生を抑制できる。
そして、このように弾性部材が前側ブラケット又は後側ブラケットと被搭載部材との固定位置に設けられた構造においても、前側ブラケットにおいては、車幅方向に離間した複数の前側離脱手段が設けられているので、車両前方側からの外力作用時の前側ブラケットの回転(固定位置を中心とした回転)を抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記後側ブラケットにおける外面の車両後方を向く後ろ向き部が平坦状とされている。
ここでいう「平坦状」とは、後ろ向き部に局所的な凹部や凸部が存在していないことをいう。したがって、後ろ向き部が完全に平面とされている構造を含むのはもちろんであるが、後ろ向き部が全体として屈曲あるいは湾曲されていても、凹部や凸部がなければよい。
このように、後側ブラケットの後ろ向き部を平坦状とすることで、被搭載部材が後側ブラケットと共に車両後方側へ移動するとき、後側ブラケットへの他部材の不用意な巻き込みや引っ掛かりを抑制でき、被搭載部材の車両後方側への移動を妨げないようにすることが可能となる。
本発明は上記構成としたので、被搭載機器に外力が作用した場合に、より確実に車体から離脱させて退避させることが可能となる。
本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造を車体の一部として示す通常状態の斜視図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造を通常状態で示す平面図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造を通常状態で示す側面図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造を構成する後側ブラケットを拡大して示す斜視図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造を構成する後側ブラケットを拡大して示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造を構成する防振ゴムブッシュ及びその近傍を示す断面図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造をブラケットがインバータトレイから脱離した直後の状態として示す平面図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造をブラケットがインバータトレイから脱離した直後の状態として示す側面図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造をブラケットがインバータトレイから脱離して車両後方側へ移動した状態で示す平面図である。 本発明の一実施形態の車体への部材搭載構造をブラケットがインバータトレイから脱離して車両後方側へ移動した状態で示す側面図である。 比較例の車体への部材取付構造を概略的に示す平面図であり、(A)は通常状態、(B)はブラケットがインバータトレイから脱離する途中直後の状態、(C)は(B)よりもさらに時間が経過した状態である。
図1には、本発明の一実施形態の部材搭載構造12が車体14の一部として示されている。また、図2及び図3にも、部材搭載構造12が示されている。この部材搭載構造12は、たとえばハイブリッド車等において、インバータ30を車体14に搭載するために適用されるものである。各図面において、車体14の前方を矢印FRで、車体幅方向左側を矢印LHで、上方を矢印UPでそれぞれ示すこととする。
部材搭載構造12は、略板状に形成されたインバータトレイ20を有している。インバータトレイ20は、車両前後方向の略中央において屈曲されており、トレイ前部20Fとトレイ後部20Bとが構成されている。インバータトレイ20は、本発明に係る載置台の一例である。
トレイ前部20Fの下面からは、固定用脚部22が突設されると共に、インバータトレイ20には1又は複数箇所(図2では3箇所)の固定部24が設定されている。固定用脚部22はフロントサイドメンバ16に、固定部24は図示しないエンジンマウントに固定されるようになっており、これによって、インバータトレイ20が車体14に固定される。
トレイ前部20Fの前端近傍には前側ブラケット26が取り付けられており、トレイ後部20Bの略中央には、後側ブラケット28が取り付けられている。これらの前側ブラケット26及び後側ブラケット28上にインバータ30が固定される。
図1及び図2から分かるように、前側ブラケット26は、平面視にて車幅方向に延在する略長尺状に形成されている。前側ブラケット26には、車幅方向中央においてインバータトレイ20に近接配置される取付片部26Aと、車幅方向両端において、取付片部26Aよりもインバータトレイ20から離間した位置(上方)に配置される2つの固定片部26Cが形成されている。
固定片部26Cには円形のボルト孔32が形成されている。これに対し、インバータ30の前辺からは、固定片部26Cのそれぞれの上方に位置する2つの前側突出部34Fが突設されている。前側突出部34Fに形成された図示しないボルト孔と、固定片部26Cに形成されたボルト孔32とに前側固定ボルト36が挿通され、この前側固定ボルト36にナット(図示省略)が螺合されている。これにより、インバータ30はその前部において、車幅方向に所定距離だけ離間した2箇所で前側ブラケット26に対し移動不能に固定されていることになり、ボルト孔32の位置が、本発明における前側固定位置40Fとなっている。なお、本実施形態では、この前側固定位置40Fが2箇所設定されているが、3箇所以上でもよい。
図2から分かるように、前側固定位置40Fのそれぞれは、車幅方向においてインバータ30の幅よりも内側(インバータ30の幅の範囲内)に位置している。これにより、固定片部26Cが車幅方向でインバータ30から出っ張らなくなり、前側ブラケット26の小型化が図られている。
前側ブラケット26の取付片部26Aには、車幅方向に離間した2箇所に、取付孔48が形成されている。図7及び図9からも分かるように、取付孔48は、平面視にて車両前方側に開放された略U字状に形成されている。この取付孔48と、インバータトレイ20に形成されたボルト孔(図示省略)とに前側取付ボルト42が挿通され、さらに前側取付ボルト42にナット(図示省略)が螺合されて、前側ブラケット26がインバータトレイ20に取り付けられている。
ここで、たとえばインバータ30に、車両後方側への成分を有する所定以上の外力F1(図2及び図3参照)が作用した場合を考える。上記したように、取付孔48は車両前方側に開放されているので、インバータ30にこのような外力F1が作用すると、取付孔48が前側取付ボルト42から外れる。すなわち、取付孔48は、本発明における前側離脱手段46Fを構成している。
そして、図2から分かるように、これら2つの前側離脱手段46Fが、2箇所の前側固定位置40Fの間に位置している。換言すれば、2つの前側離脱手段46Fが、2箇所の前側固定位置40Fよりも、車幅方向の内側に位置している。なお、前側固定位置40Fを3箇所以上設定した場合には、車幅方向で最も外側に位置する2箇所の前側固定位置40Fの間に前側離脱手段46Fが位置している構造とされる。
図4及び図5に詳細に示すように、後側ブラケット28は、インバータトレイ20(トレイ後部20B)に接触配置又は対向配置される下プレート50と、この下プレート50の上方に配置されて、スポット溶接等により下プレート50に一体化される上プレート52と、を有している。上プレート52の車幅方向中央には、上方へと部分的に屈曲された固定片部28Cが形成されている。また、固定片部28Cの車幅方向両側の部分では、上プレート52と下プレート50とが接触されてスポット溶接等により接合されており、2つの取付片部28Aが構成されている。
固定片部28Cには円形のボルト孔54が形成されている。これに対し、インバータ30の後辺からは、固定片部28Cの上方に位置する後側突出部34Rが突設されている。図2及び図3に示すように、後側突出部34Rに形成された図示しないボルト孔と、固定片部28Cに形成されたボルト孔54とに後側固定ボルト44が挿通され、この後側固定ボルト44にナット60(図6参照)が螺合されている。これにより、インバータ30はその後部において、後側ブラケット28に対し移動不能に固定されていることになる。ボルト孔54の位置は、本発明における後側固定位置40Rとなっている。
後側ブラケット28の取付片部28Aのそれぞれには、取付孔56が形成されている。図7及び図9にも示すように、取付孔56も、前側ブラケット26の取付孔48と同様に車両前方側に開放された略U字状に形成されている。この取付孔56と、インバータトレイ20に形成されたボルト孔(図示省略)とに後側取付ボルト58が挿通され、さらに後側取付ボルト58にナット(図示省略)が螺合されて、後側ブラケット28がインバータトレイ20に取り付けられている。
ここで、たとえばインバータ30に、上記した外力F1(図2及び図3参照)が作用した場合を考えると、取付孔56は車両前方側に開放されているので、前側ブラケット26と同様に、取付孔56が後側取付ボルト58から外れる。すなわち、取付孔56は、本発明における後側離脱手段46Rを構成している。
そしてその結果、前側ブラケット26の取付孔48が前側取付ボルト42から外れると共に、後側ブラケット28の取付孔56が前側取付ボルト42から外れることになるので、前側ブラケット26及び後側ブラケット28がインバータ30と一体で車両後方側へ移動可能となる。
図5から分かるように、後側ブラケット28の下プレート50は、車両前後方向の略中央において屈曲されており、下プレート前部50Fと下プレート後部50Rとが構成されている。そして、下プレート前部50Fの底面50Bと、下プレート後部50Rの後面50Cとによって、本発明に係る後ろ向き部28Sが構成されている。後ろ向き部28Sは、車両後方側に向く部分を有する面である。そして本実施形態では、後ろ向き部28Sは、全体として平坦状に形成されており、局所的な凹部や凸部が存在しない形状とされている。
インバータ30の前側突出部34Fと前側固定ボルト36の間、及び後側突出部34Rと後側固定ボルト44の間には、図6に詳細に示す形状の防振ゴムブッシュ62が配置されている。なお、図6では後側突出部34Rと後側固定ボルト44の間における防振ゴムブッシュ62を示しているが、前側突出部34Fと前側固定ボルト36との間における防振ゴムブッシュも略同様の構造である。以下では、後側突出部34Rと前側取付ボルト42の間における防振ゴムブッシュ62を例示する。防振ゴムブッシュ62は、本発明に係る弾性部材の一例である。
防振ゴムブッシュ62は、外筒64及び内筒66と、これらの間に配置された略円筒状のゴム本体68とを有している。外筒64の下端及び内筒66の下端には、それぞれフランジ部64F、66Fが形成され、このフランジ部64F、66Fの間にも、ゴム本体68が位置している。実質的に、前側取付ボルト42の径方向及び軸方向の双方において、インバータ30と後側ブラケット28との間にゴム本体68が存在していることになる。そしてこれにより、インバータ30と後側ブラケット28とが相対移動した場合の異音や振動の発生が抑制されている。なお、前述したように、前側凸部と前側ブラケット26との間にも、防振ゴムブッシュ62が備えられている。したがって、インバータ30は前側ブラケット26及び後側ブラケット28に対し、防振ゴムブッシュ62によって防振支持されていることになる。
図3から分かるように、インバータ30が前側ブラケット26及び後側ブラケット28を介してインバータトレイ20に載置された状態で、前側ブラケット26よりも後方の位置では、インバータ30とインバータトレイ20との間に所定の間隙D1が構成されている。この間隙D1を構成したことで、インバータ30は、車両後方側への移動時に、矢印R1で示すようにわずかに回転する(図10参照)。したがって、このように回転することなくインバータが後退する構成と比較して、インバータ30の前端部分の後方への移動量をより多く確保できるようになっている。
次に、本実施形態の部材搭載構造12の作用を説明する。
上記したように、インバータ30は、通常状態では、前側ブラケット26及び後側ブラケット28を介してインバータトレイ20に載置されている。そして、インバータトレイ20がフロントサイドメンバ16及びエンジンマウント(図示省略)に固定されることで、インバータ30が車体14に搭載される。インバータ30と前側ブラケット26及び後側ブラケット28の間には防振ゴムブッシュ62が配置されているので、これらの相対移動に伴う異音や振動が抑制される。
ここで、図2及び図3に示すように、車両左斜め前方から外力F1がインバータ30に作用した場合を考える。このような場合、本実施形態の部材搭載構造12では、インバータトレイ20からより確実に離脱させて、インバータ30を車両後方側へ移動(退避)させることが可能とされている。なお、以下では、インバータ30に作用する外力として、車両左斜め前方からの外力を想定しているが、外力の方向は想定できるものではない。本実施形態では、車両前方側からインバータ30に外力が作用すると、その外力が左斜め前方からであるか、若しくは右斜め前方からであるか、に関わりなく、インバータ30は略同様の挙動を示す。たとえば、車両右斜め前方から外力が作用すると、インバータ30の挙動は、以下とは左右対称になるが、車両後方側へ移動するという本質的な作用には変わりがない。
図11には、比較例の部材搭載構造112が平面視にて模式的に示されている。この比較例の部材搭載構造12では、前側ブラケット126が車幅方向の両側に1つずつ設けられている(必要に応じて、左前側ブラケット126Lと右前側ブラケット126Rとを適宜区別する)。それぞれの前側ブラケット126は、車両前方側に開放された2つの取付孔148に前側取付ボルト142が挿通されてインバータトレイに取り付けられると共に、取付孔148の間に設定された固定孔150に前側固定ボルト136が挿通されてインバータ30が固定されている。比較例に係る後側ブラケット128は、車幅方向の中央に1つ設けられているが、前側ブラケット126と同様に、車両前方側に開放された2つの取付孔156に後側取付ボルト158が挿通されてインバータトレイ20に取り付けられると共に、取付孔148の間に設定された固定孔150に後側固定ボルト144が挿通されてインバータ30が固定されている。
比較例の部材搭載構造112において、上記実施形態と同様に車両左斜め前方から外力F1が作用した場合を考えると、左前側ブラケット126L(外力F1の作用位置に近い)と後側ブラケット128はインバータトレイ20から離脱するが、右前側ブラケット126R(外力F1の作用位置から遠い)については、図11(B)に示すように、最も右側の前側取付ボルト142Rを中心にして回転してしまうことが想定される。そして、たとえば図11(C)に示すように、右前側ブラケット126Rが平面視にて約90度回転してしまうと、取付孔148の開放部分が車幅向を向いてしまうため、この右前側ブラケット126Rは車両後方側へは移動できなくなる。これにより、インバータ30の車両後方側への移動が制限される。
特に、比較例の部材搭載構造112において、本実施形態と同様の防振ゴムブッシュ62を、インバータ30と前側ブラケット26及び後側ブラケット28との間に介在させた構造を考えると、防振ゴムブッシュ62(ゴム本体68)の撓みによって、インバータ30が右前側ブラケット126に対し、前側固定ボルト136を中心にして回転し易くなる。このため、右前側ブラケット126をインバータトレイ20から離脱させるために作用する荷重が小さくなってしまう。
また、比較例の部材搭載構造112では、合計4本の前側取付ボルト142(すなわち4箇所の脱離手段)によって、前側ブラケット126がインバータトレイ20に取り付けられているため、ボルト1本あたり、換言すれば脱離手段の1箇所あたりに作用する離脱のための荷重が小さくなる。
これに対し、本実施形態の部材搭載構造12では、単一の前側ブラケット26において車幅方向に離間した位置に設けられた取付孔48を用いて、前側ブラケット26がインバータトレイ20に取り付けられている。換言すれば、比較例における2つの前側ブラケット126が一体化されていることになる。したがって、前側ブラケット26は回転しづらくなり、前側ブラケット26は全体として車両後方側へ移動しようとする。前側ブラケット26が平面視にて回転する場合でも、図7に示すように、回転角度は、図11(C)に示した比較例の場合よりも少なくなり、前側ブラケット26は、インバータトレイ20から、より確実に離脱するようになる。本実施形態では、インバータ30と前側ブラケット26との間に防振ゴムブッシュ62が介在されているが、この構造であっても、車幅方向右側(入力F1から遠い位置)の前側離脱手段46Fにおける車両後方への移動量を確保して、前側ブラケット26をインバータトレイ20から、より確実に離脱させることが可能となる。
特に、本実施形態の部材搭載構造12では、前側固定位置40Fは、車幅方向においてインバータ30の幅よりも内側(インバータ30の幅の範囲内)に位置しているが、このような構造であっても、前側ブラケット26をインバータトレイ20から、より確実に離脱させることが可能である。
しかも、本実施形態では、2本の前側取付ボルト42(すなわち2箇所の前側脱離手段46F)によって前側ブラケット26がインバータトレイ20に取り付けられているので、比較例の構造よりも、前側脱離手段46Fの1箇所あたりに作用する荷重(離脱のための荷重)が大きくなる。
そして、本実施形態の部材搭載構造12においても、外力F1が作用した場合には、後側ブラケット28はインバータトレイ20から離脱する。すなわち、本実施形態では比較例よりも、外力F1の作用時に、インバータ30をインバータトレイ20から確実に離脱させて、車両後方側へ移動(退避)させることができる。
しかも、本実施形態の部材搭載構造12では、前側ブラケット26にインバータ30を固定する2つの前側固定位置40Fよりも車幅方向内側に、前側離脱手段46F(取付孔48)を設定している。図7から分かるように、外力F1が作用したときに前側ブラケット26が平面視にてわずかに回転した場合、その回転中心は、外力F1の作用位置から遠い側の前側固定位置40Fの近傍、あるいは、固定位置よりもさらに遠い位置L1となることが多い。
ここで、本実施形態と異なり、2つの前側固定位置40Fよりも車幅方向外側に、前側離脱手段46F(取付孔48)が設定された構造を考えると、このような構造では、2つの前側離脱手段46F(取付孔48)のうちの一方の位置が前側ブラケット26の回転中心に対し相対的に近いために、取付孔48の車両後方側への変位量が少なくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、前側離脱手段46F(取付孔48)の位置が前側ブラケット26の回転中心から相対的に遠い位置となるため、取付孔48の車両後方側への変位量が多くなり、前側ブラケット26をインバータトレイ20からより確実に離脱させることが可能となる。
このようにして、インバータ30がインバータトレイ20から離脱すると、図9及び図10に示すように、インバータ30はさらに車両後方側へ移動し、車体14の内部の空間(余空間)に退避する。ここで、本実施形態の部材搭載構造12では、後側ブラケット28の、インバータトレイ20との後ろ向き部28Sが平坦状に形成されている。図3、図8及び図10から分かるように、インバータ30の後方(移動が想定される範囲)には、たとえばブレーキユニット70やブレーキ配管72等の各種部材が配置されていることが多い。
この場合、後側ブラケット28の後ろ向き部28Sが、本実施形態のような平坦状ではなく、凹部あるいや凸部が形成されていると、インバータ30の移動途中で、ブレーキユニット70やブレーキ配管72等の各種部材を後側ブラケット28が引っ掛かけたり巻き込んだりして、それ以上移動できなくなる事態を回避するために、これら各種部材を、インバータ30の想定移動軌跡から離れた位置に配置するなど、レイアウトや形状の制限を受ける。
しかし、本実施形態では、後側ブラケット28の後ろ向き部28Sが平坦状に形成されているので、ブレーキユニット70やブレーキ配管72等の各種部材を引っ掛かけたり巻き込んだりする可能性は低くなる。また、これらの各種部材を、インバータ30の想定移動軌跡から離れた位置に配置する必要が無くなり、レイアウトや形状の自由度が高くなる。たとえば、複数の車種で、これら各種部材の配置や形状を共通化すること等も可能となり、低コスト化に寄与できるようになる。
以上の説明から分かるように、本実施形態の部材搭載構造12では、インバータ30に対し、車両前方側(斜め方向を含む)から外力F1が作用した場合に、インバータ30をインバータトレイ20からより確実に離脱させて、車両後方側へ移動させることが可能になる。
なお、本実施形態の部材搭載構造12では、単一の前側ブラケット26に設けた2つの取付孔48を用いてインバータトレイ20に取り付けており、取り付けに必要なボルトの本数が少なくて済む。また、上記したように、取付孔48が前側固定位置40Fよりも車幅方向内側に位置しているので、前側ブラケット26として車幅方向の長さを短くでき、部材搭載構造12の小型化・軽量化を図ることも可能となる。
上記では、本発明に係る被搭載部材として、インバータ30を挙げているが、被搭載部材はこれに限定されない。ただし、インバータ30等の高電圧部品では、外力F1が作用した場合に、その破損を防止すべく、載置代(インバータトレイ20)から短時間で離脱させて車両後方側へ移動可能とすることが望まれる。すなわち、本発明の部材搭載構造は、このような高電圧部品を被搭載部材として車体に搭載する場合に、好ましく適用できる。
12 部材搭載構造
14 車体
16 フロントサイドメンバ
20 インバータトレイ
26 前側ブラケット
28 後側ブラケット
28S 後ろ向き部
30 インバータ
36 前側固定ボルト
40F 前側固定位置
40R 後側固定位置
42 前側取付ボルト
44 後側固定ボルト
46F 前側離脱手段
46R 後側離脱手段
48 取付孔
56 取付孔
58 後側取付ボルト
62 防振ゴムブッシュ
70 ブレーキユニット
72 ブレーキ配管

Claims (5)

  1. 車体に固定され、被搭載部材の載置用とされる載置台と、
    前記載置台に車両前後方向の後方側で取り付けられ、前記被搭載部材が後側固定位置において固定される後側ブラケットと、
    前記載置台に車両前後方向の前方側で取り付けられ、前記被搭載部材が前側固定位置において固定されると共に、車両幅方向に延在される単一の前側ブラケットと、
    前記後側ブラケットに設けられ、車両斜め前方を含む車両前方側からの外力により前記載置台から前記後側ブラケットを離脱させる後側離脱手段と、
    前記前側ブラケットにおいて車幅方向に離間した複数箇所に設けられ、車両斜め前方を含む車両前方側からの外力により前記載置台から前記前側ブラケットを離脱させる前側離脱手段と、
    を有する車体への部材搭載構造。
  2. 前記前側固定位置が前記前側ブラケットにおいて前記車幅方向に離間した少なくとも2箇所に設定され、
    前記前側離脱手段が、前記車幅方向で最も離間した前記前側固定位置の間の位置に設定されている請求項1に記載の車体への部材搭載構造。
  3. 前記前側固定位置が、前記車幅方向で前記被搭載部材の幅の範囲内に設定されている請求項2に記載の車体への部材搭載構造。
  4. 前記前側ブラケット及び前記後側ブラケットの少なくとも一方と前記被搭載部材との前記固定位置に設けられ、これらブラケットと被搭載部材とが相対変位すると弾性変形する弾性部材、
    を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車体への部材搭載構造。
  5. 前記後側ブラケットにおける外面の車両後方を向く後ろ向き部が平坦状とされている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車体への部材搭載構造。
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