JP2011194914A - 電動パワーステアリング装置およびこれに用いられる電動機駆動制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置およびこれに用いられる電動機駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧の飽和により生じる電動機のトルクリップルを抑制し、所定のトルクを維持して軽快な操舵フィーリングを実現する。
【解決手段】q軸目標電流設定手段21は、操舵トルクセンサTSからの操舵入力信号と車速センサVSからの車速信号とに基づいてq軸電流指令値を生成する。このq軸電流指令値とフィードバックされたq軸実電流とが加算されたq軸電流(トルク電流)によって電動機8は所定のトルクを発生する。一方、d軸補正電流設定手段38aは、電圧飽和度算出手段から出力された電圧飽和度(デューティ比=電動機の駆動電圧/電源電圧)に応じて界磁弱め電流(d軸電流)を設定する。これにより、電圧飽和度が高くなったときは、所定のトルク電流で一定トルクを維持したまま、電圧飽和度を下げることにより電流の歪み(高調波成分)が低減でき、トルクリップルが抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置およびこれに用いられる電動機駆動制御装置に関し、特に、電動機の動力によって車両の操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置、およびこれに用いられる電動機駆動制御装置に関する。
従来より、自動車などの車両に搭載された電動パワーステアリング装置に使用される電動機としては、永久磁石型ブラシレスDCモータが好んで用いられている。このような電動機(以下、単に電動機またはモータという)は、電動機の駆動電圧がECUの電源電圧(バッテリ電圧)に近づくと(つまり、駆動電圧の電圧飽和度=駆動電圧/電源電圧が100%に近づくと)、電動機への供給電力に余裕がなくなるために駆動電流の電流波形に歪みが生じて電動機にトルクリップルが発生する。その結果、電動機に異音が発生したり、操舵フィーリングが悪化したりして、車両としての商品性が損なわれてしまう。そこで、このような不具合を避けるために、電動機の駆動電圧の電圧飽和度(または、PWM(Pulse Width Modulation)制御波形における1周期時間に対するON時間の比であるデュ−ティ比)を演算し、その電圧飽和度(デューティ比)に基づいて電動機の電流指令制限値を補正することによって、電動機の駆動電圧の電圧飽和を抑制し(つまり、電動機の駆動電圧の電圧飽和度(デュ−ティ比)を下げて)、電動機に異音が発生するのを防止したり、操舵フィーリングの悪化を抑制したりする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、電源電圧(バッテリ電圧)が低下するにしたがって、電動機の駆動電圧を低下させて駆動電流を下げているので、電動機のトルクリップルの発生を抑制して回転ムラによる異音の発生を防止することができる。
また、必要に応じて電動パワーステアリング装置の電動機に界磁弱め電流を流すことにより、その電動機の回転速度を高めることでステアリング系に滑らかな操舵フィーリングを実現させる技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−79387号公報 特開2004−40883号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、駆動電圧の電圧飽和度(デュ−ティ比)に基づいて電動機の電流指令制限値を補正しているので、電動機のトルクリップルは抑制されるものの、駆動電圧の飽和状態において電動機の駆動電流が制限されてしまう。このため、特許文献1の技術は、駆動電流の低下によって電動機のトルクが制限されることになり、電動パワーステアリング装置のステアリング操作が重くなってしまう。その結果、電動パワーステアリング装置として軽快な操舵フィーリングが得られなくなるおそれがある。
一方、特許文献2の技術は、電源電圧(例えば、バッテリ電圧)が低下して電動機の駆動電圧に余裕がなくなると(つまり、駆動電圧飽和度が高くなると)、電動機のトルク電流に歪が生じるおそれがある。すなわち、特許文献2の技術は、その電動機にトルクリップルが発生し、良好な操舵フィーリングが得られなくなるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動機のトルクリップルを抑制しつつ、所定のトルクを維持することができる電動パワーステアリング装置およびこれに用いられる電動機駆動制御装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、運転者の操舵入力に応じて操舵アシスト用の電動機を駆動制御する電動パワーステアリング装置であって、前記操舵入力の大きさを検出する操舵入力検出手段と、前記操舵入力検出手段からの信号に基づいて、前記電動機のトルク電流を設定するトルク電流設定手段と、前記電動機の界磁を弱めるための界磁弱め電流を設定する界磁弱め電流設定手段と、前記トルク電流設定手段によって設定されたトルク電流および前記界磁弱め電流設定手段によって設定された界磁弱め電流に基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段と、前記電動機駆動制御手段の電源電圧に対する前記電動機の駆動電圧の比率で定義される前記電動機の電圧飽和度を算出する電圧飽和度算出手段とを備え、前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度に応じて界磁弱め電流の値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、電源電圧に対する電動機の駆動電圧の比率で定義させる電圧飽和度が高いときには、界磁弱め電流を多く流すことによって、回転速度が上昇する。また、電圧飽和度が低いときには、界磁弱め電流を少なくすることによって、回転速度が低下する。一方、回転速度の上昇により駆動電圧を下げることができるので、電圧飽和度が低下するように帰還制御される。したがって、電動機の駆動電圧に余裕を持たせることができるので、電動機のトルクリップルを抑制しつつ、一定のトルク電流によって所定のトルクを維持することができる。すなわち、電動機のトルクを一定に維持しながら駆動電圧の飽和によって生じる電動機のトルクリップルを抑制することができる。これによって、電動パワーステアリング装置は、軽快な操舵フィーリングを実現させることができる。
また、前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度が所定値以下となるように界磁弱め電流を設定することを特徴とすることができる。この構成によれば、電圧飽和度が所定値以下(例えば、90%以下)となるような界磁弱め電流を設定するように界磁弱め制御を行っているので、電動機の駆動電圧は常に余裕を持っている。したがって、電動機には大きなトルクリップルが発生しないので、常に軽快な操舵フィーリングを維持することができる。
また、前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度が上限値に近いほど、絶対値の大きな界磁弱め電流の値を設定することを特徴とすることができる。この構成によれば、電圧飽和度が上限値に近づくほど強い界磁弱め電流を設定しているので、電圧飽和度が100%近くになった場合には、一定トルクを維持しながら電圧飽和度を下げて駆動電圧に余裕を持たせることができる。その結果、電動機には大きなトルクリップルが発生しないので、常に軽快な操舵フィーリングを維持することができる。
また、本発明は、電動パワーステアリング装置に用いられる電動機制御装置を提供することもできる。すなわち、外部から人為的に入力された操舵入力の大きさに応じて操舵アシスト用の電動機を駆動制御する電動パワーステアリング装置に用いられる電動機制御装置であって、前記操舵入力の大きさを検出する操舵入力検出手段と、前記操舵入力検出手段からの信号に基づいて、前記電動機のトルク電流を設定するトルク電流設定手段と、前記電動機の界磁を弱めるための界磁弱め電流を設定する界磁弱め電流設定手段と、前記トルク電流設定手段によって設定されたトルク電流および前記界磁弱め電流設定手段によって設定された界磁弱め電流に基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備えると共に、さらに、前記電動機駆動制御手段の電源電圧に対する前記電動機の駆動電圧の比率で定義される前記電動機の電圧飽和度を算出する電圧飽和度算出手段を備え、前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度に応じて界磁弱め電流を設定することを特徴とする電動機制御装置を提供することもできる。
この構成によれば、電動機の電圧飽和度に基づいて界磁弱め電流を設定しているので、電動機のトルクを一定に維持しながら駆動電圧の飽和によって生じる電動機のトルクリップルを抑制することができる。これによって、電動パワーステアリング装置の電動機制御装置は軽快な操舵フィーリングを実現させることができる。
本発明によれば、電動機のトルクリップルを抑制しつつ、所定のトルクを維持することができる。したがって、車両の走行中において常に安定した操舵アシストを維持することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明の実施形態に適用される電動パワーステアリング装置の構成図である。 本発明の実施形態に適用される電動機制御システムの構成図である。 PWM変換ブロックの内部構成を示すブロック図である。 PWM変換ブロックの主要部の波形図である。 本実施形態のd軸補正電流設定手段が備える界磁弱め電流設定機能の内部構成を示すブロック図である。 従来のd軸補正電流設定手段が備える界磁弱め電流設定機能の内部構成を示すブロック図である。 電動機の電圧飽和度(Duty)が変化したときの従来の電動機の出力特性を示す特性図の例である。 電動機の出力特性に基づいて電圧飽和度(Duty)が変化したときの電動機の駆動電流とトルクリップルとを示す特性図である。 電動機の電圧飽和度(Duty)が変化したときの本実施形態の電動機の出力特性を示す特性図である。 弱め界磁ありの特性に基づいて電圧飽和度が変化したときの電動機の駆動電流とトルクリップルとを示す特性図である。 本実施形態のd軸補正電流設定手段の界磁弱め電流設定機能によるd軸補正電流の具体例を示すブロック図である。 電圧飽和度に基づいて界磁弱め電流を設定した場合の一実施例を示す特性図である。
本発明は、回転磁界型電動機(例えば、SPM(Surface Permanent Magnet)モータ)を用いた電動パワーステアリング装置の電動機制御に関するものであって、電源電圧に対する電動機の駆動電圧の比率で定義される電圧飽和度(または、PWM制御波形における1周期時間に対するON時間の比であるデュ−ティ比)に基づいて電動機の界磁を弱めるための界磁弱め制御を行う。これにより、電圧飽和度(または、デューティ比)を下げて、電動機の駆動電流の歪みを低減できるので、トルクリップルを抑制することが可能となる。また、SPMモータを用いた弱め界磁制御なので、電動機に対して所定のトルク電流を流すことができ、トルクが維持される。したがって、このような電動機制御を行うことにより、電圧飽和度が高くなっても、電動パワーステアリング装置は安定した操舵アシストを維持することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《電動パワーステアリング装置の構成》
図1は、本発明の実施形態に適用される電動パワーステアリング装置の構成図である。図1において、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール3から前輪W、Wに至るステアリング系Sを備え、手動操舵力発生手段2による手動操舵力を電動機8のトルクによってアシストするように構成されている。すなわち、電動パワーステアリング装置1は、電動機駆動手段13が制御装置12からの電動機制御信号V0に基づいて電動機電圧VMを発生させ、この電動機電圧VMによって電動機8を駆動して補助トルク(補助操舵力)を発生させるように構成されている。なお、本実施形態では、電動機8として、回転磁界型の3相ブラシレスSPMモータを用い、その駆動制御にはdqベクトル制御を用いた場合について説明する。
手動操舵力発生手段2は、ステアリングホイール3に一体的に設けられたステアリング軸4に連結軸5を介してステアリング・ギアボックス6内に設けたラック&ピニオン機構7のピニオン7aが連結される。なお、連結軸5は、その両端に自在継ぎ手5a、5bを備えている。また、ラック&ピニオン機構7は、ピニオン7aに噛み合うラック歯7bがラック軸9に形成され、ピニオン7aとラック歯7bとの噛み合いによって、ピニオン7aの回転運動をラック軸9の横方向(車両幅方向)の往復運動に変換させる。さらに、ラック軸9には、その両端にタイロッド10、10を介して、操舵輪としての左右の前輪W、Wが連結される。
また、電動パワーステアリング装置1は、補助操舵力(補助トルク)を発生させるために、電動機8がラック軸9と同軸上に配設されている。さらに、電動パワーステアリング装置1は、電動機8の回転をラック軸9と同軸に設けられたボールねじ機構11を介して推力に変換し、この推力をラック軸9(ボールねじ軸11a)に作用させるように構成されている。
また、制御装置12には、車速センサVS、操舵トルクセンサTS、および電動機電流検出手段14の各検出信号(車速信号V、操舵トルク信号T、電動機電流信号IMO、および電動機電圧信号VMO)が入力される。そして、制御装置12は、これらの検出信号V、T、IMO、VMOに基づいて電動機8に供給する電動機電流IMの大きさおよび方向を決定し、電動機駆動手段13へ電動機制御信号V0を出力する。さらに、制御装置12は、操舵トルク信号Tと電動機電流信号IMOとに基づいて、電動パワーステアリング装置1でのアシストを判定し、電動機8の駆動を制御する。なお、制御装置12は、各種演算や処理等を行うCPU(Central Processing Unit)、入力信号変換手段、信号発生手段、記憶手段等で構成され、そのCPUは電動パワーステアリング装置1での主な制御を行う。
車速センサVSは、車速を単位時間当たりのパルス数として検出し、検出されたパルス数に対応したアナログ電気信号を車速信号Vとして制御装置12に送信する。なお、車速センサVSは、電動パワーステアリング装置1の専用センサであってもよいし、他のシステムの車速センサを利用してもよい。
ステアリング・ギアボックス6内に配設された操舵トルクセンサTSは、ドライバによる手動の操舵トルクの大きさおよび方向を検出する。そして、この操舵トルクセンサTSは、検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号を操舵トルク信号Tとして制御装置12に送信する。なお、操舵トルク信号Tは、大きさを示す操舵トルクとトルクの向きを示すトルク方向との情報を含んでいる。ここで、トルク方向は操舵トルクのプラス値/マイナス値で表され、プラス値は操舵トルク方向が右方向であり、マイナス値は操舵トルク方向が左方向である。
電動機電流検出手段14は、例えば、電動機8の各巻線ごとに設けられたカレントトランスフォーマ(CT)で形成され、電動機8に実際に流れる電動機電流IMの大きさおよび方向を検出する。そして、電動機電流検出手段14は、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMOを制御装置12へフィードバック(負帰還)する。
電動機駆動手段13は、制御装置12から出力された電動機制御信号VOに基づいて電動機電圧VMを電動機8に印加して電動機8の駆動を行う。この電動機駆動手段13は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号のデュ−ティに応じて電動機駆動手段13内のプリドライブ回路およびFETブリッジ(いずれも図示せず)を介して、電動機8の各巻線に正弦波電流を通電する。
電動機電圧検出手段15は、電動機駆動手段13が電動機8へ印加する電動機電圧VMを検出して、対応する電動機電圧信号VMOを制御装置12に出力する。
《電動パワーステアリング装置の制御システム》
次に、本発明の実施形態に適用される電動パワーステアリング装置の制御システムについて説明する。図2は、電動パワーステアリング装置1における電動機制御システム100の構成を示すブロック図である。なお、図2において、電動機制御システム100は、制御装置12と、その制御装置12の出力側に接続された電動機駆動手段13と、電動機駆動手段13に接続された電動機8と、電動機駆動手段13に直流電力を供給するバッテリ16と、電動機8の各相に流れる電動機電流を検出する電動機電流検出手段14と、電動機8の回転角を検出するVRレゾルバ32と、操舵トルクセンサTSと、車速センサVSとを備える。なお、制御装置12と、電動機駆動手段13と、バッテリ16と、電動機電流検出手段14とによって電動機駆動制御手段20aが構成されている。なお、制御装置12はCPUによって実現される。
制御装置12は、2相回転磁束座標系(dq座標系)で記述されるベクトル制御によって、指令トルクTo(図示せず)に応じて電動機8の制御を行う。すなわち、ステアリング系Sのステアリングホイール3に加わる操舵トルク信号Tを操舵トルクセンサTSにより検出し、この検出した操舵トルク信号Tに応じたアシストトルクが得られるように、電動機8をdqベクトル制御することにより、ステアリングホイール3(図1)のアシストが行われる。
この制御装置12は、まず、q軸目標電流設定手段21内で、操舵トルクセンサTSが検出して出力する操舵トルク信号T、操舵角速度dφ/dt、車速センサVSが検出して出力する車速信号Vなどの値から、次の式(1)によって指令トルクToの値を求める。
To=f(T、V、dφ/dt) (1)
ここで、fは所定の指令トルクToを求める関数である。
式(1)で求めた指令トルクToは、さらに、q軸目標電流設定手段21内におけるトルク電流変換により、q軸電流指令値iqoに変換される。
iqo=g(To) (2)
一方、d軸電流指令値idoは基本的には0に設定されている。
一方、電動機電流検出手段14からの電動機電流信号IMO、ここではモータの各相(例えばu、v相)の検出電流値(例えば、u、v相の電流iu、iv)は、カレントトランスフォーマ(CT)によって検出され、その検出電流は増幅された後、所定の周期で電流検出値としてサンプリングされる。このようにして得られた各相の電流検出値は、VRレゾルバ32およびRDコンバータ35からなる電動機回転検出手段によって検出された回転角信号θに基づいてdq変換ブロック34で変換処理が行われ、その後、減衰手段36および減衰手段37を経て、d軸実電流idrとq軸実電流iqrとがフィードバック電流として出力される。
ここでの減衰手段36、37は、このフィードバックループに外部から混入される高周波の雑音を除去する働きを有している。すなわち、エンジンルーム内で生じる雑音はON/OFF動作を行う機械的電気的スイッチ手段などから発生するため、後記するPI制御ブロック25およびPI制御ブロック26は高周波雑音の影響をうけやすく、雑音の混入によって操舵感覚が悪化するおそれがある。そこで、このような不具合を解消するために、減衰手段36、37を用いることによってフィードバックループへ外部から混入する高周波の雑音を除去している。
また、加算器22は、トルク電流のq軸電流指令値iqoとq軸フィードバック実電流値(q軸実電流)iqrとの偏差演算を行う。さらに、加算器23は、d軸電流指令値ido(=0)に対して後記するd軸電流補正処理を行い、弱め界磁電流値としてのd軸補正電流目標値idcを出力する。加算器24は、d軸電流補正後のd軸補正電流目標値idcとd軸フィードバック実電流値(d軸実電流)idrとの偏差演算を行う。すなわち、加算器22および加算器24において、次の式(3)、式(4)によりd軸電流偏差Δid、およびq軸電流偏差Δiqが演算される。
Δid=idc−idr (3)
Δiq=iqo−iqr (4)
次に、PI制御ブロック25およびPI制御ブロック26で、式(3)及び式(4)で求められたd軸電流偏差Δidおよびq軸電流偏差Δiqに対してP(Proportional:比例)制御処理、およびI(Integral:積分)制御処理を実行し、その結果としてd軸指令電圧Vdo、およびq軸指令電圧Vqoを得る。次に、dq逆変換ブロック29では、これらの指令電圧Vdo、Vqoに対してdq逆変換処理を行って電動機8のU、V、Wの各相に対するそれぞれの指令電圧Vu、Vv、Vwに変換される。この指令電圧Vu、Vv、VwはPWM変換ブロック30でPWMデュ−ティ信号に変換され、このPWMデューティ信号が電動機駆動手段13内のプリドライブ回路およびFETブリッジ回路(いずれも図示せず)を介して電動機8(ブラシレスモータ)の各相巻線に正弦波電流を通電してdqベクトル制御を行う。
ところで、本実施形態でのd軸電流の補正処理(界磁弱め処理)では、d軸補正電流設定手段38aによってd軸補正電流idが決定され、加算器23は次式(5)にしたがってd軸補正電流目標値idcを演算する。
idc=ido+id (5)
ここで、idはd軸補正電流設定手段38aからのd軸補正電流であり、本実施形態ではd軸電流指令値ido=0である。したがって、d軸補正電流id(負の値)に基づいてd軸補正電流目標値idc(すなわち、d軸電流)を通電することによって、電動機8に界磁弱め電流が流れて電動機8の界磁を減少させることができ、電動機8の回転速度Nmを速めることができる。言い換えると、電動機8の回転速度Nmが上昇すると固定子コイルに逆起電力が高まるために、電動機8の駆動電流をさらに多く流しても回転速度Nmは所定値より上昇しなくなってしまう。そこで、電動機8に界磁弱め電流(d軸電流)を流すことによって回転子の磁石の界磁を弱め、固定子コイルに発生する逆起電力を低下させて電動機8の回転速度Nmを上昇させることができる。
なお、図2の非干渉化制御手段39とこれにつながる加算器27,28とは、複数の制御入力と、複数の制御量との間に相互干渉がある場合に、1つの制御入力の影響が、1つの制御量だけに及ぶように相互干渉を絶つ働きをする。永久磁石同期モータの場合には、i,q軸間で干渉し合う速度起電力があるので、非干渉化制御手段39は、電動機8の角速度ωと電動機電流iqr、idrとのフィードバックループを小さくする(フィードバックループの応答を速くする)ために用いられている。
ここで、d軸補正電流設定手段38aが行う界磁弱め制御の処理内容について説明する。d軸補正電流設定手段38aは、q軸指令電圧Vqo、q軸実電流iqr、および電動機8の回転速度Nmをフィードバックしてd軸補正電流idを生成し、このd軸補正電流idを加算器23に入力している。これによって、加算器23は、d軸補正電流目標値idcとd軸補正電流id(d軸フィードバック実電流値idr)との偏差であるd軸電流偏差Δidを出力することができる。
なお、d軸補正電流設定手段38aは、q軸指令電圧対応マップ処理によって、q軸指令電圧Vqoが大きい部分、すなわち、q軸の電流偏差Δiqが大きい部分でのみ、d軸補正電流idを流し、電動機8の界磁を減少させ、電動機8の回転速度Nmを高めるようにしている。これにより、車両の走行中にゆっくり小さくステアリングホイール3をきった場合などにおいて電動機8に界磁弱め電流が流れることを防ぎ、無駄に電流を流すことがなくなる。
また、d軸補正電流設定手段38aは、q軸実電流対応マップ処理によって、q軸実電流iqrが少ない部分でのみd軸補正電流idを流して電動機8の界磁を減少させ、電動機8の回転速度Nmを速めるようにしている。これにより、これ以上回転速度Nmが上昇しないときに、さらに速くステアリング操作をしようとすると、電動機8のトルクが増加してステアリングホイールの動きを軽くすることができる。
さらに、d軸補正電流設定手段38aは、回転速度対応マップ処理によって、電動機8の回転速度Nmが遅いときにはd軸補正電流idを流さないようにしている。これにより、ゆっくりステアリングホイール3をきった場合には、電動機8に界磁弱め電流が流れることを防ぐことができるので、無駄に電流を流すことがなくなる。
このようにして、d軸補正電流設定手段38aによってd軸電流補正を行う各要素はそれぞれ独立して作用し、q軸電流偏差Δiqに基づいて演算されるq軸指令電圧Vqoが高い場合、q軸実電流iqrが少ない場合、および電動機回転速度Nmが速い場合には、それぞれ、d軸補正電流idを流して界磁弱め制御を行うことができる。
《電圧飽和度に基づく界磁弱め制御》
次に、電動パワーステアリング装置が、電圧飽和度(または、デューティ比)に基づいて電動機8の界磁弱め制御を行う処理について説明する。すなわち、本実施形態の制御装置12は、さらに、電動機8の電圧飽和度を検出する電圧飽和度算出手段40を備え、この電圧飽和度算出手段40からd軸補正電流設定手段38aに電動機8の電圧飽和度の情報を送信するようにしている。なお、電動機8の電圧飽和度とは、電動機駆動制御手段20aの電源電圧(つまり、バッテリ電圧)VDDに対する電動機8の駆動電圧の比率で定義されるものである。また、d軸補正電流設定手段38aは、入力された電圧飽和度(または、デューティ比)に基づいてd軸電流(界磁弱め電流)idを設定するための界磁弱め電流設定手段として機能する。
次に、電圧飽和度とデューティ比とが等価であることを説明するためにPWM変換ブロック30について説明する。図3は、PWM変換ブロック30の内部構成を示すブロック図であり、図4は、PWM変換ブロック30の主要部の波形図である。図3に示すように、PWM変換ブロック30は、電動機8の回転角信号θを入力して三角波を発生させる三角波発生器40aと、この三角波発生器40aで生成された三角波電圧(図4のa)とdq逆変換ブロック29から出力された駆動電圧V(図4のb)とを比較してデューティ波形を生成してd軸補正電流設定手段38aに出力する比較器40bとを備えた構成となっている。
すなわち、図4(a)の波形図に示すように、比較器40bは、三角波発生器40aで生成されたピーク値が電源電圧VDDの三角波電圧(a)の電圧レベルと、dq逆変換ブロック29から出力された駆動電圧指令値V(b)の電圧レベルとを比較する。そして、同図(b)の波形図に示すように、比較器40bは、三角波電圧(a)の電圧レベルが駆動電圧指令値V(b)の電圧レベルより高いON期間(TON)と、三角波(a)の電圧レベルが駆動電圧指令値V(b)の電圧レベルより低いOFF期間(TOFF)とからなるデューティ波形を生成し、生成されたデューティ波形を電動機制御信号VOとして電動機駆動手段13(図2)に送信する。
そして、電動機駆動手段13(図2)は、プリドライブ回路およびFETブリッジを用いてピーク値が電源電圧VDDのデューティ波形に変換し、変換された電圧を電動機8に印加する。この電動機8に印加される電圧波形の平均値である駆動電圧は、電源電圧VDDに1サイクル周期T(=TON+TOFF)に対するON時間TONの比率(TON/T)(すなわち、デューティ比)を乗じた値に等しい。したがって、電源電圧に対する電動機の駆動電圧の比率で定義させる電圧飽和度とデューティ比とは等価である。
したがって、d軸補正電流設定手段38aは、電圧飽和度算出手段40から入力されたデューティ比に基づいてd軸補正電流の設定を行うことができる。
なお、電圧飽和度算出手段40は、デューティ比を求めるのではなく、電源電圧VDDと駆動電圧指令値とを入力し、駆動電圧演算処理によって電圧飽和度を求めることもできる。以下、電圧飽和度算出手段40が、駆動電圧演算処理によって電圧飽和度を算出する計算式について説明する。先ず、ベクトル制御における電圧方程式に基づいて、次の式(1)の基本電圧方程式、および式(2)の駆動電圧方程式により、電動機の駆動電圧(つまり、定常状態における線間電圧実効値)Vを算出する。
Figure 2011194914
Figure 2011194914
但し、Vd,Vqはd軸電圧,q軸電圧(V)であり、Id,Iqはd軸電流,q軸電流(A)であり、Rdは固定子巻線抵抗値(Ω)であり、Ld,Lqはd軸,q軸インダクタンス(H)であり、ωは電気角速度(rad/s)であり、φaは起電圧定数(V/(rad/s))Pnは極対数であり、Vは駆動電圧(V)であり、Nは機械角速度(rpm)であり、Pは微分演算子である。
次に、電源電圧検出手段によって電動機駆動制御手段20aの電源電圧VDDを検出し、これを線間電圧実効値に換算する。そして、式(2)で求められた駆動電圧Vと電源電圧検出手段が検出した電源電圧VDDとに基づいて、電圧飽和度=駆動電圧V/電源電圧VDDから電圧飽和度を求める。
図5は、図2に示すd軸補正電流設定手段38aが備える界磁弱め電流設定機能の内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、d軸補正電流設定手段38aが備える界磁弱め電流設定手段としての機能は、q軸実電流iqrと電動機8の機械角速度Nmとに基づいて、d軸目標電流Idを計算するd軸目標電流計算部41aと、電圧飽和度算出手段40から入力された電圧飽和度(デューティ比)に基づいて、d軸補正電流Idのオフセット値を示すd軸オフセット電流Idofを計算するd軸オフセット電流計算部41bと、d軸目標電流計算部41aから出力されたd軸目標電流Idとd軸オフセット電流計算部38bから出力されたd軸オフセット電流Idofとを加算する加算器41cとを備えて構成されている。
一方、特許文献2に記載の技術は、図2のd軸補正電流設定手段38aをd軸補正電流設定手段38bに変更したものである。図6に示すように、d軸補正電流設定手段38bは、駆動電圧の飽和度に基づく界磁弱め電流のオフセット値Idofを用いた補正を行うことなく、d軸目標電流計算部38aがq軸実電流iqと電動機の回転速度Nmとを入力して算出したd軸目標電流のみによってd軸補正電流Idを出力している。このため、特許文献2に記載の技術は、電圧飽和度(または、デューティ比)が高い領域においては駆動電圧に余裕がなくなって駆動電流に歪が生じてトルクリップルを発生させてしまう。
次に、図5に示すようなd軸補正電流設定手段38aの構成により、電圧飽和度(または、デューティ比)に基づいて電動機8に対して界磁弱め制御を行う方法について、特許文献1に記載の技術と比較しつつ詳細に説明する。
図7は、電動機の電圧飽和度が変化したときの特許文献1に記載の電動機の出力特性を示す特性図の例であり、横軸がトルクを示し、縦軸が回転速度およびトルク電流を示している。なお、図7の特性図における特性a、b、cは各電圧飽和度(各デューティ比)におけるトルクと回転速度との関係を示し、特性dはトルクとトルク電流との関係を示している。また、図8は、図7の特性に基づいて電圧飽和度(デューティ比)が変化したときの電動機の駆動電流とトルクリップルを示す特性図であり、横軸に電気角度(deg)、左縦軸にトルク(N・m)を示し、右縦軸に相電流(A)を示している。なお、図7の特性図における特性a、b、cは電動機のU,V,W相の相電流IU,IV,IWを示し、特性dは電動機のトルクを示している。
図7に示すように、電動機のトルクと回転速度との出力特性は、一般的に、電圧飽和度(デューティ比)に応じて図7の特性曲線a,b,cに示すように変化する。すなわち、デューティ比が100%のときの特性曲線aの値が最も高く、デューティ比が90%(特性曲線b)、80%(特性曲線c)と低下するにつれて、特性曲線の値は比例的に減少している。一方、トルクとトルク電流との関係は、図7の特性dに示すように、デューティ比に関わらず、トルク電流の増加につれてトルクは比例的に増加する。
ここで、図7における特性aの動作点Aのように、電動機8の駆動電圧が電源電圧(バッテリ電圧VDD)に等しくなり、駆動電圧が飽和した状態(デューティ比=100%)において所定のトルク電流で電動機8を駆動すると、駆動電圧に余裕がないために、図8の特性a,b,cに示すように、電動機8の駆動電流(各相の相電流)はピーク値が低下して歪み成分(高調波成分)が生じる。その結果、各相の相電流の歪みに起因して、図8の特性dに示すように電動機8のトルクに大きなトルクリップルが発生する。例えば、図8の特性dの例では、電動機8のトルクに0.32N・m程度の大きなトルクリップルが発生している。このようにして電動機8に大きなトルクリップルが発生すると、電動機8に異音を発生させたり、操舵フィーリングを悪化させたりしてしまうため、電動パワーステアリング装置としての商品性が損なわれてしまう。
そこで、電圧飽和度(または、デューティ比)に基づいて電動機8の電流指令制限値を補正して駆動電圧の飽和を抑制すると、駆動電圧が飽和した状態(デューティ比=100%)においてトルク電流が制限されるので、デューティ比が100%のときの特性aの動作点Aから、デューティ比が90%のときの特性bの動作点Bのようにシフトされる。すなわち、動作点Bにおいては、電圧飽和度がデューティ比90%に下がるために電動機8の各相電流の歪みが低減される。その結果、電動機8のトルクリップルの悪化を抑制することができる。しかしながら、デューティ比の低下に伴い、電動機8のトルク電流が制限され、トルクも制限されてしまう。このため、電動パワーステアリング装置のステアリング操作が重くなって、軽快な操舵フィーリングが得られなくなる。
したがって、本実施形態では、駆動電圧が飽和した状態(デューティ比=100%)における動作点Aにおいて電動機8に界磁弱め電流を流すことにより、デューティ比を下げるとともに電動機8に一定のトルク電流を流す。これによって、電動機8に対して所定のトルクを維持させながらトルクリップルを抑制することができる。このような電動機制御を行うことにより、電圧飽和度(または、デューティ比)が高くなっても、電動パワーステアリング装置は安定した操舵アシストを維持することができる。
以下、電圧飽和度(または、デューティ比)に応じて電動機に界磁弱め電流を流すことでトルクリップルを抑制する手法について、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図9は、電動機の電圧飽和度(デューティ比)が変化したときの本実施形態の電動機8の出力特性図であり、横軸がトルクを示し、縦軸が回転速度およびトルク電流を示している。なお、図9の特性図における特性a、b、cは界磁弱め制御なしのときの各電圧飽和度(各デューティ比)におけるトルクと回転速度との関係を示し、特性d、e、fは界磁弱め制御ありのときの各電圧飽和度(各デューティ比)におけるトルクと回転速度との関係を示し、特性gはトルクとトルク電流との関係を示している。
また、図10は、図9の弱め界磁ありの特性に基づいて電圧飽和度(デューティ比)が変化したときの電動機の駆動電流とトルクリップルを示す特性図であり、横軸に電気角度(deg)、左縦軸がトルク(N・m)を示し、右縦軸に相電流(A)を示している。なお、図9の特性図における特性a、b、cは電動機8のU,V,W相の相電流IU,IV,IWを示し、特性dは電動機8のトルクを示している。
すなわち、図9において、駆動電圧が飽和したデューティ比100%の状態で動作点Aのときに界磁弱め電流を流すと、回転子となる永久磁石の磁束が弱められるために電動機8の回転速度が上昇する。これによって、デューティ比100%のときのトルク−回転速度の特性aは特性dのようになり、同様にして、デューティ比90%のときのトルク−回転速度の特性bは特性eのようになり、デューティ比80%のときのトルク−回転速度の特性cは特性fのようになる。
このようにして、界磁弱め電流を流すことによって電動機が高速回転化されるので、デューティ比100%にけるトルク−回転速度特性(特性曲線a)の動作点Aを保ったまま(つまり、所定の回転速度とトルクを維持したまま)、駆動電圧を下げて電圧飽和度(デューティ比)を特性曲線eのデューティ比90%まで下げることができる。言い換えると、界磁弱め電流を流すことによって電動機8の回転速度が上昇しようとするとともに、駆動電圧が低下する。このため、デューティ比100%のトルク−回転速度特性(特性曲線a)の動作点Aは、動作点Bに移行することなく、デューティ比90%のときのトルク−回転速度特性(特性曲線e)の動作点Aとして維持することができる。
その結果、電圧飽和度(デューティ比)の低下によって電動機8の駆動電圧に余裕が生じるため、図10の特性a,b,cに示すように、電動機8のU,V,W相の相電流IU,IV,IWのピーク値は低下しなくなるので、駆動電流の歪みを低減させることができる。したがって、図10の特性dに示すように、電動機8のトルクリップルの悪化を抑制することができる。図10の特性dの例では、電動機8のトルクは0.19N・m程度の小さなトルクリップルに抑えることができる。
すなわち、本実施形態では、界磁弱め電流を流すことによってデューティ比が100%から90%に低下して、駆動電圧に余裕ができてもトルク電流が低下することはないので、電動機8におけるトルク−回転速度の動作点はA点のまま維持される。そのため、デューティ比が100%から90%に低下しても電動機8のトルクは制限されないため、ステアリング操作を重くすることはない。このようにして、電動パワーステアリング装置は、電動機8のトルクリップルを低減させながら、所定のトルクを維持して軽快な操舵フィーリングを実現することができる。
再び、図2に示す制御装置12の説明に戻り、電圧飽和度算出手段40は、デューティ波形の1サイクル周期Tに対するON時間TONの比率(TON/T)、すなわちデューティ比(つまり、電圧飽和度)として比較器40bからd軸補正電流設定手段38aに出力する。
これによって、d軸補正電流設定手段38aは、電圧飽和度検出手段40から入力されたデューティ比(電圧飽和度)に基づいてd軸目標電流Idの補正を行う。その結果、制御装置12は、補正されたd軸補正電流Idに基づいて電動機8の弱め界磁制御を行うので、電動機8に対して所定のトルクを維持しながらトルクリップルを抑制することができる。
さらに、詳しく説明すると、d軸補正電流設定手段38aは、図5に示すような界磁弱め電流設定機能の内部構成により、d軸目標電流計算部38aが計算して出力したd軸目標電流Idを計算して加算器38cに出力する。一方、d軸オフセット電流計算部38bは、電圧飽和度検手段40から入力された電圧飽和度(または、デューティ比)に基づいて計算したd軸補正電流Idのオフセット値を示すd軸オフセット電流Idofを加算器38cに出力する。これによって、加算器38は、d軸目標電流Idに対してd軸オフセット電流Idofを加算した補正後のd軸補正電流Idを加算器23(図2参照)に出力することができる。その結果、前記したように、制御装置12は、補正されたd軸補正電流Idに基づいて電動機8の弱め界磁制御を行うことができる。これにより、電動機8の回転速度を上昇させることができるので、結果的に、電圧飽和度(または、デューティ比)を下げて電動機8に対して所定のトルクを維持しつつトルクリップルを抑制することが可能となる。
図11は、図5に示すd軸補正電流設定手段38aの界磁弱め電流設定機能によるd軸補正電流の具体例を示すブロック図である。すなわち、図11に示すように、d軸目標電流計算部41aから−10Aのd軸目標電流Idが出力され、一方、d軸オフセット電流計算部41bから−20Aのd軸オフセット電流Idofが出力され、両者が加算器38cで加算される。これによって、加算器41cから、−30Aのd軸補正電流Idが出力されるので、制御装置12は、−10Aのd軸目標電流Idではなく、−30Aに補正されたd軸補正電流Idに基づいて電動機8の弱め界磁制御を行うことができる。
なお、前記の例では、電圧飽和度算出手段40がPWM変換ブロック30で駆動されるPWM駆動のデューティ比(電源ON時間/電源ON、OFFの1周期時間)に基づいて電圧飽和度を算出するように構成したが、それ以外の算出方法を用いてもよい。例えば、電流検出手段、回転速度検出手段、または電源電圧検出手段などを用いて、駆動電圧/電源電圧をデューティ比として演算してもよい。
次に、本実施形態による電圧飽和度を考慮した界磁弱め電流(d軸電流)Idの設定方法について説明する。本実施形態では、電動機8の駆動電圧が飽和状態に近づくほど界磁弱め電流(d軸電流)Idを多く流すように構成されている。図12は、電圧飽和度に基づいて界磁弱め電流を設定した場合の一実施例を示す特性図であり、横軸に電圧飽和度(デューティ比)を示し、縦軸に界磁弱め電流のオフセット値Idofを示している。
図12に示すように、電圧飽和度(デューティ比)の大きさに応じて界磁弱め電流のオフセット値を設定する。すなわち、電圧飽和度(デューティ比)が80%以下のときは界磁弱め電流のオフセットをかけないで、電圧飽和度(デューティ比)が80%を超えると界磁弱め電流が徐々に多く流れるように界磁弱め電流のオフセット値を設定する。そして、電圧飽和度(デューティ比)が90%のときは界磁弱め電流のオフセット値を−10A、電圧飽和度(デューティ比)が100%のときは界磁弱め電流のオフセット値を−20Aというように、電圧飽和度(デューティ比)が90%、100%と高くなるにつれて界磁弱め電流がさらに多く流れるようにする。
すなわち、図11に示したように、d軸目標電流計算部41aで計算されて出力された界磁弱め電流の目標値が−10Aのときに、電圧飽和度(デューティ比)が100%である場合は、図12の特性図にしたがって界磁弱め電流のオフセット値−20Aを加算して、最終的に、補正後の界磁弱め電流目標値を−30Aとして電動機8を駆動制御する。
このようにして、図12の特性図のように界磁弱め電流オフセット値Idofを設定することにより、電圧飽和度(デューティ比)が高くなるほど弱め界磁が強くかけられるので、永久磁石の磁束が弱まって電動機8が高速回転化し、結果的に、電圧飽和度(デューティ比)を下げることができる。このようにして電圧飽和度(デューティ比)を低下させることにより、駆動電圧の余裕が確保されるために駆動電流の歪みを低減させることができ、電動機8のトルクリップルを抑制することができる。なお、本実施形態による界磁弱め電流(d軸電流)の制御では、電動機8の駆動電流であるトルク電流(q軸電流)は制限されないので、電動機8のトルクが低下することはない。そのため、電動パワーステアリング装置1におけるステアリング操作が重くなることはないので、滑らかで軽快な操舵フィーリングを確保することができる。
なお、電動パワーステアリング装置の電源電圧(バッテリ電圧VDD)は、ヘッドライトや冷暖房などの車載電装系の使用状況によって約10V〜16Vと大きく変動するため、電動機8の出力特性(トルク−回転速度特性)が変化する。ところが、本実施形態による電動パワーステアリング装置1では、電源電圧(VDD)の値ではなく、駆動電圧の飽和度(デューティ比[%])に基づいて界磁弱め電流を設定しているため、電源電圧の変動によって電動機8の出力特性(トルク−回転速度特性)に変化が生じても、本実施形態で述べた界磁弱め制御に対応することが可能である。
また、本実施形態の電動パワーステアリング装置では、電圧飽和度算出手段40およびd軸補正電流設定手段38aを設けて、q軸指令電圧が大きい場合、q軸実電流が小さい場合、および電動機8の回転速度が大きい場合には、電動機8のd軸成分であるd軸電流を電動機8の界磁を弱めるように補正しているので、電動機8の定格電流を大きくすることなく、電動機8の回転速度を増加させることができる。これによって、指令トルクが急激に変化する場合でも、電動機8の応答性を高めてステアリング系Sに最適な操舵補助力を与えることができる。したがって、省燃費効果を低下させることなく、かつ、電動機8を大型化させることなく、滑らかな操舵フィーリングが得られる電動パワーステアリング装置1を実現することができる。
なお、以上の説明内容から分かるように、本実施形態の操舵トルクセンサTSが特許請求の範囲に記載の操舵入力検出手段に相当し、本実施形態のq軸目標電流設定手段21が特許請求の範囲に記載のトルク電流設定手段に相当する。また、本実施形態のd軸補正電流設定手段38aが特許請求の範囲に記載の界磁弱め電流設定手段に相当し、本実施形態の電動機駆動制御手段20aが特許請求の範囲に記載の電動機駆動制御手段に相当し、さらに、本実施形態の電圧飽和度算出手段40が特許請求の範囲に記載の電圧飽和度算出手段に相当する。また、d軸補正電流設定手段38aは、d軸目標電流計算部41a、d軸オフセット電流計算部41b、および加算器41cによって実現され、電圧飽和度算出手段40は、三角波発生器40aと比較器40bとによって実現される。
《まとめ》
以上説明したように、本実施形態による電動パワーステアリング装置1は、電圧飽和度(または、デューティ比)に基づいて弱め界磁制御を行うことにより、電動機8の駆動電圧の飽和によって生じる電動機のトルクリップルを抑制しながら軽快な操舵フィーリングを実現させることができる。すなわち、電圧飽和度(または、デューティ比)が高いときには、弱め界磁電流を多く流すことにより電圧飽和度(または、デューティ比)を下げることができるので、電動機8のトルクリップルの悪化を抑制することができると共に、トルク電流は変化しないので安定したトルクで操舵アシストを維持することができる。
また、本発明の実施形態による電動パワーステアリング装置は、電圧飽和度(または、デューティ比)が常に所定値(例えば90%)以下となるように弱め界磁制御を行うことができる。さらに、電圧飽和度(または、デューティ比)が上限値(例えば、100%)に近づくほど強い弱め界磁制御を行うことにより、電圧飽和度(または、デューティ比)がどのような状態にあっても、電動機のトルクリップルの悪化を抑制しながら安定した操舵アシストを維持することができる。
以上、本実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本実施形態では、電圧飽和度(デューティ比)が80%を超えたら界磁弱め電流のオフセット値を徐々に増加させたが、これに限ることはなく、電圧飽和度(デューティ比)が0%から100%までの範囲に亘って界磁弱め電流のオフセット値を徐々に微増させるようにしてもよい。このようにすることにより、さらにきめ細かくトルクリップルを抑制することができるので、より一層快適な操舵フィーリングを得ることができる。
1 電動パワーステアリング装置
2 手動操舵力発生手段
3 ステアリングホイール
4 ステアリング軸
5 連結軸
5a、5b 自在継ぎ手
6 ステアリング・ギアボックス
7 ラック&ピニオン機構
7a ピニオン
8 電動機
9 ラック軸
10 タイロッド
11ボールねじ機構
12 制御装置
13 電動機駆動手段
14 電動機電流検出手段
15 電動機電圧検出手段
16 バッテリ
20a、20b 電動機駆動制御手段
21 q軸目標電流設定手段(トルク電流設定手段)
22、23、24、27、28、33 加算器
25、26 PI制御ブロック
29 dq逆変換ブロック
30 PWM変換ブロック
32 VRレゾルバ
34 dq変換ブロック
35 RDコンバータ(電動機回転検出手段)
36、37 減衰手段
38 d軸補正電流設定手段(界磁弱め電流設定手段)
38a、38b d軸補正電流設定手段
39 非干渉化制御手段
40 電圧飽和度算出手段
40a 三角波発生器
40b 比較器
41a d軸電流指令値計算部
41b d軸オフセット電流計算部
41c 加算器
100 電動機制御システム
S ステアリング系
TS 操舵トルクセンサ(操舵入力検出手段)
VS 車速センサ
W 前輪(駆動輪)
DD 電源電圧
駆動電圧指令値

Claims (4)

  1. 運転者の操舵入力に応じて操舵アシスト用の電動機を駆動制御する電動パワーステアリング装置であって、
    前記操舵入力の大きさを検出する操舵入力検出手段と、
    前記操舵入力検出手段からの信号に基づいて、前記電動機のトルク電流を設定するトルク電流設定手段と、
    前記電動機の界磁を弱めるための界磁弱め電流を設定する界磁弱め電流設定手段と、
    前記トルク電流設定手段によって設定されたトルク電流および前記界磁弱め電流設定手段によって設定された界磁弱め電流に基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段と、
    前記電動機駆動制御手段の電源電圧に対する前記電動機の駆動電圧の比率で定義される前記電動機の電圧飽和度を算出する電圧飽和度算出手段とを備え、
    前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度に応じて界磁弱め電流の値を設定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度が所定値以下となるように界磁弱め電流の値を設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度が上限値に近いほど、絶対値の大きい界磁弱め電流の値を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 運転者の操舵入力に応じて操舵アシスト用の電動機を駆動制御する電動パワーステアリング装置に用いられる電動機制御装置であって、
    前記操舵入力の大きさを検出する操舵入力検出手段と、
    前記操舵入力検出手段からの信号に基づいて、前記電動機のトルク電流を設定するトルク電流設定手段と、
    前記電動機の界磁を弱めるための界磁弱め電流を設定する界磁弱め電流設定手段と、
    前記トルク電流設定手段によって設定されたトルク電流および前記界磁弱め電流設定手段によって設定された界磁弱め電流に基づいて前記電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段と、
    前記電動機駆動制御手段の電源電圧に対する前記電動機の駆動電圧の比率で定義される前記電動機の電圧飽和度を算出する電圧飽和度算出手段とを備え、
    前記界磁弱め電流設定手段は、前記電圧飽和度算出手段によって算出された電圧飽和度に応じて界磁弱め電流の値を設定することを特徴とする電動機制御装置。
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