JP2019047568A - モータ制御装置 - Google Patents

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繁一 奥村
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Abstract

【課題】シンクロナスリラクタンスモータを簡単な制御方法によって高効率で制御できるモータ制御装置を提供する。【解決手段】マイクロコンピュータ31は、第1制御モードと第2制御モードとの間で制御モードを切り替えるための切替手段60と、d軸およびq軸に対してそれぞれ電流位相角だけ位相がずれた方向にd’軸およびq’軸をとった二相回転座標系と、三相固定座標系との間での座標変換を行うための座標変換用回転角を演算する手段54と、電機子電流指令値をd’軸電流指令値として設定するとともに、制御モードが第1制御モードに設定されるときには、q’軸電流指令値を零に設定し、制御モードが第2制御モードに設定されるときには、q’軸電流指令値を所定の有意値に設定する二相電流指令値設定手段60とを含む。【選択図】図8

Description

この発明は、シンクロナスリラクタンスモータを制御するモータ制御装置に関する。
シンクロナスリラクタンスモータ(SynRM:Synchronous Reluctance Motor)は、ロータに磁石を使用せずに、ロータの磁気的な突極性によって発生するリラクタンストルクを利用したモータである。電動モータの制御方式としてベクトル制御が知られているが、SynRMの制御にもベクトル制御を用いることができる。ベクトル制御とは、電動モータに流れる電流を、トルクを発生する電流成分(q軸電流)と、磁束を発生する電流成分(d軸電流)とに分解し、それぞれの電流成分を独立に制御する方式である。これにより、電動モータの回転磁界の磁束の方向と大きさをベクトル量として制御できるようになるため、ベクトル制御とよばれる。
図20は、SynRMの構成を説明するための図解図である。
SynRM100は、図20に図解的に示すように、周方向に間隔をおいて配置された複数の磁気的な突極部を有するロータ101と、電機子巻線を有するステータ102とを備えている。電機子巻線は、U相のステータ巻線111、V相のステータ巻線112およびW相のステータ巻線113が星型結線されることにより構成されている。
各相のステータ巻線111,112,113の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)が定義される。また、ロータ101の回転中心側から外周部へ磁束の流れやすい方向にd軸方向をとり、ロータ101の回転中心側から外周部へ磁束が流れにくい方向にq軸方向をとった二相回転座標系(dq座標系。実回転座標系)が定義される。dq座標系は、ロータ101の回転角(ロータ回転角)θに従う実回転座標系である。
図20において、Iは、電機子電流ベクトルである。iは、Iのd軸成分(d軸電流)である。iは、Iのq軸成分(q軸電流)である。βは、電流位相角であり、電機子電流ベクトルIとd軸との位相差である。
極対数がPであるSynRMにおけるモータトルクTは、次式(1)で表される。
T=P・(L−L)・i・i …(1)
式(1)において、Lはd軸方向のインダクタンスであり、Lはq軸方向のインダクタンスである。
=I・sinβ,i=I・cosβであるので、モータトルクTは、次式(2)で表される。
T=(1/2)・P・(L−L)・I sin2β …(2)
インバータで駆動されるSynRMでは、有効利用できる電機子電流および電機子端子電圧の最大値が、式(3),(4)に示すように、インバータ容量によって制限される。
=(i +i 1/2≦Iam …(3)
=(V +V 1/2≦Vam …(4)
前記式(3)において、Iamは電機子電流の上限値である。前記式(4)において、Vは電機子端子電圧であり、Vはd軸電圧であり、Vはq軸電圧であり、Vamは電機子端子電圧の上限値である。IamはSynRMの定格電流またはインバータの最大出力電流で決まり、VamはインバータのDCリンク電圧に依存する。
このような制約条件を満足する電機子電流ベクトルI(i,i)の範囲は、図21に示すように、電流制限円Pおよび電圧制限楕円Q1〜Q3の内側となる。電流制限円Pおよび電圧制限楕円Q1〜Q3は、それぞれ次式(5),(6)で表される。
+i =Iam …(5)
(L・i+(−L・i=(Vom/ω) …(6)
om=Vam−R・Iam
式(6)において、ωはSynRMの電気角速度であり、Rは電機子抵抗である。
電圧制限楕円Q1〜Q3は、SynRMの回転速度(回転数)が増加するほど内側に移行する。SynRMの一般的なベクトル制御では、電源電圧に余裕がある低速度領域においては、電機子電流ベクトルI(i,i)の範囲は、電流制限円Pによる制限のみを受ける。この範囲の領域を「定トルク領域」といいい、定トルク領域よりも回転速度が大きい領域を「定出力領域」という場合がある。
図21の例では、「定トルク領域」と「定出力領域」との境界では、例えば、電圧制限楕円が最も外側の楕円Q1となり、電流に対する発生モータトルクが最大となる駆動点(電機子電流ベクトルI(i,i)の終点)は、当該電圧制限楕円Q1と電流制限円Pとの交点であるA点(定格点A)となる。定格点は、「定トルク領域」と「定出力領域」との境界での駆動点である。
SynRMの回転速度が増加すると、電圧制限楕円Q1〜Q3は内側に移行する。この際、一般的なベクトル制御では、d軸電流iがその指令値に等しくなるようにd軸電流i優先で制御されるので、駆動点は、A点からB点に向かって移動する。つまり、駆動点は、電流位相角βが小さくなる方向に移動する。
前述した一般的なベクトル制御では、SynRMの回転速度が定格点Aよりも大きくなると、電流位相角βが小さくなるので、式(2)からわかるように、トルクが低下する。
図22は、一般的なベクトル制御における回転速度−トルク特性(N−T特性)を示すグラフである。図22において横軸は、回転速度(回転数)[r/min]を表し、縦軸はモータトルク[N/m]を表している。
SynRMの回転速度がA点以下の領域(定トルク領域)においては、SynRMの回転速度が大きくなるにしたがってモータトルクは徐々に低下する。しかし、この定トルク領域では、トルクはほぼ一定である。SynRMの回転速度がA点を超えると、モータトルクは急激に低下する。
前述の一般的なベクトル制御に対して、出力を上げる技術として、制御モードI、制御モードIIおよび制御モードIIIを使用した最大出力制御が知られている(下記非特許文献1,2参照)。
この最大出力制御について、図23を参照して説明する。図23は、最大出力制御における電機子電流ベクトルの軌跡を表す模式図である。この最大出力制御では、運転領域が低速度運転領域、中速度運転領域および高速度運転領域に分類され、低速度運転領域、中速度運転領域および高速度運転領域それぞれに対して、制御モードI(Mode I)、制御モードII(Mode II)および制御モードIII(Mode III)が適用される。
制御モードIでは、前述した一般的なベクトル制御と同様な制御が行われる。電流位相角βとして、例えば、最大電機子電流時にモータトルクが最も大きくなる電流位相角βが用いられる。図23においては、電圧制限楕円Q1〜Q4のうち、最も外側の電圧制限楕円Q1と電流制限円Pとの交点Aが定格点である。
制御モードIIでは、電流位相角βを電流制限円に沿うように変化させる。したがって、中速度運転領域においては、SynRMの回転速度が大きくなるにしたがって、駆動点は、A点からB点(電流制限円Pと外側から2番目の電圧制限楕円Q2との交点)に向かって移動する。
制御モードIIIでは、電流位相角βを一定にし、電圧制御楕円内でV,Vを変化させる。したがって、高速度運転領域においては、SynRMの回転速度が大きくなるにしたがって、駆動点は、B点から原点に向かって移動する。
図24は、最大出力制御におけるN−T特性を示すグラフである。
図24において、領域L1、L2およびL3は、低速度運転領域(定トルク領域)、中速度運転領域および高速度運転領域を示している。また、ModeIは、制御モードIに対するN−T特性を示し、ModeIIは、制御モードIIに対するN−T特性を示し、ModeIIIは、制御モードIIIに対するN−T特性を示している。
前述の最大出力制御では、領域L1のN−T特性はModeIで表され、領域L2のN−T特性はModeIIで表され、領域L3のN−T特性はModeIIIで表される。したがって、前述の最大出力制御では、すべての領域で制御モードIが適用される場合に比べて、領域L2および領域L3において高出力が得られる。また、前述の最大出力制御では、すべての領域で制御モードIIが適用される場合に比べて、領域L1および領域L3において高出力が得られる。
特開2015-23635号公報
「モータ技術 実用ハンドブック」海老原大樹編集委員長:日刊工業新聞社(2001) 「埋込磁石同期モータの設計と制御」武田洋次・松井信行・森本茂雄・本田幸夫 共著:オーム社(2001)
この発明の目的は、シンクロナスリラクタンスモータを簡単な制御方法によって高効率で制御できるモータ制御装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、シンクロナスリラクタンスモータ(18)を制御するモータ制御装置(12)であって、前記モータの回転速度と所定のモード判定用速度とに基づいて、所定の低速度領域に適した第1制御モードと、前記低速度領域よりも速度の大きい領域に適した第2制御モードとの間で制御モードを切り替えるための切替手段(62)と、電機子電流指令値を設定する電機子電流指令値設定手段(63)と、d軸およびq軸に対してそれぞれ電流位相角だけ位相がずれた方向にd’軸およびq’軸をとった二相回転座標系と、三相固定座標系との間での座標変換を行うための座標変換用回転角を演算する座標変換用回転角演算手段(54)と、前記電機子電流指令値をd’軸電流指令値として設定するとともに、前記切替手段によって制御モードが第1制御モードに設定されるときには、q’軸電流指令値を零に設定し、前記切替手段によって制御モードが第2制御モードに設定されるときには、q’軸電流指令値を所定の有意値に設定する二相電流指令値設定手段(64,65)と、前記モータに流れる三相電流を、前記座標変換用回転角を用いてd’軸電流検出値およびq’軸電流検出値に座標変換する第1座標変換手段(52)と、前記d’軸電流指令値と前記d’軸電流検出値との偏差に基づいてd’軸電圧指令値を演算するとともに、前記q’軸電流指令値と前記q’軸電流検出値との偏差に基づいてq’軸電圧指令値を演算する二相電圧指令値演算手段(44〜47)とを含む、モータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この構成では、シンクロナスリラクタンスモータを簡単な制御方法によって高効率で制御できるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記切替手段は、前記モータの回転速度と前記モード判定用速度とに基づいて、定トルク領域に適した第1制御モードと、定出力領域に適した第2制御モードとの間で制御モードを切り替えるように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置である。定トルク領域とは、電機子電流ベクトルが、電流制限による制限のみを受ける速度範囲をいう。定出力領域とは、定トルク領域よりも回転速度が大きい領域をいう。
請求項3に記載の発明は、前記座標変換用回転角演算手段は、予め設定された電流位相角および前記モータの回転角に基づいて、前記座標変換用回転角を演算するように構成されている、請求項1または2に記載のモータ制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記座標変換用回転角演算手段は、予め設定された電流位相角をβ(>0)とし、前記モータの回転角をθとすると、前記モータを回転させるべき方向に応じて、(θ+β)または(θ−β)を、前記座標変換用回転角として演算するように構成されている、請求項1または2に記載のモータ制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記d’軸電圧指令値の二乗とq’軸電圧指令値の二乗との和が電源電圧の二乗よりも大きくなったときには、前記和が前記電源電圧の二乗以下となるように、前記d’軸電圧指令値に対して制限処理を行う電圧制限手段(48)と、前記電圧制限手段による制限処理後の二相電圧指令値を、前記座標変換用回転角を用いて三相電圧指令値に座標変換する第2座標変換手段(49)とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、電動モータの構成を説明するための図解図である。 図3は、基本制御において、電流位相角βの設定値を変化させた場合の、各電流位相角βに対するN−T特性を示すグラフである。 図4は、駆動領域拡大制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。 図5は、駆動領域拡大制御におけるN−T特性を示すグラフである。 図6は、実施形態に係るモータ制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。 図7は、実施形態に係るモータ制御におけるN−T特性を示すグラフである。 図8は、実施形態に係るモータ制御を実現するためのECUの電気的構成を示す概略図である。 図9は、図8の軸電流指令値設定部の構成を示すブロック図である。 図10は、電源電圧−定格点速度テーブルの一例を示すグラフである。 図11は、シンクロナスリラクタンスモータの電流−トルク特性の実測値の一例を示すグラフである。 図12の曲線F1は、制御モードが基本制御モードである場合の電流−トルク特性を模式的に示すグラフであり、図12の曲線F2は、制御モードが駆動領域拡大制御モードである場合の電流−トルク特性の模式的に示すグラフである。 図13は、電機子電流指令値設定部の動作の一例を示すフローチャートである。 図14の折れ線G1は、図12の曲線F1を折れ線に近似したグラフであり、図14の折れ線G2は、図12の曲線F2を折れ線に近似したグラフである。 図15は、電機子電流指令値設定部の動作の他の例を示すフローチャートである。 図16は、制御モード切替部の動作の変形例を示すフローチャートである。 図17は、比較例に係るモータ制御装置の電気的構成を示す概略図である。 図18は、基本制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。 図19は、基本制御におけるN−T特性を示すグラフである。 図20は、シンクロナスリラクタンスモータの構成を説明するための図解図である。 図21は、一般的なベクトル制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。 図22は、一般的なベクトル制御におけるN−T特性を示すグラフである。 図23は、最大出力制御における電機子電流ベクトルの軌跡を表す模式図である。 図24は、最大出力制御におけるN−T特性を示すグラフである。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
トーションバー10の近傍には、トルクセンサ11が配置されている。トルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルクThを検出する。この実施形態では、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThは、例えば、左方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、右方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほど操舵トルクの大きさが大きくなるものとする。トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThは、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、車両の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助力(アシストトルク)を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを増幅して転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。減速機構19は、ウォームギヤ20と、このウォームギヤ20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機構19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
ウォームギヤ20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6とは同方向に回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォームギヤ20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォームギヤ20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォームギヤ20を回転駆動することによって、電動モータ18による操舵補助が可能となる。
電動モータ18のロータの回転角(ロータ回転角)は、レゾルバ等の回転角センサ25によって検出される。回転角センサ25の出力信号は、ECU12に入力される。電動モータ18は、モータ制御装置としてのECU12によって制御される。
図2は、電動モータ18の構成を説明するための図解図である。図2において、前述の図20の各部に対応する部分には図20と同じ符号を付して示す。
電動モータ18は、前述したようにシンクロナスリラクタンスモータであり、ロータ101と、電機子巻線を有するステータ102とを備えている。電機子巻線は、U相のステータ巻線111、V相のステータ巻線112およびW相のステータ巻線113が星型結線されることにより構成されている。
各相のステータ巻線111,112,113の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)が定義される。また、ロータ101の回転中心側から外周部へ磁束の流れやすい方向にd軸方向をとり、ロータ101の回転中心側から外周部へ磁束が流れにくい方向にq軸方向をとった第1の二相回転座標系(dq座標系)が定義される。dq座標系は、ロータ101の回転角(ロータ回転角)θに従う実回転座標系である。
この実施形態では、電動モータ18の正転方向は、図2におけるロータ101の反時計方向に対応し、電動モータ18の逆転方向は、図2におけるロータ101の時計方向に対応するものとする。また、電動モータ18の正転方向は、左方向への操舵方向に対応し、電動モータ18の逆転方向は、右方向への操舵方向に対応するものとする。
図2において、Iは、回転磁界をつくるための電流ベクトル(電機子電流ベクトル)である。βは電流位相角であり、電機子電流ベクトルIとd軸との位相差である。
この実施形態(および後述する比較例)では、さらに、d軸に対して電流位相角βだけ位相がずれた方向にd’軸をとり、q軸に対して電流位相角βだけ位相がずれた方向にq’軸をとった二相回転座標系が第2の二相回転座標系(d’q’座標系)として定義される。d’q’座標系は、dq座標系に対して、電流位相角βだけ位相がずれた二相回転座標系である。UVW座標系に対するd’q’座標系の回転角γ(正転方向ではγ=θ+β、逆転方向ではγ=θ−β)を用いることによって、UVW座標系とd’q’座標系との間での座標変換が行われる。
実施形態に係るモータ制御装置としてのECU12について説明する前に、図17〜図19を参照して、本出願人が発明しているモータ制御装置200(以下、「比較例に係るモータ制御装置200」という場合がある)について説明する。なお、ECU12以外の電動パワーステアリング装置の構成は、図1の電動パワーステアリング装置1の構成と同じであるものとして、比較例に係るモータ制御装置200について説明する。
図17は、比較例に係るモータ制御装置200の電気的構成を示す概略図である。
モータ制御装置200は、マイクロコンピュータ31と、このマイクロコンピュータ31によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32と、電動モータ18の各相のステータ巻線111,112,113に流れる電流を検出するための電流センサ33,34,35とを備えている。
マイクロコンピュータ31は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、電機子電流指令値設定部41と、d’軸電流指令値設定部42と、q’軸電流指令値設定部43と、d’軸電流偏差演算部44と、q’軸電流偏差演算部45と、d’軸電流制御部46と、q’軸電流制御部47と、電圧制限部48と、座標変換部49と、PWM制御部50と、電流検出部51と、座標変換部52と、回転角演算部53と、座標変換用回転角演算部54とを含んでいる。
回転角演算部53は、所定の演算周期毎に、回転角センサ25の出力信号に基いて、電動モータ18のロータの回転角(ロータ回転角)θを演算する。座標変換用回転角演算部54は、回転角演算部53によって演算されたロータ回転角θに、予め設定された電流位相角β(β>0)を加算または減算することによって、座標変換用回転角γを演算する。具体的には、座標変換用回転角演算部54は、電機子電流指令値設定部41によって設定される電機子電流指令値I が零または正のときには、γ=(θ+β)によってγを演算し、電機子電流指令値I が負のときには、γ=(θ−β)によってγを演算する。
この例では、電流位相角βとして、最大電機子電流時にモータトルクが最も大きくなる電流位相角βが予め設定されている。より具体的には、βとして、例えば60度が設定されている。なお、座標変換用回転角演算部54は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThが零または正のときには、γ=(θ+β)によってγを演算し、操舵トルクThが負のときには、γ=(θ−β)によってγを演算するようにしてもよい。
電流検出部51は、所定の演算周期毎に、電流センサ33,34,35の出力信号に基づいて、U相、V相およびW相の相電流を検出する。座標変換部52は、座標変換用回転角演算部54によって演算される座標変換用回転角γを用いて、電流検出部51によって検出された3相の相電流を、d’q’座標系(第2の二相回転座標系)における2相の電流に変換する。d’q’座標系における2相の電流は、d’軸電流成分とq’軸電流成分とからなる。座標変換部52によって得られる2相の電流のうち、d’軸電流成分をd’軸電流検出値i’といい、q’軸電流成分をq’軸電流検出値i’ということにする。
電機子電流指令値設定部41、d’軸電流指令値設定部42およびq’軸電流指令値設定部43は、d’軸電流指令値iおよびq’軸電流指令値iを設定するための軸電流指令値設定部を構成している。
電機子電流指令値設定部(以下、単に「電流指令値設定部41」という場合がある)は、所定の演算周期毎に、電動モータ18によって発生させるべきモータトルクに対応した電流の指令値である電機子電流指令値I を設定する。具体的には、電流指令値設定部41は、例えば、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThに基づき公知のマップ等から算出される、電動モータ18によって発生させるべきモータトルク値(モータトルク指令値)を、予め設定されたトルク定数Kで徐算することによって、電機子電流指令値I を設定する。電機子電流指令値I は、操舵トルクThが正であれば正の値をとり、操舵トルクThが負であれば負の値をとる。
d’軸電流指令値設定部42は、電流指令値設定部41から与えられる電機子電流指令値I を、d’q’座標系におけるd’軸電流の目標値であるd’軸電流指令値iとして設定する。
q’軸電流指令値設定部43は、d’q’座標系におけるq’軸電流の目標値であるq’軸電流指令値iを設定する。q’軸電流指令値iは、常に零に設定される。
d’軸電流偏差演算部44は、d’軸電流指令値iと座標変換部52によって得られるd’軸電流検出値i’との偏差(i−i’)を演算する。q’軸電流偏差演算部45は、q’軸電流指令値iと座標変換部52によって得られるq’軸電流検出値i’との偏差(i−i’)を演算する。
d’軸電流制御部46は、d’軸電流偏差演算部44によって得られた偏差(i−i’)に対して、例えば比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、d’軸の電圧指令値であるd’軸電圧指令値Vd1を演算する。q’軸電流制御部47は、q’軸電流偏差演算部45によって得られた偏差(i−i’)対して、例えば比例積分演算(PI演算)を行なうことにより、q’軸の電圧指令値であるq’軸電圧指令値Vq1を演算する。
電圧制限部48は、V ={(Vd1+(Vq11/2とすると、V が電源電圧Vよりも大きいか(V >V)否かを判別する。なお、電源電圧Vは、駆動回路32に電源を供給するための電源の電圧であり、図示しない電源電圧検出部によって検出される。V が電源電圧V以下である場合には、電圧制限部48は、d’軸電圧指令値Vd1およびq’軸電圧指令値Vq1を、それぞれそのまま最終的なd’軸電圧指令値Vd2およびq’軸電圧指令値Vq2として出力する。
が電源電圧Vよりも大きい場合には、電圧制限部48は、次式(7)に基づいて、Vd2を演算する。つまり、q’軸電圧を優先した制御とする。
d2={V −(Vq11/2 …(7)
そして、電圧制限部48は、得られたVd2を最終的なd’軸電圧指令値Vd2として出力する。また、電圧制限部48は、q’軸電圧指令値Vq1を、そのまま最終的なq’軸電圧指令値Vq2として出力する。
電圧制限部48による制限処理後のd’軸電圧指令値Vd2およびq’軸電圧指令値Vq2は、座標変換部49に与えられる。座標変換部49は、座標変換用回転角演算部54によって演算される座標変換用回転角γを用いて、d’軸電圧指令値Vd2およびq’軸電圧指令値Vq2を、三相固定座標系におけるU相、V相およびW相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する。
PWM制御部50は、U相、V相およびW相の電圧指令値Vu,Vv,Vwそれぞれに対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路32に供給する。
比較例に係るモータ制御装置200によるモータ制御方式を基本制御ということにする。
図18は、基本制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。図18においては、電圧制限楕円Q1〜Q4のうち、外側から2番目の電圧制限楕円Q2と電流制限円Pとの交点Aが定格点である。電動モータ18の回転速度が増加すると、電圧制限楕円は内側に移行する。この際、基本制御では、電圧制限部48の働きによって、q’軸電流iq’が指令値(この例では零)と等しくなるように、q’軸電流iq’優先でベクトル制御されるので、駆動点は、A点からd’軸に沿って原点に向かって移動する。このため、電流位相角βはほぼ一定となる。これにより、図21を用いて説明した従来の一般的なベクトル制御のように、定出力領域において電流位相角βが小さくならないため、電流位相角βが小さくなることによるトルク低下が解消される。
図19は、基本制御におけるN−T特性を示すグラフである。
図19において、基本制御と記されている曲線は基本制御におけるN−T特性を示し、従来制御と記されている曲線は従来の一般的なベクトル制御におけるN−T特性を示している。図19から、基本制御では、従来の一般的なベクトル制御に比べて高出力が得られることがわかる。また、基本制御では、電流位相角βを変化させなくてもよいので、従来の最大出力制御に比べて制御方法が簡単となる。
以下、本実施形態のモータ制御の考え方について説明する。
前述の基本制御では、電流位相角βは固定されている。基本制御において、電流位相角βの設定値を変えると、N−T特性が変化する。
図3は、基本制御において、電流位相角βの設定値を変化させた場合の、各電流位相角βに対するN−T特性を示すグラフである。
図3において、β=βa、β=βb、β=βc、β=βdおよびβ=βeで示される曲線は、それぞれ、基本制御において電流位相角βの設定値がβa、βb、βc、βdおよびβeである場合のN−T特性を示している。βa、βb、βc、βdおよびβeの間には、βa<βb<βc<βd<βeの関係がある。βaは、この例では、60度である。
図3から、回転速度(回転数)に応じて、出力が最大となる電流位相角βが異なることがわかる。特に、定出力領域においては、電流位相角βが大きいほど、トルクが大きくなる領域が存在している。したがって、電動モータ18が出し得る最大出力の特性は、図3の各電流位相角βに対するN−T特性のうち、各回転速度での出力最大値(トルク最大値)を繋いだ特性となる。基本制御のN−T特性と電動モータ18が出し得る最大出力の特性とを比較すると、基本制御のN−T特性(例えば図3にβ=βaで示す曲線に相当する)では、定出力領域において、電動モータ18が出し得る最大出力の特性に比べてトルク不足部分が存在する。
そこで、本出願人は、このようなトルク不足を補う制御法(以下、「駆動領域拡大制御」という)を発明した。駆動領域拡大制御は、基本制御で零に設定しているq’軸電流指令値iq’を、電動モータ18に適した零以外の有意値mに設定することによって、トルク不足を補う制御である。
図4は、駆動領域拡大制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。駆動領域拡大制御では、q’軸電流iq’がm(m>0)となるようにベクトル制御が行われる。図4においては、電圧制限楕円Q1〜Q4のうち、外側から3番目の電圧制限楕円Q3と電流制限円Pとの交点Aが定格点である。電動モータ18の回転速度が増加すると、電圧制限楕円は内側に移行する。この際、基本制御と同様に、q’軸電流iq’が指令値(この例ではm)と等しくなるように、q’軸電流iq’優先でベクトル制御すると、駆動点は、A点から、q’軸上のi’=mの点Bに向かって移動する。
図5は、駆動領域拡大制御におけるN−T特性を示すグラフである。図5において、iq’=mで示される曲線は、駆動領域拡大制御におけるN−T特性を示している。図5において、β=βa、β=βb、β=βc、β=βdおよびβ=βeで示される曲線は、それぞれ、基本制御において、電流位相角βの設定値がβa、βb、βc、βdおよびβeである場合のN−T特性を示している。
図5から、駆動領域拡大制御を適用した場合には、定出力領域において、前述の最大出力の特性に対するトルク不足が補われていることがわかる。しかしながら、β=βaで示される基本制御のN−T特性に比べて、定トルク領域において、トルクが低下していることがわかる。
そこで、この実施形態に係るモータ制御では、定トルク領域においては、前述の基本制御によって電動モータ18を制御し、定出力領域においては前述の駆動領域拡大制御によって電動モータ18を制御する。より具体的には、定トルク領域においては、q’軸電流指令値iを零に設定し、定出力領域においては、q’軸電流指令値iをm(m>0)に設定する。
図6は、実施形態に係るモータ制御における電機子電流ベクトルの軌跡を示す模式図である。図6においては、電圧制限楕円Q1〜Q4のうち、外側から2番目の電圧制限楕円Q2と電流制限円Pとの交点Aが定格点である。電動モータ18の回転速度が定格点Aでの回転速度以下である場合には、q’軸電流指令値iは零に設定される。電動モータ18の回転速度が定格点Aでの回転速度よりも大きくなると、q’軸電流指令値iはmに設定される。これにより、駆動点は、点AからB点に移動する。
電動モータ18の回転速度が定格点Aでの回転速度よりも大きくなると、電圧制限楕円は内側に移行する。この際、実施形態に係るモータ制御では、q’軸電流iq’が指令値(この例ではm)と等しくなるように、q’軸電流iq’優先でベクトル制御される。これにより、駆動点は、B点から、q’軸上のi’=mの点Cに向かって移動する。これにより、電流位相角βは、β1、β2、β3というように、徐々に大きくなるように変化する。つまり、N−T特性が電動モータ18の出し得る最大出力の特性に近い特性となるように、電流位相角βが自動的に変化する。
図7は、実施形態に係るモータ制御におけるN−T特性を示すグラフである。図7において、iq’=0 or mで示される曲線は、実施形態に係るモータ制御におけるN−T特性を示している。iq’=0 or mで示される曲線は、iq’=0で示される定トルク領域の曲線と、iq’=mで示される定出力領域の曲線とからなる。図7において、β=βa、β=βb、β=βc、β=βdおよびβ=βeで示される曲線は、それぞれ、基本制御において、電流位相角βの設定値がβa、βb、βc、βdおよびβeである場合のN−T特性を示している。
図7から、実施形態に係るモータ制御を適用した場合には、定出力領域において、前述の最大出力の特性に対するトルク不足が補われることがわかる。また、定トルク領域において、基本制御に比べてトルクが低下しないことがわかる。つまり、実施形態に係るモータ制御では、シンクロナスリラクタンスモータを簡単な制御方法によって高効率で制御できるようになる。
図8は、実施形態に係るモータ制御を実現するためのECU12(図1参照)の電気的構成を示す概略図である。図8において、前述の図17の各部に対応する部分には、図17と同じ符号を付して示す。
ECU12は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThに応じて電動モータ18を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。ECU12は、マイクロコンピュータ31と、このマイクロコンピュータ31によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32と、電動モータ18の各相のステータ巻線111,112,113に流れる電流を検出するための電流センサ33,34,35とを備えている。
マイクロコンピュータ31は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、軸電流指令値設定部60と、d’軸電流偏差演算部44と、q’軸電流偏差演算部45と、d’軸電流制御部46と、q’軸電流制御部47と、電圧制限部48と、座標変換部49と、PWM制御部50と、電流検出部51と、座標変換部52と、回転角演算部53と、座標変換用回転角演算部54と、回転速度演算部55とを含んでいる。
このECU12では、軸電流指令値設定部60が、図17の3つの電流設定部41,42,43からなる軸電流指令値設定部と異なっている点と、回転速度演算部55が設けられている点において、図17のモータ制御装置200と異なっている。その他の各部44〜54は、図17の対応する各部44〜54と同様なのでその説明を省略する。
回転速度演算部55は、回転角演算部53によって演算される回転角に基づいて電動モータ18の回転速度(回転数)N[r/min]を演算する。
図9は、軸電流指令値設定部60の構成を示すブロック図である。
軸電流指令値設定部60は、定格点速度設定部61と、制御モード切替部62と、電機子電流指令値設定部63と、d’軸電流指令値設定部64と、q’軸電流指令値設定部65とを含んでいる。
定格点速度設定部61は、所定の演算周期毎に、図示しない電源電圧検出部によって検出された駆動回路32の電源(図示略)の電圧Vと、電源電圧−定格点速度テーブルとに基づいて、定格点速度N[r/min]を設定する。定格点速度Nは、定格点での回転速度(回転数)である。定格点速度Nは、モード判定用速度の一例である。電源電圧−定格点速度テーブルは、図10に示すように、電源電圧Vに対する定格点速度Nの関係が予め記憶されたテーブルであり、例えば不揮発性メモリに格納される。図10に示すように、定格点速度Nは、電源電圧Vが大きくなるほど大きな値に設定される。
制御モード切替部62は、回転速度演算部55によって演算された回転速度Nと、定格点速度設定部61によって設定された定格点速度Nとに基づいて、基本制御モードと駆動領域拡大制御モードとの間で、制御モードを切り替える。基本制御モードは、前述の基本制御によって電動モータ18が制御されるモードであり、駆動領域拡大制御モードは、前述の駆動領域拡大制御によって電動モータ18が制御されるモードである。
この実施形態では、制御モード切替部62は、回転速度演算部55によって演算された回転速度Nが定格点速度N以下であれば、速度領域が定トルク領域であると判定し、制御モードを基本制御モードに設定する。一方、回転速度Nが定格点速度Nよりも大きければ、制御モード切替部62は、速度領域が定出力領域であると判定し、制御モードを駆動領域拡大制御モードに設定する。制御モード切替部62は、所定の演算周期毎に、制御モードの判定を行う。
電機子電流指令値設定部63は、所定の演算周期毎に、トルクセンサ11によって検出された操舵トルクThに基づき公知のマップ等から算出されるモータトルク指令値Tmと、制御モード切替部62によって設定される制御モードとに基づいて、電機子電流指令値I を設定する。電機子電流指令値設定部63の動作の詳細については、後述する。
d’軸電流指令値設定部64は、電機子電流指令値設定部63によって設定された電機子電流指令値I を、そのままd’軸電流指令値iとして設定する。
q’軸電流指令値設定部65は、制御モード切替部62によって設定される制御モードと、電機子電流指令値I の符号とに基づいて、q’軸電流指令値iを設定する。具体的には、制御モード切替部62によって設定される制御モードが基本制御モードである場合には、q’軸電流指令値設定部65は、q’軸電流指令値iを零に設定する。制御モード切替部62によって設定される制御モードが駆動領域拡大制御モードである場合には、q’軸電流指令値設定部65は、q’軸電流指令値iを所定値m(m>0)に設定する。
電機子電流指令値設定部63の動作例について詳しく説明する。
SynRMの制御において電流位相角βを変えると電流とトルクの関係(一般的にトルク定数で示される)が変化する。図11は、SynRMの電流−トルク特性の実測値の一例を示すグラフである。ただし、図11では、トルクが小さい低トルク領域での特性は省略されている。図11においてβ=βa、β=βb、β=βc、β=βdおよびβ=βeで示される曲線は、それぞれ、基本制御において、電流位相角βの設定値がβa、βb、βc、βdおよびβeである場合の電流−トルク特性を示している。βa、βb、βc、βdおよびβeの間には、βa<βb<βc<βd<βeの関係がある。図11の各曲線の傾きがトルク定数である。
SynRMの電流−トルク特性は、トルクが小さい低トルク領域では非線形であるが、それ以外の領域ではほぼ線形となる特徴を有している。
図12の曲線F1は、制御モードが基本制御モードである場合の電流−トルク特性を模式的に示すグラフである。曲線F1は、電流位相角βが60度である場合の特性を示している。
また、図12の曲線F2は、制御モードが駆動領域拡大制御モードである場合の電流−トルク特性を模式的に示すグラフである。図12の曲線F2に示すように、駆動領域拡大制御モードである場合には、低トルク領域以外の領域において、電流位相角βの変化にかかわらず、トルク定数がほぼ一定となることが判明した。
曲線F1のトルクに対する電流の関係が、モータトルクに対する電機子電流指令値I の関係を表す第1のトルク−電流テーブルとして、不揮発性メモリに記憶されている。また、曲線F2のトルクに対する電流の関係が、モータトルクに対する電機子電流指令値I の関係を表す第2のトルク−電流テーブルとして不揮発性メモリに記憶されている。
図13は、電機子電流指令値設定部63の動作の一例を示すフローチャートである。図13の処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
電機子電流指令値設定部(以下において、単に「電流指令値設定部63」という場合がある)は、制御モード切替部62によって制御モードが基本制御モードに設定されているか否かを判別する(ステップS1)。制御モードが基本制御モードに設定されている場合には(ステップS1:YES)、電流指令値設定部63は、ステップS2に進む。ステップS2では、電流指令値設定部63は、第1のトルク−電流テーブルを用いて、モータトルク指令値Tmに対応する電機子電流指令値I を求めて、電機子電流指令値I として設定する。
一方、制御モードが駆動領域拡大制御モードに設定されている場合には(ステップS1:NO)、電流指令値設定部63は、ステップS3に進む。ステップS3では、電流指令値設定部63は、第2のトルク−電流テーブルを用いて、モータトルク指令値Tmに対応する電機子電流指令値I を求めて、電機子電流指令値I として設定する。
以下、図14および図15を参照して、電流指令値設定部63の他の動作例について詳しく説明する。
図14の折れ線G1は、図12の曲線F1を第1の直線部分G11と、第2の直線部分G12とからなる折れ線に近似したグラフである。同様に、図14の折れ線G2は、図12の曲線F2を第1の直線部分G21と、第2の直線部分G22とからなる折れ線に近似したグラフである。
直線部分G11の勾配を第1トルク定数KT11とし、直線部分G12の勾配を第2トルク定数KT12とし、直線部分G21の勾配を第3トルク定数KT21とし、直線部分G22の勾配を第4トルク定数KT22とする。直線部分G11と直線部分G12との交点に対応するトルクをTm1とする。直線部分G12の延長線と、縦軸との交点に対応するトルクを−Tm2とする。直線部分G21と直線部分G22との交点に対応するトルクをTm3とする。直線部分G22の延長線と、縦軸との交点に対応するトルクを−Tm4とする。第1〜第4トルク定数KT11〜KT22、Tm1、Tm2、Tm3およびTm4が不揮発性メモリに記憶されているものとする。
図15は、電機子電流指令値設定部63の動作の他の例を示すフローチャートである。図15の処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
電流指令値設定部63は、制御モード切替部62によって制御モードが基本制御モードに設定されているか否かを判別する(ステップS11)。制御モードが基本制御モードに設定されている場合には(ステップS11:YES)、電流指令値設定部63は、モータトルク値TmがTm1以下であるか否かを判別する(ステップS12)。Tm≦Tm1であれば(ステップS12:YES)、電流指令値設定部63は、モータトルク指令値Tmを第1トルク定数KT11で徐算した値Tm/KT11を電機子電流指令値I として設定する(ステップS13)。
一方、Tm>Tm1であると判別された場合には(ステップS12:NO)、電流指令値設定部63は、(Tm+Tm2)を第2トルク定数KT12で徐算した値(Tm+Tm2)/KT12を電機子電流指令値I として設定する(ステップS14)。
前記ステップS11において、制御モードが領域拡大制御モードに設定されている場合には(ステップS11:NO)、電流指令値設定部63は、モータトルク指令値TmがTm3以下であるか否かを判別する(ステップS15)。Tm≦Tm3であれば(ステップS15:YES)、電流指令値設定部63は、モータトルク指令値Tmを第3トルク定数KT21で徐算した値Tm/KT21を電機子電流指令値I として設定する(ステップS16)。
一方、Tm>Tm3であると判別された場合には(ステップS15:NO)、電流指令値設定部63は、(Tm+Tm4)を第4トルク定数KT22で徐算した値(Tm+Tm4)/KT22を電機子電流指令値I として設定する(ステップS17)。
なお、図12の曲線F1を1本の第1直線に近似し、図12の曲線F2を1本の第2直線に近似し、第1直線の勾配を第5トルク定数KT5として不揮発性メモリに記憶するとともに、第2直線の勾配を第6トルク定数KT6として不揮発性メモリに記憶するようにしてもよい。
この場合には、電機子電流指令値設定部63は、次のようにして、電機子電流指令値I を設定する。すなわち、制御モード切替部62によって制御モードが基本制御モードに設定されているときには、電流指令値設定部63は、モータトルク指令値Tmを第5トルク定数KT5で徐算した値Tm/KT5を電機子電流指令値I として設定する。一方、制御モードが領域拡大制御モードに設定されているときには、電流指令値設定部63は、モータトルク指令値Tmを第6トルク定数KT6で徐算した値Tm/KT6を電機子電流指令値I として設定する。
この実施形態では、電動モータ18の回転速度が例えば定格点速度よりも大きい定出力領域においては、前述の駆動領域拡大制御によって電動モータ18が制御される。これにより、定出力領域において、従来の最大出力制御に比べて簡単な方法で、高出力が得られるようになる。また、これにより、前述の基本制御に比べて、定出力領域において、高出力が得られるようになる。
また、この実施形態では、電動モータ18の回転速度が例えば定格点速度以下の定トルク領域においては、前述の基本制御によって電動モータ18が制御される。これにより、定トルク領域において、前述の駆動領域拡大制御を適用する場合に比べて、高出力が得られるようになる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。前述の実施形態では、制御モード切替部62は、回転速度Nが定格点速度N以下であれば制御モードを基本制御モードに設定し、回転速度Nが定格点速度Nよりも大きければ制御モードを領域拡大制御モードに設定している。しかし、制御モード切替部62は、次のような動作によって、制御モードを切り替えてもよい。
図16は、制御モード切替部62の動作の変形例を示すフローチャートである。
電源がオンされると(ステップS21:YES)、制御モード切替部62は、初期設定を行う(ステップS22:YES)。初期設定では、制御モード切替部62は、まず、回転速度演算部55によって演算されている電動モータ18の回転速度Nおよび定格点速度設定部61によって設定されている定格点速度Nを取得する。そして、制御モード切替部62は、回転速度Nが定格点速度N以下であれば制御モードを基本制御モードに設定し、回転速度Nが定格点速度Nよりも大きければ制御モードを領域拡大制御モードに設定する。
この後、制御モード切替部62は、ステップS23以降の処理を所定の演算周期毎に繰り返し実行する。すなわち、制御モード切替部62は、回転速度演算部55によって演算されている電動モータ18の回転速度Nおよび定格点速度設定部61によって設定されている定格点速度Nを取得する(ステップS23)。そして、電動モータ18の回転速度の絶対値が増加しているか否かを判別する(ステップS24)。この判別は、今回取得した電動モータ18の回転速度と前回取得した電動モータ18の回転速度とを比較することにより行うことができる。
電動モータ18の回転速度の絶対値が増加している場合には(ステップS24:YES)、制御モード切替部62は、ステップS25に進む。ステップS25では、定格点速度Nに所定値α(α>0)を加算した値を(N+α)とすると、制御モード切替部62は、回転速度(絶対値)Nが(N+α)よりも大きいか否かを判別する。N>(N+α)であれば(ステップS25:YES)、制御モード切替部62は、制御モードを駆動領域拡大制御モードに設定する(ステップS26)。これにより、制御モードが基本制御モードであった場合には、制御モードが駆動領域拡大制御モードに切り替えられる。そして、制御モード切替部62は、ステップS23に戻る。
一方、前記ステップS25において、N≦(N+α)であると判別された場合には(ステップS25:NO)、制御モード切替部62は、ステップS23に戻る。この場合には、制御モードは切替られない。
前記ステップS24において、電動モータ18の回転速度が低下している場合には(ステップS24:NO)、制御モード切替部62は、ステップS27に進む。ステップS27では、定格点速度Nから所定値α(α>0)を減算した値を(N−α)とすると、制御モード切替部62は、回転速度(絶対値)Nが(N−α)よりも小さいか否かを判別する。N<(N−α)であれば(ステップS27:YES)、制御モード切替部62は、制御モードを基本制御モードに設定する(ステップS28)。これにより、制御モードが駆動領域拡大制御モードであった場合には、制御モードが基本制御モードに切り替えられる。そして、制御モード切替部62は、ステップS23に戻る。
一方、前記ステップS27において、N≧(N−α)であると判別された場合には(ステップS27:NO)、制御モード切替部62は、ステップS23に戻る。この場合には、制御モードは切替られない。
制御モード切替部62が、図16に示すような動作を行う場合には、定格点速度N付近で、q’軸電流指令値iが0とmの間で頻繁に切り替えられるのを防止できる。
また、前述の実施形態では、正転方向および逆転方向の双方向に回転可能な電動モータ18について説明したが、この発明は、一方向にのみ回転駆動する電動モータにも適用することができる。
また、前述においては、電動パワーステアリング装置用の電動モータの制御装置に、この発明を適用した場合の実施形態について説明した。しかし、この発明は電動パワーステアリング装置用の電動モータの制御装置以外のモータ制御装置に適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
12…ECU、18…電動モータ、25…回転角センサ、31…マイクロコンピュータ、44…d’軸電流偏差演算部、45…q’軸電流偏差演算部、46…d’軸電流制御部、47…q’軸電流制御部47、48…電圧制限部、49…座標変換部、52…座標変換部、53…回転角演算部、54…座標変換用回転角演算部、55…回転速度演算部、60…軸電流指令値設定部、61…定格点速度設定部、62…制御モード切替部、63…電機子電流指令値設定部、64…d’軸電流指令値設定部、65…q’軸電流指令値設定部

Claims (5)

  1. シンクロナスリラクタンスモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記モータの回転速度と所定のモード判定用速度とに基づいて、所定の低速度領域に適した第1制御モードと、前記低速度領域よりも速度の大きい領域に適した第2制御モードとの間で制御モードを切り替えるための切替手段と、
    電機子電流指令値を設定する電機子電流指令値設定手段と、
    d軸およびq軸に対してそれぞれ電流位相角だけ位相がずれた方向にd’軸およびq’軸をとった二相回転座標系と、三相固定座標系との間での座標変換を行うための座標変換用回転角を演算する座標変換用回転角演算手段と、
    前記電機子電流指令値をd’軸電流指令値として設定するとともに、前記切替手段によって制御モードが第1制御モードに設定されるときには、q’軸電流指令値を零に設定し、前記切替手段によって制御モードが第2制御モードに設定されるときには、q’軸電流指令値を所定の有意値に設定する二相電流指令値設定手段と、
    前記モータに流れる三相電流を、前記座標変換用回転角を用いてd’軸電流検出値およびq’軸電流検出値に座標変換する第1座標変換手段と、
    前記d’軸電流指令値と前記d’軸電流検出値との偏差に基づいてd’軸電圧指令値を演算するとともに、前記q’軸電流指令値と前記q’軸電流検出値との偏差に基づいてq’軸電圧指令値を演算する二相電圧指令値演算手段とを含む、モータ制御装置。
  2. 前記切替手段は、前記モータの回転速度と前記モード判定用速度とに基づいて、定トルク領域に適した第1制御モードと、定出力領域に適した第2制御モードとの間で制御モードを切り替えるように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記座標変換用回転角演算手段は、予め設定された電流位相角および前記モータの回転角に基づいて、前記座標変換用回転角を演算するように構成されている、請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記座標変換用回転角演算手段は、予め設定された電流位相角をβ(>0)とし、前記モータの回転角をθとすると、前記モータを回転させるべき方向に応じて、(θ+β)または(θ−β)を、前記座標変換用回転角として演算するように構成されている、請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  5. 前記d’軸電圧指令値の二乗とq’軸電圧指令値の二乗との和が電源電圧の二乗よりも大きくなったときには、前記和が前記電源電圧の二乗以下となるように、前記d’軸電圧指令値に対して制限処理を行う電圧制限手段と、
    前記電圧制限手段による制限処理後の二相電圧指令値を、前記座標変換用回転角を用いて三相電圧指令値に座標変換する第2座標変換手段とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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