JP2002051596A - 交流モーターの駆動制御装置 - Google Patents

交流モーターの駆動制御装置

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JP2002051596A
JP2002051596A JP2000233203A JP2000233203A JP2002051596A JP 2002051596 A JP2002051596 A JP 2002051596A JP 2000233203 A JP2000233203 A JP 2000233203A JP 2000233203 A JP2000233203 A JP 2000233203A JP 2002051596 A JP2002051596 A JP 2002051596A
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inverter
switching
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rotation speed
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Kazutoshi Nagayama
和俊 永山
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モーターの全速度範囲でインバーターのスイ
ッチング損失を低減する。 【解決手段】 モーターの回転速度検出値が所定値以下
の低速域では正弦波電流ベクトル制御によりインバータ
ーを制御し、モーター回転速度検出値が所定値を超える
高速域では120度通流方形波電圧制御によりインバー
ターを制御する。これにより、低速域では低いスイッチ
ング周波数でスイッチング素子のPWM駆動が行われ、
スイッチング損失が低く抑制される上に、高速域でも1
20度通流方形波電圧制御による低いスイッチング周波
数でスイッチング素子が駆動されて、スイッチング損失
が低減される。つまり、モーターの全速度範囲でインバ
ーターのスイッチング損失を低減することができ、イン
バーターのスイッチング素子の冷却装置を小型化するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電力を交流電
力に変換して3相交流モーターを駆動制御する装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】バッテリーなどから供給される直流電力
をインバーターにより交流電力に変換し、3相交流モー
ターを駆動制御する交流モーターの駆動制御装置が知ら
れている。インバーターにはトランジスター、IGB
T、SCRなどの大電力のスイッチング素子が用いら
れ、PWM変調のために所定のキャリヤ周波数に応じた
スイッチング周波数でオン、オフが繰り返される。
【0003】一般に、インバーターに用いられるスイッ
チング素子は、PWM変調時のスイッチング周波数が高
くなるにしたがってスイッチング損失が増大し、その結
果スイッチング素子の発熱量が増大する。そのため、キ
ャリア周波数を低くしてスイッチング損失を抑制する必
要があるが、キャリア周波数を低くすると正弦波交流電
圧によるモーターの高速駆動制御が困難になる。
【0004】この相反する問題を解決するために、通常
の運転時は所定の高いキャリア周波数(10kHz)で
PWM変調を行うが、モーターの回転速度が低いときは
モーターが外力により拘束されているとみなし、低いキ
ャリア周波数(1.25kHz)に切り換えてPWM変
調を行い、スイッチング素子の急激な発熱を防止するよ
うにした3相交流モーターの駆動制御装置が知られてい
る(例えば、特開平09−070195号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の3相交流モーターの駆動制御装置では、モータ
ーの回転速度が低いときは低いキャリア周波数に切り換
えるので、スイッチング損失を低減することができる
が、モーターの回転速度が高いときは高いキャリア周波
数のままでPWM変調が行われので、スイッチング損失
は低減されないという問題がある。
【0006】本発明の目的は、モーターの全速度範囲で
インバーターのスイッチング損失を低減することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 請求項1の発明
は、インバーターにより直流電力を交流電力に変換して
3相交流モーターを駆動制御する交流モーターの駆動制
御装置に適用される。そして、モーターの回転速度を検
出する速度検出手段と、モーターの回転速度検出値が所
定値以下の低速域では正弦波電流ベクトル制御によりイ
ンバーターを制御し、モーター回転速度検出値が所定値
を超える高速域では120度通流方形波電圧制御により
インバーターを制御する制御手段とを備え、これにより
上記目的を達成する。 (2) 請求項2の交流モーターの駆動制御装置は、制
御手段によって、前記所定値、すなわちインバーターの
制御方式を切り換えるためのモーター回転速度条件にヒ
ステリシスを設けたものである。 (3) 請求項3の交流モーターの駆動制御装置は、イ
ンバーターに直流電力を供給するバッテリーと、バッテ
リーの電圧を検出する電圧検出手段とを備え、制御手段
によって、バッテリー電圧検出値が低下するほど前記所
定値を下げるようにしたものである。 (4) 請求項4の交流モーターの駆動制御装置は、制
御手段によって、モーターの出力トルク指令値が増加す
るほど前記所定値を下げるようにしたものである。 (5) 請求項5の交流モーターの駆動制御装置は、制
御手段によって、前記所定値をモーターの弱め界磁制御
を開始する回転速度としたものである。 (6) 請求項6の交流モーターの駆動制御装置は、制
御手段によって、モーター回転速度検出値が前記所定値
に達した後、すなわちインバーターの制御方式を切り換
えるためのモーター回転速度条件を満たした後の、3相
交流電圧指令値vu*、vv*、vw*のいずれかがゼロクロ
スする時点で制御方式を切り換えるようにしたものであ
る。 (7) 請求項7の交流モーターの駆動制御装置は、制
御手段によって、インバーターの制御方式の切り換え中
にインバーターに対するトルク指令値および電流指令値
が変化しても、インバーターの制御方式の切り換えが終
了するまではトルク指令値および電流指令値を更新しな
いようにしたものである。
【0008】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、モー
ターの回転速度検出値が所定値以下の低速域では正弦波
電流ベクトル制御によりインバーターを制御し、モータ
ー回転速度検出値が所定値を超える高速域では120度
通流方形波電圧制御によりインバーターを制御するよう
にしたので、低速域では低いスイッチング周波数でスイ
ッチング素子のPWM駆動が行われ、スイッチング損失
が低く抑制される上に、高速域でも120度通流方形波
電圧制御による低いスイッチング周波数でスイッチング
素子が駆動されて、スイッチング損失が低減される。つ
まり、モーターの全速度範囲でインバーターのスイッチ
ング損失を低減することができ、インバーターのスイッ
チング素子の冷却装置を小型化することができる。 (2) 請求項2の発明によれば、インバーターの制御
方式を切り換えるためのモーター回転速度条件(前記所
定値)にヒステリシスを設けたので、制御方式を切り換
えるときのチャタリングを防止することができる。 (3) 請求項3の発明によれば、バッテリー電圧検出
値が低下するほど、インバーターの制御方式を切り換え
るためのモーター回転速度条件(前記所定値)を下げる
ようにしたので、モーターの高速域でのトルク不足を防
止するとともに、モーターの最高回転速度までの駆動を
可能にし、バッテリー電圧の変動に対するモーターの安
定な駆動制御を実現することができる。 (4) 請求項4の発明によれば、モーターの出力トル
ク指令値が増加するほど、インバーターの制御方式を切
り換えるためのモーター回転速度条件(前記所定値)を
下げるようにしたので、モーターの最高回転速度までの
駆動を可能にし、モーター出力トルクの変動に対するモ
ーターの安定な駆動制御を実現することができる。 (5) 請求項5の発明によれば、インバーターの制御
方式を切り換えるためのモーター回転速度(前記所定
値)を、モーターの弱め界磁制御を開始する回転速度と
したので、弱め界磁制御領域では3相交流電圧の波高値
をバッテリー電圧で制限される最大値に固定でき、制御
が簡素化できる。 (6) 請求項6の発明によれば、モーター回転速度検
出値が前記所定値に達した後、すなわちインバーターの
制御方式を切り換えるためのモーター回転速度条件を満
たした後の、3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*のい
ずれかがゼロクロスする時点で制御方式を切り換えるよ
うにしたので、制御方式切り換え前後の3相交流電圧指
令値vu*、vw*、wv*をほぼ連続的に変化させることが
でき、モータートルクの変動も少なく、スムーズな切り
換えが可能となる。 (7) 請求項7の発明によれば、インバーター制御方
式の切り換え中にインバーターに対するトルク指令値お
よび電流指令値が変化しても、インバーター制御方式の
切り換えが終了するまではトルク指令値および電流指令
値を更新しないようにしたので、インバーター制御方式
の切り換え前後で3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*
をほぼ連続的に変化させることができ、モータートルク
の変動も少なく、スムーズな切り換えが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1および図2は一実施の形態の
構成を示す制御ブロック図であり、図1は正弦波電流ベ
クトル制御の構成を示し、図2は120度通流方形波電
圧制御の構成を示す。
【0010】この一実施の形態では、スイッチング損失
を低く抑えるために、5kHzという比較的低いキャリ
ア周波数でインバーターのPWM変調を行うことにし、
モーターの回転速度に応じてインバーターの制御方式を
切り換える。すなわち、低速域では正弦波電流ベクトル
制御を行い、高速域では120度通流の方形波電圧制御
を行う。
【0011】まず、図1によりインバーターの正弦波電
流ベクトル制御について説明する。ベクトル制御部1
は、トルク指令値T*、モーター回転速度ωおよびバッ
テリー電圧Vbに基づいて電流指令値テーブルからd軸
およびq軸電流指令値id*、iq *を演算する。非干渉電
流制御部2は、d軸およびq軸の実電流id、iqをそれ
ぞれの電流指令値id*、iq*に一致させるためのd軸お
よびq軸電圧指令値vd*、vq*を演算する。2相3相変
換部3は、3相同期モーター8の磁極位置θbに基づい
てd軸およびq軸電圧指令値vd*、vq*を3相交流電圧
指令値vu*、vv*、vw*に変換する。インバーター主回
路4は、IGBT(不図示)により3相交流電圧指令値
vu*、vv*、vw*にしたがってバッテリー13の直流電
圧をスイッチングし、3相交流電圧vu、vv、vwをモ
ーター7に印加する。
【0012】電流センサー5,6,7はそれぞれ、3相
同期モーター8に流れるU相電流iu、V相電流iv、W
相電流iwを検出する。エンコーダー9はモーター8の
出力軸に連結され、モーター8の回転位置と回転角度を
検出する。モーター回転速度検出部10は、エンコーダ
ー9により検出された所定時間当たりのモーター8の回
転角度からモーター8の回転速度ωを検出する。磁極位
置検出部11は、エンコーダー9により検出されたモー
ター8の回転位置に基づいて磁極位置θaを検出する。
【0013】位相補正部12は、3相2相変換部14と
2相3相変換部3との演算処理時間の差によるモーター
磁極位置θaの変化分を補正し、補正値θbを出力する。
バッテリー13はインバーター主回路4へ直流電力を供
給する。このバッテリー13は、バッテリー電圧Vbを
検出するセンサー(不図示)を備えている。3相2相変
換部14は、磁極位置θaに応じて電流センサー5,
6,7より検出した3相交流電流iu、iv、iwをd軸
およびq軸電流id、iqに変換する。
【0014】次に、図2によりインバーターの120度
通流方形波電圧制御について説明する。なお、図1に示
す制御ブロックおよび機器と同様な機能を有するものに
対しては同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】モーター電圧指令演算部15は、d軸およ
びq軸電流指令値id*、iq*およびモーター回転速度ω
に基づいて下記演算を行い、d軸およびq軸電圧指令値
vd*、vq*を求める。
【数1】 vd*=r1・id*−p・ω・Lq・iq*, vq*=r1・iq*+p・ω・(Ld・id*+φ) 上式において、r1はモーター8の巻線抵抗、LdとLq
はd軸とq軸のインダクダンス、pは極対数、φはモー
ター8の鎖交磁束である。
【0016】電圧位相演算部16は、図3に示すよう
に、d軸およびq軸電圧指令値vd*、vq*および磁極位
置θaに基づいて3相方形波電圧指令の波高値V1*と位
相θvを演算する。120度方形波電圧生成部17は、
3相方形波電圧指令の波高値V1*と位相θvに基づい
て、図5の中央部に示すような電気角120度の通流幅
の方形波電圧指令値vu*、vv*、vw*を出力する。
【0017】なお、図1および図2に示すベクトル制御
部1、非干渉電流制御部2、2相3相変換部3、モータ
ー回転速度検出部10、磁極位置検出部11、位相補正
部12、3相2相変換部14、モーター電圧指令演算部
15、電圧位相演算部16および120度方形波電圧生
成部17は、マイクロコンピューターとメモリやA/D
コンバーターなどの周辺部品によるソフトウエア形態に
より構成される。
【0018】図1に示す正弦波電流ベクトル制御により
インバーター4を制御し、モーター8を高速で駆動する
場合は、インバーター4の各相のスイッチング素子がP
WM駆動されるので、スイッチング周波数が高くなり、
上述したようにスイッチング損失が増加する。
【0019】この実施の形態では、モーター8を高速で
駆動する場合に、図2に示す120度通流方形波電圧制
御によりインバーター4を制御する。この120度通流
方形波電圧制御では、図5に示すように、インバーター
4の各相のスイッチング素子が1周期に2回オン、オフ
を繰り返すだけである。したがって、120度通流方形
波電圧制御によりインバーター4を制御してモーター8
を高速駆動しても、上述した正弦波電流ベクトル制御で
モーターを高速駆動する場合に比べて、スイッチング周
波数ははるかに低く、当然スイッチング損失も低くな
る。
【0020】《インバーターの制御方式を切り換えるた
めのモーターの回転速度条件》次に、正弦波電流ベクト
ル制御と120度通流方形波電圧制御とを切り換える方
法について説明する。この実施の形態では、3相同期モ
ーター8に8極の同期モーターを用いた例を示す。8極
の3相同期モーター8を5kHzのキャリア周波数でP
WM駆動した場合、モーター回転速度10000rpm程
度が正弦波電流ベクトル制御の限界である。そこで、こ
の実施の形態ではモーター8の回転速度が9000rpm
以下の低速域では正弦波電流ベクトル制御によりインバ
ーター4を制御し、モーター8の回転速度が9000rp
mを超える高速域では120度通流方形波電圧制御によ
りインバーター4を制御する。
【0021】このようにインバーター4の制御方式を切
り換えることによって、低速域では低いスイッチング周
波数でスイッチング素子のPWM駆動が行われ、スイッ
チング損失が低く抑制される上に、高速域でも120度
通流方形波電圧制御による低いスイッチング周波数でス
イッチング素子が駆動されて、スイッチング損失が低減
される。つまり、この一実施の形態によれば、モーター
の全速度範囲でインバーター4のスイッチング損失を低
減することができ、インバーター4のスイッチング素子
の冷却装置を小型化することができる。
【0022】なお、制御方式切り換え時のチャタリング
を防止するために、図4に示すように、インバーターの
制御方式を切り換えるためのモーター8の回転速度条件
にヒステリシスを設けてもよい。すなわち、モーター8
の回転速度が9000rpmを超えたら正弦波電流ベクト
ル制御から120度通流方形波電圧制御へ切り換え、逆
に、モーター8の回転速度が8500rpm以下になった
ら120度通流方形波電圧制御から正弦波電流ベクトル
制御へ戻す。
【0023】上述した一実施の形態では、インバーター
の制御方式を切り換えるためのモーター回転速度条件を
9000rpmとする例を示したが、このモーター回転速
度条件はこの一実施の形態の条件に限定されない。ま
た、インバーターの制御方式を切り換えるためのモータ
ー回転速度条件のヒステリシスについても、図4に示す
この一実施の形態のヒステリシスに限定されない。
【0024】《インバーター制御方式の切り換えタイミ
ング》インバーター4の制御方式を切り換えるためのモ
ーター回転速度条件が成立した後の、図5に示すよう
に、3相交流電圧指令値vu*、vv*、vw*のいずれかが
ゼロクロスする時点でインバーター4の制御方式を切り
換える。図5ではU相電圧指令値vu*がゼロクロスする
時点で、正弦波電流ベクトル制御と120度通流方形波
電圧制御とを切り換えている。このようなタイミングで
インバーター4の制御方式を切り換えることによって、
図5に示すように、切り換え前後の3相交流電圧指令値
vu*、vw*、wv*をほぼ連続的に変化させることがで
き、モータートルクの変動も少なく、スムーズな切り換
えが可能となる。
【0025】《インバーター制御方式の切り換え条件の
補正》バッテリー13から直流電力をインバーター4へ
供給するシステムでは、バッテリー13の電圧Vbが低
下すると、モーター8の高速域でトルク不足になった
り、モーター8を最高回転速度まで駆動することができ
なくなる。そこで、インバーターの制御方式を切り換え
るためのモーターの回転速度条件をバッテリー電圧Vb
に応じて補正する。すなわち、バッテリー電圧Vbが低
下するほど120度通流方形波電圧制御に切り換えるモ
ーター回転速度を下げ、モーター8の高速域でのトルク
不足を防止するとともに、最高回転速度までの駆動を可
能にし、バッテリー電圧Vbの変動に対するモーター8
の安定な駆動制御を実現する。
【0026】また、モーター8の出力トルクが増大する
と、モーター8を最高回転速度まで駆動することができ
なくなる。そこで、インバーターの制御方式を切り換え
るためのモーターの回転速度条件をモーター8の出力ト
ルクに応じて補正する。すなわち、トルク指令T*が増
加するほど120通流方形波電圧制御へ切り換えるモー
ター回転速度を下げ、モーター8の最高回転速度までの
駆動を可能にし、モーター出力トルクの変動に対するモ
ーター8の安定な駆動制御を実現する。
【0027】インバーター4の制御方式を切り換えるた
めのモーター8の回転速度条件を、弱め界磁制御を開始
する回転速度としてもよい。つまり、弱め界磁制御を開
始する回転速度以下の低速域では、正弦波電流ベクトル
制御によりインバーター4を制御し、弱め界磁制御を行
う高速域では120度通流方形波電圧制御によりインバ
ーター4を制御する。
【0028】この場合も制御方式切り換え時のチャタリ
ングを防止するために、図7に示すように切り換え回転
速度条件にヒステリシスを設ける。すなわち、モーター
8の回転速度が、弱め界磁制御を開始するモーター回転
速度にヒステリシス分の回転速度αを加えた回転速度
(+α)に達したら、正弦波電流ベクトル制御から1
20度通流方形波電圧制御へ切り換える。逆に、モータ
ー回転速度が弱め界磁制御を行う回転速度まで低下し
たら、120度通流方形波電圧制御から正弦波電流ベク
トル制御に戻す。なお、切り換えのタイミングは上述し
た図5に示すタイミングとする。この切り換え条件によ
れば、弱め界磁制御領域では3相交流電圧の波高値をバ
ッテリー電圧Vbで制限される最大値に固定でき、制御
が簡素化できるという利点がある。
【0029】なお、インバーター4の制御方式を切り換
えるためのモーター8の回転速度条件を、弱め界磁制御
を開始する回転速度とし、さらにその回転速度を上述し
たようにバッテリー電圧Vbとモーター出力トルクによ
り補正するようにしてもよい。
【0030】なお、インバーター制御方式の切り換え中
に、トルク指令値T*およびd軸、q軸の電流指令値id
*、iq*が変化した場合には、図6に示すように、切り
換えが終了するまでトルク指令値T*および電流指令値
id*、iq*を更新せずに切り換え前の値のままとし、切
り換えが終了したらこれらの指令値を更新する。これに
より、インバーター制御方式の切り換え前後で3相交流
電圧指令値vu*、vv*、vw*をほぼ連続的に変化させる
ことができ、モータートルクの変動も少なく、スムーズ
な切り換えが可能となる。なお、切り換え時間は数百μ
sec程度であり、モータートルクの出力遅れは問題にな
らない。
【0031】なお、上述したインバーター4の制御方式
の切り換え制御は、マイクロコンピューターを備えたコ
ントローラーにより実行される。
【0032】上述した一実施の形態では3相同期モータ
ーを例に上げて説明したが、本願発明は3相誘導モータ
ーに対しても適用することができ、上述した効果と同様
な効果を得ることができる。
【0033】以上の実施の形態の構成において、エンコ
ーダー9およびモーター回転速度検出部10が速度検出
手段を、マイクロコンピューターを備えたコントローラ
ー(不図示)が制御手段を、バッテリー13が電圧検出
手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の正弦波電流ベクトル制御の構
成を示す図である。
【図2】 一実施の形態の120度通流方形波電圧制御
の構成を示す図である。
【図3】 d軸およびq軸電圧指令値vd*、vq*および
磁極位置θaから3相方形波電圧指令値の波高値V1*
位相θvを演算する方法を説明するための図である。
【図4】 正弦波電流ベクトル制御と120度通流方形
波電圧制御との切り換えヒステリシスを示す図である。
【図5】 正弦波電流ベクトル制御と120度通流方形
波電圧制御との切り換えタイミングを示す図である。
【図6】 制御方式切り換え時のトルク指令値と電流指
令値を示す図である。
【図7】 弱め界磁制御領域における正弦波電流ベクト
ル制御と120度通流方形波電圧制御との切り換えヒス
テリシスを示す図である。
【符号の説明】
1 ベクトル制御部 2 非干渉電流制御部 3 2相3相変換部 4 インバーター 5〜7 電流センサー 8 3相同期モーター 9 エンコーダー 10 モーター回転速度検出部 11 磁極位置検出部 12 位相補正部 13 バッテリー 14 3相2相変換部 15 モーター電圧指令演算部 16 電圧位相演算部 17 120度方形波電圧生成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 BB04 DC13 EB01 EC02 UA02 UA06 XA12 XA13 XA17 5H576 BB03 BB06 CC02 DD02 DD04 DD05 EE01 EE11 FF07 FF08 GG01 GG02 GG04 GG07 HA04 HB01 JJ03 JJ09 JJ16 JJ25 LL07 LL22 LL41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバーターにより直流電力を交流電力に
    変換して3相交流モーターを駆動制御する交流モーター
    の駆動制御装置において、 前記モーターの回転速度を検出する速度検出手段と、 前記モーターの回転速度検出値が所定値以下の低速域で
    は正弦波電流ベクトル制御により前記インバーターを制
    御し、前記モーター回転速度検出値が前記所定値を超え
    る高速域では120度通流方形波電圧制御により前記イ
    ンバーターを制御する制御手段とを備えることを特徴と
    する交流モーターの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の交流モーターの駆動制御
    装置において、 前記制御手段は前記所定値にヒステリシスを設けること
    を特徴とする交流モーターの駆動制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の交流モー
    ターの駆動制御装置において、 前記インバーターに直流電力を供給するバッテリーと、 前記バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段とを備
    え、 前記制御手段は、前記バッテリー電圧検出値が低下する
    ほど前記所定値を下げることを特徴とする交流モーター
    の駆動制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかの項に記載の交
    流モーターの駆動制御装置において、 前記制御手段は、前記モーターの出力トルク指令値が増
    加するほど前記所定値を下げることを特徴とする交流モ
    ーターの駆動制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの項に記載の交流
    モーターの駆動制御装置において、 前記制御手段は、前記所定値を前記モーターの弱め界磁
    制御を開始する回転速度とすることを特徴とする交流モ
    ーターの駆動制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかの項に記載の交流
    モーターの駆動制御装置において、 前記制御手段は、前記モーター回転速度検出値が前記所
    定値に達した後の、3相交流電圧指令値vu*、vv*、v
    w*のいずれかがゼロクロスする時点で制御方式を切り換
    えることを特徴とする交流モーターの駆動制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかの項に記載の交流
    モーターの駆動制御装置において、 前記制御手段は、前記インバーターの制御方式の切り換
    え中に前記インバーターに対するトルク指令値および電
    流指令値が変化しても、前記インバーターの制御方式の
    切り換えが終了するまではトルク指令値および電流指令
    値を更新しないことを特徴とする交流モーターの駆動制
    御装置。
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