JP5402414B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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    • H02P29/032Preventing damage to the motor, e.g. setting individual current limits for different drive conditions

Description

本発明は、3相ブラシレスモータを駆動制御して、操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置に関する。
従来の電動パワーステアリング装置として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、3相ブラシレスモータで1相に異常が発生したとき、残りの2相の逆起電圧情報に基づいて、モータトルクを略一定とする異常時電流指令値を算出し、その異常時電流指令値に基づいて上記モータを継続駆動するものである。
ところが、ハードウェア等の制約により、モータに流せる電流量には限界がある。そのため、電流限界に到達する角度領域では一定のモータトルクが得られず、運転者はハンドル引っかかり感を感じてしまい操舵フィーリングが悪化する。
そこで、一定トルクが得られない角度領域より小さい角度で過アシスト特性を設けて、モータトルクを大きくすると共に、一定トルクが得られない角度領域より大きい角度で減アシスト特性を設けて、モータトルクを小さくする技術がある(例えば、特許文献2参照)。この技術は、一定トルクが得られない角度領域に到達する前にモータの回転を加速させることにより、この角度領域を飛び越えようとするものである。
特開2009−6963号公報 国際公開WO2005/091488明細書
上記特許文献2に記載の電動パワーステアリング装置にあっては、切り増し操舵をしており、モータトルク方向及びモータ回転方向が共に正方向である場合、一定トルクが得られない角度領域に達する直前にモータトルクを大きくすることでモータの回転を正方向に加速することができる。ところが、この角度領域を超えた直後にモータトルクを小さくするため、外部負荷によりモータの回転が減速しやすく、一定トルクが得られない角度領域に止まりやすい。
また、切り戻し操舵をしており、モータトルク方向が正方向でモータ回転方向が負方向である場合には、一定トルクが得られない角度領域に達する直前にモータトルクを小さくすることでモータの回転を負方向に加速することができる。しかしながら、この角度領域を超えた直後にモータトルクを大きくするため、これがブレーキトルクとなって一定トルクが得られない角度領域にモータを止めてしまう可能性がある。
その結果、切り戻し→切り増し時にアシスト不足となり、運転者にハンドル引っかかり感を与えてしまう。
そこで、本発明は、3相ブラシレスモータで1相に異常が発生したときに、操舵フィーリングを悪化させることなく、残りの2相を用いてモータ駆動を継続することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する各相コイルをスター結線した3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、
前記モータ制御手段は、前記各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルの駆動系統の異常を非検出であるとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する正常時相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相の相電流指令値の和が零となるような異常時相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、前記正常時モータ指令値算出手段で算出した正常時相電流指令値及び前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の何れか一方を選択し、選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、前記3相ブラシレスモータの電気角が、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ所定の角度領域である加速領域内にあるか否かを判定する加速領域判定手段と、前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域内にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を補正することで、前記3相ブラシレスモータの回転を操舵方向へ加速するモータ回転加速手段と、を備え、前記加速領域は、前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が大きいほど広く設定することを特徴としている。
らに、請求項に係る電動パワーステアリング装置は、請求項に係る発明において、前記加速領域は、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値が、前記各相コイルの駆動系統で通電可能な電流値の上限に相当する相電流上限値に達している角度領域の前後を含む角度領域であることを特徴としている。
さらにまた、請求項に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1又は2に係る発明において、ステアリングホイールに対する操舵操作が切り増し方向であるか切り戻し方向であるかを判定する操舵方向判定手段をさらに備え、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向に応じて、前記異常時相電流指令値の補正方法を変更することを特徴としている。
さらに、請求項4に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する各相コイルをスター結線した3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、
前記モータ制御手段は、前記各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルの駆動系統の異常を非検出であるとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する正常時相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相の相電流指令値の和が零となるような異常時相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、前記正常時モータ指令値算出手段で算出した正常時相電流指令値及び前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の何れか一方を選択し、選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、前記3相ブラシレスモータの電気角が、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ所定の角度領域である加速領域内にあるか否かを判定する加速領域判定手段と、前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域内にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を補正することで、前記3相ブラシレスモータの回転を操舵方向へ加速するモータ回転加速手段と、ステアリングホイールに対する操舵操作が切り増し方向であるか切り戻し方向であるかを判定する操舵方向判定手段と、を備え、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向に応じて、前記異常時相電流指令値の補正方法を変更することを特徴としている。
また、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、請求項3又は4に係る発明において、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り増し方向であるとき、前記異常時相電流指令値を増加する補正を行うことを特徴としている。
さらに、請求項6に係る電動パワーステアリング装置は、請求項3〜5の何れかに係る発明において、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であり、且つ前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が所定値以上であるとき、前記異常時相電流指令値を零または略零とする補正を行うことを特徴としている。
また、請求項7に係る電動パワーステアリング装置は、請求項〜6の何れかに係る発明において、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であり、且つ前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が所定値未満であるとき、前記異常時相電流指令値の符号を反転する補正を行うことを特徴としている。
さらに、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、請求項7に係る発明において、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であり、且つ前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が所定値未満であるとき、前記異常時相電流指令値の符号を反転すると共に減少する補正を行うことを特徴としている。
また、請求項9に係る電動パワーステアリング装置は、請求項6〜8の何れかに係る発明において、前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であるとき、前記所定値における前記異常時相電流指令値の補正方法の切り替えに際し、前記操舵補助電流指令値に応じて前記異常時相電流指令値の補正量を徐々に変化させる徐変領域を設けることを特徴としている。
らに、請求項10に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜の何れかに係る発明において、車速を検出する車速検出手段をさらに備え、前記モータ制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速に応じた電流制限値により、前記異常時相電流指令値の最大値を制限する電流制限手段を備え、当該電流制限手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定値より小さいとき、前記電流制限値を零または略零に設定することを特徴としている。
また、請求項11に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する各相コイルをスター結線した3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、
前記モータ制御手段は、前記各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルの駆動系統の異常を非検出であるとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する正常時相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相の相電流指令値の和が零となるような異常時相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、前記正常時モータ指令値算出手段で算出した正常時相電流指令値及び前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の何れか一方を選択し、選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、前記3相ブラシレスモータの電気角が、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ所定の角度領域である加速領域内にあるか否かを判定する加速領域判定手段と、前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域内にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を補正することで、前記3相ブラシレスモータの回転を操舵方向へ加速するモータ回転加速手段と、車速を検出する車速検出手段と、を備え、前記モータ制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速に応じた電流制限値により、前記異常時相電流指令値の最大値を制限する電流制限手段を備え、当該電流制限手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定値より小さいとき、前記電流制限値を零または略零に設定することを特徴としている。
また、請求項12に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜11の何れかに係る発明において、前記モータ回転加速手段は、所定の変化率制限値により、補正後の前記異常時相電流指令値の変化率の上限を制限することを特徴としている。
また、請求項13に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜12の何れかに係る発明において、前記モータ制御手段は、前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域外にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を減少する補正を行う減少補正手段を備えることを特徴としている。
本発明によれば、3相ブラシレスモータで1相に異常が発生した場合には、残りの2相を用いてモータ駆動を継続することができる。また、このとき、異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ加速領域で、意図的にモータの回転を操舵方向へ加速するので、当該加速領域でのブレーキトルクの発生を防止することができる。その結果、モータトルクが低下する不安定出力角度領域をモータ慣性力により効率的に飛び越えることができ、操舵フィーリングを向上させることができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置のシステム構成図である。 操舵補助制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。 操舵補助電流指令値算出マップである。 ベクトル相指令値算出回路のd軸電流指令値算出部の具体的構成を示すブロック図である。 d−q軸電圧算出用記憶テーブルを示す特性線図である。 正常時の3相ブラシレスモータで発生する誘起電圧波形を示す特性線図である。 3相ブラシレスモータにおける2相通電時のステータ磁界モデルを示す説明図である。 3相ブラシレスモータにおける2相通電時のモータ誘起電圧を示す特性線図である。 切り戻し補正ゲインの例を示す図である。 切り増し操舵時のモータ電流とモータトルクとを示す図である。 切り戻し操舵時(高電流)のモータ電流とモータトルクとを示す図である。 切り戻し操舵時(低電流)のモータ電流とモータトルクとを示す図である。 比較例における動作を説明するための図である。 第2の実施形態における制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。 最大電流値Imaxの例を示す図である。 本発明における変形例を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は、本発明の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、符号1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力がステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aと出力軸2bとを有する。入力軸2aの一端はステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで車幅方向の直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する3相ブラシレスモータ12とを備えている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
また、3相ブラシレスモータ12は、図2に示すように、U相コイルLu、V相コイルLv及びW相コイルLwの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各コイルLu、Lv及びLwの他端が操舵補助制御装置20に接続されて個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給されている。また、3相ブラシレスモータ12は、ロータの回転位置を検出するホール素子、レゾルバ等で構成されるロータ回転角検出回路13を備えている。
操舵補助制御装置20には、操舵トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速Vsが入力されると共に、ロータ回転角検出回路13で検出されたロータ回転角θmが入力される。また、この操舵補助制御装置20には、さらに3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud、Ivd及びIwdが入力される。
操舵補助制御装置20は、操舵トルクT、車速Vs、モータ電流検出値Iud、Ivd及びIwd、並びにロータ回転角θmに基づいて操舵補助電流指令値を演算して、各相モータ電圧指令値Vu、Vv及びVwを出力する制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、制御演算装置23から出力される相電圧指令値Vu、Vv及びVwに基づいてモータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路25とを備える。さらに、操舵補助制御装置20は、モータ駆動回路24及び3相ブラシレスモータ12との間に接続された遮断用リレー回路26と、3相ブラシレスモータ12に供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwの異常を検出する異常検出回路27とを備えている。
(制御演算装置23の構成)
図3は、制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。
制御演算装置23は、図3に示すように、操舵補助電流指令値演算部31、角度情報演算部32、正常時モータ指令値算出部33及び異常時モータ指令値算出部34で構成される指令値出力部30と、指令値選択部35と、モータ電流制御部36とを備えている。
操舵補助電流指令値演算部31は、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルクTと車速センサ21で検出した車速Vsとを入力し、これらに基づいて操舵補助電流指令値Irefを算出する。
角度情報演算部32は、ロータ回転角検出回路13で検出したロータ回転角θmに基づいて、電気角θe及び電気角速度ωeを算出する。
正常時モータ指令値算出部33は、操舵補助電流指令値Iref、電気角θe及び電気角速度ωeに基づいて、3相電流指令値(正常時相電流指令値)Iuref〜Iwrefを算出する。
異常時モータ指令値算出部34は、後述する異常検出回路27から入力される異常検出信号AS、操舵補助電流指令値Iref、電気角θe及び電気角速度ωeに基づいて正常なコイルLi(i=u〜w)及びLj(j=v〜u)に対する2相電流指令値(異常時相電流指令値)Iiref及びIjrefを算出する。このとき、IirefとIjrefとを、互いに符号が逆で絶対値が等しく算出する。つまり、IirefとIjrefとの和は零であり、これらは共通の電気角θeで符号が反転することになる。
指令値選択部35は、正常時モータ指令値算出部33から出力される3相電流指令値Iuref〜Iwrefと、異常時モータ指令値算出部34から出力される2相電流指令値Iiref及びIjrefとのうち、何れか一方を選択する。
モータ電流制御部36は、指令値選択部35で選択した電流指令値とモータ電流検出回路22で検出したモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとを用いて、電流フィードバック処理を行う。
以下、各ブロックで実行する処理について詳細に説明する。
操舵補助電流指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに、図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出する。操舵補助電流指令値算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助電流指令値Irefをとると共に、車速検出値Vsをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成される。この特性線図は、操舵トルクTが"0"からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助電流指令値Irefが"0"を維持し、操舵トルクTが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助電流指令値Irefが操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助電流指令値Irefが急峻に増加するように設定されている。また、この特性曲線は、車速Vsが増加するに従って傾きが小さくなるように設定されている。
角度情報演算部32は、ロータ回転角検出回路13で検出したロータ回転角θmを電気角θeに変換する電気角変換部32aと、この電気角変換部32aから出力される電気角θeを微分して電気角速度ωeを算出する微分回路32bとを有する。
正常時モータ指令値算出部33は、図3に示すように、操舵補助電流指令値Irefと電気角速度ωeとに基づいてd軸電流指令値Idrefを算出するd軸電流指令値算出部33a、電気角θeに基づいてd軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)を算出するd−q軸電圧算出部33b、及びこのd−q軸電圧算出部33bから出力されるd軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)とd軸電流指令値算出部33aから出力されるd軸電流指令値Idrefと操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefとに基づいてq軸電流指令値Iqrefを算出するq軸電流指令値算出部33cで構成されるd−q軸電流指令値算出部33dと、d軸電流指令値算出部33aから出力されるd軸電流指令値Idrefとq軸電流指令値算出部33cから出力されるq軸電流指令値Iqrefとを3相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefに変換する2相/3相変換部33eとを備えている。
d軸電流指令値算出部33aは、図5に示すように、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefを3相ブラシレスモータ12へのベース角速度ωbに換算する換算部51と、操舵補助電流指令値Irefの絶対値|Iref|を算出する絶対値部52と、電気角速度ωeとモータの磁極数Pとからモータの機械角速度ωm(=ωe/P)を算出する機械角算出部53と、ベース角速度ωbと機械角速度ωmとに基づいて進角Φ=acos(ωb/ωm)を算出するacos算出部54と、進角Φに基づいてsinΦを求めるsin算出部55と、絶対値部52からの絶対値|Iref|とsin算出部55から出力されるsinΦとを乗算して−1倍することによりd軸電流指令値Idref(=−|Iref|sinΦ)を求める乗算器56とを備えている。
このようにd軸電流指令値算出部33aを構成することにより、d軸電流指令値Idrefは、
Idref=−|Iref|・sin(acos(ωb/ωm)) …………(1)
となる。
上記(1)式のacos(ωb/ωm)の項に関し、モータの回転速度が高速でない場合、つまり3相ブラシレスモータ12の機械角速度ωmがベース角速度ωbより低速時の場合は、ωm<ωbとなるのでacos(ωb/ωm)=0となり、よってIdref=0となる。しかし、高速回転時、つまり機械角速度ωmがベース角速度ωbより高速になると、電流指令値Idrefの値が現れて、弱め界磁制御を始める。上記(1)式に表されるように、電流指令値Idrefは3相ブラシレスモータ12の回転速度によって変化するため、高速度回転時の制御をつなぎ目なく円滑に行うことが可能であるという優れた効果がある。
また、別の効果としてモータ端子電圧の飽和の問題に関しても効果がある。モータの相電圧Vは、一般的に、
V=E+R・I+L(di/dt) …………(2)
で表される。ここで、Eは逆起電圧、Rは固定抵抗、Lはインダクタンスである。逆起電圧Eはモータが高速回転になるほど大きくなり、バッテリー電圧などの電源電圧は固定であるから、モータの制御に利用できる電圧範囲が狭くなる。この電圧飽和に達する角速度がベース角速度ωbで、電圧飽和が生じるとPWM制御のデューティ比が100%に達し、それ以上は電流指令値に追従できなくなり、その結果トルクリップルが大きくなる。
しかし、上記(1)式で表される電流指令値Idrefは極性が負であり、上記(2)式のL(di/dt)に関する電流指令値Idrefの誘起電圧成分は、逆起電圧Eと極性が反対となる。よって、高速回転になるほど値が大きくなる逆起電圧Eを、電流指令値Idrefによって誘起される電圧で減じる効果を示す。その結果、3相ブラシレスモータ12が高速回転になっても、電流指令値Idrefの効果によってモータを制御できる電圧範囲が広くなる。つまり、電流指令値Idrefの制御による弱め界磁制御によってモータの制御電圧は飽和せず、制御できる範囲が広くなり、モータの高速回転時にもトルクリップルが大きくなることを防止できる効果がある。
さらに、d−q軸電圧算出部33bは、電気角θeをもとに、図6に示す3相駆動用記憶テーブルとしてのd−q軸電圧算出用記憶テーブルを参照して、d軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)を算出する。ここで、d−q軸電圧算出用記憶テーブルは、図6に示すように、横軸に電気角θeをとり、縦軸に各相コイルが発生する誘起電圧波形を回転座標に変換したd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)をとって構成される。3相ブラシレスモータ12が図7に示すように正常時の誘起電圧波形U相EMF、V相EMF及びW相EMFが夫々120度位相の異なる正弦波となる正弦波誘起電圧モータである場合には、図6に示すように、電気角θには関係なくed(θ)及びq軸電圧eq(θ)が共に一定値となる。
さらにまた、q軸電流指令値算出部33cは、入力される操舵補助電流指令値Iref、d軸電圧ed(θe)、q軸電圧eq(θe)、d軸電流指令値Idref及び電気角速度ωeに基づいて下記(3)式の演算を行ってq軸電流指令値Iqrefを算出する。
Iqref={Kt×Iref×ωe−ed(θe)×Idref(θe)}/eq(θe)
………………(3)
ここで、Ktはモータトルク定数である。
(異常時モータ指令値算出部34の構成)
異常時モータ指令値算出部34は、3相ブラシレスモータ12の1相の駆動系統に異常が発生した場合に、残りの2相のコイルを使用して3相ブラシレスモータ12の回転駆動を継続するための相電流指令値を算出するものである。
3相ブラシレスモータ12では、例えば図8(a)に示すようにU相コイルLuに対する駆動系統に断線が発生して、U相コイルLuにモータ電流を供給できない状態となると、モータ電流を供給可能なコイルはV相コイルLv及びW相コイルLwの2つのコイルとなる。これらV相コイルLv及びW相コイルLwに供給する電流の方向は、V相コイルLvからモータ電流を入力してW相コイルLwから出力する場合と、逆にW相コイルLwからモータ電流を入力してV相コイルLvから出力する場合の2通りとなる。
これらモータ電流によって発生するステータ合成磁界は、図8(b)及び(c)に示すように、180度異なる方向にのみ形成することができるだけであるので、これらのステータ合成磁界のみでは3相ブラシレスモータ12を2相駆動することはできない。
そこで、例えばU相の駆動系統に通電異常が発生したときに、残りのV相及びW相を使用してモータ駆動する場合のモータ誘起電圧を、図9に示すように、電気角θeに対する特性曲線L1及びL2で示される誘起電圧EMFv(θe)及びEMFw(θe)を合成した特性曲線L3で示される合成誘起電圧EMFaとする。そして、この合成誘起電圧EMFaに基づいて相電流指令値Im(θe)を算出し、この相電流指令値Im(θe)に基づいて、上述した2相電流指令値を算出する。
ここで、本実施形態では、現在の電気角θeが後述する所定の加速領域内にあるとき、3相ブラシレスモータ12を操舵方向へ加速するべく、上記相電流指令値Im(θe)を増加又は減少する補正を行うものとする。
次に、異常時モータ指令値算出部34の具体的構成について説明する。
異常時モータ指令値算出部34は、図3に示すように、加速領域判定部61と、切り増し切り戻し判定部62と、誘起電圧算出部63と、相電流指令値算出部64と、相電流指令値補正部65と、電流制限部66と、2相電流指令値算出部67とを備える。
加速領域判定部61は、操舵補助電流指令値Iref及び電気角θeを入力する。そして、先ず、操舵補助電流指令値Irefに基づいて加速領域を設定する。ここでは、操舵補助電流指令値Irefが大きいほど加速領域を広く設定する。
上記加速領域は、後述する相電流指令値算出部64で算出する相電流指令値Im(θe)の符号が反転する電気角θeを跨ぐ所定の角度領域に設定する。具体的には、当該加速領域は、相電流指令値Im(θe)が、各相コイルの駆動系統で通電可能な電流値の上限に相当する相電流上限値(モータ駆動回路24で出力可能な最大電流値Imax)に達している角度領域の前後を含む角度領域とする。
3相ブラシレスモータ12の何れか1相に通電異常が発生し、2相電流指令値に基づいて3相ブラシレスモータ12を回転駆動した場合、相電流指令値Im(θe)の符号が反転する電気角θeでモータトルクが必ず零となる。したがって、上記加速領域は、モータトルクが零となる電気角θeを跨ぐ角度領域とも言える。
次に、加速領域判定部61は、現在の電気角θeが上記加速領域内にあるか否かを判定する。そして、加速領域内にある場合には加速領域判定フラグFaを“1”にセットし、加速領域外にある場合には加速領域判定フラグFaを“0”にリセットする。
切り増し切り戻し判定部62は、操舵トルクT及び電気角速度ωeを入力し、これらに基づいて、ステアリングホイールに対する操舵操作が切り増し方向であるか、切り戻し方向であるかを判定する。
ここで、操舵トルクセンサ3は、例えば、右操舵時の発生トルクは正値、左操舵時の発生トルクは負値として、操舵トルクTに符号を付与して出力するように構成されている。同様に、3相ブラシレスモータ12の微分回路32bは、3相ブラシレスモータ12の回転方向に応じて符号を付与し、例えば、右方向の操舵時に操舵補助力を付与する回転方向の場合には正値、左方向の操舵時に操舵補助力を付与する回転方向の場合には負値、を付与して出力するように構成されている。
したがって、切り増し切り戻し判定部62では、3相ブラシレスモータ12の電気角速度ωe及び操舵トルクTの符号が同一であるとき、つまり、共に正又は共に負であるときに切り増しと判定し、これらの符号が異なるときは切り戻しと判定する。そして、操舵方向が切り増し方向であると判定した場合は、切り増し/切り戻し判定フラグFbを“1”にセットし、操舵方向が切り戻し方向であると判定した場合は、切り増し/切り戻し判定フラグFbを“0”にリセットする。
なお、操舵トルクTの符号と操舵トルク変化率の符号とが同一で、且つ操舵トルク変化率の絶対値が所定値以上のときに切り増しと判定し、操舵トルクTの符号と操舵トルク変化率の符号とが異なり、且つ操舵トルク変化率の絶対値が所定値以上のときに切り戻しと判定することもできる。この場合、電気角速度ωeを用いることなく、操舵トルクTのみで切り増し/切り戻しを判定することができる。
誘起電圧算出部63は、電気角θe及び後述する異常検出回路27から出力される異常検出信号ASに基づいて、合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する。
ここで、誘起電圧算出部63は、V−W2相で駆動する場合の図9の特性曲線L3で表される合成誘起電圧EMFaと電気角θeとの関係を示す合成誘起電圧算出用記憶テーブル、U−V2相で駆動する場合の合成誘起電圧EMFaと電気角θeとの関係を表す合成誘起電圧算出テーブル、及びU−W2相で駆動する場合の合成誘起電圧EMFaと電気角θeとの関係を表す合成誘起電圧算出用記憶テーブルの3つの合成誘起電圧算出用記憶テーブルを有する。そして、異常検出信号ASに基づいて正常である2相に対応する合成誘起電圧算出用記憶テーブルを選択し、電気角θeをもとに選択した合成誘起電圧算出用記憶テーブルを参照して合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する。
相電流指令値算出部64は、誘起電圧算出部63で算出した合成誘起電圧EMFa(θe)、操舵補助電流指令値Iref及び電気角速度ωeに基づいて、相電流指令値Im(θe)を算出する。
すなわち、相電流指令値算出部64は、下記(4)の演算を行って相電流指令値Im(θe)を算出する。
Im(θe)=(Kt2×Iref×ωe)/EMFa(θe) ………(4)
ここで、Kt2は2相通電時のモータトルク定数である。
相電流指令値補正部65は、相電流指令値算出部64で算出した相電流指令値Im(θe)を入力し、これを補正して補正後の相電流指令値Im*(θe)を出力する。ここでは、加速領域判定フラグFa=1であるときに、切り増し/切り戻し判定フラグFb及び操舵補助電流指令値Irefに応じて、相電流指令値Im(θe)を増加又は減少する補正を行う。
具体的には、加速領域において、操舵方向が切り増し方向である場合(Fa=1,Fb=1)には、相電流指令値Im(θe)を増加する補正を行う。ここでは、例えば、相電流指令値Im(θe)に補正ゲインK1(>1)を乗算することで増加補正を行う。
また、加速領域において、操舵方向が切り戻し方向である場合(Fa=1,Fb=0)には、操舵補助電流指令値Irefの絶対値に応じて図10の特性を持つ切り戻し補正ゲインK2を相電流指令値Im(θe)に乗算することで、当該相電流指令値Im(θe)の補正を行う。
切り戻し補正ゲインK2は、図10に示すように、Iref≧IrefTH2であるときに0(又は略0)となり、Iref<IrefTH1であるときに−Aとなる。ここで、A≦1である。また、切り戻し補正ゲインK2は、IrefTH1≦Iref<IrefTH2であるとき、操舵補助電流指令値Irefが大きくなるにつれて−Aから0まで徐々に変化するように設定する。
すなわち、Iref≧IrefTH2である場合には、相電流指令値Im(θe)を0(又は略0)に減少する補正を行う。一方、Iref<IrefTH1である場合には、相電流指令値Im(θe)の符号を反転すると共に減少する補正を行う。
また、IrefTH1≦Iref<IrefTH2である場合には、上記相電流指令値Im(θe)の補正量を、操舵補助電流指令値Irefを基準に徐変させて急激な変化を防止する。このように、操舵補助電流指令値Irefに応じて相電流指令値Im(θe)の補正量を徐々に変化させる徐変領域を設ける。
ここで、上記閾値IrefTH1及びIrefTH2は、モータに回転力を与える程度のモータに係る外部負荷が発生する操舵補助電流指令値を基準に設定される。
また、加速領域判定フラグFa=0であるときには、切り増し/切り戻し判定フラグFb及び操舵補助電流指令値Irefにかかわらず、相電流指令値Im(θe)を減少する補正を行う。ここでは、例えば、相電流指令値Im(θe)に補正ゲインK3(<1)を乗算することで減少補正を行う。
電流制限部66は、相電流指令値補正部65で算出した相電流指令値Im*(θe)を所定の最大電流値Imaxで制限する。ここでは、当該最大電流値Imaxをモータ駆動回路24で出力可能な電流上限値に設定する。
2相電流指令値算出部67は、電流制限部66で制限された相電流指令値に基づいて該当する2相の相電流指令値を出力する。
ここでは、異常検出回路27から出力される異常検出信号ASに基づいて、通電する2相を決定すると共に、相電流指令値Im*(θe)の符号に基づいて通電方向を設定(上記通電する2相のうち何れの側から電流を流すかを設定)する。そして、設定された通電方向に対応する1つの相の電流指令値Ikref(k=u〜w)を後述する指令値選択部35に出力する。
指令値選択部35は、切換スイッチ71u、71v及び71wと、これら切換スイッチ71u、71v及び71wを切換え制御する選択制御部72とを備えている。
切換スイッチ71u、71v及び71wの常閉接点には、正常時モータ指令値算出部33の2相/3相変換部33eで算出された各相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefが入力され、他方の常開接点には異常時モータ指令値算出部34から出力される各相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefが入力される。
選択制御部72は、異常検出回路27から出力される異常検出信号ASが全ての相が正常であることを示す“0”であるとき、切換スイッチ71u〜71wに対して常閉接点を選択する論理値“0”の選択信号を出力すると共に、後述する遮断リレー回路RLY1〜RLY3に対してこれらをオン状態に制御するリレー制御信号を出力する。一方、異常検出信号ASが“0”でないときには、切換スイッチ71u〜71wに対して常開接点を選択する論理値“1”の選択信号を出力すると共に、異常となった駆動系統に対応する遮断リレー回路RLYx(x=u〜w)に対してこれをオフ状態に制御するリレー制御信号を出力する。
モータ電流制御部36は、指令値選択部35から供給される各相電流指令値Iuref,Ivref,Iwrefから電流検出回路22で検出した各相コイルLu、Lv、Lwに流れるモータ相電流検出値Iud、Ivd、Iwdを減算して各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwを求める減算器81u、81v及び81wと、求めた各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwに対して比例積分制御を行って指令電圧Vu、Vv、Vwを算出するPI制御部82とを備えている。
そして、PI制御部82から出力される指令電圧Vu、Vv、VwがFETゲート駆動回路25に供給される。
モータ駆動回路24は、図2に示すように、各相コイルLu、Lv及びLwに対応して直列に接続されたNチャンネルMOSFETで構成されるスイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbを並列に接続されたインバータ構成を有する。スイッチング素子Qua,Qubの接続点、Qva,Qvbの接続点及びQwa,Qwbの接続点は、夫々相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側に接続されている。
そして、モータ駆動回路24を構成する各スイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,QwbのゲートにFETゲート駆動回路25から出力されるPWM(パルス幅変調)信号が供給される。
さらに、遮断用リレー回路26は、3相ブラシレスモータ12の相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側の端子と、モータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbの接続点との間に個別に介挿されたリレー接点RLY1、RLY2及びRLY3で構成されている。各リレー接点RLY1〜RLY3は、選択制御部72から出力されるリレー制御信号によってオン/オフ状態が制御される。このとき、異常検出回路27で全ての相で異常が検出されない正常状態では閉状態(オン状態)に制御され、何れか1つの相で異常が検出されたときに異常となった相のリレー接点RYLi(i=1〜3)が開状態(オフ状態)に制御される。
さらにまた、異常検出回路27は、FETゲート駆動回路25に供給する電圧指令値Vu、Vv及びVw又はモータ駆動回路24に供給するパルス幅変調信号と各相のモータ電圧とを比較することによってU相、V相、及びW相の不導通及び短絡異常を検出することができる。そして、異常検出回路27では、U相、V相及びW相の全てが正常である場合には、“0”、U相不導通異常時には“U1”、U相短絡異常時には“U2”、V相不導通異常時には“V1”、V相短絡異常時には“V2”、W相不導通異常時には“W1”、W相短絡異常時には“W2”となる相異常検出信号ASを制御演算装置23の異常時モータ指令値算出部34及び指令値選択部35に出力する。
なお、図1の操舵トルクセンサ3が操舵トルク検出手段に対応し、車速センサ21が車速検出手段に対応し、操舵補助制御装置20がモータ制御手段に対応し、図2の異常検出回路27がコイル駆動系異常検出手段に対応している。
また、図3の操舵補助電流指令値演算部31が操舵補助電流指令値算出手段に対応し、正常時モータ指令値算出部33が正常時モータ指令値算出手段に対応し、誘起電圧算出部63、相電流指令値算出部64及び2相電流指令値算出部67が異常時モータ指令値算出手段に対応し、指令値選択部35及びモータ電流制御部36がモータ駆動制御手段に対応している。さらに、加速領域判定部61が加速領域判定手段に対応し、切り増し切り戻し判定部62が操舵方向判定手段に対応し、相電流指令値補正部65がモータ回転加速手段に対応し、電流制限部66が電流制限手段に対応している。
(動作)
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、モータ駆動回路24を構成する各電界効果トランジスタQua〜Qwbが正常であると共に、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwに断線や地絡が生じていない正常状態であるものとする。この場合には、異常検出回路27で異常状態が検出されることがないため、異常検出回路27は“0”を表す異常検出信号ASを異常時モータ指令値算出部34及び指令値選択部35に出力する。
このため、指令値選択部35の選択制御部72は論理値“0”の選択信号を切換スイッチ71u〜71wに出力する。したがって、各切換スイッチ71u〜71wが常閉接点側を選択し、正常時モータ指令値算出部33が出力した相電流指令値Iuref〜Iwrefがモータ電流制御部36に供給される。これと同時に各リレー接点RLY1〜RLY3に対してこれらを閉状態に制御するリレー制御信号が出力される。
これにより、モータ駆動回路24から出力したモータ駆動電流Iu、Iv及びIwがリレー接点RLY1、RLY2及びRLY3を介して3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給される。すなわち、3相コイルを使用したモータ駆動制御が行われる。
このとき、車両が停止しており、運転者がステアリングホイール1を操舵していない状態であるとすると、制御演算装置23の正常時モータ指令値算出部33は、相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefをそれぞれ“0”に算出する。このとき、3相ブラシレスモータ12が停止している場合には、各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ電流Iu、Iv及びIwも“0”となり、3相ブラシレスモータ12は停止状態を維持する。
このステアリングホイール1の非操舵状態から、車両の停止時にステアリングホイール1を操舵する所謂据え切り状態とすると、これに応じて操舵トルクセンサ3は大きい操舵トルクTを検出する。したがって、正常時モータ指令値算出部33は、この操舵トルクTに応じた相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefを算出し、これらをモータ電流制御部36に供給する。
すると、モータ電流制御部36は、相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefに基づいて指令電圧Vu、Vv及びVwを算出し、これらをFETゲート駆動回路25に供給する。これにより、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタが制御されて、3相ブラシレスモータ12が回転駆動される。このため、3相ブラシレスモータ12は、ステアリングホイール1に入力される操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生し、これが減速ギヤ11を介してステアリングシャフト2に伝達されることにより、運転者はステアリングホイール1を軽い操舵力で操舵することができる。
この正常状態から、例えばU相コイルLuを駆動する駆動系統即ちモータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua又はQubがオフ状態を継続したままとなるか、U相コイルLuを含む通電経路に断線が生じることにより、U相コイルLuが不導通となる異常が発生したものとする。この場合、当該異常を異常検出回路27で検出し、異常検出回路27はU相不導通異常を表す“U1”の相異常検出信号ASを異常時モータ指令値算出部34及び指令値選択部35に供給する。
このため、選択スイッチ71u〜71wが常閉接点側から常開接点側に切換えられる。したがって、モータ電流制御部36に供給する相電流指令値は、正常時モータ指令値算出部33が出力する相電流指令値Iuref〜Iwrefから、異常時モータ指令値算出部34が出力する相電流指令値Iuref〜Iwrefに切換えられる。
異常時モータ指令値算出部34では、異常検出回路27から入力される異常検出信号ASが“U1”であるので、誘起電圧算出部63で、角度情報演算部32から入力される電気角θeをもとに、V相誘起電圧とW相誘起電圧との合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する。そして、算出された合成誘起電圧EMFa(θe)が相電流指令値算出部64に供給され、この相電流指令値算出部64で前記(4)式の演算を行って相電流指令値Im(θe)を算出する。
このとき、電気角θeが加速領域に達していないものとすると、加速領域判定部61は加速領域判定フラグFa=0を出力する。また、このとき、運転者がステアリングホイール1を切り増し方向に操舵している場合には、切り増し切り戻し判定部62は、切り増し/切り戻し判定フラグFb=1を出力する。
そのため、相電流指令値補正部65は、相電流指令値算出部64で算出した相電流指令値Im(θe)を減少する補正を行う。補正後の相電流指令値Im*(θe)は電流制限部66に供給する。このとき、相電流指令値Im*(θe)が最大電流値Imaxを超えている場合には、電流制限部66で、相電流指令値Im*(θe)をこの最大電流値Imaxで制限する。
電流制限部66が出力する相電流指令値Im*(θe)は、2相電流指令値算出部67に供給される。2相電流指令値算出部67では、相電流指令値Im*(θe)の符号に基づいてV相及びW相の何れの側から電流を流すのかを設定し、それに応じた相電流指令値Iuref〜Iwrefを選択スイッチ71u〜71wに出力する。
このとき、電気角θeが0°〜90°であるときには、W相コイルLwからV相コイルLvに向けて電流を流すように、W相電流指令値Iwrefを正値に設定する。なお、電気角θeが90°〜270°であるときにはV相コイルLvからW相コイルLwに向けて電流を流すように、V相電流指令値Ivrefを正値に設定する。さらに、電気角θeが270°〜360°であるときにはW相コイルLwからV相コイルLvに向けて電流を流すように、W相電流指令値Iwrefを正値に設定する。また、U相電流指令値Iurefは“0”とする。すなわち、U相の駆動系統に通電異常が発生している場合には、V相電流指令値とW相電流指令値とが互いに逆符号でその絶対値が等しくなるようにする(正常な2相の電流指令値の和が零となるようにする)。
こうして、回転するステータ合成磁界を発生させてロータを回転させることにより、3相ブラシレスモータ12を2相駆動する。
図11は、切り増し操舵時のモータ電流とモータトルクとを示す図であり、破線は相電流指令値Im(θe)の補正を行わない場合のモータ電流及びモータトルク、実線は上記補正を行った場合のモータ電流及びモータトルクを示している。また、図中の丸印及び矢印は、モータの状態のイメージを示している。
ここでは切り増し操舵を行っているため、モータトルク方向とモータ回転方向は共に正方向(図11の左→右)であり、モータに係る外部負荷の方向は負方向(図11の右→左)となる。
図11の破線に示すように、相電流指令値Im(θe)の補正を行わない場合、モータ電流が電流上限に達する前の領域(領域Aに達する前の領域)では、モータ電流は上に凸となる円弧状で負の最大電流値まで増加する。そして、領域Aでは、90°より前の領域で負の最大値を維持し、90°で符号が反転して90°より後の領域で正の最大値を維持する。また、領域Aを超えると、モータ電流は下に凸となる円弧状で正の最大値から減少する。
このときモータトルクは、図11の破線に示すように、領域Aの前後の角度領域においては一定値となる。そして、相電流が電流上限に達する領域Aではモータトルクが低下し、90°でモータトルクが零となる。すなわち、領域Aの前後の角度領域は、一定のモータトルクを出力可能な安定出力角度領域であり、領域Aは、モータ駆動回路24で出力可能な最大電流値Imaxで電流が制限されて、一定のモータトルクが得られない不安定出力角度領域となる。
このように、通電異常時に3相ブラシレスモータを駆動制御したとき、相電流指令値Im(θe)の符号が反転し、モータトルクが必ず零になる電気角θe(90°,270°)が存在する。本実施形態では、その電気角θeを跨ぐ領域Aの前後の領域(領域B,C)を含む角度領域を加速領域Dとする。
電気角θeが加速領域Dに達していない場合、相電流指令値補正部65は、相電流指令値Im(θe)を減少補正した相電流指令値Im*(θe)を電流制限部66に出力する。このとき、相電流指令値Im*(θe)は最大電流値Imaxを超えないため、電流制限部66は、相電流指令値補正部65から入力した相電流指令値Im*(θe)をそのまま2相電流指令値算出部67に供給する。
このように、加速領域Dに達する前の安定出力角度領域でモータ電流を減少補正することで、この領域ではモータトルクが低減する。これにより、操舵トルクを意図的に上昇させる。
その後、電気角θeが加速領域Dに達すると、加速領域判定部61は加速領域判定フラグFa=1を出力する。このとき、切り増し/切り戻し判定フラグFb=1であるため、相電流指令値補正部65は、相電流指令値算出部64で算出した相電流指令値Im(θe)を増加する補正を行う。
このように、加速領域Dに達したときにモータ電流を増加補正することで、モータトルクを上昇し3相ブラシレスモータ12を正方向に加速する。この増加補正は電気角θeが加速領域D内に存在する間、継続する。
この加速領域Dにおいて、相電流指令値補正部65による増加補正によって、相電流指令値Im*(θe)が電流最大値Imaxを超えると、電流制限部66により電流制限が行われる。これにより、加速領域Dでは、90°を境にして負の最大値と正の最大値とを維持することになる。すなわち、領域Aの前後の領域B及びCでは、破線に示す補正無しの場合と比較してモータ電流が大きくなり、それに伴ってモータトルクも大きくなる。
このように、本実施形態では、電流上限に到達する前後の安定出力角度領域、すなわちモータトルクを自由に増加減できる角度領域でモータ電流を増加減する補正を行う。
そして、電気角θeが加速領域Dを超えると、加速領域判定部61は加速領域判定フラグFa=0を出力する。そのため、相電流指令値補正部65は、相電流指令値算出部64で算出した相電流指令値Im(θe)を再び減少する補正を行い、モータトルクを低減する。
このように、切り増し操舵時は、領域Aに達する前の領域Bでモータを正方向に加速するので、図中丸印b→丸印cに示すように、一定のモータトルクが得られない領域Aを飛び越えることができる。また、このとき、加速領域Dの手前で相電流を低減し、操舵トルクを上昇させておく。モータに係る外部負荷は、車両負荷−操舵力(操舵トルク)であるため、操舵トルクを上昇させることでモータに係る外部負荷を小さくしておくことができる。そのため、加速領域Dでのモータ加速を行い易くすることができる。
さらに、加速領域Dにおいては、領域Aを超えた後の領域Cでもモータを正方向に加速するので、一度領域Aを飛び越えた後に、負方向に発生しているモータに係る外部負荷によりモータが領域Aに再度落ち込むのを防ぐことができる。したがって、丸印c→丸印dに示すように、適切にモータを正方向に進ませることができる。
このように、3相のうち1相に異常が発生した場合には、残りの2相を使用して3相ブラシレスモータ12を継続駆動することができる。また、このとき、電流制限により一定のモータトルクが得られない領域Aを効率良く飛び越えることができる。
次に、運転者が切り戻し操舵を行っている場合について説明する。
この場合、切り増し切り戻し判定部62で切り増し/切り戻しフラグFb=0を出力する。このとき、操舵補助電流指令値Irefが閾値IrefTH以上であるものとすると、相電流指令値補正部65では、加速領域内においてモータ電流を“0”とする補正を行うと共に、加速領域外においてモータ電流を減少する補正を行う。
図12は、切り戻し操舵(高電流)時のモータ電流とモータトルクとを示す図である。
切り増し操舵を行っている場合、モータトルク方向とモータ回転方向とは一致しない。すなわちモータトルク方向は正方向(図12の左→右)であるが、モータ回転方向はモータに係る外部負荷の方向と同じ負方向(図12の右→左)である。
電気角θeが加速領域Dに達する前の領域では、相電流指令値補正部65は、相電流指令値Im(θe)を減少する補正を行う。したがって、この加速領域D前の領域ではモータトルクが低減される。
そして、電気角θeが加速領域Dに達すると、相電流指令値補正部65は、相電流指令値Im(θe)を“0”とする補正を行う。この減少補正は電気角θeが加速領域D内に存在する間、継続する。そのため、加速領域Dにおいてはモータトルクも“0”となる。
このとき、切り戻し状態において、操舵補助電流指令値Irefが閾値IrefTH2以上である状態は、モータに係る外部負荷が大きい状態とほぼ等しい。したがって、このような場合にはモータ電流を0とし、モータ回転方向とモータに係る外部負荷の方向とが一致していることを利用して、このモータに係る外部負荷を利用してモータを負方向に加速する。
ここで、加速領域D前の領域では、上述したようにモータトルクを低減しているため、加速領域Dに達する前と加速領域Dに達した後とで、モータトルクの差が小さい。そのため、モータの状態を丸印a→丸印bへ移行し易くすることができる。
その後、電気角θeが加速領域Dを超えると、相電流指令値補正部65は、再び相電流指令値Im(θe)を減少補正する。これにより、モータトルクが低減される。そのため、この場合にも、加速領域D内にいるときと加速領域Dを超えた後とで、モータトルクの差を小さくすることができ、モータの状態を丸印c→丸印dへ移行し易くすることができる。
このように、電流制限により一定のモータトルクが得られない領域Aを効率良く飛び越えることができる。
一方、切り戻し操舵時において、操舵補助電流指令値Irefが閾値IrefTH1未満である場合には、相電流指令値補正部65では、加速領域内においてモータ電流を反転・減少する補正を行うと共に、加速領域外においてモータ電流を減少する補正を行う。
図13は、切り戻し操舵(低電流)時の相電流とモータトルクとを示す図である。
すなわち、電気角θeが加速領域Dに達する前の領域では、相電流指令値補正部65は、相電流指令値Im(θe)を減少する補正を行う。したがって、この加速領域D前の領域ではモータトルクが低減される。
そして、電気角θeが加速領域Dに達すると、相電流指令値補正部65は、相電流指令値Im(θe)の符号を反転すると共に減少する補正を行う。
このとき、切り戻し状態において、操舵補助電流指令値Irefが比較的小さい状態は、モータに係る外部負荷が小さい状態とほぼ等しい。そのため、このモータに係る外部負荷を利用したモータ加速は期待できない。そこで、モータ電流を逆電流とし、逆トルクを発生することでモータを負方向へ加速する。
ここで、加速領域D前の領域では上述したようにモータトルクを低減しており、加速領域Dでも相電流指令値Im(θe)を減少補正することでモータトルクを低減しているため、加速領域Dに達する前と加速領域Dに達した後とで、モータトルクの差が小さい。そのため、モータの状態を丸印a→丸印bへ移行し易くすることができる。
また、相電流指令値Im(θe)を急激に変化させると、電流フィードバック制御の制御応答性を超えて、過電流となる可能性がある。これに対して、本実施形態では、相電流指令値Im(θe)の符号を反転する際に減少する補正を行うので、加速領域D外⇔加速領域D内の移行時における相電流の急激な変化を抑えることができ、過電流を抑制することができる。
その後、電気角θeが加速領域Dを超えると、相電流指令値補正部65は、再び相電流指令値Im(θe)を減少補正する。これにより、モータトルクが低減される。そのため、この場合にも、加速領域Dにいるときと加速領域Dを超えた後とで、モータトルクの差を小さくすることができ、モータの状態を丸印c→丸印dへ移行し易くすることができる。
このように、電流制限により一定のモータトルクが得られない領域Aを効率良く飛び越えることができる。
ところで、領域Aを飛び越える手法(比較例)として、領域Aの前に過アシスト特性を設け、領域Aの後に減アシスト特性を設けるというものがある。
図14は、上記比較例における動作を説明するための図である。この図14において、(a)は切り増し操舵時の相電流、(b)は切り増し操舵時のモータトルク、(c)は切り戻し操舵時の相電流、(d)は切り戻し操舵時のモータトルクであり、何れもU相が断線し、V相及びW相でモータの回転駆動を行う場合について示している。
切り増し操舵時には、図14(a)及び(b)に示すように、モータトルクが0になるモータ回転角度(90°,270°)の直前で過アシスト特性によりモータトルクを大きくするため、モータの回転が正方向に加速する。ところが、αに示すように、モータトルクが0になるモータ回転角度(ここでは90°)の直後で減アシスト特性によりモータトルクが小さくなる。そのため、外部負荷によりモータが減速することでモータ回転角度が90°に止まったり、外部負荷に負けてモータ回転角度が90°に戻ったりする可能性がある。
また、切り戻し操舵時には、図14(c)及び(d)に示すように、モータトルクが0になるモータ回転角度(90°,270°)の直前で減アシスト特性によりモータトルクを小さくするため、モータの回転が負方向に加速する。ところが、βに示すように、モータトルクが0になるモータ回転角度(ここでは270°)の直後で過アシスト特性によりモータトルクが大きくなる。そのため、これがブレーキトルクとなって(トルクの壁となって)、モータ回転角度が270°に止まってしまう可能性がある。
したがって、この比較例では、切り戻し→切り増し時にアシスト不足となって大きなハンドル引っかかり感を与えてしまうため、運転者が意図するハンドル操作が行えない可能性があり、操舵フィーリングが悪化する。
また、別の例として、モータ回転数及び操舵トルクに応じて電気角を進角させることで、各相の電流フィードバック制御器の位相遅れを補償しつつ、領域Aの前に過アシスト特性と逆アシスト特性とを設けるものがある。
しかしながら、この場合にも、切り増し操舵時には、過アシスト特性によりモータが加速するが逆アシスト特性がブレーキトルクとなって、モータが領域Aに戻され易く、効率的な飛び越え方ではない。また、切り戻し操舵時には、逆アシスト特性によりモータが加速するが過アシスト特性がブレーキトルクとなって、モータが領域Aに止まり易い。
このように、これら比較例における領域Aの飛び越え方は、効率的な飛び越え方ではないため、極数が少なく領域Aが広いブラシレスモータに対する採用が困難となる。
これに対して、本実施形態では、電流制限により一定のモータトルクが得られない領域の前後を含む加速領域において、モータを意図的に操舵方向へ加速するべく相電流指令値Im(θe)を補正する。このとき、ステアリングホイール1に対する操舵操作(切り増し/切り戻し)に応じて相電流指令値Im(θe)の補正方法を変更する。そのため、電動パワーステアリングに特有のモータトルク方向とモータ回転方向とが不一致となる状態にも適した構成で、効率良く一定のモータトルクが得られない領域を飛び越えることができる。
なお、異常検出回路27で検出したU相駆動系統の異常がモータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua又はQubの短絡異常であるときには、異常検出回路27は“U2”で表される異常検出信号ASを出力する。そして、これが指令値選択部35の選択制御部72に供給されると、この選択制御部72はU相の遮断用リレーRLY1を遮断状態とするリレー制御信号を遮断用リレーRLY1に供給する。これにより、3相ブラシレスモータ12のU相コイルLuへの電力供給系統が遮断される。この動作を除いては前述した不導通異常と同様の処理を行って、3相ブラシレスモータ12を2相通電制御する。したがって、この場合にもモータの回転駆動を継続することができる。
また、U相の駆動系統以外に、V相又はW相の駆動系統に不導通異常や短絡異常が発生した場合も上記と同様に正常な2相を通電制御することにより、回転駆動を継続することができる。
(効果)
このように、上記第1の実施形態では、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwへの駆動系統が正常であるときには、通常通り正常時モータ指令値算出部33で、各相電流指令値Iuref〜Iwrefを算出し、これらに基づいて3相ブラシレスモータ12をフィードバック制御する。これにより、操舵トルクT及び車速Vsに応じた操舵補助力を3相ブラシレスモータ12で発生して、最適な操舵補助制御を行うことができる。
一方、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwの何れか1つの駆動系統で異常が発生した場合には、異常時モータ指令値算出部34で、正常な2相のコイルを使用する相電流指令値Iuref〜Iwrefを算出し、これらに基づいて3相ブラシレスモータ12をフィードバック制御する。これにより、3相ブラシレスモータ12の駆動を継続することができる。
このとき、異常時相電流指令値の符号が反転し、モータトルクが零となる電気角θeを跨ぐ角度領域、すなわち一定トルクが得られない角度領域(不安定出力角度領域)の前後を含む加速領域で、意図的に3相ブラシレスモータ12の回転を操舵方向へ加速するように異常時相電流指令値を補正する。
これにより、不安定出力角度領域に達する前にモータ加速を行うことができる。また、不安定出力角度領域を超えた後にも異常時相電流指令値の増加減補正を行うので、一度不安定出力角度領域を超えた後にトルクが不足し、モータが不安定出力角度領域に再度落ち込むのを防止することができる。さらに、操舵方向へモータを加速するように異常時相電流指令値を増加減補正するので、上記加速領域でのブレーキトルクの発生を防止することができる。
したがって、不安定出力角度領域をモータ慣性力にて効率的に飛び越えることができ、操舵フィーリングを向上させることができる。また、不安定出力角度領域が広いブラシレスモータ(軸倍角が小さいブラシレスモータ)に対しても採用可能となる。
また、操舵補助電流指令値Irefが大きいほど電流上限に達する角度領域幅(不安定出力角度領域幅)が広いことを考慮して、操舵補助電流指令値Irefが大きいほど加速領域を広く設定する。このように、電流上限に達する角度領域の前後を含む領域を確実に加速領域として設定することができる。したがって、不安定出力角度領域の前後のモータトルクを自在に増加減することができる角度領域で異常時相電流指令値の増加減補正を行うことができる。その結果、不安定出力角度領域を飛び越えるためのモータトルク特性を確実に得ることができる。
さらにまた、切り増し操舵時、すなわちモータトルク方向とモータ回転方向とが一致するときは、異常時相電流指令値を増加して過トルクとすることで回転方向にモータを加速する。また、切り戻し操舵時、すなわちモータトルク方向とモータ回転方向とが不一致の場合で、モータに係る外部負荷の大きい場合は、モータに係る外部負荷の方向とモータ回転方向とが一致していることを利用して、異常時相電流指令値を零とすることでモータに係る外部負荷によりモータを回転方向へ加速する。そして、切り戻し操舵時、すなわちモータトルク方向とモータ回転方向とが不一致の場合で、モータに係る外部負荷が小さい場合は、モータに係る外部負荷によるモータ加速が期待できないため、意図的に逆トルクを付与してモータを回転方向に加速する。
このように、操舵状態に応じて適切にモータ加速を行うことができる。したがって、電動パワーステアリング装置特有の操舵状態、すなわちモータトルク方向とモータ回転方向とが不一致となる状態に対しても、不安定出力角度領域を飛び越える加速力を得ることができる。
さらに、切り戻し操舵時でモータに係る外部負荷が小さい場合は、異常時相電流指令値を反転すると共に減少する補正を行うので、加速領域外から加速領域内(又はその逆)に移行する際のモータトルクの段差を抑制することができ、安定領域に移行しやすい。また、急激なモータ電流の変動を抑制することができるので、過電流の発生を抑制することができる。
さらに、切り戻し操舵時でモータに係る外部負荷が大→小、又は小→大に変化する際には、異常時相電流指令値の補正量を徐々に変化させるので、滑らかな操舵を維持し違和感を防止することができる。
また、加速領域外では異常時相電流指令値を減少する補正を行うので、切り増し操舵では、電気角が加速領域に達する前の角度領域において、操舵トルクを意図的に高くしておくことでモータに係る外部負荷を小さくしておくことができ、モータ加速を行い易くすることができる。さらに、切り戻し操舵では、電気角が加速領域に達する前の角度領域においてモータトルクを低減することで、安定出力角度領域から加速領域(又はその逆)に移行する際のモータトルクの段差を抑制でき、安定領域に移行しやすい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、最大電流値Imaxを電流上限値で固定としているのに対し、車速Vsに応じて最大電流値Imaxの大きさを変更するようにしたものである。
(構成)
図15は、第2の実施形態における制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。
この第2の実施形態における制御演算装置23は、電流制御部66に車速センサ21で検出した車速Vsを入力していることを除いては、図3に示す制御演算装置23と同様の構成を有する。したがって、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
電流制御部66は、相電流指令値補正部65で算出した相電流指令値Im*(θe)を最大電流値Imaxで制限する。このとき、車速Vsが小さいほど最大電流値Imaxを小さく設定するものとし、車両停止状態を含む低車速時に最大電流値Imax=0(又は略0)となるようにする。すなわち、最大電流値Imaxは、例えば、図16に示すように設定される。
なお、最大電流値Imaxの特性は、上記低車速時に最大電流値Imax=0(又は略0)となるように設定されていれば、図16に示す特性に限定されない。
(動作)
今、3相ブラシレスモータ12の1相に異常が発生している状態で、切り増し方向へ据え切り操舵を行っているものとする。この場合、車速Vs=0であるため、異常時モータ指令値算出部34の電流制限部66で最大電流値Imaxを“0”に設定する。そのため、電流制限部66は相電流指令値Im*(θe)を“0”に制限し、これを2相電流指令値算出部67に供給する。
したがって、各相電流指令値Iuref〜Iwrefがそれぞれ“0”となり、操舵アシストが“0”となってマニュアルステアリングの状態となる。
据え切り操舵時は、車両走行状態に対してモータに係る外部負荷が非常に大きい。このため、一定のモータトルクが得られない角度領域を飛び越えるための加速エネルギーが非常に大きくなる。すなわち、加速領域を設定し、前述した第1の実施形態のように当該加速領域でモータの回転を加速したとしても、一定のモータトルクが得られない角度領域を飛び越えることができず、運転者に大きな引っ掛かり感を与えてしまう可能性がある。このとき、車両挙動には反映されないが、急激なハンドル負荷変動により、運転者の指がハンドルに引っかかるなどの事態が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、車速Vsが小さいほど電流制限部66で電流制限に使用する最大電流値Imaxを小さく設定する。このとき、車速Vsが所定車速以下の低車速時には、最大電流値Imaxを“0”に設定して操舵アシストを“0”とする。したがって、据え切り操舵時において、一定のモータトルクが得られない角度領域を飛び越えられないことに起因して急激なハンドル負荷変動が生じるのを抑制することができる。
(効果)
このように、上記第2の実施形態では、異常時相電流指令値の最大値を所定の最大電流値(電流制限値)で制限する。このとき、車速が所定車速以下であるときには最大電流値を零として、操舵アシストを零とする。
したがって、車両停止状態での切り増し操舵時に、モータに係る外部負荷が非常に大きいために一定のモータトルクが得られない領域を飛び越えられないことに起因して、急激なハンドル負荷変動が生じるのを防止することができる。これにより、操舵者の指がハンドルに引っかかるなどの事態が生じるのを防止することができる。
(変形例)
なお、上記各実施形態においては、図13に示すように、切り戻し操舵時に加速領域内で相電流指令値Im(θe)の符号を反転した際に減少補正を施すことで、相電流指令値Im*(θe)の急激な変動を抑制する場合について説明したが、同様の目的で、電流制御の応答性に応じて、補正後の相電流指令値Im*(θe)の変化率に制限を設ける(レイトリミットする)ようにしてもよい。
図17は、レイトリミットした場合のモータ電流を示す図である。ここでは、切り戻し操舵時(低電流)の場合のモータ電流を示している。
このように、補正後の相電流指令値Im*(θe)をレイトリミットすることで、加速領域D外⇔加速領域D内の移行時や、相電流指令値Im*(θe)の符号が反転するときのモータ電流の変化を緩やかにすることができる。その結果、モータ電流の急激な変動に起因して過電流が発生するのを抑制することができる。
また、電流制御の応答性に応じてレイトリミット値を設定する(例えば、応答性が悪いほど変化率が緩やかになるように制限する)ことで、より確実に過電流を抑制することができる。
なお、ここでは、切り戻し操舵時(低電流)のモータ電流をレイトリミットする場合について説明したが、切り増し操舵時や切り戻し操舵時(高電流)のモータ電流をレイトリミットするようにしてもよい。これらの場合にも、モータ電流の急激な変動を抑制して過電流を抑制することができる。
(応用例)
なお、上記第2の実施形態においては、切り増し操舵時にのみ、車速Vsに応じた最大電流値Imaxで相電流指令値Im*(θe)を制限し、切り戻し操舵時には最大電流値Imaxを電流上限で固定するようにしてもよい。これにより、切り戻し操舵時には、前述した第1の実施形態と同様に、大きなモータに係る外部負荷を利用してモータを操舵方向へ加速することができ、適切な操舵補助制御を行うことができる。
なお、上記各実施形態においては、電気角が加速領域内にあるとき、予め設定した補正ゲインを乗算することで、相電流指令値Im(θe)を一定の割合で増加補正または減少補正する場合について説明したが、相電流指令値Im(θe)に一定の補正量を加算したり、相電流指令値Im(θe)から一定の補正量を減算したりすることで増加補正または減少補正することもできる。また、補正後の相電流指令値Im*(θe)が予め設定した所定値となるように増加補正または減少補正することもできる。さらには、操舵補助電流指令値Irefの大きさに応じて、相電流指令値Im(θe)の補正量を変更することもできる。
また、上記各実施形態においては、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwとモータ駆動回路24との間に遮断用リレー回路RLY1〜RLY3を介挿した場合について説明したが、遮断用リレー回路RLY1〜RLY3の何れか1つを省略することもできる。この場合には、省略した遮断用リレー回路を含む駆動系統におけるモータ駆動回路24における上アーム又は下アームの電界効果トランジスタにショートが生じた場合には、対応することができなくなり、異常時における3相ブラシレスモータの2相駆動の適用範囲が2個所減少するだけであり、大きな問題とはなることはない。
さらに、上記各実施形態においては、正常時モータ指令値算出部33のd−q軸電流指令値算出部33dの出力側に2相/3相変換部33eを設けた場合について説明したが、この2相/3相変換部33eを省略することもできる。この場合、これに代えてモータ電流検出回路22から出力されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdを3相/2相変換部に供給して、回転座標のd軸電流Idd及びq軸電流Iqdに変換し、モータ電流制御部36でd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefからd軸電流Idd及びq軸電流Iqdを減算して電流偏差ΔId及びΔIqを算出し、これらをPI制御部62でPI制御処理してd軸指令電圧Vd及びq軸指令電圧Vqを算出し、これらを2相/3相変換部で3相の指令圧Vu、Vv及びVwに変換して、FETゲート駆動回路25に供給するようにして制御演算装置23全体をベクトル制御系に構成するようにしてもよい。
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、10…操舵補助機構、12…3相ブラシレスモータ、13…ロータ回転角検出回路、20…操舵補助制御装置、21…車速センサ、22…モータ電流検出回路、23…制御演算装置、24…モータ駆動回路、25…FETゲート駆動回路、26…遮断用リレー回路、27…異常検出回路、31…操舵補助電流指令値演算部、32…角度情報演算部、32a…電気角変換部、32b…微分回路、33…正常時モータ指令値算出部、33a…d軸電流指令値算出部、33b…d−q軸電圧算出部、33c…q軸電流指令値算出部、33e…2相/3相変換部、34…異常時モータ指令値算出部、35…指令値選択部、36…モータ電流制御部、61…加速領域判定部、62…切り増し切り戻し判定部、63…誘起電圧算出部、64…相電流指令値算出部、65…相電流指令値補正部、66…電流制限部、67…相電流指令値算出部、71u〜71w…選択スイッチ、72…選択制御部、81u〜81w…減算器、82…PI制御部

Claims (13)

  1. 操舵系に対して操舵補助力を付与する各相コイルをスター結線した3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記モータ制御手段は、
    前記各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、
    前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルの駆動系統の異常を非検出であるとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する正常時相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、
    前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相の相電流指令値の和が零となるような異常時相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、
    前記正常時モータ指令値算出手段で算出した正常時相電流指令値及び前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の何れか一方を選択し、選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、
    前記3相ブラシレスモータの電気角が、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ所定の角度領域である加速領域内にあるか否かを判定する加速領域判定手段と、
    前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域内にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を補正することで、前記3相ブラシレスモータの回転を操舵方向へ加速するモータ回転加速手段と、を備え
    前記加速領域は、前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が大きいほど広く設定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記加速領域は、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値が、前記各相コイルの駆動系統で通電可能な電流値の上限に相当する相電流上限値に達している角度領域の前後を含む角度領域であることを特徴とする請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. ステアリングホイールに対する操舵操作が切り増し方向であるか切り戻し方向であるかを判定する操舵方向判定手段をさらに備え、
    前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向に応じて、前記異常時相電流指令値の補正方法を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 操舵系に対して操舵補助力を付与する各相コイルをスター結線した3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記モータ制御手段は、
    前記各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、
    前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルの駆動系統の異常を非検出であるとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する正常時相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、
    前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相の相電流指令値の和が零となるような異常時相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、
    前記正常時モータ指令値算出手段で算出した正常時相電流指令値及び前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の何れか一方を選択し、選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、
    前記3相ブラシレスモータの電気角が、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ所定の角度領域である加速領域内にあるか否かを判定する加速領域判定手段と、
    前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域内にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を補正することで、前記3相ブラシレスモータの回転を操舵方向へ加速するモータ回転加速手段と、
    ステアリングホイールに対する操舵操作が切り増し方向であるか切り戻し方向であるかを判定する操舵方向判定手段と、を備え、
    前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向に応じて、前記異常時相電流指令値の補正方法を変更することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り増し方向であるとき、前記異常時相電流指令値を増加する補正を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であり、且つ前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が所定値以上であるとき、前記異常時相電流指令値を零または略零とする補正を行うことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であり、且つ前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が所定値未満であるとき、前記異常時相電流指令値の符号を反転する補正を行うことを特徴とする請求項〜6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であり、且つ前記操舵補助電流指令値算出手段で算出した操舵補助電流指令値が所定値未満であるとき、前記異常時相電流指令値の符号を反転すると共に減少する補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記モータ回転加速手段は、前記操舵方向判定手段で判定した操舵方向が切り戻し方向であるとき、前記所定値における前記異常時相電流指令値の補正方法の切り替えに際し、前記操舵補助電流指令値に応じて前記異常時相電流指令値の補正量を徐々に変化させる徐変領域を設けることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 車速を検出する車速検出手段をさらに備え、
    前記モータ制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速に応じた電流制限値により、前記異常時相電流指令値の最大値を制限する電流制限手段を備え、当該電流制限手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定値より小さいとき、前記電流制限値を零または略零に設定することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 操舵系に対して操舵補助力を付与する各相コイルをスター結線した3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ制御手段と、を備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記モータ制御手段は、
    前記各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、
    前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルの駆動系統の異常を非検出であるとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する正常時相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、
    前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したとき、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相の相電流指令値の和が零となるような異常時相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、
    前記正常時モータ指令値算出手段で算出した正常時相電流指令値及び前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の何れか一方を選択し、選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、
    前記3相ブラシレスモータの電気角が、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値の符号が反転する電気角を跨ぐ所定の角度領域である加速領域内にあるか否かを判定する加速領域判定手段と、
    前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域内にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を補正することで、前記3相ブラシレスモータの回転を操舵方向へ加速するモータ回転加速手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、を備え、
    前記モータ制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速に応じた電流制限値により、前記異常時相電流指令値の最大値を制限する電流制限手段を備え、当該電流制限手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定値より小さいとき、前記電流制限値を零または略零に設定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  12. 前記モータ回転加速手段は、所定の変化率制限値により、補正後の前記異常時相電流指令値の変化率の上限を制限することを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  13. 前記モータ制御手段は、前記加速領域判定手段で前記電気角が前記加速領域外にあると判定したとき、前記異常時モータ指令値算出手段で算出した異常時相電流指令値を減少する補正を行う減少補正手段を備えることを特徴とする請求項1〜1の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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