JP2008030675A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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    • HELECTRICITY
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    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/10Arrangements for controlling torque ripple, e.g. providing reduced torque ripple

Abstract

【課題】トルクリップルを抑制し且つコギングトルク性能を劣化させずに、モータの出力性能を向上させることができるモータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】誘起電圧に基本波成分以外の高調波成分が含まれた3相ブラシレスモータ12を備え、前記高調波成分を含んだ誘起電圧を用いて相電流指令値を出力し、その相電流指令値に基づいてモータ12に相電流を供給する。前記高調波成分の含有率はモータ12のスキュー角度βにより設定され、そのスキュー角度βは誘起電圧が基本波となるスキュー角度より小さく、且つコギングトルクが目標値Tc1以下となるスキュー角度に設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘起電圧に高調波成分が重畳された3相以上の相を持つブラシレスモータ所謂高調波モータを使用した電動パワーステアリング装置に関するものである。
近年、電動パワーステアリング装置(以下、EPSと称す)の需要の増加、適用車両の大型化による必要推力の増加、緊急回避を想定した高転追性要求などにより、EPSの性能面でさまざまな高出力化の要求がある。この要求に対しては、使用する電動モータを大型化しトルク及び回転性能を向上させたり、永久磁石を高磁束のものにしたりすることで対応することも可能であるが、前者については、大型化することによる車両レイアウト性の悪化、高コスト化、及びコギングトルクの悪化によるフィーリング悪化と振動・騒音の悪化という事態が生じる。また、後者については、大幅な高コスト化、コギングトルク性能の悪化による振動・騒音の悪化が生じる。
特にコラムタイプEPSについては運転者がEPSに近いため、コギングトルクの悪化による振動・騒音の悪化は極力回避しなければならない。また、トルクリップル性能の悪化についても、振動・騒音の悪化、ステアリングフィーリングの悪化に影響するため、回避する必要がある。
したがって、良好なコギングトルク、トルクリップル性能を持ちながら、大型化せずモータの出力を向上させる方法が必要である。
このような方法として、永久磁石の磁極の境界線にスキューを設けた回転子を備える永久磁石式回転電機において、スキュー角度の上限値を理論角度θs(=180×(回転子の磁極数)/(回転子の磁極数と固定子の磁極数との最小公倍数))より小さな値とし、下限値を上記理論角度θsの半分より大きな値とすることで、モータコギングトルクを低減しつつ磁束密度を大きくして、高出力化を可能とするというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、エネルギーバランス方程式を応用して、電流指令値Irefとロータ電気角θと誘起電圧モデルeq(θ),ed(θ)とd軸電流Idとによりモータトルクを決定するq軸電流Iqを算出することで、高調波モータのトルクリップルを抑制するモータ駆動制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、3相以上の相を有するモータを制御するモータ駆動制御装置として、モータ制御に含まれる非線形要素を各相に分離した状態で制御することで、トルクリップル及び騒音ノイズを抑制すると共に、モータの高速回転時にもモータ端子電圧を飽和させず、トルクリップル及びモータ騒音を抑制するというものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−20930号公報 特開2004−201487号公報 特開2006−158198号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の永久磁石式回転電機にあっては、誘起電圧波形が正弦波とならず高調波成分が含有されるため、通常の正弦波駆動方式を採用した場合にトルクリップルが発生し、ステアリングフィーリングの悪化、及び振動・騒音の悪化が生じる。
また、上記特許文献2及び3に記載のモータ駆動制御装置にあっては、誘起電圧に高調波成分が含有され、矩形波若しくは擬似矩形波誘起電圧となった場合でもトルクリップルを抑制しつつ、モータの出力を向上させることが可能であるが、具体的な高調波成分の含有方法、及びコギングトルクの考慮はなされていないため、モータを最適に制御することができないおそれがある。
そこで、本発明は、EPSモータとしてのモータ最適設定方法について明確にすると共に、トルクリップルを抑制し且つコギングトルク性能を劣化させずに、モータの出力性能を向上させることができるモータ及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、3相以上の相を持つブラシレスモータと、前記ブラシレスモータを駆動するための相電流を供給する電流制御手段と、前記相電流の指令値を決定する電流指令値設定手段とを備え、前記ブラシレスモータは、基本波成分以外に高調波成分を含有した誘起電圧波形を有することを特徴としている。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記ブラシレスモータの高調波成分の含有率は、当該ブラシレスモータの構成部品であるロータ及びステータの少なくとも一方のスキュー角度により設定されていることを特徴としている。
また、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2に係る発明において、前記スキュー角度は、前記誘起電圧が基本波となるスキュー角度より小さい角度に設定されていることを特徴としている。
さらに、請求項4に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2又は3に係る発明において、前記スキュー角度は、コギングトルクが所定値以下となるスキュー角度に設定されていることを特徴としている。
また、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2〜4の何れか1項に係る発明において、前記スキュー角度は、前記誘起電圧に7次以下の次数の高調波成分が含有されるスキュー角度に設定されていることを特徴としている。
さらに、請求項6に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜5の何れか1項に係る発明において、前記電流指令値設定手段は、前記ブラシレスモータの誘起電圧を利用し、各相電流指令値を出力することを特徴としている。
さらにまた、請求項7に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜6の何れか1項に係る発明において、前記電流指令値設定手段は、相電流指令値波形を誘起電圧波形に対してモータ回転性能を向上させるように決定する進角制御を行う進角制御手段を備えることを特徴としている。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、誘起電圧に基本波成分以外の高調波成分が含まれた3相以上の相を持つブラシレスモータを適用し、その高調波成分の含有率をスキュー角度により調整するので、例えば、モータのトルク性能を向上させたりコギングトルクを所定値以下に止めたりすることができるなど、モータを最適に設定することができると共に、前記高調波成分を含んだ誘起電圧に基づいて相電流指令値を算出し、これに基づいてモータに相電流を供給するので、高調波誘起電圧に起因したトルクリップルの発生を抑制することができるという効果が得られる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、モータのトルク性能の向上に伴って、モータの小型化及び軽量化を実現することができ、車両搭載性を向上することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、符号1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端はトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結されて操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータとしての3相ブラシレスモータ12とを備えている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介装した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。
また、3相ブラシレスモータ12は、図2に示すように、U相コイルLu、V相コイルLv及びW相コイルLwの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各コイルLu、Lv及びLwの他端が操舵補助制御装置20に接続されて、個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給される。また、3相ブラシレスモータ12は、ロータの回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路13を備えている。
操舵補助制御装置20には、トルクセンサ3で検出された操舵トルクT及び車速センサ21で検出された車速検出値Vsが入力されると共に、ロータ位置検出回路13で検出されたロータ回転角θが入力され、さらに3相ブラシレスモータ12の各相コイルLu、Lv及びLwに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud、Ivd及びIwdが入力される。
この操舵補助制御装置20は、操舵トルクT、車速検出値Vs及びロータ回転角θに基づいて操舵補助目標電流値を演算して、モータ電圧指令値Vu、Vv及びVwを出力する例えばマイクロコンピュータで構成される制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、制御演算装置23から出力される相電圧指令値Vu、Vv及びVwに基づいてモータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路25とを備えている。
制御演算装置23は、図3に示すように、ベクトル制御の優れた特性を利用してベクトル制御d、q成分の電流指令値(目標電流値)を決定した後、この電流指令値を各励磁コイルLu〜Lwに対応した各相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換して出力する目標電流設定部30と、このベクトル制御装置指令値算出回路30から出力される各相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*とモータ電流検出回路22で検出したモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとで電流フィードバック処理を行って駆動電圧を制御する駆動電圧制御部40とを備えている。
この図3において、目標電流設定部30が電流指令値設定手段に対応し、駆動電圧制御部40、モータ駆動回路24及びFETゲート駆動回路25が電流制御手段に対応している。
目標電流設定部30は、図3に示すように、トルクセンサ3で検出した操舵トルクTと車速センサ21で検出した車速Vsとが入力され、これらに基づいて操舵補助電流指令値Irefを算出する操舵補助電流指令値演算部31と、ロータ位置検出回路13で検出したロータ回転角θを電気角θeに変換する電気角変換部32と、この電気角変換部32から出力される電気角θeを微分して電気角速度ωeを算出する微分回路33と、操舵補助電流指令値Irefと電気角速度ωeとに基づいてd軸目標電流Id*を算出するd軸目標電流算出部34と、電気角θe及び電気角速度ωeに基づいてd−q軸誘起電圧モデルEMF(Electro−Motive Force)のd軸EMF成分ed0(=ed/ωe=edAC0sin(θ))及びq軸EMF成分eq0(=eq/ωe=EqDC0−eqAC0cos(6θ))を算出する誘起電圧モデル算出部35と、この誘起電圧モデル算出部35から出力されるd軸EMF成分ed0及びq軸EMF成分eq0とd軸目標電流算出部34から出力されるd軸目標電流id*と操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefとに基づいてq軸目標電流iq*を算出するq軸目標電流算出部36と、d軸目標電流算出部34から出力されるd軸目標電流id*とq軸目標電流算出部36から出力されるq軸目標電流iq*とを3相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換する2相/3相変換部37とを備えている。
この目標電流設定部30は、操舵補助電流指令値Iref、電気角θe、電気角速度ωeおよびモータ定数情報に基づいて、電気角1周期に対して6倍の周波数で且つq軸電流と逆位相で駆動するd軸目標電流Id*を算出すると共に、モータのエネルギーバランス方程式を応用した後述するトルク一定式をもとに、操舵補助電流指令値Iref、電気角θe、dq軸EMF成分ed0(θ),eq0(θ)及びd軸目標電流Id*より、モータトルクを決定するq軸目標電流Iq*を算出するようになっている。
ここで、トルク一定式とは、dq軸の誘起電圧ed及びeqを用いた下記(1)式で表される関係式である。
Tωm=(2/3)Ktrefωm
=iuu+ivv+iww=Iqq+Idd ………(1)
ここで、Tはモータトルク、ωmはモータ機械角速度、Ktはモータトルク定数、irefはモータトルク指令電流、iuはU相電流、ivはV相電流、iwはW相電流、euはU相誘起電圧(EMF)、evはV相誘起電圧(EMF)、ewはW相誘起電圧(EMF)、Iqはq軸電流、Idはd軸電流、eqはq軸誘起電圧(EMF)、edはd軸誘起電圧(EMF)である。
上述した操舵補助電流指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出する。ここで、操舵補助電流指令値算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助指令値Irefをとると共に、車速Vsをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成されている。
そして、操舵トルクTが“0”からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助指令値Irefが“0”を維持し、操舵トルクTが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助指令値Irefが操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助指令値Irefが急峻に増加するように設定され、この特性曲線が、車速が増加するに従って傾きが小さくなるように設定されている。
また、d軸目標電流算出部34には、図5に示すように、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefと、電気角変換部32から出力される電気角θeと、後述する誘起電圧算出部35から入力される誘起電圧モデルで表されるq軸EMFの直流成分EqDC0(=ωeqDC0=EqDC)、q軸EMFの振幅成分eqAC0(ωeqAC0=eqAC)、d軸EMFの振幅成分edAC0(ωedAC0=edAC)とが入力される。
このd軸目標電流算出部34は、入力される操舵補助電流指令値Irefをもとに図6に示すd軸直流成分算出マップを参照して仮のd軸電流の直流成分IdDCを算出する進角制御手段としてのd軸電流直流成分算出部34aと、同様に入力される操舵補助電流指令値Irefをもとに図7に示すd軸振幅係数算出マップを参照してd軸電流の振幅を決定する振幅係数IdAmpを算出するd軸振幅係数算出部34bと、操舵補助電流指令値Iref、ロータ電気角θ及び誘起電圧モデルEMFに基づいて擬似q軸電流iq(θ)′を算出する擬似q軸電流算出部34cと、この擬似q軸電流算出部34cで算出した擬似q軸電流iq(θ)′に基づいてd軸電流の振幅成分の逆位相分を算出するd軸逆位相電流成分Id(θ)′を算出するd軸電流振幅成分算出部34dと、d軸直流成分IdDC、d軸振幅係数IdAmp、d軸逆位相成分Id(θ)′に基づいてd軸目標電流Id(θ)を算出するd軸目標電流算出部34eとを備えている。
ここで、d軸直流成分算出部34aで参照するd軸直流成分算出マップは、図6に示すように、操舵補助電流指令値Irefが“0”から所定値Iref1までの間ではd軸直流成分IdDCが一定値Id1をとり、操舵補助電流指令値Irefが所定値Iref1を超えると、操舵補助電流指令値Irefの増加に応じてd軸直流成分IdDCが一定値Id1より徐々に減少して操舵補助電流指令値Irefが最大値Iref2に達するとd軸直流成分IdDCが“0”となるように特性線が設定されている。
また、d軸振幅係数算出部34bで参照するd軸振幅係数算出マップは、図7に示すように特性線が設定されている。このd軸振幅係数算出マップは、各回転数においてモータ出力が最大となるようにシミュレーションしたときの操舵補助電流指令値Irefとd軸振幅係数IdAmpとの関係を特性線図としたものである。
さらに、擬似q軸電流算出部34cは、操舵補助電流指令値演算部31から出力される操舵補助電流指令値Irefと、電気角変換部32から出力されるロータ電気角θと、後述する誘起電圧算出部35から入力される誘起電圧モデルで表されるq軸EMFの直流成分EqDC0(=ωeqDC0=EqDC)、q軸EMFの振幅成分eqAC0(ωeqAC0=eqAC)、d軸EMFの振幅成分edAC0(ωedAC0=edAC)と、d軸直流成分算出部34aで算出したd軸直流成分IdDCとに基づいてモータの正逆転駆動を考慮して、次式の演算を行って擬似q軸電流Id(θ)′を算出する。
q(θ)′=|IqDC+iqccos(6θ)−iqssin(6θ)| ………(2)
これは、q軸電流iq(θ)の振動成分の中で、6次の高調波成分が支配的であることを利用して、d軸電流id(θ)及びq軸電流iq(θ)が下記(3)及び(4)式で近似することができることに基づくものである。
d(θ)=IdDC+idccos(6θ)+idssin(6θ) ………(3)
q(θ)=IqDC+iqccos(6θ)−iqssin(6θ) ………(4)
但し、
qDC=2Ktref/3pEqDC0
qc=2KtrefqAC0/3pEqDC0 2
qs=IdDCqAC0/EqDC0
さらに、d軸電流振幅成分算出部34dは、上記(4)式における右辺第1項のq軸直流分IqDCを除く交流成分の符号を反転させて下記(5)式に基づいて振幅成分の逆位相出力id(θ)′を算出する。
d(θ)′=−(iqccos(6θ)−iqssin(6θ)) ………(5)
さらにまた、d軸電流算出部34eは、d軸直流成分IdDC、d軸振幅係数IdAmp及びd軸振幅成分の逆位相成分id(θ)′に基づいて次式の演算を行ってd軸電流指令値id(θ)を算出する。
d(θ)=IdDC−IdAmp(iqccos(6θ)−iqssin(6θ))………(6)
つまり、d軸電流指令値id(θ)は、q軸電流iq(θ)と逆位相で駆動するものとして定義する。
また、q軸目標電流算出部36は、d軸電流指令値id(θ)と、電気角速度ωe、d軸EMF成分ed0(θ)、q軸EMF成分eq0(θ)に基づいて、前記(1)式に示すトルク一定の条件式を変形したd軸電流計算式に基づいてq軸電流指令値iq(θ)を算出する。
図3の電圧制御部40は、目標電流設定部30から供給される電流指令値Iu*,Iv*,Iw*から電流検出回路22で検出した各相コイルLu、Lv、Lwに流れるモータ相電流検出値Iud、Ivd、Iwdを減算して各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwを求める減算器41u、41v及び41wと、求めた各相電流誤差ΔIu、ΔIv、ΔIwに対して比例積分制御を行って指令電圧Vu、Vv、Vwを算出するPI制御部42とを備えている。
そして、PI制御部42から出力される指令電圧Vu、Vv、VwがFETゲート駆動回路25に供給される。
モータ駆動回路24は、図2に示すように、各相コイルLu、Lv及びLwに対応して直列に接続されたNチャンネルMOSFETで構成されるスイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbを並列に接続したインバータ構成を有し、スイッチング素子Qua,Qubの接続点、Qva,Qvbの接続点及びQwa,Qwbの接続点が各相コイルLu、Lv及びLwの中性点Pnとは反対側に接続されている。
そして、モータ駆動回路24を構成する各スイッチング素子Qua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,QwbのゲートにFETゲート駆動回路25から出力されるPWM(パルス幅変調)信号が供給されている。
図8は、3相ブラシレスモータ12の内部構造を示す断面図である。この3相ブラシレスモータ12は、外部にトルク及び回転を伝達する出力軸51にロータ52が取付けられ、ロータ52の外周にはトルクを発生させるためのマグネット53が取付けられている。出力軸51はケース54とフランジ55に装着されたベアリング56aと56bとにより軸方向に支持され、回転方向にフリーに回転することができる。
ケース54の内部にはステータ57が配置され、ステータ57にはコイル58が巻かれており、通電することでステータ57に電機子起磁力を発生させ、回転子起磁力によりロータ52に回転力を発生させる。モータの結線方法はスター結線であり、ロータ52に装着されたマグネット53及びステータ57の少なくとも一方にはスキューが施されている。
ここで、スキューにはロータ(マグネット)スキューとステータスキューとがあるが、本実施形態ではどちらの形式を採用してもよい。ロータ(マグネット)スキューは着磁、またはロータのマグネット位置を軸方向で段階的にずらすことで実現できるため、工程の簡易化が実現できる。一方、ステータスキューはステータコアの積層ごとに積層時に鋼板の位置をずらすことで実現でき、滑らかなスキューが実現できると共に、機械的な位置精度によりスキュー角度を決定するため、スキュー角度精度が良いことが特徴である。
そして、本実施形態では、3相ブラシレスモータ12の誘起電圧に基本波成分(正弦波成分)以外に高調波成分を含有させるものとし、その高調波成分の含有率を、上記スキュー角度により設定する。
ここで、スキュー角度は、誘起電圧が正弦波となるスキュー角度より小さく、且つコギングトルクが所定の目標値Tc1以下となるスキュー角度に設定するものとする。さらには、当該スキュー角度は、誘起電圧に7次より大きい次数の高調波成分が極力含有されない範囲(基本波成分に対して0.1%以下)で設定するものとする。
ここで、前記目標値Tc1は、騒音・振動の関係により、良好なコギングトルクとするために、例えば0.020[Nm]程度とする。
一般的に、スキュー角度、コギングトルク及び誘起電圧は図9のような関係がある。図9において、横軸はスキュー角度β、縦軸はコギングトルク又は誘起電圧の高調波含有率である。図中、実線はコギングトルク、一点鎖線は誘起電圧の5次高調波含有率、破線は誘起電圧の7次高調波含有率を示している。
この図9に示すように、スキュー角度β1より小さい角度で、誘起電圧に7次以上の次数の高調波成分が含有される。そして、このスキュー角度β1でのコギングトルクは0.020[Nm]程度となり、目標値Tc1に相当する。また、スキュー角度β2ではコギングトルクが最小となり、スキュー角度β3では誘起電圧波形は正弦波となる。
したがって、本実施形態では、スキュー角度βを、β1より大きくβ3より小さい範囲で設定する。このβ1<β<β3の範囲では、コギングトルクは目標値Tc1以下となる。
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
今、ステアリングホイール1を操舵すると、そのときの操舵トルクTがトルクセンサ3で検出されると共に、車速Vsが車速センサ21で検出される。そして、検出された操舵トルクT及び車速Vsが制御演算装置23の目標電流設定部30における操舵補助電流指令値演算部31に入力されることにより、この操舵補助電流指令値演算部31で、図4の操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出する。
そして、算出された操舵補助電流指令値Irefがd軸目標電流算出部34及びq軸目標電流算出部36に供給される。
また、電気角θe及び電気角速度ωeが誘起電圧モデル算出部35に供給されてd軸EMF成分ed0(θ)、q軸EMF成分eq0(θ)を算出し、これらをd軸電流算出部34の疑似q軸電流算出部34c及びq軸電流算出部36に供給する。
このため、d軸電流算出部34では、d軸直流成分算出部34aで操舵補助電流指令値Irefをもとに図6のd軸直流成分算出マップを参照してd軸直流成分IdDCを算出すると共に、d軸振幅係数算出部34bで、操舵補助電流指令値Irefをもとに図7のq軸振幅係数算出マップを参照してd軸振幅係数IdAmpを算出する。
さらに、疑似q軸電流算出部34cで前記(2)式に基づいて疑似q軸電流iq(θ)′を算出し、次いでd軸電流振幅成分算出部34dで、前記(5)式に基づいてd軸の逆位相成分id(θ)′を算出する。
そして、d軸目標電流算出部34eで、前記(6)式の演算を行ってd軸目標電流id(θ)を算出し、算出したd軸目標電流id(θ)をq軸電流算出部36に供給すると共に2相−3相変換部37に供給する。
q軸電流算出部36では、前記d軸目標電流算出部34eで算出されたd軸目標電流id(θ)を用いてトルク変動を生じないq軸目標電流iq(θ)を算出し、このq軸目標電流iq(θ)を2相/3相変換部37に供給する。
このように、d軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)は略180度位相がずれた逆位相となると共に、d軸電圧Vd及びq軸電圧Vqも同様に略180度位相がずれた逆位相となる。
そして、d軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)が2相/3相変換部37で3相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*に変換され、電圧制御部40で、3相電流指令値Iu*、Iv*及びIw*とモータ電流検出回路22で検出したモータ電流検出値Iud、Ivd及びIwdとで電流フィードバック処理を行って、相電圧指令Vu、Vv及びVwを算出する。そして、その相電圧指令Vu、Vv及びVwに基づいて算出したPWM信号PWMua〜PWMwbをFETゲート駆動回路25へ出力する。
FETゲート駆動回路25は、上記PWM信号に基づいて、モータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御する。その結果、3相ブラシレスモータ12の発生トルクが減速ギヤ11を介してステアリングシャフト2の回転トルクに変換されて、運転者の操舵力がアシストされる。
本実施形態の3相ブラシレスモータ12は、誘起電圧に基本波成分(正弦波成分)以外に高調波成分を含有させるようにスキュー角度βが設定されている。このとき、スキュー角度βは、誘起電圧が正弦波となる角度β3より小さく設定される。
正弦波誘起電圧となる角度よりスキュー角度βを小さくすると、図10に示すように、正弦波誘起電圧に比べコイル相間誘起電圧の1次成分(基本波成分)が上昇する。誘起電圧定数の大きさは1次成分(基本波成分)が支配的であるため、相間誘起電圧の1次成分(基本波成分)の上昇により誘起電圧定数が上昇する。
ところで、電動モータのトルク関係式は次式で表される。
m=EMF・Im/ωm=Kem=Ktm ………(7)
ここで、Tmはモータトルク、EMFはコイル相間誘起電圧、ωmはモータ回転数、Imはモータ相電流、Keは誘起電圧定数、Ktはモータトルク定数である。
上記(7)式に示すように、誘起電圧定数Keとモータトルク定数Ktは同値であるため、上述したように誘起電圧定数Keが上昇するとモータトルク定数Ktも上昇することになり、モータのトルク性能が向上することになる。
このように、スキュー角度βを誘起電圧が正弦波となる角度β3より小さく設定することで、モータの出力性能を向上させることができる。
図9に示すように、スキュー角度βを誘起電圧が正弦波となる角度β3より小さく設定すると、誘起電圧には高調波成分が含有される。
誘起電圧に高調波成分が含有された場合、一般的に用いられる正弦波駆動方式を用いると、高調波成分に起因したトルクリップルを発生してしまう。トルクリップルは騒音・振動およびステアリングフィーリングの悪化につながり、EPS用モータとしては発生を抑制しなければならない。
これに対して本実施形態では、目標電流設定部30で、高調波成分を含んだモータの誘起電圧を利用して相電流指令値を出力する電流制御手法を採用する。これにより、高調波誘起電圧に起因するトルクリップルの発生を抑制することができる。
ところで、一般的に制御の容易さなどからモータの誘起電圧は正弦波とすることが多いが、図9に示すように、誘起電圧が正弦波となるスキュー角度(β=β3)は必ずしもコギングトルクが最小とはならない。コギングトルクはモータの騒音・振動に関係するものであり、コラムタイプEPSなど車両の車室内にモータが配置されるEPSの場合、運転者との距離が近いためモータの振動・騒音を可能な限り低減する必要がある。
本実施形態では、スキュー角度βを誘起電圧が正弦波となる角度β3より小さくし、且つコギングトルクを目標値Tc1以下とするスキュー角度(β>β1)に設定することで、上述したトルク性能の向上に加えて、EPSとして騒音・振動・フィーリングが気にならない範囲でモータの騒音・振動を極力抑制する効果を有する。
さらに、上記のコラムタイプEPSにてモータの振動・騒音が許容される範囲、および車両エンジンルームにモータが配置されるタイプのEPS(例えばピニオンタイプEPS)では、モータを高出力化するために、スキュー角度をコギング最小とするスキュー角度よりさらに小さく設定することできるが、この場合、スキュー角度を小さくするとより高次の高調波成分が誘起電圧に含有される。
上述したように、本実施形態では、誘起電圧の高調波成分に起因するトルクリップルを抑制する電流制御手法を用いるが、この電流制御手法を用いるとモータに流す相電流にも高調波成分が含有される。このため、相電流波形が複雑になり、含有される高調波成分の周波数が電流制御の応答周波を超えると波形実現が困難になり、トルクリップルを効果的に抑制できない。
即ち、電流制御の応答性、および制御回路内の電流検出におけるフィルターによる遅れ、FET、マイコンの応答性より誘起電圧に7次より大きい次数の高調波成分が含有された場合にトルクリップルを抑制する電流波形の生成が困難となる。
これに対して本実施形態では、スキュー角度βを、誘起電圧が正弦波となるスキュー角度β3より小さく、かつ誘起電圧に7次より大きい次数の高調波成分が含有されない範囲、即ちβ1<β<β3で設定するので、トルクリップルを抑制する電流波形の生成を容易にし、効果的にトルクリップルを抑制することができる。
図11に、スキュー角度βを誘起電圧が正弦波となる角度より小さくし、誘起電圧に高調波成分を含有させた場合の、コイル相間誘起電圧、端子間誘起電圧、トルクリップルを抑制する制御電流波形を示す。
この図11において、(a)は誘起電圧が正弦波である場合、(b)は誘起電圧に高調波成分を含有させた場合(コイル相間誘起電圧が擬似矩形波)、(c)は誘起電圧に高調波成分を含有させた場合(端子間誘起電圧が擬似矩形波)である。
モータの極/スロットの関係、ステータ形状、巻線方式、マグネットの種類により、スキュー角度を小さくした場合の誘起電圧に含有される高調波の位相は異なり、図11(b)及び(c)に示すように2種の誘起電圧波形が存在する。
図11(b)に示すように、コイル相間誘起電圧が擬似矩形波となる場合、端子間誘起電圧は擬似三角波となり、制御電流波形は擬似三角波となる。逆に、図11(c)に示すように、端子間誘起電圧が擬似矩形波となる場合、コイル相間誘起電圧は擬似三角波となり制御電流波形は擬似矩形波となる。どちらの場合もコイル相間誘起電圧の1次成分(基本波成分)の向上により、モータのトルク性能が向上することがわかる。
図12に同体格、同巻線構造とし、誘起電圧を正弦波、擬似矩形波とした場合のモータ特性線図を示す。この図12において、破線は正弦波誘起電圧モータ、実線は端子間誘起電圧が擬似矩形波であるモータ、一点鎖線はコイル相間誘起電圧が擬似矩形波であるモータの特性線図である。
この図12からも明らかなように、実線及び一点鎖線で示す擬似矩形波誘起電圧のモータは、破線で示す正弦波誘起電圧のモータに対しトルク性能が向上しており、同体格で高トルクのEPSシステムを提供することができることがわかる。
図13に擬似矩形波誘起電圧のモータに進角制御を用いた場合の特性線図を示す。図13において、(a)は端子間誘起電圧が擬似矩形波であるモータ、(b)はコイル相間誘起電圧が擬似矩形波であるモータの特性線図である。
この図からも明らかなように、何れのモータにおいても進角制御にて回転性能を向上することができることがわかる。
このように、上記実施形態では、誘起電圧に基本波成分以外の高調波成分が含まれた3相ブラシレスモータを適用し、このモータの相電流を制御する。そして、ブラシレスモータの高調波成分の含有率を、当該ブラシレスモータの構成部品であるロータ及びステータの少なくとも一方のスキュー角度により調整するので、例えば、モータのトルク性能を向上させたりコギングトルクを所定値以下に止めたりすることができるなど、モータを最適に設定することができる。また、前記高調波成分を含んだ誘起電圧を用いて相電流指令値を算出し、これに基づいてモータに相電流を供給するので、高調波誘起電圧に起因したトルクリップルの発生を抑制することができる。
また、スキュー角度を、誘起電圧が基本波となるスキュー角度より小さい角度に設定するので、正弦波誘起電圧に比べコイル相間誘起電圧の1次成分を上昇させて誘起電圧定数(モータトルク定数)を上昇させることができ、モータのトルク性能を確実に向上させることができる。
さらに、スキュー角度を、コギングトルクが目標値以下となるスキュー角度に設定するので、EPSとして騒音・振動・フィーリングが気にならない範囲で、モータの騒音・振動を極力抑えることができる。
また、スキュー角度を、誘起電圧に7次より大きい次数の高調波成分が含有されないスキュー角度に設定するので、高調波誘起電圧に起因するトルクリップルを抑制するための電流波形の生成を容易にし、効果的にトルクリップルを抑制することができる。
さらにまた、相電流指令値波形を誘起電圧波形に対してモータ回転性能を向上させるように決定する進角制御を行うので、高転追性を実現することができ、EPS性能を向上することができる。
また、モータ出力が上昇した分、コイルの巻数を多くしトルク定数を上昇させ、トルク上昇分、モータ体格を小さくすることができ、モータの小型化、軽量化を実現することができ、EPSの車両搭載性を向上することができるという効果が得られる。
なお、上記実施形態においては、スキュー角度βを、誘起電圧に7次より大きい高調波成分が極力含有されない角度に設定する場合について説明したが、電流制御の応答性、FET、マイコンの応答性にて、トルクリップルを抑制する電流波形を実現できる場合はこの限りではない。
また、上記実施形態においては、d軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)を2相/3相変換部37で3相目標電流Iu*、Iv*及びIw*に変換してから電圧制御部40に供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、2相/3相変換部37を省略し、これに代えて電流検出回路22で検出したモータ電流Idu、Idv及びIdwを3相/2相変換部に供給してd軸検出電流及びq軸検出電流に変換し、変換したd軸検出電流及びq軸検出電流と、目標電流設定部30で算出したd軸目標電流id(θ)及びq軸目標電流iq(θ)との偏差を算出した後、偏差を2相/3相変換して相制御電圧を算出するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動ブレーキ装置などの車載電動機器や他の電動機器等の3相ブラシレスモータを適用した機器に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、3相ブラシレスモータを適用する場合について説明したが、3相以上の相を持つブラシレスモータを適用することもできる。
本発明の実施形態における車両の概略構成図である。 操舵補助制御装置の一例を示すブロック図である。 図2の制御演算装置の具体的構成を示すブロック図である。 操舵補助電流指令値算出マップを示す特性線図である。 dq軸指令電流算出部の具体的構成を示すブロック図である。 d軸電流直流成分算出マップを示す特性線図である。 d軸電流の振幅係数算出マップを示す特性線図である。 3相ブラシレスモータ12の内部構造を示す図である。 モータのスキュー角度とコギングトルク、誘起電圧の高調波含有率との関係を示す図である。 高調波成分を含有した場合の誘起電圧と1次成分との関係図である。 高調波成分を含有した場合の各誘起電圧波形と制御電流波形の比較図である。 モータ特性線図である。 進角制御時のモータ特性線図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…トルクセンサ、10…操舵補助機構、11…減速ギヤ、12…3相ブラシレスモータ、20…操舵補助制御装置、21…車速センサ、24…モータ駆動回路、25…FETゲート駆動回路、30…目標電流設定部、31…操舵補助電流指令値演算部、32…電気角変換部、33…微分回路、34…d軸目標電流算出部、34a…d軸電流直流成分算出部、34b…d軸振幅係数算出部、34c…擬似q軸電流算出部、34d…d軸電流振幅成分算出部、34e…d軸目標電流算出部、35…誘起電圧モデル算出部、36…q軸目標電流算出部、37…2相/3相変換部、40…駆動電圧制御部

Claims (7)

  1. 3相以上の相を持つブラシレスモータと、前記ブラシレスモータを駆動するための相電流を供給する電流制御手段と、前記相電流の指令値を決定する電流指令値設定手段とを備え、前記ブラシレスモータは、基本波成分以外に高調波成分を含有した誘起電圧波形を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記ブラシレスモータの高調波成分の含有率は、当該ブラシレスモータの構成部品であるロータ及びステータの少なくとも一方のスキュー角度により設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記スキュー角度は、前記誘起電圧が基本波となるスキュー角度より小さい角度に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記スキュー角度は、コギングトルクが所定値以下となるスキュー角度に設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記スキュー角度は、前記誘起電圧に7次以下の次数の高調波成分が含有されるスキュー角度に設定されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記電流指令値設定手段は、前記ブラシレスモータの誘起電圧を利用し、各相電流指令値を出力することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記電流指令値設定手段は、相電流指令値波形を誘起電圧波形に対してモータ回転性能を向上させるように決定する進角制御を行う進角制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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