JP5772489B2 - 車載機器の搭載構造 - Google Patents
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Description
離脱した車載機器は車両後方へ移動し、搭載台の搭載台後部に接触する。
搭載台は、搭載台前部のみが車体に固定され、搭載台後部が車体に固定されておらず、さらに、搭載台後部の後端は車両後方側の車体または車体取付部品から離間しているので、車両前方から移動してきた車載機器が搭載台後部に当ることで搭載台後部は倒されて、傾斜角度が小さくなる。搭載台後部の傾斜角度が小さくなることで車載機器が搭載台後部上で滑りやすくなる。
これにより、車載機器に入力する衝突時の外力を減少させることができ、車載機器を適切に保護することが可能となる。
また、搭載台の搭載台後部が立ち上がって傾斜角度が大となることで、車載機器は、傾斜角度が大となった搭載台後部にガイドされて斜め上方へ移動することとなり、車体取付部品を車両後方へ移動させる力を減少させることができる。
即ち、車載機器の車両前側の離脱位置が、搭載台の車体への支持位置(取付位置)よりも車両前側に位置するため、車載機器の車両前側の離脱位置を搭載台の車体への支持位置よりも車両後側に位置させた場合に比較して、前面衝突時に車載機器が車両前側から先に外力を受けるため、車載機器が搭載台から離脱し易くなる。
また、車載機器の車両後側の離脱位置が、搭載台の車体への支持位置よりも車両後側に位置するため、車載機器が搭載台から離脱した後に搭載台後部がたわみ易くなり、車載機器の移動をコントロールし易くなる。
車両後方側のブラケットを搭載台の搭載台後部に設けない、即ち、車両後方側のブラケットを搭載台の搭載台前部に設けると、搭載台前部の後端から更に搭載台後部を車両後方へ向けて延ばさなくてはならず、搭載台が車両に取り付けられなくなったり、搭載台後部の傾斜角度を大きくしなければならなくなる等の問題が生じる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造前記搭載台前部は、車両後方側が車両前方側よりも車両上方側となるように傾斜している。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造において、前記搭載台は、前記搭載台前部から下方に向けて突設された固定用脚部によってサイドメンバに固定されている。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造において、前記搭載台後部の後端は、前記車載機器の上端と車両上下方向の略同一位置に配置されている。
図1、及び図2から分かるように、本実施形態において、トレイ前部20Fは車両後方側が車両前方側よりも上方となるように全体が若干傾斜している。一方、トレイ後部20Bは、車両後方側が車両前方側よりも上方となるように傾斜しているが、トレイ前部20Fよりも大きく傾斜している、即ち、トレイ後部20Bはトレイ前部20Fよりも傾斜角度が大となっている。
図8(D)に示すように、インバータトレイ20は、トランスアクスル18B、及び左側フロントサイドメンバ16Lの上方に配置されている。
この右側エンジンマウント72Rも、左側エンジンマウント72Lと同様に、振動吸収用の弾性体(図示せず)を介して取り付け部材(図示せず)を備えており、この取り付け部材にエンジン18Aが吊り下げられる格好でボルト等によって固定されている。
また、トランスアクスル18Bには、トルクロッド74が連結されている。
前側突出部34Fに形成された図示しないボルト孔と、固定片部26Cに形成されたボルト孔32とに前側固定ボルト36が挿通され、この前側固定ボルト36にナット(図示省略)が螺合されている。
これにより、インバータ30はその前部において、車幅方向に所定距離だけ離間した2箇所で前側ブラケット26に対し固定されていることになり、ボルト孔32の位置が前側固定位置40Fとなっている。
この切欠48と、インバータトレイ20に形成されたボルト孔(図示省略)とに前側取付ボルト42が挿通され、さらに前側取付ボルト42にナット(図示省略)が螺合されて、前側ブラケット26がインバータトレイ20に取り付けられている(図1〜図3参照。)。
上記したように、切欠48は車両前方側に開放されているので、インバータ30にこのような外力F1が作用すると、切欠48が前側取付ボルト42から外れる(図7参照。)。すなわち、切欠48は、本発明における前側離脱手段46F(図1,2参照。)を構成している。
図2及び図3に示すように、後側突出部34Rに形成された図示しないボルト孔と、固定片部28Cに形成されたボルト孔54とに後側固定ボルト44が挿通され、この後側固定ボルト44が後側ブラケット28のナット60(図6参照)に螺合されている。これにより、インバータ30はその後部において、後側ブラケット28に対し移動不能に固定されていることになる。ボルト孔54の位置は、後側固定位置40Rとなっている。
次に、本実施形態の車載機器の搭載構造12の作用を説明する。
上記したように、インバータ30は、通常状態では、前側ブラケット26及び後側ブラケット28を介してインバータトレイ20に搭載されている。そして、インバータトレイ20が車両左側の左側フロントサイドメンバ16L及び左側エンジンマウント72Lに固定されることで、インバータ30が車体14に搭載される。なお、インバータ30と前側ブラケット26及び後側ブラケット28の間には防振ゴムブッシュ62が配置されているので、これらの相対移動に伴う異音や振動が抑制される。
例えば、車両が前面衝突してインバータ30の車両前方側に配置されているラジエータ等の車載機器が車両後方へ移動し、車両前方側からインバータ30に対して外力F1が加わると、衝突開始直後には、インバータトレイ20から前側ブラケット26及び後側ブラケット28が離脱を始め、インバータ30がインバータトレイ20の上を車両後方へ移動を始める(図7、図9(A)参照。)。
このように、トレイ後部20Bの傾斜角度が小となることで、トレイ後部20Bは緩やかな滑り角度の滑り台を形成し、インバータ30は滑り易くなったトレイ後部20Bの上を車両後方側へスムーズに滑り始める。
また、トレイ後部20Bが立ち上がって傾斜角度が大となることで、インバータ30は、傾斜角度が大となったトレイ後部20Bにガイドされて斜め上方へ移動することとなり、ブレーキユニット70を車両後方(車室側)へ移動させる力を減少させることができる。これにより、ブレーキユニット70の車室内への突出を抑えることができる。
さらに、本実施形態の車載機器の搭載構造12では、インバータトレイ20車両後方を開放形状としており、締結を不要とすることでも車体への締結構造も不要となり、組み付け時の工数も削減することが可能となっている。
また、インバータ30の車両後側の離脱位置が、インバータトレイ20の固定されている位置(固定用脚部22、固定部24)よりも車両後側に位置しているため、衝突時におけるインバータ30の移動をコントロールし易い構造となっている。
上記実施形態では、本発明に係る車載機器として、インバータ30を挙げているが、車載機器はこれに限定されない。インバータ30等の高電圧部品では、外力F1が作用した場合に、その破損を防止すべく、インバータトレイ20から短時間で離脱させて車両後方側へ移動可能とすることが望まれる。すなわち、本発明の車載機器の搭載構造は、このような高電圧部品を車載機器として車体に搭載する場合に、好ましく適用できる。
14 車体
16L 左側フロントサイドメンバ(車体、サイドメンバ)
20 インバータトレイ(搭載台)
20B トレイ後部(搭載台後部)
20F トレイ前部(搭載台前部)
26 前側ブラケット(ブラケット)
28 後側ブラケット(ブラケット)
30 インバータ(車載機器)
46R 後側離脱手段(離脱手段)
46F 前側離脱手段(離脱手段)
70 ブレーキユニット(車体取付部品)
72L 左側エンジンマウント(エンジンマウント)
Claims (7)
- 車載機器の搭載用として車体に取り付けられ、車両前方側に位置する搭載台前部の車両後方側に後端側が前記搭載台前部よりも上方となるように傾斜した搭載台後部が形成されていると共に、前記搭載台前部のみが前記車体に固定され、前記搭載台後部の後端が車両後方側の車体または車体取付部品から離間されている搭載台と、
前記搭載台に固定され、前記車載機器が取り付けられるブラケットと、
前記ブラケットに設けられ、車両前方側からの外力により前記搭載台から前記ブラケットを離脱させる離脱手段と、
を有し、
衝突時、前記搭載台後部の後端が前記車体または前記車体取付部品に接触し、前記搭載台後部の前記搭載台前部の延長線に対する傾斜角度が衝突前より大となる、車載機器の搭載構造。 - 前記ブラケットは、前記搭載台の車両前後方向両側に設けられ、
前記搭載台は、車両前方側の前記ブラケットと車両後方側の前記ブラケットとの間で前記車体に取り付けられている、請求項1に記載の車載機器の搭載構造。 - 車両後方側の前記ブラケットは、前記搭載台の前記搭載台後部に設けられている、請求項1または請求項2に記載の車載機器の搭載構造。
- 前記搭載台前部はサイドメンバとエンジンマウントに固定されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造。
- 前記搭載台前部は、車両後方側が車両前方側よりも車両上方側となるように傾斜している、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造。
- 前記搭載台は、前記搭載台前部から下方に向けて突設された固定用脚部によってサイドメンバに固定されている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造。
- 前記搭載台後部の後端は、前記車載機器の上端と車両上下方向の略同一位置に配置されている、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車載機器の搭載構造。
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