JP5282376B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、該3相ブラシレスモータを前記操舵系に伝達される操舵トルクに応じて駆動制御する操舵補助制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置では、モータ駆動回路に異常が発生した場合は、リレー等のスイッチング手段を介して駆動回路とモータとの間を遮断するフェイルセーフ機能により対処するようにしている。この場合は、確かにリレー等のスイッチング手段の遮断機能により、ブラシレスモータのブレーキ状態は回復できるので、電動パワーステアリング装置を有しない通常のマニュアルステアリングとなる構成であるから、運転者による操舵は可能であり、車両の走行が不能となることは回避することができる。
しかしながら、マニュアルステアリングに移行すると、ステアリング操作に必要な操舵力が大幅に増加するため、運転者は著しい違和感を生じて、慣れるまでの間はぎこちない操舵状態となるという可能性があるという問題点がある。
この問題点を解決するために、例えば2つの電界効果トランジスタを直列に接続した直列回路を5相ブラシレスモータの相数に対応する組数分並列に接続してFET回路を構成し、各直列回路における電界効果トランジスタの接続点を不導通検出回路を介してスター結線された各相コイルの他端に接続し、不導通検出回路で各相のうちの一つの相が不導通状態である異常を検出したときに、ブラシレスモータに流れる駆動電流を、正常時に比べて小さくすることにより、ブラシレスモータの一つの相が不導通となった場合でも、ブラシレスモータの駆動を継続してステアリングが重くなることを抑制するようにした電動式パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−181617号公報(第1頁、図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、5相ブラシレスモータでは駆動電流を小さくしてもブラシレスモータの回転駆動が可能であるが、3相ブラシレスモータでは、1相が不導通異常となったときに、残りの2相のみの通電で駆動してもモータ内部で発生する磁界ベクトルを回転させることができないため、モータを回転させることができず、また操舵力などの外力によりモータが回転させられたとしてもモータが発生するトルク脈動が大きく、運転者は著しい違和感を生じるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、3相ブラシレスモータで、1相に異常が発生したときに、残りの2相における駆動電流の大きさと方向を制御して回転駆動を継続させることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに応じて操舵補助電流指令値を算出し、算出した操舵補助電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御する操舵補助制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵補助制御装置は、各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、前記操舵トルクに基づいて操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で、各相コイルの駆動系統の異常が検出されないときに、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したときに、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相のコイルを使用する相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、前記正常時モータ指令値算出手段で算出した相電流指令値と前記異常時モータ指令値算出手段で算出した相電流指令値とを選択する指令値選択部と、該指令値選択部で選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動するモータ制御手段と、前記各相コイルの駆動系統に介挿された通電を遮断可能な通電遮断手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で、1相の駆動系統に通電異常を検出したときに、該当する駆動系統に介挿された通電遮断手段を遮断状態に制御する遮断制御手段と、モータ回転角を検出して電気角及び電気角速度を算出する電気角情報算出手段とを備え
前記正常時モータ指令値算出手段は、d軸電流を設定するd軸電流設定手段と、3相コイルの誘起電圧波形をロータ回転座標系に変換して求めたd軸電圧及びq軸電圧と電気角との関係を表す3相駆動用記憶テーブルを参照してd軸電圧及びq軸電圧を算出するd−q電圧算出手段と、前記操舵補助電流指令値、d軸電圧、q軸電圧、d軸電流及び電気角速度に基づいてq軸電流を算出するq軸電流算出手段とを少なくとも備え、
前記異常時モータ指令値算出手段は、正常な2相コイルの誘起電圧波形の合成値より求めた誘起電圧と電気角との関係を表す2相駆動用記憶テーブルを参照して誘起電圧を算出する誘起電圧算出手段と、前記操舵補助電流指令値、電気角速度及び前記誘起電圧に基づいてロータ角度の関数として2相の相電流指令値を算出する相電流指令値算出手段とを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、3相ブラシレスモータのスター結線されたコイルのうち1相の駆動系統に通電異常が発生した場合でも、正常時よりも小さい操舵補助トルクを継続して出力することができ運転者の負荷を低減すると同時に、その際のトルク変動により異常が発生したことを運転者に確実に報知することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで車幅方向の直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する3相ブラシレスモータ12とを備えている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
また、3相ブラシレスモータ12は、図2に示すように、U相コイルLu、V相コイルLv及びW相コイルLwの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各コイルLu、Lv及びLwの他端が操舵補助制御装置20に接続されて個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給されている。また、3相ブラシレスモータ12は、ロータの回転位置を検出するホール素子、レゾルバ等で構成されるロータ回転角検出回路13を備えている。
操舵補助制御装置20は、操舵トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速Vsが入力されると共に、ロータ回転角検出回路13で検出されたロータ回転角θmが入力され、さらに3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud、Ivd及びIwdが入力されている。
この操舵補助制御装置20は、操舵トルクT及び車速Vとモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとロータ回転角θmとに基づいて操舵補助電流目標値を演算して、各相モータ電圧指令値Vu、Vv及びVwを出力する制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、制御演算装置23から出力される相電圧指令値Vu、Vv及びVwに基づいてモータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路25と、モータ駆動回路24及び3相ブラシレスモータ12との間に接続されたスイッチング手段としての遮断用リレー回路26と、3相ブラシレスモータ12に供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwの異常を検出する異常検出回路27とを備えている。
制御演算装置23は、図3に示すように、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルクTと車速センサ21で検出した車速Vsとが入力され、これらに基づいて操舵補助電流指令値Irefを算出する操舵補助電流指令値演算部31と、ロータ回転角検出回路13で検出したロータ回転角θmに基づいて電気角θe及び電気角速度ωeを算出する角度情報演算部32と、操舵補助指令値Iref、電気角θe及び電気角速度ωeに基づいて3相電流指令値Iuref〜Iwrefを算出する正常時モータ指令値算出部33と、後述する異常検出回路27から入力される異常検出信号AS、操舵補助電流指令値Iref、電気角θe及び電気角速度ωeに基づいて正常なコイルLi(i=u〜w)及びLj(j=v〜u)に対する2相電流指令値Iiref及びIjrefを算出する異常時モータ指令値算出部34と、正常時モータ指令値算出部33及び異常時モータ指令値算出部34から出力される3相電流指令値Iuref〜Iwrefと異常時モータ指令値算出部34から出力される2相電流指令値Iiref及びIjrefとを選択する指令値選択部35と、この指令値選択部35で選択された電流指令値とモータ電流検出回路22で検出したモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとで電流フィードバック処理を行うモータ電流制御部36を備えている。
操舵補助電流指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出する。ここで、操舵補助電流指令値算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助指令値Irefをとると共に、車速検出値Vsをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成され、操舵トルクTが“0”からその近傍の設定値T1までの間は操舵補助指令値Irefが“0”を維持し、操舵トルクTが設定値T1を超えると最初は操舵補助指令値Irefが操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助指令値Irefが急峻に増加するように設定され、この特性曲線は車速Vsが増加するに従って傾きが小さくなるように設定されている。
また、角度情報演算部32は、ロータ回転角検出回路13で検出したロータ回転角θmを電気角θeに変換する電気角変換部32aと、この電気角変換部32aから出力される電気角θeを微分して電気角速度ωeを算出する微分回路32bとを有する。
正常時モータ指令値算出部33は、図3に示すように、操舵補助電流指令値Irefと電気角速度ωeとに基づいてd軸電流指令値Idrefを算出するd軸電流指令値算出部33a、電気角θeに基づいてd軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)を算出するd−q軸電圧算出部33b及びこのd−q軸電圧算出部33bから出力されるd軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)とd軸電流指令値算出部33aから出力されるd軸電流指令値Idrefと操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefとに基づいてq軸電流指令値Iqrefを算出するq軸電流指令値算出部33cで構成されるd−q軸電流指令値算出部33dと、d軸電流指令値算出部33aから出力されるd軸電流指令値Idrefとq軸電流指令値算出部33cから出力されるq軸電流指令値Iqrefとを3相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefに変換する2相/3相変換部33eとを備えている。
また、d軸電流指令値算出部33aは、図5に示すように、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefを3相ブラシレスモータ12へのベース角速度ωbに換算する換算部51と、操舵補助電流指令値Irefの絶対値|Iref|を算出する絶対値部52と、電気角速度ωeとモータの磁極数Pとからモータの機械角速度ωm(=ωe/P)を算出する機械角算出部53と、ベース角速度ωbと機械角速度ωmとに基づいて進角Φ=acos(ωb/ωm)を算出するacos算出部54と、進角Φに基づいてsinΦを求めるsin算出部55と、絶対値部52からの絶対値|Iref|とsin算出部55から出力されるsinΦとを乗算して−1倍することによりd軸電流指令値Idref(=−|Iref|sinΦ)を求める乗算器56とを備えている。
このように、d軸電流指令値算出部33aを構成することにより、d軸電流指令値Idrefは、
Idref=−|Iref|・sin(acos(ωb/ωm)) …………(1)
となり、この(1)式のacos(ωb/ωm)の項に関し、モータの回転速度が高速でない場合、つまり3相ブラシレスモータ12の機械角速度ωmがベース角速度ωbより低速時の場合は、ωm<ωbとなるのでacos(ωb/ωm)=0となり、よってIdref=0となる。しかし、高速回転時、つまり機械角速度ωmがベース角速度ωbより高速になると、電流指令値Idrefの値が現れて、弱め界磁制御を始める。上記(1)式に表されるように、電流指令値Idrefは3相ブラシレスモータ12の回転速度によって変化するため、高速度回転時の制御をつなぎ目なく円滑に行うことが可能であるという優れた効果がある。
また、別の効果としてモータ端子電圧の飽和の問題に関しても効果がある。モータの相電圧Vは、一般的に、
V=E+R・I+L(di/dt) …………(2)
で表される。ここで、Eは逆起電圧、Rは固定抵抗、Lはインダクタンスであり、逆起電圧Eはモータが高速回転になるほど大きくなり、バッテリー電圧などの電源電圧は固定であるから、モータの制御に利用できる電圧範囲が狭くなる。この電圧飽和に達する角速度がベース角速度ωbで、電圧飽和が生じるとPWM制御のデューティ比が100%に達し、それ以上は電流指令値に追従できなくなり、その結果トルクリップルが大きくなる。
しかし、上記()式で表される電流指令値Idrefは極性が負であり、上記(2)式のL(di/dt)に関する電流指令値Idrefの誘起電圧成分は、逆起電圧Eと極性が反対となる。よって、高速回転になるほど値が大きくなる逆起電圧Eを、電流指令値Idrefによって誘起される電圧で減じる効果を示す。その結果、3相ブラシレスモータ12が高速回転になっても、電流指令値Idrefの効果によってモータを制御できる電圧範囲が広くなる。つまり、電流指令値Idrefの制御による弱め界磁制御によってモータの制御電圧は飽和せず、制御できる範囲が広くなり、モータの高速回転時にもトルクリップルが大きくなることを防止できる効果がある。
さらに、d−q軸電圧算出部33bは、電気角θeをもとに図6に示す3相駆動用記憶テーブルとしてのd−q軸電圧算出用記憶テーブルを参照してd軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)を算出する。ここで、d−q軸電圧算出用記憶テーブルは、図6に示すように、横軸に電気角θeをとり、縦軸に各相コイルが発生する誘起電圧波形を回転座標に変換したd軸電圧ed(θ)及びq軸電圧eq(θ)をとって構成され、3相ブラシレスモータ12が図7に示すように正常時の誘起電圧波形U相EMF、V相EMF及びW相EMFが夫々120度位相の異なる正弦波となる正弦波誘起電圧モータである場合には、図7に示すように、電気角θには関係なくed(θ)及びq軸電圧eq(θ)が共に一定値となる。
さらにまた、q軸電流指令値算出部33cは、入力される操舵補助電流指令値Iref、d軸電圧ed(θe)、q軸電圧eq(θe)、d軸電流指令値Idref及び電気角速度ωeに基づいて下記(3)式の演算を行ってq軸電流指令値Iqrefを算出する。
Iqref={Kt×Iref×ωe−ed(θe)×Idref(θe)}/eq(θe)
………………(3)
ここで、Ktはモータトルク定数である。
また、異常時モータ指令値算出部34は、3相ブラシレスモータ12の1相の駆動系統に異常が発生した場合に、残りの2相のコイルを使用して3相ブラシレスモータ12の回転駆動を継続するためのものである。
すなわち、3相ブラシレスモータ12では、例えば図8(a)に示すようにU相コイルLuに対する駆動系統に断線が発生して、U相コイルLuにモータ電流を供給できない状態となった場合を例にとると、モータ電流を供給可能なコイルはV相コイルLv及びW相コイルLwの2つのコイルとなり、これらV相コイルLv及びW相コイルLwに供給する電流の方向は、V相コイルLvからモータ電流を入力してW相コイルLwから出力する場合と、逆にW相コイルLwからモータ電流を入力してV相コイルLvから出力する場合の2通りとなる。
これらモータ電流によって発生するステータ合成磁界は、図8(b)及び(c)に示すように、180度異なる方向にのみ形成することができるだけであるので、これらのステータ合成磁界のみでは3相ブラシレスモータ12を2相駆動することはできない。
このため、本実施形態では、例えばU相の駆動系統に通電異常が発生したときに、残りのV相及びW相を使用してモータ駆動する場合のモータ誘起電圧は、図9に示すように、電気角θeに対する特性曲線L1及びL2で示される誘起電圧EMFv(θe)及びEMFw(θe)を合成した特性曲線L3で示される合成誘起電圧EMFaとなるものとし、この合成誘起電圧EMFaに基づいてモータ電流Im(θe)を算出するようにしている。
すなわち、異常時モータ指令値算出部34を、図3に示すように、電気角θe及び後述する異常検出回路27から出力される異常検出信号ASに基づいて合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する誘起電圧算出部61と、この誘起電圧算出部61で算出された合成誘起電圧EMFa(θe)、操舵補助電流指令値Iref及び電気角速度ωeに基づいて相電流指令値Im(θe)を算出する相電流指令値算出部62と、この相電流指令値算出部62で算出した相電流指令値Im(θe)をモータ駆動回路24で出力可能な最大電流値Imaxで制限する電流制限部63と、この電流制限部63で制限された相電流指令値に基づいて該当する2相の相電流指令値を出力する2相電流指令値算出部64とで構成する。
ここで、誘起電圧算出部61は、V−W2相で駆動する場合の図9の特性曲線L3で表される合成誘起電圧EMFaと電気角θeとの関係を示す合成誘起電圧算出用記憶テーブル、U−V2相で駆動する場合の合成誘起電圧EMFaと電気角θeとの関係を表す合成誘起電圧算出テーブル及びU−W2相で駆動する場合の合成誘起電圧EMFaと電気角θeとの関係を表す合成誘起電圧算出用記憶テーブルの3つの2相駆動用記憶テーブルとしての合成誘起電圧算出用記憶テーブルを有し、異常検出信号ASに基づいて正常である2相に対応する合成誘起電圧算出用記憶テーブルを選択し、電気角θeをもとに選択した合成誘起電圧算出用記憶テーブルを参照して合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する。
また、相電流指令値算出部62は、誘起電圧算出部61から出力される合成誘起電圧EMFa、操舵補助電流指令値演算部31で算出された操舵補助電流指令値Iref及び電気角速度ωeに基づいて下記(4)の演算を行って、相電流指令値Im(θe)を算出する。
Im(θe)=(Kt2×Iref×ωe)/EMFa(θe) …………(4)
ここで、Kt2は2相通電時のモータトルク定数である。
さらに、2相電流指令値算出部64は、異常検出回路27から出力される異常検出信号ASに基づいて通電する2相を決定すると共に、相電流指令値算出部62で算出した相電流指令値Im(θe)の符号に基づいて相電流指令値Im(θe)の通電方向を設定して、設定された通電方向に対応する1つの相の電流指令値Ikref(k=u〜w)をモータ電流制御部36の減算器81kに出力する。
さらに、指令値選択部35では、常閉接点に正常時モータ指令値算出部33の2相/3相変換部33eで算出された各相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefが入力され、他方の常開接点に異常時モータ指令値算出部34から出力されるモータ電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefが入力された切換スイッチ71u、71v及び71wと、これら切換スイッチ71u、71v及び71wを切換え制御する選択制御部72とを備えている。
ここで、選択制御部72は、異常検出回路27から出力される異常検出信号ASが“0”であるときに切換スイッチ71u〜71wに対して常閉接点を選択する論理値“0”の選択信号SSを出力すると共に、後述する遮断リレー回路RLY1〜RLY3に対してこれらをオン状態に制御するリレー制御信号RS1〜RS3を出力し、異常検出信号ASが“1”〜“3”であるときに切換スイッチ71u〜71wに対して常開接点を選択する論理値“1”の選択信号SSを出力すると共に、異常となった駆動系統に対応する遮断リレー回路RLYx(x=u〜w)に対してこれをオフ状態に制御するリレー制御信号RSxを出力する。
モータ電流制御部36は、指令値選択部35から供給される電流指令値Iuref,Ivref,Iwrefから電流検出回路22で検出した各相コイルLu、Lv、Lwに流れるモータ相電流検出値Iud、Ivd、Iwdを減算して各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwを求める減算器81u、81v及び81wと、求めた各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwに対して比例積分制御を行って指令電圧Vu、Vv、Vwを算出するPI制御部82とを備えている。
そして、PI制御部82から出力される指令電圧Vu、Vv、VwがFETゲート駆動回路25に供給される。
モータ駆動回路24は、図2に示すように、各相コイルLu、Lv及びLwに対応して直列に接続されたNチャンネルMOSFETで構成されるスイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbを並列に接続されたインバータ構成を有し、スイッチング素子Qua,Qubの接続点、Qva,Qvbの接続点及びQwa,Qwbの接続点が夫々相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側に接続されている。
そして、モータ駆動回路24を構成する各スイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,QwbのゲートにFETゲート駆動回路25から出力されるPWM(パルス幅変調)信号が供給されている。
さらに、遮断用リレー回路26は、3相ブラシレスモータ12の相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側の端子と、モータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbの接続点との間に個別に介挿されたリレー接点RLY1、RLY2及びRLY3で構成されている。そして、各リレー接点RLY1〜RLY3は、異常検出回路27で総ての相で異常が検出されない正常状態では閉状態に制御され、何れか1つの相で異常が検出されたときに異常となった相のリレー接点RYLi(i=1〜3)が開状態に制御される。
さらにまた、異常検出回路27は、FETゲート駆動回路25に供給する電圧指令値Vu、Vv及びVw又はモータ駆動回路24に供給するパルス幅変調信号と各相のモータ電圧とを比較することによってU相、V相、及びW相の不導通及び短絡異常を検出することができる。そして、異常検出回路27では、U相、V相及びW相の全てが正常である場合には、“0”、U相不導通異常時には“U1”、U相短絡異常時には“U2”、V相不導通異常時には“V1”、V相短絡異常時には“V2”、W相不導通異常時には“W1”、W相短絡異常時には“W2”となる相異常検出信号ASを制御演算装置23の異常時モータ指令値算出部34及び指令値選択部35に出力する。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、モータ駆動回路24を構成する各電界効果トランジスタQua〜Qwbが正常であると共に、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwに断線や地絡が生じていない正常状態では、異常検出回路27で異常状態が検出されることはなく、“0”を表す異常検出信号が異常時モータ指令値算出部34及び指令値選択部35に出力される。
このため、指令値選択部35の選択制御部72から論理値“0”の選択信号SSが切換スイッチ71u〜71wに出力されることにより、各切換スイッチ71u〜71wが常閉接点側即ち正常時モータ指令値算出部33から出力される相電流指令値Iuref〜Iwrefを選択してモータ電流制御部36に出力する。これと同時に各リレー接点RLY1〜RLY3に対してこれを閉状態に制御するリレー制御信号RSが出力される。
このため、モータ駆動回路24から出力されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwがリレー接点RLY1、RLY2及びRLY3を介して3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給される。
この状態で、例えば車両の停止時に、ステアリングホイール1を操舵していない状態では、操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクTが“0”であるので、制御演算装置23の操舵補助電流指令値演算部31で算出される操舵補助電流指令値Irefも“0”となると共に、角度情報演算部32の微分回路32bから出力される電気角速度ωeも“0”となるので、d軸電流指令値算出部33aで算出されるd軸電流指令値Idrefも“0”となり、q軸電流指令値算出部33cで前記(3)式に従って算出されるq軸電流指令値Iqrefも“0”となることから、2相/3相変換部33eから出力される相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefも“0”となる。
このとき、3相ブラシレスモータ12も停止しているので、モータ電流検出回路22で検出されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdも“0”となることから、モータ電流制御部36の減算器81u、81v及び81wから出力される電流偏差ΔIu、ΔIv及びΔIwも“0”となり、PI制御部82から出力される電圧指令値Vu、Vv及びVwも“0”となって、FETゲート駆動回路25からモータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbのゲートに出力されるパルス幅変調信号のデューティ比が50%に制御され、且つ上アームの電界効果トランジスタに供給するパルス幅変調信号と下アームの電界効果トランジスタに供給するパルス幅変調信号とにはデッドタイムが設けられているので、上アームの電界効果トランジスタQua、Qva、Qwaと下アームの電界効果トランジスタQub、Qvb、Qwbとが導通することはなく、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ電流Iu、Iv及びIwは“0”となり、3相ブラシレスモータ12は停止状態を維持する。
このステアリングホイール1の非操舵状態から、車両の停止時にステアリングホイール1を操舵して所謂据え切り状態とすると、これに応じて操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクTが大きな値となると共に、車速Vsが“0”であるので、図4の操舵補助電流指令値算出マップで一番急峻な特性曲線が選択されることにより、操舵トルクTの増加に応じて大きな値の操舵補助電流指令値Irefが算出されることになる。このため、d軸電流指令値算出部33aで算出されるd軸電流指令値Idrefが増加する。
このとき、3相ブラシレスモータ12が停止しているので、電気角速度ωeは“0”の状態を継続するが、図6のd−q軸電圧算出用記憶テーブルでは電気角速度ωeにかかわらずd軸電圧ed(θ)が“0”、q軸電圧eq(θ)が例えば3.0に維持され、これがq軸電流指令値算出部33cに供給されるので、このq軸電流指令値算出部33cで前記(3)式の演算を行ってq軸電流指令値Iqrefを算出する。
そして、算出されたd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefが2相/3相変換部33eで三相分相処理が行われて、各相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefが算出され、これらがモータ電流制御部36に供給される。
このため、モータ電流制御部36では、モータ電流検出回路22から入力されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdが“0”を維持しているので、減算器81u、81v及び81wから出力される電流偏差ΔIu、ΔIv及びΔIwが“0”から変化し、PI制御部82で電流偏差ΔIu、ΔIv及びΔIwにPI制御処理を行って指令電圧Vu、Vv及びVwを算出し、これらをFETゲート駆動回路25に供給する。このため、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタが制御されて、このモータ駆動回路24から120度位相がずれたモータ相電流Iu、Iv及びIwを3相ブラシレスモータ12の相コイルLu、Lv及びLwに出力することにより、3相ブラシレスモータ12が回転駆動されて、ステアリングホイール1に入力される操舵トルクに応じた操舵補助力を発生し、これが減速ギヤ11を介してステアリングシャフト2に伝達されることにより、ステアリングホイール1を軽い操舵力で操舵することができる。
その後、車両が走行を開始すると、これに応じて操舵補助電流指令値演算部31で算出される操舵補助電流指令値Irefが低下することにより、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefが減少して、2相/3相変換部33eから出力されるモータ電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefが減少し、これに応じてモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが減少して、3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助力が減少される。
このモータ駆動回路24の正常状態から、例えばU相コイルLuを駆動する駆動系統即ちモータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua又はQubがオフ状態を継続したままとなるか、U相コイルLuを含む通電経路に断線が生じることにより、U相コイルLuが不導通となる異常が発生すると、これが異常検出回路27で検出され、この異常検出回路27から不導通異常を表す“U1”の相異常検出信号ASが異常時モータ指令値算出部34及び指令値選択部35に供給される。
このため、指令値選択部35で、論理値“1”の異常検出信号ASが入力されると、選択スイッチ71u〜71wに対して論理値“1”の選択信号SSを出力すると共に、遮断リレー回路RLY1に対してこれをオフ状態とするリレー制御信号RS1を出力する。
これに応じて、選択スイッチ71u〜71wが常閉接点側から常開接点側に切換えられ、正常時モータ指令値算出部33から出力される相電流指令値Iuref〜Iwrefから異常時モータ指令値算出部34から出力される相電流指令値Iuref〜Iwrefに切換えられる。
一方、異常時モータ指令値算出部34では、異常検出回路27から入力される異常検出信号ASがU相不導通異常を表す“U1”であるので、誘起電圧算出部61で、V相誘起電圧とW相誘起電圧との合成誘起電圧を表す誘起電圧算出用記憶テーブルを選択し、この誘起電圧算出用記憶テーブルを角度情報演算部32から入力される電気角θeをもとに参照することにより、V相誘起電圧とW相誘起電圧との合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する。
そして、算出された合成誘起電圧EMFa(θe)が相電流指令値算出部62に供給されて、この相電流指令値算出部62で前記(4)式の演算を行って相電流指令値Im(θe)を算出する。算出された相電流指令値Im(θe)は、図10に示すように、電気角θeが0°から75°に達するまでの間に+20Aから+80Aまで上に凸となる円弧状に増加し、75°〜90°の間+80Aを維持し、90°で−80Aまで反転し、その後105°までの間−80Aを維持し、その後180°までの間に上に凸となる円弧状に−20Aまで増加し、その後255°までの間に上に凸となる円弧状に減少し、255°〜270°の間で−80Aを維持し、270°で+80Aまで反転し、その後285°までの間+80Aを維持してからその後下に凸となる湾曲状に減少して360°で+20Aまで減少する特性曲線L4となる。
そして、算出された相電流指令値Im(θe)が電流制限部63に供給されて、この電流制限部63で、モータ駆動回路24で出力可能な最大電流値Imaxを超える場合にはこの最大電流値Imaxに制限される。
そして、電流制限部63で制限された相電流指令値Im(θe)が2相電流指令値算出部64に供給され、この2相電流指令値算出部64で、異常検出回路27から入力される異常検出信号ASに基づいてV相電流指令値Ivref及びW相電流指令値Iwrefが選択されると共に、相電流指令値Im(θe)の符号に基づいて、V相電流指令値Ivref及びW相電流指令値Iwrefの何れの側から電流を流すかを設定して、これに応じた相電流指令値Ivref又はIwrefを選択する。このとき、電気角θeが0°〜90°であるときにはW相コイルLwからV相コイルLvに向けて電流を流すようにW相電流指令値Iwrefを正値に設定し、電気角θeが90°〜270°であるときにはV相コイルLvからW相コイルLwに向けて電流を流すようにV相電流指令値Ivrefを正値に設定し、電気角θeが270°〜360°であるときにW相コイルLwからV相コイルLvに向けて電流を流すようにW相電流指令値Iwrefを正値に設定し、他の相電流指令値Iurefを“0”とする相電流指令値Iuref〜Iwrefを選択スイッチ71u〜71wに出力する。
このため、3相ブラシレスモータ12に対して、電気角θeが0°〜90°であるときに、W相モータ電流Iwが供給されて、W相コイルLwからV相コイルLvを通じて流れることにより、回転するステータ合成磁界を発生させてロータを回転させ、電気角θeが90°〜180°であるときには、V相モータ電流Ivが供給されて、V相コイルLvからW相コイルLwを通じて流れることにより、回転するステータ合成磁界を発生させてロータをさらに回転させ、その後電気角θeが180°〜270°であるときにW相モータ電流Iwが供給されて、W相コイルLwからV相コイルLvを通じて流れることにより、回転するステータ合成磁界を発生させてロータを回転させ、電気角θeが270°〜360°であるときには、V相モータ電流Ivが供給されて、V相コイルLvからW相コイルLwを通じて流れることにより、回転するステータ合成磁界を発生させてロータをさらに回転させ、これを繰り返すことにより、3相ブラシレスモータ12を2相駆動することができる。
すなわち、前述した(4)式で算出した図10で特性曲線L4で表される相電流指令値Im(θe)をd−q軸座標に変換して、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出すると、これらd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefは、図11に示すようにq軸電流指令値はIqrefが特性曲線L6で示すように電気角θeが90°及び270°近傍で一旦0Aとなる以外は、+20Aを維持し、d軸電流指令値Idrefは特性曲線L7で示すように、電気角θeが0°から75°に達するまでの間に+0Aから+40Aまで下に凸となる円弧状に増加し、75°〜90°の間+40Aを維持し、90°で一旦0Aとなってから−40Aまで反転し、その後105°までの間−40Aを維持し、その後180°までの間に上に凸となる円弧状に0Aまで増加し、その後255°までの間に0Aから+40Aまで下に凸となる円弧状に増加し、255°〜270°の間で+40Aを維持し、270°で一旦0Aとなってから−40Aまで反転し、その後285°までの間−40Aを維持してから上に凸となる湾曲状に増加して360°で0Aとなる。
このため、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefに基づいて3相ブラシレスモータ12を2相駆動する場合のモータ動作モデルは、図12に示すようになり、電気角θeが0°であるときにはトルク電流を表すq軸電流指令値Iqrefのみが出力されてロータ磁極がステータ磁極と直交する状態となり、その後、電気角θeが30°となると、q軸電流指令値Iqrefは変化しないが、界磁電流を表すd軸電流指令値Idが正方向に増加することにより、これらd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefの合成ベクトルで表される相電流指令値Im(θe)がロータ磁極に対して45°の方向となり、これがステータ磁極のN極に対向することになり、その後さらにd軸電流指令値Idrefが正方向に増加されることにより、相電流指令値Im(θe)がロータ磁極に対して30°の方向となり、これらに応じてロータ磁極が回転される。
その後、図12に示すように、電気角90°で、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefが共に“0”となることより、操舵補助トルクが“0”の状態となるが、このときには、ロータがステータ磁極によって引き寄せられることになり、ロータ端部がステータ磁極と対向する状態となる。
その後、d軸電流指令値Idrefが負方向の大きな値となることにより、相電流指令値Im(θe)がロータ磁極に対して135°の角度となってロータ磁極が回転し、その後順次界磁電流を表すd軸電流指令値Idrefが変化するに応じて、ロータ磁極が回転を継続する。
因みに、図13の特性曲線L8で示すように、電気角θeに応じてモータ電流Im(θe)の電流値を変化させず、モータ電流の方向のみを変化させた場合には、3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助トルクは、図13の特性曲線L9で示すように、電気角0°で最大値1Nmとなり、その後電気角90°までの間で円弧状に減少して電気角90°で“0”となり、その後電気角90°から電気角180°までの間で円弧状に増加して電気角90°で最大値1Nmに達し、その後電気角270°までの間で円弧状に減少して電気角270°で“0”となることを繰り返すことになる。
このため、モータ電流Im(θe)の電流の方向のみを切り換える場合には、トルク変動が大きくなり、運転者に違和感を与えることになるが、本実施形態では、図10の特性曲線L4で示す電流特性となるので、操舵補助トルクが小さくなる範囲が小さくなり、操舵補助トルクが低下する領域を乗り越え易くなる効果を発揮することができる。しかも、操舵補助トルクは、図10の特性曲線L5で示すように、電気角θeが90°及び270°の近傍では一旦“0”となるトルク変動を生じることから、運転者に3相ブラシレスモータ12の通電異常が発生したことを確実に報知することができる。
また、異常検出回路27で検出したU相駆動系統の異常がモータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua又はQubの短絡異常であるときには、異常検出回路27から“U2”で表される異常検出信号ASが出力され、これが指令値選択部35の選択制御部72に供給されると、この選択制御部72でU相の遮断用リレーRLY1を遮断状態とするリレー制御信号RS1が遮断用リレーRLY1に供給されることにより、3相ブラシレスモータ12のU相コイルLuへの電力供給系統が遮断されることを除いては、前述した不導通異常と同様の処理が行われて、3相ブラシレスモータ12が2相通電制御されて、回転駆動が継続される。
なお、U相の駆動系統以外に、V相又はW相の駆動系統に不導通異常や短絡異常が発生した場合も上記と同様に正常な2相を通電制御することにより、回転駆動を継続することができる。
このように、上記第1の実施形態によると、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwへの駆動系統が正常であるときには、通常通り正常時モータ指令値算出部33で、操舵補助電流指令値演算部31で算出した操舵トルクTに応じた操舵補助電流指令値Iref及び電気角速度ωeに基づいてd軸電流指令値Idrefを算出すると共に、d−q軸電流指令値算出部33dで電気角θeをもとに図6に示すd−q軸電圧算出用記憶テーブルを参照してd軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)を算出し、前記(3)式に従ってq軸電流Iqrefを算出する。そして、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換して各相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefを算出し、これら各相電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefとモータ電流検出回路22で検出したモータ電流Iud、Ivd及びIwdとで3相ブラシレスモータ12をフィードバック制御することにより、操舵トルクT及び車速Vsとに応じた最適な操舵補助力を3相ブラシレスモータ12で発生して、最適な操舵補助制御を行うことができる。
ところが、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwの何れか1つの駆動系統で断線が発生して何れかの相コイルLy(y=u〜w)にモータ電流Iyを供給できない状態となったときには、これが異常検出回路27で検出され、これにより指令値選択部35で異常時モータ指令値算出部34が選択されると共に、この異常時モータ指令値算出部34で、正常な2相のコイルを使用する電気角θeで、図10に示すように、0°〜90°の範囲、90°〜180°の範囲、180°〜270°の範囲及び270°〜360°の範囲で通電方向を変化させる相電流指令値を算出し、この相電流指令値とモータ電流検出回路22で検出したモータ電流とに基づいてフィードバック制御を行うことにより、3相ブラシレスモータ12の駆動を継続することができる。
このときに3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助トルクは、図10の特性線L5で示すように、電気角θeが90°及び270°の近傍で一旦零となるトルク変動を生じることになるが、このトルク変動によって3相ブラシレスモータ12に異常が発生したことを運転者に確実に報知することができる。
したがって、3相ブラシレスモータ12の相コイルの何れか1相の駆動系統に異常が発生した場合に、残りの2相のコイルを使用して回転駆動を継続することができ、この場合の異常時モータ指令値算出部34が、電気角θeに基づいて正常な2相の合成誘起電圧EMFa(θe)を算出する合成誘起電圧算出用記憶テーブルを参照して、合成誘起電圧EMFa(θe)を算出し、算出した合成誘起電圧EMFa(θe)と操舵補助電流指令値Irefと電気角速度ωeとに基づいて前記(4)式に基づいて相電流指令値Im(θe)を算出し、この相電流指令値Im(θe)と異常検出信号ASに基づいて正常な2相の相電流指令値を算出するので、正常な2相コイルを使用した回転駆動の継続を容易且つ確実に行うことができる。
しかも、運転者がステアリングホイール1を操舵していることにより、3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助トルクが低下しても、図14に示す電動パワーステアリング装置の運動モデルに表される電動パワーステアリング装置の慣性トルクは、ステアリングホイール1における慣性トルク(=Jh・(θh)″)、減速ギヤ11におけるステアリングシャフト2側における慣性トルク(=Jg1・(θg)″)、減速ギヤ11におけるモータ側における慣性トルク(=(rg1/rg2)2・Jg2・(θg)″)及びモータ部の慣性トルク(=(rg1/rg2)2・Jm・(θg)″)で表される。
これら各部の慣性(Jh、Jg1、Jg2、Jm)と各部位の各加速度(θh)″、(θg)″とによる慣性トルクが3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助トルクの低下を補うので、操舵補助トルクが低下する電気角θ(e)の領域即ち90°及び270°近傍の領域を乗り越え易くなる。
次に、本発明の第2の実施形態を図15及び図16について説明する。
この第2の実施形態では、合成誘起電圧算出用記憶テーブルを参照して電気角θeに基づいて合成誘起電圧EMFa(θe)を算出し、前記(4)式に従って、相電流指令値Im(θe)を算出する場合に代えて、3ブラシレスモータ12の何れか1相の駆動系統に異常が発生したときに、ロータ角度の関数としてモータ電流を通電するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図15に示すように、異常時モータ指令値算出部34が、図3に示す構成において、誘起電圧算出部61が省略されると共に、相電流指令値算出部62が操舵補助電流指令値Irefをもとに図16に示す相電流指令値算出用記憶テーブルを参照して電気角θeに基づく相電流指令値Im(θe)を算出するように構成されていることを除いては図3と同様の構成を有し、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
ここで、相電流指令値算出用記憶テーブルは、図16に示すように、前述した第1の実施形態において前記(4)式に従って算出される相電流指令値Im(θe)と同様の特性曲線となっており、電気角θeが0°から75°に達するまでの間に+20Aから+80Aまで上に凸となる円弧状に増加し、75°〜90°の間+80Aを維持し、90°で−80Aまで反転し、その後105°までの間−80Aを維持し、その後180°までの間に上に凸となる円弧状に−20Aまで増加し、その後255°までの間に上に凸となる円弧状に減少し、255°〜270°の間で−80Aを維持し、270°で+80Aまで反転し、その後285°までの間+80Aを維持してからその後下に凸となる湾曲状に減少して360°で+20Aまで減少するように特性曲線L10
が設定されている。
この第2の実施形態によると、3相ブラシレスモータ12が正常である場合には、前述した第1の実施形態と同様に正常時モータ指令値算出部33で算出される相電流指令値Iuref〜Iwrefを指令値選択部35の選択スイッチ71u〜71を介してモータ電流制御部36に供給することにより、このモータ電流制御部36で、相電流指令値Iuref〜Iwrefとモータ電流検出回路22で検出したモータ電流Iud〜Iwdとに基づいてのフィードバック制御を行って電圧指令値Vu〜Vwを算出し、算出した電圧指令値Vu〜VwをFETゲート駆動回路25に供給することにより、このFETゲート駆動回路25でモータ駆動回路24の電界効果トランジスタを駆動制御して3相モータ電流Iu〜Iwを3相ブラシレスモータ12に出力することにより、3相ブラシレスモータ12で操舵トルクT及び車速Vsに応じた最適な操舵補助力を発生させて、最適な操舵補助制御を行うことができる。
ところが、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwの何れか1相のコイル例えばU相コイルLuに対する駆動系統に断線又はモータ駆動回路24の電界効果トランジスタの短絡が発生した場合には、相電流指令値算出部62で、電気角θeに基づいて図16に示す相電流指令値算出用記憶テーブルを参照することにより、相電流指令値Im(θe)を算出する。
そして、算出された相電流指令値Im(θe)を電流制限部63に供給して相電流指令値Im(θe)の最大値をモータ駆動回路24で出力可能な最大値を超える場合にその最大値に制限し、電流制限した相電流指令値Im(θe)を2相電流指令値算出部64に供給して、相電流指令値Im(θe)の符号と異常検出信号ASに基づいて決定される異常となった駆動系統とからの正常な2相のV相コイルLv及びW相コイルLwに対する電流方向を設定する。
そして、設定された電流方向に基づいて算出した相電流指令値Ivref及びIwrefを選択スイッチ71u〜71wを介してモータ電流制御部36に供給することにより、相電流指令値Ivref及びIwrefとモータ電流検出回路22で検出したモータ電流Ivd及びIwdとに基づいてフィードバック制御を行って、2相の電圧指令値Vv及びVwを算出し、これら電圧指令値Vv及びVwに基づいてFETゲート駆動回路25でモータ駆動回路24をパルス幅変調信号で駆動制御することにより、前述した第1の実施形態と同様のモータ電流Iv及びIwを形成して、3相ブラシレスモータ12の相コイルLv及びLwに供給する。
これにより、前述した第1の実施形態と同様に、3相ブラシレスモータ12の1相の通電系統に異常が発生した場合に、前述した第1の実施形態と同様に、残りの2相を使用して3相ブラシレスモータ12の回転駆動を継続することができる。
このように、上記第2の実施形態によると、電気角θ(e)をもとに相電流指令値算出用記憶テーブルを参照して相電流指令値Im(θe)を算出するので、前述した(4)式の演算処理を行う必要がなく、相電流指令値算出処理を短時間で容易に行うことができる。
そして、この第2の実施形態の場合でも、前述した第1の実施形態で説明したように、運転者がステアリングホイール1を操舵していることにより、3相ブラシレスモータ12で発生する操舵補助トルクが低下しても、前述した図14に示す電動パワーステアリング装置の運動モデルに表される電動パワーステアリング装置の慣性(Jh、Jg1、Jg2、Jm)と各部位の各加速度による慣性トルクが3相ブラシレスモータで発生する操舵補助トルクの低下を補うので、操舵補助トルクが低下する電気角の領域を乗り越え易くなる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、正常時モータ指令値算出部33において、d軸電流指令値算出部33aで操舵補助電流指令値Irefに基づいてd軸電流指令値Idrefを算出し、d−q軸電圧算出部33bで、d軸電圧ed(θe)及びq軸電圧eq(θe)を算出し、q軸電流指令値算出部33cで前述した(3)式の演算を行ってq軸電流指令値Iqrefを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図17に示す記憶テーブルを参照して、モータ角速度ωm(=ωe/p p:モータ極対数)に基づいてd軸電流指令値Idrefを形成するd軸直流電流指令値IdDCを“0”に設定するか図18に示す記憶テーブルを参照して、モータ角速度ωmに基づく関数として算出するかを決定し、決定したd軸直流電流指令値IdDCをd軸電流指令値Idrefとして設定するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu〜Lwとモータ駆動回路24との間に遮断用リレー回路RLY1〜RLY3を介挿した場合について説明したが、遮断用リレー回路RLY1〜RLY3の何れか1つを省略するようにしてもよい。この場合には、省略した遮断用リレー回路を含む駆動系統におけるモータ駆動回路24における上アーム又は下アームの電界効果トランジスタにショートが生じた場合には、対応することができなくなり、異常時における3相ブラシレスモータの2相駆動の適用範囲が2個所減少するだけであり、大きな問題とはなることはない。
なおさらに、上記第1及び第2の実施形態においては、正常時モータ指令値算出部33のd−q軸電流指令値算出部33dの出力側に2相/3相変換部33eを設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、この2相/3相変換部33eを省略し、これに代えてモータ電流検出回路22から出力されるモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdを3相/2相変換部に供給して、回転座標のd軸電流Idd及びq軸電流Iqdに変換し、モータ電流制御部36でd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefからd軸電流Idd及びq軸電流Iqdを減算して電流偏差ΔId及びΔIqを算出し、これらをPI制御部2でPI制御処理してd軸指令電圧Vd及びq軸指令電圧Vqを算出し、これらを2相/3相変換部で3相の指令圧Vu、Vv及びVwに変換して、FETゲート駆動回路25に供給するようにして制御演算装置23全体をベクトル制御系に構成するようにしてもよい。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の実施形態を示すシステム構成図である。 操舵補助制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 図2の制御演算装置23の具体的構成を示すブロック図である。 操舵トルクと操舵補助電流指令値との関係を表す操舵補助電流指令値算出マップを示す特性線図である。 ベクトル相指令値算出回路のd軸電流指令値算出部の具体的構成を示すブロック図である。 d−q軸電圧算出用記憶テーブルを示す特性線図である。 正常時の3相ブラシレスモータで発生する誘起電圧波形を示す特性線図である。 3相ブラシレスモータにおける2相通電時のステータ磁界モデルを示す説明図である。 3相ブラシレスモータにおける2相通電時のモータ誘起電圧を示す特性線図である。 3相ブラシレスモータにおける2相通電時のモータ電流とモータトルクとの関係を示す特性線図である。 図10の相電流指令値をd軸電流指令値及びq軸電流指令値へ変換した結果を示す特性線図である。 第1の実施形態における2相駆動時のモータ動作モデルを示す説明図である。 3相ブラシレスモータの2相通電時におけるモータ電流を一定とし、通電方向のみを変化させた場合のモータ電流とモータトルクとの関係を示す特性線図である。 電動パワーステアリング装置の運動モデルを示す説明図である。 本発明の第2の実施形態を示す操舵補助制御装置のブロック図である。 第2の実施形態における相電流指令値算出用記憶テーブルを示す特性線図である。 モータ角速度と操舵補助電流指令値とに基づいてd軸直流電流指令値の有無を判断する記憶テーブルを示す特性線図である。 操舵補助電流指令値に基づいてd軸直流電流指令値を算出する記憶テーブルを示す特性線図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、10…操舵補助機構、12…3相ブラシレスモータ、13…ロータ回転角検出回路、20…操舵補助制御装置、21…車速センサ、22…モータ電流検出回路、23…制御演算装置、24…モータ駆動回路、25…FETゲート駆動回路、26…遮断用リレー回路、27…異常検出回路、31…操舵補助電流指令値演算部、32…角度情報演算部、32a…電気角変換部、32b…微分回路、33…正常時モータ指令値算出部、33a…d軸電流指令値算出部、33b…d−q軸電圧算出部、33c…q軸電流指令値算出部、33e…2相/3相変換部、34…異常時モータ指令値算出部、35…指令値選択部、36…モータ電流制御部、61…誘起電圧算出部、62…相電流指令値算出部、63…電流制限部、64…相電流指令値算出部、71u〜71w…選択スイッチ、72…選択制御部、81u〜81w…減算器、82…PI制御部

Claims (1)

  1. 操舵系に対して操舵補助力を発生させる各相コイルがスター結線された3相ブラシレスモータと、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに応じて操舵補助電流指令値を算出し、算出した操舵補助電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動制御する操舵補助制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記操舵補助制御装置は、各相コイルの駆動系統の通電異常を検出するコイル駆動系異常検出手段と、前記操舵トルクに基づいて操舵補助電流指令値を算出する操舵補助電流指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で、各相コイルの駆動系統の異常が検出されないときに、前記操舵補助電流指令値に基づいて3相コイルを使用する相電流指令値を算出する正常時モータ指令値算出手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で各相コイルのうちの1相の駆動系統に通電異常を検出したときに、前記操舵補助電流指令値に基づいて残りの2相のコイルを使用する相電流指令値を算出する異常時モータ指令値算出手段と、前記正常時モータ指令値算出手段で算出した相電流指令値と前記異常時モータ指令値算出手段で算出した相電流指令値とを選択する指令値選択部と、該指令値選択部で選択した相電流指令値に基づいて前記3相ブラシレスモータを駆動するモータ制御手段と、前記各相コイルの駆動系統に介挿された通電を遮断可能な通電遮断手段と、前記コイル駆動系異常検出手段で、1相の駆動系統に通電異常を検出したときに、該当する駆動系統に介挿された通電遮断手段を遮断状態に制御する遮断制御手段と、モータ回転角を検出して電気角及び電気角速度を算出する電気角情報算出手段とを備え
    前記正常時モータ指令値算出手段は、d軸電流を設定するd軸電流設定手段と、3相コイルの誘起電圧波形をロータ回転座標系に変換して求めたd軸電圧及びq軸電圧と電気角との関係を表す3相駆動用記憶テーブルを参照してd軸電圧及びq軸電圧を算出するd−q電圧算出手段と、前記操舵補助電流指令値、d軸電圧、q軸電圧、d軸電流及び電気角速度に基づいてq軸電流を算出するq軸電流算出手段とを少なくとも備え、
    前記異常時モータ指令値算出手段は、正常な2相コイルの誘起電圧波形の合成値より求めた誘起電圧と電気角との関係を表す2相駆動用記憶テーブルを参照して誘起電圧を算出する誘起電圧算出手段と、前記操舵補助電流指令値、電気角速度及び前記誘起電圧に基づいてロータ角度の関数として2相の相電流指令値を算出する相電流指令値算出手段とを備えていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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