JP2011046236A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ステアリングが高速回転等された場合であれ、好適な操舵感触を得ることができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。
【解決手段】弱め界磁制御の実行中において、弱め界磁条件(飽和率S>飽和率判定閾値Sh)が非成立である旨判断される場合であれ、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御の実行を解除することなく継続して行う。このため、弱め界磁制御及びωI制御が交互に動作と実行を繰り返す、いわゆる制御の振動の発生が回避される。したがって、ステアリングの円滑な操舵が維持される。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等の車両の操舵系にモータによるアシスト力(操舵補助力)を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
従来、この種の電動パワーステアリング装置の制御装置としては、車速センサを通じて検出される車速及びトルクセンサを通じて検出される操舵トルクに基づきモータを駆動制御するものがよく知られている。このモータの駆動力(回転力)が操舵補助力として歯車等からなる減速機構を介してステアリングシャフトあるいはラック軸に伝達されることにより、ステアリング操作が補助される。モータは複数のスイッチング素子等からなるモータ駆動回路のスイッチング駆動を通じてその駆動制御が行われる。
モータとしてはブラシレスモータが多く使用される。制御装置は、3相の電流センサ検出値を3相から2相(d/q軸)に座標変換し、d/q軸座標系で電流フィードバック制御を行う。d/q軸座標系は回転座標系であるため、電流をトルク成分と弱め界磁成分とに分けて電流ベクトル制御を行う。電動パワーステアリング装置では、素早いステアリング操作がなされた場合など、その基底速度を超えた高速領域でのモータ回転が要求されるときがある。この高速領域では誘起電圧が電源電圧より高くなり、電流が流せなくなるいわゆる電圧飽和の状態が発生する。これを防ぐため、電流フィードバック制御におけるd軸電流指令値をモータの回転速度(換言すれば、ステアリングの操舵速度)に応じた負の値とする、すなわち負のd軸電流を流すことによりd軸方向の磁束を減少させ誘起電圧を低く抑える弱め界磁制御が一般に行われている。このような弱め界磁制御の実行を通じて、基底速度を超えた高速領域までモータの回転領域(運転範囲)の拡張が図られ、高速操舵時の追従性が確保される。なお、特許文献1には、操舵補助用のブラシレスモータの回転速度が所定範囲に達した場合に、弱め界磁制御によりブラシレスモータを回転駆動する電動パワーステアリング装置が記載されている。
また、本願出願人は、前述した弱め界磁制御に加え、モータの回転速度(ω)に応じてq軸電流指令値(Iq)を制限する、いわゆるωI制御を実行する電動パワーステアリング装置の制御装置の採用を検討している。このいわゆるωI制御は、バッテリからの引き込み電流を抑制するとともに、操舵トルクを適合してステアリングに重さをつけることを目的として行われる。例えば制御装置は、モータの回転速度が増大したときには、当該回転速度に応じて、q軸電流指令値を減少させる。これにより、操舵補助力の制御目標量として算出される電流指令値の値が減少し、当該電流指令値に基づき算出されるモータの各相に対応するデューティ(オンデューティ)の値も低下する。この結果、モータによる操舵補助力も小さくなり、ステアリングにその操舵速度に応じた重さが持たせられる。
ここで、モータトルクとモータ回転数との関係で示されるモータの出力特性(ωI制御なしの場合の性能)は、図6のグラフに示されるように、モータトルクを横軸に、モータ回転数を縦軸にとった場合、同図に実線で示されるように、モータトルクの増大に伴い回転数が徐々に減少する特性を有している。これに対し、車両側で要求される特性は、例えば同図に白抜きの円で示されるように、特に高回転数領域及び高トルク領域において、本来のモータの出力性能を大きく下回る。すなわち、図6のグラフにおいてハッチングで示される高回転数領域あるいは高トルク領域は、過剰スペックとなるため、電力制限の対象領域となる。前述したωI制御の実行を通じて、電力制限の対象となる領域を削ることにより、モータの出力性能を車両側で要求される性能に応じた性能に近づけることが可能となる。
特開2002−345281号公報
ところが、前述した弱め界磁制御及びωI制御を併せて実行するようにした場合には、次のような懸念があった。すなわち、弱め界磁制御はモータの回転速度の増大に伴いd軸電流指令値の値を小さくしようとする制御であり、ωI制御はモータの回転速度の増大に伴いq軸電流指令値の値を小さくしようとする制御である。このように、弱め界磁制御及びωI制御は、いずれもモータの回転速度、換言すればステアリングの操舵速度(ω)に依存している。
このため、高トルク且つ高速で操舵しようとすると、モータ駆動回路のスイッチングデューティがその上限値に達した旨(すなわち、電圧飽和状態である旨)判断されて、弱め界磁制御が実行される。これにより、高速操舵が可能になるものの、モータの動作状態がωI制御の動作領域(先の図6のグラフにおいてハッチングで示される領域)に入ると、ωI制御の実行を通じてq軸電流指令値、ひいては電流指令値の値が減少してモータ駆動回路のスイッチングデューティが低下する。これに伴いモータの出力状態が弱め界磁制御の動作条件を外れて、ステアリングが重くなる。このようなサイクルに入った場合には、前述の弱め界磁制御及びωI制御が互いに干渉することにより、ステアリングの円滑な操舵が阻害されるおそれがある。例えばステアリング操作に際して、1回詰まって抜けるような感触が発生する等、操舵感触の低下、あるいは違和感の発生につながる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ステアリングが高速回転等された場合であれ、好適な操舵感触を得ることができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、操舵補助力を発生する3相のモータに対する電流指令値としてdq座標系のd軸電流指令値及びq軸電流指令値を演算し、検出される前記モータの各相の電流値を前記dq座標系のd軸電流値及びq軸電流値に変換してこれらの値を前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値に追従させるべくフィードバック制御を実行する電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータの回転速度に応じて前記q軸電流指令値の値を制限するωI制御を実行する第1の演算部と、特定の動作条件が成立する旨判断される場合に前記モータの回転速度に応じて前記d軸電流指令値を負の値とする弱め界磁制御を実行する第2の演算部と、を備え、前記弱め界磁制御の実行中において当該制御の動作条件が非成立である旨判断される場合には、前記第1の演算部によるωI制御の実行中であるか否かの判断を行い、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御を継続して実行することをその要旨とする。
この構成によれば、弱め界磁制御の実行中において、弱め界磁制御の動作条件が非成立である旨判断される場合であれ、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御を継続して実行する。このため、弱め界磁制御及びωI制御が交互に実行と停止とを繰り返す、いわゆる制御の振動の発生が回避される。したがって、ステアリングの円滑な操舵が維持される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記第2の演算部による弱め界磁制御の実行中において当該制御の動作条件が非成立である旨判断される場合、前記第1の演算部によるωI制御の実行が停止されている旨判断されるときには、前記モータの回転速度及び前記q軸電流値がそれぞれ特定の閾値未満の値となるのを待ってから、第2の演算部による弱め界磁制御の実行を解除することをその要旨とする。
この構成によれば、弱め界磁制御の実行中において、弱め界磁制御の動作条件が非成立である旨判断される場合において、ωI制御の実行が停止されている旨判断されるときには、前記モータの回転速度及び前記q軸電流値がそれぞれ特定の閾値未満の値となるのを待ってから、弱め界磁制御の実行が解除される。ωI制御及び弱め界磁制御の双方の実行が一気に解除されることがないので、急激な操舵補助力の変化が抑制される。このため、ステアリングの好適な操舵感触が維持される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記第1の演算部によるωI制御の実行に際して、前記第2の演算部による弱め界磁制御が実行される可能性の有無を判断し、当該弱め界磁制御が実行される可能性がない旨判断される場合にのみ、前記ωI制御を実行することをその要旨とする。
この構成によれば、弱め界磁制御が実行される可能性がある場合には、ωI制御に優先して弱め界磁制御が実行される。このため、高速操舵を可能としつつ、ωI制御及び弱め界磁制御の干渉が回避されることにより、ステアリングの円滑な操舵感触が確保される。
本発明によれば、ステアリングが高速回転等された場合であれ、好適な操舵感触を得ることができる。
電動パワーステアリング装置の概略構成図。 当該装置の電気的構成を示す制御ブロック図。 操舵補助制御の処理手順を示すフローチャート。 ωI制御の処理手順を示すフローチャート。 弱め界磁制御の処理手順を示すフローチャート。 弱め界磁制御の解除許可領域を示すNT特性図。
以下、本発明をパワーアシストユニット及びその制御装置等がステアリングコラムに設けられる、いわゆるコラム型の電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1の実施形態を図1及び図2並びに図3〜図6のフローチャートに基づいて説明する。
<電動パワーステアリング装置の概要>
まず電動パワーステアリング装置の概略的な構成について説明する。図1に示すように、電動パワーステアリング装置1において、ステアリングホイール2と一体回転するステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側からコラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9及びピニオンシャフト10の順に連結されてなる。ピニオンシャフト10はこれに直交して設けられるラック軸5のラック部分5aに噛合されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ピニオンシャフト10及びラック部分5aからなるラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルアームに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更される。
また、電動パワーステアリング装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置(パワーアシストユニット)22、及び操舵力補助装置22の作動を制御する電子制御装置(ECU)23を備えてなる。
操舵力補助装置22の駆動源であるモータ21は、歯車等からなる減速機構24を介してコラムシャフト8に作動連結されている。モータ21の回転力は減速機構24により減速されてこれがアシスト力として操舵系、正確にはコラムシャフト8に伝達される。電子制御装置23は、このアシスト力を次のようにして制御する。すなわち、電子制御装置23は、転舵輪12等に設けられる車速センサ27を通じて車速Vを取得する。また、電子制御装置23は、コラムシャフト8に設けられるトルクセンサ28及び舵角センサ29を通じて、ステアリングホイール2に印加される操舵トルクτ、及びステアリングホイール2の操舵角(回転角)θsを取得する。そして電子制御装置23は、これら車速V、操舵トルクτ、操舵角θsに基づき目標アシスト力を算出し、この算出される目標アシスト力を発生させるべくモータ21の給電制御を行う。このモータ21の給電制御を通じて操舵系に印加されるアシスト力が制御される。なお、本例では、モータ21として、ブラシレスモータが採用されている。モータ21は、電子制御装置23から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。
<電気的構成>
次に、電動パワーステアリング装置の電気的構成について説明する。
図2に示されるように、電子制御装置23は、モータ制御信号を生成するマイクロコンピュータ31と、当該マイクロコンピュータ31により生成されるモータ制御信号に基づいてモータ21に3相の駆動電力を供給するモータ駆動回路32とを備えてなる。
モータ駆動回路32は、直列に接続された一対の電界効果型トランジスタ(FET)等のスイッチング素子を基本単位(アーム)として、各相に対応する3つのアームが並列接続されてなる周知のPWMインバータである。マイクロコンピュータ31により生成されるモータ制御信号は、モータ駆動回路32を構成する各スイッチング素子のオンデューティを規定する。モータ制御信号が各スイッチング素子のゲート端子に印加されて、同モータ制御信号に応答して各スイッチング素子がオン/オフすることにより、バッテリ等の図示しない車載電源の直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換されてモータ21に供給される。
マイクロコンピュータ31は、モータ21に供給される各相電流値Iu,Iv,Iwを検出する電流センサ21u,21v,21w、及びモータ21の回転角θ(電気角)を検出する回転角センサ21aが接続されてなる。マイクロコンピュータ31は、これら各センサを通じて検出されるモータ21の各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θ、並びに前述した操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、目標アシスト力に対応するd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。そしてマイクロコンピュータ31は、これらd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に、実電流であるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを追従させるためのフィードバック制御を行う。
<マイクロコンピュータの詳細説明>
次に、このマイクロコンピュータ31の構成について詳細に説明する。
図2に示されるように、マイクロコンピュータ31は、基本アシスト演算部41、減算器42、ω換算部43、2相変換部44、ωI制御演算部45、弱め界磁制御演算部46、PI演算部47、3相変換部48、デューティ演算部49、及びモータ制御信号出力部50を備えてなる。なお、各部は、マイクロコンピュータ31の図示しない不揮発性メモリに格納される各種の制御プログラムに基づく各種の演算機能をブロックとして示したものである。各部の演算結果などは図示しない揮発性メモリに一時的に格納される。以下、マイクロコンピュータ31の各部で実行される演算処理の概要を説明する。
<基本アシスト演算部>
基本アシスト演算部41は、トルクセンサ28を通じて取得される操舵トルクτ及び車速センサに基づき取得される車速Vに基づいて、基本アシスト電流値I0を演算する。具体的には、取得される操舵トルクτ(正確には、その絶対値)が大きいほど、また車速Vが小さいほど、絶対値の大きな基本アシスト電流値I0を演算する。基本アシスト演算部41は、演算結果を減算器42へ出力する。この基本アシスト電流値I0は、後述するωI制御が実行されない場合には、q軸電流指令値となる。
<ω換算部>
ω換算部43は、回転角センサ21aを通じて取得されるモータ21の回転角θを回転速度(操舵速度)ωに変換する。
<2相変換部>
2相変換部44は、回転角センサ21aにより検出されるモータ21の回転角閧ノ基づき、各電流センサ21u,21v,21wを通じて取得されるモータ21の各相電流値Iu,Iv,Iwを、d/q座標系におけるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換(d/q変換)する。
<ωI制御演算部>
ωI制御演算部45は、ω換算部43を通じて取得されるモータ21の回転速度ωに基づきq軸電流指令値Iq*を制限するωI制御を行う。すなわち、ωI制御演算部45は、モータ21び回転速度ωに基づきq軸電流制限値Iq_limを演算し、その算出されるq軸電流制限値Iq_limと基本アシスト演算部41により算出される基本アシスト電流値I0との比較結果に基づき、基本アシスト電流値I0を制限する必要性の有無を判断する。ωI制御演算部45は、基本アシスト電流値I0を制限する必要がある旨判断される場合にのみ算出したq軸電流制限値Iq_limを減算器42へ出力する。また、ωI制御演算部45は、ωI制御の実行の有無に基づき動作フラグをセットするとともに、当該動作フラグのオンオフ状態を示す信号を、後述する弱め界磁制御演算部46へ出力する。
<減算器>
減算器42は、基本アシスト演算部41により算出される基本アシスト電流値I0、及びωI制御演算部45の演算結果に基づきq軸電流指令値Iq*を演算する。減算器42は、ωI制御演算部45によりωI制御が実行される場合、すなわちωI制御演算部45からq軸電流制限値Iq_limが入力されるときには、基本アシスト電流値I0からq軸電流制限値Iq_limを減算し、その結果をq軸電流指令値Iq*として算出する。また、ωI制御演算部45によりωI制御が実行されない場合、すなわちωI制御演算部45からq軸電流制限値Iq_limが入力されないときには、基本アシスト電流値I0をそのままq軸電流指令値Iq*として算出する。
<弱め界磁制御演算部>
弱め界磁制御演算部46は、ω換算部43により生成されるモータ21の回転速度ωに応じてd軸電流指令値Id*を負の値とする弱め界磁制御を実行する。詳述すると、回転速度ωが増大するにつれて各相のモータコイルに生ずる逆起電力もまた増大するところ、モータ21の回転速度には上限(基底速度)がある。しかし、d軸電流指令値Id*を負の値、すなわち負方向のd軸電流を流すことにより、d軸電機子反作用による減磁起磁力を利用してd軸方向の磁束を減少させて誘起電圧を低く抑えることが可能である。これにより、基底速度を超えた高速領域までモータ21の運転範囲(回転領域)が拡張可能となる。
なお、弱め界磁制御演算部46は、2相変換部44により生成されるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに基づき、モータ駆動回路32における各スイッチング素子(FET)のスイッチングデューティが飽和しているか否かを、すなわち電圧飽和状態の発生の有無を判断し、その判断結果に基づき前述した弱め界磁制御の実行の要否を判定する。本例では、弱め界磁制御演算部46は、弱め界磁制御を行わない場合には、d軸電流指令値Id*を「0」とする(Id*=0)。
<PI(F/B)演算部47>
PI(比例−積分)演算部47は、q軸電流指令値Iq*及びq軸電流値Iqの差の値であるq軸電流偏差ΔIq、並びにd軸電流指令値Id*及びd軸電流値Idの差の値であるd軸電流偏差ΔIdを演算する。そしてPI演算部47は、これら算出されるq軸電流偏差ΔIq及びd軸電流偏差ΔIdに、所定のフィードバックゲイン(PIゲイン)を乗ずることにより、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する。
<3相変換部>
3相変換部48は、モータ21の回転角θに応じて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を、3相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。
<デューティ演算部>
デューティ演算部49は、各電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するデューティ指令値Du,Dv,Dwを生成する。
<モータ制御信号出力部>
モータ制御信号出力部50は、各デューティ指令値Du,Dv,Dwにより規定されるデューティ比(オンデューティ)を有するモータ制御信号を生成する。モータ制御信号出力部50は、モータ制御信号の各スイッチング素子(正確には、そのゲート端子)への供給を通じて、モータ駆動回路32の駆動、ひいてはモータ21への電力の供給を制御する。
<電動パワーステアリング装置の制御装置の動作>
次に、前述のように構成された電動パワーステアリング装置による操舵補助制御の処理手順を図3のフローチャートについて説明する。当該フローチャートは、操舵補助制御のメインルーチンであって、マイクロコンピュータ31の図示しない不揮発性メモリに格納される各種の制御プログラムに従って実行される。
<操舵補助制御>
図3に示されるように、マイクロコンピュータ31は、トルク信号(操舵トルクτ)及び車速信号(車速V)を読み込み(ステップS101)、これらトルク信号及び車速信号に基づき基本アシスト電流値I0を演算する(ステップS102)。
次に、マイクロコンピュータ31は、ωI制御を実行し(ステップS103)、先に算出した基本アシスト電流値I0に当該ωI制御の実行結果を加味してq軸電流指令値Iq*を決定する(ステップS104)。なお、当該ωI制御の処理手順については、後に詳述する。
次に、マイクロコンピュータ31は、2相変換部44により演算されるq軸電流値Iq及びd軸電流値Id、並びに回転角センサ21aにより検出されるモータ21の回転角θを読み込む(ステップS105)。
そして、マイクロコンピュータ31は、q軸電流値Iq及びd軸電流値Id等に基づき弱め界磁制御を実行し(ステップS106)、当該制御結果に基づきd軸電流指令値Id*を演算する。なお、当該弱め界磁制御の処理手順については、後に詳述する。
次に、マイクロコンピュータ31は、PI演算を実行する(ステップS107)。すなわち、q軸電流指令値Iq*及びq軸電流値Iqの差の値であるq軸電流偏差ΔIq、並びにd軸電流指令値Id*及びd軸電流値Idの差の値であるd軸電流偏差ΔIdを演算する。
そして、マイクロコンピュータ31は、これら算出されるq軸電流偏差ΔIq及びd軸電流偏差ΔIdに基づき、モータ駆動回路32へ供給するモータ制御信号のデューティ比を演算する(ステップS108)。
以後、マイクロコンピュータ31は、所定の制御周期で前記ステップS101〜ステップS108の処理を繰り返す。モータ駆動回路32は、マイクロコンピュータ31により生成されるモータ制御信号に基づき動作する。これにより、操舵トルクτ及び車速Vに応じた操舵補助力(アシスト力)が操舵系に印加されるようにモータ21が駆動する。
<ωI制御>
次に、ωI制御の処理手順を図4のフローチャートに従って説明する。ωI制御は、操舵補助制御のメインルーチン中のサブルーチン処理として、先の図3のフローチャートのステップS103に処理が移行された際に実行される。ωI制御は、モータ21の回転速度ω(ステアリングの操舵速度)に基づき、モータ21に対する電流制限を実行する制御である。
ωI制御の実行に際して、マイクロコンピュータ31はまず、ω換算部43により算出されるモータ21の回転速度ωを読み込み(ステップS201)、当該回転速度ωに基づきq軸電流制限値Iq_limを演算する(ステップS202)。なお、q軸電流制限値Iq_limは、マイクロコンピュータ31の不揮発性メモリに記憶される電力制限マップに基づき決定される。このマップは、モータ21の回転速度ωとq軸電流制限値Iq_limとの関係を規定するものであって、シミュレーション等により予め設定される。
次に、マイクロコンピュータ31は、基本アシスト演算部41により算出される基本アシスト電流値I0を読み込む(ステップS203)。そしてマイクロコンピュータ31は、当該基本アシスト電流値I0と、先のステップS202において算出されるq軸電流制限値Iq_l imとの大小の比較を行う(ステップS204)。
マイクロコンピュータ31は、q軸電流制限値Iq_limが基本アシスト電流値I0以上の値である旨判断される場合(ステップS204でNO)には、ωI制御を実行しない。そしてマイクロコンピュータ31は、ωI制御の動作フラグをオフ状態として当該サブルーチンに係る処理を終了する。これは、後述する弱め界磁制御の実行を優先させるためである。すなわち、この場合には、モータ駆動回路32のスイッチングデューティが上限値に達している、すなわち前述した電圧飽和の状態である可能性がある。
これに対し、マイクロコンピュータ31は、q軸電流制限値Iq_limが基本アシスト電流値I0よりも小さい値である旨判断される場合(ステップS204でYES)には、ωI制御を実行する。この場合には、モータ駆動回路32のスイッチングデューティが上限値に達している、すなわち前述した電圧飽和の状態である可能性は少ないからである。そして、マイクロコンピュータ31は、ωI制御の実行を示すべく動作フラグをオン状態とする(ステップS206)とともに、先のステップS202で算出したq軸電流制限値Iq_limをメインルーチンに出力して(ステップS207)、当該サブルーチンに係る処理を終了する。
以上で、ωI制御に係る一連の処理が完了する。以後、メインルーチンである図3のフローチャートにおけるステップS103へ処理が移行されるたびに、前記ステップS201〜ステップS207の処理が実行される。
<弱め界磁制御>
次に、弱め界磁制御の処理手順を図5のフローチャートに従って説明する。弱め界磁制御は、操舵補助制御のメインルーチン中のサブルーチン処理として、先の図3のフローチャートのステップS106に処理が移行された際に実行される。弱め界磁制御は、電圧飽和等に起因して操舵補助動作の追従性が低下するおそれがある場合に実行される。なお、電圧飽和とは、前述したように、モータ21の高速回転時等において、要求出力電圧がモータ駆動回路に印加可能とされる最大電圧(例えば電源電圧)を上回る状態をいう。
さて、弱め界磁制御の実行に際して、マイクロコンピュータ31はまず、モータ制御信号のデューティ比が上限値に達しているか否かを判断する。具体的には、マイクロコンピュータ31は、モータ駆動回路32の出力電圧の飽和率S(%)と、飽和率判定閾値Sh(%)との値の大小を比較する(ステップS301)。
マイクロコンピュータ31は、次式に示されるように、2相変換部44により生成されるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに基づき出力電圧の飽和率Sを算出する。
・S=√(Iq+Id
また、飽和率判定閾値Shは、車両の走行状態及びモータ21の回転速度ω等により異なり、概ね80%以上の値(例えば93%)とされる。
そしてマイクロコンピュータ31は、算出した飽和率Sの値が飽和率判定閾値Shの値よりも大きい旨判断される場合(ステップS301でYES)には、モータ21の回転速度ωに基づき、d軸電流指令値Id*を公知の演算式に基づき算出する。そしてマイクロコンピュータ31は、当該算出したd軸電流指令値Id*を操舵補助制御のメインルーチンに出力して(ステップS302)、当該サブルーチンに係る処理を終了する。
これに対して、マイクロコンピュータ31は、算出した飽和率Sの値が飽和率判定閾値Shの値よりも大きくない旨判断される場合(ステップS301でNO)には、ステップS303へ処理を移行する。
このステップS303では、前回のd軸電流指令値Id*の絶対値が0(ゼロ)よりも大きな値か否かを判断する。
マイクロコンピュータ31は、前回のd軸電流指令値Id*の絶対値が0よりも大きな値ではない旨判断される場合(ステップS303でNO)には、当該サブルーチンに係る処理を終了する。ここで、前回のd軸電流指令値Id*の絶対値が0よりも大きな値にならない場合とは、基本的には弱め界磁制御が実行されていないときのみである。これは前述したように、本例では、弱め界磁制御が実行されない場合には、d軸電流指令値Id*の値が0とされるからである。したがって、この場合(ステップS303でNO)には、マイクロコンピュータ31は、弱め界磁制御の実行が解除された状態に維持されていた旨判断する。
これに対して、マイクロコンピュータ31は、前回のd軸電流指令値Id*の絶対値が0よりも大きな値である旨判断される場合(ステップS303でYES)には、弱め界磁制御が実行されていた旨判断し、ステップS304へ処理を移行する。
ステップS304において、マイクロコンピュータ31は、ωI制御の実行の有無を判断する。マイクロコンピュータ31は、ωI制御の実行フラグがオン状態である旨判断される場合には(ステップS304でNO)、ωI制御の実行中であるとして、先のステップS302へ処理を移行する。そしてマイクロコンピュータ31は、前述と同様にd軸電流指令値Id*を演算して当該サブルーチンに係る処理を終了する。すなわち、弱め界磁制御の動作条件(本例では、S>Sh)が非成立である旨判断される場合であれ、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御の実行は解除されずに、そのまま継続される。
これに対してマイクロコンピュータ31は、ωI制御の実行フラグがオフ状態である旨判断される場合には(ステップS304でYES)、ωI制御は実行されていないとして、ステップS305へ処理を移行する。
ステップS305において、マイクロコンピュータ31は、モータ21の出力(=トルク×回転数)に基づき、弱め界磁制御の実行の解除の可否を判断する。すなわち、マイクロコンピュータ31は、モータ21の出力が、先の図6のNT特性図に示される解除許可領域Ac内の値であるか否かの判断を行う。当該解除許可領域Acは、d軸電流指令値Id*が0(ゼロ)、すなわち弱め界磁制御が実行されない状態でのNT特性曲線以下の出力領域に設定される。また、当該解除許可領域Acは、弱め界磁効果のある領域、すなわち高トルク領域を外れる領域に設定される。
マイクロコンピュータ31は、モータ21の回転速度(回転数)ω及びモータ21へ供給される電力(電流)のトルク成分であるq軸電流値Iqに基づき、モータ21の出力が解除許可領域Ac内の値であるか否かの判断を行う。
解除許可領域Acは、次の2つ条件式により設定される。
・「ω<B」かつ「Iq<C」
・「ω<D」かつ「Iq<E」
ただし、Bは第1の回転速度判定閾値、Dは第2の回転速度判定閾値である。また、Cは第1のトルク判定閾値、Eは第2のトルク判定閾値である。これら第1及び第2の回転速度判定閾値B,D、並びに第1及び第2のトルク判定閾値C,Eは、モータの仕様及び要求される出力等に基づき予め設定される。これら条件式中の第1及び第2の回転速度判定閾値B,D、並びに第1及び第2のトルク判定閾値C,Eの大小関係は、それぞれ次の通りである。
・D<B、
・C<E
マイクロコンピュータ31は、前記2つの条件式のいずれも成立しない旨判断される場合(ステップS305でNO)には、弱め界磁制御の実行をそのまま継続する。すなわち、マイクロコンピュータ31は、ステップS302へ処理を移行して、前述と同様にd軸電流指令値Id*を演算して当該サブルーチンに係る処理を終了する。
これに対して、マイクロコンピュータ31は、前記2つの条件式のいずれか一方が成立する旨判断される場合(ステップS305でYES)には、弱め界磁制御の実行を解除する(ステップS306)。すなわち、この場合には、マイクロコンピュータ31は、d軸電流指令値Id*を演算することなく、当該d軸電流指令値Id*を、弱め界磁制御を行わない場合に使用するべく定められた値である「0」とする。
以上で、弱め界磁制御に係る一連の処理が完了する。以後、メインルーチンである図3のフローチャートにおけるステップS106へ処理が移行されるたびに、前記ステップS301〜ステップS306の処理が実行される。
このように、弱め界磁制御が実行された後は、モータ21の出力が前述した弱め界磁制御の解除許可領域Ac内の出力まで低下しない限り、当該弱め界磁制御の許可状態が維持される。また、モータ21の出力が解除許可領域Ac内の値となった場合には、前述したωI制御の実行は停止される。これは、解除許可領域Acは、図6のグラフにハッチングで示されるωI制御の動作領域から外れているからである。そして図6のグラフに示されるように、ωI制御の動作領域と解除許可領域Acとの間には、若干の余裕が設けられている。すなわち、ωI制御の実行が停止された後に、即時に弱め界磁制御が停止されることはない。換言すれば、ωI制御の実行の停止後、モータ21の出力が解除許可領域Ac内の出力値に低下するのを待って弱め界磁制御の実行が停止される。このため、ωI制御及び弱め界磁制御の2つの制御の実行が連続的に停止されることがない。したがって、急激な操舵補助力の変化、ひいてはステアリング操作に際しての違和感等の発生も抑制される。
例えば、ωI制御の実行が停止されると、操舵補助力が増大して、ステアリングの操舵感触は軽くなる。また、弱め界磁制御の実行が停止されると、逆にステアリングの操舵感触は重くなる。このため、ωI制御及び弱め界磁制御の双方が同じタイミングで停止された場合には、ステアリング操作が軽くなってきたと感じるタイミングで、今度はステアリング操作が重くなるという具合に、ステアリングの操舵感触に違和感が発生するおそれがある。本例によれば、このような操舵感触の違和感の発生が好適に抑制される。
また、従来、弱め界磁制御及びωI制御を併せて実行する場合には、次のような問題の発生が懸念されていた。すなわち、前述したように、高トルク且つ高速で操舵しようとすると、モータ制御信号のデューティ比がその上限値に達した旨(いわゆる電圧飽和状態である旨)判断されて、弱め界磁制御が実行される。これにより、高速操舵が可能になるものの、モータ21の動作状態がωI制御の動作領域(先の図6のグラフにおいてハッチングで示される領域)に入ると、ωI制御の実行を通じてq軸電流指令値Iq*が減少してモータ駆動回路32のスイッチングデューティの値が低下する。これに伴い弱め界磁制御の動作条件(本例では、「飽和率S>飽和率判定閾値Sh」)を外れて、ステアリングが重くなる。このようなサイクルに入った場合、すなわちωI制御及び弱め界磁制御が交互に動作と停止とを繰り返す、いわゆる制御の振動が発生した場合にはステアリングの円滑な操舵が阻害されるおそれがある。
この点、本例では、一旦弱め界磁制御が実行された後においては、弱め界磁制御の動作条件(飽和率S>飽和率判定閾値Sh)から外れた場合であれ、ωI制御が実行されているときには、弱め界磁制御が継続して実行される。このため、前述した弱め界磁制御及びωI制御が干渉する問題の発生が回避される。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)弱め界磁制御の実行中において、弱め界磁条件(飽和率S>飽和率判定閾値Sh)から外れた場合であれ、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御を継続して実行する。このため、弱め界磁制御及びωI制御が交互に動作と実行を繰り返す、いわゆる制御の振動の発生が回避される。したがって、ステアリングの円滑な操舵が維持される。
(2)弱め界磁制御の実行中において、弱め界磁条件から外れた場合において、ωI制御の実行が停止されている旨判断されるときには、モータ21の出力値が解除許可領域Ac内の値まで低下するのを待ってから、弱め界磁制御の実行を解除するようにした。これにより、ωI制御及び弱め界磁制御の双方が一気にオフすることはなく、急激な操舵補助力の変化が抑制される。したがって、ステアリングの好適な操舵感触が維持される。
(3)ωI制御の実行に際して、q軸電流制限値Iq_limと基本アシスト電流値I0との大小関係に基づき、電圧飽和の可能性の有無を判定し、電圧飽和の可能性がある旨判断される場合には、ωI制御を実行しないようにした。すなわち、弱め界磁制御が実行される可能性がある場合には、ωI制御に優先して弱め界磁制御が実行される。このため、高速操舵を可能としつつ、ωI制御及び弱め界磁制御の干渉が回避されることにより、ステアリングの円滑な操舵感触が確保される。
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・図4のフローチャートにおけるステップS204の処理、すなわちωI制御の実行可否の判定処理を省略してもよい。この場合であれ、ステアリングの円滑な操舵が維持される。すなわち、弱め界磁制御の実行中において、弱め界磁条件から外れた場合であれ、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御が継続して実行されることに変わりはない。このため、弱め界磁制御及びωI制御が交互に動作と実行を繰り返す、いわゆる制御の振動の発生が回避される。
・図5のフローチャートにおけるステップS305の処理、すなわちモータ21の出力が弱め界磁制御の解除許可領域Ac内の値か否かの判断を省略してもよい。すなわち、図5のフローチャートにおいて、ステップS304での判断結果がωI制御の実行中ではない旨判断された場合には、即時に弱め界磁制御の実行を解除する。この場合であれ、弱め界磁制御とωI制御との干渉は回避されるので、基本的には前述した両制御の振動の発生が回避される。
・パワーアシストユニット及びその制御装置等がラック軸5と同軸に設けられる、いわゆるラックドライブ型の電動パワーステアリング装置に具体化してもよい。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータはブラシレスモータである電動パワーステアリング装置の制御装置。
・請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記第1の演算部によるωI制御は、操舵トルク及び車速に基づき算出される基本アシスト電流値(基本q軸電流指令値)を、モータの回転速度に応じて算出されるq軸電流制限値により制限するものであって、前記第2の演算部による弱め界磁制御が実行される可能性の有無の判断は、前記基本アシスト電流値と前記q軸電流制限値との大小の比較を通じて行い、当該q軸電流指令値が前記基本アシスト電流値よりも小さな値である旨判断される場合には、前記弱め界磁制御が実行される可能性はない旨判断する電動パワーステアリング装置の制御装置。このように、基本アシスト電流値とq軸電流制限値との大小の比較を通じて、弱め界磁制御が実行される可能性の有無を判断可能となる。
1…電動パワーステアリング装置、21…モータ、23…電子制御装置、45…ωI制御演算部(第1の演算部)、46…弱め界磁制御演算部(第2の演算部)。

Claims (3)

  1. 操舵補助力を発生する3相のモータに対する電流指令値としてdq座標系のd軸電流指令値及びq軸電流指令値を演算し、検出される前記モータの各相の電流値を前記dq座標系のd軸電流値及びq軸電流値に変換してこれらの値を前記d軸電流指令値及びq軸電流指令値に追従させるべくフィードバック制御を実行する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記モータの回転速度に応じて前記q軸電流指令値の値を制限するωI制御を実行する第1の演算部と、特定の動作条件が成立する旨判断される場合に前記モータの回転速度に応じて前記d軸電流指令値を負の値とする弱め界磁制御を実行する第2の演算部と、を備え、
    前記弱め界磁制御の実行中において当該制御の動作条件が非成立である旨判断される場合には、前記第1の演算部によるωI制御の実行中であるか否かの判断を行い、ωI制御の実行中である旨判断されるときには、弱め界磁制御を継続して実行する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記第2の演算部による弱め界磁制御の実行中において当該制御の動作条件が非成立である旨判断される場合、前記第1の演算部によるωI制御の実行が停止されている旨判断されるときには、前記モータの回転速度及びq軸電流値がそれぞれ特定の閾値未満の値となるのを待ってから、第2の演算部による弱め界磁制御の実行を解除する電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記第1の演算部によるωI制御の実行に際して、前記第2の演算部による弱め界磁制御が実行される可能性の有無を判断し、当該弱め界磁制御が実行される可能性がない旨判断される場合にのみ、前記ωI制御を実行する電動パワーステアリング装置の制御装置。
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