JP2009065773A - モータ駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】弱め界磁制御の有効/無効の切替を行う場合における操舵力の変動及び作動音を効果的に抑制できるモータ駆動制御装置を提供する。
【解決手段】d−q軸のベクトル制御によってモータを制御すると共に、弱め界磁制御を行うことが可能なモータ駆動制御装置において、モータの角速度とベクトル制御の電流指令値との関係に対応した閾値、詳細にはヒステリシス特性を持たせた閾値が設定されており、角速度と電流指令値との関係を閾値と比較する判定部と、判定部の判定結果に基づいて弱め界磁制御の有効/無効を切替える切替部とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、d−q軸のベクトル制御により弱め界磁制御を行うようになっているモータ駆動制御装置に関し、特に弱め界磁制御の有効/無効を切替える際に、モータ出力の急激な変化や振動等の発生を抑えるモータ駆動制御装置に関する。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値と検出されるモータ電流との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
このような電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図6に示す。操向ハンドル301のコラム軸302は減速ギア303、ユニバーサルジョイント304a及び304b、ピニオンラック機構305を経て操向車輪のタイロッド306に連結されている。コラム軸302には、操向ハンドル301の操舵トルクを検出するトルクセンサ307が設けられており、操向ハンドル301の操舵力を補助するモータ308が減速ギア303を介してコラム軸302に連結されている。
このような構成の電動パワーステアリング装置において、操向ハンドル301から伝達された運転手のハンドル操作による操舵トルクをトルクセンサ307で検出し、当該トルク信号や車速に基づいて算出される電流指令値によってモータ308は駆動制御され、この駆動が運転手のハンドル操作の操舵補助力となり、運転手は軽い力でハンドル操作を行うことができる。つまり、ハンドル操作によって出力された操舵トルクから、どのような電流指令値を算出し、当該電流指令値に基づきモータ308をどのように制御するかによって、ハンドル操舵におけるフィーリングの良し悪しが決まり、電動パワーステアリング装置の性能が大きく左右される。
図7は、一般的なベクトル制御を用いた電動パワーステアリング装置の基本構成を示している。
トルク指令値Trefを基に電流指令値決定部324で、d軸の電流指令値Id及びq軸の電流指令値Iqが算出される。一方、モータ308のモータ電流ia、ib及びicはそれぞれ電流検出部341、342及び343で検出され、検出されたモータ電流ia、ib及びicは3相/2相変換部344でd−q2軸の電流id、iqに変換される。減算部325、326でそれぞれd軸電流指令値Id、q軸電流指令値Iqと、フィードバックされた電流id、iqとの偏差電流が算出される。偏差電流はPI制御部328に入力され、偏差電流を0とするような電圧指令値vd、vqが算出される。モータ308は3相モータであり、電圧指令値vd、vqは2相/3相変換部336によって3相の電圧指令値va、vb及びvcに変換される。
PWM制御部337は、3相の電圧指令値va、vb及びvcに基づいてPWM制御されたゲート信号を生成する。インバータ338はPWM制御部337で生成されたゲート信号によって駆動され、モータ308には偏差電流が0になるような電流が供給される。なお、レゾルバ316によってモータ308のモータ角度(回転角)θが検出され、角度θから角速度変換部348でモータ角速度(回転速度)ωが算出され、ベクトル制御に使用される。
このようなベクトル制御では、モータの高速回転領域において弱め界磁制御が用いられる。以下に弱め界磁制御を用いるベクトル制御について説明する。
トルクセンサ307で検出された操舵トルク(や車速等)を基に算出される操舵補助電流指令値Irefに基づき、モータ308はベクトル制御される。このベクトル制御を数式で表現すると、下記(1)式或いは(2)式のようになる。(1)式は弱め界磁制御が無い場合(Id=0)で、(2)式は弱め界磁制御を実行している(Id≠0)場合である。

Iq=Iref
Id=0 ・・・(1)

Iq=Iref
Id≠0 ・・・(2)

一方、モータ電流Isをd軸電流指令値Id及びq軸電流指令値Iqで表現すると、下記(3)式のようになる。

Is=√(Iq+Id) ・・・(3)

このような電流関係を条件としたモータのベクトル制御において、ハンドルを急速に切り返したりすると、モータは必要とするトルクを出力できず、弱め界磁制御を実行する領域となる。つまり、高速回転領域では、モータ電流Isが飽和状態(デューティ=100%)に陥ってしまう可能性がある。
モータ電流が飽和すると、電流波形が歪んでモータのトルクリップルが大きくなり、その結果、操向ハンドルに振動が発生したり、モータから異常音が発生することになる。つまり、出力トルクの限界を越えて制御しようとすると、モータ電流が飽和してトルクリップルが大きくなり、運転手はハンドル操作に振動や違和感を感じることになる。
上述したような問題を解決するため、本出願人による国際公開番号WO2006/098516(特許文献1)が提案されている。特許文献1の電動パワーステアリング装置では、予めモータ抵抗やインダクタンスを用いてデューティが飽和しないようなモータ回転数と、q軸電流の関係マップ及びd軸電流とを求めておく。実際の制御時には、検出したモータ回転数、バッテリ電圧及びトルク値と車速に基づいて演算された電流指令値を参照しながら、弱め界磁制御を行っている。また、デューティが飽和しないように求められたq軸電流指令値とd軸電流指令値に基づいて弱め界磁制御を行うので、トルクリップルや振動が発生しないようにしている。
しかし、特許文献1の電動パワーステアリング装置では、運転手から急に高出力を要求された場合、要求に沿うようにd軸電流を急に大きく設定するようになっている。つまり、弱め界磁制御の有効と無効を切替える手法では、d軸電流指令値が“0”の状態から大きなd軸電流指令値に急変してしまうことがあり、運転手への違和感や操舵音の増加という問題があった。
かかる問題を解決する装置として、例えば特開2007−116849号公報(特許文献2)に示されるモータ駆動制御装置がある。この特許文献2のモータ駆動制御装置では、ベクトル制御におけるd軸電流指令値の変化率を制御し、急激な出力トルクの変化を抑制するようにしている。即ち、d−q軸のベクトル制御によってモータを制御すると共に、弱め界磁制御を行うことが可能なモータ駆動制御装置において、ベクトル制御におけるd軸電流指令値の変化率を制御する変化率制御部を設けている。
国際公開番号WO2006/098516 特開2007−116849号公報
しかしながら、特許文献2の装置では、d軸電流指令値の変化率を制御して急激な出力トルクの変化を抑制するようにしているが、制御処理の大きさによって応答時間が増加してしまう場合があるので、変化率の設定には限界がある。また、弱め界磁制御の有効/無効を切替えるための閾値近傍を推移しているような状況では、d軸電流を投入する切替信号によるハンチングが発生し、d軸電流の操舵力の変動及び作動音の悪化に結びつく場合がある。
ここで、特許文献2の弱め界磁制御の有効/無効を切替える切替制御の概略を、図8及び図9に示して説明する。
図8は、モータ角速度、q軸電流指令制限値及びd軸電流指令値の関係の例を示す特性図である。図8に示される弱め界磁制御なしの特性曲線(実線)は、例えば、同じq軸電流指令制限値でモータ角速度が、運転状態1から運転状態2に低下した場合、弱め界磁制御を無効にする。一方、運転状態2からモータ角速度ωが上昇して運転状態1に遷移した場合は、弱め界磁制御を有効にするような閾値である。また、弱め界磁制御ありの特性曲線(一点差線)は、弱め界磁制御なしの特性曲線と弱め界磁制御ありの特性曲線との間で、弱め界磁制御を有効にするような特性曲線である。また、弱め界磁制御d/q軸電流関係特性曲線(点線)は、弱め界磁制御を行う場合のd軸電流指令値を決定するための特性曲線である。
図9は、図8に示した弱め界磁制御なしの特性曲線近傍における運転状態を示しており、例えば、弱め界磁制御なしの特性曲線近傍において、モータ角速度に微小な上下の変化や振動してしまうような状況が発生した場合を図9に示している。先ず図9(a)の運転状態2において、モータ角速度が弱め界磁制御なしの特性曲線を超えると、(b)の運転状態1(弱め界磁制御有効)になる。そして、(b)の運転状態1において、モータ角速度が弱め界磁制御なし特性曲線よりも小さくなると、(c)の運転状態2(弱め界磁制御無効)になる。さらに、(c)の運転状態2において、モータ角速度が弱め界磁制御なしの特性曲線を超えると、(d)の運転状態1(弱め界磁制御有効)になる。そして、(d)の運転状態1において、モータ角速度が弱め界磁制御なし特性曲線よりも小さくなると、(e)の運転状態2(弱め界磁制御無効)になる。
このように閾値近傍では、弱め界磁制御の有効/無効とを繰り返してしまうような、d軸電流の切替制御によるハンチングが発生し易くなっているので、運転手に違和感を与えてしまうことがある。
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、弱め界磁制御の有効/無効の切替を行う場合、判定基準となる閾値にヒステリシス特性を持たせて、操舵力の変動及び作動音を効果的に抑制することにより、より安定した信頼性の高いモータ駆動制御装置を提供することにある。
本発明は、d−q軸のベクトル制御によってモータを制御すると共に、弱め界磁制御を行うことが可能なモータ駆動制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記モータの角速度と前記ベクトル制御の電流指令値との関係に対応した閾値が設定されており、前記角速度と前記電流指令値との関係を前記閾値と比較する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記弱め界磁制御の有効/無効を切替える切替部とを設けることにより達成される。
また、本発明の上記目的は前記閾値がヒステリシス特性を有していることにより、或いは前記ヒステリシス特性が、前記角速度と前記電流指令値との関係に対応した特性曲線となっていることにより、或いは前記切替え後、前記d軸の電流指令値の変化率を抑制する変化率制御部を備えることにより、より効果的に達成される。
本発明のモータ駆動制御装置によれば、弱め界磁制御の有効/無効を切替える閾値に、ヒステリシス特性を持たせることにより、閾値近傍での判定におけるハンチングがなくなり、モータ振動、作動音の悪化を防止することができ、電動パワーステアリングに適用した場合には操舵力変動による違和感を防止することができ、操舵フィーリングを向上させることができる。また、ヒステリシス特性を電流指令値とモータ角速度との関係に応じて変化させることにより、高電流指令値時においてもd軸電流による相電流指令値の過電流を防止することができる。
本発明に係るモータ駆動制御装置は、検出されるモータ角速度と電流指令値との関係から弱め界磁制御の有効/無効を判定する閾値に、ヒステリシス特性を持たせることで、d軸電流を投入する閾値近傍におけるハンチングを防止する。また、電流指令値とd軸電流との関係から、想定される最大相電流がオーバー(過電流状態)にならないように、電流指令値とモータ角速度との関係に応じてヒステリシス特性の幅を変化させる。つまり、弱め界磁制御の有効/無効を判定する閾値に、電流指令値とモータ角速度との関係に対応したヒステリシス特性を与えることで、ハンチングを防止している。
先ず、本発明の原理を図1及び図2を用いて以下に説明する。
図1は、本発明の原理を説明するためのモータ角速度、q軸電流指令制限値及びd軸電流指令値の関係の例を図8に対応させて示す特性図である。
図1に示される切替ヒステリシス特性曲線(細線)Hyは、モータ角速度ω及びq軸電流指令制限値の線上で、弱め界磁制御が有効の状態から弱め界磁制御を無効へ切替えるように、弱め界磁制御なしの特性曲線より下に設定されたヒステリシス特性の一例である。例えば、q軸電流指令制限値において、モータ角速度ωhの運転状態2からベース角速度ωbの運転状態1に遷移する場合(弱め界磁制御が有効になる場合)、弱め界磁制御なしの特性曲線を上回った状態で弱め界磁制御が有効になるように切替制御を行う。一方、ベース角速度ωbの運転状態1からモータ角速度ωhの運転状態2に遷移するような場合(弱め界磁制御が無効になる場合)、弱め界磁制御なしの特性曲線を下回った状態では弱め界磁制御を無効にせず、さらに下降して切替ヒステリシス特性曲線Hyを下回ったモータ角速度ωhの運転状態2において、弱め界磁制御を無効にするように切替制御を行う。つまり、切替制御は、推定或いは検出されるモータ角速度ωeが、閾値である弱め界磁制御なしの特性曲線を上回ったときに、弱め界磁制御を有効にする。一方、推定或いは検出されるモータ角速度ωeが、切替ヒステリシス特性曲線Hyを下回ったときに、弱め界磁制御を無効にする。
図2は、前述した図1及び図8に示した特性図の運転状態を、さらに詳しく説明するための模式図であり、図9に対応させて説明する。
本発明による切替ヒステリシス特性曲線Hyを用いて、弱め界磁制御の有効/無効を切替制御する場合、図2に示されるように、先ず図2(A)の運転状態2において、モータ角速度ωeとq軸電流指令制限値との関係が弱め界磁制御なしの特性曲線よりも大きくなると、(B)の運転状態1(弱め界磁制御有効)になる。そして、(B)の運転状態1において、モータ角速度ωeとq軸電流指令制限値との関係が弱め界磁制御なしの特性曲線より小さくなるが、弱め界磁制御は有効の状態が継続される。やがて、モータ角速度ωeとq軸電流指令制限値との関係が切替ヒステリシス特性曲線Hyより小さくなると、(C)の運転状態2(弱め界磁制御無効)になる。このように、閾値にヒステリシス特性を持たせることにより、閾値近傍においてもハンチングが発生せず、安定した運転状態を保つことができる。
また、前述したように高電流領域でのモータ駆動制御は、モータのトルクリップル等を補償するため電流指令値Irefや回転数信号が振動を起こし、d軸電流の切替制御によるハンチングが発生し易くなるので、切替ヒステリシス特性曲線Hyは、想定される最大相電流をオーバーする状態(過電流状態)を回避するために、電流指令値Irefに応じてヒステリシス特性の幅を可変とする。つまり、切替ヒステリシス特性曲線Hyは、d軸電流の切替制御のハンチングが起こらない程度に、電流指令値Irefに応じてヒステリシス特性を適宜設定できるようになっている。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明を実施するために適した構成例を図3に示して説明する。
先ず、判定部17は、閾値となるベース特性及びヒステリシス特性部18に設定された切替ヒステリシス特性Hyを予め設定しておく。そして、操舵補助電流指令値Irefは、比較部13及び14に入力されると共に判定部17に入力される。推定若しくは検出されたモータ角速度ωeは、第1マップ11及び第2マップ12に入力されると共に、第3マップ15及び判定部17に入力される。第1マップ11は、予め弱め界磁制御ありの特性曲線が設定されており、入力されるモータ角速度ωeに基づき、設定された弱め界磁制御ありの特性曲線を参照して電流指令値の制限値Ireflimを算出するようになっている。
一方、第2マップ12は、予め弱め界磁制御なしの特性曲線が設定されており、入力されるモータ角速度ωeに基づき、設定された弱め界磁制御ありの特性曲線を参照して電流指令値のベース制限値Ireflim_baseを算出するようになっている。そして、第1マップ11によって算出された電流指令値の制限値Ireflimが比較部13に入力されると共に、第2マップ12によって算出された電流指令値の制限値Ireflim_baseが比較部14に入力される。比較部13では、入力された操舵補助電流指令値Irefと電流指令値の制限値Ireflimの比較に基づいて電流指令値の制限値Iref_limを算出し、算出された電流指令値の制限値Iref_limが切替部16の接点c2に入力される。また、比較部14では、入力された操舵補助指令値Irefと電流指令値のベース制限値Ireflim_baseの比較に基づいて電流指令値のベース制限値Iref_base及びd軸電流指令値Id=0を算出し、算出された電流指令値のベース制限値Iref_base及びd軸電流指令値Id=0が切替部16の接点c1に入力される。また、第3マップ15は、弱め界磁制御d/q軸電流関係特性曲線が設定されており、入力されるモータ角速度ωe及び電流指令値の制限値Iref_limに基づいて、設定された弱め界磁制御d/q軸電流関係特性曲線を参照してd軸電流指令値Idを算出する。つまり、第3マップ15は、弱め界磁制御が有効の場合にd軸電流指令値Idを算出するようになっている。
そして、判定部17は、入力されるモータ角速度ωeと操舵補助電流指令値Irefとの関係を、閾値であるベース特性曲線及び切替ヒステリシス特性曲線Hyと比較し、切替部16の接点c1及びc2を切替える。即ち、検出されるモータ角速度ωeとトルク系からの操舵補助電流指令値Irefとの関係に基づいて、弱め界磁制御有効時の第1マップ11と弱め界磁制御無効時の第2マップ12とを切替部16によって切替えながら電流指令値の制限値Iref_limを求めると共に、d軸電流指令値決定用の第3マップ15を用いてd軸電流指令値Idを求める。
このような構成において、その動作例を図4のフローチャートを参照して説明する。
操舵トルクや車速に基づいて操舵補助電流指令値算出部は、演算した操舵補助電流指令値Irefを、比較部13、比較部14及び判定部17に入力し(ステップS1)、推定若しくは検出されたモータ角速度ωeが、第1マップ11、第2マップ12、第3マップ15及び判定部17に入力される(ステップS2)。次に、第1マップ11は、入力された角速度ωeに基づいて第1マップ11に設定された特性を参照して電流指令値の制限値Ireflimを算出する(ステップS3)。第2マップ12は、入力された角速度ωeに基づいて第2マップ12に設定された特性を参照して電流指令値のベース制限値Ireflim_baseを算出する(ステップS4)。そして、電流指令値の制限値Ireflimは比較部13に入力され、電流指令値のベース制限値Ireflim_baseは比較部14に入力される。
比較部13は操舵補助電流指令値Irefと電流指令値の制限値Ireflimの比較に基づいて電流指令値の制限値Iref_limを算出し(ステップS5)、比較部14は操舵補助電流指令値Irefと電流指令値のベース制限値Ireflim_baseの比較に基づいて電流指令値の制限値Iref_base及びd軸電流指令値Id=0を算出する(ステップS6)。電流指令値の制限値Iref_limは切替部16の接点c2に入力され、電流指令値のベース制限値Ireflim_base及びd軸電流指令値Id=0は切替部16の接点c1に入力される。第3マップ15は、入力された角速度ωe及び電流指令値の制限値Iref_limに基づき、第3マップ15に設定された弱め界磁制御d/q軸電流関係特性曲線を参照してd軸電流指令値Idを算出する(ステップS7)。
そして、判定部17は、モータ角速度ωeが閾値であるベース特性曲線のベース角速度ωb以上であるか否かを判定し(ステップS8)、モータ角速度ωeがベース特性曲線のベース角速度ωb以上であれば、弱め界磁制御を有効にするために切替部16の接点をc2に切替え(ステップS10)、比較部13からの電流指令値の制限値Iref_limを、そのまま電流指令値の制限値Iref_limとして出力する(ステップS12)。また、モータ角速度ωeが閾値であるベース特性曲線のベース角速度ωbよりも小さければ、操舵補助電流指令値Irefにおける切替ヒステリシス特性曲線Hyのモータ角速度ωhとモータ角速度ωeとを比較する(ステップS9)。そして、モータ角速度ωeが切替ヒステリシス特性曲線Hyのモータ角速度ωhよりも小さければ、弱め界磁制御を無効にするために切替部16の接点をc1に切替え(ステップS11)、比較部14からの電流指令値のベース制限値Iref_base及びd軸電流指令値Id=0を制限値Iref_limとして出力する(ステップS12)。また、モータ角速度ωeが切替ヒステリシス特性曲線Hyのモータ角速度ωh以上であれば、切替部16の接点を変更せずに現状を保つようにする(ステップS12)。
このように、判定部17は検出されるモータ角速度ωeを、閾値であるベース特性曲線及び切替ヒステリシス特性曲線Hyと比較して、切替部16の接点を切替制御するようになっている。つまり、モータ角速度ωeがベース角速度ωbより大きく、弱め界磁制御が有効になっている図1の運転状態1(図3の切替部16の接点c2の状態)において、徐々にモータ角速度ωeが小さくなり、やがてベース特性曲線のベース角速度ωbより小さくなり、さらに切替ヒステリシス特性曲線Hyのモータ角速度ωhよりも小さい図1の運転状態2になると、弱め界磁制御を無効にするため図3の切替部16の接点をc1に切替えるようなヒステリシス特性を持たせる。
図5は本発明を別の構成例に適用した例であり、図7に対応させて示している。
先ず、電流指令値決定部324は、上述した弱め界磁制御の有効/無効を切替える閾値を用いて切替制御を行うようになっており、さらにその閾値に上述のようなヒステリシス特性を持たせている。また、ベクトル制御におけるd軸電流の急激な変化を抑制するため、変化率制御部110を設け、電流指令値決定部324により演算されるd軸電流指令値Idの変化率を制御するようにする。つまり、電流指令位置決定部324は、入力される電流指令値Iref、モータ角速度ω及びモータ角度θに基づいて、弱め界磁制御の有効/無効を切替制御しながらq軸電流指令値Iq及びd軸電流指令値Idを演算する。電流指令値決定部324によって演算されたd軸電流指令値Idは、変化率制御部110に入力され、変化率が制御されたd軸電流指令値Iddが減算部326に入力され、減算部326で3相/2相変換部344からのモータ電流idとの偏差電流が算出される。
このように、切替ヒステリシス特性及び閾値によって制御されたd軸電流を、変化率制御部110において電流制御系が制御できる範囲内に抑えることで、より操舵力の変動及び作動音を効果的に抑制することができる。
なお、図1で説明したように弱め界磁制御なし特性曲線を上回ることにより、弱め界磁制御が有効になり、切替ヒステリシス特性曲線Hyを下回ることにより、弱め界磁制御が無効になる設定を説明したが、それぞれの特性曲線の位置はそのままで、切替ヒステリシス特性曲線Hyを上回ることにより、弱め界磁制御が有効になり、弱め界磁制御なし特性曲線を下回ることにより、弱め界磁制御が無効になるように設定しても良く、或いは切替ヒステリシス特性曲線Hyを、弱め界磁制御なし特性曲線と弱め界磁制御あり特性曲線との間に設定し、弱め界磁制御なし特性曲線を下回ることにより、弱め界磁制御が無効になり、切替ヒステリシス特性曲線Hyを上回ることにより、弱め界磁制御が有効になるように設定しても良く、或いは弱め界磁制御なし特性曲線を上回ることにより、弱め界磁制御が有効になり、切替ヒステリシス特性曲線Hyを下回ることにより、弱め界磁制御が無効になるように設定しても良い。
本発明の原理を説明するための特性図である。 本発明の原理を説明するための模式図である。 本発明に係るモータ駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 本発明に係るモータ駆動制御装置の別の構成例を示すブロック図である。 従来の電動パワーステアリング装置の構成例を示すブロック図である。 従来のベクトル制御装置の構成例を示すブロック図である。 従来の制御特性を説明するための特性図である。 従来の制御特性を説明するための模式図である。
符号の説明
11 第1マップ
12 第2マップ
13 比較部
14 比較部
15 第3マップ
16 切替部
17 判定部
18 ヒステリシス特性部
100、308 モータ
101 d/q軸電流指令値演算部
110 変化率制御部
301 操向ハンドル
307 トルクセンサ
324 電流指令値決定部

Claims (5)

  1. d−q軸のベクトル制御によってモータを制御すると共に、弱め界磁制御を行うことが可能なモータ駆動制御装置において、前記モータの角速度と前記ベクトル制御の電流指令値との関係に対応した閾値が設定されており、前記角速度と前記電流指令値との関係を前記閾値と比較する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記弱め界磁制御の有効/無効を切替える切替部とを備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 前記閾値がヒステリシス特性を有している請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  3. 前記ヒステリシス特性が、前記角速度と前記電流指令値との関係に対応した特性曲線となっている請求項2に記載のモータ駆動制御装置。
  4. 前記切替え後、前記d軸の電流指令値の変化率を抑制する変化率制御部を備える請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ駆動制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のモータ駆動制御装置を、電動パワーステアリング装置に搭載したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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