JP2009150523A - 機器の取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】フランジ部とねじ部とからなるボルトにより支持部材に機器を取り付ける機器の取り付け構造において、機器に作用する力によって機器が損傷するのを抑制する。
【解決手段】電池パックの取り付け部24aに、フランジボルト50のフランジ部より幅が小さな小幅部とフランジ部より幅が大きな大幅部とから形成されるビス孔30と、ビス孔30の一部を含んでフランジボルト50のフランジ部の高さより高く形成されると共にビス孔30とは反対側の段差32bが車両の後側に向かって滑らかに低くなる段差部32と、を形成する。これにより、車両の後方から大きな力が作用したときに、電池パックは、車両前側にスライドして段差部32がフランジボルト50に当接し、車両前方の上方に移動してマウント40a,40bから離脱するから、電池パックが損傷するのを抑制することができる。
【選択図】図8
【解決手段】電池パックの取り付け部24aに、フランジボルト50のフランジ部より幅が小さな小幅部とフランジ部より幅が大きな大幅部とから形成されるビス孔30と、ビス孔30の一部を含んでフランジボルト50のフランジ部の高さより高く形成されると共にビス孔30とは反対側の段差32bが車両の後側に向かって滑らかに低くなる段差部32と、を形成する。これにより、車両の後方から大きな力が作用したときに、電池パックは、車両前側にスライドして段差部32がフランジボルト50に当接し、車両前方の上方に移動してマウント40a,40bから離脱するから、電池パックが損傷するのを抑制することができる。
【選択図】図8
Description
本発明は、機器の取り付け構造に関し、詳しくは、フランジ部とねじ部とからなるボルトにより支持部材に機器を取り付ける機器の取り付け構造および機器の取り付け部の貫通孔に貫挿したフランジ部とねじ部とからなるボルトを支持部材に形成された前記ボルトのねじ部と締結する締結孔に締結することにより機器を取り付ける機器の取り付け構造に関する。
従来、この種の機器の取り付け構造としては、ボルトの頭部より小さい径の第1の開口部,ボルトの頭部より高い段差の段差部に形成されボルトの頭部の軸方向の断面より大きな第2の開口部,第1の開口部と第2の開口部とを連通する連通部からなるビス孔が設けられた電池パックを、第2の開口部が第1の開口部に対して車両後側となるよう車両の支持部材(座席後方に設置されたマウント)に載置した状態でボルトを第1の開口部と支持部材とに介在させて電池パックを支持部材に取り付けるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この機器の取り付け構造では、車両後方から衝撃が作用したときに、電池パックが車両前方に水平にスライドしてボルトが第2の開口部から抜けることにより、電池パックを支持部材から離脱させてその損傷を抑制している。
特開2007−230329号公報
このように、こうした機器の取り付け構造では、車両後方から衝撃が作用したときに電池パックが支持部材からよりスムーズに離脱できる構造を提案することが課題の一つとされている。支持部材や電池パックの形状,電池パックの取り付け位置などによっては、電池パックが車両前側に水平にスライドするだけの構造とは異なる構造で機器が支持部材からよりスムーズに離脱できる構造を提案するよう望まれることがある。
本発明の機器の取り付け構造は、機器に作用する力によって機器が損傷するのを抑制することを主目的とする。
本発明の機器の取り付け構造は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の機器の取り付け構造は、
フランジ部とねじ部とからなるボルトにより支持部材に機器を取り付ける機器の取り付け構造であって、
前記機器の取り付け部は、前記ボルトのフランジ部より幅が小さく該ボルトのねじ部より幅が大きな小幅部と該小幅部と連通し前記ボルトのフランジ部より幅が大きな大幅部とからなる貫通孔が形成されていると共に該貫通孔の大幅部の一部を含んで前記小幅部の平面より前記ボルトのフランジ部の高さより高い段差部が形成され、前記段差部の前記小幅部とは反対側の段差が前記フランジ部に当接するよう傾斜して形成されてなり、
前記ボルトにより前記小幅部と前記支持部材とが締結されることにより前記機器が取り付けられてなる、
ことを特徴とする。
フランジ部とねじ部とからなるボルトにより支持部材に機器を取り付ける機器の取り付け構造であって、
前記機器の取り付け部は、前記ボルトのフランジ部より幅が小さく該ボルトのねじ部より幅が大きな小幅部と該小幅部と連通し前記ボルトのフランジ部より幅が大きな大幅部とからなる貫通孔が形成されていると共に該貫通孔の大幅部の一部を含んで前記小幅部の平面より前記ボルトのフランジ部の高さより高い段差部が形成され、前記段差部の前記小幅部とは反対側の段差が前記フランジ部に当接するよう傾斜して形成されてなり、
前記ボルトにより前記小幅部と前記支持部材とが締結されることにより前記機器が取り付けられてなる、
ことを特徴とする。
この本発明の第1の機器の取り付け構造では、ボルトによって機器の取り付け部の貫通孔の小幅部と支持部材とを締結することにより機器を支持部材に取り付ける。この状態で機器に大幅部から小幅部方向に大きな力が作用すると、機器は、ボルトが小幅部から大幅部方向にスライドして大幅部を通過するよう移動し、取り付け部の段差部における小幅部とは反対側の段差の箇所がボルトのフランジ部に当接する。そして、段差部の小幅部とは反対側の段差が傾斜して形成されていることから、機器は、この当接によって支持部材から離れる向きの成分を含む反作用の力をボルトから受けることになり、その移動方向が変化して支持部材から離脱する。この機器の取り付け構造では、このようにして機器が支持部材からよりスムーズに離脱することができるため、機器に大幅部から小幅部方向の大きな力が作用したときに機器が損傷するのを抑制することができる。
本発明の第2の機器の取り付け構造は、
機器の取り付け部の貫通孔に貫挿したフランジ部とねじ部とからなるボルトを支持部材に形成された前記ボルトのねじ部と締結する締結孔に締結することにより機器を取り付ける機器の取り付け構造であって、
前記機器の取り付け部における貫通孔は、前記ボルトのフランジ部より幅が小さく該ボルトのねじ部より幅が大きな小幅部と該小幅部と連通し前記ボルトのフランジ部より幅が大きく該フランジ部が貫通可能な大きさの大幅部とから形成されており、
前記機器の取り付け部は、前記小幅部と前記締結孔とが整合する位置により前記ボルトを用いて前記機器を前記支持部材に取り付けた状態で前記機器を前記ボルトが前記小幅部から前記大幅部方向にスライドするよう移動させたときに前記支持部材に当接するスライド当接部が形成されてなり、
前記支持部材の取り付け部は、前記スライド当接部が当接する被当接部が形成されてなり、
前記スライド当接部および前記被当接部の少なくとも一方は、前記スライド当接部と前記被当接部とが当接した状態で前記機器を前記ボルトが前記小幅部から前記大幅部方向にスライドするよう移動させたときに前記機器が前記支持部材から離れるよう傾斜部として形成されてなり、
前記ボルトが前記小幅部と前記支持部材の締結孔とが整合する位置で締結されることにより前記機器が取り付けられてなる、
ことを特徴とする。
機器の取り付け部の貫通孔に貫挿したフランジ部とねじ部とからなるボルトを支持部材に形成された前記ボルトのねじ部と締結する締結孔に締結することにより機器を取り付ける機器の取り付け構造であって、
前記機器の取り付け部における貫通孔は、前記ボルトのフランジ部より幅が小さく該ボルトのねじ部より幅が大きな小幅部と該小幅部と連通し前記ボルトのフランジ部より幅が大きく該フランジ部が貫通可能な大きさの大幅部とから形成されており、
前記機器の取り付け部は、前記小幅部と前記締結孔とが整合する位置により前記ボルトを用いて前記機器を前記支持部材に取り付けた状態で前記機器を前記ボルトが前記小幅部から前記大幅部方向にスライドするよう移動させたときに前記支持部材に当接するスライド当接部が形成されてなり、
前記支持部材の取り付け部は、前記スライド当接部が当接する被当接部が形成されてなり、
前記スライド当接部および前記被当接部の少なくとも一方は、前記スライド当接部と前記被当接部とが当接した状態で前記機器を前記ボルトが前記小幅部から前記大幅部方向にスライドするよう移動させたときに前記機器が前記支持部材から離れるよう傾斜部として形成されてなり、
前記ボルトが前記小幅部と前記支持部材の締結孔とが整合する位置で締結されることにより前記機器が取り付けられてなる、
ことを特徴とする。
この本発明の第2の機器の取り付け構造では、機器の取り付け部の貫通孔の小幅部と支持部材の締結孔とが整合する位置でボルトによって小幅部と締結孔とを締結することにより機器を支持部材に取り付ける。この状態で機器に大幅部から小幅部方向に大きな力が作用すると、機器は、ボルトが小幅部から大幅部方向にスライドするよう移動し、そのスライド当接部が支持部材の被当接部に当接する。そして、スライド当接部および被当接部の少なくとも一方が傾斜部として形成されていることから、機器は、この傾斜部によって支持部材から離れるよう移動して離脱する。これにより、機器が支持部材からよりスムーズに離脱することができ、機器に作用する大幅部から小幅部方向の大きな力によって機器が損傷するのを抑制することができる。
また、本発明の第1または第2の機器の取り付け構造において、前記支持部材は、車両内部に設置され、前記小幅部と前記大幅部が前記車両の前後方向に位置するよう前記支持部材に載置された状態で前記機器が取り付けられてなるものとすることもできる。こうすれば、車両に車両後方から大きな力が作用したときに、機器が支持部材からよりスムーズに離脱することができ、機器が損傷するのを抑制することができる。この場合において、前記小幅部が前記大幅部に対して前記車両の前側に位置するよう前記支持部材に載置された状態で前記機器が取り付けられてなるものとすることもできる。
さらに、本発明の第1または第2の機器の取り付け構造において、前記機器は、電池パックであるものとすることもできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例としての機器の取り付け構造を適用して電池パック22を取り付けた自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、電池パック22の外観の一例を示す斜視図であり、図3は、電池パック22の取り付け部24aのビス孔30周辺の拡大図であり、図4は、取り付け部24aをA−A面から見たAA視図である。第1実施例の電池パック22の取り付け構造は、図1に示すように、車両の乗員座席70の後方に設置されたマウント40a,40bにフランジボルト50を用いて電池パック22を取り付ける際に用いられる構造である。図5は、フランジボルト50の外観を示す説明図であり、フランジボルト50は、図5に示すように、幅w1のねじ部50aと幅w2および高さh1のフランジ部50bとからなる。
電池パック22は、図1および図2に示すように、図示しない二次電池などの蓄電機器と蓄電機器を制御するコンピュータ26とこれらを保護するケース24とから構成されている。ケース24には、車両の前後方向(図1中左右方向)両側に取り付け部24aが形成されており、この取り付け部24aには、フランジボルト50によってマウント40a,40bに取り付けられるための複数のビス孔30と、各々にビス孔30の一部を含む複数の段差部32と、が形成されている。ビス孔30は、図3に示すように、フランジボルト50のフランジ部50bの幅w2より小さくフランジボルト50のねじ部50aの幅w1より大きい幅W1の小幅部30aと、小幅部30aと連通してフランジ部50bの幅w2より大きい幅W2の大幅部30bと、から形成されている。また、段差部32は、ビス孔30の大幅部30bの一部を含んで小幅部30aを含む平面より高くなるよう形成されている。この段差部32には、図4に示すように、小幅部30aを含む平面に対してフランジ部50bの高さh1より高い高さH1の段上32aが形成されており、段差部32における大幅部30bとは反対側の段差32bは、段上32aから小幅部30aを含む平面に向かって低くなる滑らかな傾斜として形成されている。実施例では、この電池パック22は、小幅部30aが大幅部30bに対して車両の前側となるようにマウント40a,40bに取り付けられる。したがって、段差部32の段差32bは、車両後側に向かって低くなる傾斜として形成されていることになる。
マウント40a,40bは、鉄やアルミなどで形成されて車両の図示しない骨格に溶接によって固定されている。また、マウント40a,40bには、フランジボルト50によって電池パック22を取り付けるために、フランジボルト50を嵌挿可能な複数の螺合孔が形成されている。
こうして構成された第1実施例の電池パック22の取り付け構造では、マウント40a,40bの複数の螺合孔に電池パック22の複数のビス孔30の小幅部30aがそれぞれ一致するよう電池パック22を載置し、フランジボルト50をマウント40a,40bの螺合孔と電池パック22のビス孔30の小幅部30aとに介在させることによって電池パック22をマウント40a,40bに取り付ける。このときの電池パック22の取り付け部24aのビス孔30周辺の様子の一例を図6に示す。こうして、電池パック22は通常走行に伴う車両の振動などによってはマウント40a,40bから離れない程度の強さでマウント40a,40bに取り付けられる。
次に、こうしてマウント40a,40bに電池パック22を取り付けた状態で自動車20に後方から大きな力が作用したときの動作について説明する。図7および図8は、マウント40a,40bに電池パック22を取り付けた状態(図6の状態)で自動車20に後方から大きな力が作用したときの電池パック22の取り付け部24aのビス孔30周辺における動作の時間変化の様子の一例を示す模式図である。図7および図8中、太線矢印は、自動車20に作用する力の向きを示している。取り付け部24aのビス孔30の小幅部30aとマウント40a,40bの螺合孔とにフランジボルト50が介在している状態(図6の状態)で自動車20の後方から大きな力が作用すると、電池パック22は車両前方にスライドするよう水平に移動する。そして、段差部32の段上32aの高さH1がフランジボルト50のフランジ部50bの高さh1より高く形成されているから、図7に示すように、大幅部30bがフランジボルト50を通過して電池パック22とマウント40a,40bとの結合が外れ、段差部32の段差32bがフランジボルト50のフランジ部50bに当接する。そして、段差32bが車両後側が低い傾斜として形成されているから、電池パック22は、この当接によってマウント40a,40bやフランジボルト50から離れる向き(鉛直上向き)の成分を含む力をフランジボルト50から受けることになり、図8に示すように、車両前方の水平方向とは異なる方向(車両前方の上方)に移動してマウント40a,40bから離脱する。この電池パック22の取り付け構造では、このようにして電池パック22がマウント40a,40bからよりスムーズに離脱することができ、自動車20に後方から大きな力が作用したときに電池パック22が損傷するのを抑制することができる。また、電池パック22が車両前方の上方に移動してマウント40a,40bから離脱することにより、電池パック22と乗員座席との間の水平方向のスペースをあまり確保することができない車両の場合でも車両の後方から大きな力が作用したときに電池パック22がマウント40a,40bからよりスムーズに離脱することができる。
以上説明した第1実施例の電池パック22の取り付け構造によれば、大幅部30bの一部を含んで車両後方の段差32bが滑らかな傾斜として形成される段差部32を設けることにより、電池パック22を取り付けた状態で自動車20に後方から大きな力が作用したときに、電池パック22がマウント40a,40bからよりスムーズに離脱することができ、電池パック22の損傷を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施例としての機器の取り付け構造について説明する。図9は、本発明の第2実施例としての機器の取り付け構造を適用して電池パック122を取り付けた自動車120の構成の概略を示す構成図であり、図10は、電池パック122の外観の一例を示す斜視図であり、図11は、電池パック122の取り付け部124aのビス孔130周辺の拡大図であり、図12は、第2実施例の機器の取り付け構造に用いられる電池パック122とマウント140a,140bとフランジボルト50の構造を示す説明図である。なお、図11および図12には、説明の都合上、フランジボルト50が後述する大幅部130bに位置する状態についても点線で併せて示している。第2実施例の機器の取り付け構造を適用した自動車120は、電池パック122のケース124の取り付け部124aとマウント140a,140bの構成が異なる点を除いて第1実施例の機器の取り付け構造を適用したの自動車20と同一の構成をしている。したがって、第2実施例の機器の取り付け構造を適用した自動車120の構成のうち第1実施例の機器の取り付け構造を適用した自動車20の構成と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
電池パック122のケース124の取り付け部124aには、フランジボルト50によってマウント140a,140bに取り付けられるための複数のビス孔130と、ビス孔130の平面からそれよりも低い平面に向けて低くなる傾斜部132と、が形成されている。ビス孔130は、図11に示すように、フランジボルト50のフランジ部50bの幅w2より小さくフランジボルト50のねじ部50aの幅w1より大きい幅Wb1の小幅部130aと、小幅部130aと連通してフランジボルト50のフランジ部50bの幅w2より大きい幅Wb2および長さLb2の大幅部130bと、から形成されている。即ち、大幅部130bは、フランジボルト50のフランジ部50bが貫通可能に形成されていることになる。また、傾斜部132は、図12に示すように、小幅部130a側から見て大幅部130bの奥側にフランジボルト50のフランジ部50bの高さh1より大きい高低差Hb1をもってビス孔130の平面から滑らかに低くなるよう形成されている。実施例では、この電池パック122は、小幅部130aが大幅部130bに対して車両の前側となるようにマウント140a,140bに取り付けられる。したがって、傾斜部132は、車両後側に向かって低くなる傾斜として形成されていることになる。
マウント140a,140bには、図12に示すように、フランジボルト50によって電池パック122を取り付けるために、フランジボルト50を嵌挿可能な複数の螺合孔144が形成されている。また、マウント140a,140bには、螺合孔144の車両後側に、螺合孔144と距離Lm離れた位置から車両後側に向けて滑らかに低くなる傾斜部142が形成されている。この傾斜部142は、高低差Hmがフランジボルト50のフランジ部50bの高さh1より大きく形成されている。ここで、距離Lmは、フランジボルト50が電池パック22の大幅部130bに位置しているときにフランジボルト50から電池パック22の傾斜部132までの距離Lngに相当する。即ち、このときに傾斜部132と傾斜部142とが当接することになる。
こうして構成された第2実施例の電池パック122の取り付け構造では、図12に示すように、マウント140a,140bの複数の螺合孔144に電池パック122の複数のビス孔130の小幅部130aがそれぞれ一致するよう電池パック122を載置し、フランジボルト50をマウント140a,140bの螺合孔144と電池パック122のビス孔130の小幅部130aとに介在させることによって電池パック122をマウント140a,140bに取り付ける。このときの電池パック122の取り付け部124aのビス孔130周辺の様子の一例を図13に示す。こうして、電池パック122は、通常走行に伴う車両の振動などによっては、マウント140a,140bから離れない程度の強度でマウント140a,140bに取り付けられる。
次に、こうしてマウント140a,140bに電池パック122を取り付けた状態で自動車120に後方から大きな力が作用したときの動作について説明する。図14および図15は、マウント140a,140bに電池パック122を取り付けた状態(図13の状態)で自動車120の後方から大きな力が作用したときの電池パック122のビス孔130周辺における動作の時間変化の様子の一例を示す模式図である。図14および図15中、太線矢印は、自動車120に作用する力の向きを示している。マウント140a,140bの螺合孔144と電池パック122のビス孔130の小幅部130aとにフランジボルト50が介在している状態(図13の状態)で自動車120の後方から大きな力が作用すると、電池パック122は、車両の前方にスライドするよう水平に移動する。フランジボルト50からマウント140a,140bの傾斜部142までの距離Lmは、フランジボルト50が電池パック22の大幅部130bに位置しているときにフランジボルト50から電池パック22の傾斜部132までの距離Lngに相当するから、電池パック22が水平に移動してフランジボルト50が電池パック22の大幅部130bに位置すると、図14に示すように、電池パック122の傾斜部132とマウント140a,140bの傾斜部142とが当接する。そして、傾斜部132や傾斜部142が車両後側が低い傾斜として形成されていることから、電池パック122は、この当接によってマウント140a,140bから離れる向き(鉛直上向き)の成分を含む力をマウント140a,140bから受けることになり、図15に示すように、マウント140a,140bから離れるように移動してマウント140a,140bから離脱する。この電池パック122の取り付け構造では、このようにして電池パック122がマウント140a,140bからよりスムーズに離脱することができるため、自動車120に後方から大きな力が作用したときに電池パック122が損傷するのを抑制することができる。
以上説明した第2実施例の電池パック122の取り付け構造によれば、電池パック122やマウント140a,140bに車両後側が低い滑らかな傾斜として形成される傾斜部132や傾斜部142を設けることにより、電池パック122を取り付けた状態で自動車120の後方から大きな力が作用したときに、電池パック122がマウント140a,140bからよりスムーズに離脱することができ、電池パック122の損傷を抑制することができる。
第2実施例の電池パック122の取り付け構造では、電池パック122に傾斜部132を設け、マウント140a,140bに傾斜部144a,144bを設けるものとしたが、図16の変形例の電池パック122の取り付け構造に示すように傾斜部142を段差部242としたり、図17の変形例の電池パック222の取り付け構造に例示するように、傾斜部132を段差部232とするなど、電池パック122とマウント140a,140bとの傾斜のうちいずれか一方を略垂直に形成される段差とするものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例の電池パック20,120の取り付け構造では、マウント40a,40bやマウント140a,140bには螺合孔が開けられており、フランジボルト50を螺合孔に嵌挿してフランジボルト50とマウント40a,40bやマウント140a,140bとを締結するものとしたが、これに代えてナットによりフランジボルト50とマウントとが締結されるものとしてもよい。この場合、マウントには螺合孔の代わりにフランジボルト50のねじ部50aの幅w1より大きくフランジ部50bの幅w2より小さな径の締結孔が開けられるものとすればよい。
第1実施例や第2実施例の電池パック20,120の取り付け構造では、電池パック22のビス孔30や電池パック122のビス孔130は、小幅部30aや小幅部130aが大幅部30bや大幅部130bに対して車両の前側となるように形成されるものとしたが、大幅部が小幅部に対して車両の前側となるように形成されるものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例の電池パック20,120の取り付け構造では、電池パック22や電池パック122を車両の乗員座席70の後方に取り付けるものとしたが、電池パックは、乗員座席の後方以外の場所に取り付けるものとしてもよい。
第1実施例および第2実施例の電池パック20,120の取り付け構造では、電池パック22,122を車両に取り付けるものとして説明したが、電池パック以外の機器を取り付けるものとしてもよいし、機器を車両以外のものに取り付けるものとしてもよい。
ここで、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1実施例では、フランジ部50bとねじ部50aとからなるフランジボルト50が「ボルト」に相当し、車両の骨格に溶接により固定されるマウント40a,40bが「支持部材」に相当し、小幅部30aと大幅部30bと段差部32とが取り付け部24aに形成される電池パック22が「機器」に相当する。また、第2実施例では、フランジボルト50が「ボルト」に相当し、傾斜部142が形成されるマウント140a,140bが「支持部材」に相当し、小幅部130aと大幅部130bと傾斜部132とが取り付け部124aに形成される電池パック122が「機器」に相当する。さらに、電池パック222も「機器」に相当し、マウント240a,240bも「支持部材」に相当する。なお、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、機器の取り付け装置の製造産業などに利用可能である。
20,120 自動車,22,122,222 電池パック,24,124,224 ケース,24a,124a 取り付け部,30,130 ビス孔,32 段差部,32a 段上,32b 段差,40a,40b,140a,140b,240a,240b マウント,60a,60b 車輪,70 乗員座席,132 傾斜部,142 傾斜部,242 段差部。
Claims (5)
- フランジ部とねじ部とからなるボルトにより支持部材に機器を取り付ける機器の取り付け構造であって、
前記機器の取り付け部は、前記ボルトのフランジ部より幅が小さく該ボルトのねじ部より幅が大きな小幅部と該小幅部と連通し前記ボルトのフランジ部より幅が大きな大幅部とからなる貫通孔が形成されていると共に該貫通孔の大幅部の一部を含んで前記小幅部の平面より前記ボルトのフランジ部の高さより高い段差部が形成され、前記段差部の前記小幅部とは反対側の段差が前記フランジ部に当接するよう傾斜して形成されてなり、
前記ボルトにより前記小幅部と前記支持部材とが締結されることにより前記機器が取り付けられてなる、
機器の取り付け構造。 - 機器の取り付け部の貫通孔に貫挿したフランジ部とねじ部とからなるボルトを支持部材に形成された前記ボルトのねじ部と締結する締結孔に締結することにより機器を取り付ける機器の取り付け構造であって、
前記機器の取り付け部における貫通孔は、前記ボルトのフランジ部より幅が小さく該ボルトのねじ部より幅が大きな小幅部と該小幅部と連通し前記ボルトのフランジ部より幅が大きく該フランジ部が貫通可能な大きさの大幅部とから形成されており、
前記機器の取り付け部は、前記小幅部と前記締結孔とが整合する位置により前記ボルトを用いて前記機器を前記支持部材に取り付けた状態で前記機器を前記ボルトが前記小幅部から前記大幅部方向にスライドするよう移動させたときに前記支持部材に当接するスライド当接部が形成されてなり、
前記支持部材の取り付け部は、前記スライド当接部が当接する被当接部が形成されてなり、
前記スライド当接部および前記被当接部の少なくとも一方は、前記スライド当接部と前記被当接部とが当接した状態で前記機器を前記ボルトが前記小幅部から前記大幅部方向にスライドするよう移動させたときに前記機器が前記支持部材から離れるよう傾斜部として形成されてなり、
前記ボルトが前記小幅部と前記支持部材の締結孔とが整合する位置で締結されることにより前記機器が取り付けられてなる、
機器の取り付け構造。 - 請求項1または2記載の機器の取り付け構造であって、
前記支持部材は、車両内部に設置され、
前記小幅部と前記大幅部が前記車両の前後方向に位置するよう前記支持部材に載置された状態で前記機器が取り付けられてなる、
機器の取り付け構造。 - 前記小幅部が前記大幅部に対して前記車両の前側に位置するよう前記支持部材に載置された状態で前記機器が取り付けられてなる請求項3記載の機器の取り付け構造。
- 前記機器は、電池パックである請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の機器の取り付け構造。
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