JP5125535B2 - 電動パワーステアリング制御装置及びモータ駆動制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置及びモータ駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、独立した電気コイルを複数有する多相交流モータを用いて自動車等の車両の操舵機構に操舵補助力を付与するための電動パワーステアリング制御装置、並び電動パワーステアリング装置に適用可能なモータ駆動制御装置に関し、特に多相交流モータを駆動するためのインバータに含まれる電界トランジスタ等の電子部品の発熱、及びラジオノイズを低減する電動パワーステアリング制御装置並びモータ駆動制御装置に関する。
自動車等の車両に用いられる電動パワーステアリング装置は、一般的に図9のように構成される。即ち、図9に示す操向ハンドル1に対する操舵者からの操舵力(操舵トルク)が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。
なお、このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端が操向ハンドル1に連結され、他端はトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。
ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する電動パワーステアリング装置10が連結されている。この電動パワーステアリング装置10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結されて操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータとしての3相ブラシレスモータ12と、この3相ブラシレスモータ12を制御するための電動パワーステアリング制御装置(以下、コントロールユニットともいう)20と、を主に備えて構成されている。
トルクセンサ3は、操向ハンドル1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介装した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。
また、3相ブラシレスモータ12は、図10に示すように、U相電気コイルLu、V相電気コイルLv及びW相電気コイルLwの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各電気コイルLu、Lv及びLwの他端がコントロールユニット20に接続されて、個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給される。また、3相ブラシレスモータ12は、ロータの回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路13を備えている。
コントロールユニット20には、トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速検出値Vsが入力されると共に、ロータ位置検出回路13で検出されたロータ回転角θが入力され、さらに3相ブラシレスモータ12の各相電気コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud、Ivd及びIwdが入力される。
このコントールユニット20は、操舵トルクT、車速検出値Vs及びロータ回転角θに基づいて操舵補助目標電流値を演算して、モータ電圧指令値Vu、Vv及びVwを出力する、例えばマイクロコンピュータで構成される制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、制御演算装置23から出力される相電圧指令値Vu、Vv及びVwに基づいてモータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路25と、を備えている。
モータ駆動回路24は所謂インバータであり、デューティ制御されるパルス信号に従って、電源から3相ブラシレスモータ12の相毎の電気コイルに供給される電力を周期的にスイッチング(オンオフ)する。
コントロールユニット20の制御系の詳細については、例えば図11に示すように構成される。即ち、操舵補助指令演算部251はトルクセンサ3により検出された操舵トルクTと車速センサ21により検出された車速検出値Vsとに基づいて操舵電流目標値Itを演算する。
一方、電流指令制限値演算部252はモータ回転速度と供給電圧とに基づいて電流指令制限値Iref_limを算出する。そして、最小値選択部253は、操舵電流目標値Itと電流指令制限値Iref_limとを比較してそれらの中で小さい方の値を電流値Iref_minとして出力する。
d/q軸電流目標値演算部256は、3相ブラシレスモータ12の駆動トルクを一定に維持するために、公知のトルク一定式に基づいて目標値を算出する。より具体的には、3相ブラシレスモータ12のロータの回転方向に相当するq軸とそれに直交する径方向のd軸とで構成される2軸の座標上に表されるベクトルのモデルについて、トルクを一定に制御するためのq軸電流目標値iq及びd軸電流目標値idを算出する。
なお、d軸電流目標値idは、電流指令値とモータ回転速度と供給電圧とに基づいて決定されるものである。
d/q軸電流目標値演算部256が算出するq軸電流目標値iq及びd軸電流目標値idは2軸のモデルに対して算出されるが、実際に操舵補助力を発生する3相ブラシレスモータ12は3相の電流により、即ち3軸方向の力により駆動されるので、2相/3相変換部257において2相から3相への演算変換が実施される。即ち、2相/3相変換部257はd/q軸電流目標値演算部256から出力されるq軸電流目標値iq及びd軸電流目標値idに基づいて三相電流指令値Iref_abcを生成する。
なお、この三相電流指令値Iref_abcは、相毎の電気コイルの電流をそれぞれ制御する3つの独立した指令値Iref_a,Iref_b,Iref_cで構成されている。
2相/3相変換部257の出力側に接続されている制御系においては、3相ブラシレスモータ12の相毎の電気コイルに流れる電流量Im_abc(Im_a,Im_b,Im_cの3つ)を検出し、この相毎に電流をフィードバック制御する。即ち、相毎の電気コイルに流れる電流量Im_abcが三相電流指令値Iref_abcと一致するように制御されることになる。これにより、モータ電流が電流指令値に追従するので、所定のトルクが3相ブラシレスモータ12から出力されることになり、このためアシスト制御が実現されてステアリング機構に操舵補助力が付与されることになる。
実際は、3相ブラシレスモータ12の各電気コイルに流れる電流はインバータのスイッチングによりオンオフを高速で周期的に繰り返すことにより供給されている。したがって、このオンオフを制御するためにパルス信号を用いてデューティを制御することにより、電流量が制御されることになる。即ち、制御器259は、相毎に三相電流指令値Iref_abcと電流検出値Im_abcとの差分に基づいたデューティ制御信号Duty_abcを生成し、PWM制御部262はこのデューティ制御信号Duty_abcに基づいて制御用の3相のパルス信号を生成して、このパルス信号をモータ駆動回路24に与えている。
なお、前述のような電動パワーステアリング装置に適用し得る、従来のモータ駆動装置の技術については、例えば特許文献2や特許文献3に開示されている。
ところで、前述のような電動パワーステアリング装置では、3相ブラシレスモータ等の多相交流モータを駆動制御するために低電圧、大電流の電気が扱われることになるので、装置本体の発熱が非常に大きくなるという問題がある。また、近年ではSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)等の大型車に対応可能な高出力の電動パワーステアリング装置が市場から強く求められる傾向にあって装置本体からの発熱の問題は顕著となりつつあり、このための対策がより一層厳しくなることが予想される。加えて、電動パワーステアリング装置の取付性と安全性及びコスト低減面から、装置本体のコンパクト化の要求も高まっている。
この発熱の対策として、従来より、この種のモータを駆動制御するための装置において、スイッチングトランジスタ(FET等)の部品の発熱を低減することを目的として、トランジスタのスイッチングを制御するパルス信号(PWM信号)の繰り返し周期を可変にするものが知られている。
例えば、特許文献1に開示された従来技術においては、パルス信号(PWM信号)のデューティ比が90%より小さいときには20kHzの矩形波を用い、デューティ比が大きくなると1kHzの矩形波とデューティ比を90%に固定した20kHzの矩形波とを用いて合成したPWM信号を生成する。これにより、デューティ比が大きい場合におけるスイッチングトランジスタの発熱を抑制できるとされている。
特開平6−30594号公報 特開2004−201487号公報 特開2006−158198号公報
ここで、この種のモータを制御するための装置での発熱の多くは、モータの電気コイルに流される電流をスイッチングするトランジスタにより生じるものと考えられる。即ち、トランジスタのオン/オフが切り替わる際に大きな電気損失がこのトランジスタに生じてしまい、これが熱エネルギーとして放出され、このことが発熱の問題に繋がっている。したがって、単位時間あたりのオン/オフ回数が増えると発熱量も増えることになる。
そこで、特許文献1に開示されている技術を採用すれば、デューティ比が大きい時には1kHzの矩形波を用いてPWM信号を生成するので、20kHzの矩形波だけを用いる場合と比べて、単位時間あたりのオン/オフ回数を減らすことができ、発熱量を減らすことが可能になる。
しかしながら、特許文献1のように1kHzの矩形波を用いる場合には、この信号の周波数が人間の可聴周波数範囲内であるため、この信号の周期に従って制御されるモータなどの要素から可聴周波数範囲の振動(異音)が発生し、操舵者及び同乗者等の利用者に不快感を与えてしまう嫌いがある。加えて、1kHzのように比較的周波数の低い信号を用いて制御を実施する場合には、精密なモータ制御に対して追従性が悪化して、モータのトルクリップルも発生する虞がある。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチング制御に用いるPWM信号等のパルス信号の繰り返し周波数を切り替えることなくスイッチングに伴う発熱及びラジオノイズを低減することができて、装置のヒートシンク等のコストを抑制すると共に装置の安全性の向上を図ることが可能な電動パワーステアリング制御装置及びモータ駆動制御装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 多相交流モータの相毎に独立に設けられた電気コイルに流される電流を前記相毎に独立してスイッチングするインバータと、所定の駆動指令に従って前記インバータを駆動するための一次デューティ信号を前記相毎に生成するデューティ信号生成部と、を備え、前記多相交流モータはステアリング機構に連結されおり、そして前記多相交流モータを制御することにより前記ステアリング機構に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング制御装置であって、
前記相毎の前記一次デューティ信号に互いに同じシフト量をそれぞれ与えて、前記相毎の二次デューティ信号を生成するデューティシフト制御部を更に備えて、
前記二次デューティ信号に基づいて前記インバータを駆動し、
前記デューティシフト制御部は、
前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最小値を検出する最小値検出部と、
前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最大値を検出する最大値検出部と、
前記最小値検出部が検出した最小値と、前記最大値検出部が検出した最大値と、のいずれか一方に基づいて前記シフト量を決定するシフト量選択部と、を有する
ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
) 前記シフト量選択部は、前記一次デューティ信号の周期よりも長い周期で、前記最小値に対応して決定される第1のシフト量と前記最大値に対応して決定される第2のシフト量とを周期的に交互に切り替えて前記シフト量を決定する
ことを特徴とする上記()の電動パワーステアリング制御装置。
) 多相交流モータを駆動制御するためのモータ駆動制御装置において、
前記多相交流モータの相毎に独立に設けられた電気コイルに流される電流を前記相毎に独立してスイッチングするインバータと、
所定の駆動指令に従って前記インバータを駆動するための一次デューティ信号を前記相毎に生成するデューティ信号生成部と、
前記相毎の前記一次デューティ信号に互いに同じシフト量をそれぞれ与えて、前記相毎の二次デューティ信号を生成するデューティシフト制御部と、を備え、そして
前記二次デューティ信号に基づいて前記インバータを駆動し、
前記デューティシフト制御部は、
前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最小値を検出する最小値検出部と、
前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最大値を検出する最大値検出部と、
前記最小値検出部が検出した最小値と、前記最大値検出部が検出した最大値と、のいずれか一方に基づいて前記シフト量を決定するシフト量選択部と、を有する
ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
) 前記シフト量選択部は、前記一次デューティ信号の周期よりも長い周期で、前記最小値に対応して決定される第1のシフト量と前記最大値に対応して決定される第2のシフト量とを周期的に交互に切り替えて前記シフト量を決定する
ことを特徴とする上記()のモータ駆動制御装置。
上記(1)の構成によれば、スイッチング制御に用いるPWM信号等のパルス信号の繰り返し周波数を切り替えなくても、インバータにおける単位時間あたりのオン/オフ回数を減らすことができるため、スイッチングに伴って発生する熱を減らすことができて、装置のヒートシンク等のコストを抑制すると共に装置の安全性の向上を図ることができる。例えば3相モータを駆動する場合に、一般的なデューティ制御では、50%デューティを中心として上下に変化するように各相のパルス信号のデューティを例えば図2(a)に示すように制御する。またその場合には、各相の電気コイルについて高電位側及び低電位側をそれぞれスイッチング制御するパルス信号は、例えば図12に示すように時間軸の全域に渡って絶え間なくオンオフを繰り返す。その結果、電源から各電気コイルに流れる電源電流の変動は、図13に示すようにPWM周期の1周期の間に2回の割合で繰り返し発生する。そこで、各相の一次デューティ信号(例えば図2(a)のようにデューティが変化する信号)に同じシフト量を与えることにより、例えば図2(b)に示すような信号を二次デューティ信号として生成することができる。即ち、二次デューティ信号にはデューティが0%(あるいは100%)になる区間が存在するため、図3に示すように時間軸の中にパルス信号のオンオフが途絶える区間がいずれかの相について発生することにより、発熱が抑制されることになる。この場合、電源から各電気コイルに流れる電源電流の変動は、例えば、図4に示すようにPWM周期の1周期の間に1回の割合に減少する。したがって、電源電流の変動によるラジオノイズが低減される。
また、上記()の構成によれば、シフト量選択部がシフト量を決定する際に、最小値検出部が検出した最小値と、最大値検出部が検出した最大値とのいずれかを選択するので、二次デューティ信号の最小値を0%にシフトする動作と二次デューティ信号の最大値を100%にシフトする動作とを必要に応じて切り替えることができる。
上記()の構成によれば、シフト量選択部が最小値に対応する第1のシフト量と最大値に対応する第2のシフト量とを交互に周期的に切り替えるので、二次デューティ信号の最小値が0%になる動作と二次デューティ信号の最大値が100%になる動作とが交互に繰り返される。二次デューティ信号の最小値が0%になる動作、並びに二次デューティ信号の最大値が100%になる動作のいずれにおいても、インバータに存在する複数のスイッチング素子のいずれかがオン状態で固定されることが想定されるため、発熱が一部のスイッチング素子に集中することになる。しかし、二次デューティ信号の最小値が0%になる動作と二次デューティ信号の最大値が100%になる動作とを交互に繰り返すことにより、オン状態で固定されるスイッチング素子を周期的に切り替えることができるので、発熱の分布状態を平均化させることができる。この切り替えの周期を前記一次デューティ信号の周期よりも長くすることにより、単位時間あたりのスイッチングの回数を減らすことができる。
上記()の構成によれば、上記(1)の電動パワーステアリング制御装置の場合と同様に、スイッチング制御に用いるPWM信号等のパルス信号の繰り返し周波数を切り替えなくても、インバータにおける単位時間あたりのオン/オフ回数を減らすことができるため、スイッチングに伴って発生する熱を減らすことができる。
また、上記()の構成によれば、上記(3)の電動パワーステアリング制御装置の場合と同様に、前記シフト量選択部が前記シフト量を決定する際に、前記最小値検出部が検出した最小値と、前記最大値検出部が検出した最大値とのいずれかを選択するので、二次デューティ信号の最小値を0%にシフトする動作と二次デューティ信号の最大値を100%にシフトする動作とを必要に応じて切り替えることができる。
上記()の構成によれば、上記(4)の電動パワーステアリング制御装置の場合と同様に、前記シフト量選択部が前記最小値に対応する第1のシフト量と前記最大値に対応する第2のシフト量とを交互に周期的に切り替えるので、二次デューティ信号の最小値が0%になる動作と二次デューティ信号の最大値が100%になる動作とが交互に繰り返されることになり、発熱の分布状態を平均化させることができる。
本発明によれば、スイッチング制御に用いるPWM信号等のパルス信号の繰り返し周波数を切り替えなくても、インバータにおける単位時間あたりのオン/オフ回数を減らすことができるため、スイッチングに伴って発生する熱を減らすことができて、装置のヒートシンク等のコストを抑制すると共に装置の安全性の向上を図ることができる。即ち、デューティの最小値が0%よりも大きく最大値が100%よりも小さい状態で動作している各相の一次デューティ信号に基づいて決定されるシフト量を用いて、デューティの最小値が0%、又はデューティの最大値が100%に固定された二次デューティ信号を生成することにより、単位時間あたりのスイッチング素子のオン/オフの回数を減らし、スイッチング素子のスイッチング発熱を抑制することが可能になる。また、単位時間あたりの電源から各スイッチ素子を経由して各電気コイルに流れる電源の変動回数を減らし、電源電流によるラジオノイズが低減される。
本発明の電動パワーステアリング係る好適な複数の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
なお、以下の複数の実施形態では電動パワーステアリング制御装置の場合について説明するが、勿論、その他、多相交流モータを用いるものであれば、この多相交流モータを駆動制御する種々のモータ駆動制御装置にも本発明を適用することができる。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットに関する具体的な1つの実施形態について、図1〜図4を参照しながら以下に説明する。
図1は第1実施形態における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図であり、図2は図1に示した回路で生成される一次デューティ信号及び二次デューティ信号の具体例を示す波形図であり、図3は図1に示した回路で生成される各スイッチング素子を駆動するためのパルス信号の具体例を示すタイムチャートであり、図4は図3に示した各パルス信号及び電源からモータの各電気コイルに流れる電流の詳細を示すタイムチャートである。
本実施形態では、基本構成として既に説明した図9及び図10に示すような構成の電動パワーステアリング制御装置に本発明を適用する場合を想定している。勿論、電動パワーステアリング制御装置以外のモータ駆動制御装置にも本発明を適用することも可能であり、また多相交流モータを用いる電動パワーステアリング制御装置であれば、図9のような構成に特に限定されない。
本実施形態における制御系の全体構成は、図1に示すように、操舵補助指令演算部51と、電流指令制限値演算部52と、最小値選択部53と、Iref/Idマップ54と、誘起電圧マップ55と、d/q軸電流目標値演算部56と、2相/3相変換部57と、減算器58と、制御器59と、デューティ最小値検出器60と、減算器61と、PWM制御部62と、モータ駆動回路24と、電源バッテリ64と、3相ブラシレスモータ12と、を備えて構成されている。
操舵補助指令演算部51は、トルクセンサ3により検出された操舵トルクTと車速センサ21により検出された車速検出値Vsとに基づいて操舵電流目標値Itを演算する。
一方、電流指令制限値演算部52は、モータ回転速度と供給電圧とに基づいて電流指令制限値Iref_limを算出する。
なお、モータ回転速度は例えば3相ブラシレスモータ12の回転子(ロータ)の回転位置を検出するセンサ(例えば、前述のロータ位置検出回路13)の出力信号を微分することにより得ることができる。
最小値選択部53は、操舵補助指令演算部51から出力される操舵電流目標値Itと電流指令制限値演算部52から出力される電流指令制限値Iref_limとを比較してそれらの中で小さい方の値を電流値Iref_minとして出力する。
Iref/Idマップ54は、電流指令値Irefとd軸電流との対応関係を表す情報を保持している記憶部である。また、誘起電圧マップ55は、3相ブラシレスモータ12のロータの回転位置を表す電気角度と誘起電圧との対応関係を表す情報を保持している記憶部である。
d/q軸電流目標値演算部56は、3相ブラシレスモータ12の駆動トルクを一定に維持するために、公知のトルク一定式に基づいて目標値を算出する。具体的には、3相ブラシレスモータ12のロータの回転方向に相当するq軸とそれに直交する径方向のd軸とで構成される2軸の座標上に表されるベクトルのモデルについて、トルクを一定に制御するためのq軸電流目標値iq及びd軸電流目標値idを算出する。
なお、d軸電流目標値idは、電流指令値とモータ回転速度及び供給電圧に基づいて決定される。
ところで、d/q軸電流目標値演算部56が算出するq軸電流目標値iq及びd軸電流目標値idは2軸のモデルに対して算出されるが、実際に操舵補助力を発生する3相ブラシレスモータ12は3相の電流により、即ち3軸方向の力によって駆動されるので、2軸から3軸への変換をするために2相/3相変換部57が2相から3相への演算変換が実施される。
即ち、2相/3相変換部57はd/q軸電流目標値演算部56から出力されるq軸電流目標値iq及びd軸電流目標値idに基づいて三相電流指令値Iref_abcを生成する。
なお、この三相電流指令値Iref_abcは、各相の電気コイルの電流をそれぞれ制御する3つの独立した指令値Iref_a,Iref_b,Iref_cで構成されている。
2相/3相変換部57の出力側に接続されている制御系においては、3相ブラシレスモータ12の各相の電気コイルに流れる電流量Im_abc(Im_a,Im_b,Im_cの3つ)を検出し、相毎に電流をフィードバック制御する。即ち、相毎の電気コイルに流れる電流量Im_abcが三相電流指令値Iref_abcと一致するように制御されることになる。これにより、モータ電流が電流指令値に追従するので、所定のトルクが3相ブラシレスモータ12から出力されることになり、このためアシスト制御が実現されてステアリング機構に操舵補助力が付与されることになる。
減算器58は、三相電流指令値Iref_abc(Iref_a,Iref_b,Iref_cの3つ)のそれぞれから電流検出値Im_abc(Im_a,Im_b,Im_cの3つ)を減算した結果(差分:誤差量)を相毎に制御器59に与える。
制御器59は、減算器58から入力される信号に基づいてPI(比例・積分)制御等を実施し、制御量を3相の一次デューティ信号Duty_abc(Duty_a,Duty_b,Duty_cの3つ)として出力する。このとき、これらの一次デューティ信号は、例えば図2(a)に示すように3相ブラシレスモータ12のロータの電気角度の変化に伴って、50%デューティを中心として上下に周期的に変化する。
制御器59の出力に接続されているデューティ最小値検出器60は、各時点で制御器59が出力している3相の一次デューティ信号Duty_a,Duty_b,Duty_cの中の最小値Duty_minを検出し、それを出力する。
減算器61は、制御器59から出力される3相の一次デューティ信号Duty_abc(Duty_a,Duty_b,Duty_c)のそれぞれについて、デューティ最小値検出器60から出力される最小値Duty_minを減算した結果を3相の二次デューティ信号Duty_abc’(Duty_a‘,Duty_b’,Duty_c’の3つ)として出力する。つまり、「Duty_a−Duty_min」をDuty_a’とし、「Duty_b−Duty_min」をDuty_b’とし、「Duty_c−Duty_min」をDuty_c’として、全ての相について共通の最小値Duty_min分だけデューティをシフトした結果を二次デューティ信号Duty_abc’とする。
PWM制御部62は、減算器61から出力される3相の二次デューティ信号(Duty_abc’)に従って、パルス幅制御(PWM)された3相のパルス信号を生成する。これらのパルス信号の具体例が図3に示されている。即ち、後述するモータ駆動回路24において、相毎に上下2つのスイッチング素子をそれぞれ独立してオンオフ制御する必要があるので、6つの信号(a−UPPER,a−BOTTOM,b−UPPER,b−BOTTOM,c−UPPER,d−BOTTOM)が生成される。これらのパルス信号の繰り返し周期(例えば、1/20kHz)は一定である。
モータ駆動回路24は、所謂インバータであり、例えば図10に示すモータ駆動回路24のように、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)Qva,Qua,Qwa,Qvb,Qub,Qwbを備えており、上側のトランジスタQva,Qua,Qwaは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、下側のトランジスタQvb,Qub,Qwbは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。
即ち、図3に示す6つの信号(a−UPPER,a−BOTTOM,b−UPPER,b−BOTTOM,c−UPPER,d−BOTTOM)が、それぞれ図10に示す各トランジスタ(Qva,Qvb,Qua,Qub,Qwa,Qwb)のゲート端子を制御するためにPWM制御部62の出力からモータ駆動回路24に入力される。
したがって、モータ駆動回路24の各トランジスタQva,Qvb,Qua,Qub,Qwa,Qwbは図3に示す各信号のようにオンオフを繰り返し、それに伴って電源バッテリ64から3相ブラシレスモータ12の各電気コイルに電流(図4に示す電源電流)が流れる。各電気コイルに電流の量は、パルス信号のデューティにより制御される。
ところで、もしも制御器59が出力する一次デューティ信号Duty_abc(図2(a)参照)をそのままPWM制御部62に入力してパルス信号を生成すると、図12に示すように時間軸の全域に渡って絶え間なく一定の周期でオンオフを繰り返すパルス信号が生成されることになり、電源から3相ブラシレスモータ12の各電気コイルに流れる電源電流は、図13に示すようにPWM周期(例えば、1/20kHz)の1周期の間に2回の割合でオンオフを繰り返すことになる。このように、単位時間あたりのオンオフ回数が多いと、各スイッチング素子(FET等)のスイッチングに伴う発熱量が増える。また、電源電流の変動周期が短い(PWM周期の半分)ため、高周波のラジオノイズが発生しやすい。
しかし、図1に示した構成では、デューティ最小値検出器60が検出したデューティ最小値Duty_minを用いて、減算器61が一次デューティ信号から二次デューティ信号Duty_abc’を生成しているので、デューティシフト制御部として機能して前述のような問題を抑制することができる。
例えば、図2(a)に示すように変化する一次デューティ信号が制御器59から出力される場合であっても、図2(b)に示すようにいずれかの相の信号のデューティが一時的に0%に固定されるような二次デューティ信号Duty_abc’をPWM制御部62に与えるので、PWM制御部62が出力する3相のパルス信号のいずれか1相、つまり二次デューティ信号のデューティが0%になった相についてはオン状態又はオフ状態に一時的に固定されることになり、モータ駆動回路24内部の各スイッチング素子もいずれか1相はオン状態又はオフ状態に一時的に固定される。
その結果、図4に示すように、PWM周期の1周期の間に上下のスイッチング素子が同時にオンする期間が1カ所だけになり、3相ブラシレスモータ12の各電気コイルに流れる電源電流の変動もPWM周期の1周期の間に1回だけになり、図13に示す例と比べて半分になる。
即ち、減算器61を用いてデューティのシフトを行い、二次デューティ信号を生成することにより、電源電流の変動周期に相当する周波数を下げることができる。例えば、PWM制御に用いる基本周波数を20kHzとする場合に、一次デューティ信号を用いてパルス信号を生成するとスイッチングされる電源電流に前記基本周波数の2倍の40kHzの周波数で変動が生じることになるが、二次デューティ信号を用いることにより、電源電流の変動周波数を20kHzに下げることができる。40kHzの周波数ではその高調波によりAMラジオの周波数帯の近傍でラジオノイズが発生し易いが、電源電流の変動周波数を20kHzに下げることでラジオノイズを低減できる。
また、3相ブラシレスモータ12の各相の電気コイルに流れる電流はモータ端子間に印加される電源電圧により決まるので、3相ブラシレスモータ12の電気コイルに流される電流は、減算器61により前述のデューティシフト処理を行っても変化することはない。また、3相ブラシレスモータ12の端子電位はその相のデューティと比例するため、各端子のデューティから同じ値を差し引いても端子間の電圧は変わらない。したがって、前述のデューティシフト処理を行う場合と行わない場合とでモータの相電流には変化が生じない。
したがって、本実施形態によれば、パルス信号の繰り返し周波数を切り替えなくても、モータ駆動装置24における単位時間あたりのオン/オフ回数を減らすことができるため、そのスイッチングに伴って発生する熱を減らすことができて、電動パワーステアリング制御装置のヒートシンク等のコストを抑制すると共に装置の安全性の向上を図ることができる。加えて、前述の特許文献1と比較して、その周波数を低くして用いることがないので、モータ制御に対して追従性を悪化させることがなく、3相ブラシレスモータ12のトルクリップルの発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の電動パワーステアリング制御装置に係る、もう1つの実施形態について、図5及び図6を参照しながら以下に説明する。
図5は第2実施形態における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図であり、図6は図5に示した回路で生成される二次デューティ信号の具体例を示す波形図である。
本実施形態は第1実施形態の変形例であり、制御系の構成が図5に示す内容に変更されており、動作が多少変更されていること以外は第1の実施形態と同様であり、また前述の第1実施形態の効果も同様に有することになる。
なお、図5において第1実施形態と対応する要素は同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
即ち、第1実施形態との構成上の違いは、図5に示すように制御器59の出力とPWM制御部62の入力との間にデューティ最大値検出器65、定数保持部66、演算部67を設けた点にある。
定数保持部66は、100%デューティに相当する定数を常時出力する。デューティ最大値検出器65は、各時点で制御器59が出力している3相の一次デューティ信号Duty_a,Duty_b,Duty_cの中の最大値Duty_maxを検出しそれを出力する。
演算部67は、定数保持部66が出力する100%デューティ値からデューティ最大値検出器65が出力する最大値Duty_maxを減算した結果をシフト量として求め、制御器59から出力される3相の一次デューティ信号Duty_abcのそれぞれDuty_a,Duty_b,Duty_cについて、前記シフト量を加算した結果を3相の二次デューティ信号Duty_abc’として出力する。
即ち、演算部67は、「Duty_a+(DUTYLIM−Duty_max)」をDuty_a’とし、「Duty_b+(DUTYLIM−Duty_max)」をDuty_b’とし、「Duty_c+(DUTYLIM−Duty_max)」をDuty_c’とし、全ての相について共通のシフト量DUTYLIM−Duty_max分だけデューティをプラス側にシフトした結果を二次デューティ信号Duty_abc’として、デューティシフト制御部として機能する。
なお、DUTYLIMは、デューティが100%になるデューティ値(100%デューティ値)である。
したがって、一次デューティ信号Duty_abcとして図2(a)に示すような信号が出力される場合であっても、図5に示す演算部67が出力する二次デューティ信号Duty_abc’は図6に示すように上側にシフトされる。つまり、この二次デューティ信号Duty_abc’においては図6に示すようにいずれか1相の信号のデューティが100%に固定され、他の相の信号もデューティが同じシフト量だけ上側にシフトされる。
このような二次デューティ信号Duty_abc’を用いてPWM制御部62及びモータ駆動回路24を制御するので、各時点でデューティが100%になった相の上下の各スイッチング素子については、一時的にオンオフ状態が変化しなくなるので、第1実施形態と同様に単位時間あたりにオンオフが切り替わる回数が減り、発熱量が低下する。また、例えばラジオノイズ等の発生も低減される。
(第3実施形態)
本発明の電動パワーステアリング制御装置に関するもう1つの実施形態について、図7及び図8を参照しながら以下に説明する。
図7は第3の実施形態における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図であり、図8は図7に示した回路で生成される二次デューティ信号の具体例を示す波形図である。
第3実施形態は第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせた変形例であり、制御系の構成が図7に示す内容に変更されており、動作が多少変更されていること以外は第1実施形態及び第2実施形態と同様であり、また前述の第1実施形態及び第2実施形態の効果も同様に有することになる。
なお、図7において第1実施形態及び第2実施形態と対応する要素は同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
即ち、第3実施形態における特徴的な構成は、図7に示すように制御器59の出力とPWM制御部62の入力との間に、デューティ最小値検出器60、デューティ最大値検出器65、定数保持部66、演算部67B,67C、切り替え部68を設けた点にある。
図7に示すデューティ最小値検出器60は、第1実施形態と同様に、各時点で制御器59が出力している3相の一次デューティ信号Duty_a,Duty_b,Duty_cの中の最小値Duty_minを検出しそれを出力する。一方、デューティ最大値検出器65は、第2実施形態と同様に、各時点で制御器59が出力している3相の一次デューティ信号Duty_a,Duty_b,Duty_cの中の最大値Duty_maxを検出しそれを出力する。そして、定数保持部66は100%デューティに相当する定数を常時出力する。
演算部67Bは、デューティ最大値検出器65が出力するデューティ最大値Duty_maxから定数保持部66が出力する100%デューティ値を減算した結果を出力する。切り替え部68は、デューティ最小値検出器60の出力と、演算部67Bの出力とのいずれか一方を選択するスイッチであり、選択した信号を演算部67Cに出力する。
演算部67Cは、各時点で制御器59が出力している3相の一次デューティ信号Duty_a,Duty_b,Duty_cから、切り替え部68の出力(選択された信号)を減算した結果を、3相の二次デューティ信号Duty_abc’として出力する。
また、切り替え部68については、所定の周波数F1で周期的に変化する二値信号に従って2つの入力信号(デューティ最小値検出器60の出力と演算部67Bの出力)を周期的に交互に選択する。このとき、この周波数F1については、PWM制御部62が生成するパルス信号のPWM周期に対応する周波数よりも低い周波数(周期はPWM周期よりも長い)に定められる。
即ち、図7に示す制御系においては、切り替え部68がデューティ最小値検出器60の出力を選択しているときには、第1実施形態と同様に、3相の一次デューティ信号Duty_abcからその中の最小値Duty_min分をマイナス側にシフトした結果が二次デューティ信号Duty_abc’として演算部67Cから出力され、切り替え部68が演算部67Bの出力を選択しているときには、第2実施形態と同様に、3相の一次デューティ信号Duty_abcの最大値Duty_maxを100%デューティ値から減算した結果DUTYLIM−Duty_maxをシフト量として用い、各相の一次デューティ信号Duty_abcにこのシフト量DUTYLIM−Duty_maxをそれぞれ加算した結果を3相の二次デューティ信号Duty_abc’として出力する。
したがって、第1実施形態における処理方法と第2実施形態における処理方法とを交互に選択することになる。
したがって、図2(a)に示すように変化する一次デューティ信号Duty_a,Duty_b,Duty_cが制御器59から出力される場合であっても、図7に示されるPWM制御部62に入力される二次デューティ信号Duty_abc’は例えば図8に示すように変化する。つまり、図8に示すようにいずれか1相の信号のデューティが0%になる状態と100%になる状態とが周期的に現れる。
ここで、第1実施形態又は第2実施形態の動作では、二次デューティ信号Duty_abc’のデューティが0%又は100%に固定される相が存在するので、該当する相のスイッチング素子がオン状態で固定される状態か生じ、オン状態のスイッチング素子に集中的に電流が流れ、発熱もそのスイッチング素子に集中する結果となる。
しかしながら、第3実施形態では図8に示すように、いずれか1相の信号のデューティが0%になる状態と100%になる状態とが周期的に切り替わるので、同じスイッチング素子が長い時間に渡ってオン状態で固定される状態は回避され、発熱の集中が防止される。即ち、発生する熱の分布を平均化する効果が得られる。
また、切り替え部68が2つの信号を切り替える周波数F1を適宜変更することにより、発熱分布の更なる改善が期待できる。
また、第1実施形態又は第2実施形態の動作では、モータ駆動回路24内の各スイッチング素子が故障によりショートし、オン状態からオフ状態に切り替わらないような異常が発生した場合に、故障したスイッチング素子に対してオフ信号が入力されるまでは異常の発生を検出できないのに対し、第3の実施形態ではデューティが0%になる状態と100%になる状態とが周期的に切り替わるので、故障の発生をすばやく検出することが可能になる。
以上説明したように、本発明は車両などに用いられる電動パワーステアリング制御装置及びその他の様々な機器に用いられるモータ駆動制御装置として利用することができ、発熱を抑制したり、ラジオノイズを抑制したりするために非常に有用である。加えて、モータ駆動装置24のスイッチング制御に用いる周波数を切り替える必要がないため、人間の可聴周波数帯域内の周波数の振動、すなわち異音の発生を抑制することができる効果も奏する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限られるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態においては、3相ブラシレスモータについて説明したが、多相交流モータであれば、モータの種類及び相数に限定されず、本発明の概念を逸脱しない限り、モータを駆動制御するための種々の装置に適用することができる。
第1実施形態における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した回路で生成される一次デューティ信号及び二次デューティ信号の具体例を示す波形図である。 図1に示した回路で生成される各スイッチング素子を駆動するためのパルス信号の具体例を示すタイムチャートである。 図3に示した各パルス信号及び電源からモータの各電気コイルに流れる電流の詳細を示すタイムチャートである。 第2の実施形態における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 図5に示した回路で生成される二次デューティ信号の具体例を示す波形図である。 第3実施形態における電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 図7に示した回路で生成される二次デューティ信号の具体例を示す波形図である。 電動パワーステアリング制御装置の物理的な構成要素全体の基本構成を示すブロック図である。 電動パワーステアリング制御装置に用いるモータ駆動制御装置の電気回路に関する基本構成を示すブロック図である。 図10に示した電気回路の制御系の詳細を示すブロック図である。 図11に示す電気回路において各電気コイルの通電をスイッチングするためのパルス信号の具体例を示すタイムチャートである。 図11に示すパルス信号及び電源から各電気コイルに流れる電流の詳細を示すタイムチャートである。
符号の説明
12 3相ブラシレスモータ(多相交流モータ)
24 モータ駆動回路(インバータ)
51 操舵補助指令演算部
52 電流指令制限値演算部
53 最小値選択部
54 Iref/Idマップ
55 誘起電圧マップ
56 d/q軸電流目標値演算部
57 2相/3相変換部
58 減算器
59 制御器(デューティ信号生成部)
60 デューティ最小値検出器(最小値検出部)
61 減算器(デューティシフト制御部)
62 PWM制御部
64 電源バッテリ
65 デューティ最大値検出器(最大値検出部)
66 定数保持部
67,67B,67C 演算部(デューティシフト制御部)
68 切り替え部(シフト量選択部)

Claims (4)

  1. 多相交流モータの相毎に独立に設けられた電気コイルに流される電流を前記相毎に独立してスイッチングするインバータと、所定の駆動指令に従って前記インバータを駆動するための一次デューティ信号を前記相毎に生成するデューティ信号生成部と、を備え、前記多相交流モータはステアリング機構に連結されおり、そして前記多相交流モータを制御することにより前記ステアリング機構に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記相毎の前記一次デューティ信号に互いに同じシフト量をそれぞれ与えて、前記相毎の二次デューティ信号を生成するデューティシフト制御部を更に備えて、
    前記二次デューティ信号に基づいて前記インバータを駆動し、
    前記デューティシフト制御部は、
    前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最小値を検出する最小値検出部と、
    前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最大値を検出する最大値検出部と、
    前記最小値検出部が検出した最小値と、前記最大値検出部が検出した最大値と、のいずれか一方に基づいて前記シフト量を決定するシフト量選択部と、を有する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記シフト量選択部は、前記一次デューティ信号の周期よりも長い周期で、前記最小値に対応して決定される第1のシフト量と前記最大値に対応して決定される第2のシフト量とを周期的に交互に切り替えて前記シフト量を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 多相交流モータを駆動制御するためのモータ駆動制御装置において、
    前記多相交流モータの相毎に独立に設けられた電気コイルに流される電流を前記相毎に独立してスイッチングするインバータと、
    所定の駆動指令に従って前記インバータを駆動するための一次デューティ信号を前記相毎に生成するデューティ信号生成部と、
    前記相毎の前記一次デューティ信号に互いに同じシフト量をそれぞれ与えて、前記相毎の二次デューティ信号を生成するデューティシフト制御部と、を備え、そして
    前記二次デューティ信号に基づいて前記インバータを駆動し、
    前記デューティシフト制御部は、
    前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最小値を検出する最小値検出部と、
    前記相毎の前記一次デューティ信号の中から最大値を検出する最大値検出部と、
    前記最小値検出部が検出した最小値と、前記最大値検出部が検出した最大値と、のいずれか一方に基づいて前記シフト量を決定するシフト量選択部と、を有する
    ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  4. 前記シフト量選択部は、前記一次デューティ信号の周期よりも長い周期で、前記最小値に対応して決定される第1のシフト量と前記最大値に対応して決定される第2のシフト量とを周期的に交互に切り替えて前記シフト量を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載のモータ駆動制御装置。
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