JP5176369B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、車両用のパワーステアリング装置には、モータを駆動源とした電動パワーステアリング装置(EPS)があり、こうしたEPSには、油圧式のパワーステアリング装置と比較して、レイアウト自由度が高く、且つエネルギー消費量が小さいという特徴がある。このため、近年では、小型車両から大型車両までの幅広い車種において、その採用が検討されるようになっている。
さて、通常、このようなEPSにおけるアシスト力の制御は、その駆動源であるモータに通電される実電流値を検出し、該実電流値に基づいて電流フィードバック制御を実行することにより行われる。しかしながら、このような電流フィードバック制御には、その実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域があり、こうした制御領域においては、当該トルクリップルにより引き起こされる異音や振動の発生により操舵フィーリングが悪化するという問題がある。
即ち、上記実電流値の検出誤差は、その検出される実電流の大きい場合、例えば、所謂据え切り時のような、大きなアシスト力が要求される停車又は極低速走行時でのステアリング操作時に大となる。そして、当該演算誤差に基づく制御量は、電流フィードバック制御に含まれる積分項により増幅され、特に、小さな電流偏差が持続しやすい低速操舵時又は保舵時には、上記演算誤差に基づく制御量がトルクリップルとして表面化し、それに伴い発生する異音や振動が操舵フィーリングの低下を招くことになる。このため、従来、EPSにおいては、例えば、電流偏差の大きさに基づいてフィードバックゲインを可変する(例えば、特許文献1参照)等、こうした問題の発生を抑制するための高度な補正制御が行われている。
特開2000−108916号公報
しかしながら、上記のようにフィードバックゲインを可変する構成は、その最適な可変ゲインの設計が難しい。さらに、実電流値の検出誤差も、センサの個体差や温度変化等に依存して変化する。このため、上記従来の構成では、十分にトルクリップルの発生を抑制しきれていないのが実情であり、その有効な対策の創出が強く求められていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、実電流値の検出誤差に起因する異音や振動の発生を抑制することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与すべく設けられた操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより該操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、検出される実電流値に基づく電流フィードバック制御の実行により前記モータに対する駆動電力の供給を行う電動パワーステアリング装置であって、前記制御手段は、前記ステアリング操作が、停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であるか否かを判定し、その判定結果が真である場合に、前記電流フィードバック制御に代えて、オープン制御を実行することにより前記モータに対する駆動電力の供給を行うこと、を要旨とする。
即ち、電流検出を行わないオープン制御では、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルは発生し得ない
即ち、実電流値の検出誤差は、その検出される実電流の大きい場合、つまり大きなアシスト力が要求される停車又は極低速走行時でのステアリング操作時に大となる。そして、当該演算誤差に基づく制御量は、電流フィードバック制御に含まれる積分項により増幅され、特に、小さな電流偏差が持続しやすい低速操舵時又は保舵時には、上記演算誤差に基づく制御量がトルクリップルとして表面化しやすい。従って、上記構成によれば、このような場合におけるトルクリップルの発生、及びそれにより生ずる異音・振動を効果的に抑制することができる。その結果、その操舵状況に関わらず良好な操舵フィーリングを実現することができるようになる。
本発明によれば、簡素な構成にて、実電流値の検出誤差に起因する異音や振動の発生を抑制することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のEPS1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により操舵輪6の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、その駆動源であるモータ12がラック5と同軸に配置された所謂ラック型のEPSアクチュエータであり、モータ12が発生するアシストトルクは、ボールねじ機構(図示略)を介してラック5に伝達される。尚、本実施形態のモータ12は、ブラシレスモータであり、ECU11から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。そして、モータ制御装置としてのECU11は、このモータ12が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
本実施形態では、ECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されている。そして、ECU11は、これらトルクセンサ14及び車速センサ15によりそれぞれ検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、EPSアクチュエータ10の作動、即ちパワーアシスト制御を実行する。
次に、本実施形態のEPSの電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPSの制御ブロック図である。同図に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段としてのマイコン17と、同マイコン17の出力するモータ制御信号に基づいてモータ12に三相の駆動電力を供給する駆動回路18とを備えている。
詳述すると、本実施形態の駆動回路18は、直列に接続された一対のスイッチング素子(FET)を基本単位(アーム)として、各相に対応する3つのアームを並列接続してなる周知のPWMインバータであり、マイコン17の出力するモータ制御信号は、駆動回路18を構成する各FET18a〜18fのオンduty比を規定するものとなっている。そして、モータ制御信号がFET18a〜18fのゲート端子に印加され、同モータ制御信号に応答して各FET18a〜18fがオン/オフすることにより、車載電源(図示略)の直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換されてモータ12に供給されるようになっている。
さらに詳述すると、本実施形態では、ECU11には、モータ12に通電される各相電流値Iu,Iv,Iwを検出するための電流センサ20u,20v,20w、及びモータ12の回転角θを検出するための回転角センサ21が接続されている。そして、マイコン17は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ12の各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θ、並びに上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、駆動回路18に対するモータ制御信号の出力を実行する。
本実施形態のマイコン17は、操舵系に付与するアシスト力の制御目標量として電流指令値を演算する電流指令値演算手段としての電流指令値演算部22と、電流指令値演算部22により算出された電流指令値に基づいてモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成手段としてのモータ制御信号生成部24とを備えている。
本実施形態では、電流指令値演算部22には、上記トルクセンサ14及び車速センサ15により検出された操舵トルクτ及び車速Vが入力される。そして、電流指令値演算部22は、その操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*を演算する。
モータ制御信号生成部24には、電流指令値演算部22において演算された電流指令値Iq*とともに、各電流センサ20u,20v,20wにより検出された実電流値としての各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角センサ21により検出された回転角θが入力される。そして、モータ制御信号生成部24は、これら各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角θ(電気角)に基づいて、d/q座標系における電流フィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を生成する。
即ち、モータ制御信号生成部24において、各相電流値Iu,Iv,Iwは、回転角θとともに3相/2相変換部25に入力され、同3相/2相変換部25によりd/q座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換される。また、モータ制御信号生成部24に入力された電流指令値Iq*は、q軸電流指令値として、上記q軸電流値Iqとともに減算器26qに入力され、d軸電流値Idは、d軸電流指令値Id*(Id*=0)とともに減算器26dに入力される。そして、これら減算器26d,26qにおいて演算されたd軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqは、それぞれ対応するF/B制御部27d,27qに入力される。
各F/B制御部27d,27qは、入力されたd軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqに所定のF/Bゲイン(PIゲイン)を乗ずることにより、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する。各F/B制御部27d,27qにより演算されたこれらd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、回転角θとともに2相/3相変換部28に入力される。そして、そのd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、2相/3相変換部28において三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換される。
2相/3相変換部28において演算された各電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は、PWM変換部30に入力され、同PWM変換部30において、該各電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するduty指令値が生成される。そして、モータ制御信号生成部24は、これら各duty指令値に示されるオンduty比を有するモータ制御信号を生成し、マイコン17は、そのモータ制御信号を、駆動回路18を構成する各スイッチング素子(のゲート端子)に出力することにより、同駆動回路18の作動、即ちモータ12への駆動電力の供給を制御する。
(異音・振動の抑制制御)
次に、本実施形態のEPSにおける異音・振動の抑制制御の態様について説明する。
図2に示すように、本実施形態では、マイコン17のモータ制御信号生成部24には、上記の各F/B制御部27d,27qに加え、オープン制御(オープンループ制御)の実行により、d軸電圧指令値Vd*_op及びq軸電圧指令値Vq*_opを演算するオープン制御部31が設けられている。このオープン制御部31には、q軸電流指令値として電流指令値演算部22の出力する電流指令値Iq*、及びd軸電流指令値Id*(Id*=0)、並びにモータ12の回転角速度ωが入力されるようになっている。そして、オープン制御部31は、これら各状態量に基づいて、次の(1)(2)式を解くことにより、d軸電圧指令値Vd*_op及びq軸電圧指令値Vq*_opを演算する。
Vd*_op=−L×Iq*×ω ・・・(1)
Vq*_op=R×Iq*+K×ω ・・・(2)
(但し、K:モータ逆起電力定数、R:相抵抗、L:相インダクタンス)
尚、上記(1)(2)式は、以下の(3)(4)式に示されるモータ電圧方程式の一般式に「Id*=0」を代入するとともに、そのd,q軸電圧指令値「Vd*」「Vq*」をそれぞれ「Vd*_op」「Vq*_op」と置き換えたものである。
Vd*=(R+Ls)×Id*−L×Iq*×ω ・・・(3)
Vq*=(R+Ls)×Iq*+L×Id*×ω+K×ω ・・・(4)
また、本実施形態では、モータ制御信号生成部24には、上記各F/B制御部27d,27qによるフィードバック制御とオープン制御部31によるオープン制御との間の切替判定を実行する切替判定部32が設けられている。本実施形態では、この切替判定部32には、車速V及び操舵トルクτ、並びにモータ12の回転角速度ωが入力されるようになっており、切替判定部32は、これら各状態量に基づいて上記の切替判定を実行し、その判定結果を切替信号Schとして2相/3相変換部28に出力する。そして、2相/3相変換部28は、その入力される切替信号Schがフィードバック制御を行うべき旨を示すものである場合には、各F/B制御部27d,27qの出力するd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*に基づいて、三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を生成し、入力される切替信号Schがオープン制御を行うべき旨を示すものである場合には、オープン制御部31の出力するd軸電圧指令値Vd*_op及びq軸電圧指令値Vq*_opに基づいて、各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を生成する。
詳述すると、本実施形態では、切替判定部32は、その切替判定において、現在のステアリング操作状態、即ちそのアシスト力を発生させるためのモータ制御が、上述のような、実電流値である各相電流値Iu,Iv,Iwの検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあるか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、この実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域に対応するステアリング操作として、停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵が設定されている。そして、切替判定部32は、その判定結果が「真」、即ちステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であり、上記検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあると判定した場合には、その出力する切替信号Schを、オープン制御部31によるオープン制御に切り替えるべき旨を示すものに変更する。
即ち、電流検出を行わないオープン制御では、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルは発生し得ない。この点を踏まえ、本実施形態では、当該検出誤差に起因するトルクリップルの発生しやすい制御領域では、その駆動電力を供給するための制御(モータ制御信号を生成するための制御)を電流フィードバック制御からオープン制御に切り替える。そして、これにより、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルの発生、及びこれにより生ずる異音・振動を抑制して、その操舵状況に関わらず良好な操舵フィーリングの実現を図る構成となっている。
次に、本実施形態のマイコンによるモータ制御信号出力の処理手順について説明する。
図3のフローチャートに示すように、マイコン17は、モータ制御信号の出力に用いられる上記各状態量を取得すると(ステップ101)、ステアリング操作状態、即ちアシスト力を発生させるためのモータ制御が、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあるか否かを判定する(ステップ102〜ステップ104)。
具体的には、マイコン17は、先ず、モータ12の回転角速度ω(の絶対値)が所定値ω0以下であるか否かを判定し(ステップ102)、回転角速度ω(の絶対値)が所定値ω0以下である場合(|ω|≦ω0、ステップ102:YES)には、続いて、操舵トルクτが所定値τ0以上であるか否かを判定する(ステップ103)。このステップ103において操舵トルクτが所定値τ0以上であると判定した場合(|τ|≧τ0、ステップ103:YES)、マイコン17は、更に、車速Vが所定速度V0以下であるか否かを判定する(ステップ104)。そして、マイコン17は、このステップ104において車速Vが所定速度V0以下であると判定した場合(V≦V0、ステップ104:YES)に、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあると判定する。
即ち、本実施形態では、マイコン17は、上記ステップ102〜ステップ104の判定処理により規定される「ステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であるか否か」の判定結果をもって、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあるか否かを判定する。つまり、これら各ステップの判定が全て「YES」である場合 (|ω|≦ω0、且つ|τ|≧τ0、且つV≦V0)には、その判定結果を「真」とし、各ステップの判定の何れかが「NO」である場合(|ω|>ω0、且つ|τ|<τ0、且つV>V0)には、その判定結果を「偽」とする。そして、その判定結果が「真」、即ちステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵である場合に、上記検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあると判定する。
マイコン17は、上記ステップ102〜ステップ104の処理を実行すると、その判定結果を受けて、当該判定結果が「偽」である場合(ステップ102:NO、ステップ103:NO、又はステップ104:NO)には、フィードバック制御の実行(ステップ105)により生成されたモータ制御信号を出力する(ステップ106)。そして、その判定結果が「真」である場合、即ちステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であり、上記検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあると判定した場合には、オープン制御の実行(ステップ107)により生成されたモータ制御信号を出力する(ステップ106)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)マイコン17(モータ制御信号生成部24)は、電流フィードバック制御を実行する各F/B制御部27d,27qに加え、オープン制御(オープンループ制御)を実行するオープン制御部31、及びこれら各制御部によるフィードバック制御及びオープン制御間の切替判定を実行する切替判定部32を備える。そして、ステアリング操作状態、即ちアシスト力を発生させるためのモータ制御が、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にある場合には、そのモータ制御信号を生成するための制御を電流フィードバック制御からオープン制御に切り替える。
即ち、電流検出を行わないオープン制御では、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルは発生し得ない。従って、上記構成によれば、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい領域においても、当該トルクリップルの発生、及びそれにより生ずる異音・振動を抑制することができ、その結果、その操舵状況に関わらず良好な操舵フィーリングを実現することができるようになる。
(2)ステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であるか否かの判定結果をもって、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあるか否かを判定する。
即ち、実電流値の検出誤差は、その検出される実電流の大きい場合、つまり大きなアシスト力が要求される停車又は極低速走行時でのステアリング操作時に大となる。そして、当該演算誤差に基づく制御量は、電流フィードバック制御に含まれる積分項により増幅され、特に、小さな電流偏差が持続しやすい低速操舵時又は保舵時には、上記演算誤差に基づく制御量がトルクリップルとして表面化しやすい。従って、上記構成のように、こうした場合に、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあると判定し、そのモータ制御信号を生成するための制御を電流フィードバック制御からオープン制御に切り替えることで、トルクリップルの発生、及びそれにより生ずる異音・振動を効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域に対応するステアリング操作として、停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵を設定した。しかし、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域に対応するステアリング操作は、停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵に限るものではなく、これ以外の操舵状況を実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域に設定してもよい。
・本実施形態では、モータ12の回転角速度ω(の絶対値)が所定値ω0以下であり(|ω|≦ω0)、且つ操舵トルクτが所定値τ0以上であり(|τ|≧τ0)、且つ車速Vが所定速度V0以下である場合(V≦V0)に、ステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であると判定した。しかし、ステアリング操作が停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵である否か判定、つまり実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあるか否かの判定は、これらの各条件判定以外の判定処理、及びその組み合わせにより行うこととしてもよい。
例えば、図3に示されるステップ102〜ステップ104の判定処理において、ステップ103、又はステップ104の判定条件を省略する。即ち、回転角速度ωに関する条件判定と、操舵トルクτ又は車速Vに関する条件判定とを組み合わせた構成としてもよい。また、操舵トルクτに代えて電流指令値Iq*を用いてもよい。そして、更には、電流指令値に関する条件判定と電流偏差に関する条件判定との組み合わせる等の構成、即ち電流指令値が大きく電流偏差が小さい場合に、実電流値の検出誤差に起因するトルクリップルが発生しやすい制御領域にあると判定する構成としてもよい。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの電気的構成を示すブロック図。 モータ制御信号出力の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、17…マイコン、18…駆動回路、22…電流指令値演算部、24…モータ制御信号生成部、27d,27q…F/B制御部、31…オープン制御部、32…切替判定部、Vd*,Vd*_op…d軸電圧指令値、Vq*,Vq*_op…q軸電圧指令値、Sch…切替信号、ω…回転角速度、ω0…所定値、V…車速、V0…所定速度、τ…操舵トルク、τ0…所定値。

Claims (1)

  1. 操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与すべく設けられた操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより該操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、検出される実電流値に基づく電流フィードバック制御の実行により前記モータに対する駆動電力の供給を行う電動パワーステアリング装置であって、
    前記制御手段は、前記ステアリング操作が、停車又は極低速走行時における低速操舵又は保舵であるか否かを判定し、その判定結果が真である場合に、前記電流フィードバック制御に代えて、オープン制御を実行することにより前記モータに対する駆動電力の供給を行うこと、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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